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夢咲香織
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2021/02/02

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  • SFファンタジー 異能者の惑星 07ヤナーギクの死

    第七話ヤナーギクの死ヤナーギクはすぐ様医務室へ運ばれた。マムルがヘルメットを取ると、そこには焼け爛(ただ)れた顔があった。慎重に宇宙服を脱がせ、冷却スプレーを全身にかける。衣服を脱がそうとしたが、火傷を負った皮膚と癒着しており、マムルは諦めた。哀れなヤナーギクは誰がどう見ても瀕死の状態だった。「博士……」微かな声でヤナーギクが呻(うめ)いた。「喋ってはいかん。体力を消耗する。大丈夫だ、きっと治るから」マムルは死にゆくヤナーギクを前にして、そう嘘をつくしか無かった。「い、良いんです……僕は死ぬ。そうでしょう?」マムルは言葉が無かった。正直、ヤナーギクの言う通りだったからだ。地球の施設なら人工皮膚を移植するなり方法があるが、ここでは手の施しようが無かった。マムルは焦りと諦めの入り交じった気持ちでヤナーギクを見つめた...SFファンタジー異能者の惑星07ヤナーギクの死

  • SF小説 異能者の惑星 06船外活動

    「皆、そろそろワープフィールドを抜けるぞ」船内にミゲルの声が響いた。ポラリス号は眩しい光のワープフィールドから突如マシリ空域へと抜け出した。目の前に無数の宇宙船の残骸が迫る。「デブリだ!回避!」ミゲルが叫んだ。「無理です!こんなに沢山散らばっていては」タイガが絶望的な声を上げる。無数に散らばるデブリをかわす事はコンピューターでも不可能だった。小さなデブリの一つが船体に当たった。ポラリス号が激しい衝撃に曝される。警報(アラーム)が操舵室に鳴り響いた。「クソッ!ワープしろ!」「了解!」ポラリス号は再びワープフィールドへ突入した。ワープフィールドへ入ってしまえば障害物は無い。「タイガ、被害状況を報告しろ」「通信用の発信器が損傷しました。修理可能です」「そうか。警報解除。次のナカイ空域で修理しよう」タイガは警報を切った...SF小説異能者の惑星06船外活動

  • SF小説 異能者の惑星 05海

    船は現在自動航行モードのため、タイガにも自由時間があった。自由時間は何に費やしても良いのだが、タイガは体が鈍らないように、船内をランニングする事にした。全長百メートルの船の中はそれなりに走り甲斐がある。トレーニングウェアに着替えたタイガは操舵室を出た通路から船尾までランニングを始めた。人工重力というのは有り難いものである。もし無かったら、こんな風にランニングすることは出来ないだろう。それどころか、皆宇宙酔いで具合が悪くなるに決まっている。船内を二往復し、再び船尾に向かって走っている途中で、アリッサがニライとヴァーチャルルームへ入って行く所を目撃した。ヴァーチャルルームはホログラムと音声で地球の風景を再現できるヒーリングルームである。タイガは何故アリッサがニライと?と怪訝に思い、そしてイライラし始めた。全く、俺達...SF小説異能者の惑星05海

  • SF小説 異能者の惑星 03サライ博士の話

    食堂に皆が集まって来た。テーブルの上にはハンバーグステーキセットが湯気を立てて並んでいる。さながら、ファミリーレストランのお子さまランチの様であった。「ほう!今日はハンバーグか。これは良い」案の定、ミゲルは子供みたいに嬉しそうな声を上げた。ハルカは内心、してやったりである。「そうですよ。船長お好きでしょう?」「うん、まあな」ミゲルは照れる事も無く返す。笑いを噛み殺して、ハルカは皆に声をかけた。「さあ、皆さん座って下さい。食事にしましょう。ソースはテーブルの上にあるのをお好みでどうぞ」一同は席に着くと、ハンバーグを一口食べた。フレーバー付き人工タンパク質のジューシーとは言い難い質朴《しつぼく》な味が口の中に広がる。「これは……まあ、人工タンパク質ですからね。仕方ないですか」ニライがしんみりした声を出した。やはり本...SF小説異能者の惑星03サライ博士の話

  • SF小説 異能者の惑星 02出発

    宇宙船へ戻ったミゲルは早速皆に説明した。「よし、皆。出発するぞ。途中の空域で宇宙海賊が出没するそうだ。十分気を付けてくれ。それ以外は流星群も無いし、航路はクリアーだ。ニライ、航路を設定してくれ。データはこれを見てくれ」ミゲルは記憶チップを渡した。航海士のニライは記憶チップをコンピューターへ差し込むと、データを確認する。「了解。先ずマシリ空域へワープ、次にナカイ空域へ、ヒール空域、キリー空域の順でワープ可能です」「よし、ではその航路で行こう。アリッサ、地球へ通信を送れ。出発するとな」通信士のアリッサが通信ボタンを押して出発の旨を送信した。「通信を送りました」「タイガ、航路を入力してくれ」副操縦士のタイガがニライの計測した航路を航行システムに入力する。「航路入力しました」「よし、コロニーを重力波に巻き込まない位置ま...SF小説異能者の惑星02出発

  • SF小説 異能者の惑星 04恋の苦しみ

     数日が過ぎた。ヤナーギクには密かに計画している事があった。地球から持ってきた花の種を植物プラントに植えて育てるのだ。だが植物プラントは食料生産の為のプラントである。花など無駄な物を育てる余裕は無いかも知れない。恐らく船長に言っても許可は貰えないだろう。ヤナーギクは皆の目を盗んでそっと植物プラント室へ入り込んだ。もちろんそこにはハルカが居た。ハルカはすぐにヤナーギクに気付いた。「あら、ヤナーギク。何か用かしら?」「う、うん……。いや、調子はどうかなと思って」ヤナーギクはしどろもどろに答える。「ええ。元気よ」「いや、そうじゃなくて、植物プラントさ」「順調だわ」「そうか……」しばらく沈黙が流れた。ヤナーギクはハルカの顔は見ずに、植物プラントを見つめていた。「なあに?言いたい事があるなら……」「あ、あのさ。植物プラン...SF小説異能者の惑星04恋の苦しみ

  • SF小説 異能者の惑星 あらすじ

    惑星タラゴンでは、4人の異能者と6人の地球人がサバイバル生活を送っていた。そもそも何故彼らはこんな辺境惑星でサバイバルしているのであろうか?時は年前にさかのぼる。22年前、人類が新たに住める惑星を探して、8人のクルーが宇宙船ポラリス号に乗って地球を旅立ったのだった。SF小説異能者の惑星あらすじ

  • SF小説 異能者の惑星 01序章

    乾いた熱い風が草原を吹き抜けた。抜けるような真っ青な空の下、赤褐色の大地に萌黄色《もえぎいろ》の背の低い草が生い茂り、所々に灰色の樹木が立ち並んでいる。輝く太陽の光を浴びて、単純だが鮮やかな風景は強烈な色彩を放っていた。草原ではインパラに良く似たオレンジ色の草食獣達が草を食《は》んでいる。インパラによく似た――そう、厳密にはインパラでは無かった。あたかも地球のサバンナを思わせる景色だが、ここは地球では無かった。辺境惑星「タラゴン」それがこの星の名前だった。アスターは草むらに身を潜めてじっとインパラの様子を窺《うかが》っていた。彼は十八歳の少年で、ブルネットの短髪に青い瞳をしている。少年とは言え、すでに青年らしい野性的な精悍な風貌であった。少し離れた所にブランカも居て、やはり身を潜めていた。彼は十六歳で、赤毛の短...SF小説異能者の惑星01序章

  • SF小説 ホロスコープの罠 あとがき

    読んでいただきありがとうございました。お気軽に感想などお寄せください。割りとアッサリ終わったので、その辺どうかな~?とは思うんですけど、ま、これが今の私の実力という事で。すみません。笑SF小説ホロスコープの罠あとがき

  • SF小説 ホロスコープの罠 14終章

    一週間はあっという間に過ぎた。とうとう隕石は落下を始め、この日は会社も休みになったため、俺と美樹はTVの前で衛星カメラから送られてくる映像をただひたすら眺めていた。物凄い勢いで地球に接近した巨大な隕石が、あれよあれよという間に大気圏に突入し、オレンジ色の炎を上げながらヨーロッパへ、フランスへと近付いた。バリバリと空気を切り裂く爆音を響かせて、隕石はパリから少し外れた地点に衝突した。凄まじい衝撃で地面がへこみ、爆風が辺り一面を吹き飛ばす。粉塵が宙を舞い、辺りは見えなくなった。それはまるで地獄画図だった。俺はあそこに人は残っていたのだろうか?と不安になった。しばらくしてもうもうと上がっていた粉塵が落ち着き、周辺の様子が明らかになってきた。ドローンから送られてきた映像を見た俺達は絶句した。パリが、いや、パリだけではな...SF小説ホロスコープの罠14終章

  • SF小説 ホロスコープの罠 13落下

    一週間はあっという間に過ぎた。とうとう隕石は落下を始め、この日は会社も休みになったため、俺と美樹はTVの前で衛星カメラから送られてくる映像をただひたすら眺めていた。物凄い勢いで地球に接近した巨大な隕石が、あれよあれよという間に大気圏に突入し、オレンジ色の炎を上げながらヨーロッパへ、フランスへと近付いた。バリバリと空気を切り裂く爆音を響かせて、隕石はパリから少し外れた地点に衝突した。凄まじい衝撃で地面がへこみ、爆風が辺り一面を吹き飛ばす。粉塵が宙を舞い、辺りは見えなくなった。それはまるで地獄画図だった。俺はあそこに人は残っていたのだろうか?と不安になった。しばらくしてもうもうと上がっていた粉塵が落ち着き、周辺の様子が明らかになってきた。ドローンから送られてきた映像を見た俺達は絶句した。パリが、いや、パリだけではな...SF小説ホロスコープの罠13落下

  • SF小説 ホロスコープの罠 12隕石

    「そんな嘘に騙されると思うの?私の目は誤魔化せないわよ!」美樹は俺に掴みかかると、襟をグイ、と引っ張った。「お、おい、落ち着けって。大体、お前だって他に男がいただろう?」俺がそう言うと、美樹は顔をクシャクシャにして怒鳴った。「それは昔の話じゃないの!貴方のために手を切ったんじゃない!それなのに――」「ちょっと待て。あれ……」「はぐらかさないでよ!」「違う。TVを見てみろ」俺はリビングに置いてあるTVから流れてくる映像を見て固まった。夜のニュース番組で、緊急特報をやっているのだが、そこには巨大な隕石の映像が映っていた。俺はリビングへ行くと、TVの音量を上げた。「……ナジールと名付けられたこの隕石は、地球へ近付いています。このまま行くと予測では半年後に地球へ衝突する事は避けられないでしょう。何処に落ちるかはまだ不明...SF小説ホロスコープの罠12隕石

  • SF小説 ホロスコープの罠 11変化

    俺を乗せたベッドはゆっくりと穴へと入っていった。ハッチが閉じられ、真っ暗な中へ入るとオレンジ色のランプが点灯して、空間はオレンジ一色に染められた。微かに機械の唸るような音が聞こえ、多分今電磁波を浴びせているのだな、と俺は一人納得する。三十分もそうしていただろうか?プシュッと入り口のハッチが開く音がして、俺はベッドごと元居た部屋へと押し出された。「お疲れ様。終わったよ」富永がそう言ってベルトを外す。もう終わりか?随分とあっけないものだな、と俺はいささか拍子抜けだった。服を着た俺は富永に礼を言って、鞄から現金を取り出して渡した。「お約束の金です」「ああ、どうも」富永は丁寧に札を数えると、ニンマリ笑って、「これからの貴方の人生は、きっと素晴らしいものになりますよ」と俺の背中を軽く叩いた。俺と美樹は再び車でマンションへ...SF小説ホロスコープの罠11変化

  • SF小説 ホロスコープの罠 10治療

    それからというもの、俺は必死に働いた。美樹との関係は恋人とも、悪友ともつかない微妙な状態だったが続いていた。だがホロスコープを変えることさえ出来れば、きっと美樹との関係も変化するに違いない――俺はその希望に向かって、汗を流した。一年たって、まとまった金が出来たため、俺は改めて美樹に話をした。「金は用意出来たよ。親父さんに頼んでもらえるか?」「ええ、良いわよ」美樹はそう言って携帯電話を取り出すと、電話をかけ始めた。「あ、もしもし、パパ?うん……うん……いえ、そうじゃないの。実は私の彼がホロスコープを変更したがっているの。お金はあるわ……ええ、分かったわ」「どうだった?」「今週の土曜日にホロスコープを持ってパパの家へ行って頂戴」「場所は?」「大丈夫よ。私が送っていくわ」「そうか……ありがとう」土曜日。俺は美樹の車に...SF小説ホロスコープの罠10治療

  • SF小説 ホロスコープの罠 09転職

    「おい!開けろよ!」ドンドン、とドアを叩くとすぐに清美がドアを開けた。「何よ、叩かなくても良いでしょ!」「さっきの男は何なんだよ?」「何の話?」「とぼけるなよ。俺はさっき、この部屋から男が出ていくのを見たんだからな!」「ああ……良いわ、取り敢えず上がって」俺は部屋へ入ると、美樹の肩を掴んだ。「それで、誰なんだよ、アイツ」「……店の常連さんよ。手を離して」俺は美樹から手を離すと大きく一つ溜め息をついた。「なあ、噂は本当なのか?」「どんな噂よ?」美樹は腕組みをして壁にもたれ掛かる。「お前が……常連客に体を売ってるって」「ええ、そうよ。それがどうかした?」美樹は悪びれもせずにそう言うと薄ら笑いを浮かべた。「どうかした?って、じゃあ俺は何なんだよ!そういう事して、俺に悪いとか思わないのかよ?」「思うわよ」「じゃあ、どう...SF小説ホロスコープの罠09転職

  • 低波動は悪いのか?

    高波動、低波動と言われると、高波動が良くて、低波動は悪い、と思われがちだがそんなことはない。例えば肉体などの物質はどちらかと言えば低波動に属しているが、それが無ければ私たちは生きては行けず、地球における何がしかの活動もできなくなってしまう。そういう意味では善悪の問題ではないのだ。 ただし、意識活動においては、出来るだけ善意を持って心ある生活をした方が良い。悪意のもたらす結果は私が言わなくても皆さんご存知の事だと思う。昨今のスピリチュアルは、波動が高いからどうだとか、オーラがどうだとか、それで豊かになる!とか、そんなのにあふれているけれども、心と魂を磨きあげる事の方が大事であって、ある意味それさえ踏み外さなければ、本当はスピリチュアルとかどうでも良い些末な事なのだ。 だから、私はオーラとかも趣味の範囲で楽しんでい...低波動は悪いのか?

  • 高次元波動小説?

    さて、Oリングテストという物があります。詳しくはネットで調べていただきたいのですが、私が書いている小説の波動を調べてみました。いや、読んだ人に悪影響与えていないか心配で。藁。そしたら、高次元波動を出している、という結果が出ました。何度テストしても同じです。 私自身はそれ程素晴らしい人間でもないですし、(そうありたいと願ってはいるけど)小説もそういうつもりで書いていたわけではないのですが、もしかしたら、私の小説を読めば貴方も高次元波動に触れられるかも?藁 あ、小説の感想等は大歓迎ですから🎵高次元波動小説?

  • SF小説 ホロスコープの罠 08逢瀬

    結局俺はそのまま美樹にお持ち帰りされた。ほろ酔い気分で部屋へ入るや否や、俺達は熱いキスを交わし、そのまま寝室へ雪崩れ込んで今に至る。事が終わった後の至福と少しばかり気だるい頭で、俺はこれは現実だろうか?と自問した。隣に目をやると、美樹が下着を着けている所だった。「何か飲むでしょ?」美樹はそう言って笑うと、キッキンヘ向かった。形の良い尻が左右に揺れている。夢ではない――この時の俺は最高に幸せな気分を味わっていた。冷たい麦茶の入ったグラスを美樹から受け取ると、俺は率直な気持ちを呟いた。「今の気持ちを正直に言うなら、俺は嬉しいよ。ずっと美樹の事が好きだったし。でも、貴方が俺とこんな関係になりたかったとは意外だった。それに――」クラブの客に体を売っているっていう噂は本当なのか?そう聞きたかったが、俺はその質問を飲み込ん...SF小説ホロスコープの罠08逢瀬

  • 写真からオーラを見る

    さて、この写真は少し前に自撮りしたものです。今日写真の整理をしている時に気付いたんですけど、何か透明なオーラが見える!まだ色までは分かりませんけど。皆さんどうですか?見えますか?私には顔と体の縁から少し離れた所を均一の白っぽい透明光が覆っているのが見えます。今まで写真からオーラが見えるとか思わなかったんですけど、実は昨日、写真からオーラを読み取れる方に鑑定していただきまして。別の写真ですけども。それで、へー、写真からもオーラが見えるんだ!と驚いたばかりなのでした。 そしたら!私にも見えるぞ! 良い傾向です。色が見えるまで精進いたしましょう!写真からオーラを見る

  • SF小説 ホロスコープの罠 07銀座

    七時をちょっとだけ過ぎた頃、美樹は約束通りやって来た。昼間は明るいパステルカラーのスーツだったが、今は真っ赤な体にフィットするスーツに着替えていた。ただでさえ派手な顔立ちがよりいっそう引き立って、女神というのが居るなら、きっとこんなふうじゃないか、と俺は思うのだった。「ご免なさい。ちょっと遅くなったかしら」「いや、俺も今仕事終わったところです」「そう。じゃ、行きましょ」美樹は俺の腕を取ると、半ば強引にオフィスの外へ連れ出した。エレベーターで一階のフロアまで降り表へ出ると、既に辺りは暗かった。通りに並んだ街灯と、オフィスの窓の明かりがアスファルトの道路に明るいモザイク模様を描いている。脇にタクシーが停まっていた。タクシーに乗り込んだ俺は、行き先を聞いていなかった事を思い出し、美樹に訊ねた。「それで、何処へ行くんで...SF小説ホロスコープの罠07銀座

  • 体臭

    えー。ここしばらく小説書くのに夢中で、二日お風呂に入りませんでした。汚なっ!とか責めないで下さいね。引きこもっていましたから誰にも迷惑はかけておりませんので。笑 まあそんなわけですから、少々匂う訳です。でもこれが! 何か、いい匂い~😆 白檀と蓮の花を混ぜたような、中々素敵な匂いじゃありませんか♥️特に頭からそういう匂いがいたします。体臭って聞くと、何か嫌な匂いっていう先入観があるわけですが、意外と悪くないな。 まあ、でもさすがに今日はお風呂に入りますよ!体臭

  • オーラ見えた

    ネットでオーラの見方というのを調べて、寝転がって自分の足を見てみました。 見える!私にも見えるぞ! 足の回りを透明な白く光る膜が覆っています。その回りをうっすら透明な光が……これですね。体に近い方の膜は多分エーテル体とかいう、肉体の生体オーラでしょう。その外側の奴が、感情とかのオーラだと思いますが、まだ良く見えません。 でも、でも! 俄然興味が湧きました!毎日練習してみよう!オーラ見えた

  • SF小説 ホロスコープの罠 06美樹

    それから俺と清美は全くの他人同士になった。清美はあの日以来、もうバスに乗って来る事は無かったし、学校で俺と会っても、目を合わせる事も無かった。俺も結局、清美を見かけても話しかける事もせずに、ただ目を伏せて通り過ぎるのだった。そんな学校生活が苦しくなかったと言えば嘘になる。だが学生である以上、学校に通わない訳にはいかなかったし、それは清美だって同じだった。俺達は気まずい空気の様な関係のまま、三年間を過ごした。結局俺は高校時代に、清美の他に好きになった女性は居なかった。清美に振られた落ち込みが酷かったせいもあるが、半年程経ってようやく気持ちが上向いても、他の女に興味を惹かれる事はなかったのだった。もしかしたら、あのホロスコープのお告げのせいで恋愛から逃げていたのかも知れないが、とにかく、新しい彼女を作る事もなく、俺...SF小説ホロスコープの罠06美樹

  • SF小説 ホロスコープの罠 05別れ

    それから俺達はとても良い雰囲気で付き合いを続けていた。俺は清美の透き通ったうなじを見るたびに、押さえきれない欲求を感じた。――清美を抱きたい――その度に何とか押さえようとするのだが、俺の動物的本能は消え去ることはなかった。ある休日、清美は俺の家に遊びに来た。これは天祐だ。俺は何とかしてこのチャンスをモノにすべく、あれこれ考えていた。どうやったら清美をベッドへ誘えるのか?俺の頭はその事で一杯だった。「何か飲む?コーヒーで良いかな?」俺は焦る心を落ち着かせながら清美に聞いた。明るい日差しが窓越しに清美の頬を照らして、彼女の白い肌はいつも以上に際立って輝いていて、俺は思わず見とれた。「ええ、良いわ――私の顔に何か付いてる?」俺の視線に気付いた清美はにっこり笑ってそう訊いた。「い、いや、何でもないよ」俺は努めて冷静さを...SF小説ホロスコープの罠05別れ

  • SF小説 ホロスコープの罠 04清美

    「本、ありがとう。面白かったよ」俺は本を清美に返した。「そう。なら良かったわ」清美は柔らかく微笑むと、本をカバンにしまった。「なあ、良かったら、これからお互いの本を貸し合いっこしないか?俺のは電子書籍だけど」「ええ、良いわよ」「ありがとう。帰りもバスだろ?一緒に帰ろうぜ」「そうね」俺達は一緒にバスに乗ったが、しばらく黙って隣り合って座っていた。俺は何か話したかったが、話題を見つけられないでいた。ふと、例のホロスコープの事を話そうかと思ったが止めておいた。話したせいで、今の彼女との良い雰囲気を壊したくなかったからだ。「読書が趣味なのか?」俺は当たり障りの無い事を聞いてみた。「そうよ。まあ、子供の頃から本の虫ね。海君は?」「ふーん。俺は正直そんなに読んでないや。まあ、たまには読むけど。そうだ、貸してくれた本のお返し...SF小説ホロスコープの罠04清美

  • SF小説 ホロスコープの罠 03誕生日

    今日は俺の誕生日である。だからといって特別なことは特に無いが、学校から帰ると、ポストに一通の封筒が入っていた。差出人は市役所だった。とうとう来たのか――俺の胸は高鳴った。自室でカバンをベッドへ放り投げ、ペーパーナイフで封筒を開けると、二枚の紙が入っていた。一枚はホロスコープの画像に、各惑星の度数が記入され、その度数の抽象的な意味が書かれた物だった。もう一枚にはホロスコープを元に解明された俺の人生のテーマが書かれている。俺は静かに書かれている文字を追った。幼い時に両親の離別という不条理を味わって、人の悲しみを知る事、母親を許す事が子供の頃のメインテーマだった。大人になってからも、女性関係は上手く行かず、自分とは異なる性の存在を理解し、上手く行かないことを受け入れて許す事がメインテーマとなっていた。結論から言えば、...SF小説ホロスコープの罠03誕生日

  • SF小説 ホロスコープの罠 02回想

    あれは俺が五才の時だった。幼稚園での一日を終え、俺は母が迎えに来るのを楽しみに待っていた。次々に友達の親が迎えに現れて、彼等と一緒に通りへ消えていった。当然、俺の母親ももうすぐ迎えに来る――その時俺は何の疑問も持たずにそう信じていた。水色の小型自動車が自動運転の大通りから外れて、母の余り上手いとは言えない自立運転に切り替わり、幼稚園の門の前で停車するのを、俺は今か今かと待ちわびた。だが車は来なかった。俺は段々と不安になり、日が西の地平に沈みかける頃には大声を上げて泣いていた。泣いている俺に気付いた保母さんが、俺の父親に電話をかけてくれた。母がどうして来ないのか、それは分からなかったが、代わりに父が迎えに来ると知って、俺はひとまず泣き止んだのだった。父親の車から降りて、マンションの部屋へ入った俺は、部屋中をくまな...SF小説ホロスコープの罠02回想

  • SF小説 ホロスコープの罠 01序章

     俺は僅か十六才にして、人生に絶望していた――俺の名前は海《かい》。この春高校に入学したばかりだ。普通なら、進学できた喜びと、新たな出会いに胸を踊らせて青春の輝きに満ち溢れている筈なのだが、俺の心はどんよりと曇っていた。だが俺の詰まらない胸の内を明かす前に、俺達が置かれているこの世界の事情について、少しばかり説明しておきたい。俺達の生きる時代は二十一世紀も終わりに差し掛かった頃。今世紀初頭のコンピューターと天体観測技術の飛躍的向上に加え、古代より研究されてきた占星術の知識の積み重ねによって、今や人間の運命はほぼ完璧に解明されていた。どういう事かと言うと、人は生まれた瞬間に配置されていた天体によって、それぞれ固有のホロスコープを持つ。ホロスコープには三百六十度の度数が付いており、一度毎にその度数の意味があった。十...SF小説ホロスコープの罠01序章

  • SF小説 ホロスコープの罠 あらすじ

    近未来。占星術が高度に発達し、人の運命が完璧に読める世界。人間が運命通りに生きることで、宇宙のエネルギーバランスが保たれていることが解明されており、人は皆16才になると公的機関で自分の運命と人生のメインテーマを知らされる。ホロスコープから外れようとしても、強い惑星エネルギーの影響を受けている人間には普通は無理である。ホロスコープから外れる事は世界のエネルギー秩序を乱すため、法律でも禁止されていた。SF小説ホロスコープの罠あらすじ

  • オーラの色

    これは現在の私のオーラだそうです。創造性を表すオレンジと、知性を表す黄色、愛情を表すピンクを高次元の精神性を表す白が覆っています。悪くないんですが、胸の辺りにグレーのモヤモヤが。多分必死こいて孤独に小説書いていたからでしょうね。笑 意外だったのは、私は好きな色は青系統だし、似合う色もそう。オーラソーマの誕生日ボトルも青系だし、オーラも青いのかな~?と思っていたんですよ。そしたら、意外にも暖色系!しかも白まで!白が出てきたっていう事は、チャクラのバランスが段々取れてきたっていう事なんだろうなあ。 よし!このまま創作続けるよ❤️オーラの色

  • 短編SF小説 星降る畑 08母さん

    そう口に出した所で目が覚めた。古びた木の天井を見ながら、涼太は呟く。「夢……」ハナが涼太の顔に前足を乗せた。涼太はハナの足を退けて、枕元を見る。紙に包まれた植物の種が置いてあった。「じゃなかった」涼太は朝飯を済ませると収穫したトマトの仕分けを始めた。これは村上さん家の分、あれは安田さん家の分、といった具合に。お昼も過ぎた頃、珍しく玄関の呼び鈴が鳴った。近隣の物は皆、呼び鈴を鳴らさずに引き所を開けて大声で涼太を呼ぶ。ははあ、これは遠来の客だな、と涼太は思った。玄関の戸を開けると、老女が立っていた。エレガントな水色のスーツに身を包み、つば広の帽子を被っている。ふんわりと爽やかな香水の匂いが漂った。道路にタクシーが停まっている。涼太は何処かで見た女性だと思った。そうだ、睡蓮だ。大分歳をとっているし、髪と瞳の色が違うが...短編SF小説星降る畑08母さん

  • 短編SF小説 星降る畑 07ウォーカー

    「皆さん、今ウォーカーから連絡がありました。例の触手にやられたウォーカーのアストラル体が損傷しているため、アグリに降下して、新鮮な野菜を食べさせて治したい、とのことです。皆で協力してください」「そういうことなら任しておけ!」皆は活気付いた。「涼太、淳君、きゅうりを採りに行くぞい」寅吉は麦わら帽子の紐を結び直した。「きゅうりかね?」「おうよ。魔を浄化するのにはきゅうりが良いのよ。ほれ、鋏と籠を渡すから、一緒に収穫じゃ」「分かった」寅吉に続いて、二人は畑へ向かった。畑には、伸び伸び育ったきゅうりが青々と実っていた。地球で見かけるどのきゅうりよりも、瑞々しい輝きを放っている。「こりゃあ、良いきゅうりだわ。確かにこれなら、魔も祓えるかもな」「そうじゃろ。よし、大きく実っている奴だけ採るんじゃぞ」三人は畑の端からきゅうり...短編SF小説星降る畑07ウォーカー

  • 短編SFファンタジー 星降る畑 06魔界の襲撃

    二人はセンターに戻った。ホールには人が集まり、設置されているホログラムテレビの前でざわついている。「おじちゃん。何か魔界が攻めてきたんだって」ホログラムはアグリの上空を映し出していた。高波動エネルギーフィールドに大きな灰色のタコの化け物の様な生物の群れが取り付いている。タコは噴出口から黒い墨を吐き出した。バチバチとエネルギーフィールドの膜が黄色い火花を上げる。「睡蓮さん、あれは?」「魔界の陰性エネルギーでフィールドに穴を開けようとしているのでしょう」「そんな……。ど、どうしたら良いんです?」「ウォーカーに既に連絡してあります。すぐに彼らが駆けつけるでしょう」「ウォーカー?」「魔界と戦う戦士のことです」一時間余り、タコはフィールドに取り付いていた。フィールドはジワジワ侵食され、今にも穴が飽きそうだった。「もう駄目...短編SFファンタジー星降る畑06魔界の襲撃

  • 短篇SFファンタジー 星降る畑 05祖父ちゃん

    スペースポートに着くと、レモン色のタクシーが待っていた。ポートには巨大な倉庫が隣接しており、そこへ集められた野菜や果物が、大きな鯨の姿をした宇宙船に積み込まれていく。「ありゃ、輸送船ですか?」「ええ。アグリで収穫された農作物はここに集められ、ああして宇宙船で各惑星に運ばれています」「はあ。アグリっちゅうのは、農業の星なんですね」「そうですよ。さあ、タクシーに乗って下さい」三人を乗せたタクシーは、草原の中に切られた道を走って行った。何処までも続く萌黄色《もえぎいろ》の草原に抜けるようなスカイブルーの空。真っ白な雲がポカリポカリと浮かんでいる様は、まるで人間が文明を築く以前の地球の原風景の様だった。暫く走ると、広大な畑が広がっていた。白亜の四角い建物の前でタクシーは止まった。「ここは管理センターです。涼太さんに見て...短篇SFファンタジー星降る畑05祖父ちゃん

  • 短篇SFファンタジー 星降る畑 04アストラル宇宙

    気が付くと涼太は床も壁も天井も、真っ白な部屋にいた。部屋には美しい女性が一人、立っている。亜麻色の長い髪に明るい緑の瞳をして、真っ白なローブを着ていた。「貴女は……。もしや御先祖に種を渡したという天女様ですか?」「私は睡蓮です」睡蓮は静かに微笑んで、涼太の手を握りしめた。仄かに蓮の花の香りがした。「さあ、こちらです」睡蓮は奥のドアを開けた。見ると部屋の外は宇宙空間だった。部屋に隣接して、イルカの形の青い宇宙船が透明なチューブの中に浮かんでいる。チューブは遥か彼方まで続いていた。涼太は睡蓮に続いてタラップを渡り、船へ乗り込んだ。船内には卵形の白いソファーが並んでいた。一人だけ、誰かが座っているのが見えた。「淳君!」涼太の背中を冷や汗が流れた。もしかしたらここはあの世ではないのか?淳は熱射病で、あのまま死んでしまっ...短篇SFファンタジー星降る畑04アストラル宇宙

  • 短篇SFファンタジー 星降る畑 03熱射病

    夕方、トマトの収穫を終えた涼太は、夕飯の準備に追われていた。今晩はカワムツの天ぷらにほうれん草のお浸し、豆腐と油揚げの味噌汁だ。夕方とはいえ、昼間の熱気が冷めやらず、窓を開けていても台所は蒸していた。涼太は首に巻いたタオルで汗を拭きながら、七輪に掛けたフライパンでカワムツを揚げる。部屋中に魚の揚がる香ばしい匂いが充満した。台所の隅にはハナが待機していて、カワムツが落っこちて来ないかと見張っている。「ハナさん、どんなに待っても魚は落ちやせんからね。あんたにはさっきご飯あげたでしょうが」涼太は笑いを堪えながら天ぷらの具合を見る。「こんばんは!涼太おるかね!」玄関の引き戸が開く音と同時に声が響いた。何やら緊迫した声だった。涼太は慌ててフライパンを七輪から下ろし、玄関へ向かった。謙治が息も荒く突っ立っている。「謙治さん...短篇SFファンタジー星降る畑03熱射病

  • 短篇SFファンタジー 星降る畑 02朝飯

    握り飯を頬張りながら、涼太は周囲を見渡した。この辺りは村の中でも高台で、村全体を見渡すことが出来た。萌える青々とした山の間を川が流れ、その川が山を削って出来た僅かばかりの平地に水田や耕作地がひしめき合っている。背後の森では蝉達がやかましく鳴いていた。上を見上げると、抜けるような青空に真っ白な雲が塊となって浮かび、目に鮮やかだった。少し離れた所に貯水地が有って、用水はそこから引いている。子供の頃はよくその溜め池で同級生の謙治《けんじ》と一緒に釣りをしたものだ。今でも時々は釣りをして、貴重な蛋白源を捕る。大した娯楽も無い谷あいの小さな村で、涼太は細《ささ》やかに暮らしていた。「今日は。涼太さん。休憩かね?」近所に住む小林が白い軽トラの窓越しに挨拶した。「やあ、小林さん。今から畑かね?今日は遅いんですね」「いやー、寝...短篇SFファンタジー星降る畑02朝飯

  • 短編SFファンタジー 星降る畑 あらすじ

     涼太のご先祖は天女から野菜の種を受け継ぎ、村人たちを天へ送るために野菜を育てて皆に分け与えるように言われていた。涼太は独りで畑を続けていたが、自分は時代遅れなのではないかと思う。そんな時、涼太の友人の健治の息子、淳が熱射病で倒れる。淳を見舞った日の夜、涼太は宇宙へと飛ぶ。先祖伝来の畑の謎とは?短編SFファンタジー。短編SFファンタジー星降る畑あらすじ

  • 短編SFファンタジー 星降る畑 01序章

    今年の夏は猛暑であったが、早朝はまだ幾分か涼しかった。とはいえ、昼間に比べたら涼しいのであって、体感としては既に十分暑かった。涼太《ひょうた》は早々と起きると、家の裏にある井戸に水を汲みに行った。猫のハナも起きて、涼太の足にまつわりつきながら歩いていく。ハナは顔と背中が黒く、鼻先と腹が真っ白な毛で被われていた。鼻の脇に黒い黒子のような斑《ぶち》があったので、ハナと名付けられたのだ。「おい、ハナさん。俺は水汲みするんだからね。邪魔しないでくれ」緑色の手押しポンプを押して、バケツ一杯に水を入れると、風呂場まで運んで湯船に開けた。ハナが湯船の縁に登って、じっと水面を見つめている。ゆらゆらと光の青白い網がハナの体に写り込んで、不思議な模様を作っていた。「落ちても知らんぞ」風呂が一杯になったら、次は台所の水瓶だ。涼太の腰...短編SFファンタジー星降る畑01序章

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 10終章 夢咲香織

    この作品は性的な表現を含むため、R15となっております。「アスランの命令なんだ」「マフィアのボスの?」「うん……聞いていると思うけど、アスランは偽物の宝石を売りさばいて儲けていた。でも最近は、タンジーの本物に敵わなくなって来ていたんだ。街の連中も目が肥えてきて、偽物を見抜く様になってきたからね……で、アスランはタンジーを憎んでいたんだ。とうとう、奴を消せ、と命令を下したのさ。俺にその役割が回っただけの事さ」「そうだったの……」サラはタンジーの遺体を見つめた。私には優しかったタンジー。でも二人の恋の邪魔者……「でも、これからどうするの?これで貴方は殺人犯よ」「うん……」イルカは俯いた。タンジーが居なくなったのは二人にとって好都合だが、このままではイルカは殺人犯として、街の留置書へ勾留され、再びサラと離れ離れになる...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)10終章夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 09侵入 夢咲香織

    この作品は性的な表現を含むため、R15となっております。「今日はどうしたね?」夕食を取りながらタンジーが訊ねた。イルカに出会ってから、サラは何処か上の空だった。「いいえ、何でもないわ」「そうかね?今日も街へ行ったんだろう?どうだった?」「え、そうね……お洋服を見たり、アクセサリーを見たりしてきたわ」「そうか……。楽しんだかね?」「ええ」夕食を終え、ベッドの上で寝室で本を読んでいると、タンジーがやって来た。「サラ……」タンジーはベッドへ上がり込んでサラを抱き締めると、キスをする。「い、嫌……」サラは抵抗してタンジーを手で押し退けた。「サラ……一体今日はどうしたんだ?」「別に……ただ、今日はそんな気になれないの」「そうかね……何だか今日はおかしいぞ?」「そうかしら?女っていうのは、時々おかしくなるものよ」「ふむ……...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)09侵入夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 08探索 夢咲香織

    この作品は、性的な表現を含むため、R15になっております。明くる日からサラはカイリを連れてイルカの捜索を始めた。馬車で街を走り、イルカを見かけた衣料品店の辺りを中心にくまなく探し回った。サラは衣料品店の前で馬車を降りると、通りを行く人や店の店員に聞き込みを始めた。「すみません。この辺で、茶色の髪に緑の瞳、背はこのくらいの若い男性を見ませんでした?」「うーん、ちょっと分からないな」「そうですか……ありがとうございました」こんな具合に、出来るだけ沢山の人に聞き回った。何十人かに聞き回った時、ある女性がこう答えた。「ああ、その人なら、ナジル街の方へ行くのを見たわ」「ナジル街?」「この通りを真っ直ぐ行って、大きな書店の角を左に曲がってずっと行くと、ナジル街よ。でもねえ……」「何ですか?」「ちょっとガラの悪い地域なのよね...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)08探索夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 07医者 夢咲香織

    この作品は性的な表現を含むためR15となっております。ドレスを購入したサラは家へ帰って来た。タンジーは仕事に出かけて留守だった為、サラは一人で部屋へ戻った。寝室で、サラは青いドレスを着てみた。今日はこのドレスで過ごそうかしら?サラは鏡に姿を映してみたが、一人では別段楽しくもない。カイリを呼び出した。「はい、奥様」カイリはすぐに現れて、サラの指示を待つ。「別に用事という訳では無いのよ。ただ……ねえ、このドレスどう思うかしら?」「とても良くお似合いでいらっしゃいます」「……本当の事が聞きたいのよ。お世辞ではなく」「本心から申しております」「そう……良かったわ」サラは本心とは裏腹にそう答えた。ドレスが似合っていようがいまいが、どうでも良かった。どのみち似合っていたところで、見てくれる人間はタンジーとメイド達である。ド...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)07医者夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 06マリー婦人 夢咲香織

    この作品は性的な表現が含まれているため、R15になっております。目が覚めたサラは寝室をぐるりと見渡した。夕べは疲れていたし、暗かった為良く分からなかったが、改めてみると凄い豪華な部屋である。淡い水色の壁にはこれまた淡い色彩の子花模様が描かれ、暖かな色合いのマホガニーが床を覆っている。壁際には大きなクローゼットが設えてあり、その隣に鏡台が置かれていた。部屋の中央に置かれたベッドには天蓋がついており、白い薄いレースが垂れ下がっている。正に貴婦人の部屋である。ベッドの脇には呼び紐が天井から垂れていた。程なくして、ドアをノックする音が聞こえた。「は、はい」サラはぎこちなく答える。ドアを開けて入って来たのはタンジーだった。朝食を乗せた銀の盆を持って、タンジーは部屋へ入って来た。「お目覚めかね?奥さんに朝食をお持ちしたよ」...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)06マリー婦人夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 屋敷へ

    この作品は性的な表現が含まれているため、R15になっております。目が覚めたサラは寝室をぐるりと見渡した。夕べは疲れていたし、暗かった為良く分からなかったが、改めてみると凄い豪華な部屋である。淡い水色の壁にはこれまた淡い色彩の子花模様が描かれ、暖かな色合いのマホガニーが床を覆っている。壁際には大きなクローゼットが設えてあり、その隣に鏡台が置かれていた。部屋の中央に置かれたベッドには天蓋がついており、白い薄いレースが垂れ下がっている。正に貴婦人の部屋である。ベッドの脇には呼び紐が天井から垂れていた。程なくして、ドアをノックする音が聞こえた。「は、はい」サラはぎこちなく答える。ドアを開けて入って来たのはタンジーだった。朝食を乗せた銀の盆を持って、タンジーは部屋へ入って来た。「お目覚めかね?奥さんに朝食をお持ちしたよ」...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)屋敷へ

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 05結婚 夢咲香織

    この作品には性的な表現が含まれるため、R15となっております。大理石の彫刻やら、色とりどりの花を活けた大きな陶器の花瓶やらが置かれた、豪華なホールへ入ると、執事を始め館の召し使い達がズラリと並んで、二人を迎えた。「お帰りなさいませ、旦那様」「うん。皆、これからワシの奥方を紹介する。サラだ。皆良く覚えておくように。それからカイリ、お前は今日から奥方のお世話と護衛だ。よろしく頼むよ」「はい、旦那様。サラ様、何でも私にお申し付け下さい」カイリと呼ばれた下男は、うやうやしくサラに向かって礼をした。サラは軽く面食らっていた。裕福だとは思っていたが、まさかこんなに沢山の使用人を抱えているとは思わなかったからだ。「旦那様、お食事の用意が整っております」「うん。よし、まずは飯にしよう。サラ、食堂へ案内するよ」サラはタンジーに付...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)05結婚夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 04結婚 夢咲香織

    この作品には性的な表現が含まれるため、R15となっております。居間へ入ると、薄明かるいランプの下にタンジーが立っていた。タンジーはサラの顔を見ると静かに笑って、「話は聞いたかね?」と言った。「ええ」サラはそれだけ言うと、床に置かれたクッションの上に座った。タンジーも腰を下ろす。「ナミマにも話したんだが、ワシもそろそろ身を固めようと思ってね。お前さんは中々美人だし、こんな田舎で身売りさせておくのは勿体ないと思ってな」「それは……でも私……貴方を愛していないわ」「ホホホ、それは分かっておるよ。だがワシはお前を気に入っておる。ワシと街で気楽に暮らせば良いだろう?」「でも、そしたら、お祖母ちゃんは?」「生活費は送ってやるよ」「サラ、こんな良い話はないよ?娼婦のお前を身請けしてくれるってんだから」ナミマは始終笑顔だった。...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)04結婚夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 03タンジー 夢咲香織

    この作品は性的表現を含むため、R15となっております。サラがすくんでいると、ナミマが肩を抱いて言った。「仕方ないんだよ。食べていくためさ……他にどうしろって言うんだい?」ナミマは諭すように言った。金が無いという事はこんなにも悲惨なものか。金と引き換えに、金持ちに少女としての尊厳さえ明け渡すのか。サラは泣き出しそうだったがグッと堪えた。せめてタンジーの前で涙を見せない事が、彼女のプライドを守る事の様に思われたからだ。タンジーと寝室へ入ったサラは大人しくベッドへ横になった。暴れたところでどうにもなるまい。全ては金の為だ。心までタンジーに奪われるわけでは無い……。「まあ、そう緊張せんでも良い。まあ、生娘じゃ仕方あるまいが……最初は痛むかも知らんが、すぐに慣れるからな」タンジーはそう言って服を脱いだ。お世辞にも美しいと...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)03タンジー夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15 ) 02イルカ 夢咲香織

    この作品は性的表現が含まれているため、R15になっております。あれはサラが十二才の時だった。幼馴染みの少年、イルカと二人でオアシスへ釣りに出かけたのだった。イルカは良く日に焼けた褐色の肌に明るい茶色の髪をした、緑の瞳の少年だった。サラの母親はサラを産むと同時に亡くなったが、あの頃はまだ父親のユーゲンが居た。サラの家もイルカの家も貧しくて、生活するのがやっとだった。それでも二人は笑顔に溢れていた。この日だって、夕飯のおかずにする魚を、嬉々として釣っていたのだ。乾燥した砂漠の抜けるような青空に地下水脈から湧き出た水を満々と湛えたオアシス――その周囲の通り沿いには高いナツメヤシの木が並んで、風景だけ見ればここは楽園であった。そのささやかな楽園で、二人は何時も一緒に遊んでいた。イルカの釣り針にナマズが掛かった。結構な重...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)02イルカ夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) 01序章 夢咲香織

    この作品は性的表現を含むため、R15となっております。サラはぼんやりと天井を見つめていた。所々染みの着いた板張りの天井は、何時も眺めている物と微塵も変化は無く、サラは大きく溜め息をついた。天井から壁に目を遣《や》ると、乾いた剥き出しの日干し煉瓦が情緒の欠片も無く並んでいる。ベッドは簡素な木組みに薄いマットを敷き、汚れだらけの貧相な白いシーツが張られた侘《わび》しい物だ。その上に仰向けになった裸の体の上にはこれまた裸の日に焼けた浅黒い肌の男がのし掛かって、必死に腰を振っていた。この男はサラの夫でも恋人でも無かった。間男ですらない。サラが粗末な日干し煉瓦の家の粗末なベッドでこうしているのは、単純に言って、金の為であった。行為が終わると、男はそそくさと服を着て、部屋を出ると居間で待っているサラの祖母、ナミマの所へ行き...短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)01序章夢咲香織

  • 短編恋愛小説 砂漠の薔薇(R15) あらすじ 夢咲香織

    砂漠の小さなオアシスの村で、金のために体を売っていたサラは、魂の抜けたような日々を送っていた。ある日、幸せだった子供の頃を思い出す。幼馴染みの少年、イルカとの淡い恋……。だが幸せは長くは続かなかった。果たして二人の恋は実るのか?こちらの作品は性的表現を含むため、R15となっております。短編恋愛小説砂漠の薔薇(R15)あらすじ夢咲香織

  • SF短編小説 夢見る海王星 あらすじ 夢咲香織

    あらすじ海王星のメタンガス収集プラントで働くアンドロイド、ワシリーにはある悩みがあった。それは、自分には魂が無いのでは無いかという事だった。ワシリーが悩んでいる間に、事故が立て続けに起きる……。なお、現在この作品は公募に出すため、閲覧不能になっております。結果が分かり次第、対策したいと思います。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。 SF短編小説夢見る海王星あらすじ夢咲香織

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    皆様今日は👋😃このblogでは、私、夢咲香織の小説を主にのせていきたいと思います。是非お読みになって、お気軽に感想などお寄せください🎵皆様今日は

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