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青リンゴ観察日記 https://blog.goo.ne.jp/1225greenapple

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。<br>*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*<br>

Yukkanen
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2020/12/28

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  • 第六十五話⑤

    こうして体育祭は終わったが、まだ陽は高い。太陽が照りつけていた。まだ五月だけれど、もう初夏を思わせるその日差しにチョルは目を細めた。暑・・すると後ろから、聴き慣れた声が聞こえた。何やら歌を歌っている。「やったのよ〜見たのよ〜勝ったのを〜」「うちら今日サイッコーにカンッペキによくやった!!よね?!二人三脚は置いといて・・全校生徒の前でお目汚ししなくて良かったし・・ てなわけで〜〜〜」「はいっ!」ミエはそう言って、チョルに向かって手のひらを向けた。互いを讃えあうハイタッチだ。「頑張った!本当にお疲れ様!我が同志よ!!」「なんだその言い方・・」チョルはそう言いながらも、小さく、ミエにハイタッチを返した。ミエは大満足!ご機嫌モードのミエの、マシンガントークが炸裂開始である。「あんたお腹空かない?!ピザとハンバーガ...第六十五話⑤

  • 第六十五話④

    体育祭の競技は終わり、あとはクラス別出し物が残るのみとなった。12組が集まった体育館に、フォークダンスの音楽が鳴る。踊る彼らを見ながら、違うクラスの生徒達が話している。「なぁマジで12組フォークダンスやんの?」「チョルとミエってまたペアなん?」彼らはそう言ってミエを探した。チョルとは踊っていない。「違うっぽい」チソンとペアになったチョルは、チソンから「あんたサイコー!」と褒められて気まずそうに会釈をしていた。モ・ジンソプをはじめとする9組男子が2階から見ていた。「みんな上手じゃん」と口にする。モ・ジンソプは、先ほどのことについて考えていた。二人三脚でのチョル&ミエ逃亡劇の時に、モ・ジンソプは先輩からの電話に出ていた。「あ、先輩?今体育祭中です。だから終わるのは遅いですって」そして戻って来たとき、校庭はやけ...第六十五話④

  • 第六十五話③

    その後、チョルとグ・ソンハンはようやく対話することができた。頭を抱えて心情を吐露するグ・ソンハン。溜まりに溜まった感情を全て吐き出していた。こっそり覗いているミエにも、単語単語で会話内容が聞こえてくる。「お前だけゴールして・・俺も練習・・短距離も・・マジで2回目のはわざとじゃないんだ・・」「うわぁ〜〜〜っ」そしてとうとうグ・ソンハンは泣き出してしまった。チョルがオドオドとその肩に手を掛けようとすると、「うおーーーーん!!」すごい勢いで抱きつくグ・ソンハン。しかしチョルはそれを受け止めながら、「・・んじゃその辺のこと相談してみようぜ」と静かに声をかけた。ミエは「泣き虫じゃん」と呟きながら、一人ニヤリとほくそ笑む。とにもかくにも、楽勝じゃのお〜〜・・ということがあっての、今日の決勝を迎えたのである。  ミエの...第六十五話③

  • 第六十五話②

    わああっ!体育祭は終盤で、ついにサッカーの決勝試合が始まった。モ・ジンソプの属する9組と、キム・チョルの属する12組の対戦だ。目にも止まらぬ速さで走るのは、やはりこの二人だった。ヒラリ、とモ・ジンソプが身をかわしてボールを奪う。ボンッ「9組ゴール!」流れるような動作で、ボールはゴールへと吸い込まれて行った。9組のギャラリーからは黄色い歓声が上がる。「きゃあああ!」 けれどチョルも負けていない。ボールを運ぶモジンソプの元に、パワーで道を塞ぐ。走りながら、二人の肩が接触した。そしてそのイケメン×イケメンが揉み合う様子を、女子たちは尊いものを見るような目で眺めている・・・・・とその間にチョルがボールを奪った。素早い足捌きで、味方にパスをする。ポンッなんとその相手は、あの因縁のグ・ソンハンだった。チョルは口を「行...第六十五話②

  • 第六十五話①

    太陽が真上に上がる頃、体育祭も佳境を迎えていた。木々の幹にクモが巣を張り、バラは爛々と咲き誇っている。これらは後にお話に出てくるのだが、とりあえず体育祭の行く末を追っていこう。 [そんなこんなで爆笑体育祭は繰り広げられ]二人三脚が終わった後、ファン・ミエは時の人となった。「トイレ」「トイレだったんだって」「トイレならしょうがねーわ」「大魔王、二人三脚だったから一緒に走ったんかな」ヒソヒソ声と笑い声を背中で聞きながら、ミエは友人らに毒づく。「自分たちは水しか飲んでないってか?!」「人間は水飲んだだけでもトイレに行くようになってるから」「うちらだってあんたがズボン濡らしてまで一位になって欲しいとは思ってないって」[何はともあれ幸いだったことは、キム・チョルがこの辺りから抱えて走ってくれたことだ。 みんなに見ら...第六十五話①

  • 第六十四話④

    <望んでいた協働>転んで地面に転がっているミエに、12組からのエールが届く。「ミエ、起きろーっ!」「大丈夫だよ!」「わ、痛そ・・」「ゴーゴー12組!」「ファイティーン!」 クラスからの期待を一身に受けて、ミエは心の中で叫んだ。ダメだ、ここでやり遂げないと・・ 私たち二人が一緒に勝たないと・・!「よしっもう一回!」「ファン・ミエ、」張り詰めた表情で顔を上げたミエに、隣のチョルが手を差し出し、こう言った。「もう一回、落ち着いて行こう」ミエはハッとした。そこで初めて、これは一人で走るのではなく、チョルと走るのだと気づいたのだ。差し出された大きな手。大丈夫、一人じゃない。「うんっ!」ミエは大きく頷いて、力強くその手を取った。ガシッ「行こうっ!!」再び走り始めたチョルミエコンビを見て、12組のギャラリーが沸く。「行...第六十四話④

  • 第六十四話③

    チョルが、学校が楽しくなって、田舎に行くことを考え直してくれたら——・・。そんなことを思いながらチョルの背中を見ていたミエだが、不意に級長に名前を呼ばれた。「あ!ファン・ミエ!ちょっといい?」「え?どしたの?」「ミエ、足速いよね?!ちょっと来てくれる?!急いで!」「へ?どうしたの!?なに?!」「二人三脚の男子と女子が、急に二人抜けることになったのよ。出る予定だった子が足首を挫いて、他の速い子達も見つからなくて・・、 出れそうならちょっと出てくれない?!」 「うん、分かっ・・」ミエが返事を全部口にするより早く、二人三脚に出場予定の人が集まる場所へと連れてこられた。ミエの姿を見て、担任が少し驚いた表情になる。「早く早く!男子の方はもう待ってるわよ!・・あら、ファン・ミエなの?」「あれっ?」そこにいたのは———...第六十四話③

  • 第六十四話②

    <友達の活躍>この体育祭、キム・チョルの活躍は本当に目覚ましかった。パーン!バッ!続くリレーでも、チョルはその実力を発揮させた。「12組の勝利!」わああっ!12組ギャラリーの盛り上がりは最高潮!他のクラスは、怒涛の展開に若干引き気味だ。走り終わったハン・ソンイの元に、激励すべくミエが近寄った。「ソンイ、めちゃ速かったね!」「ありがとう、ミエもさっきすごく速かったよ。リレーも出たら・・」 「リレーは選抜落ちー!」  そしてソンイもまたチョルに声を掛ける。「やっぱりチョルはすごく速いね!」「えっと・・・ありが・・」激励が激励を生む、まるで称賛リレーである。ソンイはキョロキョロとあたりを見回した。モ・ジンソプを探していたのだが、9組の応援席にはいないようだった。頑張った姿を見て欲しかったその気持ちが、ため息とな...第六十四話②

  • 第六十四話①

     チョルは短距離走の1等景品のナイキのリストバンドを、ミエに渡した。「やるよ」「えっ?」そのシチュエーションで、ミエの脳裏の浮かんだのは・・・。 「やるよ」「えっ?なんで私に・・・」まるで少女漫画のワンシーン。二人の背後にはバラが咲き乱れ、キラキラした光の中で二人は見つめ合う——・・。   ・・と、そこでミエは現実に戻った。あっ昨日のことを思い出したからだ。 「その上であなたはどうしたいの?」職員室で聞いたチョルの言葉。「・・俺は、もう一度話をしてみたいです」覗き見したその場面を思い出して、ミエはチョルにとある話をすることにした。塾が終わり、一人自転車で帰路に着くチョル。・・のことを、待たしても待ち伏せしたミエw「ねえっ!」「うわっ!」「こんの・・バカ!変態!」「誰がバカで変態だって?!シニタイノカナ?」...第六十四話①

  • 第六十三話⑤

    ミエは勢いよくスタートラインを蹴った。グ・ハンソンが欲しがっている一位の景品目掛けて。風を切って走りながら、各クラスの応援が聞こえる。そして結果は・・! 「12組、一等ファン・ミエ!」頑張りの成果が全部出て、見事一位でゴールした。友人達が労ってくれる。「よくやった!」「おお〜!」「わー!」そこでチョルと目が合った。ミエは勢いよくガッツポーズ!私はやったよ!あんたも頑張れ!行け行けファイティーーーーン!!その暑苦しいほどのやる気に、チョルは少し引き気味・・・。あ、ハイするとひょっこり現れたモ・ジンソプが話しかけて来た。「何、ファン・ミエ短距離走に出たの?頑張ったね〜すごいじゃない(小さいのに)」「え?あんたも出るの?」「当然」「私は男子の一等景品が欲しかったな〜」「なんで?」「え、だって男子の景品の方がいい...第六十三話⑤

  • 第六十三話④

    <友達は見守ってくれるものだ> リンボーダンスが惨敗に終わった12組。しばし寝ていたミエだが、バッと起きてこう言った。「いやいや!次こそは頑張るし!だよね!?」すると目の前に、いつもいちゃもんをつけてくるあの男子がいた。男子はミエの背後からじっと見てくるチョルを見て、ヒッと息を飲む。ダダダ・・・ミエは(あいつめ・・・)と思いながら、先日のサッカー準決勝の様子を思い出していた。「おい!パスしろよ!」「え?あっ・・!」「うわっ!?」大事な試合中に、彼は大ミス連発だったのだ。「い、いや・・マジでこれは・・」ズオオオオオオ・・・そして遂に、皆の彼に対する不満が爆発した。「違う!違うって!」「おい、もうお前抜けろよ!」「は?!このクソ・・」 「もう勝手にしろよな!」「はぁ?なんなんあいつ」「冗談じゃねーよ」チョルの...第六十三話④

  • 第六十三話③

    <友達は一緒に挑戦するものだ>[そして約二日間、ファン・ミエはそれなりに特訓した]  家に帰ってからも、ミエはフォークダンスの練習に明け暮れた。 もちろん、カーテンが閉まってるかの確認は欠かさない。  こんなのまで準備してくれちゃって・・ それに・・・  ミエはあの時見たチョルの横顔に、肯定的な意味を感じ取っていた。 早速今日ちゃんと上手く行ったから嬉しかったっぽいよね ふふっと笑うミエ。 するとドアの隙間から、ムンクがこちらをのぞいているのに気がついた。 「ん?何見てんの?ムンク」  ミエはそこで、自分のやる気に火がつくのを感じた。 父親と母親と共に、走りの練習のために夜の道路に出る。 「ねぇなんで夜中に・・お父さん明日会社なのに」 「大丈夫大丈夫。ミエが体育祭頑張りたいって言うんだから」  キム・チョ...第六十三話③

  • 第六十三話②

    ”友達は助け合うもの”というゴン・チソンの言葉を反芻しながら、チョルはダンスに苦戦するミエのことを見ていた。チョルが見ていることに気づいたミエは、「大丈夫だよ」とサムズアップして見せる。グッ!そしてそんなミエの後ろに、チソンが微笑んで立っていた。「友達は助け合わないとね!」その言葉を思い出しながら、チョルは一人考えた。んなことわざわざ言い出さんでも・・だからチョルは、少し手を伸ばせば食いついてくると思っていたのだ。「教えてやろうか?」”気にするな”なのに・・・。”できるし。いい加減しつこいよ?あんたは上手で良かったね〜”全然思った通りの反応が返って来ず、チョルはイラついたし、何より理解が出来なかった。なんでこんなに頑固なんだよ!?そしてチョルは一人消しゴムを持って、ミエの家の前に立ったのだ。ああして欲しい...第六十三話②

  • 第六十三話①

     音楽に乗せて、二人は踊った。手を重ね合い、交互にステップを踏む。一曲終わる頃には、ミエはすっかり踊れるようになっていた。ジャン、と音楽が終わる。二人ともお辞儀の姿勢のまま、しばし立ち止まる。ミエの口角が、ジワリと上がった。「やったぁーーーっ!」「やー爽快!方向だけしっかり確認したらできたじゃん!」「それ俺が言ったことだろ。家でもっと練習しろよ」「私でもできるじゃんってことだよ!」「見てろよぉ〜目に物言わせてやる!」「ほら荷物。授業始まるぞ」そう言ってカバンを取るチョルに、ミエは無邪気な笑顔を向ける。「あんたマジで教え方上手だね!」「そうか?俺には教えられないって思ってたんだろ?」心の中のざらりとしたものが、僅かにチョルの口から溢れ出た。しかしミエには、チョルの少し上がった口角しか目に入らない。「え?あん...第六十三話①

  • 第六十二話④

    <93年と99年の飛行機> ようやく二人の覚悟が決まり、フォークダンス練習が始まった。「もうマジで始めようぜ」「あっ音楽音楽!」カチャッ「俺の合図と色だけに集中な」「うん・・!」そうして二人は手を繋いだ。93年のあの夏ぶりの、99年のフォークダンス。「タタタンタタタン」「左の青から」「左、右」「左、右」赤・・いや青  ミエは方向と色を関連付けて覚ようと必死だ。 左、右、と言いながら、頭の中で色を思い浮かべる。  ミエが動きやすいように導いてくれるチョルに、ミエは素直についていく。「動いて、右から」「三回拍手」「ターンしたら赤から。もう一度繰り返し」 「お?おおお・・・」 じわじわと、ミエの思いは確信に変わる。 おっ?思ったよりできそうだぞ? あれだけ出来なかったのが嘘みたいに、 ミエはちゃんと動きについて...第六十二話④

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