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青リンゴ観察日記 https://blog.goo.ne.jp/1225greenapple

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。<br>*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*<br>

Yukkanen
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2020/12/28

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  • 第五十八話④

    「そこの二人、何してる?!すぐに離れなさい!」突然体育教師からそう言われたチョルとミエを見て、クラスメート達はざわめいた。キム・チョルがファン・ミエをいじめていると思った体育教師は、怒りの口調でチョルに詰め寄る。「おい、キム・チョル!お前今何してた?!」「いや、俺は・・」「ファン・ミエを虐めてたのか?!」「違います!」 「違っ・・違います違います!」 ミエはびっくりして否定したが、教師から「お前は黙ってなさい」と嗜められた。 ミエは何も聞いてもらえないまま、教師は話を続ける。 「なら二人でここで何をしていた?!なんでファン・ミエを捕まえてたんだ! 嫌がってただろう!」 「それは・・」 ミエは焦りながら、ことの顛末をなんとか説明しようとした。「それは私が、ここに怪我しててそれを見てて・・」「なんだこれは?キム・チ...第五十八話④

  • 第五十八話③

    体育の時間になっても、ミエはずっと一人で考え続けていた。思い出すのは、いつかスンジョン姉さんに聞いたチョルの話だ。「中三の一年間、問題を起こさずに全校一位になったら、もう一度あいつの願いを受け入れることになってる。だから静かに勉強ばっかして暮らしてるんだよ」「願い?」チョルの願いは、問題を起こさず静かに暮らすこと。なのに・・・「大魔王が来たぞーっ!」「こいつが悪いんだ!」「誰が言ったかあなたが知ってどうするの?悔しいなら誤解されるようなことはしないこと」 ミエは強く、強く思う。違うのに・・・チョルはそんな子じゃ・・けれどそれを口に出そうとすると、他でもないチョルが制止する。「ダメだ」「何も言うな」「知らないことにしてくれ」あの時のまっすぐな、それでいて澄んだ瞳をよく覚えている。この間目にした、寂しそうな横顔も。...第五十八話③

  • 第五十八話②

    職員室から帰って授業が始まっても、ミエの心にはモヤモヤがいっぱいだった。なんなの、どうしよう、と言う文字とともに、グジャグジャと気持ちのままにペンを動かす。自分の気持ちや伝えたいことが、何一つ真っ直ぐに届かないこの感じ・・。ミエはげっそりした目でチョルを見る。職員室で、担任に言われた言葉が蘇った。「今度こんなことがあったら、二人共ご両親を呼び出しますからね!」親に心配を掛けることは、おそらくチョルが一番避けたいことだ。チョルのことを思って取った自分の行動が、結局チョルを苦しめる結果になっていることに、ミエはもどかしい気持ちでいっぱいになる。ふと、持っているシャープペンが目に入った。そのこともまた、ミエの心を悩ませていたのだった。 [ファン・ミエは、なんだか呆れていた] [シャーペン探すからって他の子たちを苦しめ...第五十八話②

  • 第五十八話①

    ”大魔王”の一言で、水を打ったような静けさが3年12組を包んだ。イヤホンをしたままのチョルは、口をつぐんだまま動かない。クラス全員がチョルの方を見ていた。ミエをからかってきた男子とミエは、その中心で動揺している。なんなんだよ・・えっどうしたん?!空気張り詰めてるんだけど・・ 「い、いや・・その・・」その男子は口籠った後、クッと下唇を噛み締めた。彼の中で燻っていた気持ちが、堰を切ったように溢れ出す。「だから・・今は休み時間だろ!それにうるさいのはファン・ミエの方だろうが!大声で叫んで走り回って!」「お前は級長か!?なんで空気悪くすんだ?!」”大魔王”に向かって叫ぶ彼を、クラスメート達は青ざめて見ていた。しかしチョルは意外そうな顔をして、イヤホンを外す。ガタッチョルはゆっくりと席を立ち、ミエとその男子の方に近づいて...第五十八話①

  • 第五十七話④

    「詐欺師!」ミエがそう言い捨ててモ・ジンソプの元から去ってから、目が合えば避けられるようになった。 そのくらいの良心はあるか、と思いながらミエは走る。既に予鈴が鳴っているので、遅刻しないようにもう少し急ごう、と思ったその時だった。 バシッ突然、首の後ろに衝撃が走った。一瞬頭が真っ白になる。顔を上げると、ミエの前に男子が三人歩いていた。「今日の給食なんだっけ?」「なんか通り過ぎたか?」その中の一人の横顔が見えた。目元に、見覚えのあるホクロがある。「虫退治〜」「大丈夫だろ」以前、身体測定の時にミエに絡んできたアイツ、3組のシンだった。ミエは反射的に声を上げる。「ちょっと・・!何よあんたたち・・!」「ちょっとーーっ!」そう叫ぶも、彼らは無視して行ってしまった。ううっ・・!!ミエが怒りに震えていると、ガラス戸を通して校...第五十七話④

  • 第五十七話③

    <答えが出ない夜>の始まりである。ミエは母からの通達である、外出禁止+翌月の小遣いなしのペナルティに打ちのめされていた。「うう〜〜平均点はあんま落ちてないのにー!ひどいよ〜」[ファン・ミエは罰を受け][キム・チョルはちょっと納得出来ないでいた] 15位なのにあんなに怒られんのか?先ほどミエの家の前から聞こえてきた、悲痛な叫びを思い出しながらチョルはそう思っていた。なぜなら、[自分の家族は、チョルの成績が上がり続けていると喜んでいるからだ]家族で成績表に目を落としながら、父と母と姉が言う。やればできんじゃん!やっぱり賢い子なのよ〜、と。 けどその笑顔を前にしながらも、チョルはついこう思ってしまう。 [どうせ全校一位なんて無理だと思ってんだろう]と。 心の中のモヤモヤは、それだけではなかった。チャ・ヨンヒが言ってい...第五十七話③

  • 第五十七話②

    塾の授業が始まってからも、中間テストの順位を知られたチョルは幾分肩を落としていたし、ミエは”チョルがミエのことを妹か娘だと思っている”というヨンヒの意見に批判的だった。「どこが妹扱いだって?変人呼ばわりされてんだけど」「えーそういうの一回も考えたことない?」「ヨンヒはチョルが本当の妹に接してるとこ見たことないからだよ」「そお?」  チョルの後ろ姿を見ながら、ミエはようやく判明したチョルの中間テストの順位について考える。 16位?私のすぐ後じゃん・・何位上がって16位なわけ?その時ふと、この間パク・ジョンウクの家で聞いた話を思い出した。「ミエ、チョルが成績をすごく上げたのは知ってる?」「ううん、話してくれなくて!」 「チョルは小さい時から転校が多かったから、なかなか勉強に力入れにくかったんだって。 高句麗中に来て...第五十七話②

  • 第五十七話①

    時間は少し戻り、ミエが変態に会う少し前。授業終わりのチャイムが鳴る。当番の者が、掃除用具を持って各々の場所に散って行く。 席を立ったファン・ミエが、キム・チョルに声を掛けた。「じゃーね!」チョルは何かを言いかけたが、言わなかった。ただ「あ・・」と口ごもるくらい。ミエは「先帰るね」とチョルに声を掛けた。廊下でユンヒが「ミエ、早く行こー」と言っている。努力してるよ、とミエは念を送るだけにした。しつこくしすぎず、かといって放ってもおかない、このバランスが大事なのだ。あ、成績・・後で聞いてみよっとチョルが何位だったのか、結局聞くチャンスがなかった。後で塾の時に聞けたら聞いてみよう、と思いつつミエはユンヒ達と合流する。  あ・・ビデオ・・とチョルは思いながら教室を出た。ミエとの”約束”のためにビデオを借りたのだと、言えそ...第五十七話①

  • 第五十六話⑤

    放課後、ミエはユンヒらと共に寄り道してトッポギを食べていた。彼女らの話題は、思春期らしい異性のこと・・。「確かに新羅中と伽耶中にイケメン多いね」「うちはモ・ジンソプ以外はほとんどいないんじゃない?」   「あ、けどあと何人かいるじゃん」「誰?」 「うーん・・ほら、全校一位だったあの人とか」「あーあの人か。よく知らんけど」 「それじゃXクラスのあの人は?」「うーん・・」「じゃあNクラスのあの人」「どーかなぁ」  「てかチヘ、あんたが気になってる伽耶中のあの人はどーなってんの?」 「はっ!?そんなんじゃないし!」「おー照れとる照れとる」 そんな会話の最中、突然ゴン・チソンが呟いた。 「大魔王・・」  「大魔王はアリじゃね?」  普段あまりこういう話にのってこないチソンが言うその一言は、結構なインパクトだ。  「んー...第五十六話⑤

  • 第五十六話④

    さてキム・チョルは週末をどう過ごしていたのか。[キム・チョルは土曜に約束通りモ・ジンソプと会い][日曜は親戚の家に行って来た][そして月曜に学校でファン・ミエに会ったら・・]予想図はこうだった。何見てんだよ?とブチ切れモードだろう、と。 チラ・・結論から言うと、ファン・ミエはブチ切れていなかった。あっサッ・・しかし何故か目が合うと避けられた。何かを振り切るように、何度も首を横に振っている。見ていると、目を閉じて顔を少し上げた。・・・ズガーン!!突然額を机に打ちつけるという暴挙に出たミエ。しかも先生に当てられた。「ファン・ミエ、起きなさい」「えっ!?はっ?!はい!」「プリントの5問目、解いてみて」あれ?これ何だっけ?分かるような・・てか3番だっけ?4番だっけ?似ててややこしい〜〜!若干のパニックになっているミエを...第五十六話④

  • 第五十六話③

    洗濯したチョルのスニーカーは、だいぶ綺麗になった。ミエは自室で英会話のテープを聴きながら、ベッドに寝転がっている。机の上にあるのは参考書だけでなく、ファイアーボーイズの切り抜きをノートに貼ったものもある。これがミエの思うThe・イケメンだ。今読んでいる漫画にも、正統派イケメンが登場する。かっこいい・・!どこが・・?ミエがそう思いながら思い浮かべているのは、キム・チョルである。両親が揃って”チョル君はかっこいい”と言うものだから、改めて確認したくなったのだ。廊下に立たされた時に見た、チョルの横顔。そしてその瞳・・。目は綺麗な気がするけど・・肯定的に捉えようとしたその瞬間、耳の奥に残るチョルの声が聞こえた。「ぷははっ!」ジョンウクに「可愛いよ」と言ってもらった矢先、盛大に吹き出したチョルの声を・・。  「もう!!マ...第五十六話③

  • 第五十六話②

    ジョンウクの家でのゲーム会が終わって、ミエとチョルの仲は険悪であった。二人の雰囲気を見て、ベ・ホンギュがジョンウクに聞く。「なんかあったんか?」「一種の・・自業自得?」塾が終わっても・・「ちょっと!あんた何様よ!?」「父親の服着て歩き回ってた人が、私見て笑えるっての!?ちょっとぉぉぉ!!」「あの家の男の子引っ越したんじゃなかったっけ?」「違う子よ。ファンさんの娘さん、あの家の子とは合わないのねぇ」チョルの家の下で叫ぶミエを見て、ご近所の人がヒソヒソ話していた。チョルはミエの叫びが聞こえていたが、窓から顔を出すことなくベッドに横たわる。「あ〜〜〜っ!くそっ!!」「何があったか知らんけどとりま謝っとけ」「あっち行けっ!」スンジョン姉が出て行ってから、チョルはここ最近のことを思い出していた。塾の帰り道で、自分に向かっ...第五十六話②

  • 第五十六話①

    チョルとジョンウクのすったもんだが終わると、チョルは水をがぶ飲みした。大声を出したり怒って追いかけたり、多くのエネルギーを使ったらしい。ぷはー一方ジョンウクは、ぼんやりしているミエに話し掛ける。「どうかした?」「え?いや〜二人は本当に仲がいいんだね〜。見てるとウケるw」その言葉を聞いて、ジョンウクは何か思うところがあるようだ。しかし表情には出さない。「あ、そういえばシャーペン失くしたって言ってたよね。弟たちがいっぱい持ってるから、一本持っていきなよ」 「え〜いいのかな!ありがとう!」 「一本選んでよ」「あっこれ何?かわいいね〜!」ミエはペン立ての手前にあるアクセサリーを見てそう言った。飾りのついたヘアゴムと、猫の形をしたピアスだ。「あ、これは妹のなんだ。片付けろって言ってんのにそのままにして行っちゃってさ」「こ...第五十六話①

  • 第五十五話④

    ジョンウクの家に到着したチョルは、早速ミエとゲームを始めた。ミエは初心者らしく、ゲームのアイコンと共に体が動いてしまっている。「ほっ、やっ、」一方チョルは無表情でコントローラーを握っていた。その冷静な動作を見て、ミエが首を傾げながら聞く。「何で私だけ遅いの?どーやったらあんたみたいに早く走れんのよ?!」「キーを同時に二つ押すんだよ」「こう?」「いや、あの赤いのが全部点いたら。いやそっちのキーじゃなくて・・・」 「え?赤いのって?」 そうこうしている間に・・。「あんた何なのさ!何でこんなに上手いの?!」「ガキの頃やったからな」「はー?!反則!」「何で・・」  ぶつぶつ言いながら、ミエはゲームに悪戦苦闘している。 そんなミエをじっと見るチョル。 「お前ジャンプのタイミングがおかしいぞ。もうちょい後でジャンプ」 「え...第五十五話④

  • 第五十五話③

    シャーペン騒動のせいで、廊下に出されてしまったチョルとミエ。「ちょっと!何であんなことしたんだよ!」「ミスっただけだって!あとで探すよ」 「てか私は犬か?!何で首根っこ掴むのよ!?あんなに人がいる場所でさぁ!」 「じゃあどこを持てば・・」 ミエはシャーペンのことに加え、昼休みに首根っこを持たれてブラブラしたことの怒りをチョルにぶつけた。ギシッ教室から物音がしたので一回静止するチョルとミエ。が、また言い合いが始まる・・。「ったく・・!」「はぁ?!」ボカッいつの間にか背後にいた先生に、一発殴られた二人・・。「真っ直ぐ立ってなさい」 チョルはため息を吐いて、それきり黙って立っていた。ミエはまだ心の中で毒づいている。なんだよもう・・この人・・どこか寂しげな、なんだか悲しげな、何を考えているのかわからない眼差し。いつの間...第五十五話③

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