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  • 感想『解放されたゴーレム 科学技術の不確実性について』

    こんな本を読みました。 // リンク 大変よい本でしたので、お時間ある方は是非ご一読下さい。 コロナパンデミックになってからもう一年以上ですね。なにぶん初めての経験でしたから、分からないことがたくさんありました。去年は私は大学4年生でしたから、就活をしておりました。といっても地元就職を狙って東京や大阪には行ったことがないので、オンラインの説明会は楽でいいなぁくらいのものでした。そういう意味で、私はコロナパンデミックの当事者というには深刻さが足りないかも知れません。 分からない、という状態に慣れている人はどれくらいいるんでしょうか。 最も慣れている人達の中に研究者が挙げられるのは間違いないと思い…

  • すり切れた言葉に思うことなど

    梨木香歩さんのエッセイにサステナビリティという言葉を例にとって、時代が言葉を消費してしまうという危惧を綴った箇所がありました。それっぽい言葉で問題の核心を突いたような気になって、思考が上っ面で流されていき、数年後にその言葉を使っていると時代遅れと思われる、そんな言葉の使われ方です。 私も、どちらかというとそれっぽい言葉が苦手です。環境問題なんて昔からあっただろうに、最近ではSDGsなんて言うそうですが。 言葉の使われ方を研究する語用論という研究分野では、尊敬語や強調語は常に新しい形が作られ続けることが知られています。なぜかというと、ずっと同じ表現を使っていると言葉がすり切れてしまって敬意が伝わ…

  • 言葉は言い尽くせない

    (1) The Cat jumped over the wall. Vyvyan Evans Cognitive Linguistics A COMPLETE GUIDE p8より 今回はこの一文から話を始めたいと思います。仮にに日本語に訳してみると、上の文は「猫は壁を飛び越えた」という具合になるかと思います。今回は英語についての話をするので、この日本語訳は参考程度にお考え下さい。議論の流れは、Vyvyan Evans のCognitive Linguistics A COMPLETE GUIDEに沿っています。 恐らく、この文を呼んだ皆さんは次のようなイメージを思い浮かべたのではないでしょう…

  • 大学でそこそこ真面目に勉強した人間が語る勉強の基本

    今回は、そこらへんの学部生よりは真面目に勉強した自負がある私が、勉強の方法についてお届けしたいと思います。勉強にも色々なタイプの勉強があるかと思いますが、資格の勉強や語学の勉強というより、大学でやるような学問的な勉強について焦点を当てようと思います。ポイントは2つだけです。(筆者の学部は人文系です。社会科学や自然科学は勝手がよく分からないので参考程度に) 1.たくさん本を読みましょう 2.本は買いましょう 3.まとめ 1.たくさん本を読みましょう 1つ目のポイントはとにかくたくさん本を読むことです。勉強の基本は間違いなく読書です。学び始めは、読んでいて分からない部分もたくさんあると思いますが、…

  • 「愛してる」は照れくさい ”I love you”はそうでもない?

    今回は、オススメの本を紹介します。 // リンク 作家の小川洋子さんと、生物学者の岡ノ谷一夫さんの対談を収録した本です。面白かった話をほんのちょっとだけ紹介するので、気になった人は是非。 愛の儀式 みなさん、白鳥はご存じだと思うのですが、彼らは一夫一妻制の鳥です。しかも結構厳しい。おしどり夫婦なんて言いますが、おしどりは結構浮気するらしいですね。 小川さんが白鳥を見に行ったとき、ペアになった白鳥同士が、動作をそろえて首を振りつつ、鳴き合い続けているのを見たそうです。鳥がなぜ鳴くのかというと、求愛のためというのが1つの理由なのですが、ペアになっているのに鳴く必要があるの?という疑問が生じますよね…

  • それ僕の責任ですか?ーぼやきシリーズ①ー

    1.ぼやきシリーズとは? Twitterでつぶやくには長いけど、ブログの記事として書くほどには、問題提起らしい問題提起もないし、解決策も提案できない。それでもモヤモヤしてることを書いていきます。 2.特定の文化的・世代的価値観を持つこと自体が罪なのか? 確か韓国の映画だったと思うのですが、女性の生きづらさを描いて話題になったものがあったと思います。その中に登場する夫婦の夫のセリフに「育児を手伝う」というものがあって、「手伝うって何よ!基本は私がするの?!」みたいな返答がある、というシーンがあった気がするのです。(間違ってたらすみません) 男性も育児に参加していくのが普通というのが、昨今の潮流で…

  • 英語のここがわからないー英語に関わった全ての人に捧ぐー

    1.導入 筆者の英語能力について 2.躓きの石①語順 3.躓きの石②be動詞(原型) 4.躓きの石③未来形 5.躓きの石④進行形 6.躓きの石⑤完了形 7.まとめ 日本人として英語に関わる全ての人へ 1.導入 筆者の英語能力について 今回は筆者の経験から、英語のここがわけわからん、ということをつらつら書いてみようと思います。「それ!分かる!」と共感してもらったり、英語教育に関わる人の目にとまって「あぁ、こういう所がわからんのね」と参考にしてもらえれば最高です。 筆者は、受験英語はそこそこできる、くらいの英語力です。(センター英語は150点)実践的な能力は皆無。ちなみに中学の時の英語力がしょぼか…

  • 「結婚することになったよ」「なったんじゃなくてすることに決めたんでしょう」

    1.導入 2.「結婚することになる」における「なる」の敬語的性質 3.BE言語とHAVE言語 4.そのほか、興味深い違い 1.導入 俵万智さんの歌にこんなのがありまあす。 「結婚することになったよ」「なったんじゃなくてすることに決めたんでしょう」 (俵万智(1997)『チョコレート革命』:「水に書く文字」より) 日本語母語話者の身からすると、「結婚することになった」というのは非常に自然な言い方です。 英語では何というのでしょうか? "We are getting married." (池上嘉彦(2006)『英語の感覚・日本語の感覚』より) 日本語に訳せば、「私たちは結婚します」となります。こう…

  • 人生の目標・進捗

    Q.このページ何? A.檸檬の人生の目標と進捗を記したページです。とりあえず、試みということで。 目標一覧 檸檬の 本棚 学問 小説・ライトノベル・詩集・エッセイ そのほか 漫画 エンジニア研鑽を積んだ時間 記録開始(2020年12月20日) チェス戦績・タクティクス数 目標一覧 1.勉強したい学問をさっくり勉強する。 最も広くとれば、私の興味関心は「生命」にあります。その中でも特に「人間」というテーマが一番気になっていることです。そして応用研究よりは基礎研究に興味があります。というわけで、私が勉強する予定なのは次の分野です。 哲学・言語学・認知科学・心理学・生物学・経済学・政治学・宗教学・文…

  • ウニはおいしい?形容詞の背後にある行為

    形容詞の背後には、その特性を知るための行動が隠れている。

  • 村上春樹 石のまくらにin『一人称単数』を読む

    1.導入 2.「石のまくらに」主題・テーマ 3.語り手の喜びと悲しみ、その間の断絶 4.彼女(ちほ)の愛における断絶 5.夜の彼女と昼の彼女の断絶 6.瞬く間の断絶・証人としての言葉 7.まとめ 8.余談 星のイメージ 1.導入 今回は「石のまくらに」を読んでいこうと思います。村上春樹の作品はほぼ初めてです。中学生の時1Q84を読もうとして?となって挫折してから読んでいませんでした。 よければご自身の解釈と読み比べてみて下さいね。ネタバレはするので、嫌な人は注意です。 2.「石のまくらに」主題・テーマ この小説の主題は<分離・分断・断絶><それを結ぶ言葉><確かなものとは何か?>という感じにな…

  • 努力か才能か論争をしてみて

    1.導入 私も、友人と努力か才能か論争をしてたことがあります。みなさんも一回くらいはあるのではないでしょうか。 今回は努力か才能か論争をしてみて私の考えたことを紹介します。たまたまピンカーの『21世紀の啓蒙』を読んでいたら似たような考えをしている人がいるらしいことが発覚したので、併せて紹介します。 2.結論 私の「人は努力か才能か」という問いに対する結論は、そんなものは心理学か生物学などを勉強すればよい、というものです。 もともと私は、努力サイドにたっていました。ただ、才能サイドの友人の話を聞くと、説得力のある根拠に基づいたものでした。しかし、自分で結構自分が努力してきて、それで今の状態がある…

  • 太宰治「黄金風景」を読む

    1.導入 2.「黄金風景」の主題・構成 3.まとめ 1.導入 私は太宰治の小説がとても好きなのですが、中でもお気に入りなのは「黄金風景」です。青空文庫でも読めるし、短い小説なので、よかったら読んでみて下さいね。『黄金風景』太宰 治 ◀ えあ草紙・青空図書館(無料・縦書き) (satokazzz.com) 今回は私なりの読みを書いて置こうと思います。👆を読んで、解釈の突き合わせという感じで楽しんで頂けるといいかなと思います。(先行研究とかは参照してないし、大学で文学の授業はちゃんと受けた程度の人間なのでそんなに深い読みもできないかもしれませんが。) 2.「黄金風景」の主題・構成 この作品の主題(…

  • グレーゾーンについて(表現の自由と誹謗中傷)

    1.導入 2.問題はグレーゾーンか? 3.色のメタファー 1.導入 少し前、SNSでの誹謗中傷が原因で自殺された方がニュースで取り上げられていましたね。そこでSNS上の誹謗中傷を取り締まるか、表現の自由との線引きをどうするかみたいな議論があった気がしますが、持論を書いて置こうと思います。 ポイントはグレーゾーンの線引きより重要なことがある、ということです。 2.問題はグレーゾーンか? この手の問題でもめるのはグレーゾーンの線引きでしょうね。この事例は白か黒か。その理由、基準は何か。これはこれで法の実務的な問題として解決されなければならないというのは分かるんですけど、この問題は結局、個別の事例の…

  • 好きな女はゲシュタルト

    1.導入 2.赤い家の意味は? 3.なんで彼女が好きなの? 1.導入 みなさんはゲシュタルトという言葉をご存じでしょうか。ゲシュタルト崩壊という言葉は幾分人口に膾炙した感がありますが、正確な意味をご存じない方もそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。 今日はそのゲシュタルトと好きな女性(筆者は男性のため)との共通点を見つけたので書いて置きます。 2.赤い家の意味は? コトバンクを見てみますと 部分からは導くことのできない、一つのまとまった、有機的・具体的な全体性のある構造をもったもの。(ゲシュタルトとは - コトバンク (kotobank.jp)) とあります。 こんな例を考えてみて下さい。…

  • Twitterで誹謗中傷が起きるのは(似非言語学的考察)

    1.導入 2.人から聞いた話では 3.発話の構造と呟き 4.結局、誹謗中傷をする人間も普通の人かもね 1.導入 私も少し前まではTwitterをしていました。見る専でしたが。 ただ魂削れてるなと感じることが多くなったのでやめてしまいました。例えば喧嘩じみた会話がたまに目に入ったりすると、我が身に関係ないだろと思いつつも勝手に消耗していました。 こういう喧嘩じみた会話や誹謗中傷が起きるのはどうしてなんだろうと思い、たまたま言語学の研究から1つ面白い考察ができそうだったので書いて置きます。 2.人から聞いた話では 私がよく見ていたYoutuberの方で、やや炎上気質な方がいらっしゃたのですが、その…

  • 「・・・っていう人が・・・って言っててね」について

    1.導入 2.書き置き 2.1.自分オリジナルの考え 2.2.自分の考え方のルーツ 2.3.引用について 1.導入 いつかテレビ番組でYoutuberのフワちゃんさんが「あたし、誰々がこう言っててね、みたいなこと言ってくる奴嫌いなんだよね。」というような趣旨のことを仰っていました。おそらく、自身の博識さをひけらかすような行為は嫌いだという意図で発言されたのだと思います。 私もそういったひけらかしについては、ある種の鬱陶しさを感じるというのはよくわかります。ただ、今回はそういった話ではなく、「誰々がこう言ってて」というような引用について、思うところを書いて置こうと思います。 ちなみに私自身は結構…

  • 開設の意図・自己紹介

    開設の意図 自己紹介 開設の意図 少し前のことですが、お笑い芸人の又吉直樹さんが、NHKの番組で次のようなことを仰っていました。自分の中に思考が溜まってしまわないように言葉にする、このような趣旨だったと思います。 私には考え事をする時に、あれ?これ前にも考えたよな?という経験があります。皆さんにもないでしょうか。自分の中にある思考を言葉にすることで、思考に形を持つという性質を付加することができるのではないかと、又吉さんのお話を聞いていて感じました。 形があれば私たちはそれを扱うことができます。 本ブログの開設の意図は2つあります。 1つは、私の思考に形を持たせることです。私の考え事が自分の中に…

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