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  • 九州自然歩道 福岡県行程(復路)総括

    九州自然歩道福岡県エリア(復路) 福岡県築上郡上毛町大平山~北九州市八幡東区皿倉山 2021年9月18日~2021年10月9日活動 活動日数 8日 歩行距離141.2km 269542歩 2019年8月31日に福岡県北九州市八幡東区の皿倉山をスタートした九州自然歩道トレッキング。九州をグルリと反時計回りに1周するのだが、福岡県を出発して、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、大分県と歩き、ふたたび福岡県を北上して起点の北九州市八幡東区の皿倉山でゴールとなる。 今回の福岡県エリア(復路)は、(1)大分県との県境の大平山から犬ヶ岳を経て英彦山までの修験道の道、(2)英彦山を起点として田川郡、築…

  • 九州自然歩道 大分県行程総括

    九州自然歩道大分県エリア 大分県竹田市祖母山~大分県中津市耶馬溪町大平山 2021年7月17日~2021年9月18日活動 活動日数 12日 歩行距離220.5km 390341歩 大分県は、2013年に「おんせん県」の商標登録を行ったほど気合いの入った温泉推しの県。県内の18市町村のうち16市町村で温泉が湧出している。平成28年3月末における源泉総数は4,342孔で全国の16%、また、湧出量279,462L/分で全国の10.9%を占め、源泉数、湧出量ともに第1位(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/大分県#自治体)。 別府駅の駅名標 こうなると気になるのが、おんせ…

  • 九州自然歩道 宮崎県行程総括

    九州自然歩道宮崎県エリア 宮崎県西諸県郡高原町高千穂峰~宮崎県西臼杵郡高千穂町祖母山 2021年3月6日~2021年7月17日活動 活動日数 20日 距離480.7km 813684歩 宮崎県は私の好きな県。大学時代の友人の実家のあるところで、何度も訪れている。海がきれいで、波が良く、気候が穏やかで、何よりも人の心が穏やか。宮崎では対人的な不快感を覚えた出来事の記憶がない。とくに自動車の運転。あおり運転など皆無で、車間が広く、皆さん道を譲ってくれる。友人に聞くと、かつて新婚旅行のメッカで、レンタカーやタクシーに配慮していた名残ではないかということだったが。 それにしても、、、福岡を基準にして恐…

  • 九州自然歩道 鹿児島県行程総括

    九州自然歩道鹿児島県エリア 鹿児島県伊佐市久七峠~鹿児島県霧島市高千穂峰 2020年10月25日~2021年3月6日活動 活動日数 29日 距離664.0km 118406歩 鹿児島県に先立つ熊本県は歩行距離630kmと長く、踏破には28日を要したが、鹿児島県はさらに長い664km、29日と九州内で最長であった。 鹿児島のコースは①薩摩半島エリア、②大隅半島エリア、③霧島エリアの3つに分けることができる。かぎりなく続く砂浜、どこまでも青く透き通った海、鬼のようにきつい縦走路、神々を感じることができる山と、それぞれのエリアには特徴がある。今回はこれらのエリアの特徴と楽しみ方、それから何よりも縦走…

  • 九州自然歩道 熊本県行程総括

    九州自然歩道熊本県エリア 熊本県天草市五和町鬼池港~熊本県人吉市久七峠 2020年7月11日~2020年10月25日活動 活動日数 28日 距離630.6km 1056597歩 北九州市八幡東区の皿倉山を起点として、福岡県、佐賀県、長崎県と歩き継いできたが、熊本県のエリアは歩行距離630kmと長く、踏破には28日を要した。 大きくは、①天草の海を堪能するパート、②三角から熊本市の西部を北上して菊池川流域の歴史を味わうパート、③菊池渓谷から阿蘇カルデラ、南阿蘇外輪山、火砕流台地の沃野と大自然を満喫するパート、④落人伝説の五家荘、子守歌の五木、到達困難な球磨川源流域に到る秘境パート、⑤人吉盆地を経…

  • 九州自然歩道 長崎県行程総括

    2020年7月5日に九州自然歩道の長崎県エリアを歩き終えた。佐賀県との県境の国見岳からスタートし、稜線を伝って早岐に出てから西海橋まで歩き、西海の山中を数日かけて長崎まで進んだ後、諫早南部の山中から橘湾に出て千々石断層に沿って高度を上げ、雲仙から島原半島を縦断して南端に位置する口之津に至るまでの256.1kmの行程だった。 コースの最初は、佐賀県伊万里市にある松浦鉄道の駅である山谷をスタートして国見岳(国見山、777m)の頂上に至ったところから始まる。国見岳からは稜線を伝って佐世保市郊外の隠居岳まで歩き、いったん早岐の市街地に出る。その後は、早岐瀬戸を経由して、舗装路とミカン畑の中を繰り返しな…

  • 九州自然歩道 佐賀県行程総括

    九州自然歩道の佐賀県のコースは、佐賀県の北東の角にあたる基山(きやま)の山頂からスタートする。福岡県との県境となる背振山系を縦走し、金山(かなやま)から北山(ほくざん)ダム、古湯温泉、天山(てんざん)へと進み、武雄市の北部の女山、八幡岳、眉山を縦走し、奇岩で知られる黒髪山を越え、山谷の集落から長崎県との境界となる国見岳に至る148.3kmの行程。 まずは基山(404m)に向かう。基山は福岡の太宰府方面、佐賀県の基山駅方面からなど、いくつかのアプローチがある。かつては基山の頂上には基肄城(きいじょう)という太宰府を守るための山城が建てられていた場所。眺望が良く、太宰府から佐賀平野まで一望できる。…

  • 九州自然歩道 福岡県行程(往路)総括

    トレッキングを始めたばかりで、歩くことに精一杯で、十分な記録を残してこなかった九州自然歩道のスタートとなる福岡県エリア。これまでに、福岡県、佐賀県、長崎県と歩き継いできた。九州自然歩道の反時計回り1周が完遂するならば、再び大分県から福岡県に北上してくるが、今回は福岡県内の往路について記憶が新鮮なうちに総括しておこうと思う。 九州自然歩道の北端は、北九州市八幡にある皿倉山頂上。そこから稜線を伝い、福智山まで南下する。そこから東に向きを変え平尾台を歩き、仲哀トンネルを抜けて筑豊地域に入る。香春から南に添田町の油木ダムに向かい、英彦山に至る。今度は西に向きを変え、嘉穂アルプスと言われる馬見山、屏山、…

  • 九州自然歩道125日目 とうとう九州自然歩道制覇 福岡県直方市竜王峡~北九州市八幡東区皿倉山 2021年10月9日

    前回はまだ明るい午後1時半に、九州自然歩道のゴールの皿倉山まで14kmほどの地点からエスケープルートに下りて、福岡に帰った。頑張ればゴールできる距離だったがいったん離脱とした理由は、ゴールが日没後になる可能性が高く、もったいないなと感じたことが一つ。もう一つは124日目でゴールとなったとなると、124という数字があまり好きではないため。 124は百の位が20、十の位が21、一の位が22と、2に関わり合いの深い数字のみで構成された素性の良さそうな数字に見える。ところが実は約数が2と31という、いざ処理するとなるとやっかいな数字。ヒトに例えるならば、愛想は良いものの影でコソコソ人の悪口を言うような…

  • 九州自然歩道124日目 筑豊の名峰福智山からゴールは見えた 福岡県北九州市小倉南区石原町~直方市竜王峡 2021年10月3日

    本日は北九州市小倉南区にある日田彦山線の石原町駅から7:32にスタート。 民家を抜けて寂しい舗装路を進み、7:51に櫨が峠トンネルに入る。心霊スポットのような雰囲気が漂うが、幸か不幸か霊感はまったくないので何も見えない。2年前の往路では、このトンネルを抜けたのは午後7時を過ぎていたので、かなり怖かったことを思い出す。霊感はなくとも、人里離れたトンネルの中を歩くのは、昼でも怖い。 石原町の民家の中を抜ける 振り返ると平尾台から雲が下りてきたのが見える 最後の人家から1kmほど進む 当たり前だが、トンネルの中は昼なお暗い トンネルを抜けたときはホッとしたが、まだ人家はない 心霊現象は何事も起きず、…

  • 九州自然歩道123日目 青い空、白い羊、黄金色のススキ 福岡県築上郡みやこ町新町~北九州市小倉南区石原町 2021年10月2日

    本日は築上郡みやこ町の住宅地からのトレッキング再開。九州自然歩道は、エリアにもよるが舗装路が半分以上の日もある。今日もまさにそんな日になりそう。 前々回のレポートだが、読者の方からGoogle Mapのストリートビューで掲載されているのと同じ場面を見ることができるとコメントを頂いた。記載してあったGoogle MapのURLを開いてみると、まさに写真のままの油木ダムのストリートビューを見ることができた。私の歩いた軌跡をストリートビューで辿って、一緒に歩いているかのように風景を眺めてもらっているようだ。そういう楽しみ方もあるんだなと感心した。山登りとは異なり、ストリートビューにも出てくるような一…

  • 九州自然歩道122日目 薬師の頭から頭を失った香春岳を望む 福岡県田川郡赤村源じいの森~築上郡みやこ町新町 2021年9月26日

    本日は福岡県赤村の源じいの森からのトレッキング再開。福岡からJRと第3セクターの平成筑豊鉄道を乗り継いで8:27に源じいの森に到着。 平成筑豊鉄道は車両のカラーリングが豊富 源じいの森にはキャンプ場もある しばらくは実りの秋の風景を楽しみながら舗装路を歩く。見取、山渋、田峰とのんびりとした集落を通過して、9:14に県道に合流した。 しばらく今川沿いに歩く 見取集落には2年前にもこの山羊がいた 見取集落を通過 田峯集落には神功皇后の足跡が 田峯集落で見かけたこの柑橘は晩白柚か? 交通量のやや多い県道34号線行橋添田線を1kmほど歩いて、谷山集落に左折した。2年前にはこの道は通っていないが、地図上…

  • 九州自然歩道121日目 丹精を込めたジョナゴールドに2年ぶりの再会 福岡県田川郡添田町英彦山~田川郡赤村源じいの森駅 2021年9月23日

    本日は、福岡市営地下鉄、福北ゆたか線、後藤寺線、日田英彦山線、JR代行バス、町バスと、5回も乗り換えて、9:36から英彦山の別所駐車場からのスタート。 別所駐車場前の英彦山交差点からスタート 交差点の先を左折して、荒れた山道を下り始める。このところ、犬ヶ岳、英彦山といったメジャーな山に登っていたため、いつもの九州自然歩道の荒れ具合を忘れていた。 交差点の先から山道を下りはじめる 30分ほど荒れた山道を下る 害獣除けの柵を越えると集落。2年前には九州自然歩道という記載はなかったような気がする。 30分ほど歩くと県道418号線に合流して、北坂本に出た。今回は左に曲がって西に200mほどの寄り道。と…

  • 九州自然歩道120日目 秋晴れの英彦山で修行の一日 福岡県豊前市犬ヶ岳~田川郡添田町英彦山 2021年9月20日

    犬ヶ岳(1131m)の山頂近くで目を覚ました。撤収作業をしていると、東の空が明るくなってきた。雲海に浮かぶ太陽が美しい。 目が覚めたら雲海の上にいた 日が昇りはじめたらえもいわれぬ美しさ 6:32に犬ヶ岳を出発した。まずは900m先の大竿峠に向かうが、景色が良すぎてスピードが出ない。7:09にようやく大竿峠に到着し、行動食の朝食とした。 6:32に犬ヶ岳を出発 景色が美しすぎて、もったいないから早く歩けない わずか900m先の大竿峠まで30分以上かかってしまった 7:20に行動再開。とても快適な道が続く。500m先の一ノ岳(1124m)には7:36に到着した。次の目標は3.4km先の野峠。地図…

  • 九州自然歩道119日目 連日のスリリングな鎖場を堪能 福岡県築上郡上毛町瓦岳〜福岡県豊前市犬ヶ岳 2021年9月19日

    本日は福岡県内の瓦岳の山頂で4:17に起床。外はまだ暗く、霧が流れている。カフェオレを飲みながらチーズパンの朝食。昨日の写真整理をする。 ガスコンロでお湯を沸かしてカフェオレ 縦走の荷物はこのぐらいで約10kg 湿ったテントを乾かしてから撤収作業を終えて、6:50に行動開始。瓦岳からの山道の整備状況は良好。 九州自然舗装の整備状況は良好 福岡県に入ってからまだ一度も藪漕ぎをしていない。3.3km先の雁股峠には8:06に到着。小休止した後、薮ケ畑28林道交差を8:27に通過。このあたりの九州自然歩道の標識はこまめに設置されており、迷うようなところはない。 雁股峠に到着して小休止 雁股峠から雁股山…

  • 九州自然歩道118日目 いよいよ最後の福岡県に突入 大分県中津市本耶馬渓町青の洞門~福岡県築上郡上毛町瓦岳 2021年9月18日

    本日は耶馬溪の青バス停から8:28にスタート。前回の行動終了地点から800mほど南に戻った位置になる。これは、耶馬溪の青の洞門の上の山にあたる競秀峰に登ってみたかったから。奇岩というだけでなく、青の洞門が開通する前は生活路だったというから興味深い。 バスで青の洞門から2つ戻った「青」で下車 バス停の後ろに聳える競秀峰 バス停近くの弘法寺登山口から登り始める。岩をくり抜いた道を経て、8:50に陣の岩に到着。眺めが良い。 弘法寺登山口から登り始める 岩をくりぬいた道。ここが生活路だったとは。 陣の岩からの眺望。上流には見事な石橋の羅漢寺橋 陣の岩の下に降りて、さらに鎖場を経由して三陣の洞、清水洞、…

  • 九州自然歩道117日目 羅漢寺の鐘を撞いたら心が浄化されるか? 大分県中津市耶馬溪町山移~中津市本耶馬渓町青の洞門 2021年9月12日

    本日は耶馬溪ダムスポーツ公園で5:00に起床。静かで快適な一夜だった。すぐそばの山移川の清流で顔を洗い、6:00にスタート。 耶馬溪ダムスポーツ公園 山移川 2.5kmほど県道28号線を引き返して、九州自然歩道への分岐点まで復帰。鼻環(はなぐり、鼻繰とも)峠に向かう舗装路をしばらく上る。 九州自然歩道への分岐点まで引き返す 鼻環峠への道を登る 6:44から山道に入るが、大名も歩いたという玖珠街道だけあって、整備状況はとてもよい。鼻環峠は難なく越えて舗装路に出た。峠にはゴミ箱が設置してあったが、おそらく中身を回収する人はいないだろう。とても捨てる気分にはなれなかった。 鼻環峠への山道に折れるとこ…

  • 九州自然歩道116日目 素朴なそば饅頭でほっこり 大分県玖珠郡玖珠町豊後森~中津市耶馬溪町山移 2021年9月11日

    本日は豊後森の玖珠インターチェンジバス停から10:23にスタート。あいにく小雨がぱらつく天気だが、暑くないのが幸い。伐株山、万年山を背にしながら県道679号線を北に向かって進む。 博多から豊後森までは高速バス JR久大本線のこの区間は現在運休中 県道679号線を森川に沿って北に進む 背後には豊後森のシンボルの伐株山 前方には伐株山と同じようなメサの大岩扇山が現れる。県道を小野集落で左に折れ、11:26に清水瀑園入り口に到着。400mほど先の滝を見物に進む。渓谷全体が涼しい。 北に見える大岩扇山もメサの地形 道の途中で現れたキャンプ場は整備中のよう 九州自然歩道から東に400mほど進んだ清水瀑園…

  • 九州自然歩道115日目 伐株山から愛を叫ぶ 大分県玖珠郡九重町宝泉寺温泉~玖珠町豊後森 2021年9月5日

    本日は宝泉寺温泉の宿から出発。掛け流しの温泉があまりに心地よく、朝食後に再びお湯に浸かったため、出発は8:45と遅くなってしまった。 宝泉寺温泉街を出発 国道387号線の橋の下をくぐって北に向かう 宝泉寺から北に進み、相狭間、口の園という日本昔話に出てきそうな田園の集落を過ぎる。トマトのハウスから男性が出てきてどこまで歩くかと尋ねる。ハウスの中のトマトは真っ赤に熟していた。 口の園集落を通過 鎮守の森か? 茅葺きの家が現役 ビニールハウスの中には真っ赤なトマトが成る 口の園からはスイッチバックして丘を越えて、9:48に黒猪鹿集落を通過する。秋の実りが風に揺れている。黒猪鹿からは迫り来るような万…

  • 九州自然歩道 114日目 秘湯、秘湯、秘湯、秘湯、掛け流し 大分県玖珠郡九重町牧ノ戸峠~九重町宝泉寺温泉 2021年9月4日

    週末の仕事が入ってしまったため、今回はおよそ1か月ぶりの九州自然歩道。しかも、大分県玖珠郡周辺は8月中旬の大雨の影響による公共交通機関によるアクセスの困難が続いている。久大本線は不通区間があるため実質的に使えず、コロナの影響で高速バスは減便。最速の交通を使ったが、スタート地点の牧ノ戸峠には午後1時近くにようやく到着。 コミュニティバスに乗り継いだJR豊後中村駅 藁葺き駅舎 牧ノ戸峠に到着 駐車場は満車 幸い雨は降らずになんとか持ち堪えている。牧ノ戸峠から筋湯温泉に向かって車の通らない舗装路を下りはじめる。標高は1300mを越えており、涼しい。 牧ノ戸峠から筋湯に向かう下り道 正面の湧蓋山、左手…

  • 九州自然歩道 113日目 ずぶ濡れ地獄の最後に天使を見た 大分県竹田市久住町法華院温泉山荘~玖珠郡九重町牧ノ戸峠 2021年8月9日

    久住連山の法華院温泉山荘で朝を迎えた。昨夜は台風9号が大分県を直撃した。昨年も、一昨年も、台風直撃の日にはなぜか標高1000m以上の宿泊地で一夜を過ごしている。引きがよすぎる。 山小屋の窓から見える景色は絶望的な雨 昨夜は大雨に加えて風が強く、ときおり山荘が揺れていた。九州自然歩道のコース上には宿泊施設はほとんどないので、基本的にテント泊。ところが昨日は、せっかくだから久住連山をいくつか登ってみようと、生まれて初めて山小屋を予約した。小屋泊にしてよかったと心の底から思った。 5:00に起床して窓から坊ガツルを見ると、湿原のアシの一種と思われる背の高いイネ科の植物は右に左に激しく動いている。昨日…

  • 九州自然歩道 112日目 ここは桃源郷か?それとも地獄か? 大分県竹田市久住町法華院温泉山荘~中岳~稲星山~久住山~星生山~法華院温泉山荘 2021年8月8日

    4:00に初めての山小屋泊の朝を迎えた。周りの部屋からはすでにガタゴト音がしている。山の朝は早い。カーテンを開けると東の空が明るい。天気予報では雨だったが、嬉しい誤算。急いで朝食を済ませて7:45に行動開始。 法華院山荘で迎えた朝 出かける前にベテランぽい人に天気を聞くと、11時ぐらいまでは持ちそうだとの返事。山荘の裏手の山道から三俣山(みまたやま)の山裾の急斜面を上る。坊ガツルの湿原がずいぶん下の方に見えてきた。 ビックリするほど天気が良い。三俣山の裾野を登り始める。 坊ガツルがずいぶん下に見えてきた 8:15に急坂を上り終え、一面の砂で覆われた北千里が浜に到着した。真っ平らな河原のような地…

  • 九州自然歩道 111日目 標高454mの秘湯から標高1303mの秘湯を目指して 大分県竹田市直入町長湯温泉~竹田市久住町法華院温泉山荘 2021年8月7日

    今回の九州自然歩道トレッキングは、大分県竹田市直入町にある長湯温泉からのスタート。ここではどうしてもやりたいことがあったため、仕事を半日休んで温泉の旅館に前泊した。 やりたかったこととは、ガニ湯に浸かること。秘湯マニアの方はご存じかとおもう。ガニ湯のある長湯温泉には、本数は少ないもののバスがすぐ近くまで通っているし、現場まで登山装備を要するところもないので、これが秘湯か?と言われる方もいるかと思う。しかし、入りにくさの点では日本でも屈指の温泉ではないかと思う。その理由は、湯船が開放感に溢れすぎていること。囲いなどはまったくないいさぎよく全周丸見え状態で、しかもそれが温泉街のメインストリートに沿…

  • 九州自然歩道 110日目 標高600mの集落を巡り歩いたあとは炭酸泉でゆっくりと手足を伸ばす 大分県豊後大野市朝地駅~竹田市直入町長湯温泉 2021年7月25日

    本日は豊後竹田駅近くのホテルで4:00に起床。熱いコーヒーを飲んでから5:00にホテルを出た。日の出は5:22となっているが、四方を山に囲まれた竹田はなかなか明るくならないようだ。駅に着いたときには駅舎はまだ暗い。ホームに上って入線してきた始発列車を迎えた頃に、ようやく空が薄紫色に変わりはじめた。 豊後竹田駅はまだ暗かった 列車が入線した頃ようやく空に赤みが増してきた 5:16に豊後竹田駅を出発した豊肥線の車内は乗客2名。定刻どおり5:23に朝地駅に到着し、YAMAPのコースを設定してから行動を開始した。 朝地駅に到着 YAMAPの設定を終えて歩き始める 小賀川に架かる駅前のアーチ式石橋の朝地…

  • 九州自然歩道 109日目 巨大な岡城址と巨大な磨崖仏 大分県竹田市豊後竹田駅~豊後大野市朝地駅 2021年7月24日

    本日はJR豊後竹田駅近くのホテルからのスタート。7:00にホテルのパンと目玉焼きの朝食を摂ってから、7:50に行動開始。レトロな造りを模した駅舎の裏手の切り立った崖からは滝が流れ落ちている。 レトロな造りのJR豊後竹田駅 落門の滝という、駅舎越しに見られる滝として有名である。絵になる風景ではあるが、山の上に川が流れているはずはないなと思って調べてみると、第3代藩主中川久清の時に城原井路という灌漑用水を崖の上に引いてきたもの。町全体を庭園のように見立てたのだろうなと感じる。 駅舎の向こう側の崖には落門の滝 駅前に流れる稲葉川に架かる竹田橋を渡って市街地に進む。中心地は無電柱化されていて、レトロな…

  • 九州自然歩道 108日目 神原渓谷の清流を眺めながら竹田の町に 大分県竹田市神原~竹田市豊後竹田駅 2021年7月23日

    今回の九州自然歩道トレッキングは祖母山の登山口にあたる竹田市神原集落からの再開。同地の民宿に前泊した。 今回もお世話になった民宿清流 このあたりのいきさつは、前回の107日目のエントリーに書いておいたが、祖母山からの下山途中に転倒して足首を痛め、同日は下山口近くの民宿に宿泊した。この民宿は、驚くほど料理のクオリティが高く、また翌朝はご主人が痛めた足を気遣って豊後竹田駅まで自動車で送ってくれた。 まずはこんな夕食がセットされる この九州自然歩道トレッキングのルールは、公式ルートをもれなく踏破すること、再開地点までは公共交通機関を利用すること、離脱地点からも公共交通機関を利用することとしているため…

  • 九州自然歩道 107日目 終日水行此如何 宮崎県西臼杵郡高千穂町五ヶ所~大分県竹田市神原 2021年7月17日

    昨夜は疲れ果てて、昼食の残りのおにぎりを食べただけで眠りについてしまった。ときおり響くシカの鳴き声を聞きながらぐっすり眠っていたら、夜半に大きな音で目を覚ました。原因は雨。四阿の下に入り口が隠れるようにテントを設置していたのだが、屋根の下に入らない頭の部分には、テントに直接雨が降りつける。もともとテントというのは雨音が響きやすいのだが、それでもこの雨は猛烈だ。新橋のガード下で、山手線と京浜東北線が同時に入線したときよりもうるさいぐらい。雨音を聞いていると恐ろしくなってきた。 霧と雨のため、朝になってもなかなか明るくならない 大雨の音でうつらうつらして朝を迎えた。幸い雨は小降りに変わっていた。5…

  • 九州自然歩道 106日目 2か月ぶりの九州自然歩道 宮崎県西臼杵郡高千穂町竜泉寺~高千穂町五ヶ所 2021年7月16日

    全国128±100名ほどの九州自然歩道トレッキングファンの皆様、長らくお待たせしました。2か月もご無沙汰してしまいました。この間、何があったかはさておき、人類がウィルスに勝利した証として(COVID-19以外ですが)、ここに九州自然歩道トレッキングの再開を宣言いたします。 本日、金曜日は有給休暇を取得して宮崎県高千穂町にやってきた。出勤日と同じ時間の6:15に起床して、シャワーを浴びて朝食を摂った後、ザックを担いで西新駅に向かった。7:39の会社に向かう人たちで満員の地下鉄に乗り込み、周囲の冷たい視線に15分ほど耐えた後に博多駅で下車。博多駅のバスターミナルから、高千穂行きの高速バスに乗り、定…

  • 九州自然歩道 105日目 残念無念、嗚呼、高千穂鉄道 宮崎県西臼杵郡高千穂町三井田 高千穂ユースホステル~高千穂町竜泉寺 2021年5月16日

    明け方に高千穂ユースホステルの部屋で目を覚ました時には外は小雨に変わっていた。昨夜は一晩、音を立てて雨が降っていたが、ようやく止みそうな気配となってきた。6:00に起床し、ハンガーに掛けておいた衣類を確認したら、靴下以外は乾いていた。 テレビをつけて天気予報を見てみると、今日は天気が回復しそう。予定どおり7:00に出発しようとパッキングをして歯磨きをした。 7:00前にミーティングルームに行ってホストの女性に挨拶をしていると、出入りの大工さんがやってきた。大工さんと話しをしていると話題が豊富で面白い。ユースホステルの合掌造りの構造のこと、高千穂の稲作のこと、林業のことなど、なかなか聞けない話が…

  • 九州自然歩道 104日目 集合場所に行ってきたよ! 宮崎県西臼杵郡日之影町 日之影温泉駅~天岩戸~西臼杵郡高千穂町 高千穂ユースホステル 2021年5月15日

    今週の九州自然歩道トレッキングも、金曜日の夜に前泊した宮崎県日之影町の日之影温泉駅TR列車の宿からのスタート。5:15に起床して、コーヒーを飲んでから、小雨の中を6:00に行動開始。200mほど進んでから、コーヒーカップを洗面台に置き忘れたのに気がついて走って取りに行ってきた。まったく、朝は頭がボーッとしている。 高千穂線の駅名標が残る かつて高千穂線で使用されていた車両がホテルとして使われている 高千穂線は日之影温泉駅を出るとすぐにトンネルの中に進んでいた 気を取り直して県道6号日之影宇目線を上って青雲橋に向かう。トンネルを出てトンネルに入っていく高千穂線の鉄橋をくぐる。2005年に台風の影…

  • 九州自然歩道 103日目 トロッコ道が好きだ! 宮崎県延岡市北方町上中尾~西臼杵郡日之影町日之影温泉駅 2021年5月9日

    今朝は延岡市の山中に設営したテントの中で5:00に目を覚ました。昨夜から風が強くなり、周囲の木々が風を受けてうなり、テントのフレームがしなっていた。天気予報では延岡市の風は3mとなっているが、標高700mほどの稜線にテントを張っているので、風の影響を受けやすい。 そのかわりに得られるのが朝の絶景。日の出前の紫がかった空に照らし出される新緑と、山の端から少しずつ顔を出す太陽を見ることができる。これは野営でないと見ることが難しい光景。 風に飛ばされないように気をつけてテントの撤収を終えて、5:40から行動を開始した。最初は幅4mの高規格の林道を快適に進む。このあたりは非舗装だが状態は良好。 快適な…

  • 九州自然歩道 102日目 圧巻・荘厳・孤高!行縢の滝 宮崎県延岡市北方町細見~行縢山~延岡市北方町上中尾 2021年5月8日

    今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県延岡市北方町細見からの再開。毎度ながら宮崎県は交通の便が悪く、土曜の朝に福岡を発つと現地への到着が正午を過ぎてしまうため、今回も前泊。宮崎県北部の日之影温泉のすてきな宿に泊まった。 旧高千穂鉄道の日之影温泉駅 その宿というのが、2005年に廃線になってしまった高千穂線の車両をホテルの客室として改造し、日之影温泉駅の跡地のレールの上に設置したTR列車の宿。宿泊した部屋は畳の部屋で、トイレ、洗面台、テレビの付いた快適な部屋だった。駅の2階にある温泉に浸かって、早めに布団にもぐり込んだ。 日之影温泉TR列車の宿 車内はホテルのよう 土曜の朝は4:00に起床。延岡…

  • 九州自然歩道 101日目 速日の峰を越えて海に向かって走る 宮崎県東臼杵郡美郷町北郷宇納間~延岡市北方町細見 2021年5月3日

    本日は美郷町北郷の宇納間(うなま)地蔵尊の町外れにある西野々農村公園に設置したテントの中で目を覚ました。もう5月だから暖かいかと思ったら大間違いだった。明け方は4℃まで気温が下がり、1年中使用している夏用の寝袋の中でブルブル震えて寝ていた。夏用の寝袋でも-3℃ぐらいまでなら寝られることは検証済みだが、そんな状況のときは寝る前に耐寒用のアンダーレイヤーを着ける。今日は半袖、半ズボンだから、想定外の寒さ。 5:00に周囲が明るくなるのを待って寝袋から抜け出し、まずはお湯を沸かして熱いコーヒーを飲んで身体を温めた。5:40の日の出を待って撤収作業を行い、6:00から行動を開始した。 雲量0の快晴の朝…

  • 九州自然歩道 100日目 九州山地のだいたい快適な山道を宇納間地蔵尊まで歩く 宮崎県東臼杵郡美郷町西郷田代~東臼杵郡美郷町北郷宇納間 2021年5月2日

    2週間ぶりの九州自然歩道トレッキングは宮崎県美郷町からの再開。今回は土曜日の午前中まで仕事が入っていたため、午後の飛行機で宮崎空港まで移動。宮崎空港から日向市駅まではJR日豊本線を利用。日向市から美郷町までは宮崎交通バス。ほとんど待ち時間がない乗り継ぎができる最速パターンで移動したのだが、自宅を午後2時前に出て、美郷町の旅館に到着したのは午後8時前。宮崎はマジ遠い。 このところの週末は飛行機で宮崎に もし、飛行機以外の公共交通機関を利用したならば、本日中には日向市までしか到達できず、トレッキング再開地の美郷町には翌日の昼過ぎになる。ボトルネックとなるのがバス。人口が集積し、大型の商業施設のある…

  • 九州自然歩道 99日目 珍神山に新緑燃ゆ 宮崎県日向市東郷町坪谷 牧水公園~宮崎県東臼杵郡美郷町田代 美郷町役場 2021年4月18日

    今朝はあまりの寒さで目が覚めた。気温は3℃だった。想定外の冷え込み。宮崎には一年中アロハシャツで過ごせるようなイメージがあったが、そんなイメージはガラガラと崩れ去ってしまった。そういえば昨夜は星がきれいだった。5:20に寝袋から這い出し、6:25に行動を開始した。 日の出は5:40 この日は快晴 若山牧水記念文学館の前を通過して坪谷川を越える。たしか、中学校の教科書に載っていた若山牧水の歌がこれ。 「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」 この歌は当時から自分に刺さっていた。しかし、それ以上に中学校時代の思い出で若山牧水といえば、愛知県豊橋市の古本屋。初めて入る古本屋に緊張して、…

  • 九州自然歩道 98日目 矢研谷から桃谷にかけては滝三昧の絶景 宮崎県児湯郡都農町 尾鈴キャンプ場~宮崎県日向市東郷町 牧水公園 2021年4月17日

    今回の九州自然歩道トレッキングも、金曜の夜から宮崎に前泊。夕食には名物の釜揚げうどんと肉巻きを食べて早めにベッドに入った。 福岡-宮崎はボンバルディア・エアロスペース社のDHC8-400 宮崎名物の釜揚げうどん 今日は織田薪(おだまき) うどんだけでは足らずに、にくまき本舗の肉巻き 本日土曜日の天候は雨。5:40にホテルを出て、宮崎駅に向かう。6:01の始発の列車で都農に6:40に到着。今回は、大変ズルいと思うのだが、都農駅から尾鈴キャンプ場まではタクシーを利用。前回は尾鈴山瀑布群から都農駅まで歩いたのだが、17kmほどある。現地までは公共交通機関利用か徒歩のみと決めており、本来はSchedu…

  • 九州自然歩道 97日目 尾鈴山瀑布群を見るのは一生に一度の機会だったかもしれない 宮崎県児湯郡川南町白鬚~尾鈴山瀑布群~児湯郡都農町都農駅 2021年4月11日

    本日は川南町白髭の山中で、明け方近くの冷え込みのために5:00ごろに目が覚めた。7℃しかないので、夏用のシュラフでは少し寒い。寝る前に眺める空の星が多いときには、たいてい翌朝は寒さで目が覚めてしまう。 日の出は5:55だが、すでに東の空は明るくなってきた。今日一日の行程を地図で確認し、Webで天気予報をチェックし、本日帰宅の途につく都農駅から出発する日豊本線の時刻を確認する。今日は九州自然歩道を10kmも歩けば都農駅への再近接地点を通過するので、そこで行程を中断してもよいし、尾鈴山の登山口まで歩を進めて引き返してもよいし、さらには支線の尾鈴山瀑布群まで見てから引き返すという方法もある。3パター…

  • 九州自然歩道 96日目 たまには山中のカフェでのんびりとくつろぐ 宮崎県西都市西都バスセンター~児湯郡川南町白鬚 2021年4月10日

    今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県西都市からの再開。交通を考えると前泊が必要だが、そうそう金曜日に休むわけにはいかないので、今回は金曜夜の最終便の飛行機で福岡空港から宮崎空港に行くことにした。たかだかトレッキングに贅沢なと思われるかもしれないが、早割料金ならばJRの正規料金よりも安い。 飛行機は見るのも好き 宮崎便の使用機材はボンバルディア DHC8-Q400 福岡空港から宮崎空港までの飛行時間はたったの35分だった。九州山地の上を飛ぶ飛行機の上から今回のトレッキングルートが見えないかと目を凝らしてみたが、すでに日没を過ぎ、残念ながらコースは判別できなかった。19:10の到着予定時刻だった…

  • 九州自然歩道 95日目 菜の花に彩られた古墳群を歩く 宮崎県西都市上三財~西都市西都バスセンター 2021年4月4日

    本日は周囲が明るくなってきた5:30に、山中のテントの中で目を覚ました。まだ小雨が降っている。 昨日は1日中ひどく雨に降られた。それに加えて、谷川を徒渉する際に転倒して膝上まで水に浸かってしまい、散々な目に遭っている。レインウェアはテントの中に一晩ぶら下げていたため、なんとか着ても良いかと思える状態まで回復した。今現在も着用している綿のズボンは本来は撥水性のものであるが、水に浸かったらその効果もないようで、冷たいまま。靴下はメリノウールでできており、まだビチョビチョ。ただし靴下は、前回の教訓から替えを持参している。靴は洗濯を終えて脱水前となったTシャツぐらいの濡れ具合。ウーム、これをもう一度履…

  • 九州自然歩道 94日目 川で転んで膝上まで濡れたら世の中に怖いものは何もなくなる 宮崎県東諸県郡綾町栄町~西都市上三財 2021年4月3日

    今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県の綾町からの再開。福岡から宮崎への交通はかなり時間がかかり、当日の朝に福岡を出るとトレッキングの再開地への到着は夕方になってしまう。ということで、金曜日の午後は仕事を休み、宮崎市内に前泊とした。 宮崎は学生の時から何度も訪れていた思い出の多い街。ところが少し辛いことがあって、20年ほど前から訪問を避けていた。辛いことというのは、学生の時にもっとも仲のよかった宮崎出身の同級生が20年前に亡くなってしまったこと。葬式と一周忌の際には訪れたのだが、その後は辛くてしばらくはどうしても行くことができなかった。 10年ほど前からは少し心の傷が癒えてきて、この頃は毎年、…

  • 九州自然歩道 93日目 満開の桜吹雪の花道を一人歩く 宮崎県東諸県郡綾町照葉大吊橋~綾町南俣 2021年3月28日

    昨夜は20:00頃から雨が降り出した。今回の野営地には屋根はなく、直接テントに雨が降りつけるため、わずかな雨でも分かる。夜半までは降ったり止んだりを繰り返していたが、明け方近くからかなり強く降っていた。天気予報どおり。最近の天気予報は本当に精度が高い。 6:00に起床したが、撤収準備をしつつ、テントの中で8:30の大吊橋営業開始まで待つこととした。コーヒーでも淹れたいところだが、ガスコンロのクッカーが昨夜のパスタソースで汚れたまま。雨は降るが、クッカーを洗う水がない。テントの外に出たら10秒で全身ずぶ濡れになりそうなぐらい降っている。 照葉大吊橋は営業前 8:00を少し回った頃、少しだけ小降り…

  • 九州自然歩道 92日目 春の広葉樹は山をパステルのように染める 宮崎県小林市野尻町紙屋西町~東諸県郡綾町照葉大吊橋 2021年3月27日

    今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県小林市からの再開。宮崎県は福岡からの交通がなかなか困難な場所で、主幹線のはずの日豊本線で九州の東海岸に沿って行くと7時間近くかかる。西海岸を九州新幹線の終点の鹿児島まで南下した後、日豊本線で宮崎まで北上すると、距離は長くなるものの、最も早く到着できることが多い。しかし、今回のトレッキング再開地点の小林市は、吉都線というかなりマイナーな路線にあるため、便数が少なく、乗り換えのための待ち時間がかなり長くなる。さらにそこからバスに乗らなければならない野尻町となると、乗り換え案内を駆使して調べたが、土曜日の最速乗り換えで15:57到着という結果しか出てこない。帰り…

  • 九州自然歩道 91日目 たいていのことは走れば解決する 宮崎県西諸県郡高原町霞神社~小林市野尻町紙屋西町 2021年3月21日

    昨夜は夕方からひどい雨だった。大粒の雨が打ち付け、屋根の下のテントにまで弾け飛んでくる。夜中まで雷鳴が何度も轟きわたり、テントから3km以内にも何度か落雷した。稲妻が光るたび、テントの外壁に雨が伝わり落ちていくのが分かる。テントの内壁には結露がビッシリと付いている。屋根の下でよかった。こんな雨に直接さらされていたら、テントの床に水が溜まるどころではなかったと思う。 屋根の下にテントを設営したがかなりの被害 そんな雨も、夜半から勢いが落ちてきて、明け方は霧雨に変わっていた。日の出前の6:00に起床して、お湯を沸かしてコーヒーを淹れた。一晩たってもズボンや上着は湿ったまま。コーヒーを飲んで、元気が…

  • 九州自然歩道 90日目 春雨のしくしく降るに霞丘山の桜はいかにかあるらむ 宮崎県西諸県郡高原町高原駅~高原町霞神社 2021年3月20日

    今回の九州自然歩道トレッキングは宮崎県高原町からの再開。福岡から宮崎までの交通はなかなかたいへん。土曜日の本日、公共交通機関利用の現地到着ほぼ最速の方法で向かったが、トレッキング再開地点の高原駅到着予定時刻は昼をずいぶんと過ぎる時間。まあ、そこまでの過程も無駄なものではなく、そこそこ楽しいものではあるが。 朝は6:30に起床して、自宅を7:30に出発した。福岡市営地下鉄に乗り、博多駅に8:16に到着した。博多駅では、土日JR乗り放題のみんなの九州きっぷを受け取り、8:30博多発の九州新幹線みずほ601号に乗車した。先週まではだいたい5:36発の始発の新幹線に乗っていたこともあり、1両貸し切りの…

  • 九州自然歩道 89日目 美しい池を巡ろうとして自滅の巻 宮崎県西諸県郡高原町御池キャンプ場~西諸県郡高原町高原 2021年3月7日

    今朝は美しい湖畔のキャンプ場で目を覚ました。テントの中にいても、キャンプ場のお客さんが周囲を歩いたり、炊事場に水を汲みに来たりする音が聞こえる。遠くの方からは高い声の鳥のさえずりが響き、池からは魚の跳ねる水音が空気を震わせる。6:00に目を覚ましたが、テントの外に出ずに、寝袋の中で薄目を開けて外の様子を想像するのは至福の時間。30分ほどテントの中でゴロゴロしてから、ようやく6:30にテントの外に出た。 キャンプ場の前に拡がる御池(みいけ) 目の前に御池の碧色の水面が広がる。日の出の時刻は6:37であるが、太陽は顔を出しそうにない。霧のように細かな雨が降っている。夜半にはテントを叩くような雨が降…

  • 九州自然歩道 88日目 ついに鹿児島のラスボス制覇 鹿児島県霧島市霧島神宮~高千穂河原~高千穂峰~霧島東神社~宮崎県西諸県郡高原町御池キャンプ場 2021年3月6日

    今週の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県霧島市の霧島神宮からの再開。博多から6:45の九州新幹線さくら401号に乗り、鹿児島中央駅できりしま6号に乗り換えて、9:36に霧島神宮駅に到着。霧島神宮駅前を9:51に通過する鹿児島交通バスに乗り、10:05に日本発祥の地、霧島神宮に到着した。天候は曇り。気温は15℃と心地よい。身支度を調えて、10:10に行動を開始した。 きりしま6号で霧島神宮駅に到着 バスで15分ほどの霧島神宮に到着 日本発祥の地から行動開始 今日は霧島神宮には立ち寄らずに、温泉の並ぶ通りを東に進む。本来の九州自然歩道のコースは、北に進んで新燃岳、中岳を経て、高千穂河原に進むのだが…

  • 九州自然歩道 87日目 大浪池の女神は雨の中を歩いた旅人に一瞬だけ微笑んでくれた 宮崎県えびの市えびの高原~韓国岳~大浪池~鹿児島県霧島市牧園町硫黄谷温泉 2021年2月28日

    昨日は、霧島神宮から高千穂嶽道(おたけみち)に入って、県道104号線、県道1号線と、ほぼ舗装路のみを歩いてえびの高原エコミュージアムセンターまで進んだ。一日中強い風が吹いていたが、幸い雨はほとんど降らず、それなりに霧島の山々の風景や噴気の漂う山歩きを楽しむことはできた。 ゴール地点のセンターからは、霧島連山周遊バスで麓の丸尾温泉まで下りて、暖かい宿で一晩過ごした。夜半も風は吹き続け、宿が揺れるほどであった。そして、今朝は雨。風も昨日と変わらず強い。 丸尾から霧島連山周遊バスでえびの高原まで引き返す 6:00に起床し、朝食にはご飯を2回おかわりして、7:55に雨具を着けて宿を出た。丸尾温泉のバス…

  • 九州自然歩道 86日目 いたるところから噴気が出るこの地を歩いたら、ここが日本発祥の地だというのがまんざらでもなく思えてきた 鹿児島県霧島市霧島神宮~宮崎県えびの市えびの高原 2021年2月27日

    今日は2週間ぶりに九州自然歩道に復帰。残念ながら先週末は仕事のため、トレッキングができなかった。今回は鹿児島県の北の端の霧島市からのスタートだが、じつは霧島神宮あたりから九州自然歩道の本線は2つに分かれる。1つは霧島神宮から霧島連山の間を縫って北西に進んで大浪池(おおなみのいけ)まで至るコースで、この先は宮崎県に入る。ただし、九州自然歩道ポータルサイトの宮崎県の地図には大浪池以北のコースは記載されていない。また、先行する九州自然歩道ハイカーの方々の中で、霧島神宮からえびの高原にかけての本線について触れた記事を見たことはない。 九州自然歩道の本線は霧島神宮の北で2つに分かれる もう一つの本線は、…

  • 九州自然歩道 85日目 ここが日本発祥の地 鹿児島県霧島市国分敷根~霧島神宮 2021年2月13日

    今朝は桜島が真正面に見える海岸で6:00に目を覚ました。海抜は0メートル。暖かい。ただし、風が強く、撤収の際にはテントが飛ばされそうになる。錦江湾を隔てた桜島は美しいが、今日は笠雲がかかっている。たしか笠雲は天気が崩れるときの兆候。天気予報を見てみると、午前中の降水確率は30%から60%を行き来している。雨が降り始める前に歩き始めようと、すばやく撤収作業を終え、7:00に行動を開始した。 桜島に笠雲がかかる まずは検校橋のたもとまで戻り、ファミマのイートインでコーヒーを飲みながらバッテリーに充電を行う。ありがとうファミマ。まぢコンビニは神。イートインでコーヒーを飲んでいると、ドアを開ける人の3…

  • 九州自然歩道 84日目 錦江湾の向こうに桜島がドーーン 鹿児島県霧島市福山町狐ヶ丘高原~霧島市国分敷根 2021年2月12日

    今朝は遠くの方で巨人が振り回すブーメランの音で目が覚めた。風力発電用の風車は300m以上離れているというのに、耳障りな音だ。夜半にテント近くにイノシシが集餌のために来ていたようだが、ライトを一瞬点けたらその後は静かになった。これとは対照的に、風車を静かにする方法はないようだ。 快適な公園で朝を迎えた テントの周りにはイノシシの食事の跡が残されていた 本日の行程には余裕があるため、テントの中でコーヒーを淹れて、香りと苦みをゆっくりと楽しんでから撤収を開始する。神社のメインテナンスに使っている広場のようだが、過ごしやすい公園だった。 山頂まで続く階段を上ると神社があるようだった 7:42に行動開始…

  • 九州自然歩道 83日目 20機の風車の並ぶ稜線をのんびり歩く 鹿児島県鹿屋市高隈ダム~霧島市福山町福地狐ヶ丘高原 2021年2月11日

    今回の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県鹿屋市郊外の高隈ダムからの再開。高隈ダムは鹿屋市の中心地区から北に15kmほどの景勝地である大隈ダムの南端にある。平日はこの地域には1日数便のローカルバスがあるが、土日祝日はバスの便がない。しかし幸運なことに、鹿児島空港から鹿屋までの高速バスが、高隈ダム近くの鹿屋カントリークラブの停留所で止まる。現在1日3便運行されているこの高速バスに乗るため、博多を6:10に出る新幹線に乗り、鹿児島中央から8:09の日豊線で国分まで行き、市役所前から高速バスに乗り継いで10:11にカントリークラブ前のバス停に到着した。 まずは博多から新幹線 鹿児島中央から日豊本線で国…

  • 九州自然歩道 82日目 標高500mの高峠高原から大隈湖に向かってクールダウン 鹿児島県垂水市大野原~鹿屋市高隈ダム 2021年2月7日

    昨夜は廃校跡の校庭の片隅にテントを設置させて頂いたが、一晩中、飛行機が上空を通過するような音が聞こえていた。桜島の噴火の音だろう。ここから火口までは北西に直線距離で12km。細かな火山灰も間断なく降り続いているようで、上下の歯を噛みしめるとジャリッとした感触がする。 ふだんはアルコールを全く飲まないし、飲めないのだが、鹿屋のドーミトリーをチェックアウトするときに店長さんからHARUという焼酎のミニボトルを1本頂いた。コップに焼酎を5mlほど垂らし、お湯で4倍ほどに希釈して寝る前に飲んでみたら、芳醇な香りに驚いた。わずか20mlほどの焼酎のお湯割りで身体は温かくなり、すぐに眠りにつくことができた…

  • 九州自然歩道 81日目 まぢキツかった高隈山系縦走の運動強度はフルマラソン超え 鹿児島県鹿屋市今坂~御岳~大箆柄岳~垂水市大野原 2021年2月6日

    今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県鹿屋市の市街地から高隈山系の縦走。距離が20kmを越えるほど長く、海抜数十メートルの市街地から1000mを越える尾根を数キロにわたって歩き、さらには標高差も結構あるタフなコース。土曜日の始発で福岡の自宅を出ると鹿屋市到着が10:30頃になるので、標高1000mの尾根の上でビバークになる可能性が高い。この季節に、しかも雨の天気予報となっている中で、そんな辛いことはしたくないので、金曜日に鹿屋に前泊とした。金曜夜に鹿屋にたどり着いて、鹿屋のバスセンター近くにある開業してから2年目という小綺麗なドーミトリーに泊まった。ドーミトリーというのには泊まった経験がな…

  • 九州自然歩道 80日目 鹿屋の思い出は薔薇の香りと櫻の花 鹿児島県鹿屋市横尾岳~鹿屋市今坂 2021年1月31日

    昨夜は標高420mほどの横尾岳公園にテントを設営した。夜中にテントを出て空を見上げた。月齢は16.9日で非常に明るく、ライトなしで芝生の上を走ることができそうなほどだった。オリオン座が天頂近くに輝いていた。月明かりがあるにもかかわらず、オリオン座の中にたくさんの星が輝いている。写るかどうか分からなかったが、写真を撮ってみた。星の数が多すぎて星座が分からないほどだった。 カメラを手に持ってオリオン座を撮影してみた わかるかな? 朝は6時前に目が覚めた。気温は0℃。テントの中を暖めるのと、身体を温めるために、お湯を沸かし、コーヒーを淹れた。テントの中に馥郁たる香りが漂う。コーヒーを楽しんでからテン…

  • 九州自然歩道 79日目 神話の里から鹿屋を一望できる岡の上に 鹿児島県鹿屋市吾平~横尾岳 2021年1月30日

    今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県鹿屋市吾平からの再開。現地までの交通はなかなか難易度が高く、博多から始発の新幹線で鹿児島中央駅に向かい、バス、フェリー、バス、バスと乗り継いで、10:58に吾平町バス停に到着した。本日のルート上には補給は期待できないため、姶良町バス停の近くのセブンイレブンで昼食と夕食の材料を購入して、11:15に行動を開始した。 九州新幹線つばめ307号 各駅停車 車内はご覧のとおりのガラガラ 鹿児島鴨池港から垂水港までフェリー 垂水からバスを乗り継ぎ乗り継ぎ鹿屋市の吾平町まで まずは吾平町から、前回、九州自然歩道を離脱した地点の軍(いくさ)神社まで、県道68号線を南…

  • 九州自然歩道 78日目 ちはやふる神代も知らず雨の中我濡れそぼり吾平を歩く 鹿児島県肝属郡錦江町花瀬~鹿屋市吾平 2021年1月24日

    今朝はキャンプ場のテントの中で、雨の音で目が覚めた。幸い屋根があるので直接雨がテントに降り注ぐわけではないが、土砂降りといってよいほどの雨が降っている。やっぱりここに泊まってよかった。こんなに降りしきっていたら、地面の上に張ったテントの中まで浸水していたに違いない。 5:30に寝袋を抜け出して、お湯を沸かした。コーヒーを淹れると、テントの中に芳醇な香りが拡がる。身体を温めてから撤収作業を開始した。荷物を片付けているうちに雨が小降りになり、7:00にはほとんど雨は上がっていた。 撤収を終えた頃には雨はほぼ止んだ 花瀬橋を渡ってコミュニティバスのバス停に向かう。あれだけ雨が降ったのに、雄川の花瀬は…

  • 九州自然歩道 77日目 花瀬公園で雨に打たれて忍法川渡りの術 鹿児島県肝属郡南大隅町根占~肝属郡錦江町花瀬 2021年1月23日

    福岡の自宅のベッドで目が覚めた。今日は土曜日。カーテンの隙間から見える外はまだ真っ暗な4:30。窓の外からは雨の音が聞こえる。今日は歩きたくない。冬の雨の日に一日中山道を歩くなんて、ゾッとする。そのうえ、歩いた後には雨に濡れた地面の上にテントを張って、その中で一晩過ごすなんて、拷問だ。ああ、いやだいやだと思いながらも、ベッドから這いずり出てシャワーを浴びたら、覚悟が決まった。 5:36の地下鉄に乗って、博多からは6:10の新幹線つばめ307号。鹿児島中央駅でバスに乗り換え、鴨池港から垂水に渡り、ふたたびバスに揺られて大隅半島の先端に近い根占の町に着いたのは11:17だった。大隅半島もやっぱり雨…

  • 九州自然歩道 76日目 大隅半島の北風は冷たいが缶コーヒーは温かかった 鹿児島県肝属郡南大隅町佐多風力発電所~南大隅町根占ネッピー館 2021年1月17日

    風車を甘く見たのが失敗だった。夜半には10m以上の風が吹いたようで、テントが何度も風にあおられた。風車の音も大きくなり、爆音といってよいほどの音を一晩中放っていた。今日の日程は余裕があるので、7:15の日の出を待って行動を開始すればよかったのだが、羽根が分解されんばかりの音を立てて頭上で回転する風車に耐えきれずに、5:30には起床して、5:55の真っ暗な中で行動を開始した。ヘッドライトの明かりを頼りに歩き出す。山の上には風車の赤いランプが点滅している。 真っ暗闇でこんな写真しかない 赤いランプは風車 15分ほどで菖栄の集落に出て、暗闇の中を地図に従って右折と左折を繰り返し、7:00ごろに竹野(…

  • 九州自然歩道 75日目 優雅に回る風車の横で草を食む薩摩黒牛は新橋ガード下の夢を見るか? 鹿児島県肝属郡南大隅町大泊~南大隅町折山佐多風力発電所 2021年1月16日

    今回の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県の大隅半島の南端の佐多岬から7kmほど北の大泊からのスタート。前回はフェリーの欠航によるスケジュール変更を余儀なくされ、目標の佐多岬の先端までは走ってかろうじてクリアしている。 本日は福岡から新幹線、バス、フェリー、バスと乗り継いで、前回の離脱地点の大泊に12:08に到着した。天候は晴れ。路面が少し濡れているが、朝方まで雨が降っていたのかもしれない。南からそよと風が吹いており、気温は16℃と暖かい。ダウンジャケットを脱いでザックの中に詰め込んでから歩き始めた。 佐多岬まで8kmのゲート 本土最南端の大泊郵便局からスタート 大泊にはホテルとキャンプ場がある…

  • 九州自然歩道 74日目 夜明け前の佐多岬をひた走る 鹿児島県肝属郡南大隅町島泊~南大隅町佐多岬~南大隅町大泊 2021年1月11日

    テントの中で目が覚めたのが3:30。3連休の初日は悪天候のため錦江湾を横断するフェリーが運航されず、山川で1日足止めされた。連休2日目の昨日はリカバーしようと30km近く歩いたが、残りの休みは本日1日のみ。さて、今日はどうしようか。考えてみた。選択肢は3つある。 このままがむしゃらに前に進む。野営地から佐多岬まで12km+佐多岬からコースを30km北上+コースを離脱して根占港まで8km=50km。根占港の最終フェリーは16:30。 前に進むのを諦めて帰る。野営地から根占港までショートカット=25km。ゆっくりスタートしても根占港の最終フェリーには十分に間に合う。 途中までコースを進みバスで帰る…

  • 九州自然歩道 73日目 南大隅町の小学生の習字でほっこり 鹿児島県指宿市山川~肝属郡南大隅町根占港~肝属郡南大隅町島泊 2021年1月10日

    2021年最初の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県の薩摩半島の山川からフェリーで大隅半島に渡るところから始まる。福岡から山川までの公共交通機関による移動はなかなかの難所となるので、山川に前泊してからのスタートとなった。1月9日にスタートする予定だったが、1月10日のスタートとなってしまった顛末は、前回の九州自然歩道73日目番外編をご覧頂きたい。 山川の宿で5:00に起床した。この宿はエアコンの稼働2時間ごとに100円玉を投入するシステムのため、明け方はテントよりも寒くて目が覚めた。これは苦情ではない。きっぱりとリーズナブルなシステムなのだ。100円玉を投入してしばらくするとエアコンの送風口から…

  • 九州自然歩道 73日目番外編 薩摩半島南端珍味四品盛合 2021年1月9日

    今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県の薩摩半島から大隅半島にフェリーで渡り、九州最南端の佐多岬まで進む予定。南薩摩および南大隅エリアは、現地までの公共交通機関を利用したアクセスの難易度が高いため、今回も金曜夜から現地近くの宿に前泊とした。 土曜、日曜、月曜と3連休のため、2泊3日のテント泊の機材と行程の食料を積み込み、今回の荷重は水を入れずに12.2kg。ここ数年で一番の寒波が到来しているので、シュラフカバーと断熱シート、それからアイゼン(チェーンスパイク)も積み込んだ。本日金曜は福岡でも積雪があり、どうやら目的地の鹿児島でも積雪を観測しているよう。厳しい条件となりそうだが、鹿児島で積雪…

  • 九州自然歩道 72日目 眺望絶佳の開聞岳 眺めて良し、登って良し、頂からの景色はさらに良し 鹿児島県指宿市開聞~指宿市山川 2020年12月26日

    今回は2020年最後の九州自然歩道トレッキングとなる、開聞から山川までのレグ。前回のトレッキングでは開聞岳への登山口のある指宿枕崎線の開聞駅まで歩を進めた。ところが、福岡から開聞までの公共交通機関によるアクセスはなかなか難易度が高く、福岡を始発で出発しても正午を過ぎてしまう。日曜日はめずらしく用事が入ってしまったため、土曜一日で薩摩半島最後の残り40km近いレグを歩き終えてしまいたい。やむなく、金曜に福岡を発ち、開聞に近い指宿枕崎線の山川のホテルに前泊することにした。 指宿枕崎線で山川駅に到着 山川港からは大隅半島の根占に行くフェリーが発着する 当日は、山川駅から6:11に出発する指宿枕崎線に…

  • 九州自然歩道 71日目 開聞岳 に目が釘付け 鹿児島県枕崎市枕崎駅~指宿市開聞駅 2020年12月20日

    本日も昨日に引き続き、枕崎市内のホテルからのスタート。ホテルで朝食を済ませ、7:30に行動開始。枕崎駅から20分ほど南に歩いたところで枕崎港に出て、九州自然歩道に復帰した。枕崎港の向こうの山には風車が多数並んでいるのが見える。太陽が昇り始めた東の海に目を転じると、開聞岳の肩越しに太陽が昇ってきた。空は雲量1の快晴。いいタイミングで歩くことができた。 朝の枕崎港 山の上では風車がゆっくりと回る ちょうど開聞岳の背後から太陽が昇ってきた 枕崎港からは海岸線に沿って東に進む。行く手には野焼きのような煙がたなびいているのが見える。こんな朝早くから草取りをして燃やしているのかなと思ったが、煙に近づくにつ…

  • 九州自然歩道 70日目 丸木崎からの坊津の海の荘厳な眺めは必見 鹿児島県南さつま市坊津今岳~枕崎市枕崎駅 2020年12月19日

    本日は枕崎駅の近くのホテルからのスタート。枕崎までは福岡から最速で5時間弱で到着できるのだが、枕崎からトレッキング再開ポイントの坊津町今岳までのバスの本数が1日4本と少ないのがネック。前泊しないと午後1時ぐらいからのスタートとなってしまう。やむなくホテルに前泊することにしたが、土地の料理を楽しんだり、観光地を訪れたりすることもできるので、それほど悪いことではない。 前泊の夕食に食べた鰹のたたき 枕崎駅前から8:25の鹿児島交通バスに乗って出発。バスは国道226号線を北上してトレッキング再開地の今岳に向かうが、今回はバスの路線がほぼトレッキングのコースになる。枕崎駅前から終点の今岳まで乗客は自分…

  • 九州自然歩道 69日目 亀ヶ丘からの絶景を楽しむ 鹿児島県南さつま市坊津秋目~坊津今岳 2020年12月13日

    本日は坊津秋目の民宿がんじん荘からのスタート。ここは釣り宿で、ご主人が早朝に釣り客の瀬渡しのために出かけていたため、朝食は8:00からと遅くなった。しかし、そのお詫びというわけでもないと思うが、朝食にはアオリイカの刺身をつけてくれた。これが甘くて美味しかった。 写真を撮り忘れたが、アオリイカの刺身が美味しすぎてご飯をお代わりした 9:10に宿を出て歩き始めた。秋目集落から、次の目標地点の亀ヶ丘の標識を見て、舗装路を左折して山道に進んだが、すぐに道が無くなり先に進むことができなくなった。もう一度舗装路まで戻って、正しい道への入口を探したところ、藪に隠された石段が見つかった。舗装路からわずか10m…

  • 九州自然歩道 68日目 坊津の青い海を眺めながら 鹿児島県南さつま市野間池~南さつま市坊津秋目 2020年12月12日

    今日は2週間ぶりの九州自然歩道トレッキング。トレッキングの再開予定地は鹿児島県南さつま市野間池という薩摩半島の最西端にあたるところ。現地までの交通はなかなか難易度が高い。博多駅から6:10発の下りの始発の九州新幹線つばめ307号に乗車して7:58に鹿児島中央駅に到着した。 つばめ307号がだんだんお馴染みになってきた 鹿児島中央駅からは、8:13の指宿枕崎線に乗り換え、8:26に谷山駅に到着。谷山駅を出て、駅前の国道にある鹿児島交通バスの谷山駅前バス停で加世田行のバスを待つ。バスは定刻通り8:34にバス停に到着し、乗り込んだ。バスはここから1時間ほどかけて井作(いざく)峠を越えて加世田駅に向か…

  • 九州自然歩道 67日目 真っ青な海を眺めながら野間岳から野間池に 鹿児島県南さつま市加世田~南さつま市野間池 2020年11月29日

    今日は宿で目が覚める。いつものテント泊ではなく、宿を予約した理由は、宿泊予定が加世田という比較的人口の多い地区であったことと、荷重をできるだけ減らすためにテント泊の機材を持ちたくなかったからだ。というのも、今日の行程の帰りの交通の自由度は極めて低く、目標地点の野間岳に東海岸から上った後、西海岸に下山し、海岸沿いに北に4km移動して15:20の最終バスに乗るか、下山後に南に17km歩いて16:45の最終バスに乗るかの2択。野間岳は東海岸から西海岸に抜ける行程を歩く人間はほとんどいないようで、コースタイムが不明。ということで、野間岳から先は荷物を担いで走らなければならない可能性もあることから、負担…

  • 九州自然歩道 66日目 吹上浜の遠浅の海辺と南薩鉄道の廃線跡 鹿児島県日置市吹上町永吉~南さつま市加世田 2020年11月28日

    本日土曜日は吹上浜から九州自然歩道トレッキングの再開。博多から7:22の九州新幹線に乗って川内で鹿児島本線に乗り換え、伊集院に到着したのが9:31。そこから鹿児島交通バスに乗り換え、前回九州自然歩道から離脱した吹上町の永吉に到着したのが10:15。 伊集院駅前の島津義弘公像 本来、九州自然歩道はバス停の前の国道270号線なのだが、この道路は交通量が多く、歩道のない部分もあるため歩くには不適当。並行して走る南薩鉄道の廃線跡の自転車歩行者専用道路を歩くことにした。 国道270号線を歩くのはお勧めしない 南薩鉄道の永吉駅の跡の前を通り、圃場を眺めながら専用道を歩く。気温は15℃で、風は冷たいが歩くに…

  • 九州自然歩道 65日目 吹上浜の波打ち際をどこまでも歩く 鹿児島県いちき串木野市串木野~日置市吹上町永吉 2020年11月23日

    今朝は6:00に布団の上で目が覚めた。体のどこも痛くならず、室温も暖かく、頗る快適だが何か物足らない。顔を洗い、歯磨きをする。水道から水が出るのがとてもありがたい。文化的な生活っていいなと思いつつも、キリっと冷たい谷川の水もよかったかなと思う。贅沢を言ってしまうが、旅館の朝は、どことなく生ぬるい。 7:00に旅館を出て串木野駅に近い鹿児島本線の切り通しの上を通過する。現在のこの部分の鹿児島本線は川内駅から鹿児島中央駅までで、単線区間が多い。大学、大学院のときに博多から鹿児島まで通して鹿児島本線に乗車したことがあったが、列車の待ち合わせが何度もあったなと遠い記憶がよみがえる。 串木野駅の近くの鹿…

  • 九州自然歩道 64日目 市比野温泉を堪能 鹿児島県薩摩川内市入来~いちき串木野市串木野 2020年11月22日

    まだ外は真っ暗だが、テントの外を歩く人や走る人の足音が聞こえる。ここはご近所のジョギングルートのようだ。現在5:30。日の出の予定時刻は6:50ぐらいだったが、のんびりしていると人が集まってくるかもしれない。まだ薄暗い6:15に起床して、撤収作業を開始した。 明るくなって気が付いたが、目の前は巨大な芝生の競技場だった 昨夜は暗くて、どんなところにテントを設営したのか理解できていなかったが、外が明るくなってようやく、ここがどこかわかった。ここ丸山公園は、フィールドホッケーの競技場のようだ。しかも、3面もコートが設置してある。この10月に開催予定だった鹿児島国体の予定会場だったのかもしれない。数名…

  • 九州自然歩道 63日目 藺牟田池をぐるっと一周 鹿児島県薩摩郡さつま町宮之城~薩摩川内市入来 2020年11月21日

    福岡から鹿児島はアクセスが良い。今日も5:36の始発の地下鉄に乗って、博多駅から九州新幹線に乗車し、出水からバスに乗り換え、宮之城には8:23に到着した。3時間弱である。 宮之城駅前 宮之城は竹で有名 かぐや姫がシンボル 旧国鉄宮之城線の宮之城駅跡でバスを降りたところで、すぐに九州自然歩道に復帰。しばらくは住宅地の中を歩く。次第に住宅がまばらになり、ほんのわずかだけ草の生い茂った箇所を抜けると、県道406号の宮之城祁答院(けどういん)線に合流する。 最初は宮之城の住宅街 鹿児島県に入ってから九州自然歩道の標識が親切丁寧 ほんのわずかな距離の悪路を抜けて 県道406号線に合流 県道は宮之城と祁答…

  • 九州自然歩道 62日目 川内川の清流に沿って進む 鹿児島県薩摩郡さつま町鶴田ダム~さつま町宮之城 2020年11月15日

    鶴田ダムふれあい公園の広い駐車場の真ん中に設営したテントの中で5:30ぐらいに目が覚めた。日の出の時刻は6:17で、まだ外は真っ暗。下がアスファルトで、ペグを打ち込んでフライシートにテンションをかけることができなかったため、テントの内面は結露している。しかし、それほど寒くはない。 6:30にシュラフを抜けだし、撤収作業を開始した。谷間の公園にも、ようやく日が差してきた。昨夜は真っ暗でよく見えなかったが、100台ほども停められる駐車場で、その真ん中にぽつんとテントが鎮座するのはちょっとシュール。 テントをひっくり返して、パッキングの前に水気をできるだけ乾かすようにしていると、昨夜から初めての自動…

  • 九州自然歩道 61日目 紅葉の映える曽木の滝 鹿児島県伊佐市大口里~薩摩郡さつま町鶴田ダム 2020年11月14日

    土曜日の本日は、3週間ぶりの九州自然歩道。10:44に南国交通バスを鹿児島県伊佐市大口里の八坂神社前で降りてトレッキングを開始した。少しスタートが遅いが、これが最速の交通手段。 南国交通バスで大口市内に到着 大口里から市内の中央を流れる羽月川を越えて、対岸に渡る。街路に植えられたカエデは赤く発色し始めている。2kmぐらい歩いて、前回、九州自然歩道を離脱した鳥巣集落に11:07に到着した。 羽月川を渡る 大口でも紅葉が始まっている 前回の離脱地点に到着 大口の中心の市街地の対岸の集落はほとんどが農地で、のんびりとした雰囲気。稲わらロールがこの地には本当に似合う。しばらくポツリポツリと家のある集落…

  • 九州自然歩道 60日目 大口盆地には稲わらロールが似合う 鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠~伊佐市大口里 2020年10月25日

    鹿児島県境を越えた最初の朝は6:00に目が覚めた。人吉と大口を結ぶ久七(きゅうしち)峠は、2004年に久七トンネルができたため、おそらく地域の人しか使わないのだろう。昨日から1台の車しか通行していない。道路の状態は良好なため、頗る快適である。本日の天気も晴れ。気持ちよく撤収を進め、7:06に行動を開始した。 峠の朝 こんな素敵な道を独り占め 1kmほど下った道路脇に滝があった。ここで顔を洗い、歯磨きをした。修行僧のようだなと思いながら。ここまで千キロ以上歩いたが、ときには修行のようだったなと振り返る。 滝で顔を洗う 2kmほど歩いたところで7:36に国道267号線と合流した。ちょうどここは久七…

  • 九州自然歩道 59日目 人吉から峠を越えて鹿児島に 熊本県人吉市人吉橋~鹿児島県伊佐市大口笹野久七峠 2020年10月24日

    週末の今日は5時前に目を覚まし、シャワーを浴びて福岡の家を出た。西新から6:08の地下鉄に乗り、博多駅から新幹線で新八代まで行き、そこから高速バス、市内循環バスと乗り継いで、9:00に人吉市の人吉橋から九州自然歩道のトレッキングを再開した。天候は晴れ。現在の気温は20℃で、歩くのには心地よい。 人吉市の人吉橋バス停からトレッキング再開 橋の向こうには人吉の温泉街が見える 人吉橋からは、球磨川の南岸の集落の中を歩く。本年7月の水害の影響だと思われるが、いまだに玄関先まで泥が堆積した家があり、痛々しい。 まずは球磨川河畔を下流に進む 9:47に鹿目(かのめ)川に沿って上流に向かう道に分岐する下戸越…

  • 九州自然歩道 58日目 ブルートレインの宿から球磨川沿いに人吉まで歩く 熊本県球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ~人吉市人吉橋 2020年10月18日

    昨夜はブルートレインに宿泊した。最後にブルートレインに乗車したのはいつだったろうか。2000年ぐらいが最後だったかもしれない。富士か、さくらか、それとも、はやぶさか。最後に乗車したときには一人用の個室のSOLOだった記憶がある。昨夜も一人用の個室で寝た。懐かしかった。ふたたび多良木に来る機会があったら、もう一度泊まってみたい。 懐かしい!ブルートレイン 泊まれて良かった! 設備の老朽化とメインテナンスの難しさを考えると10年後に泊まるのは困難かも 多良木駅前の石蔵 こんな石蔵が球磨川流域では各所に見られる 今朝は6:00に起床して、近くのコンビニでサンドイッチとコーヒーを購入して、ブルートレイ…

  • 九州自然歩道 57日目 球磨川源流域から人吉盆地へと下る 熊本県球磨郡水上村湯山温泉~球磨郡多良木町ブルートレインたらぎ 2020年10月17日

    本日は熊本県南部の球磨川源流域の湯山温泉からのトレッキング再開。今朝、福岡の自宅からは地下鉄、新幹線、高速バス、コミュニティバス、ローカルバスと5時間以上かけて乗り継いで、10:36にトレッキング開始地点に到着した。 ようやくトレッキング再開地点に到着 前回は五木村から白蔵峠を超えて球磨川源流域を目指したのだが、通行止めに阻まれて、本来の九州自然歩道のコースを30km近くショートカットして湯前(ゆのまえ)駅まで歩いている。今回は、未踏破のコースをなるべく短くすべく、湯前駅から未踏部分の九州自然歩道をバスで可能な限り遡ってから歩くことにした。 人吉駅からローカルバスで1時間ほどかけてたどり着いた…

  • 九州自然歩道 56日目 通行止めの球磨川源流域を迂回 熊本県球磨郡水上村白蔵越~湯前町湯前駅 2020年10月4日

    本日は五木村と水上村の境界である白蔵越から、2kmほど小川内川に向かって谷を下った地点からのスタート。本来、九州自然歩道は白蔵越よりも5kmほど北の白蔵峠を通過して球磨川源流域に進むのだが、白蔵峠、球磨川源流域ともに通行止めの情報により、昨日の時点で白蔵峠の10kmほど手前から迂回路を巡り巡って白蔵越までたどり着いている。 昨夜は、白蔵越を過ぎて水上村に入って2kmぐらいの地点の、杉の植林のために整備された林道脇の草地で一夜を過ごした。虫の音が子守唄のように一晩耳元で鳴ってくれていた。 本日の目標とするのは、九州自然歩道上にある、くま川鉄道の湯前駅。非常に残念なことに本年7月の豪雨災害のために…

  • 九州自然歩道 55日目 標高1000mの心地よい林道を歩く 熊本県球磨郡五木村頭地~水上村白蔵越 2020年10月3日

    金曜日の昨夜は熊本県の人吉市に前泊した。現在トレッキングしているのは九州山地の中になるため、まずはトレッキング再開地に到着するのが一苦労。今朝は前泊した人吉のホテルを6:00に出て、人吉駅から7:02の五木村行きの数少ないバスに乗った。標高1000m近い山々から川辺川に見事なV字を形成した谷の東岸をバスは走り、8:00に五木村頭地に到着した。天気は快晴。気温は22℃。最高のコンディションだ。 五木村の中心地 頭地 五木村からは国道445号線を川辺川に沿って北上する。先週は上流から歩いた道だが、何度歩いても美しい渓谷だ。ここがダム湖に沈むのは残酷だ。トンネルを抜け、つり橋を右手に眺め、9:00に…

  • 九州自然歩道 54日目 清流川辺川を眺めながら子守唄の里へ 熊本県八代市泉町仁田尾(五家荘)~球磨郡五木村頭地 2020年9月27日

    昨夜は五家荘の集落の一つ、仁田尾(にたお)のはずれにテントを設営した。標高は834mあったが、それほど冷え込みはなく、夏用のシュラフで心地よく眠ることができた。谷が深いため陽光が差し込まず、まだ暗かったが、6:00に起床して撤収作業を始めた。今日はバス停まで25kmほどあり、しかもそのバスは1日4便ほどしかないため、早めに行動することとして6:35には行動開始。歩き始めるころに、ようやく山の端を太陽の光が照らし始めた。 行動を始めてすぐにヒゲのおじいさんがウォーキングしているところに遭遇した。挨拶を交わすと、「観光ですか?」と尋ねられた。「観光です」と答えると、「以前、この辺りは秘境とか言われ…

  • 九州自然歩道 53日目 九州最後の秘境を歩く 熊本県下益城郡美里町砥用~八代市五家荘 2020年9月26日

    今日は美里町の砥用から九州自然歩道に復帰。本数の限られたバスを乗り継ぐため前日の夜から熊本に前泊している。バスは砥用に8:00に到着し、しばらく民家の並ぶ街並みを歩き、次の目的地の五家荘に続く国道445号線との合流点に8:15に到着した。 国道445号線に合流 砥用の田んぼも黄金色に染まっている まずは15km先の東山本店という五家荘の入り口に位置する土産物店で昼食を摂ることを目標とする。片側1車線の舗装状態の良好な道路を、正面の山をめがけて進んでいく。道路の右には津留川の清流が流れる。国道の交通量は少なく、10分に1台程度。快調に歩を進める。 今日の最初の目標はあの山を越えた向こう側 国道4…

  • 九州自然歩道 52日目 平家由来の内大臣峡から町に下る 熊本県上益城郡山都町内大臣峡~下益城郡美里町砥用 2020年9月22日

    今朝は内大臣峡(ないだいじんきょう)にある民宿、平家の湯で5:00に目を覚ました。せせらぎの音が耳に心地よい。部屋の中に干しておいたテントや寝袋をたたみ、7:00から川に面した部屋で、質素だが心のこもった朝食を摂る。朝食の間には火鉢が用意してあった。部屋に戻って荷物を調え、8:00に行動を開始した。 部屋にはすでに火鉢が用意 内大臣川にかかるつり橋を渡って水力発電所の前を通過。内大臣峡と美里町をつなぐ県道153号線は狭い舗装路で、離合はできそうもない。交通は少ないのでさして問題はなさそうだが。川を挟んだ正面にはお世話になった平家の湯と、その向こうには内大臣川水力発電所が見える。さらに振り返ると…

  • 九州自然歩道 51日目 通潤橋から豊穣の地を歩く 熊本県上益城郡山都町笹原~山都町内大臣峡 2020年9月21日

    本日は標高500mの山都町笹原からのスタート。よく知られた通潤橋という江戸時代に造られた石造りのアーチ水路橋の取水口がここにある。水路の長さはおよそ6km。このあたりもずいぶん人里離れたところで、昨晩も近くでシカの鳴き声が何度も聞こえた。 通潤用水円形分水 昨夜は星空がとてもきれいで、星のない部分の漆黒があまりに黒く、見上げると空に吸い込まれそうなほどだった。明け方は放射冷却のせいか、半袖では耐えられないほどの寒さ。残念ながら電波が届かないので気温はわからない。寒さをこらえながら5:30に起床して、6:33に行動を開始した。 稲穂の揺れる田んぼを見守るような集落を過ぎる。このあたりは休耕田が少…

  • 九州自然歩道 50日目 黄金色の収穫の秋 熊本県阿蘇郡高森町清水峠~山都町笹原 2020年9月20日

    本日は標高1000mの南阿蘇外輪山からのスタート。昨夜は夜半に少しだけ雨がパラついたが、その後は晴れて星がきれいだった。トイレに行こうとライトを着けたら、すぐ近くでビーーーというシカの警告音が響き、数頭の足音が遠ざかった。きっと雨でヒトの臭いに気が付かなかったのだろう。 6:00にテントから出ると根子岳が正面に聳える。最高のロケーションだ。気温は9℃。半袖Tシャツ1枚だと少し肌寒い。撤収を済ませ、根子岳を見ながら山コーヒーを味わい、7:10に行動開始。 昨日の外輪山は藪漕ぎの大盛りだったため少し慎重にスタートする。しかし、いつまで進んでも道が良い。通常の山道の2倍以上の幅で草刈りが行われている…

  • 九州自然歩道 49日目 藪漕ぎ上等南阿蘇外輪山 熊本県阿蘇郡高森町高森中央~高森町清水峠 2020年9月19日

    今回の九州自然歩道は、阿蘇カルデラの内部の南端にある高森町からの再開。自宅から高森からはバスを乗り継いで5時間近くかかるため、金曜夜から同地の民宿に前泊となった。本日は5:00に起床し、高森の市街地を散策してから朝食を頂いて7:48に出発。カルデラの中だが、標高は550mからのスタート。 高森湧水トンネル 今日は阿蘇山がきれいに見える 高森の町はずれまで来ると阿蘇山がきれいに見える。先週は雨の中だったから、青空をバックにした阿蘇の風景が目に沁みる。8:10には高森の東の村山集落に到着し、ここから黒岩峠に向かう山道に入る。 もうヒガンバナが咲いている 秋だ 村山集落からの山道 正面が清栄山 高森…

  • 九州自然歩道 48日目 阿蘇はでっかいどー 熊本県阿蘇市阿蘇駅~阿蘇郡高森町高森中央 2020年9月12日

    今回の九州自然歩道は、熊本県阿蘇市にある豊肥線の阿蘇駅から再開。ここから阿蘇五岳の間を通る日の尾峠を抜けて阿蘇カルデラを北から南に縦断する。 豊肥線の阿蘇駅に到着 日曜日に仕事が入ってしまい、歩くことができるのは実質的に9月12日の土曜のみで、また豊肥線は運行数が少なく九州自然歩道の再開地点まで乗り継ぎが4回ほど必要で、福岡から5時間近くかかってしまうので、今回は金曜の夜から豊肥線の駅のある熊本県菊池郡大津町に前泊。これからこんな旅程が多くなりそう。それだけ旅情も味わえるが、だんだん遊び以上のものになってきた。 豊肥線の阿蘇駅には6:36に到着。乗客は6名で、阿蘇駅で下車したのは自分一人だけ。…

  • 九州自然歩道 47日目 外輪山を越えて阿蘇カルデラ内に降下 熊本県菊池市菊池渓谷~阿蘇市阿蘇駅 2020年9月6日

    昨夜は熊本県菊池市の菊池渓谷にビバークし、早朝からトレッキング再開。あたりがうす明るくなる5:00には撤収を開始し、6:15に行動を開始した。大型の台風が接近しているので、早めに行動して、早々に帰途につく予定。午後3時ぐらいまでは交通機関が動くのではないかと予想。 6:15から行動開始 出発時の雨はほんの小降り。風向きは南風で、阿蘇カルデラの外輪山の北側斜面を登っているからか、風雨はほとんどない。6:30には菊池渓谷の北端の清水谷橋に到着した。 川幅はどんどん狭くなる 清水谷橋 ここは間違えやすいポイント ここに九州自然歩道の標識があったのだが、標識の向いた方向によく考えもせずに進んだら、1k…

  • 九州自然歩道 46日目 碧く美しき菊池渓谷 熊本県菊池市菊池~菊池渓谷 2020年9月5日

    今回の九州自然歩道は、熊本県菊池市の菊池公園からのトレッキング再開。5:30に家を出てから、乗り換えを4回行い、9時過ぎに菊池に到着した。菊池公園には真ん中に菊池武光公の立派な像が設置されている。これについては少し調べてみた。 菊池武光像 残念ながら逆光 菊池武光(1319年ごろ~1373年)は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将で、菊池氏第15代当主。九州における南朝勢力として武功に優れたことから、今なお菊池市民に親しまれているようだ。そもそも菊池氏は、諸説はあるが、平安時代の藤原氏に源流を持つとされる名家のよう。西郷隆盛も菊池氏の出とされている。 菊池氏は南朝を支えた武光の時代を頂点…

  • 九州自然歩道 45日目 今なお菊池の中心は菊池武光公 熊本県山鹿市山鹿~菊池市菊池 2020年8月29日

    今回の九州自然歩道は、先週離脱した熊本県山鹿市の山鹿温泉さくら湯前からのトレッキング再開。山鹿温泉のさくら湯は、本当に造作が素晴らしい。2012年に再建したとは思えないほど時代がついた重みを感じる。いい仕事してる。今日はお湯には浸からずに、8:00に菊池温泉に向けて出発することにする。目標を温泉に設定するといい。歩く励みになる。 本日のスタート地点となる山鹿温泉さくら湯 山鹿市内には、豊前街道という北九州小倉につながる街道の跡が残っている。いまだに当時の様子を残すと思われる建造物が立ち並んだエリアがある。 山鹿温泉 足湯 山鹿温泉 豊前街道 山鹿の市街地から3kmほど田園地帯を北上し、9:10…

  • 九州自然歩道 44日目 和水で前方後円墳の上を歩いてしまった 熊本県和水町菊水~山鹿市山鹿 2020年8月22日

    今日は熊本県和水町の菊水インターチェンジからのトレッキング再開。本当に申し訳ないが、福岡県に接した熊本県最北部のこの町、和水町の読み方が分からなかった。 私が物を知らないということもあるが、この町は菊水町が平成の大合併で三加和町と合併して和水町と、2006年に一般公募でつけられた町名。三加「和」+菊「水」で和水。読み方は「なごみ」と少しキラキラ系のひねりを効かせている。人名漢字辞典で引いてみると、和水で、なごみ、かずみ、わみず、と読ませる。 カヌーイストの野田知佑の出身地と知って、俄然親近感が湧いた。菊池川を犬のガクと一緒にカヌーに乗って下っていく情景を描いた本があった気がする。和水町の真ん中…

  • 九州自然歩道 43日目 思いのほか素敵な町だった玉名から山を越える 熊本県玉名市立願寺~和水町菊水 2020年8月16日

    今日は熊本県玉名市の立願寺温泉のホテルからのスタート。トレッキングに出ると、日の出の前に目が覚めてしまう。今日もそう。朝食は7:00からで、時間があるため昨日行っていない古い町並みが残るという、ホテルから2kmほどの高瀬裏川の街並みを見に行った。 最初に謝っておこう、玉名ごめん。こんな素敵な街が福岡の近くにあったなんて知らなかった。古くからの菊池川の水運で栄えた町がそのまま残されていて、江戸時代にタイムスリップしたような気分。朝早くて誰もいない町を一人歩き満足。 高瀬眼鏡橋 そのあとはホテルに戻り、がっつり朝食を食べて8:00に行動開始。市街地から30分ほどの蛇ケ谷公園から登山道に入る。この山…

  • 九州自然歩道 42日目 越すに越されぬ田原坂 熊本県熊本市北区植木町田原坂駅~玉名市立願寺 2020年8月15日

    今週末の九州自然歩道トレッキングは西南戦争の激戦地として知られる熊本県の田原坂から再開。 歴史には疎いため、西南戦争の原因や経過がさっぱり分からない。大政奉還や江戸城の無血開城の中心的な役割を果たしたのが西郷隆盛だったのではないだろうか?それがどうして西南戦争では反乱軍の首領として官軍と戦うことになったのか?付け焼き刃で、西郷隆盛が明治政府から下野することになった明治6年政変や、士族の反乱の引き金を引くことになった明治9年の廃刀令、西郷が鹿児島に設立した私学校に対する政府からの圧力、などの細切れの知識をおぼろげに頭に詰め込んだまま、定刻の8:13に鹿児島本線の列車は田原坂駅に到着した。 田原坂…

  • 九州自然歩道 41日目 武蔵の悟りの地から西南戦争の激戦地へ 熊本市西区岩戸観音~熊本市北区植木町田原坂 2020年8月10日

    朝、テントから出たときに気が付いた。岩戸観音の宮本武蔵像もコロナ対策に取り組んでいた。武蔵に見守られながらテントの撤収を行い、7:02に行動を開始した。 最初に谷を下って向かったのは雲巌寺。宮本武蔵ゆかりの寺院で、五輪書は武蔵がここの霊厳洞に籠って標したとされている。また五百羅漢も見事。いくつかの仏像は首が落ちているが、朝の挨拶を交わした住職さんに聞くと、廃仏毀釈運動で破壊されたとのこと。残念なことだ。 霊厳洞 この中に武蔵が籠もったとされる 五百羅漢 天気予報では曇りのち雨となっているが、今のところ天気は良い。最初の目標の二ノ岳の緑が青空に映える。南向きの二ノ岳の麓にはミカン畑が広がり、一ノ…

  • 九州自然歩道 40日目 金峰山を登りながらこう考えた。とかく人の世は住みにくい。 熊本県宇土市本町~熊本市西区岩戸観音 2020年8月9日

    7:35に清々しい気分でホテルを出発した。昨日宿泊したホテルは正解だった。小さなビジネスホテルだが、清掃が行き届き、朝食も美味しく、とても居心地が良かった。宣伝を頼まれたわけではないが、応援したくなるような小さなホテル、こめや旅館。宇土市街はこれと言って見るものはあまりないのだが、街の中のホッコリとした風景が心に残る。 こめや旅館 心地よいホテルでした 河口が近い市街には水路が多い。海抜は2mとの案内がある。宇土市が面した有明海は干満の差が大きいことで知られるが、防潮堤が何か所も設置してある。 JR三角線を超える 街中に防潮堤がある 8:50に宇土市と熊本市を隔てる緑川に架かった平木橋を渡り、…

  • 九州自然歩道 39日目 宇土半島をのんびり縦断 熊本県宇城市三角町石打ダム駅~宇土市本町 2020年8月8日

    今回の九州自然歩道トレッキングは、JR三角線の石打ダム駅から再開。定刻通り8:05に三角線の列車は石打ダム駅に到着し、ワンマンのため最前方のドアから切符を手渡しながら下車した。出発する列車の前方に回って写真を撮りながら見送ったら、ポッと軽く汽笛を鳴らして挨拶を返してくれた。 前回は蚊の攻撃に悩まされたため、今回は虫よけスプレーを用意して準備万端。露出した部分にたっぷりとスプレーして、行動を開始した。駅の周囲には数戸の家屋があるのみ。商店はない。舗装された山道を進んで、8:30に石打ダムに到着した。 虫よけスプレーと液体蚊取り線香 これで万全 石打ダムに向かう山道 ダム湖は緑の水を湛えた静かな水…

  • 九州自然歩道 38日目 三角の三角岳の三角点とはこれいかに 熊本県上天草市柴尾山~宇城市三角町石打ダム駅 2020年8月2日

    上天草市の大矢野島の最北端にある柴尾山の中腹で目を覚ました。今朝は速攻ダッシュで撤収作業を行った。その理由は蚊の攻撃のためである。梅雨が明けて気温が上昇したここ何日かは、蚊の繁殖活動が旺盛なようで、ちょっとした茂みに入るととたんに蚊に襲われる。野営場所にも雲霞のごとく蚊が湧いてきて、片腕にいっぺんに10匹ほども吸血作業を行っている。このままでは貧血を起こすかもしれないと危惧するほどの勢いで蚊に襲われるため、たまらず最速での作業を行った。なんとなく、梅雨明けは蚊が多そうな気がしたので、ドラッグストアで虫よけスプレーなどを調達しようと思っていたのだが、うっかりして失念していた。 岩谷の漁港 後方に…

  • 九州自然歩道 37日目 歩いて渡る天草五橋 熊本県上天草市松島~上天草市柴尾山 2020年8月1日

    今週の九州自然歩道トレッキングは、熊本県上天草市松島からの再開。福岡から九州新幹線、三角線と乗り継ぎ、三角からは船に乗って松島港に到着。そこから天草五橋の5号橋のたもとにある松島展望台から10:08にスタートした。 スタート再開地点の松島展望台からの眺め まずは5号橋の松島橋を渡る。赤い橋が海の色に映える。橋の上からの景色は素晴らしい。橋長は177mで、すぐに渡り終える。 5号橋 5号橋からの眺め 松島を横切ったあとは4号橋の前島橋。橋長は510mあり、大型の車が通るたびに上下に揺れるのがわかる。この橋からは大小さまざまな島が浮かぶ海をゆっくりと眺めながら歩くことができる。海は穏やかで、数艇の…

  • 九州自然歩道 36日目 雨の天草締めには温泉 熊本県上天草市白嶽~上天草市松島 2020年7月26日

    周囲が明るくなりはじめる5:00に目が覚めた。今日もやっぱり雨。幸い四阿(あずまや)の屋根があるので、濡れずに撤収作業ができる。これまで2日間も雨の中で過ごすと、濡れているのが当たり前ぐらいの気持ちになってきた。今日は天草の島内を歩く最終日になるので早めにスタートしたい。目標は松島の温泉。テキパキと撤収作業を終え、雨具をきっちり装着して、6:00に行動を開始した。 白嶽はこんなところ 白嶽からは崖のエッジ部分をしばらく歩く。晴れていたら見事な眺めだろうなと思いながら、ときどき雲の切れるときに写真撮影を試みるが、カメラがずぶ濡れになる。濡れた指ではシャッターがなかなか下りない。ここは東の八代海に…

  • 九州自然歩道 35日目 絶景の観海アルプスを縦走 熊本県上天草市龍ヶ岳~上天草市白嶽 2020年7月25日

    龍ヶ岳のキャンプ場は快適だったが、山頂にあるため風が強い。夜中に何度もテントが飛ばされそうなほどの風雨に襲われた。 5:45に目が覚めた。今日も雨。テントの中でホットチョコレートとシリアルの朝食を摂る。小雨になったところでダラダラと撤収作業をはじめ、8:00に行動を開始した。 定番となってきたシリアルの朝食 龍ヶ岳の山頂は雨で、濃いガスが立ち込めていて視界が悪い。キャンプ場から、九州自然歩道に復帰するため、舗装路を2kmほど下る。さらに1kmほど進んだところで地図を見ながら左に折れたが、この道が誤りで、1kmほど進んだところでようやく道が違うことに気が付いた。来た道を戻り、左に折れる心細い山道…

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