超難解・禅語「忘牛存人」 文字面を読めば「牛を忘れる人が存在する」です。 しかし、どういう意味なのでしょうか? 超難解な禅語です。 「十牛図」という中国の宋の時代の禅の入門書があります。 そこに一頭の牛が登場します。 牛は普段はおとなしく、物静かでありながら、 あばれると非...
禅語「一月浮万水」(いちげつばんすいにうく)を紹介します。 月は一つしかありませんが、万水=至るところにある水にその姿を映します。 禅語の意味は、仏性はどんな人にも宿っている、という教えです。 禅の世界では、人は誰もが、その心に仏が宿っているという教義を持っています。 月と...
今日の禅語は「金風吹玉管」(きんぷうぎょくかんをふく) 「金風」は秋風のこと。 「玉管」は玉でつくった笛のこと。 意味は「秋風が清らかに玉の笛を奏でているよう。 味わいのある美しい音色で秋の気配を感じます。 しかし、いったい誰がこの曲の素晴らしさを 聞きわけてくれるのでしょ...
「教外別伝」は、釈迦の言葉による教えのほかに、心から心へと直接に伝えられ得るもののことを言い、「不立文字」とは、真理は概念で規定し得るものではない、という意味です。 ともに禅宗の核心をつく言葉です。 一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は、室町時代の初めから半ばにかけての禅僧...
本日の禅語「小魚呑大魚」(しょうぎょ たいぎょをのむ) サッカーで言うところの「ジャイアントキリング」の意味でしょうか? 普通の世界では、逆ですね。「大魚呑小魚」となるのが普通でしょう。 辞書にも「小魚は大魚の餌となる」ことから、弱者は強者の犠牲になることが世の中の常道であ...
月白風清(つきしろくかぜきよし) 9月も下旬となり、柿の実が色付き始め、そのはるか上空を秋の雲がゆっくりと流れます。夜になると眩い月が街を神々しく照らし、天地自然の恵みを感じずにはいられません。凌ぎやすい秋を迎え、心地よい日々が続きます。 旧暦八月十五日(今年は九月二十...
「忘却は心を洗う石鹸なり」間違いを犯した人へ、そして正義を振りかざす人へ。
人はどれだけの間、罪を背負って生きていけるのだろう。 正義をかざす人は「一生をかけて罪を償え」と正論をぶつける。 もちろん、被害者の苦しみを思えば、加害者がなにも思慮せずに、のほほんと生きていくことは許されないと思う。けど、一分、一秒、罪を忘れずに生きることは出来ないし、自...
月知明月秋花知一様春 (月は明月の秋を知り、花は一様の春を知る) 「月花無心自不違其時言知作意也」(月花無心なるも自ら其の時を違えず知ると言う作意なり)と注釈のある禅語。 『ときに 麗らけき春 温もりと 生気みなぎる 春とは 如何 ? 咲く花に 問うてみても 花は 芳しく ...
人はあらゆるものとの出会いを通して、豊かに、幸せになる生き物です。 出会いとは、美しい景色であったり、感動するスポーツのシーンであったり、時には美味しいものをいただいた時。さらには、本を通して新しい知識に出会った時も幸せになります。古来、日本人はそんな出会を「縁」と表現して...
今日の禅語 山中無暦日 世間を離れ、歳月が経つのも忘れてのんびり暮らすことのたとえ。 [由来] 「唐詩選」に収録された、太たい上じょう隠者という謎の人物の詩の一句。 たま松樹の下に来たり 枕を高くして石頭に眠る 山中暦日無し 寒尽くるも年を知らず 太上隠者、太上とは最高と...
竹涼風清(たけはすずしくかぜはきよし)出典 『虚堂録』 旅立ちにあたって、道中の息災を願った詩句から用いられた禅語で、笹の葉が起こす清風の爽やかさに相手を思いやる気持ちが表現されたもの。旅立つものや出発するものへの祝福とも言われる言葉。 清寥寥(せいりょうりょう)出典 碧巌...
梅雨入りを控え、不安定な空模様の続きますが、紫陽花が色鮮やかに咲き競い出しました。ワクチンの接種が始まったとはいえ、新型コロナウイルスの話題で鬱々と心も晴れぬ日々かと存じますが、どうか、梅雨晴れの青空を期待され、日々の生活におつとめくださいますようお願いいたします。 人生...
江戸時代の高僧、白隠禅師のもとに、ある時、若い侍が訪れ「地獄と極楽はどこにある」と尋ねます。禅師は「武士のくせに、そんなこともわからぬか」と強く罵倒します。 屈辱に耐えかねた侍は鯉口を切り、やにわに切りかかろうとした瞬間、禅師は「それが地獄じゃ」と言います。正気に戻った侍が...
仏教に「和顔(わげん)愛語(あいご)」という教えが あります。穏やかな笑顔と、慈悲の 心から生まれた思いやりの深い一言 が、人を幸せにすることが出来ると いうことです。 曹洞宗の開祖、道元禅師は「面(むか)い て愛語を聞くは面(おもて)を喜ばしめ、心を 楽しくす。面(むか...
立夏、いよいよ夏季到来です。 暦の上で夏の始まりを迎えました。この日から立秋(2021年は8月7日)の前日までが夏季になります。 ついこの間、4月に入り、新たな年度を感じたと思ったら、もう夏が来たのですね。4月は「雨降って百穀を潤す」ことから、二十四節気の暦で「穀雨」とも...
人類の進化の軌跡は天変地異からの生き残りであり、人類は知能を働かせて今日に至るまで繁栄をしてきました。ところが人類は気象災害や地震などの天変地異の恐怖とともに、人間がつくりだした地球環境の悪化から生じる新たな気象異変にも不安を抱かねばならなくなったのです。 月落ち天を...
back numberの「日曜日」という曲を聞くと 何故だか東日本大震災が思い浮かんでしまう。 何気ない日常こそ、幸せが詰まっている。 この曲は、それを突きつける 被災された方々の心境を重ねてしまう 「日曜日」は良い曲です。明るい音調で、心地良い名曲です back numb...
春 山笑う季節。3月11日なれど「啓蟄」七十二候では「笑う」時。 24節気、72候を楽しむ。 3月、啓蟄に入りました。啓蟄とは陽気に誘われて土の中の虫が動き出す頃のこと。 一雨ごとに春が近づく、そんな季節の間を感じながら。 「石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に ...
「私たちは、人生は明るく楽しいものだと最初から思いこんでいる。それを用意してくれるのが社会だと考えている。しかし、それはちがう」と作家、五木寛之は著作「大河の一滴」で断言します。そして、この混迷の時代だからこそ、人生とはそもそも苦の連続なのだと覚悟するところから出直す必要が...
2月3日、2021年の立春を迎えました。立春とは、春の兆しが現れてくる頃のこと。この時季以降、最初に吹く南寄りの強い風を「春一番」といいます。 昔の日本では、旧暦と呼ばれる太陰太陽暦をカレンダーとして使っていました。地球が太陽の周りを一周する時間の長さ一年と数えるのが、太陽...
2021年の節分の恵方は南南東でした。 (写真は節分草) 皆さんは恵方巻きを食べましたか? もともと大阪にあった節分に太巻きを食べる習慣を、1998年にセブンイレブンが商売化(笑)。恵方巻ブランドを売り出したことが今日の流行を生みました。 さて、すっかり節分の風物詩となった...
小泉八雲の「怪談」に書かれた「耳なし芳一」の話をご存知ですか。 芳一を魔物から遠ざけるために、体に筆書きされたのは「般若心経」です。 書き損じた耳だけを持っていかれる話ですが、どうして耳だけ書くのを忘れてしまったでしょう。この話を読んだ頃の幼い私には理解不能でした。 般若心...
この絵は「北山初雪」。東山魁夷1968年作です。 同年、師とも仰ぐ文豪・川端康成のノーベル文学賞を祝って、 1962年に贈った「冬の花」と、まったく同じ構図ですが、大きく違うのは 雪景色にしていること。むしろ、この絵の方が「冬の花」っぽくもある。 いや、そもそも、ノーベル文...
巨匠・東山魁夷 「冬の花」 京都の北山杉を描いた作品です。 川端康成が文化勲章を受賞した翌年(1962年)にお祝いとして魁夷が贈ったものです。 その時、川端は睡眠薬中毒の治療のために入院していました。 この絵を気に入った川端康成は絵を病室に飾り、 「毎日、絵をながめてゐると...
メディカルハーブ レモンバーム 抗うつ効果があるとして知られるのがレモンバームです。 レモンバームの精油は、抑うつ状態を改善し、イライラや興奮を落ち着かせて、気分を鎮静させます。 こうした薬用効果の髙い植物は「メディカルハーブ」と呼ばれます。 概要 レモンバーム(英語:Le...
中国の漢の時代。弓の名人と謳われた天下無敵の将軍がおりました。 ある日、山奥に狩りに出掛けたときのこと。かなたの岩山に虎がうずくまっているのが見えました。気づかれぬうちに、急いで弓に矢をつがえ、満月のごとく引き絞って矢を放つと、見事に虎に突き刺さりました。 しかし、虎は身動...
大阪、船場は徳川時代の三百年間、天下の台所と言われただけに独特の文化を持っています。 代表例が船場の日常挨拶、「お変わりございませんか」。 元気で働くことが日常の基盤という考えで、まず病でないかを尋ねて、相手の身を案じます。 この挨拶に対する答礼が、 「お陰様で」 わずか一...
梅は日本に自生していたという説と中国から伝来したという2つの説があります。現在は、中国伝来が有力視されていますが、梅はシベリア地方で産まれ、蒙古を通じて中国に渡り、それが日本に持ち込まれたという話も出てまいりました。 渡来の歴史は古く、万葉集に梅を詠んだ歌は100首を超えて...
名古屋を中心にライバル関係にある銀行で、気になる動きがあります。 それは、不祥事をはじめとする「負の連鎖」です。 7月に愛知銀行で発生したトンデモナイ事件。まもなく11月19日には第二回目の裁判も開かれ、話題が続きます。 その愛知銀行とライバル関係にある中京銀行でも、後を追...
湖に浮かべたボートを漕ぐように、人は後ろ向きに未来へ入ってい
フランスの大詩人、ポール・ヴァレリーの言葉です。 ボートを漕ぐ姿を想像してみてください。 湖に浮かぶボートって、オールを持つ漕ぐ人の、後ろ向きに進んでいきます。 ほら、千鳥ヶ淵の手漕ぎボートとか、不忍池とか・・・ ポール・ヴァレリーは、その姿を、時という湖に浮かぶボートとし...
日々是好日 「毎日がいいことばかりだと、楽しいだろうな」。 苦労やストレスの多い毎日を過ごしていると誰しもがそう考えるでしょう。 しかし、それが妄想だと指摘できるのは、毎日は決してうまくいかない事の連続だから。 人は、毎日が決していいことばかりではないと悟っているのです。 ...
ユリ(百合) 呪いをかける花~戦国時代のクロユリ伝説 ユリは夏の花と呼ばれますが、種類が多く、開花時季は5月から9月までと幅が あります。花暦では7月はユリとクチナシですが、このユリは7月に花が咲く ヤマユリを想定してのこと。万葉集にユリとあるのもヤマユリを指していま ...
クズ(彼岸花) 不死鳥に似た生命力。強く生きよと呼びかけてきます クズの花を紹介します。 秋の七草のひとつ、フジやハギと同じマメ科の植物です。 茎は6メートルを超える長き蔓にり、一つの柄に3枚の大 きな葉が付きます。花はフジに似た紫色で、甘い香りを漂 わせる可憐な蝶型に...
(10月の花より) リンドウ(竜胆) 秋の最後を飾る、内に秘めたる生命力を見よ 秋の山や丘陵地で美しい青紫色の花がひときわ目を引きます。リンドウは 秋の七草に入っていないものの秋の野草の中で最も色も形も趣に富んだ花で す。青紫色のほかにも桃や白色もあり、筒状をした鐘形の花...
(10月の花より) ノギク(菊) 苦労の影を見せない苦労人。太陽の申し子とも。 万葉集には160種類の植物名が登場しますが、キクを詠んだ句は一首も ありません。 奈良時代の末頃に中国から伝来したといわれるキクですが、野や山で可憐に 咲く野菊は大昔から自生していました。九...
サザンカ 「困難に打ち克つ」。見た目そっくりなツバキとは表と裏の関係 日本特産の常緑樹で本州西端、九州、四国に自生します。 椿に似ていますが椿はにぎやかな春の花であるのに対してサザンカは晩秋の花です。同じツバキ科でありながら表と裏のような関係です。 サザンカは一つづつ枝の...
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