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【公的勇者】ソーサリー主人公が高卒公務員だった場合 http://respect68.dbmschool.net/

愚痴と不満が渦巻くニヒリズムファンタジー 「スティーブジャクソンのソーサリー」の邪推プレイブログです。 皮肉屋な主人公が「愚痴と不満」で世界を救う活躍を、元国家公務員が十数年間経験した役人生活を振り返りつつ描きます

ご都合主義はどうやって起こる? 最初に渡される金貨は給与何か月分? 48種類の魔法が自由に選べない理由は? 主人公はどれくらい危険? …など、ゲームプレイ中はさほど気にならないディティールにこだわって書いていますので、ソーサリー好きな方で、私の邪推にお付き合いいただける方は是非楽しんでいただければと思っています。

四緑文鳥(469buncho)
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2020/10/26

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  • 【アクシデントの82話】ボッチが好きなフランカーに共感する

    とにかくガチの戦闘は避けたい。できれば1回も経験せず、この任務を終えたかった。ジャンの魔法防護壁さえなければ、こんな刺客の一人や二人、呪文でカタを付けられたのに… 嫌々臨んだ純粋な剣技でのバトルだったけど、意外に好成績だった気がするね。2回ほど

  • 【アクシデントの81話】カツラ疑惑の追及を阻んだ刺客

    ミニマイトには謎が多い。仮に連中が魔法を使うとしても、僕たちが学ぶそれとは系統が違うはずだから、人の心を読むのに必ずしもTELという呪文を使うとは限らない。 「どうして急にボクの頭を凝視するんだよ!」僕はホッとした。あまりにもいいタイミングで僕

  • 【アクシデントの80話】降って湧いたカツラ疑惑

    翌朝目覚めて、ふと指を折って出発からの日数を数えてみた。今日で5日目になる。ようするに、併任辞令が今回の任務に就いてから5日目の時点で、僕はシャムタンティの丘でようやくビリタンティを抜けたところにいる。これって、早いの? 遅いの?【王たちの冠】が

  • 【アクシデントの79話】「泊まらない」「食わない」で押し通す旅

    宿屋の料金は、貧乏な僕をあざけるかのような価格で、やり場のない憤りを感じるレベルでさ。宿泊が金貨5枚、食事が金貨4枚だって… 何度も言うけど、僕がこの任務を命じられて最初に持たされたのは金貨20枚だ。「1日20枚」とかじゃなくてさ、「全行程を通じ

  • 【アクシデントの78話】ビリタンティの深謀遠慮

    グランドレイガー酒場を出ると、僕はジャンに文句を言った。 「おいジャン。ビリタンティの人たちは、ここがGOGO対象外になったこと知ってるんだろ? ならなぜこんな高値を付けるんだ?」 本当はグランドレイガーに聞きたかったけど、彼は怖すぎるから質問を

  • 【アクシデントの77話】危機一髪! グランドレイガー酒場からの脱出

    ちなみに、前も何度か言ったけど、下級公務員の僕の年収は、今回の任務で渡された金貨20枚とさほど変わらない。年収の10分の1近い「ジョッキ1杯のエール」ってさ…バカ高い年代物のワインだって、1回で飲み切るわけじゃない。どう考えても高すぎだろ。ただ、

  • 【アクシデントの76話】アリ地獄! グランドレイガー酒場の恐るべきワナ

    ビリタンティは、ちょうどハロウィンの真っ最中だった。この村では今がその祭りの時期なんだ。子供たちがいたずらではしゃぎまわるのはいいんだけど、中にはエールで酔っぱらって狼藉を働いてる奴もいてさ。 あまりハメを外し過ぎると叩かれるぞ。来年参加するや

  • 【アクシデントの75話】ミニマイトのジャン

    この迷惑な生き物は自分の名を「ジャン」と名乗った。迷惑なくせにやけに親し気でさ。前方の村はビリタンティで、村人は親切だから、旅人たちはみなここで1泊はしていくと怪しいガイド情報を僕に聞かせてくるんだ。 客引きのバイトでもしてるんじゃないのか?僕

  • 【アクシデントの74話】魔法が使えない

    (試してみるべきだな)ミニマイトと魔法使いの関係性についてを 初めて使う洗剤は、衣類の目立たない部分で試すのがセオリー。もし色柄落ちする相性のものだったら、ダメージデカいからね。 だから僕も、今のうちにミニマイトに試してみるよ。強めの魔法を

  • 【皮肉の73話】「防御魔法」と「魔法防御」の違い

    丘を少し下ったところで一休みしたことで、僕の運命は変わった。 大きな丸い石に腰かけて、この先の道を見やった僕は、下方に開ける視線の先に、少し大きめの村があるのを見つけてホッとしたため、夕刻間近だってのにしばらくボンヤリしてしまったんだ。 太陽が急

  • 【皮肉の72話】疑惑のラスト問題

    「正解!」当たり前だ、そのくらい。だいたい、1問目でそんな引っ張るなよ! 「ではふたつ目の質問じゃ」小手調べは終わった。次がラスト問題だ。どんな難問が来るか?1問目の回答で、アリアンナの名を声に出して言ってみたことにちょっとドキドキが残る僕は

  • 【皮肉の71話】アリアンナとは別にそういうアレじゃないし…

    若き美女アリアンナとしたかったクイズバトルを、まさかこんな老人とすることになるなんて、思いもしなかった。ああ、アリアンナ(右のほうね)。君とはたぶん性格は合わないと思うけど、手料理を食べさせてほしい。そしてその後デュエルして、最後に一緒にチェキ撮ら

  • 【皮肉の70話】美女とのクイズバトルへの期待を、こんな形で回収する

    ダンパス村の出口は、いきなり二股に分かれている。1本は曲がりくねりつつの登り。もう1本は森へ続く下り。 もうわかってるよね? 僕の考え。シャムタンティの標高はシャンカー鉱山でピークを迎えた。もう登る方向へ行く気はない。森へ下るよ。 ほぼ午

  • 【皮肉の69話】ダンパス村で夜間労働

    こんな辺鄙な場所にまでハンナの魔の手が伸びているのか?言っとくがここはダンパス。離島じゃないんだぞ。 買い物した店の商人から、まさかのジョブ型労働を提案された僕は、もしハンナの手先ならばこのオヤジをぶった斬ってやろうと剣の柄に手をかけながら事情を聞

  • 【皮肉の68話】ダンパス村でジョブ型労働。ハンナの魔の手か?

    いかにもアイテムや情報をくれそうな村人たちの誘いを振り切った僕は、後ろ髪を引かれる思いでさらに村内を歩く。すると前方に、商人の小屋が2件並んでいるじゃないか!アイテム! そうか、ここで手に入れるように運命づけられていたんだな!ただほど高いものはない

  • 【皮肉の67話】ダンパス村の誘惑

    アリアンナの家から脱出した僕は、さっきの道まで引き返してきて、今度はきっちりダンパスの方向へ歩き始めた。午後の残された時間いっぱい北へ向かってひたすら歩くと、丘のてっぺんに出た。今度はそこから下って、川沿いにある小さな村を目指す。あれがダンパスだ。

  • 【皮肉の66話】ゴーレムとの戦闘に勝ち、アリアンナの商魂に敗れる

    いや、別に振り切って出て行ってもよかったんだけど、要は「デュエル!」ってことでしょ?あれ言われると強制戦闘に入らざるを得ないからね。 振り返ると彼女は、椅子に向かって何かの呪文を唱えている。やはり魔法使いだったか。 椅子はきいきいと音を立て始

  • 【皮肉の65話】もしアリアンナと付き合っても性格不一致で別れそう

    箱の中身はなんだろな? 宝箱を開ける瞬間のワクワクドキドキ感はたまらないね。しかも、アリアンナは魔法の道具を3つもくれる。内容にもよるけど、市価で金貨10枚程度はくだらないんじゃないかな? 開いてみるとそこに入っていたのは、・にかわの入った

  • 【皮肉の64話】アリアンナは美貌ひとつでガッポリ稼ぐ

    アリアンナがスタッフのエルヴィンを使って仕組んだこの脱出イベントには、やはり賞品が用意されていた。やったぜ! 狙いどおりだ。しかも、魔法使い用と戦士用の2タイプが用意されてるなんて、やるじゃん。 「わたくしはこの森で、魔法に必要なさまざまな品を集

  • 【皮肉の63話】アリアンナ脱出イベント

    アリアンナが泣いているのか?僕は見上げるほどの上背を持つ食器戸棚を回り込んで、鳴き声のする方へ向かった。 なぜかそこには大きな檻が置かれていて、中には若い女が閉じ込められている。よく見るとかなりの美人…いや、飛び切りの美女だ。これがアリアンナな

  • 【皮肉の62話】アリアンナのお宅訪問

    目的のアリアンナが、この先にいる!僕はほとんど走るような速さで森の中を進んだ。まだ陽が高い。たぶん正午前後だろう。アリアンナへ寄って、暗くなる前にダンパスへ入って、宿屋でゆっくりしたい。 今の手持ち金貨は4枚しかないから、果たしてダンパスで宿屋

  • 【皮肉の61話】ドケチの財務大臣がゆるせん!

    本当にアリアンナはこの道の先にいるのか?クリスタタンティの居酒屋でアリアンナのことを教えてくれた老人に、店へのアクセスをしっかり聞いておけばよかったと後悔したが、そのときの僕ときたら、空きっ腹にエールで完全に酔っぱらってたもんでね。 一応このあたり

  • 【皮肉の60話】アリアンナとのクイズ対決を夢見て…

    野良畑の農夫がそろそろ一休みしようとしてる光景が見えるから、もう午前10時ごろにはなってるのかな。ずいぶん歩いたな。早朝に出発したクリスタタンティがある中腹の丘も、もうここからは見ることができない。 やや下りながらひたすら歩いているこの道だけど、

  • 【皮肉の59話】牢の鍵206

    僕は金貨を1枚取り出し、乞食に渡した。こういうことがあるから、手元に数枚は残しておきたかったんだよね。 金貨5枚の宿賃+食事代を、金貨10枚相当の宝石で支払った損失を、わずかながらも取り返した気分だ(無理にでもそんな気分になるぞ)。 受け取った

  • 【皮肉の第58話】村はずれの乞食

    朝の陽ざしが、背後にそびえるシャンカー鉱山の山肌を照らしている。中腹の農村、クリスタタンティの朝は、何とものびやかだ。昨夜は暗くなりかけた時刻だったので、改めて明るい日の中でこの村の雰囲気を味わうと、なんだか僕はこのままここに住みついて、ここの村人た

  • 【皮肉の第57話】宿屋であらん限りの回復を…

    (仕方ない)宿屋が提示した正貨の倍の価値を持つ宝石(金貨10枚相当、おつり無し)を使って、支払いに充てることにした。もったいないが、仕方ない。 後になって「ここぞ」っていう絶好の使い時が来るかもしれないのは重々承知してる。けど、人生っていうのは

  • 【皮肉の第56話】貧乏人に旅行はムリ

    飲食店から宿屋へ向かう僕。カクハバードがGOGOの対象除外になった痛手をこれでもかと思い知りながら、憤然とした足取りで歩いていく。さっきの老人との楽しい語らいが無かったら、何もかもイヤになってたかもしれない。 とにかく今の体の弱り具合では、野宿は

  • 【皮肉の第55話】ボンバの実

    (僕はGOGO使ってない!)クリスタタンティの居酒屋へ入店した僕を、胡散臭そうに眺める村人たちの視線が痛い。 かろうじて店主だけが僕に声をかけてくれるけど、たった1杯のエールで金貨1枚を取ると言いだした。ジョッキ1杯のエールなんて、観光地でもせい

  • 【皮肉の第54話】GOGOボーナスステージ

    今回の緊急補正予算中で最大の事業予算が投じられた【王たちの冠】奪還。その命がけの任務を担当する唯一の国家公務員である僕に、なぜかその多額の予算による恩恵はまったく無い。 でもね、わが祖国アナランドの一部における賑わいは、僕の実情とかけ離れて派手さに

  • 【皮肉の第53話】GOGO奪還キャンペーン

    クリスタタンティの村へ入り、一軒の居酒屋を見つけた僕は、夕闇が村を覆う刻限に、一時の憩いを求めて中へ入った。店内には、ひと目でここの村人と判るいでたち(頭の上に結い上げた髪)の客があちこちに座っている。仲間とはしゃぐ一団もいれば、静かに飲み物の器を傾

  • 【皮肉の第52話】お得な観光地クリスタタンティ

    倒れているゴブリンたちの懐を探ったら、金貨が2枚見つかった。金欠だったからこれはありがたいね。それから、1人目のゴブリンの脇に落ちている歯が8本。これもなかなかいいね。魔法の道具になるし。 (メタ記述)金貨:4→6ゴブリンの歯:4→12 

  • 【皮肉の第51話】公務員勇者は運が悪い件

    もうここまででいいだろう。僕は坑道を出ることにした。体力の限界だし、とりあえずゴブリンのいた事務室奥の罠の廊下以外は全部見たからね。 厚生省が縄張りを主張して僕たちに開放しない屋内施設は、意外に少なかったわけだけど、どうやら粉塵被害を受ける労働者

  • 【2分で読める第50話】公務員勇者がお宝をガメる件

    オーガの体は、昨夜僕を襲ってきた狼男よりは小さいけど、それでもやっぱり見上げるばかりの巨漢だ。それに、広背筋と上腕二頭筋あたりの躍動感が、けた外れな腕っぷしの強さを顕わにしている。おまけに指先は、鉄みたいな爪で覆われてるから、ある意味刃物を10本持っ

  • 【2分で読める第49話】公務員勇者がブラックを許せない件

    呪文で開けた扉を抜けて部屋へ入り込むと、そこはかなりの広さだった。 たぶん何かの倉庫だろうね。部屋の一角には黒い岩石が山盛りに積みあげられてる。石炭か? 粉塵とかいろいろ気になるよね。室内だし。これ、厚生省にはちゃんと報告してるのか? 防護マ

  • 【2分で読める第48話】公務員勇者が物色にこだわる件

    中抜きの手先・現場監督ゴブリンを倒した僕は、ヤツの最後っ屁みたいな罠にかかることもなく、最初の分かれ道へ引き返してきた。しかし、SUSまで使って体力消費した割に、値打ち物にはありつけなかったな。 となれば、これで坑道を出てしまうなんてありえないよね

  • 【2分で読める第47話】公務員勇者が罠を避ける件

    「チッ」値打ち物は見つからなかった。どこかに何かを隠してるみたいなんだよな。というのは、ゴブリンが首に銀の鍵をかけてるからね。 肌身離さず身に付けてるなんて、絶対にお宝のありかの鍵だと思うんだよね。鍵には「111」という数字が刻まれている。こ

  • 【2分で読める第46話】公務員勇者がとにかくガチ勝負を避ける件

    中抜きの疑いありとみたゴブリンに迫る僕。その気配を察して、巨大な石の棍棒を手に立ち上がったゴブリン。もはやどちらかが、あるいは両者が血を見ずには収まるまい。 (メタ記述)主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力11 ゴブリン:技量7 体力6

  • 【2分で読める第45話】公務員勇者がNAKANUKIを許せない件

    僕はそっと足を忍ばせて室内に入った。ゴブリンと言えばたいていは大ざっぱな連中だから、少々のことでは目を覚ましたりしないと思うんだ。すすだらけで真っ黒の寝顔を横目で見ながら、僕は部屋の中央に向かった。 しかし、考えが甘かった。このゴブリンは、ゴブ

  • 【2分で読める第44話】公務員勇者がクラピカ理論にこだわる件

    右か左か迷ったとき、人は無意識に左を選択するケースが多い。だから、罠があるとすれば左に隠されていると思え。ねんどろいど HUNTER×HUNTER クラピカ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア これは、僕が生まれ育ったアナランドに古くから伝わる格言で、ど

  • 【2分で読める第43話】公務員勇者は「場に溶け込む能力」が肝心な件

    僕は用心しながら鉱山へ近づき、木の陰に隠れながら前方の空き地をそっとうかがった。 かなりの数のゴブリンたちが集まっていて、キラキラ輝く岩とか、金塊っぽいかたまりが詰まった入れ物を抱え、洞窟を出たり入ったりしてる。あの中を抜けていかないと、屋内施設に

  • 【2分で読める第42話】公務員勇者が縄張りの境界線で『等』を叫ぶ件

    旅の二日目は、ひんやりした朝から始まった。僕は相変わらず丘を登り続けていた。途中で道が張り出して、そこだけ宙に浮いた感じの場所を見つけて、オヤと思って立ち止まった。 杭が何本か地面に打ちつけてあるんだけど、そこにはおぞましい光景があった。先端に

  • 【2分で読める第41話】VS! 狼男!

    キャンプに出現したのは、このあたりで最強の夜行生物・狼男。僕は覚悟を決めて立ちあがり、戦闘態勢に入った。立ってみると、狼男のデカさがわかる。2メートル30センチから50センチくらいはありそうで、これだけ距離を保ってもなお、首を上に傾けないと顔が見えな

  • 【2分で読める第40話】危険な野宿

    野宿を決め込んだ僕は、適当な場所でキャンプを張った。気が張っていたこともあって空腹感はなく、乏しい食糧のことを考えて食事は摂らずに毛布へくるまった。夜行性の生き物の存在だけが気がかりだった。 眠っていると、何やら足音がする。最初は小動物かと思っ

  • 【2分で読める第39話】登るか?下るか?

    樹上の老人に出会ったとき、道が二手に分かれていたことを覚えているかな?再びそこへ戻った僕は、躊躇なく丘を登る道を選んだ。下りは谷間を下って行くんだけど、分岐する地点から見ると当然低い位置になる。だから、視界が開けて気持ちいいんだ。 ってことで下

  • 【2分で読める第38話】さっそくの害虫駆除?

    妙な物音は、不快な羽音だった。僕は耳元で虫の羽音がすると、ブルブルッ!と頭を振って払いたくなるタイプなんだけど、みんなもそうかな? その気になって見上げるとすぐにわかるんだけど、蜂の巣があってね、音はそこからのものだった。さっきは老人を助けるのに

  • 【2分で読める第37話】樹上老人

    ブツブツと文句を言いながら30分ほど歩くと、ようやくシャムタンティの丘を登る斜面に差し掛かった。連なる丘を目指して昇り続けると、やがて道が二手に分かれる場所に来た。 「さて、どっちへ行くか」じつは僕の意思は最初から決まっていて、別に迷うことはなか

  • 【2分で読める第36話】イートにダマされて負担増になってたまるか!

    まんまと山賊二人を撃退した僕は、カントパーニから無事に離れることに成功した。せっかく村に入ったのだから、どうせなら食料を調達したかったんだけどね。僕は背負い袋に入れてある、たった2食分の食料のことを考えた。出張伺いに期間の日数を書けなかったことが原

  • 【2分で読める第35話】初めての魔法発動

    僕はここで、JIGの魔法を選択した。さっき買った竹笛が、さっそく役立つときだ。 剣を立てて迫ってくる山賊ふたりに向き合ったまま、僕は呪文を唱え、笛に唇をあてた。(何してるんだ、コイツ?)という訝し気な表情が、山賊たちの顔に一瞬よぎる。  まだ

  • 【2分で読める第34話】そうだ。魔法について語っておこう

    ところで、「魔法」ってどんなものか、知ってる?この旅で初めて魔法を使うことになるから、最初に1回だけ説明しておくよ。 魔法って聞くと、不自然で不可思議で非現実的なものだって思っちゃうよね。 でもね、魔法ってのはあくまでも『超』自然現象であって「

  • 【2分で読める第33話】山賊登場

    カントパーニの出口近くまでたどり着いた。もはやこの辺は中心地から離れていて、小さな小屋が点々と並ぶだけのうすら寂しい場所だ。 その間を抜けていくうちに、妙な違和感をおぼえたんだ。どこかで「シッ」と声を殺す気配がする。戸口の陰からこちらをうかがう

  • 【2分で読める第32話】さらばカントパーニ

    「待て」入ってきた戸口から出ようとすると、商人は僕を呼び止めた。彼は倉庫の奥を指差して、あそこから外に出ろと言う。 どういうつもりだろうとは思ったけど、僕は大人しく従った。おそらくカントパーニに進駐しているマンパンかフェンフリーの工作員が、何か

  • 【2分で読める第31話】がっちり買いまSHOW! 金額DON!(歯と宝石)

    斧の価格交渉をミスった僕は、気を取り直して次の商品に目を移した。 5.歯がたくさん入った袋歯は、魔法呪文の媒体になり得る。ただし、特定の生き物に限ってだけどね。だから、一口に「歯」といっても、その内容がとても重要なんだ。けど、どうも商人はさっきの

  • 【2分で読める第30話】がっちり買いまSHOW! 金額DON!(笛と斧)

    まだ買うと決めきってはいないけど、金貨9枚の剣はほぼ確定と考えると、残り金貨は11枚。慎重に決めていこう。 3.笛笛があるけど、たぶん竹笛だ。あれは魔法の道具になるんだ。 「笛は金貨4枚だよ」またもや判断に迷う、痛い金額だ。 でも今の

  • 【2分で読める第29話】がっちり買いまSHOW! 金額DON!(薬草と剣)

    手持ち金貨20枚をガッチリと握りしめ、僕は熟練の仲買人のように台上の商品を見定めた。太った商人の表情を読み取りながら、金額の交渉をしていく。 1.薬草薬草は金貨4枚ということだ。僕は背筋が寒くなった。だってさ、「金貨20枚」が僕の年収に近いレ

  • 【2分で読める第28話】がっちり買いまSHOW! 商品DON!

    でっぷり太った商人のオヤジが、対照的に痩せ型な僕の前に並べた6つの商品はこれだ。 ・薬草・鋭い広刃の剣(キタ━(゚∀゚)━!っ!)・笛・不思議な彫刻のついた斧・歯がたくさん入った袋・美しく輝く宝石 やったぜ!僕が今、最も欲する『剣』がラインナ

  • 【2分で読める第27話】商品の大半は、秘密の○○?

    僕の死角で蠢く、怪しい倉庫番の商人。さっそく命を狙われる展開を迎えるか? ヤバいかもな・・剣の柄をを握りしめる僕。 ホントはまともな剣を調達してさ、むしろこれからが本番になるはずの戦いに備えたいんだ、僕は。なのにこのままじゃ、このなまくら剣

  • 【2分で読める第26話】この会話、監視されてる?

    案内の男が倉庫を立ち去って、太った商人と僕の二人だけになった。 他に誰も居ないのなら、話してくれないかなあ?このカントパーニに何が起きているのかを・・。 僕が目で合図を送り、質問を口をしかけた瞬間、商人はまるでそれをさえぎるかのように「そこへ座

  • 【第25話】急な設備増強の背後には、誰かによる何らかの企みがある(ハズ)

    結局まだ今の時点では、僕にもカントパーニに侵攻していると思しき勢力の見分けがつかないんだ。案内の男の、幅広で筋肉質な背中を見つつ、僕は彼に従って村の奥へ進んでいく。 小屋に入ると、ここが倉庫だということがすぐにわかった。環境庁の倉庫によく似ていて

  • 【第24話】ぶっちゃけフェンフリー同盟の盟主シャランナ王のほうが怪しいと思う

    男は僕を、村の奥の大きな小屋へ案内した。 その道中でコッソリと、カントパーニにかかっていると思しき圧力についての事情を聞きたかったが、男は僕が目配せすると目をそらし、耳元へ口を寄せようとすると歩く速度を速めて近づくことを許さない。 今この瞬間も、

  • 【第23話】知り合いが「初対面のふりをする」・・その裏にある事情を洞察せよ

    カントパーニに入るなり、突然行く手をさえぎられてしまった僕。 目の前に立った男は、小柄だががっしりした男だ。あらためて顔をよく見てみると、この近くの林や渓谷の合間で、よく土木作業をしている男だった。環境調査のフィールドとバッティングすることが多い

  • 【第22話】ゴミをもらうため、不要な消耗品払出申請をする不毛な時間

    虎穴に入らざれば虎子を得ず。 カントパーニの村の入り口(といっても、道沿いに小屋が並ぶ一帯を村と呼んでるだけから、明確な“入口”なんてないけどね)でいったん仁王立ちし、行く手に佇む大小の小屋を睥睨するように見渡してから、僕は歩き出した。 通りには

  • 【第21話】進むも死、引くも死。ならば我が道を全うすべし・・・

    今のところフェンフリーのシャランナ王は、あからさまにアナランドを敵視した態度を見せてないけれど、同盟国のいくつかにけん制させているというのが、商人たちのほぼ一致した見方だ。 今もアナランド南西部は隣国から軍事的な圧力を受けてるけど、原因はそこにあるら

  • 【第20話】勇者は訪問先の事情を調べてから行け

    無責任な無茶ぶりには、無法者がお似合いだ。何かっちゃぁ文句をたれる僕は、だからこそこの仕事の担当に就かされたのかもしれない。だとしたらそれはそれでムカつくけど、もしもそんな評価を受けているのなら、公務員としての今後の身の振り方には要注意だ。組織内遊

  • 【第19話】外敵から身を守る手段を考えなきゃならんのも、きっと政府のせいだ

    官庁の二極化で弱者側にいるムシャクシャ感とともに、カントパーニ村に近づく僕。シャムタンティの丘のふもとに位置するこの集落は、左右に建ち並ぶ小屋の真ん中を、一本の道が真っ直ぐに通るという分かり易い造りになっている。村人たちに全身をさらしながら中央通りを歩く

  • 【第18話】村に入る前から、事業官庁の卑しいリスクヘッジのことを考える

    1時間ほど歩くと、遠くに小さな集落が見えてきた。カントパーニという村だ。先刻アナランドの城門を出る前に、サイトマスターの軍曹が親切で僕に教えてくれた村の名だけど、実は僕はカントパーニをよく知っている。さっき「危険な土地カクハバードがアナランドの経済を支え

  • 【第17話】実はアナランドにとって“命の綱”のカクハバード

    門を出た僕は、軽快な足取りで歩き出した。何とも皮肉な話だけど、僕にとっての“敵”は、自国領を出たことで半減したと言ってよい。今の僕の敵といえば、純粋な戦闘で戦えばよいだけの盗賊とか、僕の命を狙って罠や攻撃を仕掛けてくるマンパンの使いたちだけになったからだ

  • 【第16話】主に「中抜き」を行い、事業は「ついでに」するスタイルが生んだ悲劇

    フェンフリー国の王・シャランナから借り受けた世界の至宝【王たちの冠】を、アナランドが奪われたことだって、冠をダシにした既得権者の金儲けがそもそもの原因だと思うよ。連中にとっては冠の警備なんて「ついで」みたいなものだったんだろう。だから、いちばん肝心なとこ

  • 【第15話】実力主義・ジョブ型雇用は弱民のもの。既得権益ボーナスは上級民のもの

    ちなみに、異様ないでたちではあるけど、サイトマスターはれっきとした人間だよ。衣装が奇抜なせいと、彼らが受ける特殊訓練によって、特別に発達した目のサイズの大きさが目立つので、エルフ族やドワーフ族などと比較すると人間離れして見えるけども、サイトマスターは僕と

  • 【第14話】サイトマスターの知られざる働き方と需給バランス

    粗末な朝食を摂り終えた僕は、いよいよカクハバードとアナランドを隔てる門の前までやって来た。目の前にはサイトマスターという監視専門職の公務員が立って、はるか頭上の見張り台との交信を行っている。サイトマスターの数はさほど多くないが、求められる現場はかなり多い

  • 【第13話】心療内科へ行くよりも、国を出よう

    いやはや、愚痴ばっかりで気を悪くしたらごめんよ。出発直前で気持ちが落ち着かなくってね・・初日だってのになんだか、今日にいたるまでのウラ事情ばかりがあふれてきてさ。任務はこれからだけど、すでに疲労困憊な感じで全身に倦怠感が・・・こういうときって、やっぱ心療

  • 【第12話】上流の失態への不満は下流の下っ端が体で受ける

    崖に向かって立つ僕の背中に、宮廷官僚たちの出世欲と保身欲が押し寄せてくる。すでに足は半分、空を踏んでいる。いや、たしかに「この担当に就かないか?」という打診に、僕は応じたよ。でもそこには複雑な事情が絡み合い、本心から任務に前向きな返答をしたわけじゃない。

  • 【第11話】僕は勇者じゃなくて『担当者』なんですけど

    下級官僚に対する無茶ぶりと、世界平和を崩壊させかねない”敵陣営への手の内発表”が、宮廷官僚主導のもとで進み始めた(発表するのは傀儡みたいな政治家だけどね)。まあ、宮廷官僚による害悪は、別に彼らのお側近くで接していなくともタップリ堪能できるってことさ。とも

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