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Arkios Diary 吉野源三郎と『君たちはどう生きるか』 https://qna4i74bwyy0.blog.fc2.com/

今のところは「君たちはどう生きるか」の解説記事を中心としています。隠されている吉野源三郎の意図をすべて明らかにしてゆきます。

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2020/10/09

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  • "Responsibility and Judgment" Hannah Arendt

    すべての深い精神は仮面を必要とする。いな、それどころか、すべての深い精神のまわりには絶えず仮面が成長する。彼の発する一語一語、彼の足取りの一歩一歩、彼の生のしるしの一つ一つが、絶えず間違った解釈に、すなわち浅薄な解釈にさらされるためなのである。『善悪の彼岸』ニーチェ(■3■は、この記号以降の英文が原文のページ3の内容であることを示す)■3■Ladies and Gentleman:紳士淑女の皆様、1Ever since I received the r...

  • ガンダーラの仏像はギリシア人がつくった?!んなバカな。

    池上氏は、自分自身の頭を使って考えて欲しいと願った吉野源三郎の想いを最大限尊重し、「君たちはどう生きるか」の内容に関し、直接的なネタバレをしないような大人の態度をとっています。さすがですよね。100分de名著シリーズの「池上彰特別授業 君たちはどう生きるか」を慎重に読んでみると、そのことをうかがい知ることが出来ます。このテキストの第三講、「歴史」について、最初、「誰が仏像をつくったのか」と題された段落...

  • 本:100分de名著 ニコマコス倫理学

    オンライン読書会の課題図書として、Kindleで購入し、読破しました。「ニコマコス」倫理学は、「西洋古典叢書」版のを一冊買ってあるのですが、何度か読みかけては投げ出しています。これを機会に読破できればな。100分で名著シリーズのこの本は、とても良いと感じます。このシリーズ、いいですよね。今は読書会のお相手と調整中ですが、順調に推移すれば、スマホアプリtaklstandを使った読書会に初参加することになりそうでせう。...

  • 本:「僕たちはなぜ働くのか」

    Gakken監修:池上彰けっこう驚かされました。「君たちはどう生きるか」の流行にあやかりタイトル付けして売上げを露骨に狙う本がちらほら見受けられ、嫌な気分にさせられましたが、この本はそうしたものと一線を画しているようです。本のスタイルは漫画版の「君たちはどう生きるか」と同じ、漫画でおはなしが推移しつつ、ところどころにテキストによる解説がなされています。また、テキストの内容的にも、「君たちはどう生きるか」...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 18:壷のいしぶみ、市川村多賀城に有り。

    Details 【原文】 壷 碑 市川村多賀城に有。 つぼの石ぶみは、高サ六尺余、横三尺計(ばかり)カ。苔を穿ちて文字幽(かすか)也。四維国界(しゆみこくかい)之数里をしるす。「此の城、神亀(じんき)元年、按察使(あぜち)鎮守府将軍、大野朝臣(おおののあそん)東人(あづまびと)之所置也(おくところなり)。天平宝字六年、参議東海東山(とうせん)節度使、同じく将軍恵美朝臣(えみおあそん)アサカリ修造...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 18:壷のいしぶみ、市川村多賀城に有り。

    Details 【原文】 壷碑(つぼのいしぶみ) 市川村多賀城に有り。 つぼの石ぶみは、高サ六尺余、横三尺ばかりか。苔を穿ちて文字幽(かすか)也。四維国界(しゆいこくかい)之数里をしるす。「此の城、神亀元年、按察使鎮守符(府)将軍大野朝臣東人(あぜちちんじゅふのしょうぐんおおののあそんあずまびと)之所里也。天平宝字六年、参議東海東山節度使、同将軍恵美朝臣アサカリ修造尚。十二月遡日」と有り...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 17:名取川を渡つて仙台に入る。

    Details 【原文】 名取川を渡つて仙台に入る。あやめふく日也。旅宿をもとめて、四、五日逗留す。爰(ここ)に画工加衛門と云ふものあり。聊(いささか)心ある者と聞きて、知る人になる。この者、「年比(としごろ)さだかならぬ名どころを考へ置き侍れば」とて、一日(ひとひ)案内す。宮城野の萩茂りあひて、秋の景色思ひやらるゝ。 玉田・よこ野、つゝじが岡はあせび咲くころ也。日影ももらぬ松の林に入りて...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 16:岩沼に宿る。

    Details 【原文】 岩沼に宿る。 武隈の松にこそ、め覚むる心地はすれ。根は土際より二木(ふたき)にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。先づ能因法師思ひ出づ。往昔(そのかみ)、むつのかみにて下りし人、此の木を伐(き)りて名取川の橋杭(はしぐひ)にせられたる事などあればにや、「松は此のたび跡もなし」とは詠みたり。代々、あるは伐り、あるは植継ぎなどせしと聞くに、今将(はた)千歳のかたちとゝ...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 15:鐙摺、白石の城を過ぎ、

    Details 【原文】 鐙摺(あぶみずり)、白石の城(じょう)を過ぎ、笠島の郡(こおり)に入れば、藤中将実方の塚はいづくのほどならんと、人にとへば、「是より遙か右に見ゆる山際の里を、みのわ・笠島と云ひ、道祖神の社、かた見の薄(すすき)、今にあり」と教ゆ。此(こ)の比(ごろ)の五月雨に道いとあしく、身つかれ侍れば、よそながら眺めやりて過ぐるに、蓑輪・笠島も五月雨の折にふれたりと、 笠島はいづ...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 14:月の輪のわたしを越て、

    Details 【原文】 月の輪のわたしを越えて、瀬の上と云ふ宿に出づ。佐藤庄司が旧跡は、左の山際一里半計(ばかり)に有り。飯塚の里鯖野と聞きて尋ねゝ行くに、丸山と云ふに尋ねあたる。是庄司が旧館也。麓に大手の跡など、人の教ゆるにまかせて泪を落し、又かたはらの古寺(ふるでら)に一家(いっけ)の石碑を残す。中にも二人の嫁がしるし、先づ哀れ也。女なれどもかひゞしき名の世に聞えつる物かなと袂をぬらしぬ。堕涙...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 13:等窮が宅を出て五里計(ばかり)、檜皮(ひはだ)の宿を離れてあさか山有。

    Details 【原文】 等窮が宅を出でて五里計(ばかり)、檜皮(ひはだ)の宿を離れてあさか山有り。路(みち)より近し。此のあたり沼多し。かつみ刈る比(ころ)もやゝ近うなれば、いづれの草を花かつみとは云ふぞと、人々に尋ね侍れども、更に知る人なし。沼を尋ね、人にとひ、「かつみかつみ」と尋ねありきて、日は山の端(は)にかゝりぬ。二本松より右にきれて、黒塚の岩屋一見し、福島に宿る。 あくれば、しのぶもぢ摺...

  • Kindle ¥0:「芥川の事ども」菊池寛

    Amazon.co.jp 青空文庫 一番左が菊池寛、その隣が芥川龍之介。 長崎への仲良し旅行滞在中の写真。 菊池寛は1937年に出版された日本少国民文庫の7巻、「日本の偉人」の著者。菊池のこの作品の中に、芥川の火葬に参列した事と、そこに山本有三も居たことが書かれている。菊池寛・山本有三・芥川龍之介は1927年の芥川の死の時点で既につながっていたことがわかる。1937年に「君たちはどう生き...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 12:とかくして越行まゝに、あぶくま川を渡る。

    Details 【原文】 とかくして越行(こえゆく)まゝに、あぶくま川を渡る。左に会津根(あいづね)高く、右に岩城(いわき)・相馬・三春の庄、常陸(ひたち)・下野(しもつけ)の地をさかひて山つらなる。かげ沼と云所を行に、今日は空曇て物影うつらず。 すか川の駅に等窮といふものを尋て、四、五日とゞめらる。先(まづ)「白河の関いかにこえつるや」と問。「長途(ちやうど)のくるしみ、身心(しんじん)つかれ...

  • 「を」

    リンク元:オトナの美文字.com美しい「を」の書き方〜今日のオトナの美文字〜...

  • 古本とおし花 「寮の前にあったの」

    ネットで買った古本の、白水社のヒルティの「幸福論」(1966年第6刷)に、前の持ち主が押し花を残していた。便せんにセロハンテープで留められた、小さな花と、小さな草。そこには、流麗でやさしげな文字でこう書いてあった。寮の前にあったの。夜間にどうしても おしばをしたくてとりに行ったの 部屋の人に笑われながら。 でもすてきでしょう。すっかり色あせてはいたものの、可愛らしくて...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 11:心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。

    Details 【原文】 心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。「いかで都へ」と便(たより)求しも断(ことわり)也。中にも此関は三関の一にして、風騒の人(ひと)心をとゞむ。秋風を耳に残し、紅葉を俤(おもかげ)にして、青葉の梢猶あはれ也。卯の花の白妙(しろたへ)に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。古人冠を正し衣装を改し事など、清輔の筆にもとゞめ置れしとぞ。 卯の花をかざしに...

  • 本:「幸福論」ヒルティより、「仕事をするこつ」

    Details 仕事をするこつ 仕事をするのも一つの技術であるが、この技術はあらゆる技術の中でもっとも大事な技術である。 仕事と休息、これは一見相いれない対立物のようだが、はたしてそうだろうか? 自然的な休息にのみ中断をゆるすだけの、絶えざる有益な活動の状態こそ、地上におけるもっとも幸福な状態である。 人生は決してこれを「享楽」しようと思ってはならぬ。これが実を結ぶように形成しようと願わなけ...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 10:是より殺生石に行。

    Details 【原文】 是より殺生石に行。館代より馬にて送らる。此口付のおのこ、「短冊(たんじゃく)得させよ」と乞。やさしき事を望侍るものかなと、 野を横に馬牽むけよほとゝぎす 殺生石は温泉(いでゆ)の出(いづ)る山陰(やまかげ)にあり。石の毒気(どくき)いまだほろびず、蜂・蝶のたぐひ、真砂の色の見えぬほどかさなり死す。 又、清水ながるゝの柳は、蘆野の里にありて、田の畔(くろ)に残る。此所の群守戸部某(こ...

  • 「人生論」 トルストイ 1

    第一章 【人間の生命の根本的な矛盾。】 人はだれしも、自分が快適になるために、自分の幸福のためにのみ生きている。 人間にとって大切で必要なのは、自分のものと感ずる生命の中での幸福、つまり自分の幸福だけである。 (ところが、すべての人が同じようにそう考えるので)自己の個人的な幸福が、そう簡単に手に入るはずがないばかりか、たぶん自分から奪いとられるに違いないということに気が付く。 人はさらに...

  • Chopin - Fantaisie Impromptu

    ...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 9:当国雲岸寺のおくに、仏頂和尚山居跡有。

    Details 【原文】 当国雲岸寺のおくに、仏頂和尚 山居跡有。 竪横の五尺にたらぬ草の庵(いほ)むすぶもくやし雨なかりせば と、松の炭して岩に書付侍りと、いつぞや聞え給ふ。其跡みんと雲岸寺に杖を曳ば、人々すゝむで共にいざなひ、若き人おほく道のほど打さはぎて、おぼえず彼梺(ふもと)に到る。山はおくあるけしきにて、谷道(たにみち)遙に、松杉黒く苔したゞりて、卯月の天今猶寒し。十景尽る所、橋をわたつて...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 8:黒羽の館代浄坊寺何がしの方に音信ずる。

    Details 【原文】 黒羽の館代浄坊寺何がしの方に音信(おとづる)。思ひがけぬあるじの悦び、日夜語りつゞけて、其弟桃翠(たうすゐ)など云が、朝夕勤とぶらひ、自の家にも伴ひて、親属の方にもまねかれ、日をふるまゝに、ひとひ郊外に逍遥して、犬追物の跡を一見し、那須の篠原をわけて、玉藻の前の古墳をとふ。それより八幡宮に詣。与市扇の的を射し時、「別しては我国の氏神正八まん」とちかひしも、此神社にて侍と聞ば、...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 7:那須の黒ばねと云ふ所に知人あれば、

    Details 【原文】 那須の黒ばねと云所に知人(しるひと)あれば、是より野越にかゝりて、直道(すぐみち)をゆかんとす。遥に一村を見かけて行に、雨降日暮る。農夫の家に一夜をかりて、明れば又野中を行。そこに野飼の馬あり。草刈おのこになげきよれば、野夫(やふ)といへどもさすがに情(なさけ)しらぬには非ず。「いかゞすべきや。されども此野は縦横にわかれて、うゐうゐ敷旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば、此馬のとゞ...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 6:卯月遡日、御山に詣拝す

    Details 【原文】 卯月遡日(ついたち)、御山(おやま)に詣拝す。往昔(そのかみ)、此御山を「二荒山(ふたらさん)」と書しを、空海大師開基の時、「日光」と改給ふ。千歳未来をさとり給ふにや、今此御光一天にかゝやきて、恩沢八荒にあふれ、四民安堵 の栖(すみか)穏(おだやか)なり。猶(なお)、憚(はばかり)多くて筆をさし置きぬ。 あらたふと青葉若葉の日の光 黒髪山は霞かゝりて、雪いまだ白し。 剃捨...

  • ショパン 「夜想曲 第2番」 変ホ長調 Op.9-2

    ショパン - 夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2 アシュケナージ...

  • トルストイと吉野源三郎

    Details 「われら 何を なすべきか」トルストイ それならいったいどうすればいいのだ? われわれは何をすべきなのか? この疑問は、われわれの生活がよくない不正なものであるという認識と、同時に、やはりこれを変えるわけにはいかないという主張のようなものを含んでいる。 他人に対しても、自分に対しても嘘はつかぬこと、いかなる結果に導かれようとも、真理を恐れぬこと そこで私は思うのだが...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 5:卅日、日光山の麓に泊まる。

    Details 【原文】 卅日、日光山の麓に泊まる。あるじの云けるやう、「我名を仏五左衛門と云。万正直を旨とする故に、人かくは申侍まゝ、一夜の草の枕も打解て休み給へ」と云。いかなる仏の濁(ぢょく)世塵土に示現して、かゝる桑門の乞食巡礼ごときの人をたすけ給ふにやと、あるじのなす事に心をとゞめてみるに、唯無智無分別にして正直偏固の者也。剛毅木訥の仁に近きたぐひ、気稟(きひん)の清質、尤尊ぶべし。 【現...

  • 本:日本少国民文庫 世界名作選(二) 目次

    本:日本少国民文庫 世界名作選(二) 目次シャベルとつるはし・・・・・・・・・・・・ジョン・ラスキン/中野良夫訳一握りの土・・・・・・・・・・・・・・・・ヘンリー・ヴァン・ダイク/石井桃子訳郵便配達の話・・・・・・・・・・・・・・・カレル・チャベック/中野良夫訳訳塀を塗るトム・ソーヤー・・・・・・・・・・マーク・トウェイン/吉田甲子太郎訳断章(詩)・・・・・・・・・・・・・・・・ポール・クローデル/堀口大...

  • 動画:作家・保阪正康氏 「戦後70年 語る・問う」② 2014.10.7

    作家・保阪正康氏 「戦後70年 語る・問う」② 2014.10.7  とても尊敬しています。 古本屋で「昭和天皇実録」を見かけたので、手に取ってみましたが、文体が難しいですし、深く理解するにはとても大変そうでした。ちょっと自分には無理かな、と、憧れつつもあきらめました。...

  • トップ・オブ・ザ・ワールド【訳詞付】- カーペンターズ

    カーペンターズは英語の勉強にもいいですよね。...

  • ショパン「12の練習曲 Op.25」

    ショパン - 12の練習曲 Op.25 アシュケナージ...

  • 「パンセ」パスカルより

    77 私はデカルトが許せない。彼はその全哲学のなかで、できることなら神なしですませたいものだと、きっと思っただろう。しかし、彼は、世界を動き出させるために、神に一つ、つま弾きをさせないわけにいかなかった。それからさきは、もう神に用がないのだ。 そうだろうか? デカルトは、自ら発見した二進数に、神の定めたもうた摂理の美しさを見て取ってとても興奮した手紙を書き残している。デカルトは個人としては神を必要と...

  • The Best of Chopin

    ...

  • 俺だって美文字になりたいもん。

    わが同胞、悪筆のともがらの為に。 言語表現と論理に強く依存していることに気が付いていた僕は、その反省から、2年ほど前から自分の書く「字」に注目するようになりました。 つまり、すごく下手くそなのだ。 文字なんぞ単なる記号だ、読めればよいのだ、というかつての開きなおりはすさまじく、人に読んでもらうことを必要としない走り書きメモは、あとで読み返そうとすると自分でも読めなくなる始末。 それなりの試行錯誤...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 4:室の八島に詣す。

    Details 【原文】 室の八島に詣す。同行曾良が曰く、「此神は木の花さくや姫の神と申て富士一躰(いったい)也。無戸室(うつむろ)に入りて焼給ふちかひのみ中に、火々出身のみこと生れ給ひしより室の八島と申。又煙を読習し侍もこの謂也」。将(はた)、このしろといふ魚を禁ず。縁起の旨、世に伝ふ事も侍し。 【現代語訳】 室の八島と呼ばれる神社に参詣する。旅の同行者、曾良が言うには、「ここに祭られている神は木の...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 3:ことし元禄二とせにや

    オリジナルYoutube朗読動画 Details 【原文】 ことし元禄二とせにや、奥羽長途(ちょうど)の行脚(あんぎゃ)、只かりそめに思ひたちて、呉天に白髪の恨を重ぬといへ共、耳にふれていまだめに見ぬさかひ、若生て帰らばと定なき頼の末をかけ、其日漸(ようよう)早加と云宿にたどり着きにけり。痩骨の肩にかゝれる物、先くるしむ。只身すがらにと出立侍を、帋子(かみこ)一衣(いちえ)は夜の防ぎ、ゆかた・雨具・墨・筆...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 2:弥生も末の七日

    右上の動画での再生箇所 1:53~2:57 弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧々(ロウロウ)として、月は有明にて光おさまれる物から、冨士の峰幽(カスカ)にみえて、上野・谷中(ヤナカ)の花の梢(コズエ)、又いつかはと心ぼそし。むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗て送る。千じゅと伝所にて船をあがれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。 行春や鳥啼(ナキ)魚の目は泪 是を矢立(...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 1:月日は百代の過客にして②

    Detail 【原文】 月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。 古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手...

  • 動画:熊野純彦「死すべきものとしての人間-生と死の思想」

    熊野純彦「他者と共に在る生」2009年度学術俯瞰講義「死すべきものとしての人間-生と死の思想」第10回ハイデガーの概論的な解説。だがこの動画の面白さは、そういうところより熊野純彦さんの人間性がみられる言葉の細部にあるように思います。あと、このスピードでこの内容を原稿も無く話せるのですから、言語能力がだいぶヤバイすごさですよね。天才の類かと。...

  • Hope I Don't Fall in Love with You/Tom Waits

    Details Well I hope that I don't fall in love with you 'Cause falling in love just makes me blue, Well the music plays and you display Your heart for me to see, I had a beer and now I hear you Calling out for me And I hope that I don't fall in love with you. 君のこと好きにならなければいいな 恋なんかしてもただ憂鬱になるだけだから 音楽が流れて、君の心が僕には見えてくる ビールを飲んで...

  • 本:「Brambly Hedge」Jill Bearklem

    世界でいちばん可愛らしくも美しい絵本、だと僕はおもっています。可愛いのは絵だけじゃなくって、テキストも素晴らしいんです。Google画像検索Amazon.co.jp...

  • 【絵本】 「手袋を買いに」原作:新美南吉【読み聞かせ】

    なんかもう可愛らしすぎですっ! 幸せな気持ちになっちゃいますよね? なんども聞いてしまいました。 Amazon.co.jp 青空文庫 原作テキスト 400字x9.3枚 寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。 或朝洞穴から子供の狐が出ようとしましたが、 「あっ」と叫んで眼を抑えながら母さん狐のところへころげて来ました。 「母ちゃん、眼に何か刺さ...

  • ショパン「別れの曲」練習曲作品10-3

    Maurizio Pollini - Chopin Etude Op. 10, No. 3

  • 「コペル君の名前の秘密」その2

    「星空は何を教えたか」(1948年)より、 コペル君の名前のおこりを考える際に、おおいに手掛かりになると思っている部分の引用。 吉野源三郎が「コペルニクス」という名前を使って表現しようとしたことは、カントが言ったような地動説から天動説への「コペルニクス的転回」を言いたかったというよりは、むしろ「正しい物の見方をするためにはコペルニクスのような不屈の精神と知性とが必要なるのだ」という事の方をより強く言わ...

  • 弟橘比売命(オトタチバナヒメノミコト)と美智子上皇后

    第26回IBBYニューデリー大会(1998年)基調講演で上皇后が弟橘比売命(オトタチバナノヒメノミコト)について触れておられますが、それを幼いころに父に与えられて読んだ子供のためにかかれた本に関連付けて語っておられるのが、とても大切なことであるように思います。 外側から教えられて「皇后とはこうであるべき」というわけではなく、上皇后自身がかつて皇太子妃となったときからご自身を自らの手で再編纂していって、今も...

  • 本:日本少国民文庫 世界名作選(一) 復刊にあたっての解説 河合隼雄 美智子さま 3/3

    下にあげている引用箇所からはその雰囲気は伝わりにくいですが、河合先生はずいぶん語りたいことが多くありすぎるらしく、整理された文章を読んでいる感じではなく、興奮したまま横で話しているのを聞いている感じです。「読みたい!」と思わせることに関してこれほど効果的な文章はありますまい。 美智子さまは、なんかもうさすがです。色々すごいですよね。敬服します。非常にするどい所をきっちりおさえていて、驚...

  • 「でんでんむしのかなしみ」新見南吉

    「ごんぎつね」の作者、新見南吉の絵本の本文部分。実際はカタカナだけで書かれていて読みにくいので、多少工夫しました。上皇后美智子さまが幼い頃より心に大切にしまっていたお話。Amazon.co.jp「でんでんむしのかなしみ」一匹の でんでん虫が ありました。ある日 その でんでん虫は たいへんな ことに 気が つきました。「わたしは 今まで うっかりして いたけれど、わたしの 背中の からの 中には 悲しみが い...

  • 本:日本少国民文庫 世界名作選(一) 目次

    日本少国民文庫 世界名作選(一) 目次 たとえばなし・・・・・・・・・・レッシング/吉野源三郎訳 リッキ・ティキ・タヴィ物語・・・ラッディアード・キプリング/中野好夫訳 身体検査・・・・・・・・・・・・ソログーブ/米川正夫訳 牧場(詩)・・・・・・・・・・・ロバート・フロスト/阿部知二訳 人は何で生きるか・・・・・・・・レフ・トルストイ/中村白葉訳 日本の小学児童たちへ 他一遍・・アルベルト・ア...

  • ショパン「夜想曲」第1番

    ショパン - 夜想曲 第1番 変ロ長調 Op.9-1 アシュケナージ夜想曲 (ショパン)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ナビゲーションに移動検索に移動ポータル クラシック音楽フレデリック・ショパンの夜想曲(やそうきょく)全21曲は作者が20歳の時から晩年に至るまでほぼ均等に創作されている。ほとんどが三部形式で、明瞭な中間部を持つものか、ロンド形式のものかに分けられる。ノクターンの語源はラテン...

  • 皇后美智子さま(当時)の国際児童図書評議会むけの基調講演、(英語)

    この美智子さまのビデオによる講演は、はじめ思っていたよりもずっと異例のことであるとわかりました。美智子さまは、当時の皇太子さまとご結婚された時点で、メディアからは遠ざかり、それ以来ずっと私たち国民が直接その言葉を聴くことは出来ませんでした。そしてこの映像は、さまざまな偶然の上で成立したのですが、実質上、歴史上はじめて皇后が映像を通じて直接に私たち国民に話しかけたことになったのらしいです。 『大...

  • 朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 1

    買ったままでずっと眠っていた、講談社学術文庫の「おくのほそ道 全訳注」を再び手に取った。よくみると、注釈が丁寧についているから一冊の本としてまとまっているけれど、本文部分だけならたかだか45章しかない。1章がだいたいどれも2ぺージほどなので、単純どんぶり計算で90ページほどしかない。これは読み学ぶにはかなり良いテキストなんじゃないか、と思い始めたので、一日一章づつ朗読してゆこうと思います。思うに非常に...

  • 「火垂るの墓」麗しき幻想としての埴生の宿

    節子が死んだ後に、「埴生の宿」の美しい歌声と共に、あたかも追憶シーンであるように思える場面が次々に描かれるます。 ですが、これらのシーンは清太の記憶を描いているわけではなく、このような優しく暖かな兄と妹の関係としてありたかったという原作者の野坂昭如の願望・妄想を描いているにすぎません。実際はこれらのシーンは野坂昭如の、無垢な幼子を餓死させて殺したという自覚から生まれる心の傷を紛らわすための妄想に...

  • 価値観の変化と「べし」の用法変化:「君たち」と吉野⑲

    例えばこんな風に友人に言ったとする。「そのパソコン買うべし」すると友人は怒った。なぜおまえに指図されなければならないのか、と。これは誤解としか言いようがないと思うのだけれども、はたして一体どれほどの人が「誤解」だと同意してくれるのだろうか。この場合、「誤解」だと説明しようとすると、誤解している人に限って、重ねてこう言う。「べし」は「should」なんだから強制だよね、と。全くの誤解である。こんなこと言わ...

  • Kindle ¥0:「舞姫」森鴎外

    Amazon.co.jp 青空文庫 森鴎外の処女作品にして初期の代表作。そのうえ、小説において近代的自我を描いた最初の作品と考えられている。ストーリー自体は単純なものの、やはり鴎外はすごくて、高いインテリジェンスを感じさせる。僕は日本近代倫理思想を考えようとするときの出発点として位置づけています。鴎外は天才だと思う。作品内容も良い上に歴史的価値が高く、一度は読んでおきたい。本文400字x44枚分。「舞姫」wiki...

  • 奥のほそ道① 記事リスト

    朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 1:月日は百代の過客にして朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 1:月日は百代の過客にして②朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 2:弥生も末の七日朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 3:ことし元禄二とせにや朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 4:室の八島に詣す。朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 5:卅日、日光山の麓に泊まる。朗読:「おくのほそ道」松尾芭蕉 6:卯月遡日、御山に詣拝す朗読:「おくのほそ道」松尾...

  • Kindle ¥0:「吉田松陰」徳富蘇峰

    Amazon.co.jp 吉田松陰は、関原の役において、西軍の殿将として、大坂を守り、徳川氏に向って弓を挽(ひ)ける、毛利家の世臣(せいしん)なり。彼は杉氏の子、出でて叔父吉田氏を続(つ)ぎ、禄五十七石を食(は)む。彼は固(もと)より微禄の士。天保元年八月長門ながと国萩(はぎ)城の東郊に生れ、安政六年十月国事犯罪人として、江戸において首を斬らる。その間僅わずかに三十年、而(しこう)して彼が社会に馳駆(ちく)...

  • 夜の女王のアリア 新旧

    こっちの女王はまだ優しさが残ってるけど・・・。こっちの女王はもう完全に別の世界にいっちゃって理解しあうことが不可能です。...

  • 音楽:「野ばら」曲シューベルト、詩ゲーテ

    Sah ein Knab' ein Röslein stehn, Röslein auf der Heiden, War so jung und morgenschön, Lief er schnell, es nah zu sehn, Sah's mit vielen Freuden. Röslein, Röslein, Röslein rot, Röslein auf der Heiden. Knabe sprach: ich breche dich, Röslein auf der Heiden! Röslein sprach: ich steche dich, Dass du ewig denkst an mich, Und ich will's nicht leiden. Röslein, Röslein, Röslein rot, Röslein au...

  • トルストイと「火垂るの墓」

    「火垂るの墓」に関して、「与え合いと奪い合い」についての記事を書いてしまった以上、自分としてはトルストイの思想について触れないわけにはいかなくなってきました。 高畑勲が描く「火垂るの墓」の本質部分は、トルストイとも問題意識とも共通したものを持っているように思えます。とりわけ彼の「さらば われら 何をなすべきか」においてその思想がよく表れているのですが、なかなか大変な著作なので、簡単に要約したり内...

  • 「火垂るの墓」の「与え合い」と「奪い合い」

    死にかけている節子。清太は節子にスイカを割ってひと欠片渡して与え、自分は節子のための「卵入りのおかゆ」を作るために外へでてゆく。 おかゆは出来たものの、節子は死んでしまっていた。 そのおかゆはどうなったかというと・・・。 これが上の画像の拡大図。おかゆはしっかり清太がおいしく完食いたしました。 スイカの方は、さすがに節子に持たせた欠片は食べ...

  • 本:「朗読者」ベルンハルト・シュリンク

    この本、すごくよかったです。非常に美しく繊細な文体に、とても心を惹かれました。 古本屋で100円で買った現代小説ってことで、最初はババッっと読み飛ばして適当に読了しようと思っていたのですが、とんでもなかった。しっかり心を奪われて、いつの間にか、ゆっくり文字を追って堪能しならが読んでました。 映画も観てみようかとおもいはするのですが、「愛を読む人」と改題されている時点でとても残念感が沸き立っておりま...

  • 「左手のための小品」鷲田清一

    「〈健康〉と現代社会」より抜粋  最後に、右半身不随でピアノを弾けなくなったひとりのピアニスト、舘野泉のことにふれておきたい。  「フィンランド第二の都市タンペレでのリサイタルで、最後の曲を弾き終わってお辞儀をし、ステージを去ろうとした時だった。演奏も残すところあと二項という時に、右手が次第に遅れだし、軌道を外れたように空回りして停まってしまったのだから、その時に出血は始まっていたのだろう...

  • 左手のためのピアノ協奏曲 (ラヴェル)

    RAVEL Left Hand Concerto BAVOUZET 哲学者として知られるルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインの二歳年上の兄、パウル・ヴィトゲンシュタインがラヴェルに依頼して作曲した「左手のためのピアノ協奏曲」。パウルは第一次世界大戦に従軍し、右手を失っていた。ラヴェルにとっては最初のピアノ協奏曲。ヴィトゲンシュタイン邸には各界の著名人が出入りしていた。 ルートヴィッヒにとってパウルは次々と自殺してしまった他の三...

  • 金子みすゞ お花だったら

    お花だったらもしもわたしがお花なら、とてもいい子になれるだろ。ものが言えなきゃ、あるけなきゃ、なんでおいたをするものか。だけど、だれかがやって来て、いやな花だといったなら、すぐにおこってしぼむだろ。もしもお花になったって、やっぱしいい子にゃなれまいな、お花のようにはなれまいな。...

  • 「火垂るの墓」ある一つの重要なシーン

    食べ物をくわえて後ずさりして巣穴へ運ぶアリ。 それをただ見ている節子。 手に棒をもってはいるが、何もしていない。 こんなふうに、自らの食糧がただ奪われていることに、気が付きもせず、責めることも出来ず、ただ見つめていたのだろう。...

  • ここがロドスだ、ここで飛べ

    古代競技のある選手が、遠征先から帰り自慢話をした。 『おれはロドス島では、五輪選手よりも大跳躍をした。皆がロドス島へ行くことがあれば、それを観た観客が快く証言してくれるだろう』『そんな証言はいらない。ここがロドスだ、ここで飛べ』 人がなにも知らないと思って勝手な法螺を吹いている男への一大痛棒となるのであるが、時にはまた理論家や理想家に対するいわゆる現実(から)の挑戦的な呼び声としても聞かれるであ...

  • 色覚補正眼鏡

    こんなのが出来たんですね。びっくりです。...

  • 「火垂るの墓」隣の席のおばちゃんの正体

    焼き場から帰って電車の座席にすわる清太。膝の上には骨壺がおかれる。 その骨壺をなぜかいぶかしげに見つめる隣の席のおばちゃん。このおばちゃんの視線の意味が、今まで謎だった。 赤の世界の清太が奥にいる自分に視線を送るのはわかる。野坂昭如の養母はこの時死んでおらず、実際には戦後まで生き延びるわけだから、それは「嘘」であると視線でもって自己批判しているのだ。...

  • 本:「コナンと髑髏の都」より「洞窟の怪異」

    ラブクラフトの「クトゥルー」シリーズなどと同様に、雑誌「ウィアードテイルズ」に連載されていたロバート・E・ハワードによる短編小説群。コナンシリーズは人気を博し、ロバート以外の著者によっても様々な作品が作られる。 2011年にもコナンは映画化されているが・・・それはもう忘れよう。シュワルツネッガーが忘れられない間はこの映画も忘れられることはないだろう。洋タイトルは「バーバリアン」なのに「コ...

  • 映画・本:「Cats」

    いわずと知れたミュージカル。そしてT・S・エリオットの文学作品でもある。 一番感動するのはやはり劇場に足をはこんで見ることだろうけど、 ワンコインでネットでレンタル視聴できるというのはやはり便利。 劇場でのミュージカルをそのまま撮影したようなバージョンと、 映画館・DVD用につくられたバージョンとあるみたいです。→Cats Amazon.co.jp 気楽に観るなら後者のバージョンの日本語吹替をおすすめします。 ...

  • ベートーベン「葬送」

    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 作品26《葬送行進曲》アシュケナージ 1979 以下wikiより 19世紀を迎える頃、ベートーヴェンは極めて順調な創作活動を行っていた。彼は友人のフランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラーに次のように報告している。「どの作品にも当てにできる出版社が6つか7つあります。それになんといっても、私が希望するのであれば彼らはもはや価格を交渉したりしません。言い値で買い取ってくれ...

  • 「火垂るの墓」食べ物に関するえげつない描写

    たっぷり具をよそった椀は・・・・ 下宿人に手渡される。 清太が求めた「おかわり」の椀には、汁ばかりがよそわれる 遅れて食卓に着いた「こいさん」(=「末のお嬢さん」)の椀には具がたっぷり入る。 映画では、清太は自分の椀をいったん平らげ、その椀を差し出して「おかわり」を求めている。「こいさん」は遅れて食卓に着いているからそれが一杯目であることは明瞭だ。だが「下宿人」...

  • 「火垂るの墓」遺影に収まる清太と節子

    皮肉な演出。映画公開当時のキャッチフレーズには「4歳と14歳で、生きようと思った。」というのがあったが、それを宣伝する映像においては、上のように清太と節子を遺影に収める演出を行っている。下のTrailerでこの遺影のシーンが観られる。 赤の世界の清太と節子が、亡霊に見えてしまうものだから、この上の遺影とあわせて、解釈として奇妙なオカルティズムに走ってしまう人もいる。だがこの映画にオカルトによって解釈しなけ...

  • 本:クロイツェル・ソナタ

    ベートーヴェン:クロイツェルソナタ ヴァイオリンソナタ第9番Op47 パールマン(Vn)/アシュケナージ(Pf) 「クロイツェル・ソナタ」トルストイ この物語は、孤独な白髪の老人ポズドヌイシェフがいかにして不貞を犯した妻を殺害するに至ったかを描いた悲愴な物語である。 この作品には二つの魅力的な側面があり、一つには、トルストイ独特の呵責の無いキリスト教的ラディカリ...

  • 「日本少国民文庫」の推移

    日本少国民文庫1937 1.人間はどれだけの事をして来たか(1) 常藤恭 国立国会図書館デジタルコレクション 2.人間はどれだけの事をして来たか(2) 石原純 国立国会図書館デジタルコレクション 3.日本人はどれだけのことをして来たか 西村真次 4.これからの日本、これからの世界 下村宏 5.君たちはどう生きるか 山本有三・吉野源三郎 岩波文庫など 6.人生案内 ...

  • Kindle ¥0:「対訳ピーターラビット①」

    【対訳】ピーターラビット ① ピーターラビットのおはなし -THE TALE OF PETER RABBIT- Kindle版いわずと知れたピーターラビット。イラストにはなじみがあっても、読んだことがない人が多いかな?テキストの内容はつまらないので、英語教育と思って子供にすすめたりしないでくださいね?日本語が上に書いてあり、その下に英語が書いてある対訳形式となっています。こんなものまで無料になってるんですね。2巻以降は有料にな...

  • 本:「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ

    車輪の下 ヘルマン・ヘッセ ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年のハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通るが、そこでの生活は少年の心理を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆り立てられた彼は、学校を去って見習いとして出直そうとする・・・。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。(新潮文庫 ...

  • ベートーベン「テレーゼ」

    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第24番 嬰ヘ長調 作品78 アシュケナージ 1979 ルドルフ大公の目録によれば、この作品の写譜が大公の元に届けられたのは1809年10月であったらしい。当時は旺盛な創作活動を続けていたベートーヴェンであったが、ピアノソナタの分野では前作『熱情ソナタ』以来既に4年が経過していた。1809年のナポレオン軍の侵攻はルドルフ大公がウィーンを離れるという事態を招き、この出来事に絡んで作曲さ...

  • 「火垂るの墓」冒頭シーンの消えるおにぎり

    冒頭シーン。駅で死にかけている清太に、通りすがりの人がおにぎりをめぐんでくれる。 いったんここでアップになり、足元のオニギリは視界からはずれる。そして「今、なんにちなんやろう」というセリフが入り同時に、くずれおちる。 くずれおち、横になってしまった清太。カメラが引いた映像に切り替わった時にはオニギリは消えている。この一連のシーンは当然原作には無い。だが映画版の高畑...

  • チョッキン チョッキン チョッキンな

    浜に出て歌でもうたわぬことには、先生も生徒もきもちのやり場がなかった。浜におりると先生はすぐ、両手をタクトにして、うたいだした。 はるは はよからかわべのあしに「あわて床屋」である。みんながとりまいて、ついてうたう。 かにが みせだし とこやでござる チョッキン チョッキン チョッキンな うたっているうちに、みんなのきもちは、いつのまにかはれてきていた。 うさぎゃおこるし かにゃはじょか...

  • ベートーベン「ヴァルトシュタイン」

    ASHKENAZY, Beethoven Piano Sonata No.21 in C major, Op.53

  • 死にゆく母とゴキブリ

    ある日、例のごとく、夜中に呼び出され車で市民病院に向かった。夜中なのでそれほど時間はかからないが、日中の混みあう時間帯に行かねばならない場合などは、片道一時間とられる場合もありなかなか大変だったのだが、母は肺ガンだけではなく様々な病気をも持ち合わせており、総合的に診てもらえるのと、緊急時にはいつでも入院できるという安心感があって、多少遠くてもかかりつけ医をすべて市民病院にまとめたのだった。 市民...

  • 本:日本語の年輪

    日本語の年輪 (新潮文庫) – 1966/5/12 大野 晋 (著) ”「うつくし」は、決して、美を表現する言葉ではなかった。” うつくしい 「うつくしい花」「うつくしい着物」「うつくしい光景」のように、「うつくしい」は、広く美を表す言葉として使われている。しかし、奈良時代の人たちは、完成したばかりの寺々の赤、緑の色あざやかに塗られたお堂や塔を見て、「うつくし」といったろうか。また、秋...

  • 音楽:ゴールドムーンのバラード ドラゴンランス戦記

     Mary Kovarik - The Ballad of Goldmoon  ドラゴンランス戦記で憩いの我が家亭で、謎の老人にうながされたゴールドムーンが披露する歌。ドラゴンランスシリーズはテーブルトークルールブックD&Dの設定に従って別途出版されたシナリオとリンクして出版されており、日本語小説では歌詞のみが掲載されていたが、実はシナリオ設定としてはちゃんと楽譜が付随していた。確か、ゴールドムーンとリヴァーウインドはNPC設定だ...

  • 本:『ジャングル・ブック』より「リッキ・ティキ・タビィ」

      吉野源三郎らが編集した「日本少国民文庫」第14巻、「世界名作選(一)」には、「リッキ・ティキ・タヴィ物語」として、キプリングの短編小説集「ジャングル・ブック」から一つの短編が訳出されています。 河合隼雄さんが、子供の頃に大好きだったお話です。そしておそらく、上皇后の美智子さまがやはり子供の頃に愛読されたお話です。 「世界名作選」には著作権があるみたいですが、原作の方は切れているようなので...

  • ベートーベン:「テンペスト」

    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2《テンペスト》アシュケナージ 1976 作品31としてまとめられている3曲のピアノソナタ(第16番、第17番、第18番)は1801年から1802年の初頭にかけて、ほぼ同時期に作曲が進められた[1]。初版譜はハンス・ゲオルク・ネーゲリが企画した『クラヴサン奏者演奏曲集』に収録される形で、第16番と組になって1803年4月に世に出された[1]。同年秋にジムロック社...

  • リッケルトと「日本少国民文庫」 「君たち」と吉野⑱

    リッケルトは新カント派に属するとされる哲学者で、吉野源三郎は、リッケルトの方法論で経済の問題の論文を書いたところ、それが「学生に与う」の著者の河合栄次郎の目にとまり誘われて経済学部に入ったそうである。 カント哲学の方法論が、自然科学の方法論的な基礎付けしかできなかったが、リッケルトは歴史学における基礎づけを哲学的におこなった。 歴史学の研究に関する重要な著作は、「認識の対象」(1892, Der Gege...

  • 本:「さらば われら 何をなすべきか」トルストイ

          吉野源三郎が大きな影響を受けた本。  河出書房トルストイ全集16 人生論 目次 さらば われら 何をなすべきか 『さらば われら 何をなすべきか』付録 人生論 『人生論』付録 1、A・Dに与えたレフ・ニコラエヴィチの手紙 2、『人生の観念』 3、生と死について 男と女 論文集 論文『婦人にあたう』に対する反駁 慈善について われわれはだれのもの...

  • 音楽:やわらか戦車マーチ SOFT TANK MARCH

    たまにはこんなのだって楽しみたい。...

  • 哲学教授の論文を読もう①池上哲司「死について」

    死について/紀要論文 / 著者 池上 哲司 (PDF)   ↓これは注や出典、参考文献などを省いてあります。 死について 池上哲司 はじめに ひとは誰でも死ぬ。そして自分もいつかは死ぬ。それは分かっている。しかし、その死はいつやってくるのだろう。それは分からない。いつくるか分からない確実な死、それがわれわれを不安にさせ、悩ませる。この不安はいたって自然である。なんといっても自分の存...

  • 本:ベートーベンの手紙 不滅の恋人へ

    ベートーベンの死後、戸棚に仕掛けれれた秘密箱から「わが不滅の恋人よ」と呼びかける三部分からなる手紙が発見された。いつ、どこで、誰に宛てて書かれたかが明記されていない手紙で、その第三部で「わが不滅の恋人よ」と呼びかけていることから”不滅の恋人”への手紙として有名になり、これを中心とする研究論議が盛んになり、現代になってもその探求が続けられているが、依然として、いつどこで誰に宛てたのかは決定的に...

  • この男、凶暴につき

    わが愛しの田中美智太郎先生。 戸坂潤をして、「あらゆる権力に反抗する男」と言わしめた人。 全集のセットは10万を超える価格がついている。図書館で借りて読もう。よごしたりなくしたりすると大変ですのでご注意を。バラ売りでは手に入らなそう。全集全部を2回読んだかな。 Amazon.co.jp 田中美智太郎、文藝...

  • ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第4番

    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 アシュケナージ 1979カール・ツェルニーは「熱情」と愛称で呼ばれるべきは第23番ではなくこのソナタではないかと述べている。 曲は1797年10月にウィーンのアルタリアから出版され、ハンガリー出身のケグレヴィチ伯爵令嬢バルバラへと献呈された。バルバラは当時ベートーヴェンにピアノを習っており、近所に居住していたバルバラのレッスンのためにベートーヴェンは寝起き...

  • 本:「幸福論」バートランド・ラッセル Conquest of Happiness

    自分の関心を内へ内へと向けるのではなく、外界へと振り向けてあらゆることに好奇心をいだくこと。偉大なるコモンセンスのラッセルは、これこそが幸福獲得の条件でありそれは自己説得によって可能なのだと説く。たくましくしなやかに人生をいきるための知恵がこの処方箋にはたっぷりと書き込まれている。(岩波文庫版表紙カバーより)  20/09/25 第1部:(不幸の要因) 第1章:何が人びとを不幸にする...

  • 動画:マイケルサンデル Justice: What's The Right Thing To Do?

    Justice: What's The Right Thing To Do? この動画の字幕は自動作成ではないみたいなので、ちゃんとしてる。動画は英語だけれども、Mouse Dictionaryを使えば、YouTubeの動画の字幕であれば、マウスオーバーで単語の意味を調べられるので、基本英語字幕で読んでいって、わからない単語が現れたら、スペースキー(YouTubeの動画のインターフェイスは直前にクリックしたボタンにスペースキーが対応する)を押してポーズをかけれ...

  • 本:トルストイの日露戦争論 BETHINK YOURSELVES!

    国立国会図書館デジタルコレクション 平民社訳 トルストイの日露戦争論1904年出版。もともとはトルストイがイギリスの新聞社に書き送った書簡で、新聞紙上に英訳されて掲載された。タイトルは「悔い改めよ!」ということでもあり、「自分の頭でとくと考えろ!」ということでもある。激情にまかせて書きなぐったようで、そもそも原文ロシア語に文法的にあやしい所があるようだ。英文の注にはこうある「The letter is written in a...

  • ベートーベン:ピアノソナタ第3番

    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 作品2の3 アシュケナージ 1976 作品2の3曲のピアノソナタはまだベートーヴェンがボンに居た時代から構想が練られ、1793年に着手されると1795年の8月頃までに完成していたとみられている。同時期、もしくは時間を隔てずに書かれたと考えられる3曲はそれぞれが作曲者の異なる側面を写し出しており、本作はその中でも最も華麗な仕上がりをみせている。 3曲は1796年にウィーンのアル...

  • 問い

    鏡に自分の像が映るとき、「左右が反転する」などと表現される。だが、なぜ「左右」であって「上下」ではないのか?...

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Arkios Diary 吉野源三郎と『君たちはどう生きるか』
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