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  • 文学に描かれた季節 初夏 『新茶のかおり』田山花袋

    『新茶のかおり』は初夏の魅力が横溢した好エッセイです。 「花曇り、それが済んで、花を散らす風が吹く。その後に晩春の雨が降る。この雨は多く南風を伴って来る。」 「躑躅は晩春の花というよりも初夏の花である。赤いのも白いのも好い。」 「初夏の空の碧!それに、欅の若芽の黄に近い色が捺すように印せられているさまは実に感じが好い。何となく心が浮き立って、思わず詩でも低誦したくなる。物が総て光って輝いて明るい。」 (『新茶のかおり』田山花袋) いずれも、4月の終わりから5月にかけての季節の移ろいをうまく表している文章だと思います。今の時期、天気予報を観ていますと、太平洋側から日本列島に南風が吹き付けることで…

  • 文学に描かれた季節 春 『草枕』 夏目漱石

    『草枕』は主人公である画家「余」が「那古井の温泉場」という架空の地で、ヒロイン「那美さん」の肖像を描きあげるまでのあらましを書いた作品です。もっとも、作品の主題は那美さんの肖像を描くことではなく、那古井の温泉場を舞台に、漱石の文明観、美術観を展開するところにあります。 そのためか、那美さんの肖像画も現実に描かれるものではなく、主人公の心のうちで絵として形を整えた、というにすぎません。漱石の美術観の延長線上に那美さんの肖像画のイメージを置いたもの、というべきでしょうか。 さて、『草枕』は全編、漱石の美術趣味が横溢した作品です。作品の背景となる季節は春、それも仲春から晩春にいたる時期だと思います。…

  • 白木蓮

    白木蓮の花が満開です。白くて大きな花弁が春の日差しを浴びて咲いているさまを見ると、いよいよ春本番、といった感じが強まります。 実際、今週になってからは朝晩ともにすっかり暖かくなってきました。寒がりの私は部屋のなかでも何枚も重ね着をするのが常なのですが、昨夜などは上着を一枚はおっただけで過ごしました。着ぶくれていた一昨日の晩のことを思うと、なんだか夢でも見ているようです。 寒さに震えていたのが、あっという間に暖かくなって、今度は汗ばんでくるのですから、季節の移り変わりは激しいものだなとあらためて思います。 白木蓮の花は季節の移り変わりの目まぐるしさを象徴しているかのように私には思えます。それとい…

  • 雛飾り

    今日、雛人形を飾りました。いつもは、2月も末になってから飾るのが常なのですが、今年は少し早く飾りました。 本来はもっと早い時期、たとえば、立春になったらすぐに飾るのがよいといわれています。また、遅くとも雨水の時期までには飾るようにするのが一般的といわれています。 そのことを考えると、早く飾りました、などということはできないのかもしれません。ただ、雛人形を飾る時期については明確な決まりなどはなく、いわゆる一夜飾りにさえならなければ問題ない、ともいわれています。 雛人形を飾って、子どもの幸せを願うというのがひな祭りの目的であるため、その心さえあれば、雛人形を飾る時期についてさほど窮屈に考える必要は…

  • 早春賦

    春は名のみの…で始まる早春賦は、春を待ち焦がれる心を谷の鶯に仮託して描いた唱歌として有名です。 特に春先の天候がはっきりしないときには、 春と聞かねば知らでありしを 聞かばせかるる胸の思いを いかにせよとのこの頃か いかにせよとのこの頃か という歌詞が胸に沁みます。暖かくなったと思えばすぐにまた寒くなる、一刻も早くこのような寒く不安定な季節が終わってほしい、と叫びだしたくなるような思いを早春賦は見事に伝えてくれています。 ところで、昨日『古今和歌集』を読んでいたところ、次の歌が目にとまりました。 梅が枝に来ゐる鶯春かけて鳴けどもいまだ雪は降りつつ よみ人知らず 「梅の枝に来てとまっている鶯は、…

  • 春光

    風は冷たいですが、日差しが暖かく感じられる一日でした。空気は冷たくて、ポケットに入れた手も悴みましたが、建物に射す太陽の光がまぶしいようでした。昨日のNHKのニュースで「光の春」という言葉を使っていましたが、この光景をいうのだろう、と妙に感心してしまいました。 春の景色を表す言葉に「春光」というものがあります。歳時記には春の景色と書いてある一方で、春の陽の光をさす、ともあり、一般的にはこちらの意味で使われることが多いとしています。 私も、春光は文字通り春の光を意味する言葉として使うのが、この時期にぴたりと合うと思います。 立春を過ぎて本格的な春が待ち遠しい季節に、目に映る太陽の光は、それだけで…

  • 春寒

    今日は午前中は雪が降り、午後は霙となりました。これを書いている今は雨が降っています。面白いもので、午前中はあたたかく、午後のほうが寒くなりました。雪は気温が低くなければ降らないので、午前中のほうが寒いのではないかと思うのですが、実際は違いますね。 以前から、雪が降るときは、降らないときよりあたたかく感じてはいましたが、今日、そのことをあらためて実感しました。理由としていわれているのが、雨が雪に変わるときには熱エネルギーが放出されるため、その分温度が高くなるからというものです。 2月4日に立春となり、暦のうえでは春となりましたが、今日の寒さは真冬ですね。立春以降、あたたかな日が続いたので寒さがよ…

  • 悴む

    「悴む」と書いて「かじかむ」と読みます。寒さのために指の先の感覚が麻痺したようになって自由に動かなくなることをいいます。俳句では冬の季語として使われています。 指先に力が入らなくなって、ものがうまくつかめなくなるのは冬、特に、寒の入りから立春の初めにかけての時期です。この時期には手の指先が冷たくなり、ものを持つと痛みさえ感じます。 新聞や雑誌などにさわると、その部分が貼り付いてしまうような感覚にも襲われます。氷をさわると、さわった箇所が氷に貼り付くように思えますが、それと同じです。 パソコンに向かって仕事をしているときなど、マウスを持つ手が冷たくなって指先が針に刺されたように痛むこともあります…

  • 文学に描かれた季節 冬 『門』夏目漱石

    『門』は、主人公宗助が、他人の妻を奪いとった過去の罪と対峙する物語です。このように書くと、宗助と運命との相克といったイメージがわきますが、そうではありません。過去、自分が犯した罪から救われることを願いながら、結局は何もできずに終わる人の姿がこの小説では描かれます。運命と戦うのではなく、状況に流されていく人の物語というほうが正しいかもしれません。 背景となる季節は秋から春。ことに冬が主な舞台となります。その中から冬を描いた文章をいくつか書き出してみます。 「円明寺の杉が焦げたように赤黒くなった。天気のいい日には、風に洗われた空のはずれに、白い筋の険しく見える山が出た。年は宗助夫婦を駆って日ごとに…

  • 文学に描かれた季節 『青年』森鴎外

    『青年』は主人公の小泉純一が東京に出てきてから2ヵ月ほどの間の出来事を描いた作品です。時期は10月終わりから翌年の元旦。晩秋から初冬にかけての東京と箱根が舞台となります。 「今日も風のない好い天気である。銀杏の落葉の散らばっている敷石を踏んで、大小種々な墓石に掘ってある、知らぬ人の名を読みながら、ぶらぶらと初音町に出た。」 「諺にもいう天長節日和の冬の日がぱっと差して来たので、お雪さんは目映しそうな顔をして、横に純一の方に向いた。」 「刈跡から群がって雀が立つ。」 「常盤木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に大宮公園と大字で書いた木札の、稍古びたのが掛かっているのであ…

  • 暮の秋とは 秋の暮との違いは何?

    暮の秋とは秋が終わる時候をいいます。晩秋の頃をさして使われる季語です。これに対して秋の暮とは秋の一日が終わるときを指します。秋の夕暮といえば秋の暮のことになるのです。 使われている言葉は同じでも、順序を変えると意味がまったく違ってくるというのは面白いと思います。ただ、暮の秋の傍題には、秋暮る、という言葉があります。こちらも秋の終わりを指しているのですが、字面通りでは、秋の暮、と同じ意味のように思ってしまいがちです。使う際には注意しなければなりません。 さて、暮の秋に似た言葉としては、行く秋、秋行く、秋惜しむなどがあります。いずれも過ぎていく秋を惜しむ心を前面に押し出している言葉です。歳時記には…

  • 『ソロー日記 秋』H.G.O.ブレーク編

    H.G.O.ブレークが編集したヘンリー・ディヴィット・ソローの日記を読みました。春夏秋冬の季節ごとにまとめられた日記で、今回読んだのはそのうちの秋の部にあたります。9月の末から12月の終わりまでが収録されており、秋から冬にかけてのウォ―ルデン湖周辺の季節の変化が抒情的な筆致で描かれています。 とにかく、読んでいて気持ちが好い本です。日記のなかには様々な動植物の名前がたくさん登場します。私はそのほとんどについて知識がないのですが、そのことが苦になることはありません。ひとつひとつの形状よりもそれらが一体となった自然そのものの描写のほうに心が魅かれるからです。 「ヒイラギガシのある平原は濃い赤であり…

  • 秋天拭うがごとし

    「秋天拭うがごとし」とは、国木田独歩の名作『武蔵野』に描かれた秋の情景です。武蔵野の美を叙述するにあたって、独歩が自身の書いた日記を参照しているのですが、その中の一節となります。原文はもう少し長く、 「秋天拭うがごとし、木葉火のごとくかがやく」 (『武蔵野』国木田独歩 より引用) とあり、青く澄み渡った秋の空と炎のように赤く染まった木の葉とが目に浮かんでくるようです。 ちなみに、この日記が書かれた日付は9月21日。現在の感覚からすると空の青さは別として、紅葉の部分については少し違和感を覚えてしまいます。『武蔵野』が書かれたときにはすでに暦が新暦へと切り替わっており、独歩が旧暦で日記をつけたとは…

  • 『二百十日』夏目漱石

    夏目漱石の『二百十日』を読みました。主人公の圭さんと碌さんの会話がかけあい漫才のようでとても面白いです。これまで何回か読んでいるのですが、状況の描写がなくても会話だけで十分に作品が成立するということがあらためてわかります。漱石の筆力の成せるワザでしょう。 「初秋の日脚は、うそ寒く、遠い国の方に傾いて、淋しい山里の空気が、心細い夕暮れを促すなかに、かあんかあんと鉄を打つ音がする。」 「一度途切れた村鍛冶の音は、今日山里に立つ秋を、幾重にの稲妻に砕く積りか、かあんかあんと澄み切った空の底に響き渡る。」 (『二百十日』夏目漱石 より引用) 『二百十日』の冒頭に登場する描写です。秋の冷たく澄んだ空気の…

  • 秋暑し

    秋暑しは、秋になってもまだ残っている暑さのことで、俳句の季語となっています。8月の初めに立秋となり、暦のうえではこの日から秋となります。秋暑しは立秋以降に感じる暑さのことをいうのです。 この時期に感じる暑さを表す言葉には、残暑、残る暑さ、秋暑があり、いずれも季語となっています。代表的なのが残暑で、それ以外は傍題と呼ばれ、意味は同じですが、呼び方を換えた言葉とされています。いわば、日常的に使われているのが残暑であって、それ以外は使われる機会がさほどない言葉ということもできるでしょう。 秋暑しが使われる時期は立秋から彼岸までとされています。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」ということがいわれていますが、…

  • 二十四節気とは何?意味と由来を解説します

    昔から季節の変化を表す言葉として使われている二十四節気。春夏秋冬といった区分けでは表現できない季節の微妙な変化を示す指標として現在でも様々なところで使われています。 ところで、もともと二十四節気は農作業の指標として使われてきたことはご存知ですか。国の礎ともいうべき農業の生産を安定させるためには気象の変化を知ることが大切になります。そのために使われてきたのが二十四節気なのです。 ここでは、二十四節気の意味や由来、さらには同じく農業の指標とされてきた雑節との関係について解説します。 二十四節気の由来 二十四節気は古代中国の黄河中流域で考案された農作業のための指標といわれています。黄河中流域は中華文…

  • 葉月は何月のこと?和風月名を解説します

    葉月の意味 葉月とは和風月名の1つで、旧暦8月の異名です。旧暦は新暦よりも約1ヵ月遅くなるため、現在でいえば8月の終わりから10月初めの頃をいいます。気象環境が激変している今日ではさほど実感がありませんが、本来ならば空気は澄み、ときによっては朝夕肌寒く感じられることもある時候です。 しかし、現在では葉月は新暦の8月を指すものとして使われています。新暦8月は暦のうえでは立秋を迎えますが、まだまだ暑さの盛り。葉月という言葉の持つ秋の風情など望むべくもない、というのが一般的ではないかと思います。 なぜこのようなことが起きているのかといえば、和風月名の使われ方に次のような歴史があるからです。 1月、2…

  • 文月とは何月のこと?7月との違いは?

    文月は「ふづき」もしくは「ふみづき」とも読まれている旧暦7月の異名です。日本では、暦で使う月の名前を数字だけではなく、折々の時節にあわせた言葉を使って表してきました。これを和風月名と呼んでいます。 文月は和風月名のうち、旧暦7月を表した言葉なのです。しかし、現在では新暦7月を文月と呼ぶことが一般的となっています。 文月の意味 文月が表している旧暦7月は、現在使われている新暦とは約1ヵ月遅れた時節を表しています。そのため、旧暦7月は新暦でいえば8月から9月初めのころとなるのです。季節でいえば秋の初めとなります。 この時期には稲の穂が膨らむことから「穂含月」(ほふみづき)と呼ばれ、これが文月の語源…

  • 五月闇とはどんな闇?意味を解説します

    五月闇は「さつきやみ」と読み、梅雨雲に覆われた暗い日のことをいいます。梅雨空の下で感じる暗さと考えてよいでしょう。 五月闇の「五月」は旧暦でいう5月のことで、現在使われている新暦では6月にあたります。梅雨の最中で、厚い雲に覆われた暗い日が続く時期です。現在とは違い、満足な灯りのなかった昔は夜ともなると月明りだけが頼りでした。しかし、梅雨時には月も雲に隠れてしまい、夜間は文字通り漆黒の闇に包まれてしまったことでしょう。 五月闇はそんな頃の暗さを表す言葉なのです。 また、五月闇は梅雨雲に覆われた地域全体だけではなく、ある特定の場所の暗さを表す言葉としても使われてきました。 みほとけの千手犇く五月闇…

  • 水無月とはいつのこと?意味と行事を解説します

    水無月とは6月の異名です。日本では月を1月、2月といった数字で呼ぶだけではなく、季節ごとの特徴に応じた言葉で言い表してきました。たとえば、1月なら睦月、2月なら如月といった具合です。 この呼び方を和風月名といい、6月は水無月と呼ばれているのです。 ここでは水無月について解説します。 水無月の意味 水無月には、水が無い月と水の月という正反対の意味があります。 和風月名はもともと旧暦を基準にして使われてきました。旧暦の6月は現在使われている新暦でいえば、6月終わり頃から8月にあたります。その頃は梅雨も終わって暑さが激しくなり、田が干上がってしまうところから、水が無い月という意味があるとされているの…

  • 皐月とは何月のこと?意味を解説します

    皐月(さつき)とは5月の異名です。日本では数字だけではなく、時候の特徴を示す言葉を使って月を表してきました。この言葉を和風月名と呼びます。たとえば、1月を睦月、3月を弥生という言葉で表しているのがそれにあたります。皐月もそのうちのひとつです。 皐月には田植えを始める時期という意味があるとされています。また、「皐」には神へ捧げる稲の意味があるといわれています。田植えを始めるにあたってその年の豊作を神に願う、といった意味が皐月には込められているといえるでしょう。 さて、冒頭で皐月を5月の異名と書きましたが、これは新暦5月のことです。しかし、本来、皐月が表しているのは、旧暦5月のこととなります。 月…

  • 春爛漫とは

    春爛漫とは、春になって花が咲き乱れ、あたりが明るくなる様子をいいます。爛漫だけでも同じ意味をもつのですが、そこに春という言葉が加わることによって、さらに華やかさが増す、といったところでしょうか。 春爛漫のうち、爛という文字には、色彩鮮やか、明るい、光る、といった意味があります。しかし、そのほかに腐るという意味ももっています。爛熟という言葉があるように、ものごとが発達しすぎてかえって弊害がおきてくる時期を指すときに使われます。果物が熟しすぎて腐り始めるとき、といえばわかりやすいかもしれません。 春爛漫と聞けば、春もたけなわ、霞がたなびくなかに桜が咲き誇っているイメージが目に浮かびます。花びらが一…

  • 冴え返る

    冴え返るとは、春になって暖かい日が続いた後に真冬の寒さが戻ってくることをいいます。俳句の季語の一つであり、暖かくなったり寒くなったりを繰り返す春の特徴を表した言葉として知られています。 ちなみに、冴え返るは、冴えると返るという二つの言葉が一つになったものです。 このうち「冴える」の意味として、私がもっている国語辞典には次のように書かれています。 ① 強い寒さのために神経が張り詰める感じ ② 光、音、色などがはっきりしたものとして感じられる ③ 目や頭などの働きがはっきりする ④ 元気で生き生きする また、歳時記には、春の暖かさになれた頃にやってくる寒さのため、心身ともに真冬の澄み渡った感覚が再…

  • 重陽の節句について 意味と由来を解説

    五節句の1つである重陽の節句は、上巳の節句(ひな祭り)や端午の節句のように私たちの生活になじみのある行事ではありません。 しかし、その由来を調べてみると、五節句のなかでも特に重要とされた行事であることがわかります。また、重陽の節句では霊力があるとされる菊の花を使った料理が供され、人々の健康長寿が願われてきました。 ここでは、そんな重陽の節句の意味と由来について解説します。 重陽の節句の意味と由来 重陽の節句とは、邪気を祓い健康長寿を願う日のことです。陰陽五行説でいうところの運気の良い陽の奇数で、しかももっとも大きな9が重なる日として特に重要な日とされてきました。また、菊の花が咲く頃に行われる行…

  • 七夕の節句 意味と由来を解説します

    笹の葉に様々な願いを書いた短冊を飾る七夕祭りは、毎年7月7日に行われる年中行事として私たちの生活に根付いています。七夕祭りの由来についても織姫と彦星の伝説が有名です。 しかし、七夕祭りは七夕の節句といって五節句の1つでもあります。五節句は穢れを祓うために神に供物を捧げる儀式をさすので、七夕祭りも、もとをたどれば星に願いをかけるだけの行事ではなかったのです。 ここでは、そんな七夕の節句について意味と由来を解説します。 七夕の節句の意味と由来 七夕の節句とは五節句の1つで、もともとは身に付いた穢れを祓うために神に供物を捧げる儀式を行う日のことでした。棚機女(たなばたつめ)と呼ばれる巫女が7月6日か…

  • 端午の節句とは何?意味と由来を解説します

    男の子の健やかな成長を願う端午の節句。毎年5月5日には五月人形を飾り、鯉のぼりをたてて、家族でお祝いをする方も多いことでしょう。 けれども、端午の節句の意味はご存知でしょうか。実は、端午の節句はもともと身に付いた穢れを祓うところから始まったとされています。それが、時代とともに男の子の成長を願う行事へと変化していきました。現在では端午の節句は「こどもの日」と定められ、男女を問わずその成長と幸せを願う日となっているのです。 ここではそのような端午の節句について、意味と由来を解説します。 端午の節句の意味 端午の節句とは、もともとは身に付いた穢れを祓うために神に供物を捧げる日のことをいいました。端午…

  • 上巳の節句とは?由来とひな祭りとの関係を解説!

    上巳の節句とひな祭りとがすぐに結び付くという方は多くはないかもしれません。しかしながら、桃の節句とひな祭りならば、同じ行事だとすぐにわかる方は多いことでしょう。 実は上巳の節句も桃の節句同様、ひな祭りと同じ行事なのです。ただし、もともとは上巳の節句のほうが古くから行われてきた行事であり、ひな祭りのほうが歴史は新しいのですね。 ここでは、上巳の節句とひな祭りの関係について解説します。 上巳の節句の意味と由来 上巳の節句のもとの形は古代中国で3月最初の巳の日に行われていた行事です。古代中国では、この日には水辺で体を清め、宴を催すことで邪気を祓うことが行われていました。この行事が日本に伝わり、日本古…

  • 人日の節句とは何か?七草粥との関係はあるのか?

    人日の節句と聞いて、その意味がすぐにわかるという方は少ないのではないでしょうか。なかには、桃の節句や端午の節句というのは知っているけれど、人日の節句などは聞いたことがないという方もおいでかもしれません。 実は人日の節句とは七草粥を食べる日とされています。それでは1月7日の七草粥の日が人日の節句とどのように結び付くのでしょうか。 ここでは、人日の節句と七草粥との関係について解説します。 人日の節句とは何か 人日の節句とは人を大切にする日であり、7種類の野菜の吸い物を食べて邪気を祓う日のことです。古代中国で発祥したとされています。古代中国では、正月初めの7日間を1日から順に、鶏の日、狗の日としてお…

  • 鏡餅の鏡にはどんな意味がある?

    正月の縁起物として飾られる鏡餅。年末になるとデパートやスーパーでは特設コーナーが設けられ、正月飾りの定番として売られています。 しかし、なぜ鏡餅と呼ばれるのでしょうか。正月用のお供えであれば単に餅だけでもよいと思うのですが、そこに鏡という言葉がつく意味は何でしょうか。 実は、鏡は神の依代とされており、そこに米を神聖なものとする稲作信仰とが合わさったものが鏡餅といわれています。 ここでは、鏡餅の鏡の意味と餅との関係について解説していきます。 鏡とは何か 鏡は古くから神様が宿る依代として、また祭祀を行う際に使われる神聖な道具として考えられてきました。 古事記や日本書紀には天照大神が鏡を自分と同じも…

  • 年越しの大祓とは何?夏越しの祓との関係は?

    年越しの大祓は毎年12月31日に全国の神社で行われる行事です。身についた罪や穢れを払い、新年を新たな気持ちで迎えるために行なわれるものとされています。 これと似た行事に夏越しの祓があります。こちらは毎年6月30日に行われる行事で茅の輪くぐりが有名です。これら2つの行事にはどのような関係があるのでしょうか。 ここでは、年越しの大祓の意味と夏越しの祓との関係について解説していきます。 年越しの大祓の意味 年越しの大祓とは、12月31日の大晦日に神社で行われる罪や穢れを払う行事のことをいいます。ここでいう罪とはいわゆる犯罪行為のことではなく、日常の中で気づかないうちに犯してしまっているちょっとした嘘…

  • 節句の意味とは?時期はいつ?

    節句はよく聞く言葉ですが、具体的な意味や内容についてご存知の方は多くないのではないでしょうか。また、端午の節句は知られていますが、その他の節句となると、いつ行われるものなのか、といった疑問をおもちの方もいらっしゃると思います。 実は、節句とは穢れを払うために、神に供物を捧げる日のことをいいました。神の力によって自分や家族の無事安穏を願う日だったのです。端午の節句も、もともとの意味は邪気を払う儀式を行う日でした。その際に使われたのが菖蒲だったのです。 ここではそんな節句について解説していきます。 節句の意味 節句とは神を祀り、穢れを払う日のことをいいます。ここでいう穢れとは陰陽五行説からきたもの…

  • 正月事始めって何?意味と由来を解説します

    正月事始めという言葉を聞いたことはありますか。日常的に使われる言葉ではないので、ご存知の方は多くないのではないでしょうか。 実は正月事始めとは、正月を迎える前に行う行事を始める日のことをいいます。煤払いやお歳暮、年男などは正月前に行う行事ですが、これらの行事を始める日が正月事始めなのです。 ここでは、そのような正月事始めの意味と由来、さらには行事の内容について解説していきます。 正月事始めの意味 正月事始めには、正月を迎えるにあたって、しておかなければならないことを始める日という意味があります。正月は福をもたらす歳神がやってくる大切なときとされていました。そこで、無事に歳神を迎えるために様々な…

  • 酉の市とは何か?意味と由来を解説します。

    毎年、11月に行われる酉の市は商売繁盛を願う行事として知られています。福をかきこむとされる熊手が買われると威勢の良い掛け声とともに行われる手締めは、酉の市のにぎわいを象徴するものです。 けれども、酉の市の由来はごぞんじでしょうか。また、そもそも酉の市の「酉」とは何を意味しているのでしょうか。 ここではそんな酉の市の意味と由来を解説します。 酉の市の意味 酉の市とは毎年11月の酉の日に全国の鷲神社で商売繁盛を願って行われる行事のことをいいます。 酉の日とは十二支をもとにした日の数え方です。十二支とは「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」の12から成ります。陰陽五…

  • 社日とは何か?意味と由来を解説します

    社日という言葉を日常的に使っている方は少ないのではないでしょうか。また、社日という言葉自体一般的ではないので、その意味すらわからないという方のほうが多いかもしれません。 実は、社日とは雑節の1つで、春と秋に土地の守り神とされる産土神(うぶすながみ)を祀る行事が行われる日のことをいいます。ただし、他の雑節、たとえば、節分や彼岸と比べるとあまり知られてはいないようです。 ここでは、そんな社日について意味と由来を解説します。 社日の意味と由来 社日とは、春分と秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日に行われる行事のことをいい、雑節の1つです。雑節とは農作業の指標として作られた暦のことをいいます。社日は春…

  • 土用の丑の日は夏だけじゃない。土用の意味と丑の日の関係を解説!

    土用の丑の日といえば、夏の風習として定着しています。真夏の暑い日々を乗り切るためにウナギを食べてスタミナをつけようというのがその理由です。 しかし、土用の丑の日といっても真夏の特別な一日として決まっているわけではありません。 実は土用の丑の日は毎月めぐってきます。さらにいうならば、土用も夏だけではなく、春夏秋冬のいずれの季節にもあるのです。 そこで、ここでは土用の意味と土用の丑の日について解説します。 土用の意味 土用とはものを変化させる働きのことをいいます。これは古代中国に起源をもつ陰陽五行説の考え方です。宇宙は、木、火、土、金、水の5つの気によって作られており、土用はそのうちの土の気にあた…

  • 二百十日と二百二十日 何が違う?

    二百十日と二百二十日。このうち、二百十日はよく聞く言葉だけれども、二百二十日とは何だろう。何か取り立てて違いがあるのだろうか。このような疑問をもつ方は多いのではないでしょうか。 実は二百十日も二百二十日もともに台風が来る厄日とされている日なのです。稲作を行うにあたって出穂期の管理はとても重要ですが、その時期が二百十日と二百二十日の両日と重なるとされているため、昔から恐れられてきたのですね。 ここでは、そんな二百十日と二百二十日について解説します。 二百十日、二百二十日とは? 二百十日と二百二十日はともに雑節の1つです。雑節とは二十四節気では表しきれない季節の変化を示した暦です。たとえば、節分や…

  • 半夏生とは何か?意味をわかりやすく解説!

    半夏生は雑節の1つで梅雨明けから本格的な夏に向かう時期を表した言葉です。半夏生(はんげしょう)と読みます。あまり一般的に使われる言葉ではないので、名前だけは知っていても詳しい意味まではちょっとわからない、という方は多いかもしれません。 実は半夏生とは季節の変化だけではなく、同じ名称の植物を指す言葉としても使われています。ドクダミ科の多年草植物として知られる半夏生がそれです。 ここでは、1つの言葉にいくつもの意味が含まれる半夏生について解説します。 半夏生の意味 半夏生という言葉は、雑節、七十二候、植物といった3つのカテゴリーに分けて使われています。 雑節 半夏生は雑節の1つです。雑節とは農作業…

  • 入梅と梅雨入りに違いはあるのか?

    毎年5月の終わりから6月にかけて日本では梅雨の時期に入ります。早いところでは5月半ばには既に梅雨入りする地域もあります。 ところで、梅雨に入る時期のことを入梅ともいいます。梅雨入りと入梅はともに同じ意味をもっているように思えますが、本当はどうなのでしょうか。 実は、梅雨入りと入梅は本来、違う意味をもった言葉なのです。 ここでは、そんな梅雨入りと入梅について解説します。 入梅とは何? 入梅とは雑節の1つで、暦のうえで梅雨に入る日のことをいいます。あくまでも暦上の目安であり、実際の気候とは関係はありません。 雑節とは二十四節気以外に農作業の指標とされてきた節気のことで、八十八夜や二百十日などがあり…

  • 雑節とは何か?意味と成り立ちを解説します

    日本の四季を表す言葉として二十四節気が有名です。しかし、この他にも八十八夜や二百十日、さらには入梅という言葉がそのときどきの季節を表すものとして使われています。 実は、これらの言葉も二十四節気と同じく四季の移り変わりを示すものとして同一のカテゴリーにまとめられているのです。このカテゴリーの総称を雑節と呼びます。日本人は二十四節気以外にも季節の変化を示す言葉を使ってきたのです。 ここでは、雑節について意味と種類、さらには成り立ちを解説していきます。 雑節の意味と種類 雑節とは、農作業の指標として二十四節気の他に考えられた節気のことです。有名なものに八十八夜、二百十日などがあります。 太陽の動きを…

  • 夏至とは何か?二十四節気を解説!

    夏至は二十四節気の1つで、夏の部の4番目にくる節気です。夏至の初日は1年のうちでもっとも昼が長い日とされ、太陽の恵みに感謝する夏至祭が日本だけではなく、世界各地で行われます。スウェーデンやフィンランドなど北欧諸国の祭りが有名ですが、日本でも二見興玉神社で夏至の祭りが行われます。太陽の力を特別なものとみる風習は洋の東西を問わないということなのでしょう。 ただし、日本における夏至の期間は梅雨の時期にあたっていて雨が降る日が多いため、昼の時間が長いとはいっても実際の日照時間は長くありません。 ここではそんな夏至について解説します。 夏至はいつ? 夏至は毎年6月21日から7月6日頃までをいいます。ただ…

  • 芒種とは何か?二十四節気を解説!

    芒種は二十四節気の1つで、夏の部の3番目にくる節気です。梅雨入りを控えて、湿度が高くなる憂鬱な季節です。しかし、農家の方にとっては農作物の成長にとって欠かせない時期となります。 そのため、その年の豊作を祈る御田植神事を芒種の時期に行う地域もあります。大阪の住吉大社で行われる御田植神事は、この時期の行事として有名です。 また、芒種の時期は梅の収穫時期と重なります。梅雨明け後の本格的な夏を乗り切るため、毎日の食事に梅を取り入れる方も多いことでしょう。 ここでは、そんな芒種について解説します。 芒種はいつ? 芒種は毎年6月5日から6月20日頃までの15日間をいいます。ただし、日付が特定されているわけ…

  • 小満とは何か?二十四節気を解説!

    小満は「ショウマン」と読み、二十四節気の1つで、夏の部の2番目にあたる節気です。夏が始まる立夏に引き続き初夏のさわやかな陽気に包まれるため、出かけるには格好の時節といえます。 しかし、その一方で小満は梅雨に入る手前の時期でもあり、いわゆる走り梅雨と呼ばれる悪天候に見舞われることが多くなります。雨が続いた後には、再び晴れた日が戻りますが、場合によってはそのまま本格的な梅雨に入ってしまうこともあるので、レジャーの計画を立てる際は注意が必要な時期です。 ここでは、そんな小満について解説します。 小満はいつ? 小満は毎年5月21日から6月4日頃までの15日間をいいます。ただし、日付が特定されているわけ…

  • 立夏とは何か?二十四節気を解説!

    立夏とは二十四節気の1つで、夏が始まる日とされています。真夏の暑さにはまだ間があり、吹き渡る風が気持ちの良い季節です。 この時期に吹く風を薫風と呼びますが、新緑の香りを運んでくるさわやかな風は立夏を象徴するものといえるでしょう。 ここでは、立夏について解説していきます。 立夏はいつ? 立夏は毎年5月5日から5月20日頃までの15日間をいいます。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。 二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそ…

  • 穀雨とは何か?二十四節気を解説!

    穀雨とは二十四節気の1つで春の終わりにあたる時期をいいます。百穀を潤す雨が降るという意味をもち、農家の方にとっては農作業を始めるにあたってとても大切な季節です。 また、日差しも強くなるため、ときとして暖かさを通り越し、汗ばむくらいの陽気となることがあります。反面、急に気温が下がって朝などは霜が降り、農作物が思いがけない被害にあうこともある時期です。 特に立春から数えて八十八日目にあたる穀雨の最終日に降りる霜は「八十八夜の忘れ霜」と呼ばれ、注意されてきました。 ここでは、そんな穀雨について解説します。 穀雨はいつ? 穀雨は毎年4月20日から5月4日頃までとなります。ただし、日付が特定されているわ…

  • 清明とは何か?二十四節気を解説!

    清明とは二十四節気の1つで4月初めの春の盛りの頃を表した言葉です。 一般的に使われている言葉ではないので、なじみがないという方は多いかもしれません。しかし、本格的な春を迎えた頃の明るくはつらつとした雰囲気を伝える言葉として古くから使われてきました。俳句の季語にも入っています。 清明の時期は春本番ということもあって、ピクニックや山菜取りに出かける人が多く見られますし、また、4月8日には灌仏会といってお釈迦様の誕生日を祝う行事も行われます。 さらに、温暖化の影響で近年は3月中に終わってしまうお花見も、もともとはこの時期の行事でした。 ここでは、そんな清明について解説します。 清明はいつ? 清明は毎…

  • 春分とは何か?二十四節気を解説!

    春分は二十四節気の春の部にある言葉です。春分の初日は昼と夜の長さが同じであり、秋の秋分初日といわば対になっています。どちらも太陽が地表を照らす時間がほぼ同じだからです。 しかし、秋分初日のほうが夏の暑さを引きずっていて気温が高いとされているのに対して、春分は冬から春への移行期にあたるため、気温は秋分初日よりも低くなります。 この他に、春分初日を中日とする前後3日間、合わせて7日間は春の彼岸と呼ばれ、各地の墓苑はお墓参りをする人々で賑わいをみせます。 ここでは、そんな春分について解説します。 春分はいつ? 春分は毎年3月20日から4月4日頃までとなります。ただし、日付が特定されているわけではなく…

  • 啓蟄とは何か?二十四節気を解説!

    啓蟄は「けいちつ」と読み、二十四節気の春の部にある言葉です。春の初めで、まだ寒さも残っていますが、冬の間いなかった虫の姿をちらほら見かけるようになる頃とされています。 また、松の木に巻かれた菰を外すときであり、さらには春を告げる雷、「春雷」が鳴る時期にもあたります。 本格的な春の到来を間近に控えた時期が啓蟄ということができるでしょう。 ここでは、そんな啓蟄について解説します。 啓蟄はいつ? 啓蟄は毎年3月5日から3月19日頃までとなります。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。 二十四節気と…

  • 雨水とは何か?二十四節気を解説!

    雨水は二十四節気の春の部にある言葉です。「うすい」と読みます。時期としては春の初めにあたり、まだまだ寒さが厳しいときでもあります。しかし、この頃から農家では農作業の準備が始まりますし、お雛様を飾る家もでてきます。 生活のリズムが春に向かって動き始めるときが雨水の時期といえるでしょう。 ここでは、二十四節気の1つである雨水の時期や意味について解説します。 雨水はいつ? 雨水の時期は毎年2月19日から3月4日頃までとなります。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。 二十四節気とは、太陽の動きを基…

  • 立春とは何か?意味と行事を解説!

    立春は暦上で春になったことを表す言葉です。ただし、春とはいっても1年でもっとも寒いとされる大寒の次にくる季節のため、肌に感じる寒さは変わりません。むしろ、より寒いと思うことのほうが多い時期であり、春というには少し早すぎるというのが多くの方が実感しているところでしょう。 実は、立春の頃を境に日脚が伸びたと感じる日が増えてくるといわれています。実際に、昼間、太陽が出ている時間が冬至の頃と比べると長くなっています。日の出が10分早く、日の入りは40分遅くなっているのです。 寒い時期であることに変わりはないのですが、日照時間を考えると、厳しい冬の季節は過ぎつつあるといえるのが立春の頃なのかもしれません…

  • 大寒とは何か?意味と行事を解説!

    大寒は小寒の次の時節で寒さがもっとも厳しい時期とされています。小寒を大寒に入る前のウォーミングアップの時期とすれば、大寒こそが本格的な真冬ということができるでしょう。 小寒と大寒とをあわせた1ヵ月間を「寒」といいます。この時期には寒稽古や寒中水泳といった寒にちなんだ行事が行われるとともに、寒仕込みと呼ばれる食材が注目を集めます。 寒さが極まる時期に行うあえて行う稽古や、同時期に作られる食材に昔の人は特別な思い入れをもったのです。 ここでは、そんな大寒について解説していきます。 大寒の意味と時期 大寒とは二十四節気の1つです。二十四節気の前の時節である小寒と対になっており、小寒に入ったその日を「…

  • 小寒とは何か?意味と行事を解説!

    小寒は、1年でもっとも寒さが厳しいとされる大寒に入る前の時節になります。いわば、厳寒を迎えるためのウォーミングアップの時期といえるでしょう。 正月休みも終わって、仕事や学校が始まります。また、寒風の中、厚手のコートやジャケットに身を包んだ人たちが街を行き交う姿を日常的に目にする時期でもあります。 鏡開きや成人式、さらには小正月と呼ばれる旧暦の正月が行われるのもこの頃です。 ここでは、そんな小寒について解説していきます。 小寒の意味と時期 小寒とは二十四節気の1つです。二十四節気の次の時節である大寒と対になっており、小寒に入ったその日を「寒の入り」と呼びます。寒の入りから立春前日までを「寒」と呼…

  • 冬至とは何か?意味と行事を解説!

    冬至は1年のうちでもっとも昼の時間帯が短いとされている日です。国立天文台がホームページで公表している冬至の日の入り時刻をみると、毎年16時30分前後となっています。ざっくりといって、夕方の5時を過ぎればあたりは真っ暗になるのが冬至の時期なのです。 また、この時期は12月の終わりにも近く、冷たい風が身に沁みてくる頃です。 その一方で、年の暮れともあって、忘年会やクリスマスなどの行事も行われ、街がきらびやかになる時期でもあります。 ここでは、そんな冬至の意味と時期、さらに行事について解説していきます。 冬至の意味と時期 冬至とは二十四節気の1つで、もっとも昼が短く夜が長い頃をいいます。また、この日…

  • 大雪とは何か?意味と行事を解説!

    大雪とは「タイセツ」と読み、季節の変化を表した二十四節気の1つです。雪がちらつく頃を意味する小雪の次にくる節気をいいます。朝晩に限らず、日中も寒さを感じ、街には冬物のジャケットを着た人の姿が目に付くようになる時期です。 本格的な冬になったことを実感するのが大雪の時期となるのです。 ここでは、そんな大雪の意味と時期、さらに行事について解説していきます。 大雪の意味と時期 大雪とは二十四節気の1つで、雪が降り積もっていく頃をいいます。東北地方の日本海側では雪に覆われるところも出てくる時期です。その反対に東京などの太平洋側では積もるほどの雪が降ることはありません。しかし、風は冷たく、暖かい飲み物が恋…

  • 小雪とは何か?意味と行事を解説!

    小雪は「ショウセツ」と読みます。立冬が過ぎて、紅葉が散り始め、北海道や東北地方では初雪が見られるようになる季節です。ときによっては、小春日和と呼ばれる暖かな日に恵まれる日もあります。 秋から冬に季節が移ろっていく時期にあたるのが小雪です。 ここでは、そんな小雪の意味と時期、さらに行事について解説していきます。 小雪の意味と時期 小雪とは二十四節気の1つで、雪がちらつき始める頃をいいます。小さな雪と書くように、まだ、積もるほどの雪が降ることはない時節です。 二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。私たちの先祖は、春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分し…

  • 立冬とは何か?意味と行事を解説!

    冬が立つ日と書いて立冬(リットウ)と読みます。「立つ」というのは始まりという意味で、立冬とは冬が始まる日のことをいうのです。 また、立冬は二十四節気のなかの言葉で、次の小雪までの15日間をさします。立冬には冬になった日と二十四節気の次の節気までの期間との2つの意味があるのです。 この時期は、木枯らしや霜柱といった冬の寒さをイメージさせる気象現象がみられる一方で、小春日和と呼ばれる暖かく穏やかな日に恵まれるときもあるのが特徴です。 さらに、野山を染める紅葉も最盛期となり、名所と呼ばれる場所は多くの観光客で賑わいをみせます。 ここでは、そんな立冬について解説していきます。 立冬の意味と時期 立冬と…

  • 霜降とは何か?意味と行事を解説!

    霜降は「ソウコウ」と読みます。時折、「シモフリ」と読んでしまいますが、これでは霜降り肉のこととなってしまい、意味としては間違いです。 霜降は霜が降りる時期という意味の言葉で、秋から冬に変わる時節を表したものとなります。霜が降りると農作物に被害がでるところから、地域によっては霜注意報が出されて、注意が呼びかけられる時期です。 また、朝晩はめっきりと寒くなり、冬の気配が漂い始める頃でもあります。 ここでは、そんな霜降の意味や、この時期に行われる行事について解説していきます。 霜降の意味と時期 霜降とは二十四節気の1つで、早朝、草木に結ぶ露が凍って霜となる時期のことをいいます。 二十四節気とは、太陽…

  • 寒露とは何か?意味と行事を解説!

    寒露とは、お彼岸も過ぎて気温も下がり、過ごしやすくなってきた時期を表す言葉です。街にはキンモクセイの甘い香りが漂い、人々の服装も赤や黄色、ブラウンといった暖色系のものが目立つようになります。 しかし、この時期が寒露と呼ばれるのは日中の気温が下がるためではありません。朝、草木に結ぶ露が冷たくなるところから寒露と呼ばれるようになったのです。 そこで、この記事では寒露の意味や時期、さらに行事についてくわしく解説していきます。 寒露の意味と時期 寒露とは二十四節気の1つで、早朝、草木に結ぶ露が冷たくなり、日中の空気も冷やかに感じられる時期のことをいいます。 二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標…

  • 秋分とは何か?意味と行事を解説!

    秋分といえば、お彼岸やお墓参り、といった言葉が頭に浮かぶという方は多いのではないでしょうか。また、単に秋分の日という名前の祝日と考える方もいると思います。 実は秋分とは季節の移り変わりを表す二十四節気のうちの1つです。次の寒露までの間の約15日間を秋分と呼んでいるのです。 また、秋分の日は夜と昼の長さが同じとなります。さらに秋分の日を含めた前後7日間は秋のお彼岸の時期にもあたります。 このように、秋分はいくつもの意味を含んでおり、二十四節気のなかでも特徴のある言葉といえるでしょう。 ここでは、そんな秋分について解説していきます。 秋分の意味と時期 秋分は二十四節気の1つです。 二十四節気とは、…

  • 白露とは何か?意味と行事を解説!

    白露とは、草木に朝露が付き始める時期をさす二十四節気の言葉です。 立秋、処暑と暦上の秋が進んでくると、日中は暑くても夜になると気温は下がり、朝には草木に露が付いている光景が見られるようになります。この時期を白露と呼び、秋を感じることができる機会が多くなるのです。 ここでは、白露について解説していきます。 白露の意味と時期 白露は二十四節気の1つです。 二十四節気とは、太陽の動きを中心にして農作業の指標となるように考えられた暦のことです。私たちの先祖は、春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としました。 秋の部は、立秋、処暑、白露、秋…

  • 処暑とは何か?意味と行事を解説!

    処暑とは暑さが一段落した時期をさす二十四節気上の言葉です。 お盆休みが終わり、8月も半ばを過ぎると、朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきます。もちろん、日中は暑い日が続きますが、夜になると虫が鳴き、吹く風も涼しくなってくるからです。気持ちのうえだけでなく、肌感覚としても秋が近づいてきたことを感じられる時期となります。 この時期が立秋から処暑に入る頃となります。季節が前に進んだことを実感できる時期が処暑なのです。 ここでは、そんな処暑について解説していきます。 処暑の意味と時期 処暑とは二十四節気の1つで、秋の部の2番目にあたります。 二十四節気とは、太陽の動きを中心にして農作業の指標となるように考…

  • 立秋とは何か?意味と行事を解説!

    立秋と聞くと、何やら涼しげな風が吹いてきそうな気持がしますが、実際には暑い最中です。しかも1年のうちでもっとも暑いとされる大暑の次にあたる季節なので、涼しげな風など感じることはできない、という方も多いことでしょう。 ただ、見方によってはうだるような暑さのなかに、秋の風情を感じることができるのも立秋の時期の特色です。なかには、空の色や陽の光などから真夏のギラギラした感じが薄らいでいる感じをもつ方がいるかもしれません。 ここでは、そんな立秋について、意味や時期、さらに行事などを解説します。 立秋の意味と時期 立秋は二十四節気の1つで、秋の部の最初にあたる時節をいいます。二十四節気とは太陽の動きをも…

  • 大暑とは何か?意味や行事を解説!

    念力のゆるめば死ぬる大暑かな 村上鬼城 この句に象徴されるように大暑は猛烈に暑い季節です。小暑が梅雨の終わりの時期にあたっていて、いくらか肌寒さを覚えるような日もあるのに対し、大暑にはそれがありません。 酷暑、炎天下、熱帯夜といった言葉が新聞やテレビで頻繁に使われる夏本番の暑さが到来するのが大暑なのです。 ここでは、そんな大暑の意味や時期、さらに行事について解説します。 大暑の意味と時期 大暑は二十四節気の1つで、夏の部の最後にあたる時節をいいます。二十四節気とは、太陽の動きに対応して作られ、季節の微妙な変化を表す区分として使われてきたものです。主に農作業の指標とされてきましたが、現在は日本の…

  • 小暑とは何か 意味や行事を解説!

    小暑は梅雨が明けて本格的な夏の始まる時期を指す言葉です。陽の光も強くなり暑さが実感され始めるときでもあります。 しかし、この時期は梅雨の末期にもあたり、大雨による災害も発生します。 季節の変わり目を感じることができるのが小暑の時期といえるでしょう。 ここではそんな小暑の意味や使われ方について解説していきます。 小暑の意味と時期 小暑は二十四節気の1つです。二十四節気とは太陽の動きを中心にして、春、夏、秋、冬の4つの季節の移り変わりを季節ごとに6つの節気に分けたものをいいます。 このうち夏の部は、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑の6つの節気に分けられており、小暑はそのうちの5番目に当たります。…

  • 夏越しの祓ってどんな行事?意味と由来を解説!

    夏越しの祓ってよく聞くけれど、何をする行事なのかな? このような疑問をもつ方は多いかもしれません。また、テレビのニュースなどで夏越しの祓の行事として「茅の輪くぐり」の様子が放映されますが、その由来についてもよくはわからない、という方はいると思います。 そこで、夏越しの祓の意味や由来、さらにはそのときに行われる行事について解説します。 夏越しの祓の意味とは 夏越しの祓は、身に付いた様々な穢れや災厄の基となる罪を払うために行なわれる行事です。 日本古来の神道では、人が安らかに生きていくため、一定の時期にその人の身に付いた穢れや罪を払うことが必要と考えられており、そのための行事が行われてきました。こ…

  • 五月晴れはいつ使う?意味と使う時期を解説!

    五月晴れという言葉を聞くことは多いと思います。五月のよく晴れた日を表す言葉として使われることが多いのですが、本来の意味は違うとされています。 実は、五月晴れとは梅雨の合間に顔を覗かせる晴れ間のことをいっていたのです。それがなぜ、五月の晴れた青空をさしていわれるようになったのでしょうか。 ここでは、五月晴れの意味と使われ方について解説していきます。 五月晴れの意味 五月晴れには「ごがつばれ」と「さつきばれ」の二種類の読み方があります。 「ごがつばれ」は文字通り五月のよく晴れた日のこと。これに対して「さつきばれ」は梅雨の晴れ間のことをいいます。 ここで問題となるのは「さつきばれ」のほうです。もとも…

  • 梅雨寒とは何?温度は何度くらい?意味と使われ方を解説!

    梅雨の時期には、急に寒くなることがあります。暑い日が続いて、半袖のシャツを着て外出していたのが、突然の寒さであわてて冬物のセーターを取り出した経験のある方は多いことでしょう。 この現象を梅雨寒、もしくは梅雨冷と呼びます。 本来暑い夏に寒い時期があるというのは不思議ですが、いくつかの気象条件が重なることでこのような現象が起きるのです。 実は、日本には梅雨寒がない地域もあります。これも気象のなせるワザです。 ここでは、そんな梅雨寒について解説していきます。 梅雨寒の意味 梅雨寒とは、梅雨の時期に起きる季節外れの寒さのことをいいます。具体的には約20°c前後の気温がその目安とされています。4月上旬頃…

  • 立夏はいつのこと?何をする日?時期と行事を解説!

    立夏は夏の始まりといわれています。真夏の暑さにはまだ間があり、吹き渡る風が気持ちの良い季節です。 ところで、立夏はいつから始まっていつまで続くのかご存知でしょうか。また、その間にしなければならない特定の行事はあるのでしょうか。 ここでは、立夏について、その時期と行われる行事とを解説します。 立夏はいつのこと? 立夏は二十四節気の1つで、毎年5月初旬から半ばまでの時期のことをいいます。 二十四節気とは1年を春夏秋冬の4つの季節にわけて、それぞれの季節をさらに6等分したものです。もともとは古代中国で使われていた季節ごとの区分が日本に入ってきたもの。 しかし、中国と日本では季節が変化するサイクルが違…

  • 薫風ってどんな風?使う時期はいつ?意味を解説!

    薫風という言葉からは新緑萌ゆる5月のさわやかな風、というイメージが浮かびます。初夏の日差しのなかを吹き抜ける風、といったところです。 しかし、薫風は初夏の時期にだけ使われてきた言葉ではありません。真夏のうだるような暑さのなかでも使われた言葉でもあります。なぜそのようなことが起こるのでしょうか。 そこで、ここでは薫風の意味と使われる時期について解説していきます。 薫風の意味 薫風とは、 「初夏に若葉のかおりを漂わせて吹くさわやかな風。」 (新明解国語辞典より引用) のことです。 また、季語の一つでもあり、「風薫る」の傍題としても歳時記に掲載されています。歳時記によると、もともとは和歌で草花の香り…

  • 八十八夜の忘れ霜とは?意味と発生の原因を解説!

    夏も近づく八十八夜・・・ 明治45年に発表された唱歌「茶摘み」の歌いだしの言葉としても知られる八十八夜は立春から数えて八十八日目のこと。新緑が萌え茶の新芽が摘み頃となる時期です。 昔からこの時期に摘まれた新茶は体に良いとされ、茶の産地ではお茶に関する様々なイベントが行われています。 しかし、そんな八十八夜に用心しなくてはいけないのが八十八夜の忘れ霜。暖かくなったこの時期に急に霜が降りてせっかくの茶の新芽がだめになってしまうことがあるからです。 ここでは八十八夜の忘れ霜の意味と原因について解説していきます。 八十八夜の忘れ霜の意味 八十八夜の忘れ霜とは、暖かくなり夏も近くなった時期に降りる霜のこ…

  • 花曇りとはどんな曇り?意味と使われる時期を解説!

    花曇りという言葉からは華やいだイメージを連想します。曇り空ではあっても、地上では何となく明るい雰囲気が漂っているといった感じでしょうか。 実は花曇りとは、厚い雲に覆われた曇天を指していう言葉ではありません。同じ曇天でも薄雲がかかった時折日が差す明るい日に使われる言葉なのです。陽の当たらない暗い日には使われないのですね。 ここではそんな花曇りの意味や使われる時期について解説します。 花曇りの意味 花曇りとは、桜の咲く時期の日差しのある明るい曇り空のことをいいます。 花曇りの花は桜のことです。日本では平安時代以降、花といえば桜を指すものといわれてきました。 いくつか理由はあるようですが、遣唐使が廃…

  • 仲春はいつのこと?意味と使われる時期を解説!

    初春と晩春はよく聞く言葉です。初春は春の始めというよりも正月を表す言葉として使われることが多いですし、晩春は映画や文学作品の題名などに使われています。 これに対して仲春という言葉が使われる場面はあまり多くはありません。そのせいか、仲春は初春や晩春に比べて幾分地味な感じを与える言葉です。しかし、言葉の意味を考えてみると意外なことがわかります。 ここでは、仲春の意味と使われる時期、さらには使われ方について解説します。 仲春の意味 仲春は春の真ん中にあたる時候をいいます。 日本人は1つの季節をさらに3つに分けることで季節の移ろいを表現してきました。春でいえば、初春、仲春、晩春の3つです。仲春はこのう…

  • 和風月名って何?意味と由来を解説!

    古くから日本人は月の名前をその季節に応じた呼び方で呼んできました。それを和風月名といいます。 睦月、如月、弥生といった呼び方がそれにあたります。普段はさほど使う機会がないので、すべての呼び方をご存知の方は多くないのではないでしょうか。 実は和風月名は旧暦の異称です。旧暦でも2月、3月など、月を数字で呼んでいたようですが、日本ではこの他に月を表す言葉として和風月名が使われていました。 和風月名が表す季節感が日本人の生活感覚と合致していたため、数字で表される月名とは別に昔から使われてきたといわれているのです。 ここでは、和風月名について解説していきます。 和風月名とは何か 和風月名は既述の通り、旧…

  • 二十四節気って何?由来と呼び名の意味を解説!

    季節を表す言葉として知られている二十四節気。季節のイベントや手紙の書き出しなど、様々な場面で使われ、私たちの生活を彩ってくれます。俳句の季語ともなっており、古くから日本人の季節感を育んできた言葉です。 ただ、二十四節気と実際の季節とでは感覚的に少しずれがあるともいわれています。たとえば、立春といっても肌感覚でいえばまだ冬のさなか。それでも、春になったというのですから、不思議な気がします。 実はもともと二十四節気は日本で生まれたものではなく、古代中国で生まれたものです。気候も風土も違う場所から日本に入ってきて使われ始め、いつしか日本の季節を表す言葉として定着したのです。 ここでは、そんな二十四節…

  • 初春と早春の違いって何?意味と使い方を解説!

    初春は正月に使われることが多い言葉です。しかし、立春以降を時期ごとにわけた初春、仲春、晩春といわれる三春のうちにも入っており、春の始まりを表す言葉としても使われています。なぜこのような使い方をされているのかご存知ですか。 また、早春は春が始まる時期を意味する言葉ですが、初春とは何が違うのでしょうか。 実は、初春は暦のあり方によって使われる時期と意味が二つに分かれてしまった経緯をもっています。これに対して早春は変化する季節を表すのみの言葉です。 春の始まりにはどちらを使ってもよいのですが、初春は正月をも連想させるので少々紛らわしいかもしれません。 ここでは、初春と早春の違いについて解説します。 …

  • 立春は春の始まりって本当?正月との違いを解説!

    立春は春の始まりといわれます。まだまだ寒い季節ですが、立春という言葉を聞くだけで何だかほっこりする、という方は多いことでしょう。もうすぐ暖かな春がやってくるという期待に胸が膨らむからかもしれません。 ただ、春という言葉は正月にも使われます。新春、迎春、初春など様々ありますが、冬のさなかに春という言葉が使われているのです。それでは正月の春と立春の春とは何が違うのでしょうか。また、どちらが春の始まりとなるのでしょうか。 実は両者の違いは暦と二十四節気と呼ばれる季節ごとの区切りを表す単位の使われ方によるものです。大雑把にいってしまえば、暦上の春と二十四節気上の春との違いとなります。 ここではその点に…

  • 節分ってどんな行事?意味と由来を解説!

    節分といえば豆まきをする日というのが一般的でしょう。その他には恵方巻を食べるとか、柊鰯を飾るとかいうことを思いつく方も多いと思います。 しかし、なぜそのような行事が行われているのかご存知でしょうか。 実は節分は災害除けや延命長寿を願う儀式と災害や悪疫を運んでくる悪鬼を追い払う儀式とが一緒になったものといわれています。 もともとは別の行事だったものが年を経るにつれて同化し、江戸時代には今の形になったとされているのです。 そこで、ここでは節分の由来と豆まきの意味、さらには節分に行われる行事のいくつかについて解説します。 節分の由来 節分はもともと季節が変わる最後の日を指す言葉として使われてきました…

  • 小正月って何?意味と由来を解説!

    小正月はよく聞く言葉ですが、具体的な意味や正月との違いについてはご存知でしょうか。 1月半ばに行われる行事ということぐらいは知っているけれど、それ以上のことはよくわからない。ましてや正月との違いとなるとちんぷんかんぷんだ。 こういった方は多いかもしれません。 実は小正月とは正月を終わらせるための行事となります。正月に迎えた歳神を送るとともにその年の無事安穏を願うことを主な目的として行われるのです。いわゆるどんど焼きを行うのもこのためといわれています。 ここではそんな小正月の意味と由来について解説します。 小正月は何をする日なのか 小正月とは歳神を送るとともに、その年の安穏を願う日となります。そ…

  • 大晦日は何をする日?意味と由来を解説!

    1年最後の日となるのが大晦日。年が変わる前にその年に起きた出来事を思い返し来たるべき新たな年に思いをはせる。大晦日はそんな特別な思いを多くの人に抱かせる日だと思います。 それでは大晦日はどんな意味をもつ日なのかご存知でしょうか。 実は大晦日は単に年が変わるというだけではありません。新しい年の幸運を運んでくる歳神を迎える行事といった意味ももっているのです。 ここでは大晦日の由来と意味について解説し、さらにその日に行われることを紹介します。 大晦日の由来 大晦日の由来は平安時代にまでさかのぼるといわれていますが正確にはわかっていません。昔の日本ではその年の最後の日に幸せを運ぶ歳神が家にやってくると…

  • 年越しそばはいつ食べるのがいい?由来とあわせて解説

    大晦日の定番、年越しそば。これを食べないと年が明けない、という方もおられるのではないでしょうか。昔から伝わる日本の伝統文化ですから大切にしていきたいですよね。 ところで、年越しそばを食べるのに決まった時間帯はあるのだろうか。そんなことを考えたことはありませんか。割と時間に関係なく食べている人は多いですが、本当はどうなのか。 また、何のために年越しそばを食べるのか、といった疑問をもつ方もいるかもしれません。 そこで、ここでは年越しそばについて食べる時間帯と由来とを解説します。 年越しそばを食べるのはいつ? 年越しそばを食べる日は基本的に大晦日の12月31日です。年越しそばを食べる行為にはその年の…

  • 12月に使われる言葉には何がある?意味や使い方を解説!

    12月になるとにわかに慌ただしい気持ちになります。年内に片づけなければならない仕事を抱えている人もそうでない人も等しくもつ感情ではないでしょうか。 なによりも1年の区切りの月というところから何となく気ぜわしい気持ちになってしまうのかもしれません。 実は歳時記にはそんな12月に関連した言葉が載っています。いずれも年末をひかえた私たちの気持ちに響く言葉です。今回はその中からいくつか選んで解説していきます。 師走とは? 師走は旧暦12月の異称です。ただ、現在では旧暦新暦の区別なく12月といえば師走と呼ぶことが定着しており違和感をもつ人はあまりいないでしょう。 師走の語源には諸説あって定まっていません…

  • 初冬っていつまで?晩秋との違いは?期間と類似語について解説!

    初冬の候、という言葉は手紙を書く際にはよく使われますよね。この初冬は文字通り冬の初めという意味ですが、いつまで使われるのかご存知でしょうか。 感覚的には12月初旬ころぐらいかな、とも思えますが実際にはどうなのか。 また、同じ時期に使われる言葉に晩秋や冬隣といったものもあります。それらの言葉との違いも気になります。 そこで、ここでは初冬の期間と似た言葉との違いについて解説していきます。 初冬の期間 初冬と呼ばれる期間は24節季でいえば11月初旬の立冬から12月初めの大雪の時期までとされています。 気象庁のホームページによると冬の始まりは12月からです。しかし初冬という言葉は12月になってから使わ…

  • 小春日和の意味は?小春との違いも解説

    小春日和という言葉はテレビの天気予報などで時々聞くけれど、どういう意味なんだろう。 こんな疑問をもつ方はいませんか。 小春というのなら春のうららかな一日のことをいうのじゃないのかな。 なかにはこのように思っている方もいるかもしれません。 実は小春日和は使う時期が決まっている季節限定の言葉なんです。 ここではそんな小春日和について解説します。 小春日和の意味 小春日和とは晩秋から初冬にかけて訪れる良い天気に恵まれた暖かな日のことをいいます。旧暦では10月頃の陽気とされています。旧暦は新暦より1ヶ月遅れているので、現在の暦になおすと11月から12月初旬ないし中旬の間の暖かな日ということができるでし…

  • 秋を表す色って何色?かさねの色目を解説!

    季節には一般的にイメージされる色があります。春ならばピンク、夏ならば青といった具合でしょうか。いずれも季節ごとの自然の景物や人間の営む暮らしから考えられてきた色です。 しかし、それとは別に季節にふさわしい色として決められているものがあります。それはかさねの色目と呼ばれ、平安時代には貴族が身にまとう衣服の配色に使いました。 もしも、季節とずれた色の服を着ていると相手にされなかったとまでいわれており、貴族にとっては社交上きわめて重要な意味をもっていたのです。 ここでは、かさねの色目の意味とその中でも秋を表す色目について解説します。 かさねの色目とは 平安時代の貴族が身に付けた衣服の配色をかさねの色…

  • 知っておきたい神無月の由来 神在月と併せて解説!

    10月の別名を神無月といいます。この言葉は和風月名と呼ばれるものの一つです。日本では数字の代わりに移り行く季節や行われる行事にちなんだ名前が月ごとに付けられていました。 たとえば、3月の和風月名は弥生ですが、これは木や草が生い茂る月という意味で付けられた名前です。 実は日本では明治時代に入るまでは月の満ち欠けを中心に、太陽の動きを加味した太陰太陽暦という暦が使われていました。いわゆる旧暦と呼ばれる暦です。 和風月名は旧暦で呼ぶ月の名前のことです。旧暦上の名前なので新暦が使われている現在からすれば1,2ヵ月のずれが生じます。そのため名前と実際の季節とがそぐわないことも多いのですが、昔から日本人の…

  • 秋に使いたい季節の変化を表す言葉

    日本には季節の微妙な変化を表す言葉がいくつもあります。単純に暑い寒いという言葉では説明できないかすかな違いを表現している言葉。 たとえば、汗をかきながら歩いている最中、ふと見上げた空にそれまでと違う雰囲気を感じたという経験はありませんか。そのような状況を表すことができる言葉が日本語にはあるのです。 ここでは秋に使ってみたい季節の移り変わりを意味する言葉をいくつか紹介します。 秋の始まり 残暑、新涼、秋めく 毎年8月6日か7日ごろには立秋を迎え、暦のうえでは秋になります。それ以後の暑さを残暑と呼びますが実際には暑さ真っ盛りというほうがぴったりくる時節です。 しかし、そんななかでも時おり感じる秋ら…

  • 知っておきたい彼岸の由来と意味。時期についても解説!

    暑さ寒さも彼岸まで、とよくいわれます。私たちは彼岸を季節の区切りを意味する言葉として日常的に使ってきました。 また、お彼岸にはお墓参りにでかけることを年中行事にしている方も多いことでしょう。 けれども、彼岸の意味や時期について正確にご存知ですか。 実は彼岸は仏教と日本古来の信仰とが結びついた行事なのです。さらにいえば、彼岸はなくなった人を偲ぶだけではなく、自然の恵みに対して感謝する日でもあります。 ここでは、彼岸の意味や由来、行われる時期について解説していきます。 彼岸は何をする行事? 彼岸にはお墓参りをするのが一般的です。なくなった方を偲ぶとともに、その方のおかげで今日の自分があることに感謝…

  • 灯火親しむべしの意味は何?由来と使い方を解説!

    「灯火親しむべし」はよく聞く言葉だけど、自分で使うことはあまりないよね。 「灯火親しむべし」についてはこのような印象をもっている方は多いのではないでしょうか。また夏目漱石が『三四郎』のなかでこの言葉を使っているところから読書の秋と結び付けて考えている方も多いと思います。 実は「灯火親しむべし」は中国の漢詩からとられた言葉です。ただ、日常的に使われていないのであまりなじみがない言葉といえるでしょう。 ここでは「灯火親しむべし」の意味と使われ方について解説していきます。 灯火親しむべしの意味 「灯火親しむべし」は中国の唐の時代の詩人韓愈󠄀の「符読書城南」の一節、 「燈火稍可親」 を書き下した文章に…

  • 秋の七草って何?由来と種類を解説!

    秋の七草は何?といわれてすぐに答えることができる方は多くないのではないでしょうか。 春の七草はお正月行事の一つである七草粥に使われる食材として有名です。スーパーに行けば一般の食材とともに売られてもいます。 それに対して秋の七草は名前を聞いたことがあるけれど、その種類や役割までは知られていないというのが実情でしょう。 実は秋の七草は食べるものではなく、観賞するものなのです。また、いずれも地味でひっそりとしたイメージの花なのであまり有名ではありません。 けれども、秋の風情を楽しみたいときにはあるとうれしい花々です。 ここでは、そんな秋の七草について由来や種類を解説します。 秋の七草の由来 秋の七草…

  • 虫すだくの意味とは?使い方についても解説!

    秋が深まり、朝晩がひんやりした空気に包まれるようになると聞こえてくるのが虫の鳴き声。そんなときにちょっとだけ頭をよぎるのが虫すだくという言葉ではないでしょうか。 ところで、虫すだくという言葉は時々聞くけれど正確にはどんな意味なのかな。こんな疑問をもつことはありませんか。 実は虫すだくとは歳時記の秋の部に載っている季語です。秋の夜に虫たちが鳴く声を表現した言葉になります。けれども単に虫の鳴き声をさしているだけではありません。「すだく」という言葉にはもともと集まるという意味があり、それが虫とくっつくことで虫の鳴き声を表すようになったのです。 ここでは、虫すだくの意味について解説していきます。 すだ…

  • 中秋の名月はいつみる月?時期といわれを解説!

    月といえば多くの方が秋をイメージすることでしょう。澄んだ夜空に浮かぶ月はしばし日常の喧騒を忘れさせてくれます。また秋の月なら中秋の名月、という謳い文句も私たちにはすでになじみとなっていますよね。 けれども中秋の名月はいつ見る月をさすのかご存知ですか。 実は中秋の名月とされる月が昇る日は毎年変わるのです。一般的には旧暦8月15日が中秋の名月といわれています。旧暦は新暦より約1ヵ月遅れとされているので新暦でいえば9月15日。 古くからこの日を十五夜と呼んでお月見をする習慣があるのですが、その日に昇る月が必ずしも中秋の名月ということができないのです。 そこでここでは中秋の名月にあたる日が毎年変わる理…

  • 野分とは何か

    野分は俳句や短歌を作られる方や読書が好きな方にはおなじみの言葉です。しかしそうではない方からすればなじみが薄くあまりピンとこないかもしれません。 実は野分は台風を表す言葉なのです。私がこの言葉を知ったのは小学生のとき。夏目漱石の『吾輩は猫である』の文庫本カバーの見開きに『二百十日・野分』と書いてあったのを見たのが最初です。 そのとき何やら頭のなかを風が吹き抜けていくような感じがしたのをいまだに覚えています。 今回は野分について紹介します。 野分の意味 野分とは台風の古い呼び名です。野に生えている草木をわけて吹き通る秋の強い風のことをいうので野分というのです。 ちなみに現在でいう台風とは中心風速…

  • 日本の季節を表す言葉を集めてみたい

    日本には季節を表す言葉がたくさんあります。たとえば歳時記に収められた季語は俳句を詠む時だけではなく、日常生活のあらゆる場面で使われていて、日本に暮らす私たちの心のよすがとなっています。 たった一つの言葉から私たちは吹き渡る風、降りそそぐ日差し、といった情景を目に浮かべることができるのです。 また、日本では季節ごとに様々な行事が行われます。お正月やお盆、さらにお彼岸といった行事は日本人が昔から培ってきたものの見方や考え方が形となったものです。そこには日本人の自然や他者への向き合い方が表れていると思います。 ここではそんな言葉や行事の持っている意味を綴っていきます。普段何気なく使っている言葉や季節…

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