しばらく光を上に乗せたまま笑ってから、俺はよいしょってまたソファーに光を寝かせた。俺に抱きついたはずみで落ちた保冷剤もまた脇に挟んで脚の付け根に乗せた。それを…
起き上がろうとしてたのは鴉にバレなかったみたいで、鴉は無言のまま僕の顔を濡らしたタオルで拭いてくれた。拭いてくれたところが、扇風機とエアコンの風で冷やされて気…
「そこがどうかした?」「えっとね、そこに行って掃除したいんだ」「掃除?」「掃除?」天狗と光の話だから余計な口を挟むつもりはないし、特に意識して聞き耳を立ててた…
「光、もういいなら転がれ」2杯目も一気に飲んで、天ちゃんにありがとって言ったら、手を出された。あ、コップ。ありがとって渡したら、今度は天ちゃんの後ろに居た鴉が…
タオルを濡らして少しゆるめにしぼった。きつくじゃなく、ゆるめに。水分を肌に残しておく方がいいって確か天狗が言ってた気がする。天狗は、見た目人っぽいけど人じゃな…
鴉も台所に行っちゃって、静かになった居間。扇風機の音とエアコンの音が、外の蝉の声と一緒にぶーんとかごーとか響いてた。「大丈夫だよ」静かなのは、いっちゃんもかー…
ちょっと待ってろって光の頭に手をあてて熱さを確認してから、アイスノンを取りに行った。早く、冷やしてやらないと。台所では天狗がレモンを搾ってた。「どう?ぴかるん…
鴉を見て反射的に伸ばした手は、伸ばされた手を反射的にとっただけなのか、すぐに握られてそのまま抱き寄せられた。ああ、鴉だ。自分で起き上がってなくていいのがすごく…
「鴉」「………っ⁉︎」しばらく俺はタブレットを見てた。天狗は黙ってそこに居てくれた。俺の横に。天狗が居るっていう安心で、安心感で、さっきみたいにはならなかった…
あ。太陽にじりじりと照らされながら、棘岩を撫でてた。暑いなって思いながら、でも、いっちゃんがいつも通り一生懸命だったし、僕も一緒にやるって約束だから。途中でか…
「俺はただただ嬉しいけどね」はいって天狗が俺にタブレットを渡しながら言った。嬉しい?受け取って、首を傾げる。何が嬉しいって言うのか。「親離れってことでしょ。で…
その後はいつもの棘岩。いっちゃんの、多分ほぼ毎日の日課である『棘岩撫で撫で』を僕も一緒にやる。棘岩に着いてから気づいたけど、さっきの狐と鳥居の場所からここって…
ありがとうございます‼︎週間ランキング32位〜✨まだほんの数日なのにしかもみなさんすでに読んでるお話なのに‼︎本当にありがとうございます‼︎
昨日はいきなりのアンケートにご協力頂きありがとうございました♪『リクエスト』ではないです。あくまでもアンケート。市場調査です。読者さんはどんなものを読みたいと…
何だったんだろう。って、思うぐらい一気に引っ張られた気がする。そして引き戻された気がする。何にって。強いて言えばマイナス思考、だろうか。唐突な自分への全否定。…
アンケート『アンケート』というか質問。こっちまで追いかけて下さっている強火みやぎストのみなさん。ズバリ。どんなお話が読みたいですか?ベタベタなベタ?なら、ラブ…
というか質問。こっちまで追いかけて下さっている強火みやぎストのみなさん。ズバリ。どんなお話が読みたいですか?ベタベタなベタ?なら、学生?社会人?幼馴染み?オメ…
ほうきと拭くものが欲しいな。狐の像。本当に、どれだけの間放置なのか。かなり汚れてる。これは、バチあたりかもだけどほうきで払ってから拭いた方がキレイになると思う…
「鴉?」どれぐらいそうしていたか。俺を呼ぶ天狗の心配そうな声。目を開けるのと、ぎしってソファーが天狗の重みに軋んで沈んだのはほぼ同時だった。「どうした?」聞か…
お掃除したいって、大きなひとつの目の小さないっちゃんは言って、たたたって足場の悪いそこを走って行った。お掃除って。ここを?倒れた鳥居をどうにかすることは僕にも…
こちらのお話は少しずつ『カクヨム』の方に無料で小説を書ける、読める、伝えられる - カクヨム様々なWeb小説を無料で「書ける、読める、伝えられる」、KADOK…
『仕事』って入れて出てきた画面から、『仕事探し』を選んだ。ただどんな仕事があるのかだけが知りたいのに、知りたい情報に辿り着くまでが遠い。次に出てきた画面に悩む…
「あれ?今日は棘岩じゃないの?」「うん」いつものようにお弁当と水筒を持って、いつものようにかーくんときーちゃんも一緒にのっしのし歩くまーちゃんに乗ってたら、い…
布団を干し終えて、光が出かける準備をしている間に、朝のパトロールに出たカラスを指笛で呼び戻して、いつも通り何かあったらすぐに呼ぶよう言った。もちろん光にも。準…
朝起きたら鏡を見る。一見普通の鏡だけど実は違うこの鏡を。何がどうなったらそうなるのか。僕には最初、矢が3本刺さってた………って言っても、その矢も先っちょが見え…
いつの間にか梅雨は明けたらしい。緑の上の晴天。セミの大合唱。俺はせっせと廊下に出した光と自分の布団を外に運んで干していた。天狗の布団も干したいけど、今、天狗は…
鴉起動からの次は、追いつけないぐらい早かった。立ち上がったと思ったら僕の腕を引っ張って、僕が借りてる部屋まで一直線。いつの間にかすぐ側に居たいっちゃんや、僕の…
思いっきり光を抱き締めて、最初はびっくりして身体を強張らせて逃げようとしてた光が俺の背中に腕をまわしたとき、うわって思った。うわ、何だこれ。自分から抱き締めと…
目が覚めたらいっちゃんが居た。すぐ横。大きなひとつの目で僕を見てた。「おはよう、いっちゃん」「………おはよ」部屋が明るいから朝だって思ってとりあえず挨拶したけ…
「鴉‼︎鴉っ‼︎」「………っ⁉︎」大声で俺を呼ぶ声。そしてどたどたどたって足音。「鴉どこっ⁉︎」「居間で寝てるよ〜」「鴉っ‼︎」「………?」「鴉見てっ‼︎」「…
おやすみって言って電気を消してから気づいた。後で鏡を見ようって思ったのに、見てない。すっかり忘れてた。思わず出た『あっ』て声に『ん?』って鴉。「鏡見ようと思っ…
いつも朝ご飯を作るのは天狗。今日はいつもの時間より確実に早いのに、天狗は台所でガタガタやっていた。俺は居間。の、ソファー。オレが作るからいいよーって台所は追い…
布団に寝ろって言われて寝転がった。すかさず僕のお腹の上にかーくん、横にきーちゃん。かーくんときーちゃんが居るからっていうのもあるけど、寝ろって言われてそうでき…
カタンって音に目が覚めた。部屋が明るい。ってことは朝。動く気配にぼんやりする意識を向けたら、天狗が居てひとつ目が居た。ひとつ目がたたたって小走りで俺の隣の布団…
うわぁ、うわぁって。さっきの天ちゃんってこんな気持ちだったのかなって落ち着かない僕を。「光」「ん?」鴉が呼ぶ。気のせい?少し表情に、表情が生まれた気がするのは…
「光、ほら」「あ、ありがとう」光の目を冷やすためにタオルを濡らして持ってきた。敷いておいた布団に寝るよう言って、寝転がった光の目の上にタオルを置いた。「冷たっ…
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