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  • R3-8-31 山上和子の100句(2/2)

    山上和子の100句(2/2) 川の名のかわるあたりの水ぬるむ春愁をおとすポストが濡れている春の水くしゃくしゃにして洗うかいわれ菜春昼の電車少女指先まで眠る折鶴ほどけば一枚の紙になるうたかた塩壺の湿りぐあいも梅雨の底はつ夏少女の胸のふくらみ鳩ほどに約束は鉛筆で書きます百日紅べつべつのこと考えている遠花火八月をうしろ手できっちり閉める 丹念にガラス拭く秋風の色見えるまで神も仏も忘れて秋の蚊を打つ返信...

  • R3-8-29 山上和子の100句(1/2)

    山上和子の100句(1/2) 空のつぎめに見つけた春の象かたちいつも桜はな挿す壺の春の埃をはらう観劇の余韻がふたりのことばを少くする並木がみもだえする嵐の距離おどりの輪が散ってからのこおろぎ中年の旗がはたはたはたはたはた山が尖って見える日の風音つる草に昼顔の花からまり駅裏風が片寄せる小さなあきない木馬ちぐはぐに止まり冬の公園 春風 ひらがなの駅が散ってゆく結び目解いて春のものひと品添える米一合ふ...

  • R3-8-27 八月句会レポート

    日々の感動を自由なリズムで詠み投句しよう ご訪問いただきありがとうございます泉の会は俳句を触媒にあらゆることを話題にあげ会話を楽しむ、肩肘張らない愉快な句会です。みなさまの投句を募っています。ぜひ句会にご参加ください。2021年8月8日 八月句会 全27句少し前から家族が無口 縮酔立日十・勝之・人美・美子 選・それぞれに無口にならざる理由があったのでしょう。ずっしりと重い句です。(美子)・作者は無...

  • R3-8-25 「朱」の生と死 結城昌治

    「朱」の生と死 結城昌治 加留多読む恋はをみなのいのちにて すぐれた作品は、発表された時から古典の風格をそなえているものだ。この句も、わが国のもっとも伝統的な詩歌の特質をわずか十七音で格調高く言いあらわしている。たおやかな調べは、まさしく「玉のをよ絶えなば絶えね──」と三十一文字に託した王朝の才女たちの痛切な思いに寄り添っていて、淀みがない。「──けふをかぎりの命ともがな」と詠んだのも女だった...

  • R3-8-23 野見山朱鳥の100句(2/2)

     野見山朱鳥の100句(2/2) 炎天に恋ひ焦がれゆくいのちかな人の死を咥へて飛び去り冬鴉火の独楽を廻して椿瀬を流れ悪寒来る頭脳のひだに蝌蚪たかり神々のみ代の如くに菜殻燃ゆわれ蜂となり向日葵の中にゐる曼珠沙華吹き消されたるごとく枯れ夕桜この世にのこすものもなし双頭の蛇の如くに生き悩み梅雨茸の咲くわが棺に腰掛けて 髑髏の目われを見詰めて黴てをり荊冠の血が目に入りて虹見えず炎天を駆ける天馬に鞍を...

  • R3-8-21 野見山朱鳥の100句(1/2)

    野見山朱鳥の100句(1/2) 裸子や涙の顔をあげて這ふいちまいの皮の包める熟柿かな雉鳴いて冬はしずかに軽井沢人も子をなせり天地も雪ふれり交響楽運命の黴拭きにけり鶴を見る洟垂小僧馬車の上あたたかや四十路も果ての影法師松島の後の月見てはや別れ落椿天地ひっくり返りけり火の隙間より花の世界を見たる悔 秋風よ菓子をくれたる飛騨の子よ寒雷や針を咥へてふり返り初雪は隠岐に残れる悲歌に降る父と子は母と子よりも...

  • R3-8-19 「自由律俳句きやらぼく」鑑賞 立日十の声

    年間句集2018「自由律俳句きやらぼく」鑑賞 立日十  きやらぼくは句と評がワンセットである。どちらか一つでは片手落ちで、記録に残すことを前提とする、厳しいスタイルだと思っている。その集大成が年間句集として毎年発行されていて、眩しいばかりである。 一人十句のうち、好きな句、気になった句を一句選び、勝手な妄想で申し訳ないが、拙い感想を書かせていただきました。的外れ妄想をご容赦ください。 人間...

  • R3-8-17 八月句会レポート

    日々の感動を自由なリズムで詠み投句しよう ご訪問いただきありがとうございます泉の会は俳句を触媒にあらゆることを話題にあげ会話を楽しむ、肩肘張らない愉快な句会です。みなさまの投句を募っています。ぜひ句会にご参加ください。2021年8月8日 八月句会 全27句選句・句評は後日掲載いたします。ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!にほんブログ村...

  • R3-8-15 九月句会のご案内

    泉の会 九月句会のご案内時:9月12日(日曜日)午後1:00〜5:00所:ウィングス京都 4階 会議室8投句〆切:9月10日句会へのお試し参加・投句は無料、皆様のご応募をお待ちしています。京都ご訪問の際には気軽にお立ち寄りください。会場への交通はリンクの「ウィングス京都」へ。投句はメールフォームよりお願いします。結果は当ブログで発表します。入会ご希望の際はメールフォームにその旨ご記入を。追ってご案内いたします。...

  • R3-8-13 端 湖国の24句

    端 湖国の24句 ひよこ夜店の景品には生まれてくるなおしんに子守歌なし雪ふかぶかとあり聴診器飴色になったさま々な胸のうちきいた白衣のまま菊を見せていたゞく人前に出る少女白足袋のコハゼしかとはめる襖のひき手二つあって閉まっている襖のあけたてにも倖せがある小さな福寿草鯛焼一匹と云うて売る鉢巻湯舟に浮いた手拭いち日の白さを見つめる湯舟に浮いた膝小僧の円い説法 蕎麦板折れば「放哉」の枯木の音して雪明...

  • R3-8-11 藤田踏青の100句(2/2)

    藤田踏青の100句(2/2) 細密画 人間ドックで繭になる点滴に謎の伏字が挿入され田の面ギラギラ光り社会悪というもの考えているアスフアルトてらてらと白い月が乾いている水たまり子供は地球を手玉にとるひしめきあって時間を食べ散らかして街角きしきしと己れの間を切り裂いてゆく汽笛放心の過去を晴き八月の影しい空鎖の夜  犬が引きずってくる我が靴下は汚れて遺書の形となり 枯野折れているカタカナの茎言葉は...

  • R3-8-9 藤田踏青の100句(1/2)

    藤田踏青の100句(1/2) 保線区に転がっていたカンテラのセリフ黄金分割が見つからない二人夭折の少なすぎるグラスの傷演技のように消えた通夜の灯狙撃され我を忘れた洗濯機夕空のどこか欠けている汽笛杉冷えが灯を冥くする平家谷句またがり蜘蛛もしずかに刻を編むしつけ糸に残っていた母の結界車椅子の時間を止めたテントウ虫 風狂の杭一本のガッツポーズ流れゆくものにルビふりまた流すコトリ、と神学部は短音階静寂が...

  • R3-8-7 クラシック音楽への誘い 第2回

    クラシック音楽への誘い 第2回 勝之  昨年7月にある方に誘われ「泉の会」に入り 毎月の例会にはほぼ参加しています、が自由律俳句、いや俳句という表現に正直どうも熱が入らない自分を感じはじめています・・・。敢えて言葉で表現したいものがあれば、自分の想いがきちんと読み手にも伝えられる、例えばエッセイのほうが遥かにやってみたいかな、と思ってる程です。あと、私は端くれ?でも音楽家(ピアノ弾き、作曲)...

  • R3-8-5 七月句会レポート

    日々の感動を自由なリズムで詠み投句しよう ご訪問いただきありがとうございます泉の会は俳句を触媒にあらゆることを話題にあげ会話を楽しむ、肩肘張らない愉快な句会です。みなさまの投句を募っています。ぜひ句会にご参加ください。2021年7月11日 七月句会 全26句秋山秋紅蓼の3句、高柳克弘の1句 鑑賞  よその児撮ってきた父ちゃんのバカ 立日十人美・縮酔・勝之 選・近頃、子供も若者もみんな同じ顔して...

  • R3-8-3 縮酔の句評(2)

    縮酔の句評(2) 自由律俳句誌「青穂」より抜粋 ごめんなさいトイレの壁にゴッホの自画像 鈴木 憲 私なぞ、ゴッホのあの顔で見つめられると、出るものも出なくなると思います。 相田みつおに励まされるのはもっと嫌だし、とにかく自分だけの至福の空間なのであります。 ウォシュレットできれいさっぱりとすべてが終わるまで、穏やかな気分でいたいものです。 ゴッホの自画像などは、すぐに撤去されますことをお奨め...

  • R3-8-1 縮酔の句評(1)

    縮酔の句評(1) 自由律俳句誌「青穂」より抜粋 鮎屋とわかる程の提灯で商っている 小池ますみ 鮎というものを散々釣って、そして食べた半生でした。頭からガブリといくよりも、箸にのせた胆を舌において、その甘味と苦味をゆっくりと楽しむ方が好ましい魚です。初夏の若鮎から晩秋の落ち鮎まで季節ごとの優しい香味が口中に立ち昇ってくるのです。「鮎屋とわかる程の提灯」でまさしく鮎というものの本質を表現されまし...

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