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  • ふたりでごはん 第4話「ミルメコレオ」

    ジャッ。ジャー。 台所から、炒めものをする音が聞こえる。見ると、エプロン姿の美樹がフライパンを揺すっている。 いいなぁ、こういうの。 ここ最近、歯車のずれた感がある僕たちだけど、美樹を見ていると気持ちが暖かくなる。だから、大丈夫だと強く思う。 僕が

  • ふたりでごはん 第3話「赤」

    「で、終わったの? お二人さんは」 同期で同僚の平岡信之は、そう聞いてくると、醤油ラーメンを一口啜った。「いや、その日のうちに『ごめん。仲直りしたい』って、LINE入ってきたよ」 答えて、僕はかき揚げうどんのかき揚げにかぶり付く。 ふーん、と独り言のよう

  • ふたりでごはん 第2話「メドゥーサ」

    朝から降っている雨は、夕方に差し掛かっても止みそうにない。 しとしとしとしと。七月も半ばだというのに、寒いくらい涼しい。 まあ、このくらいの気温の方が、過ごしやすくていいが。 今日は土曜日、休日。片づけが終わった部屋で、考える。 ……美樹は一体、僕のど

  • ふたりでごはん 第1話「心臓を食べたい」

    白。そして唇の赤。 それが、僕の彼女に持っていた印象の全てだった。 僕の名は今田一男。二十五歳。工員の、アルバイト。 一緒に帰路につく彼女は白金美樹。二十二歳。晴れて今より無職。今日が退職日だったらしい。 彼女とは、仕事の話以外に会話したことがなかった

  • オナ日記 第八話(最終話)「ありがとう」

    朋子は毎週、週末になると泊まっていくようになった。 それは楽しい時間だった。一緒にいると、ほっとしたような気分になる。 もう、その気持ちは隠しようがなかった。直接言葉として口にしていなくても、好意は伝わってきた。俺の気持ちも朋子に伝わっているだろう。

  • オナ日記 第七話「射精」

    前回と同じように、俺の別荘で飯を食いながら雑談する。違うのは、この日は金曜の夜だという事と、トモの服装が、身体のラインを見せるシャツに、ミニスカという、扇動的なものだという事。 俺は極力意識しないようにしながら、会話に臨んだ。トモも特段前回と変わった様

  • オナ日記 第六話「オフ会」

    さて、どうする? 浮ついた気持ちの中、俺は意識を戻した。 トモとセックス出来る。トモは、その気だ。 オフ会という非日常に開放的になっているのか、それとも小遣いが欲しいのか。理由は分からないが、そんな事はどうでもいい。 俺を躊躇させるのは、時折見せる暗い

  • オナ日記 第五話「トモ」

    トモとは、土曜日の朝九時に、○○町の中心街で待ち合わせする事になった。 場所は俺が、待ち合わせ時間はトモが決めた。 トモに時間を決めさせたのは、家族の目があり、いつでも自由に外出できる訳じゃないだろうと推測したからだ。「だが、朝の九時っていうのも、やけ

  • オナ日記 第四話「転機」

    ブログを付け始めてから、俺は変わった。 街行く少女を愛で、妄想し、そして自慰を繰り返した。 愛くるしくて仕方がなかった。 女子高生の短いスカートから覗く膝小僧、女子中学生のセーラー服姿に華奢な身体。私服姿の彼女らもいい。この時期なら、涼やかなワンピース

  • オナ日記 第三話「女子中学生その2 “尻”」

    駅には学生達の姿が多く見えた。ごった返す構内では、学生達を見て過去を思い馳せるような余裕はない。確定する満員電車に、ただうんざりするだけだ。 まあ、この時間帯は仕方がない。 小さくため息を付く俺の視界内では、学生達が仲の良い者同士集まって、楽しそうにお

  • オナ日記 第二話「女子中学生」

    暑い日だった。 商談を終えた俺は、陽炎の立つアスファルトにげんなりしながら、脇の歩道を歩いていた。アーケードになっているこの街には、昭和の雰囲気を多分に残す店舗やビルがちらほら見かけられる。 この景色、好きだな。 金物屋をウインドウ越しに眺めながら通り

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