ミーミの妹分のカンナ。全盲でありながら、若くしてリンパ腫になりました。病気と闘いながらも明るく懸命に生きた記録。
飼い主である私は現役の動物看護師。母と猫たち10匹と暮らしています。
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カンナに胃瘻チューブを設置してしばらくは毎日ガーゼを取り替え、穴から感染したりしないようにした。 瘻孔がきちんと完成するまでは不安だった。 わたし自身も胃瘻チューブの経験は初めてだったので、何もかもが試行錯誤だった。 まずはご飯。 チューブへの入れやすさを考えてクリティカルリキッドを入れたら、見事に嘔吐。 どうやらリキッド状の栄養剤は合わないみたいだ。 退院サポートも結構トロトロなので、そのままチューブへ入れれそうだと思い、入れた。 嘔吐はない。 翌日、下痢。 これもダメか… a/dに変更。 フードを入れた時はいいが、お薬を入れるとまた嘔吐。 あー、せっかくご飯入れたのに… 少し体重が増えて3…
抗ガン剤を開始してから1ヶ月が経つ。 手術後、抗ガン剤を開始してから初めてのエコー検査。 結果は… 今のところ抗ガン剤は順調に効いていて、再発もない! 食欲がイマイチ出ないカンナの様子から再発したのではないかとハラハラしていたが、経過は順調みたいだ。 だが、食べないのと嘔吐が散発しているので体重は元には戻らない。3.2〜3.3kgをキープするのがやっとだ。 カンナの状態は不安定だが、落ち着いているので学会に参加してきた。 そこで猫リンパ腫の看護に関する講義があり、食欲不振の猫には一時的に胃瘻チューブを入れることがあるらしい。 本来は外科手術の時に同時に入れることが多いらしい。 私の勤務する動物…
手術で摘出した腫瘍の検査結果は Bリンパ球性高グレード悪性リンパ腫。 わかってはいたけれど、 最悪の結果を改めて突きつけられ萎えてしまいそうになる。 いや、まだまだ治療はこれからだ。 わたしを見つめてくるカンナは全然諦めていない。 そんな顔をしているように見えた。 手術が終わって、 少しずつ食欲を回復しつつあるように見えたが、状況は一進一退。 気持ち悪そうにして食べられない日もあった。 抗ガン剤までに少しでも体力をつけさせるために、鼻からカテーテルを入れて栄養剤を飲ませた。 カンナを保護したときに酷い風邪をひいていた後遺症で片方の鼻はカテーテルすら入らないほど中が潰れていた。 それでもカンナは…
手術当日。 その後も食事がほとんど食べられずやつれた表情のカンナ。 手術を前にいろんな思いが込み上げる。 なんで末っ子のカンナがリンパ腫になったんだろう。 つい3ヶ月前には病院で輸血猫として活躍するほど元気だったのに。 今までたくさん辛いことに耐えてきたのに、なんでまたカンナなの。 考えてもしかたないけれど、やっぱりなぜ?って考える。 そうこうしているうちに、手術の時間を迎えた。 あれからもほとんど食べられず、鼻から入れたカテーテルで栄養剤をチビチビ入れてはいたものの、4キロあった体重はすでに3.3キロまで落ちていた。 私も助手として手術に参加し、カンナの一部始終を見届けた。 お腹を開けると腸…
誰だって愛する家族には長生きしてほしいと思う。 でも、それと同時に苦しませたくないって気持ちもある。 治療をすれば長生きできるかもしれない。 でも苦しい思いもするかもしれない。 相反する状況で悩んだ。 悩みに悩んだ末、母と二人でこのまま見守ると決めた。 私の仕事は動物看護師。 動物病院で勤務し、日頃からさまざまな家族をみてきた。 だからこそ、 ガンの治療が苦しいのも知っている。 ガンの治療がお金がかかることも。 私の勤務する病院は 小さな町の動物病院。 ガン治療をする動物もそれほど症例は多くない。 見守ると一旦は決めたが、心は揺らいでいた。 本当にこれがベストな選択なのかどうか。 大学病院で勤…
うちに来てからというもの こちらの心配をよそに カンナはパワフルにたくましく育ってくれた。 一見すると眼が見えないとは思えないくらいに。 棚のてっぺんにだって登れるし キッチンにだって登れる キャットタワーだって登れる たくさんヒヤヒヤさせられた。 心優しいカンナは 友人の子猫だって上手にあやしてみせてくれた。 よく食べ、よく遊び、よく寝て 元気に育ってくれた。 2才と8ヵ月を迎えたころ ちょうどゴールデンウィークの前あたり 食いしん坊のカンナの食欲が落ちている。 食べると吐く。 年齢的にも若いし、ちょっと胃腸が弱ってるのかなっていうくらいにしか思ってなかった。 病院へ連れて行って、 血液検査…
私の猛プッシュに根負けしたような感じだったが、 子猫を家族に迎えても良いと言ってくださる方がいた。 Aさんはいつも子猫を見て可愛いと言ってくれた。 犬はたくさん飼ってきたが、猫は飼ったことがない。 猫飼育の初心者なのに、 盲目の猫を家族に迎える自信がないので、 決断までに時間を要したようだ。 Aさんが子猫を迎える条件として 今いる犬と仲良く出来ること これが家族に迎えるための子猫のノルマ。 その判断をするために、まずはショートステイに送り出すことになった。 子猫を送り出す日。 2週間の暮らしができるように、ごはん、トイレ、おもちゃの準備をしながら ちょっと寂しくなった。 当の本人は気にせず遊び…
みるみる元気を取り戻してきた子猫。 しかし眼は… 右目は萎縮し 左目は腫れていく一方。 かろうじて光だけを感じるのみ。 かろうじて感じている光を奪ってしまうことに罪悪感があったが、将来のことを考えて 生後4ヶ月齢を待って手術に踏み切った。 手術はちょっと早い避妊手術と同時に、 腫れている左眼の摘出。 眼はまぶたと癒着していて難航したが、 無事に終わった。 眼の腫れととも間延びしてしまったまぶたは、 少し短くしてきれいに縫い合わされた。 術後は痛み止めを使っているせいか 手術後とは思えないくらいに元気だった。 手術から8時間が経過する頃、 急に自分のベッドでうずくまっている。 どうしたんだろう……
2013年10月1日 いつもと変わらない朝だった。 いつものように仕事へと向かう。 職場の裏口通路 遠目から見てもドアの前に何かが置かれている。 嫌な予感がした。 片手で持つには少し大きいくらいのダンボール箱。 開けてみると、やっぱりだ… 子猫が捨てられている。 中を除いた私の方を見て ニャア と鳴いた。 中からはご丁寧にお手紙まで添えてあった。 ようやく漢字を書けるようになったくらいの子供に書かせたみたいだ。 「小さな命を守ってください」と 親に捨ててこいと言われたのだろうが、 命を捨てるなんて許せない。 仕方なく中へ箱を持ち込み じっくり眺めてみた 体はガリガリに痩せて、 ノミだらけ 猫風…
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