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猫好きが読んだ千冊の本 https://nekohon.info

猫が出てくる本、猫関連の本を選んでレビューしています。その他、動物関連の本たちも。

本館:猫とネコとふたつの本棚(nekohon.jp)

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2020/07/07

  • うめざわしゅん『ダーウィン事変』01~05巻

    「種差別」について徹底的に追究した名作マンガ。「人種差別」や「性差別」についてなら、誰でも聞いたことがあるでしょう。ヒトを、肌の色や人種とか出生地、あるいは、男か女かLGBTQかで差別することです。しかし日本人は平和ボケ民族と言われるだけあって(?)、人種差別や性差別を鋭く掘り下げたマンガは少ないようです。まして「種差別」について、これほど深く、これほど詳細に追究したマンガなんて、他にないでしょう。動物愛護マンガは多いのですが、種差別と動物愛護は似て非なるも

  • 『動物のうんちえほん』

    うんちはいろんなところで役に立っているよ!うんちってなに?どうやってできるの?動物たちのトイレは?うんちの形は?動物達のうんちを、楽しくかわいらしく解説した絵本です。 動物たちは色使いも表情も親しみやすい絵柄です。西洋の絵本によくあるような、我々日本人から見たらリアルすぎたりデフォルメが不気味だったり、なんて絵はありません。また、内容からして当然ながら、うんちの絵だらけですが、不思議なほど不潔感はありません。それどころか、愛

  • 高橋うらら『野鳥もネコもすくいたい!』

    副題:~小笠原のノラネコ引っこし大作戦~。永吉カヨ/絵、小笠原自然文化研究所・社団法人東京都獣医師会/監修。あらすじ小笠原諸島は、日本本土の南東、1000km以上も離れた太平洋上に位置する島々です。父島列島、母島列島、聟島列島と、硫黄列島、西之島、南鳥島、沖ノ鳥島など、大小30余りの島からなっています。小笠原諸島は大陸と陸続きになったことはありません。そのため、ごく限られた生き物たちしか島々にたどり着けませんでした。翼を持つ鳥やコウモリ、風に

  • 西村京太郎『内房総線の猫たち』

    副題:異説里見八犬伝曲亭馬琴の超大作『南総里見八犬伝』は、名字に「犬」がつく八剣士(犬士)が大活躍する物語。しかし、里見家に本当にいた家臣たちにについていた字は「犬」ではなく・・・!?あらすじ猫田京介(狂介)は孤児だった。18歳で養護施設を卒業した後も、まともな職につかず、飲み歩いては暴れて、警察の厄介になることもしばしば。その男、小笠原に出会ったのも浅草警察署の留置場内だった。小笠原はなぜか猫田に興味を持ったようで、一枚の名刺を渡してきた。その名刺

  • 杜奏みなや『佐々木探偵事務所には、猫又の斑さんがいる。二』

    どうしたら佐々木主人に恩返しができる?。あらすじ怪界には絶対の掟がある。現界に降りた物の怪は、決して人間にその正体を知られてはならない。もし見られた場合は怪界に戻るのが掟だった。猫又の斑さんも、うっかり、見られてしまった。王は斑さんに、二週間後に怪界に戻るよう言い渡す。虎太郎という見張り役までつけられてしまった。ほんの子猫だが、この子も観怪(みけ)=物の怪の見張り役=である。こうなったらもう、斑さんも掟には従うしかない。それにしても心残りなの

  • 杜奏みなや『佐々木探偵事務所には、猫又の斑さんがいる。』

    吾輩は猫又である。あらすじ名前はなかった・・・大昔、ふつうの猫であった頃は。猫又と今は立派な名前がある。「斑(まだら)さん」だ。「さん」付けで頼むね。吾輩のご主人、佐々木探偵事務所の佐々木さんが、「斑さん」と名付けてくれたのだから。そう、大正時代には普通の猫だった。それがなぜか「怪界(けかい)の王」に認められて、物の怪、つまり猫又となったばかりか、「観怪(みけ)」として現界に来ることになった。観怪というのは、いわば物の怪たちの見張り役のようなものであ

  • ノチェッラ二世他編『動物と戦争』

    井上太一訳。副題:真の非暴力へ、《軍事-動物産業》複合体に立ち向かう (前略)軍事という人間の営為は人間以外の生きものを、人間以上に苦しめる。(中略)最大の被害者は彼等であり、戦争が起これば我々はどのような立場の人間であれ加害者になる(後略)「訳者あとがきに代えて」より page261私は、ロシアがウクライナに侵攻して以来、Twitterにアカウントを作って、1日1回だけだが毎日欠かさずツイートしている。内容はずっと同じ。「NO WAR」の文字と動物写真

  • 五十嵐大介『カボチャの冒険』

    都会から田舎に引っ越した元箱入り娘猫は・・・。となりの家まで田んぼ数枚分、つまり、数百メートル。そんな空き家に愛猫1ニャンをつれて移り住んだ一人の男。それまで空き家だったその田舎家には、以前はキツネが住んでいたとかいなかったとか。 そんな古民家で、男は小さな畑を耕し、大根やキュウリを植え、薪ストーブを燃やして暖を取る生活を始めた。まさに絵に描いたような田舎暮らし。 愛猫の名前はカボチャ。山の暮らしにたち

  • 根岸鎮衛『耳嚢(みみぶくろ)』(2/2)

    ←もどる:『耳嚢』(1/2)巻之九 猫の怪の事現代語(逐語訳ではありません)文化十一年、日光東照宮に修復工事があって、江戸から大勢出かけたが、御徒目付(おかちめつけ)の梶原平次郎が、当地の知り合いへ言ったこと。日光奉行同心(どうしん)の山中佐四郎の妻が愛猫家で、常々3~4匹も飼っていたが、一両年前から病気になって、去年以来重く、猫の真似などするようになり、この春は食べるときも猫みたいに食べる上、病気なのに食欲もすごい。看病人も困って、「何かに取り付か

  • 根岸鎮衛『耳嚢(みみぶくろ)』(1/2)

    『耳嚢(みみぶくろ)』について『耳嚢』は旗本根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が、天明から文化にかけて三十余年間に書継いだ随筆です。内容は、耳に挟んだ奇談や雑話など、今の言葉でいえばゴシップ話に近いものから、生活の知恵や治療法など、いわゆるライフハックまで。どれも数行~せいぜい3ページくらいの、ごく短いものです。それが全部で10巻433話。文庫本では、原文だけ現代語訳無しの編集でも、分厚い上中下の3冊分。なかなかの分量です。【補】天明=1781-1789年、文化=1

  • 松尾由美『ニャン氏の憂鬱』

    ニャン氏の事件簿シリーズ3冊目。猫缶を開ける音の「音楽的な響き」??あらすじ茶谷歩(ちゃたにあゆむ)は入社三年目の24歳、勤め先は製缶会社。缶詰の中身ではなく、外側、カンカンを作る方である。アマチュアロックバンド「スクーターズ」のギタリストでもある。そんな、まだ下っ端の茶谷が、大株主(の秘書)との会合(?)に使命されちゃて。抜擢の理由は、「茶谷くんはロックバンドをやっていたわよね?」大株主は、音楽をやっている社員と話がしたいそうで。いや、音楽と言って

  • 松尾由美『ニャン氏の童心』

    ニャン氏の事件簿シリーズ2冊目。悩める女性編集者のまわりで不思議な出来事が次々と。あらすじ田宮宴(うたげ)は、中堅の出版社「プラタナス書房」の編集者。担当は児童書。最近は児童書の需要が減っているのか、それとも単に会社が力を入れてないだけなのか、かつては複数名の編集者が在籍していたが、いまや宴ひとりだけ。おかげでてんてこ舞いの忙しさ、なんてことは全然なくて、むしろ暇。暇だから、あちこちの雑用に引っ張り出されたりもする。それはそれで、面白い体験もできて、悪くはな

  • 島泰三『アイアイの謎』

    珍獣アイアイの、詳細な観察レポート。動物が好きで、生き物の観察記録や研究レポート等を読むのも大好き、なんて人たちには、たまらなく魅力的な一冊。はい、私もそんな一人です。ですから夢中で読みました。すっごぉい!きゃー、ホントに?あら、うらやまし~!え、そうなの?等々(笑×笑)。アイアイという動物は、その奇妙な姿等から動物系の番組で時々とりあげられることや、「アイアイ」という童謡(相田裕美作詞・宇野誠一郎作曲、1962年発表)が流行ったことなどから、その名

  • ベリンダ・レシオ『数をかぞえるクマ サーフィンするヤギ』

    副題:「動物の知性と感情をめぐる驚くべき物語」。動物達のはかり知れぬ能力。その愛情の深さは人類より深く、その知力はしばしば人類にも勝る。なのに、なぜ、人間は動物達をこれほどまでに貶め続けてきたのか?なぜ、動物達の能力に気づかなかったのか?気づこうとしなかったのだ。彼らとヒトと、なんら違いがないことを知られてしまったら、ヒトにとってはあまりに不都合だったから。・・・本では、実はそこまで強い言葉では書かれていません。気づかなかったのはあくまで「ヒト目線で

  • 映画『ハリーとトント』

    家を失った老紳士は愛猫をかかえて旅立つ。あらすじハリー、72歳。妻を亡くし、子供たちも独立して、今はニューヨークで一人暮らし。常に愛猫トントと一緒で、外出時にも連れ歩く徹底ぶり。トントも、リードをつけられて犬のように散歩を楽しんでいた。そのハリーが住むアパートが区画整理で壊されることになった。ハリーは抵抗したが、強制的に立ち退かされる。 仕方なく息子の家に同居したが、孫とは同室だし、嫁とは折り合いが悪い。いたたまれなくなって、

  • 2022年のアクセストップ10

    2022年1年間のアクセス解析により、ページビューの多かった作品トップ10です。No.1 『しっぽの声』第13巻 作画:ちくやまきよし、原作:夏緑、協力:杉本彩https://nekohon.info/chikuyamakiyoshi-shipponokoe13/動物愛護の問題について、鋭く突っ込んだ名作コミックが堂々の1位となりました。何より「ビッグコミック オリジナル」という一般誌で連載されたというのがすばらしい出来事でした。この作品

  • 古川日出男『MUSIC』

    4人の人間と、1匹の猫が、複雑に織り込まれて。あらすじ主な登場人物は4人。中学2年生の男の子、同じく女の子、25歳の男、35歳のアーティスト、それから、一匹の猫。中二の佑多は、小学生のときは「猫たちを数えて勝負する世界」に身を置いていた。その世界の天才児だった。その頃の名前はユウタ、または、響きだけの U-ta。しかし小六の夏休みの大決戦で破れた。中二の少女の、小学校時代の名はシュガーだった。小学校は兎たちの聖域として「うさうさ王国」が樹立さ

  • 映画『ネコのミヌース』

    人間になっちゃった猫と、内気な新聞記者の、ハートフル・コメディー♡あらすじティベは新聞記者。なのに内気すぎて、取材ができません。関係者にどんどん突進して取材しなきゃならないのに、つい気おくれしちゃうんです。とうとう、ボスに言い渡されます。明日こそ記事になるネタを持って来い!でなきゃクビ!トボトボと歩いて帰る途中、木の上に登った女性に出会います。犬に追いかけられて、思わず登っちゃったのだとか。これ、新聞記事になるかなあ?

  • 映画『Clarence the Cross-Eyed Lion』、米TVドラマ『Daktari(ダクタリ)』

    映画『Clarence the Cross-Eyed Lion』"He's the King of Beasts ...who just couldn't quite be Beastly!" (彼は猛獣の王者・・・ただ、どうもちょっと、猛獣っぽくなれないんだ)「Cross-eyed」とは「内斜視」という意味。国立国会図書館サイトでは「やぶにらみのライオン」と訳されていました。そうなんです、クラレンスは内斜視のライオン。シャム系の猫にもよく見

  • 桜井海『おじさまと猫』第10巻

    飼い主が夜逃げ。残された子猫を救え!あらすじ保護猫カフェのオーナーにレスキュー要請がはいった。アパートの借り手が夜逃げし、猫が部屋に残されたらしい。しかしオーナーはぎっくり腰でろくに動けない。おじさまと、おじさまの元教え子・九重は、オーナーに付き添ってレスキューに乗り出した。そのアパートはまさにゴミ屋敷だった。あらゆるモノが積み上がり、腐臭がすごい。こんな部屋に本当に猫がいるのか?まだ生きているのか?もしまだ生きているなら、一刻も早く助け出さないと餓

  • 桜井海『おじさまと猫』第10巻

    飼い主が夜逃げ。残された子猫を救え!あらすじ保護猫カフェのオーナーにレスキュー要請がはいった。アパートの借り手が夜逃げし、猫が部屋に残されたらしい。しかしオーナーはぎっくり腰でろくに動けない。おじさまと、おじさまの元教え子・九重は、オーナーに付き添ってレスキューに乗り出した。そのアパートはまさにゴミ屋敷だった。あらゆるモノが積み上がり、腐臭がすごい。こんな部屋に本当に猫がいるのか?まだ生きているのか?もしまだ生きているなら、一刻も早く助け出さないと餓

  • 重松清『さすらい猫ノアの伝説』

    〈おめでとうございます!あなたのクラスはノアに選ばれました!〉。不思議な黒猫ノアと、小学生たちの物語。あらすじ本では、ノアの短編小説が2編収録されています。勇気リンリン!健太は、黒猫の首にまかれた風呂敷をほどいて驚きます。そこには手紙が入っていました。手紙には、この猫は「ノア」という名前であること、いろんな学校を渡り歩いている「さすらい猫」であること、ノアのお世話は特に何もすることはないが、ノアが現れたということはあなたたちのクラスは

  • 川西玲子『戦時下の日本犬』

    かつて、日本犬は絶滅寸前だった。あらすじ明治維新後、洋犬がどっと日本に流入して在来犬と混血した。また日本人も舶来ものを好み、在来犬を「駄犬」として尊重しなかった。結果、みるみる日本犬が減っていった。あわや日本犬が絶滅しそうになったとき、有志たちが立ち上がる。まさにギリギリなタイミングだった。「日本犬保存会」が設立されたのは昭和3年(1928年)。メンバーはいわゆるインテリ層のほか、軍人や資産家も多く、全国的に国粋主義が台頭しつつある背景もあり

  • 景戒『日本霊異記』

    日本で「ねこ」が登場する最古の文献。『日本霊異記』の正式名称は『日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんぽうぜんなくりょういき)』。南都薬師寺の僧・景戒(きょうかい)が著した説話集で、日本最初の短編小説集でもあります。およそ五世紀から八世紀の末期までの説話がだいたい年代順に並べられ、上中下の三巻に分けられています。【上巻】計三十五話、およそ雄略天皇(五世紀)から奈良時代書記までの説話【中巻】計四十二話、奈良時代中期の聖武・孝謙・淳仁の三代の天皇のころの

  • 今泉忠明『動物たちの可愛いウンチ』

    まるまる一冊、動物のウンチのお話♪。世の中には子供たちに大人気、「うんこドリルシリーズ」なんてものがありますが。 種々様々な動物達の、種々様々に香るウンチの話ばかりを、290ページの文庫本にギュウギュウに詰め込んだ動物ウンチ雑学本なんて、この本だけじゃないでしょうか。 最初から最後までひたすら、ウンチ、ウンチ、ウンチ!ウンチの話題で埋め尽くされています。巨体ゾウの大迫力ウンチ。オタマジャクシの命を守るウンチ。イリオモテヤマネコの生態調査にかかせないウンチ。

  • たらさわみち『僕とシッポと神楽坂』全12巻

    腕は良いけど、どこか頼りない先生。あらすじ高円寺達也(こうえんじたつや)は、数年間の勤務獣医師を終えて、古ーい動物病院を任されることになった。その記念すべき1日目、病院についてみると、その玄関には張り紙が。看板はおろした 徳丸 あとは若造獣医師にまかせたのでよろしく! page6病院の看板まで外されて、かわりに「仮動物診療所」の張り紙。老獣医師の徳丸先生は、申し送りもせずにさっさと田舎に隠居してしまっていたのだ。

  • たらさわみち『MF(マイフレンド)動物病院日誌』全18巻

    そこは小さいけど腕は確かな動物病院。院長は久間武春、通称クマ先生。現在は診療は若手にまかせ、ご自身はハリ治療などを担当しているが、手が足りないときは手術等も手伝う。聖堂勇馬獣医師、通称ウマ先生。MF動物病院の中核で、院長はじめ皆の信任は厚く、外科手術の腕はピカ一。いい加減な飼い主には厳しく叱ることから、恐がられることも。高円寺達也、通称コオ先生は若手獣医師。最初は頼りなく見えたが、ビシバシ鍛えられてぐんぐん成長。ジャニーズ系のイケメンで明るいムードメ

  • 猫と本屋は似合う

    「シュールレアリスム」という言葉を作った世界的な詩人ギヨーム・アポリネールの『動物詩集』にこんな詩があります。 猫私が我が家に望むもの分別のあるひとりの妻と本の間を歩きまわる一匹の猫と彼ら無しではどんな季節も過ごせない友人たちと。 Le chatJe souhaite dans ma maison:Une femme ayant sa raison,Un chat passant parmi les livres,Des amis en toute sa

  • 猫と本屋は似合う

    「シュールレアリスム」という言葉を作った世界的な詩人ギヨーム・アポリネールの『動物詩集』にこんな詩があります。 猫私が我が家に望むもの分別のあるひとりの妻と本の間を歩きまわる一匹の猫と彼ら無しではどんな季節も過ごせない友人たちと。 Le chatJe souhaite dans ma maison:Une femme ayant sa raison,Un chat passant parmi les livres,Des amis en toute sa

  • 大久保京『猫本屋はじめました』

    猫の本だけを扱う、日本初の猫本専門店。今でこそ、猫本ばかり扱っている書店は複数あります。「猫本専門 神保町にゃんこ堂」(東京・神保町)、「Cat’s Meow Books」(東京・世田谷)と、本書の「書肆 吾輩堂」(福岡市)の御三家をはじめ、猫本専門とまでいかなくても、猫本専用棚を設けているとか、店内を複数の猫がうろついている本屋さんが増えてきたのは嬉しい限りです。らに猫雑貨専門店や猫カフェにいたっては、あちこちに出来てきたといっても過言でない状況。

  • 夏川草介『本を守ろうとする猫の話』

    突然現れた不思議な猫の要求は?。孤独な高校生と本と猫のファンタジー小説。あらすじ夏木林太郎は無口な高校生。幼いころに両親が離婚、母も若くして死に、祖父と暮らしていた。が、その祖父まで死んでしまった。遺産と云えば、小さな古書店だけ。負債とまではいえない程度の、流行らない古ぼけた店。ひとり残された林太郎は本好きだったけど、高校生がいきなり古書店を経営するなんて、誰だって無理とわかるだろう。幸い、叔母が彼を引き取ってくれることになった。いつ

  • ひずき優『書店男子と猫店主の平穏なる余暇』

    未消化の『記憶』を解読していくと・・・。外見はどう見ても猫だが、実態は「獏(ばく)」?そう、あの、夢を食べるという動物。ただし、夢の中に含まれる『記憶』部分だけは消化できない・・・『書店男子と猫店主の長閑なる午後』の続編。あらすじ賢人(けんと)は駆け出しの絵本作家。絵本だけでは食えないので、横浜は元町の裏通りにある「ママレード書店」でバイトしている。オーナーは賢人の高校時代の先輩で、他に収入の良い副業を持っているから、本屋の経営にはてんで無頓

  • ひずき優『書店男子と猫店主の長閑なる午後』

    どこからどう見ても猫だけど、実は・・・。鋼色の猫が店主?あらすじ賢人(けんと)は絵本作家。大学在学中に大きな新人賞をとったものの絵本だけでは生活できず、バイトを掛け持ちしてなんとか暮らしていた。そんな彼を嘘のような好待遇でバイトに雇ってくれたのが高校時代の先輩、馨(かおる)。曾祖父から譲り受けたカフェを書店に改造したところだ。店員は賢人と、それから、店長のミカン。このミカン、どこからどう見ても"猫"だが、「ミカンは、俺のひい

  • アリ・ブランドン『書店猫ハムレットの挨拶』

    書店猫ハムレットシリーズ最終話。書店経営は軌道に乗ってきたが、ダーラの心中は・・・?原作ではこれが「書店猫ハムレットシリーズ」6作目ですが、和訳では5冊目となります。あらすじ書店の2階を改装したコーヒー・バーは利益を上げはじめ、稀覯本のオンライン販売も増えてきた。ダーラの個人書店経営は今のところうまくいっている。なのに、ダーラはモヤモヤしっぱなし。その原因はリース刑事の婚約者、コニー。なぜか彼女はダーラに頻繁に連絡をくれ、すべてにおいて頼って

  • アリ・ブランドン『書店猫ハムレットのうたた寝』

    ダーラの友人が突然死。事故?病死?それとも・・・まさかの殺人?原作ではこれが「書店猫ハムレットシリーズ」5作目ですが、和訳では4冊目となります。あらすじダーラは個人書店「ペティストーンズ・ファイン・ブックス」のオーナー。30代半ばの女性、今は独り身。それまでラウンジに使っていた2階を、コーヒー・バーに改装。十代と若いロバートは、販売員からバリスタに転向した。書店の副業としてはまずまずの客の入りだ。若者たちが、コーヒー(と、イケメンなロバート)

  • アリ・ブランドン『書店猫ハムレットの休日』

    ハムレット、全米キャット・ショーに出演する。原作ではこれが「書店猫ハムレットシリーズ」4作目ですが、和訳では3冊目となります。あらすじ個人書店「ペティストーンズ・ファイン・ブックス7」のマスコット猫、ハムレットは、アメリカンショートヘアーにしては大きすぎる雄猫だ。この真っ黒な猫が、大会中に飼い主ダーラの真似をして、空手の型を自発的に披露してみせたのだから、話題にならないはずがない。会場にいあわせた何人もの人がそれぞれ動画を勝手にSNSにアップした。ハ

  • アリ・ブランドン『書店猫ハムレットのお散歩』

    書店猫ハムレットシリーズ。あのハムレットがなぜか元気がない?原作ではこれがシリーズ3作目のようですが、和訳では2冊目となります。あらすじ前作で、殺されそうになったダーラ。あわやというところで彼女を救ったのは猫のハムレットだったが、そのハムレットもこっぴどく投げ飛ばされたのだった。体の傷はもう治ったはずなのに、どうもハムレットの元気がない?あの超マイペースでふてぶてしい猫が?心配したダーラは猫のセラピスト、否、「猫の行動の共感力者(エンパス)」

  • アリ・ブランドン『書店猫ハムレットの跳躍』

    超マイペースな黒猫が本を落とすとき。原作ではこれがシリーズ2作目ですが、和訳では1冊目となります。あらすじダーラは30代半ばの独身女性(バツイチ)。大叔母の死後、ニューヨークの書店とそのアパート付き建物、そしてそこに住む黒猫のハムレットを相続した。書店には店長のジェイムズがいるが、彼とダーラの二人だけでは人手が足りない。アルバイト募集に求人は少なくないが、適格者となると・・・なにしろ、条件が厳しすぎるのだ。本の知識はもちろん多い方がよ

  • 古谷経衡『ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったのか』

    プーチンのヒトラー化を予言した本。2022年2月、世界を震撼させる大事件が勃発した。ロシアによるウクライナ侵攻である。2014年のクリミア危機以降、あの地域でずっと紛争が続いてきたことくらいは私だって知っている。ロシアがもっと大がかりな軍事作戦に出るかもしれないとのウワサは、平和ボケな日本のマスコミでさえ小声で流していた。とはいえ、だ。まさかこの2022年という現代に、あんな酷い戦争を本当にロシアがしかけるとは!私としては、もー信じらんない!!!どーした、ロ

  • 『しっぽの声』第13巻 作画:ちくやまきよし、原作:夏緑、協力:杉本彩

    「保護動物」がステータス化?なぜか保護猫たちが盗まれた。それも耳カットされた子ばかり。「耳カット」とは、去勢・避妊手術済みだという印のこと。麻酔の効いているうちに雄は右、雌は左の耳に切れ目を入れる。その形が桜の花びらにも似ることから「さくら耳」ともいわれる。カットすることで遠くからでも、それが手術済みか、さらに雄か雌かがわかるようになり、同じ猫が何度も捕獲+手術される過ちを防ぐことが出来る。その、耳カット猫たちが狙われた。動物シェルター運営者

  • 『しっぽの声』第12巻 作画:ちくやまきよし、原作:夏緑、協力:杉本彩

    「いいのよ、私が(仔犬の尻尾に輪ゴムを)巻いたのよ。血を止めて腐らせているの。」尻尾が短い犬種は多い。ちょこんと切り株より短い尻尾をフリフリしようとしている姿は、見ようによってはかわいく見えなくもないけれど・・・その短尾が実は生まれつきではなく、まだごく幼いときに人工的に切り取られたものであることを知っている人は意外と少ない。しかもその多くが、獣医師でもないブリーダーによる無麻酔切除だなんて!ブリーダーの女性は満面の笑顔で言う。「大丈夫大丈夫

  • 桜井海『おじさまと猫』第9巻

    猫好きの輪がどんどん広がっていくおじさまこと神田冬樹の息子・星鳴(ほしなり)と、おじさまの同僚の森山良春(よしはる)がバンドを組むことに。喜ぶおじさまと、喜ぶパパさん(=おじさま)を見て喜ぶふくまる。幸せだね~~♪ふくまるの家には今、人がいっぱい。まだ居候中のジョフロワ・ランベールと彼が拾った5匹の子猫たち。娘の空子、親友の小林、ピアニスト仲間の日比野、その他。そのみんなの中心にふくまる。ふくまるが幸せだと人間もどんどん仲良く幸せに。*

  • 『宇治拾遺物語』

    鎌倉時代前期に成立した編者未詳の説話集『宇治拾遺物語』に収められている話は全部で197話。日本だけでなく、中国、さらにはインドの話も集めた説話集です。「説話」などと書くと堅苦しく思われるかもしれませんが、全然そんなところはなく、多少は仏教的な教訓めいた文章等もありますが、それより話の奇妙さ奇抜さの方が目立つものが多い感じです。最後の一話も、儒教の孔子様が大盗賊に言い負かされてすごすご引き返す話ですし。要は編者が「面白い」と思った話を集めただけじゃないかな、体

  • 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』

    著者のバッタ愛に感動するやら、笑っちゃうやら。著者は小学生のころ、『ファーブル昆虫記』を読んで感動。さらに、ある科学雑誌の記事に仰天、なんとバッタの大群に巻き込まれた女性が緑色の服をバッタに食べられてしまったという。なんて恐い・・・ではなく、なんて羨ましい!自分もバッタの大軍に服を喰われてみたぁい!と、こんな経緯で、小学生の時に将来の職業も夢も決めてしまった。職業はもちろん昆虫学者、夢はバッタに食べられること!そしてその通り、バッタの研究で博士号を取

  • 「NNN」が活躍する本たち

    【NNN】 ねこねこネットワーク。ぬこぬこネットワークと読む人も。インターネット上でまことしやかに囁かれている都市伝説。猫による猫のための組織。猫好きの人のいる家に最高のタイミングで猫を派遣する謎の秘密結社。野良猫が生涯飼い猫として幸せに暮らせるよう、日々暗躍している。そんなステキな「NNN」が活躍する本を集めました。どの本も猫好きさんには超々お勧めの本ばかりです!読めば心がほんわり温まり、そして必ずあなたの愛猫がますます愛おしくみえてきます。ぜひお

  • 矢崎存美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 猫は後悔しない』

    シリーズ第四作。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。真澄は孤独だった。仲の良い家族と信じていたのに。いまだになぜ離婚されたのかわからない。なぜ夫ならず子ども達まで離れていったのかわからない。すべての気力を無くして、それでも生きていくためには働かなければならず、慣れないパートの日々・・・そんなある日、猫を轢いてしまう・・・自転車で。真澄はそれまで猫には全然興味が無かったが、仕方ないので動物病院へ連れていき、その後、真澄

  • 矢崎存美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 毛皮を着替えて』

    シリーズ第三作。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。。「毛皮を着替え」た猫達のお話です。第一話 泣いてもいい「ペットロス」なんて言葉は自分とは無縁だと思っていた男は・・・第二話 ミーと私とミー子ども時代に猫を飼ったことのある人の多くが経験しているのではないでしょうか。子供ですから「飼っていた」というより、「両親が世話をし、自分はただかわいがっていただけ」という場合が多いでしょうけど。第

  • 矢崎存美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 毛皮を着替えて』

    シリーズ第三作。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。。「毛皮を着替え」た猫達のお話です。第一話 泣いてもいい「ペットロス」なんて言葉は自分とは無縁だと思っていた男は・・・第二話 ミーと私とミー子ども時代に猫を飼ったことのある人の多くが経験しているのではないでしょうか。子供ですから「飼っていた」というより、「両親が世話をし、自分はただかわいがっていただけ」という場合が多いでしょうけど。第

  • 矢崎存美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 あなたの猫はどこから?』

    シリーズ第二作。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。NNNは、今日も猫達を救うため、暗躍しています。あらすじ第一話 聞こえなかった声支配的な親にどっぷりと依存されたまま、二十三歳になっても、自分のしたいことも言いたいことも何もできずに暮らしていた女性。周囲は彼女に親元から逃げて一人暮らしするようアドバイスを続けるが、毒親に育てられた子の常として、動けずにいる。そんなある日、彼女は野良猫に出会った・・・

  • 矢崎存美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 あなたの猫はどこから?』

    シリーズ第二作。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。NNNは、今日も猫達を救うため、暗躍しています。あらすじ第一話 聞こえなかった声支配的な親にどっぷりと依存されたまま、二十三歳になっても、自分のしたいことも言いたいことも何もできずに暮らしていた女性。周囲は彼女に親元から逃げて一人暮らしするようアドバイスを続けるが、毒親に育てられた子の常として、動けずにいる。そんなある日、彼女は野良猫に出会った・・・

  • 矢崎在美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 猫だけが知っている』

    シリーズ一冊目。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。たとえば、ペット禁のマンションに住んでいた男。見かけた猫に何気なく持っていたパンをあげ、翌日も待っていたのでまたパンをあげ、そのうちにキャットフードを持ち歩くようになり、そのうちに・・・たとえば、まだ幼い野良の子猫。年配の猫にアドバイスされて、人間を注意し観察するようになっている。そんな子猫が注目したのは、まだ小学生の男の子。寂しい者同士、ひかれるものがあり・・・

  • 矢崎在美『NNN(ねこねこネットワーク)からの使者 猫だけが知っている』

    シリーズ一冊目。「NNN」=猫好きの間で密やかに囁かれている謎の組織[ねこねこネットワーク]。たとえば、ペット禁のマンションに住んでいた男。見かけた猫に何気なく持っていたパンをあげ、翌日も待っていたのでまたパンをあげ、そのうちにキャットフードを持ち歩くようになり、そのうちに・・・たとえば、まだ幼い野良の子猫。年配の猫にアドバイスされて、人間を注意し観察するようになっている。そんな子猫が注目したのは、まだ小学生の男の子。寂しい者同士、ひかれるものがあり・・・

  • 菅原孝標女『更級日記』

    夢見がちな平安少女の前に現れた猫。平安時代を代表する日記文学のひとつ『更級日記』にも、猫が登場します。その登場シーンはとても短いのですが、なんとも不思議なエピソードとなっています。『更級日記』の主人公は菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)。寛弘5(1008)年生まれ。少女時代を「ありえないほどの田舎」(父の任国だった上総)で暮らしました。彼女の望みは、とにかくとにかく物語をもっと読みたい!けれども田舎では本の入手は難しく、母や姉とて全てを暗記しているわけ

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