水色の日傘--51
氷を最後までガリガリやって、結局払いはドンブリ勘定になった。事実上余分に食った奴も居たが、それはもう問わない。主将である萩野と浅丘が「はい集金集金」と言って一人ずつ集めた。悟君と田中君のグループはそっちで払った。十円玉を持たないで出てきた奴も居たが適当に個人間で調整した。 「いやあ、きょうはようけ売れて嬉しいわ、ほんまにありがとうね」 ママさんは子供の頭を撫でながらニコニコしていた。 悟君が弾むように言った。 「楽しかったできょうは、田中と君ちゃんが思いがけんとこで出てきたし」 余計なお世話だと田中君は言い、君ちゃんは空を向いていた。 ママさんはそろそろ帰り支度を始めた。もうちょっと見ててねと…
2023/12/12 06:52