山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
夢の記述みたいな超短編のフィクションを掲載しています。
非現実ですがどこか思い当たるフシがある世界を書きたいと思っています。シュール系とでも言いましょうか。なおイラストや写真はフリー素材を組み合わせて作ったものです。
機械じかけの鮫 機械じかけの鮫が出たというので、浜辺に行ってみた。 なるほど、確かに大きな機械仕掛けの鮫が、浜辺でバタバタしている。その体はハリボテのようで、でも、ところどころ金属っぽくもあった。 「な ...
壁抜け 今でも どうしてあんな話題になったのか ぼくは覚えていない アレは突然君が切り出したのだ 「ねえ、壁を抜けられるのよ」 笑いながら あるいは少し自嘲ぎみに 君は言い放った ぼくはその時 ビスケットを ...
生き物 その動物を ぼくは見ました 奴はちょうど 駅の階段の手すりにへばりつき ずるずると 滑り下りていくところでした 背中にはいくつもの突起があり 甲羅の上が なんか 粉を吹いたようになっていました &n ...
ニゴリ町 ニゴリ町からカタブキ町に行くならバスを使うといいよ。なにしろあのあたりは鉄道が通ってないんだ。途中にザクロ川があるだろ。あの川は毎日形を変えるからね。バスならハレツ橋を渡って向こうに行ける。楽し ...
父のこと 私の父は船乗りで 七つの海を渡り歩き 雲つくような巨人と戦った事もあると 生前語っていた 父は編物が趣味だった 父の編んだ インディアンの少女のテーブル掛けは 今も茶の間に飾られている   ...
山高帽 山高帽をかぶって 街を歩こう 誰もが私に訊くだろう その帽子に 何が入ってるのって 山高帽をかぶって 街を歩こう 帽子の中は猛毒のサソリだ バッグに蛇を忍ばせた学生や ふ ...
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山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
泥だらけの海 泥だらけの海を行こう 泥だらけの海には 見渡す限り 小さな目が浮かんでる ぼくらの行く手には ほら 布に描かれた星空が これ見よがしに揺れているし 銀紙の三日月だって 光っているじゃないか & ...
束になって 束になってかかって来いと言ったら ほんとうに束になって来た 薄っぺらい紙状に 何枚も何枚も重なって 束になってかかってくるから 数えるのに大わらわだ 雑魚めと言ったら ほんとうに雑 ...
窓をたたく人 窓の中の人がガラスをたたく その口が何か言っている ボクには声が聞こえない 窓の中の人が何か訴えている 目が真剣だ きっと重要なことなのだ しきりに何か言っている ボクに知ってもらいたいことが ...
坂本君 友人の坂本君はある朝ネクタイを結んでいて 首がどこまでも締まるのに気がついた ネクタイを引けば引くほど首は細くなり しまいに 親指と人差指の先でつまめるほどになった 襟の周りは波打ち ネクタイは膝の ...
鋼鉄の巨人 鋼鉄の巨人が出来たと聞いたので 行ってみることにした そいつは巻き上げ式金属シャッターのある ガレージみたいな部屋に据えられていた テラテラと黒光りする体躯を 暗闇に横たえ 咳き込むような音をた ...
まどのないまち まどのないまちがある 人は目にコインをはめ てさぐりで歩いている まどのないまちだから。 まどのないまちなので 総ての物に匂いがない 花が咲きまた散っても 気づく人は誰もいない ...
あいつら あいつらは 上からまっすぐ引かれた棒や 時には丸く湾曲した線や 何度も折れ曲がってみたり 重なり合ってみたり 突き出たり出なかったり 下のほうで小粋に跳ねてみたり ぐねぐねと波打ったり ひょいと飛 ...
密航者 こんな夢を見た。 私は、船に続く細く長い渡し板の上を歩いていた。あたりはとても暗く、真夜中のようだった。 渡し板は不安定で、一歩踏み出すたびに大きく上下にしなった。周囲に人影は無く、船と岸壁の ...
♪ドッペルゲンガー♪ 【1番】 ドッペルゲンガー教えてよ ほんとうの私 ドッペルゲンガーどうしても 君の背中に届かない 君をそれほど好きじゃないはず 私は私よいつだって 君が誰 ...
♪みんな丸かったらいいのに♪ 【1番】 三角形も四角形も みんな丸かったらいいのに 自転車だってバスだって みんな丸かったらいいのに 私の心も丸ければ 私はどこへでも行ける 誰と ...
♪君へ♪ 校庭の土にまみれて 走り続けてる そんな君 私に 輝いてる今 悔しいことがあったときも 独り走ってた そんな君 みんなは 知らないんだ ああ 君が あの娘 ...
♪もしも地球が止まったら♪ 【1番】 もしも地球が止まったら 君の涙を止められる もしも地球が止まったら 山の向こうへ飛びたって 大きな雲をかき集め 君の帽子にするだろう &nb ...
踏み絵 踏み絵をやっていると聞いて 出掛けてみた 寺の境内らしき所に 大勢集まっている 羽子板を持つ人 破魔矢を持つ人 マフラーを巻く人 厚手のコートに中折れ帽の人 正月みたいだった みな高揚した顔だ 人ご ...
山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
泥だらけの海 泥だらけの海を行こう 泥だらけの海には 見渡す限り 小さな目が浮かんでる ぼくらの行く手には ほら 布に描かれた星空が これ見よがしに揺れているし 銀紙の三日月だって 光っているじゃないか & ...
束になって 束になってかかって来いと言ったら ほんとうに束になって来た 薄っぺらい紙状に 何枚も何枚も重なって 束になってかかってくるから 数えるのに大わらわだ 雑魚めと言ったら ほんとうに雑 ...
窓をたたく人 窓の中の人がガラスをたたく その口が何か言っている ボクには声が聞こえない 窓の中の人が何か訴えている 目が真剣だ きっと重要なことなのだ しきりに何か言っている ボクに知ってもらいたいことが ...
坂本君 友人の坂本君はある朝ネクタイを結んでいて 首がどこまでも締まるのに気がついた ネクタイを引けば引くほど首は細くなり しまいに 親指と人差指の先でつまめるほどになった 襟の周りは波打ち ネクタイは膝の ...
鋼鉄の巨人 鋼鉄の巨人が出来たと聞いたので 行ってみることにした そいつは巻き上げ式金属シャッターのある ガレージみたいな部屋に据えられていた テラテラと黒光りする体躯を 暗闇に横たえ 咳き込むような音をた ...
まどのないまち まどのないまちがある 人は目にコインをはめ てさぐりで歩いている まどのないまちだから。 まどのないまちなので 総ての物に匂いがない 花が咲きまた散っても 気づく人は誰もいない ...
あいつら あいつらは 上からまっすぐ引かれた棒や 時には丸く湾曲した線や 何度も折れ曲がってみたり 重なり合ってみたり 突き出たり出なかったり 下のほうで小粋に跳ねてみたり ぐねぐねと波打ったり ひょいと飛 ...