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2020/05/27

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  • 自画像 有名なものから少し変わったものまでご紹介!

    自画像は、自分自身を描くことから、自己の感情や考え方など、画家自身の内面を表現する良い画題です。 特に、写真技術の発展により「見たものを写す」という大きなニーズが無くなった近代以降、多くの画家が好んで自画像を描きました。 歴史に残る画家たちは、何を思って自画像を描いたのでしょうか? 今回は、そんな画家たちが描いた自画像を、有名な作品から少し変わった作品まで、多数ご紹介します。 レンブラント・ファン・レイン(1606−1669年 オランダ) (写真)自画像 レンブラント 1640年 レンブラント34歳、絶頂期の作品。 この作品を描いた2年後に「夜警」が完成します。レンブラントは「夜警」で知られる…

  • 西洋美術史をざっくり解説 ギリシャ・ローマ美術からシュルレアリスムまで

    今回は、ギリシャ・ローマ美術からシュルレアリスムまでの西洋美術史を、中心人物や特徴などを時代背景とともにざっくりと解説していきます。 (内容解説) 時代:時代、年代 特徴:その時代の作品の特徴 目的:画家の目的 用途:描かれた美術品の使い道 場所:中心となった場所 人物:中心となった人物など 背景:時代背景・技術革新など ギリシャ美術 時代:BC6世紀頃〜0年 特徴:理想の姿・筋肉・大胆 画題:ギリシャ神話の神々 目的:「理想の美」の追求 場所:ギリシャ 人物:不明 背景:哲学が盛ん。良質な大理石が多く採れたギリシャ美術が栄えた時代では、哲学が盛んで、「精神と肉体との調和が取れた人間」になるこ…

  • 水墨画 中国・日本それぞれの歴史と特徴

    水墨画とは 墨で表現される墨絵(すみえ)の一つ。 中国唐代に成立したとされています。 英語訳は「ink painting」または「Chinese ink painting」 まれに、Zen(禅) painting と呼ばれる事もあります。 中国での水彩画の歴史と特徴 墨一色の濃淡だけで表現するような絵画が描かれ始めたのは唐代からとされています。そもそも「墨」が使われるようになったのは、中国・殷(BC17世紀-BC1046年)代から。 墨を使った絵画(壁画)は漢(BC206-220年)代にはあったそうですが、当時の絵画は墨の線に着色をしたようなもので、墨一色ではありませんでした。 (写真) 匡廬…

  • 塩田千春

    *塩田千春* 生 年 1972年 時 代 現代 出身地 大阪 居住地 ベルリン 分 類 現代アート・インスタレーション テーマ 生と死 題 材 赤い糸・靴やかばんなど 受影響 村岡三郎、マリーナ・アブラモヴィッチ、レベッカ・ホーンなど 塩田千春は大阪出身ベルリン在住の現代アート作家です。 2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家として選出されたことで、近年さらに注目を浴びるようになりました。 大きな会場を使用した大規模なインスタレーションが有名ですが、他にも立体や写真・映像なども制作しています。現代社会に問いかけるような作品が多い現代アートの分野で、塩田は「生と死」という…

  • パーソンズ、ハウゼンの「絵画鑑賞の発達段階」から、有意義な絵画鑑賞を考える

    今回は、パーソンズやハウゼンの「絵画鑑賞の発達段階」をもとに、絵画鑑賞をより有意義にする「鑑賞の手順」を考えていきたいと思います。 パーソンズとは (Michael J. Parsons 1935- イギリス) 心理学者・ピアジェの「認知発達理論」やコールバーグの「発達段階説」を絵画鑑賞に応用し、絵画鑑賞の発達段階を提示しました。「絵画鑑賞の発達段階」 第1段階「偏愛主義」(Favoritism) 表面的な感想を抱く段階。 「好きな絵=良い絵」で、色彩へに注目する特徴がある。 第 2段階「美と写実主義」(beauty and realism) 「良い絵=描写力のある絵」と考え、描写技術の良し悪…

  • 渡辺省亭

    *渡辺省亭(わたなべせいてい)* 生没年 1852-1918 時 代 明治・大正 居住地 江戸・浅草 分 類 日本画 特 徴 卓越した描写力・西洋の写実表現を取り入れた花鳥画 題 材 歴史画・花鳥画・美人画 受影響 菊池容斎、印象派 その他 初めてパリに渡った日本画家 (写真)渡辺省亭展 ポスター(展覧会詳細は下に記載) 渡辺省亭は代々秋田藩の札差(ふださし・武士の給料である俸禄米を換金する業者のこと。現在の金融業のようなもの)の家の次男として生まれました。 子供の頃から絵ばかり描いており、またそれが上手だったため、12歳で商人となるために奉公に出るも送り返され、16歳で歴史人物画を得意とした…

  • 土佐 光芳

    *土佐光芳(とさみつよし)* 生没年 1700−1772 時 代 江戸時代中期 居住地 京都 分 類 土佐派 題 材 似絵(肖像画)・仏画など その他 土佐派系図を作成 (写真)推古天皇像 1726年 叡福寺蔵 光芳26歳の作品。幼少から絵の才能を認められていた光芳の画力の高さが分かる作品。 推古天皇千百年遠忌に合わせて制作・奉納された作品。聖徳太子絵伝の推古天皇を参考にして描かれたもの。 光芳は土佐派の基盤を安定させた絵師です。 祖父は途絶えかけた土佐派を再建した土佐光起の子・光成で、光成の死後、その4ヶ月後に早死した父・光祐の後継として、わずか11歳で絵所預となり家督を継ぎました。 *土佐…

  • 名和晃平

    *名和晃平(なわこうへい)* 生 年 1975年 時 代 現代 出身地 大阪 居住地 京都 分 類 彫刻家 代表作 PIXCELL その他 「Cell」という概念 感覚とテクノロジーを主題とした作品を制作 名和晃平は、大阪出身京都在住の日本の彫刻家です。 京都市立芸術大学卒業後、英国王立芸術大学院へ交換留学で学び、京都市立芸術大学の大学院博士(後期)課程を修了しました。 現在は京都芸術大学教授として教鞭に立っています。名和晃平の作品は、生命・宇宙・感覚・テクノロジーといったようなキーワードを感じる作品が多くあります。 また、壮大なテーマで作られている作品であるにも関わらず、わたしたちが生活の中…

  • 狩野探幽

    *狩野探幽(たんゆう)* 生没年 1602-1674年 時 代 江戸時代初期 出 身 山城国(京都府南部) 居住地 京都→江戸 分 類 狩野派 代表作 二条城障壁画 特 徴 木を幹から描き始める 画 題 山水、人物、花鳥など 父 狩野孝信 その他 早熟の天才絵師 *早熟の天才絵師* 探幽は幼いころから画才を発揮し、1617年、探幽16歳の時に江戸幕府の御用絵師となり、画壇の頂点に立って多くの障壁画を手がけました。 なかでも二条城障壁画は探幽の代表作とも言われています。 (写真)二条城二の丸御殿 大広間 狩野探幽 1626年 重要文化財 二条城は、京都での徳川家の権威を表す建築物として、徳川家康…

  • 南薫造

    *南薫造* 生没年 1883-1950年 時 代 明治-昭和 出 身 広島 居住地 東京→広島 分 類 油彩画 官展(文展・帝展・日展) 代表作 うしろむき など 特 徴 みずみずしい水彩表現 題 材 風景画・人物画 受影響 岡田三郎助 その他 近代日本洋画壇に大きな影響を与えた 「日本の印象派」と呼ばれた 南薫造は「日本の印象派」と呼ばれた油彩・水彩画家。 東京美術学校で油彩画家を学び、卒業後はイギリスへ留学。 帰国後は「白馬会」でデビューし,その後すぐに文展デビューを果たします。 (写真)坐せる女 1908年 広島県立美術館 帰国後すぐの1910年、第4回文展で三等を受賞した作品。日常を飾…

  • ベラスケスとピカソ ラス・メニーナスの比較鑑賞

    ベラスケスの描いたラスメニーナスは、多くの画家が模倣してきましたが、 中でもこだわって何度もラス・メニーナスを描いたピカソのラス・メニーナスについて、 原作を比較しながら双方の作品を鑑賞していきたいと思います。 *ラス・メニーナスとは* 作 者 ディエゴ・ベラスケス(1599-1660) 年 代 1656年 分 類 バロック 特 徴 光の明度によって遠近感を表現 様々な解釈ができる その他 世界三大絵画 (写真)ラス・メニーナス(女官たち) ディエゴ・ベラスケス 1656年 プラド美術館 ラスメニーナスはスペインを代表する画家・ベラスケスが描いた晩年の作品で,世界三大絵画の一つに数えられる有名…

  • 土佐広周

    *土佐広周(とさひろちか)* 生 誕 不詳(1429-1487年) 時 代 室町時代中期 居住地 兵庫 分 類 土佐派 代表作 四季花鳥図屏風 特 徴 緻密で 題 材 花鳥画・絵巻物・仏画・似絵(肖像画) 受影響 土佐行広 土佐 広周は、室町時代中期に活躍した土佐派の画家です。 父は土佐の姓を初めて名乗ったとされる土佐行広。 幼年期のころから、父に伝統的な大和絵を学びました。 経歴についてはほとんど不明ですが、 1438年ころには室町幕府や皇室に献上する絵画を数多く制作したことで、丹波(現在の兵庫県)に自身の私有地を与えられたと言われています。 ここから先は、有名な二つの作品についてご紹介しま…

  • 月岡芳年

    *月岡芳年(つきおかよしとし)* 生 誕 1839-1892年 時 代 幕末-明治 居住地 江戸 分 類 浮世絵 代表作 英名二十八衆句 など 特 徴 生々しい血の表現 題 材 歴史絵・美人画・風俗画・古典画・役者絵 師 事 歌川国芳 受影響 河鍋暁斎、落合芳幾 与影響 弟子は200人以上 その他 「血まみれ芳年」「最後の浮世絵師」などと呼ばれる 月岡芳年は、幕末から明治にかけての「激動の時代」に活動した、殺戮の場面や死骸などを描いた無惨絵(血みどろ絵)が有名な浮世絵師です。 (写真)月百姿 深見十左衛門 月岡芳年 1885-1892年 月にまつわる歴史や物語を描いた作品群。 こちらの作品、正…

  • 伊藤若冲 樹下鳥獣図屏風

    *樹下鳥獣図屏風* 作 者 伊藤若冲 時 代 江戸時代中期 年 代 18世紀 居住地 江戸 分 類 奇想の絵師 特 徴 他に例のない技法、鮮やかな色彩 技 法 枡目描き 題 材 動物・鳥 その他 137.5×355.6cm 樹下鳥獣図屏風は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲が描いたとされる作品です。 「枡目描き」と呼ばれる技法で描かれた本作品は、まさに「奇想の絵師」のあだ名に相応しい、若冲の独創性が発揮された作品とも言えます。 *題材は様々な世界の動物* 樹下鳥獣図屏風は、1双(2つの屏風が1つの対)の作品として知られていますが、元々は別の作品として伝わってきたものです。様々な種類の動物が、右隻は…

  • 熊田千佳慕(くまだちかぼ)

    *熊田千佳慕(くまだちかぼ)* 生 誕 1911-2009年 時 代 現代 居住地 神奈川県 分 類 グラフィックデザイナー、絵本画家 代表作 ファーブル昆虫記 特 徴 細密描写・線のように塗り重ねる色彩 題 材 自然の虫や草花 熊田千佳慕(くまだちかぼ)は日本のグラフィックデザイナー、絵本作家です。戦前はデザイナーとして活躍し、 戦後は絵本作家・画家として活躍しました。 特に絵本画家としては、昆虫や植物を生命感豊かに描くことから、「日本のプチ・ファーブル」とも呼ばれ、世界的にも高い評価を得ています。 (写真)熊田千佳慕展ポスターより熊田千佳慕の本名は熊田五郎。 絵本の挿絵を描いた際、読者から…

  • 司馬江漢

    *司馬江漢(しばこうかん)* 生 誕 1747-1818年 時 代 江戸時代後期 居住地 江戸 分 類 西洋画・銅版画など 代表作 三囲景など 特 徴 写実的・富士山を好んで描いた その他 様々な絵画を制作した (写真)銅版地球全図 司馬江漢 1793年 天動説・地動説の説明、地球全体の気候や産物、極圏などが書かれている書の図。 江漢は天文・地学・動植物などの西洋博物学、自然科学に興味を持ち、啓蒙書も残しました。 司馬 江漢は1747年、江戸の町家に生まれました。「司馬」の姓字は、芝新銭座にちなんだものだそう。 好奇心旺盛で自信家な性格で、「絵画の世界で後世に名を残そう」と考えていた江漢は、様…

  • 土佐三筆

    *土佐三筆とは* 意 味 常盤光長・土佐光信・土佐光起 土佐派を代表する三人の絵師 時 代 平安時代後期~江戸時代 居住地 京都→江戸 分 類 土佐派 特 徴 その他 それぞれ生きた時代はバラバラ 土佐光信・常盤光長・土佐光起は、土佐派の代表的な絵師として「土佐三筆」といわれています。 常盤光長は平安時代後期、土佐光信は室町時代、土佐光起は江戸時代と、それぞれ生きた時代はバラバラですが、 それゆえに、それぞれの時代を特徴的に現した代表的な3人とも言えます。 土佐派については、以前ブログに書いていますのでそちらをご覧ください。 https://funart.hatenablog.com/entr…

  • 文化財の複製

    最近、Youtubeで配信された、東京国立博物館のオンライン講演会「文化財と複製」 文化財の複製に取り組む文化財活用センターの取り組みが分かり面白かったため、今回は文化財の複製について、 所蔵作品100%が複製品である大塚国際美術館の展示意図とともに考えていきたいと思います。https://youtu.be/FGsEQ3ZiWQ4 Youtube【オンライン月例講演会】11月「文化財と複製」小島研究員(文化財活用センター企画担当) 東京国立博物館 文化財活用センターとは 「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝えるために」 1人でも多くの方に文化財の魅力を届け、親しんでいただくためのコン…

  • 北斎漫画

    *北斎漫画について* ・北斎50歳の代表作 ・門徒や私淑する人が絵を学ぶ絵手本 ・ユーモア溢れる表現が特徴 (写真)北斎漫画 三編 雀踊り 葛飾北斎 この作品は踊りをドローイングしたもの。今にも動き出しそうです。 ぜひ印刷して1枚1枚切り取り、パラパラ漫画にして楽しみたいような作品ですね。 半世紀にわたり愛され続けた「北斎漫画」 北斎漫画は、北斎が弟子ためにお手本として描いた300枚の下絵を、「売れるのでは」と版元(現在でいうプロデューサー)が目を付けて出版した絵手本です。 絵手本とは、絵の描き方を習うために、手本となる絵が描かれた本のこと。 北斎は門徒が非常に多くいたことでも有名ですが、北斎…

  • いわさきちひろ

    こんばんは。今回はいわさきちひろについてお話しします。 *基本情報* 生 誕 1918-1974年 時 代 現代 居住地 福井→東京 分 類 水彩画家 特 徴 淡いタッチで描く子供いわさきちひろは、淡いタッチで描く子供が有名な絵本作家です。 彼女の作家活動のテーマは「子どもの幸せと平和」 ちひろにとって21歳の青年期真っただ中に起こった第二次世界大戦は彼女の人生に大きく影響を与えたようです。 ちひろは、恵まれた家の三姉妹の長女として育ちました。 当時としては珍しいラジオや蓄音機、オルガン、カメラなどの機器も所持していたそう。 幼いころから絵を描くのが得意で、幼少期に影響を受けたのは「コドモノク…

  • 杉本博司

    こんばんは。 今日は杉本博司について、お話しします。 *基本情報* 生 誕 1948年 時 代 現代 居住地 ニューヨーク 分 類 写真 コンセプチュアル・アート 代表作 海景 など 特 徴 厳密なコンセプトと哲学に基づいた作品 (写真)BRUTUS ブルータス 2005年9月15日号 特集:杉本博司を知っていますか? 2005年/マガジンハウス 杉本博司は、主に写真作品を扱う現代アーティストです。 彼の写真作品は、照明・構図・現像など写真技術の側面からも評価されていますが、最も注目すべきはその明快で厳密なコンセプトにあります。 幼い頃から「自分の見ている世界」が本当に実在するのか疑問を持って…

  • 奥村土牛

    こんばんは。 今日は奥村土牛について、お話しします。 *概要* 生没年 1889-1990年 時 代 近代 居住地 東京 分 類 日本画・日本美術院 特 徴 重ね塗りによる繊細な表現 代表作 鳴門 受影響 梶田半古・横山大観など その他 1962年文化勲章受章 (写真)醍醐 奥村土牛 1972年 山種美術館所奥村土牛は明治生まれの日本画家。 自然を愛し、草花をテーマにした透明感のある作品を多く描きました。画号の「土牛」という名前は、出版社を営んでいた父が、土牛28歳の時に、丑年生まれの干支にちなんだ「土牛石田を耕す」から引用してつけられたそう。 「土牛石田を耕す」は、中国唐時代の有名な禅僧・寒…

  • 日月山水図屏風

    こんばんは。 今日は日月山水図屏風(じつげつさんすいずびょうぶ)について、お話しします。 日月山水図屏風は、密教で行われる、灌頂(かんじょう)という儀式に使用する仏具の一つだそうです。 灌頂とは、諸仏や曼荼羅と縁を結び、正統な継承者となるために頭に水を注ぐ儀式だそう。 鎌倉時代から幕末にかけては天皇の即位式にもこの灌頂が行われていました。ここからは、室町時代に制作された2つの日月山水図屏風をみていきたいと思います。 東京国立博物館蔵「日月山水図屏風」 (写真)日月山水図屏風 室町時代・16世紀 148.1x312.0cm 東京国立博物館 重要文化財大きくうねる木々や、水流を描く「動的」な右隻に…

  • 狩野長信

    こんばんは。 今日は狩野長信について、お話しします。*概要* 時 代 安土桃山-江戸時代初期 年 代 1577-1654年 居住地 江戸 分 類 狩野派 代表作 花下遊楽図(かかゆうらくず) 受影響 狩野松栄・永徳 その他 江戸幕府御用絵師 狩野長信は、狩野松栄の四男。狩野派でも特に有名な狩野永徳を兄に持つ人物です。 幼い頃から父の松栄や兄の永徳から絵を習ったと言われています。また、長信は江戸幕府に奉仕した狩野派で、最初に御用絵師となった人物とも言われています。 晩年には狩野派一門の長老として、二条城二の丸御殿や日光東照宮の制作にも加わるなど、同時第一線で活躍した人物でした。 花下遊楽図屏風 …

  • ハンコ文化について

    こんばんは。最近、「脱ハンコ」という言葉をよく耳にするようになりました。 脱ハンコについては、これまでも言われてきていましたが、 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って 押印の文化がよりネガティブに報道されるようになったと思います。特に最近では、経団連会長を務める中西宏明が 「ハンコはまったくナンセンスで、美術品として残せばいい」 と述べたことが話題となりました。今回は日本独自に発達してきた「ハンコ文化」について、改めて調べてみました。 *基本情報* 意 味 個人や団体のしるし 発 祥 紀元前7000-6000年頃 中東 古代メソポタミア文明 日本の発祥 弥生時代頃 中国から伝播 日本の発展 江…

  • 大津絵

    皆さんは、現在、東京ステーションギャラリーで「もうひとつの江戸絵画 大津絵」という企画展が開催されているのをご存知でしょうか? https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202008_otsue.html この展覧会は、これまで「美術品」として扱われることのほとんどなかった大津絵を、「もうひとつの江戸絵画」としてとらえ、大津絵を愛した画家や文人とともに紹介しています。では、その「大津絵」とはどのようなものなのでしょうか 今回はお話ししていきたいと思います。 *概要* 意 味 滋賀県大津市の民族絵画・東海道大津宿の名物 時 代 江戸時代初期 地 域 滋…

  • 日本の着物文化

    こんばんは 今日は日本の着物文化について、お話しようと思います。 *概要* 意味 日本の伝統衣服 発祥 弥生時代 発展 平安時代 現在「着物」と聞くと、布を体の前で重ねて帯で締める服を想像しますが、 着物という言葉は、もともとはその名の通り「着る物(衣服)」という意味でした。 それが、だんだんと「着物=日本の伝統服」という認識が強くなり、 現在では浴衣のような形の服を「着物」として認識するようになっていきました。 弥生時代 着物の文化は弥生時代から始まったと言われています。 最初は、袖口が小さい小袖と呼ばれる着物から、庶民を中心に発展していきました。ただ、これが現在でいう着物の原型かと言われる…

  • 絵画と対比調和

    こんばんは。 突然ですが、みなさんは「対比調和」という言葉をご存知でしょうか? 対比調和とは、補色色相(色相環で真逆にあたる色相同士の色)による調和のことです。 例えば、色相環において、赤とほぼ真逆にあたる色は青緑で、黄色の真逆は青紫です。この対比調和を意図的に使うことで、コントラストが強くなり,より鮮やかに見えたり、ある部分を強調させたり、目線を持っていかせることができます。 今回はその「対比調和」の観点から、日本と世界の絵画を見直し、それぞれの特徴について考えていきたいと思います。 赤&緑 赤と緑の日本絵画は、有名なものでも平安時代の源氏物語絵巻以降、非常に多数見られます。 かえって西洋絵…

  • 奈良美智

    こんばんは。 今日は奈良 美智(なら よしとも)について、お話しします。 *概要* 生没年 1959年- 時 代 現代 出身地 青森県 居住地 ドイツ→アメリカ→日本(東京) 分 類 絵画・彫刻 ネオ・ポップ 特 徴 パンク・ロックの影響 代表作 題 材 人物(子供) その他 世界的に評価されている美術作家 「奈良美智 SELF‐SELECTED WORKS PAINTINGS」より 奈良美智は日本の現代美術の第二世代を代表するひとり。 特徴的な、こちらをじっと見つめる子供の絵画が有名です。 キーワードは「アート以外でお金をかけない」 奈良美智は、青森県の農村地域で、共働きの両親の下で育ちまし…

  • 葛飾北斎と雅号

    こんばんは。今日は葛飾北斎の話の続き、北斎と雅号について、お話しします。雅号とは、画家としての名前のことで、画号とも書きます。 北斎は生涯で約30回あまりも雅号を改名したことで有名でもあります。 彼の雅号の多さについては、弟子に号を譲ることを収入の一手段としていたためとする説もありとか。雅号の変化により年代の違いがわかり、それぞれに違った表現が見られるところも北斎の魅力です。 1760年 北斎20歳 「勝川春朗(しゅんろう)」 当時有名だった役者絵師、勝川春章(しゅんしょう)のもとに入門し、20歳の頃、春朗の名を得て、細判役者絵師として浮世絵の世界に登場します。 好奇心旺盛な性格から、師の言う…

  • 葛飾北斎 肉筆画

    こんばんは、今日は葛飾北斎の肉筆画について、お話しします。葛飾北斎は、浮世絵版画で有名ですが、肉筆画も多く描いた人物です。以前ご紹介したことがありますが、 浮世絵版画は、版元から依頼があり、原画を描く人・彫る人・摺る人と多くの人間が関わった共同制作の作品です。 そのため、浮世絵版画というものは必ずしも原画師本人が描きたいものでなかったりします。北斎の肉筆画には、版画では見られない繊細さと力強さがあり、また違った魅力があります。 今回はそれらの一部をご紹介します。 (写真)四季耕作図屏風 葛飾北斎 1800年頃 岡田美術館蔵 優しい色彩農村風景を描いた一枚。 北斎が1年間農作を行った体験から描く…

  • 寄木細工

    こんばんは、今日は寄木細工について、お話しようと思います。*概要* 意 味 木を組み合わせで模様を作る伝統工芸 時 代 江戸時代末期 地 域 神奈川県箱根 分 類 工芸 代表作 秘密箱箱など 題 材 日本の伝統模様 寄木細工は、様々な色合いの木を組み合わせ、貼り付けることで模様を作り出す伝統工芸です。 寄木細工は、江戸時代末期、木材の種類が豊富だった神奈川県箱根で生み出されたといわれています。 現在、箱根の山林は国の保護区となっているため、材料には他の地域のものが使用されているそうです。 (写真)箱根駅伝のトロフィーは、寄木細工でできていることで有名です。 作り方 寄木細工は、長細く加工した木…

  • 香月泰男

    こんばんは 今日は香月泰男について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1911-1974年 時 代 昭和 居住地 山口県 分 類 油絵 代表作 シベリヤ・シリーズ 特 徴 その他 昭和を代表する洋画家 香月 泰男(かづき やすお)は、昭和を代表する洋画家のひとりです。1931年、東京美術学校に入学し、藤島武二のもとで学びました。 藤島武二は、日本の洋画壇において長らく指導的役割を果たしてきた重鎮で、ロマン主義的な作風の女性人物画を描く画家です。 香月自身は、ロマン主義よりも印象派のゴッホやピカソ、フォービズム的なヴラマンクや梅原龍三郎といった画家によく影響を受け、その表現を学んだようで…

  • 動植綵絵

    こんばんは。 今日は伊藤若冲の最高傑作、動植綵絵(どうしょく さいえ)について、お話しします。 *概要* 時 代 江戸時代中期 年 代 1757-1766年頃 分 類 - 特 徴 高品質の絵の具を使用 綿密な写生・力強い描線 技 法 絹本着色 題 材 鳥、鳳凰、草花、魚介類など 内 容 30幅の大作 その他 釈迦三尊図とともに相国寺へ寄進 日本で初めてベロ藍を用いた作品 (写真)動植綵絵 群鶏図 伊藤若冲 1761-1765年 142.6×79.7cm 宮内庁三の丸尚蔵館 観音経「三十三応身」 若冲のこの動植綵絵については、「山川草木悉皆仏性」の思想を、観音経の「三十三応身」になぞらえて描き出…

  • 下村観山

    こんばんは 今日は下村観山について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1873-1930年 時 代 明治 - 昭和初期 居住地 和歌山→東京 分 類 日本美術院 代表作 小倉山 特 徴 穏やかな色彩と線描 技 法 朦朧体 受影響 狩野芳崖・橋本雅邦 (写真)小倉山 下村観山 1909年 157.0×333.5cm 横浜美術館蔵下村観山は和歌山県の能楽師の3男として生まれました。 8歳のとき、一家で東京へ移住。父は篆刻師に、兄たちは彫刻家になりましたが、観山は絵の道に進みました。 観山は知人の藤島常興に絵を習い、常興は狩野芳崖の父の門徒であったため、芳崖や、芳崖の親友橋本雅邦に師事するこ…

  • 枯山水

    こんばんは 今日は枯山水について、お話しようと思います。 *概要* 意 味 石や砂で山水を表現する庭園形式 時 代 平安時代~ 発 展 室町時代ごろ 禅宗で発達 発 祥 中国 代表作 西芳寺・大徳寺・龍安寺 作 家 夢窓疎石・小堀遠州 特 徴 禅の宗教観を表現 枯山水は石や砂で山水を表現する,日本庭園の様式のひとつです。 砂や小石で水の流れを表現しているものがよく見られ(砂紋といいます)、その上に橋が架かっているものもあります。日本で最初に枯山水についての記録が残っているのは、平安時代後期の作庭に関する書物『作庭記』の中に見つけられます。そこには、「池もなく遣水もなきところに石をたつことあり、…

  • 菱田春草

    こんばんは 今日は菱田春草について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1874-1911年 時 代 明治 居住地 東京・茨城 分 類 日本画 日本美術院 代表作 王昭君図 賢主菩薩 落葉 黒き猫 特 徴 柔らかな色彩 朦朧体 技 法 朦朧体・空気遠近法 受影響 橋本雅邦 与影響 横山大観 その他 岡倉天心に師事 日本画界の天才 菱田春草は岡倉天心の弟子で東京芸術大学の教員でした。 美術学校の師は狩野派の末裔・橋本雅邦。 岡倉天心や横山大観とともにインドやアメリカ・ヨーロッパを渡り近代日本画に大きな影響を与えた人物です。 *空気を描く 「空気を描く工夫はないか」西洋画の三次元的な空間表現…

  • 土偶

    こんばんは。 今日は土偶について、お話しします。 *概要* 意 味 縄文時代頃に作られた土人形 時 代 縄文時代頃 地 域 日本列島 分 類 彫刻 特 徴 乳房などを誇張した女性像が多い 代表作 亀ヶ岡遺跡出土土偶 その他 北海道~九州各地で出土している 国宝土偶シリーズまず最初に、前中後期にわけて、重要文化財や国宝の土偶たちを見ていきたいと思います。*前期現在で最も古いとされる土偶は、今から13000年ほど前、紀元前11000年前に出土されました。 初期の土偶は小型で板状、顔や手足などは簡易な表現です。 細部の表現は乏しいのに、乳房はしっかり表現されています。 やはり女性の特徴部を表すことに…

  • 国内美術館の取り組みについて

    みなさん、こんばんは。最近、広島県立美術館のHPを見て、 広島県立美術館がインスタでギャラリートークをしていることを知りました。そこで、改めて国内の美術館HPを見てみると 今回のコロナ渦で始まった新しい取り組みや 数年前から取り組まれていた取り組みを知らなかったりしたので、今回はそれらの取り組みをまとめてみました。 まずは、最初に言っていたインスタギャラリートークについて。 広島県立美術館 インスタギャラリートーク https://www.instagram.com/hiroshima_pref_art_museum/ 上のリンクはインスタのアカウントです。 インスタライブでは、コロナ中止のギ…

  • ベロ藍 北斎ブルーについて

    こんばんは、今日はベロ藍について、お話ししようと思います。 *概要* 意 味 動物性の青い人口顔料 年 代 1700年頃 地 域 ドイツ(プロシア)・ベルリン 発見者 ベルリンの染色・塗料職人 呼び方 プルシアンブルー 北斎ブルー ベロ藍 紺青 輸 入 江戸時代 延享4(1747)年に輸入 特 徴 発色鮮やか・変色しない その他 若冲動植綵絵にも少量のベロ藍が使用されている ベロ藍とは、動物性の青い人口顔料で、プルシアンブルーともいいます。 ベロ藍とは「ベルリンの藍」の略称で、もともと、ドイツ・ベルリンの染色職人が赤い顔料を作るとき、偶然その顔料の沈殿物の中から見つかった顔料で、日本では江戸時…

  • 芥子園画伝

    こんばんは、今日は芥子園画伝(かいしえんがでん)について、ご紹介します。 *概要* 意 味 中国初の絵画技法書 時 代 中国・清代 分 類 南宋画・画伝 著 者 李漁(りぎょ) 与影響 池大雅・与謝蕪村 その他 絵画の教科書、詩画譜として流行 タイトルの芥子園(かいしえん)は、著者である李漁の、南京の別荘だとか。 当時、絵師の技術は門外不出で、技法を学ぶためには弟子入りをする必要がありました。 しか、本作品はその絵師たちの技法を一般に広め、様々な絵師の技法を整理してまとめました。 解説と絵を使ったこの技法書は大いに歓迎され、広く一般に知れ渡るようになりました。日本でも、江戸時代後期の、池大雅や…

  • 葛飾北斎 肉筆画

    こんばんは。今日は葛飾北斎の肉筆画について、ご紹介します。 浮世絵版画は、以前ご紹介したとおり、版元から依頼があり、原画を描く人・彫る人・摺る人と多くの人間が関わった共同制作の作品です。 そのため、浮世絵版画というものは必ずしも原画師本人が描きたいものでなかったりします。 葛飾北斎は、浮世絵版画で有名ですが、肉筆画も多く描いた人物です。 北斎の肉筆画には、版画では見られない繊細さと力強さがあり、また違った魅力があります。 (写真)四季耕作図屏風 葛飾北斎 1800年頃 岡田美術館蔵 優しい色彩農村風景を描いた一枚。 北斎が1年間農作を行った体験から描くに至ったよう。 よく見ると田植えや土おこし…

  • 文化財は「遠くから見るだけ」から「手元で触れる」時代へ

    こんばんは 今日は、富士ゼロックス京都の活動のニュースが気になったので、ご紹介しようと思います。 *参考とした記事* 毎日新聞記事 6月23日 「古文書、手元で触れて 富士ゼロックス、複製品を販売開始 外国言付初編など 最新技術で忠実に」 https://mainichi.jp/articles/20200623/ddl/k26/040/305000c*概要* 富士ゼロックス京都という会社が、これまでに手掛けた古文書などの「複製」の販売を始めた、という記事です。 コンセプトは「文化財は“遠くから見るだけ”から“手元で触れる”時代へ」 現在購入できるのは数点ですが、最終的には200点ほどになると…

  • 葛飾北斎

    こんばんは、今日は葛飾北斎について、お話しします。 *概要* 生没年 1760-1849 時 代 江戸時代後期 居住地 江戸 住所不特定 分 類 浮世絵 特 徴 卓越した描写力 代表作 富岳三十六景 題 材 名所絵・役者絵など その他 化政文化を代表する絵師 葛飾北斎は、武蔵国葛飾郡本所(現在の隅田区のあたり)に生まれました。 鏡磨師の家に養子として出され、その後彫刻師のもとに弟子入りし、のちに絵師への道を志すようになったという人物です。 冨嶽三十六景シリーズ (写真)冨嶽三十六景 凱風快晴(通称赤富士) 葛飾北斎 1831-1833年 冨嶽三十六景は、北斎晩年の代表作でもある名所浮世絵です。…

  • レーザーハープ

    こんばんは、今日はレーザーハープについて、お話しします。 みなさんは「レーザーハープ」という楽器をご存じでしょうか? どうやら、レーザーハープとは「平沢進」というミュージシャンが使っている特殊な楽器とのこと。1週間ほど前、唐突にある生徒さんが、「平沢進さんのようなレーザーハープを使ったアート作品を作りたい」と言ってきました。 調べていくと結構面白いと思いはじめ、一緒に作ることにしてみました。 現在制作途中なのですが、活動内容がたまっていけば、たまにこのようにご紹介していきたいと思っています。 レーザーハープを使用したその生徒さんの作品はともかく置いておき、今回はそのレーザーハープについて、ご紹…

  • 手塚治虫

    こんばんは 今日は手塚治虫について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1928-1989年 時 代 昭和 現代 居住地 兵庫県 分 類 漫画家 代表作 鉄腕アトム・ブラックジャック等 特 徴 コマ割り・オノマトペの工夫 受影響 ディズニー映画(バンビ・白雪姫など) 与影響 藤子不二雄・赤塚不二夫など その他 漫画の神様と言われる 手塚治虫は現在の兵庫県宝塚市出身。 医師免許を持ち、医学や生物学の好きな人物だったことで知られています。手塚治虫の本名は手塚治 「虫」を付けた理由は、昆虫が好きだから。 オサムシという名前の昆虫がいるのを知り、自分のペンネームを「手塚治虫」(てづかおさむし)と…

  • 狩野芳崖 最後の狩野派

    こんばんは、今日は狩野芳崖について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1828-1888年 時 代 江戸ー明治時代 居住地 山口 分 類 狩野派 代表作 悲母観音 特 徴 仏画・水墨画の表現 西洋画の色彩表現や空間表現 その他 最後の狩野派 近代日本画の父 芳崖は長府藩(現在の山口県)狩野派の御用絵師の家系に生まれました。 もともと長府藩狩野派は永徳の父狩野松栄に期限がある家系のようで、桃山時代から長府に移り住んでいる家系です。 当時は京狩野江戸狩野と区別され呼ばれていますが、そのどちらにも当たらない流派です。芳崖の名前の由来は禅の教えから。 「禅の極致は法に入れて法の外に出ることだ」…

  • 文人

    こんばんは。「文人」 中国の絵画を紹介するとき、ほぼ毎回出てくる言葉ですが いったい、どのような人だったのでしょうか? 自分にも曖昧な部分があったので、 今回はもう一度、文人についておさらいしてみようと思います。 *概要* 意 味 学問・詩や書画に優れた人物 時 代 中国周代(BC1000~)から 地 域 中国 分 類 漢画・文人画 (写真)四季山水図屏風(名古屋別院本)右隻 伝周文 真宗大谷派名古屋別院蔵 こちらの作品では、ロバに乗って旅をする文人が描かれています。 どうやら、文人はロバに乗って旅をするものだったそう。 「文人」という単語が誕生したのは紀元前1000年以上前から。 最初は「学…

  • 三宅一生

    こんばんは。 今日は三宅一生について、お話しします。 *概要* 生 年 1938年 時 代 現代 出身地 広島 分 類 ファッションデザイナー 特 徴 「一枚の布」 素材へのこだわり 代表作 プリーツ・プリーツ 三宅一生は広島出身のデザイナーです。 小学1年生の時に被爆。その体験から、「破壊でなく創造的で美しさや喜びをもたらすもの」をつくりたいという思いから、デザインの道に進むことに決めたようです。 広島滞在中にイサム・ノグチの平和大橋のデザインに感銘を受けたとも言われています。三宅は、当時「デザイン」の分野の中にファッションが含まれていないことに疑問を持っていたこともあって、1965年にパリ…

  • 京狩野と狩野山楽

    こんばんは、今日は京狩野と狩野山楽について、お話しします。 *概要* 意 味 狩野山楽以降 京都で活躍した狩野派 時 代 江戸時代 居住地 京都 分 類 狩野派・京狩野・漢画 特 徴 永徳様式(雄大な構図) 装飾性豊か 肩身の狭い境遇が伺える作風 始 祖 狩野山楽 その他 本朝画史を作成した一派でもある 室町時代に京都から始まり、江戸時代では活躍の場が江戸へ移った狩野派ですが、 その中でも江戸時代、あえて京都に残って活動を続けた一派のことを京狩野と呼びます。 京狩野は、時代の流れに逆らった流派でもあったことから、次第に低迷し、明治期には急激に衰退していきました。作風は、永徳様式を最も受け継いで…

  • 江戸狩野と狩野探幽

    こんばんは。今日は江戸狩野と狩野探幽について、お話しします。 *概要* 意 味 狩野探幽以降 江戸で活躍した狩野派 年 代 1617年~(19世紀ごろまで) 時 代 江戸時代 居住地 江戸 分 類 狩野派・江戸狩野・漢画 特 徴 安定感・華やかな作風 始 祖 狩野探幽 江戸狩野とは、狩野探幽以後江戸で活躍した狩野派のこと。 京狩野に対して江戸狩野と呼びます。正信から始まった狩野派は、京都を中心として活躍していましたが、 江戸幕府成立後の1617年、狩野探幽が江戸幕府の御用絵師として京都から江戸に移り、狩野派の主流は江戸となりました。江戸幕府の安定した社会のもとで繁栄した流派のため、江戸狩野の作…

  • 雪舟等楊

    こんばんは 今日は雪舟等楊(とうよう)について、お話しします。雪舟について、私はすっかり記事にしたつもりでいたのですが、遡ってみると無く、驚きました…笑 *概要* 生没年 1420-1506年頃 時 代 室町時代 居住地 京都 分 類 漢画・水墨画 特 徴 自由さ・軽快なタッチや構図 代表作 四季山水図巻・破墨山水図 など 題 材 花鳥画 受影響 浙派・夏珪など 与影響 狩野派など その他 水墨画の開祖 雪舟は日本の絵画史において別格の高評価を受けている人物です。 (写真)秋冬山水図 雪舟等楊 47.7×30.2cm 15世紀末~16世紀初 東京国立博物館 国宝 中国明代の浙派の画風を吸収しつ…

  • 千住博

    こんばんは。今日は千住博について、お話しようと思います。 *概要* 生 年 1958年〜 時 代 現代 出身地 東京 居住地 ニューヨーク 分 類 日本画 代表作 「ウォーターフォール」シリーズ 特 徴 滝をモチーフとした作品 調和のとれた構図 モダンな作風 題 材 風景 滝 千住博は日本画界で数少ない、世界的に評価を得ている画家です。 コンセプトは自然の美の感動を、世界の人々と共有すること。 有名な滝のシリーズをはじめとした、壮大で大胆な構図の作品を数多く世に出しています。 「ウォーターフォール」シリーズ 一室の壁一面を覆い尽くすようなサイズで描かれる滝の作品シリーズ。 画面の上から絵具を垂…

  • パラリンピックポスター

    こんばんは。今日は前回に引き続き、オリンピックポスターをご紹介していきたいと思います。 パラリンピックをテーマとする作品 (写真) 神奈川沖浪裏上空/The Sky above The Great Wave off the Coast of Kanagawa 荒木 飛呂彦 漫画家 ジョジョの奇妙な冒険で知られる荒木飛呂彦の作品。 「神奈川沖浪裏」といえば、葛飾北斎の富嶽三十六景の、波越しの富士山で知られる神奈川沖浪裏が有名です。 荒木飛呂彦も、この作品を引用して描いたと解説で説明していました。 神奈川沖浪裏の「上空」という設定で、波を海でなく雲で表現しているところが、オリンポスの神々を連想させ…

  • 東京2020オリンピックポスター そのに

    こんばんは。今日は前回に引き続き、オリンピックポスターをご紹介していきたいと思います。 (写真)HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 OLYMPPIC GAMES [EVEN EDGED MATTERS CLOUD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”] 野老朝尾(ところ あさお) 美術家 オリンピックのエンブレムの制作工程をポスターとしたもの。 野老さんは、オリンピックエンブレムの制作者でもあります。 エンブレムは、菱形の中点を結んで抽出した長方形の組み合わせでできています。 制作途中の作品のように見…

  • 東京2020オリンピックポスター そのいち

    こんばんは、今日はオリンピックのポスターについて、お話ししようと思います。本来ならばオリンピックの期待感でいっぱいになっているはずのこの時期。 今回はそんな、日の目を浴びる機会が減ってしまったポスターたちを、もう一度じっくり見てみようと思い、まとめてみました。 量が多くなってしまったので、今回は3回にわけてご紹介していきます。 (写真は公式サイトから拝借しています) オリンピックをテーマとする作品 (写真)あなたの出番です。/Now it’s your turn! 浦沢直樹 漫画家 浦沢直樹は「YAWARA!」や「21世紀少年」などで知られる漫画家です。 描いたのは陸上選手と言われていますが,…

  • 浙派と呉派

    浙派(せっぱ)と呉派(ごは)浙派と呉派は、中国 明代の絵画における二大流派です。 主に中心とした地域の違いから、浙派と呉派で分けられていますが、画風に関しても古典を重んじる呉派、違う文化の画風を取り入れる浙派,と違いがあります。以下では,それぞれについて、少し詳しく書いていきます。 浙派 意 味 浙江(せっこう)省に伝来した奔放な画派 呉派に対してつけられた名称 時 代 明代(1368-1644年)以降 地 域 中国 浙江省付近 流 れ 南宋 院体画(馬遠・夏珪など) 特 徴 粗放・奔放な画風 南宋の院体画と李郭派(りかくは)の融合 人 物 戴進(始祖)・呉偉・張路 題 材 山水画 唐代(61…

  • 白銀比とキャラクターについて

    こんばんは、今日は白銀比について、お話しします。白銀比は別名「大和比」 黄金比より古くから日本で使用されており、日本人にとって馴染みのある比率です。 白銀比は奈良時代の建築物である法隆寺からも見ることができます。 上部の屋根と下部の屋根の比率が白銀比だとか。それ以前の建築物は、平安京の碁盤の目のような配置に見られるように、正方形が多用されていました。 白銀比の比率は1:√2 正方形の1辺 : 正方形の対角線が,ちょうど 1:√2です。 白銀比を知りたいときは,まず正方形を作り,縦横のどちらかの辺を対角線の長さまで延長すると,簡単に白銀比の長方形ができます。白銀比は,A版やB版といった、普段よく…

  • グスタフ・クリムト

    こんばんは 今日はグスタフ・クリムトについて、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1862-1918年 時 代 近代 居住地 オーストリア 分 類 抽象主義・アール・ヌーヴォー 代表作 接吻 特 徴 写実性と平面性 装飾的な模様 題 材 人物 特に女性が多い 受影響 オーギュスト・ルノワール 与影響 エゴン・シーレ クリムトは、当時の作家たちと同様に日本文化の影響を強く受けた画家です。 クリムトは、絵画作品だけでなく、甲冑や能面などもコレクションしていたとか。 特に浮世絵や琳派の影響は濃く、全体感や細部にもその影響を見て取ることができます。 *写実性と平面性* クリムトは、写実性と平面性…

  • 訪隠

    こんばんは。今日は訪隠について、お話しします。 訪隠はその名のとおり、「隠居した人物に会いに行く」という意味です。 隠居生活は文人の憧れ 隠居生活を描くことでそこに行ったような心地になる、という理由から、この題材は中国で長年好んで描かれていた題材ですが、 「隠居した人物に会いに行くこと」も南宋画の代表的な題材の一つだったようです。 (写真)竹渓訪隠図 与謝野蕪村 117.5×40.5cm 重要文化財 画面中央が霞で分割され、上界と下界の様子を描いています。 上界にはそびえたつ山々 下界には竹林と渓流が描かれています中央右下寄りに歩いている人物がいますが,彼が背負っているのは書物です。 「書物を…

  • 与謝蕪村

    こんばんは、今日は与謝野蕪村について、お話しします。 *概要* 生没年 1716-1783年 時 代 江戸中期 居住地 江戸→京都 分 類 漢画 特 徴 季節感の把握に優れている 気迫に富んだ水墨画 代表作 夜色楼台図 題 材 山水図・神仙図など 受影響 狩野派・明清画 その他 詩画一致を訴えた人物 俳人・文人でもある 池大雅とならび日本文人画の大成者と言われる 与謝野蕪村は現在の大阪市に生まれ。 20歳頃に江戸へ出ると、俳人である早野巴人に師事し,俳諧としての人生を歩んでいました。 巴人没後、35歳を過ぎてからようやく京都に居を定めた際,画業に強く関心を持つようになり,晩年まで修行にいそしみ…

  • 天橋立と雪舟

    こんばんは、今日は天橋立(あまのはしだてず)と雪舟について、お話しします。 天橋立は京都にある日本三景の一つです。 地形の珍しさや神仏の聖地であることから,古くは平安時代から和歌などでたびたび登場している場所でもあります。 (写真)天橋立図 雪舟 1501-1506年 89.5×169.5cm 京都国立博物館 国宝 破墨山水で知られる雪舟ですが,こちらの絵は真逆の写実性の高い作品となっています。 しかも,天橋立に行ってこの絵と同じ風景が見えるのは地上900mのところだそうです。 雪舟はどのようにして書いたのでしょうか それは,様々な場所から見た風景を組み合わせて書いたものだと言われています。 …

  • 日本の伝統色 貴族の「色」

    こんばんは。 今日は昨日お話した、日本の伝統色の番外編として、日本の貴族の「色」について、お話しします。 濃紫 材 料 紫草(この材料しかなかった) 発 祥 飛鳥時代 その他 冠位十二階(603年)により濃紫が最も高貴な色とされた。聖徳太子が位により服装の色などを定めたことで知られる冠位十二階ですが、 実際に色のついた冠をそれぞれの豪族や官人に渡していたそうです。 それは知らなかった…冠位十二階で決められた12の色は、5行説にならって青・赤・黄・黒・白の濃淡で、合計10つの位があります。 後の2つの位は、紫の濃淡 つまり、濃い紫と薄い紫で、構成されました。 (五行説については、依然記事にしてい…

  • 日本の伝統色について

    こんばんは 今日は、日本の伝統色についてお話します。 日本には、植物や生き物など、身近なものに由来する色の名前が多くあることで知られています。日本の伝統色と言われる色は多くありますが, 中でも特徴的な日本の「色」を,5色紹介しようと思います。 群青 意 味 紫みがかった深い青色のこと。 材 料 藍銅鉱(らんどうこう・アズライト) 発 祥 飛鳥時代ころ その他 日本絵画史には欠かせない色 群青に関しては、以前詳しくまとめていますのでよかったらそちらもご覧ください。 (世界の青,日本の青)https://funart.hatenablog.com/entry/2020/02/26/173221 藍…

  • 画の六法

    こんばんは、今日は画の六法について、お話しします。 画の六法とは、中国の絵画史上で最も重要な画論文献の一つである「古画品録」に登場する、絵画の評価方法です。 古画品録とは、中国南北朝時代、南斉の謝赫(しゃかく)が著した画論書 この「画の六法」は、制作時にも、評価・鑑賞の時にも使用され、当時の中国における絵画の「見方」を知ることができるものです。 (写真) 古画品録 謝赫 画の六法とは 1気韻生動 心 2骨法用筆 線 3応物象形 形 4随類貝武彩 色 5経営位置 構図 6伝移模写 模写これらには優先順位があり,1番の「気韻生動」が一番重要視されました。 ざっと見ると、「心」が優位で、まずは線の趣…

  • 渡辺華山

    こんばんは、今日は渡辺華山について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1793-1841年 時 代 江戸時代後期 居住地 愛知 分 類 漢画 代表作 鷹見泉石像 特 徴 写実性の高い陰影表現・鋭い線 その他 西洋の写実表現を取り入れる (写真) 佐藤一斎像 渡辺華山 1821年 東京国立博物館 重要文化財 渡辺華山は武士であり文人であり、画家です。 武士としてはいい身分の家に生まれましたが、父が病気がちで薬代が多くかかったため、幼少期は極端に貧窮しながら育ったとされています。 そんな状況の中、崋山は生計を助けるために得意な絵を売って、生計を支えるようになりました。 谷文晁(ぶんちょう・…

  • パ紋に挑戦

    こんばんは。 今日は昨日お話しした内容の続き 原田専門家の「パ紋」を作ってみようかと思います。 原田専門家のパ紋は ・名前 ・好きなもの(1つ) を構成して作っています原田専門家は、この2つの要素で作成していますが、 名前を入れたくないというのと、 「自分らしさ」を表すためにはもう少し要素があった方がいいと思うので、 ・特徴 ・好きなもの ・趣味 この3つの要素で構成していこうかと思います *特徴を入れてみる 日やけ ひげ 細い目 上のはアウトですね。いい感じですが・・・ 正面を向かせてみたところで、BOSSのロゴは横向きだから特徴的だということを知りました。正面だとデザインが面白みに欠けます…

  • パーソナルな家紋 略して「パ紋」

    こんばんは。 昨日、先輩に「SNSのアイコンを作ってほしい」と頼まれ、悩んでいる間に、「パ紋」というものがあったな、と思い出しました。 「パ紋」というのをご存知でしょうか 元お笑い芸人でグラフィックデザイナーの原田専門家さんの持ちネタ というか、デザインなのですが…自分自身を表す家紋という意味で、パーソナルな家紋、略して「パ紋」です。 名前+好きなもので、その人らしい家紋(ロゴマーク)を作るというもの。「家紋をもっと個人的に」という思いで、大喜利感覚で作成しているとのこと。https://youtu.be/1c6APtvgv7o 著作権があるので載せることができませんが、こちらにこれまで原田専…

  • 池大雅

    こんばんは、今日は池大雅(いけの たいが)について、お話しします。 *概要* 生没年 1723-1776年 時 代 江戸時代 居住地 京都 分 類 文人画・ 特 徴 広々とした余裕ある構図 自由奔放でリズム感のある筆致 代表作 十便十宜図 題 材 中国の故事・風景 その他 日本の文人画の大成者と言われる (写真)楼閣山水図 1765年頃 東京国立博物館 国宝池大雅は,京都銀座役人の下役の子として生まれます。 書に長けた優秀な人物で7歳にはすでにその才能を発揮し、周囲の僧から「神童」と絶賛されるほどだったそう。江戸時代中期の武士で文人画家だった柳里恭に才能を見出され、文人画を描きはじめます。 *…

  • 箔の表現技法について

    こんばんは、今日は箔の表現技法について、お話しします。 概要 *箔の貼り方について *表現について ・2〜3枚重ねて貼っている ・下地に工夫がある *技法について ・マスキングする ・酸化させる *箔の貼り方* 箔を貼ることを、専門用語で「箔を押す」と言います。 箔を押すためには、現在ではさまざまな道具がありますが、昔はドーサというものを使用していました。 ドーサは、膠をお湯で溶かしたものに、明礬(みょうばん)を入れて作ります。 (写真)ドーサ液自体も今では売られています。 刷毛で画面全体にドーサを引き、少し紙がしめったところで、箔を押します。簡単に言うとこんな感じ「ペラペラの箔をどうやって綺…

  • 中村芳中

    こんばんは。今日は中村芳中について、お話しします。 *概要*生没年 生年不詳-1819年時 代 江戸時代中期居住地 大阪分 類 琳派 流 れ やまと絵特 徴 素人風・大らかな線や構図・ユーモアある表現代表作 四季草花図扇面押絵貼交屏風など技 法 たらし込み 中村芳中は京都生まれ、大阪で活躍した画家です。謎が多く、生年不詳のほか、生い立ちもほとんどわかっていません。訪中の名が残っている最初期の書物は1790年,当時の雑誌の中です。そこでは「大阪に住む絵師」として紹介されていますから、すでに絵師として活躍していたのだと思われます。 マイナーとも呼べる絵師ですが、個人的には愛らしい表現で隠れファンが…

  • イサム・ノグチ

    こんばんは。今日はイサム・ノグチについて、お話しします。 *概要*生没年 1904-1988年時 代 現代居住地 アメリカ分 類 彫刻家代表作 ブラック・スライド・マントラなどその他 激動の人生 勲三等瑞宝章・アメリカ国民芸術勲章を受勲 イサム・ノグチはアメリカ合衆国ロサンゼルス生まれの彫刻家です。日系アメリカ人で、日本人で詩人の父、作家の母のもとに生まれました。ただし婚姻関係はなく、シングルマザーでした。 *激動の人生*・人種差別の激しいなか日本へ渡航・第二次世界大戦ではスパイ扱い&強制収容・終戦後来日するもアメリカ人という理由でデザインが選外になるなど・・激動の人生だったようです。 *母の…

  • 家紋

    こんばんは、今日は家紋について、お話しします。 *概要* 意 味 家計や地位を表す模様時 代 平安時代から先駆け 平安時代 公家の間で流行 発 展 鎌倉時代 武家の間で 使用者 公家・武家 特 徴 種類が豊富 モチーフ 自然・生き物・名字・信仰など 内 容 武具や着物・建物の飾り にしようされるその他 日本固有の文化 現在241種 2万以上の家紋があると言われる (写真)現在の日本政府の紋様「桐花紋(とうかもん)」 桐のの葉や花を図案化した家紋 桐は、鳳凰が止まる神聖な木とされており、古来から皇室のみが利用できる格式ある紋章のようです。 *起源* 家紋の起源は平安時代 西園寺実季(さいおんじさ…

  • 熊谷守一

    こんばんは、今日は熊谷守一について、お話しようと思います。 *概要* 生没年 1880-1977年 時 代 現代 居住地 東京 分 類 フォービズム 二科展 代表作 猫 特 徴 明るい色調・赤い輪郭線 題 材 植物・生き物・人・風景など その他 研究熱心・スケッチを重ねる (写真)猫 熊谷守一 1965年 愛知県美術館 ぐっすり眠る猫の表情、柔らかそうな体がなんとも可愛らしいです。 熊谷守一は、日本の油絵画家です。 97歳まで生きた長寿の画家で、スケッチを重ねて描かれた抽象画に定評があります。 守一自身は富裕層の出身ですが、芸術家気質で貧乏生活を送ったことから、自身の所属する二科会では「画壇の…

  • 彦根屏風と琴棋書画

    こんばんは、今日は彦根屏風(ひこねびょうぶ)と琴棋書画(きんきしょが)について、お話しします。 *概要*年 代 1629-1634年頃時 代 江戸時代初期 1629-1634年頃作 者 不明 狩野派絵師説が有力分 類 風俗画 流 れ 漢画特 徴 見立て絵(琴棋書画)場 面 遊郭だと言われている (写真)紙本金地著色風俗図(彦根屏風) 江戸時代初期 六曲一隻 94×271cm 彦根城博物館 国宝 彦根屏風は,正式名称にある通り,京都の遊郭を描いたとされる風俗画です。京都の様子を描いた絵画なのに奈良県にある彦根の名前が入っている理由は,この絵が彦根藩に代々伝わっていたものだから,ということのようで…

  • 瀟湘八景

    こんばんは、今日は瀟湘八景(しょうしょう はっけい)について、お話しします。 *概要*意 味 瀟湘を季節と絡ませて描いた8つの名所のこと 中国の山水画の伝統的な画題発 祥 中国 宋迪(そうてき・11世紀後半の士大夫)場 所 瀟水と湘江の合流するあたり 湖南省長沙市先駆け 中国 北宋時代 時 代 日本は鎌倉時代〜分 類 唐絵 水墨画特 徴 いろいろな描き方がある影 響 浮世絵(近江八景・金沢八景)その他 日本では狩野派が好んで描く (写真)瀟湘八景図(二幅のうち) 是庵 京都国立博物館瀟湘八景とは、瀟湘の景色と、季節を絡ませて描いた8つの題材からなる作品のことを言います。瀟湘(しょうそう)とは、…

  • 岩佐又兵衛

    こんばんは、今日は岩佐又兵衛について、お話しします。 *概要* 生没年 1578-1650年 時 代 江戸時代 居住地 京都→福井→江戸 分 類 やまと絵 特 徴 劇的なタッチ たくましい人間の表現 代表作 山中常盤物語絵巻 題 材 物語・風俗 古典的な題材が多い その他 波乱万丈の人生・奇想の絵師と呼ばれる (写真)洛中洛外図屏風(舟木本) 岩佐又兵衛(伝) 1614-1615年 東京国立博物館 国宝 洛中洛外図屏風は多くの人物によって描かれていますが,こちらは滋賀の舟木家に伝来したものなので舟木本とも呼ばれています。 弟子が描いたとの説がありますが,本人説が有力。又兵衛が京都にいる頃の作品…

  • フリーダ・カーロ

    こんばんは。今日は突拍子もないですが、 フリーダ・カーロについて、気になって調べたので、お話ししようと思います。 *概要*生没年 1907-1954年時 代 現代居住地 メキシコ分 類 (シュルレアリスム)特 徴 鮮やかな色彩題 材 自画像が多いテーマ アイデンティティ・人体・死その他 メキシコの偉大な芸術家 女性中心に現在でも人気な人物 (写真)死を考える フリーダ・カーロ 1943年 個人蔵 フリーダはメキシコの現代絵画を代表する画家であり、民族芸術の第一人者です。メキシコを舞台としたディズニー映画「リメンバー・ミー」にも,死後の世界にスターとして登場してくるキャラクターです。フリーダは強…

  • 富岡鉄斎

    こんばんは、今日は富岡鉄斎について、お話しします。 *概要*生没年 1837-1924年時 代 明治・大正期居住地 京都分 類 帝国美術院 文人画代表作 妙義山図・泥八丁図特 徴 博学な知識に裏打ちされた画風 奔放な筆線技 法 様々な絵画様式を取り入れた独創的な画風題 材 中国古典 風景・風俗・花鳥・神仙などその他 儒学者。日本最後の文人と謳われる。 富岡鉄斎は、様々な絵画様式を取り入れながらも、個性的で奔放な筆線で、日本絵画界に新風を吹き込みました。博学な知識を持ち、中国古典を題材とした作品を多く描きました。彼の作品は生涯で2万点ともいわれ、80歳を過ぎても衰えを知らず、傑作を多く残したと言…

  • 鈴木春信

    こんばんは。今日は鈴木春信について、お話しします。 *概要*生没年 1725-1770年時 代 江戸時代中期居住地 京都→江戸分 類 浮世絵(版画が多い・肉筆版画も数点)代表作 夕立特 徴 細身で可憐、繊細な表情技 法 紅摺絵→水絵(染料の版画)→錦絵(木版多色刷り)題 材 美人画・役者絵・見立て絵その他 錦絵の誕生に重要な役割を果たした。 後の浮世絵の発展に多大な影響を及ぼした。 (写真)女三宮と猫 鈴木春信 1767年頃 ビゲローコレクション 鈴木春信の出自は謎ですが、江戸神田白壁町(現在の千代田区)の戸主で、比較的裕福な家計に生まれたと言われています。 *錦絵の誕生に重要な役割を果たした…

  • 高橋由一

    こんばんは、今日は高橋由一についてお話しします。 *概要* 生没年 1828-1894年 時 代 江戸→明治時代 居住地 江戸 分 類 洋画 代表作 鮭、花魁 特 徴 和製油画 細部まで妥協なく描く 題 材 人物、静物、風景など その他 日本で最初の洋画家 本格的な油絵技法を学んだ 高橋由一は、日本で最初に本格的な油絵技法を学んだ人物と言われています。 由一の日本の洋画界における影響力は、由一がいなければ今日の日本の美術の表現はなかった、と言われるほどだそう。 由一は2歳で絵を描き初め、12歳ごろには狩野派の師匠に師事し絵を描いていました。 由一は良いところの出で、武士になるべく剣術を学んでお…

  • ジャポニスム

    こんばんは、今日はジャポニスムについて、お話しします。 *概要*意 味 日本の美術工芸品が流行したこと発 祥 フランス時 代 19世紀後半 江戸時代先駆け 浮世絵 分 類 陶磁器・浮世絵・団扇・着物・布地など 様々特 徴 構図や表現・モチーフを作品に取り入れるその他 印象派・アールヌーボーなどの後の芸術運動に大きな影響を与えた *先駆け*ジャポニスムとは、フランス語で「日本趣味」という意味江戸時代末期頃の、黒船来航によって日本の様子が西洋に知られたことがきっかけと言われています。ここでは、美術工芸品の中でも特に浮世絵が欧米で人気になりました。 (写真)陶器の国の姫 ジェームズ・マクニール・ホイ…

  • 黒田清輝

    こんばんは。今日は黒田清輝について、お話しします。 *概要*生没年 1866-1924年時 代 明治時代分 類 帝国美術院(第2代院長)、外光派代表作 湖畔特 徴 構想画を試みる 外光派の表現(自然で明るい色彩) 黒を使わない受影響 印象派・外光派に影響与影響 日本の表現主義(反動として)その他 本格的な西洋絵画の移植 やがて美術界の中核となる 黒田清輝は、近代日本の美術に大きな足跡を残した画家であり、教育者であり、美術行政家です。洋画かとして東京美術学校教授となり、日本の洋画を西洋絵画の最先端へと導いたその功績は大きく、その影響は絶大なものでした。そのため,後の表現主義の画家たちには黒田の表…

  • 喜多川歌麿

    こんばんは、今日は喜多川歌麿について、お話しします。 *概要*生没年 1753-1806年時 代 江戸時代中期居住地 不明 川越(埼玉)説と江戸説が有力分 類 浮世絵(版画)代表作 寛政三美人特 徴 官能的な表情、肌・髪の繊細な表現技 法 毛割・空摺・雲母摺題 材 美人画・花鳥画その他 浮世絵美人画の極致とされている人物 独自の表現法を工夫した (写真)寛政三美人 喜多川歌麿 1793年 32.0×21.6㎝ 生年、出生地、出身地など不明。生年に関しては、没年(数え54歳)からの逆算で1753年とされることが多いもともと絵本を描いていましたが、1790年頃に浮世絵師へと転向。大首絵(おおくびえ…

  • 百鬼夜行絵巻

    こんばんは、今日は百鬼夜行絵巻についてお話します。 *概要*意 味 妖怪たちが行列をする(百鬼夜行)様子を描いた絵巻物の総称時 代 室町時代から分 類 絵巻物流 れ やまと絵特 徴 同名・同種の絵巻物としてはたくさんのバリエーションがある代表作 大徳寺・真珠庵の「百鬼夜行図」重要文化財 百鬼夜行絵巻が描かれ始めたのは,室町時代と言われており,以降明治・大正に至るまで様々な時代で描かれてきました。「百鬼夜行絵巻」という名称が現在では最も知られていますが,「百鬼ノ図」「妖怪絵巻」などという名前で同じ題材が描かれているものもあります。 *起源について* 「百鬼夜行」の元は,2説あると考えられています…

  • 金継ぎ

    こんばんは、今日は金継ぎ(きんつぎ)について、お話しします。 *概要*意 味 陶磁器の破損した部分を金で装飾する技法時 代 室町時代頃から分 類 陶芸代表作 赤楽茶碗 銘 雪峯(本阿弥光悦)材 料 漆・金粉(または銀・白金など)その他 茶道の発展とともに生まれた文化 金継ぎとは,陶磁器が破損したとき,その割れやヒビを漆で修復して,金で美しく見せる技法です。(金粉漆繕いともいいます)陶磁器の破損を漆で修復する技術は縄文時代からあったとか。金継ぎ自体が生まれたのは,室町時代。禅・茶道の発展とともに生まれました。茶の湯は武将に愛された文化です。武将たちが持っていた陶磁器(茶道具)も,家宝であったり,…

  • 表現主義と自画像

    こんばんは、今日は表現主義の作家と自画像について、お話しします。 人物、特に自画像を描くことは、自分自身を見つめ直すきっかけとなります。 自分はどういう性格で、どんな存在なのか また、今どんな気分で、何を考えているのか こういうコンセプトで表現したいとき、自画像はうてつけの題材ですよね。 自画像は、自分の考えや気分、存在についてを表現しようとしている表現主義の画家たちにとって、最適なモチーフでもあります。 (写真)自画像 安井曾太郎 1906年 32×22.5cm 東京国立博物館安井曾太郎はフランス・イギリス・イタリア・スペインに渡り、ヨーロッパの美術を学びました。なかでも影響を受けたのはセザ…

  • 日本の表現主義

    こんばんは、今日は日本の表現主義(インプレッショニスム)について、お話しします。 *概要*時 代 明治末から大正時代(1890-1926年頃)分 類 前衛芸術題 材 人物・風景・動物など受影響 印象派・フォーヴィスムその他 絵画の他に版画・映像・演劇・音楽など幅広く影響がある 日本の表現主義については、黒田清輝ら印象派の影響を受けた画家たちから、大正時代の前衛的な画家までの、非常に広範囲のものとしてとらえられています。 (写真)湖畔 黒田清輝 1897年 69×84.7cm印象主義的な作品も含めて表現主義の作品としているので、その見解は適切なのか?という意見もあるようですが… とりあえず日本の…

  • 表現主義

    こんばんは、今日は表現主義(インプレッショニスム)について、お話しします。 *概要*意 味 感情を作品に反映させて表現すること。印象主義に対する言葉中 心 ドイツ(ドイツ表現主義)時 代 1905-1940年頃先駆け (表現主義全体)ゴーギャン、ゴッホ、ムンクなど(ドイツ表現主義)エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー分 類 前衛芸術特 徴 輪郭の強調・強い色彩(形や色に内面や精神を表そうとする)題 材 人物画・風景・動物など受影響 ドイツ表現主義はポスト印象派・ムンク与影響 新即物主義 エゴン・シーレその他 前衛芸術の先駆け 広い意味ではフォーヴィスム・抽象表現主義なども含まれる。 表現主義は…

  • 仏像の顔の違い

    こんばんは、今日は時代による仏像の顔の違いについて、ご紹介します。 仏像は、作られた時代により大きく表情や体格が違い、その違いを知ったうえで見ると興味深かったりします。 *飛鳥時代(538-645年)*目 :杏仁形(きょうにんぎょう・上下の瞼の弧線が同じで大きく開いた目) 飛鳥~平安前期頃までは彫目(直接掘ったもの)が多い鼻 :高く狭い耳 :長方形・穴は開いていない輪郭:面長・少し角張っている表情:アルカイック・スマイル(かすかに微笑んでいる)体格:細身・角ばった肩・極端な反身衣服:左右対称・幾何学模様材料:木像・金銅像 (写真)菩薩半跏像 中宮寺 国宝 飛鳥時代は仏教が伝来して間もない頃なの…

  • 夏珪 院体画の第一人者

    こんばんは、今日は院体画の第一人者、夏珪についてお話しします。 *概要* 生没年 不明時 代 鎌倉時代居住地 中国・南宋 分 類 南宋画 特 徴 みずみずしい墨筆・対角線構図技 法 院体画 夏珪は馬遠と同じく、寧宗の時代(1195〜1124年)に活躍した院体画の絵師です。 院体画とは、中国の宮廷画家の画風で、伝統を重視した写実的・精密なものを言います。 夏珪は馬遠と並び、高く評価された院体画の代表的画家の一人です。 特に雪舟は夏珪に倣い、模倣したと言われています。 説明 *対角線構図* 夏珪自体に謎が多く、夏珪が確実に描いた、とされる作品は多く残っていません。 しかし、夏珪の特徴であった「対角…

  • 村上隆

    こんばんは、今日は村上隆について、お話しします。 *概要* 生没年 1962年〜時 代 現代 分 類 現代アート 代表作 Flower ball など 特 徴 日本のサブカル文化を世に広めた (写真)サブカル文化のうち、村上隆が扱ったフィギュア 村上隆は、日本の現代アート作家です。 東京藝術大学院では日本画を学びましたが、卒業制作で1番にならなかったことから日本画への道を断念。そこから現在のような現代アート作家を目指します。 ちなみに、日本美術院の日本画家に村上裕二という人がいますが、弟だそうです。村上裕二さんもなかなか個性的な作風です。 もし気になる方は検索してみてください。 *代表作*有名…

  • 掛軸の「賛」について

    こんばんは、今日は掛軸によく見られる「画賛(がさん)」について、お話しします。 *概要* 意 味 鑑賞者が作品に書く賛辞 時 代 平安時代〜 分 類 漢画 掛軸に多い 題 材 人物(頂相)・風景が多い 特 徴 詩(漢詩・和歌・俳句など)が書かれることもある その他 禅宗では子弟の引き継ぎに重要なものだった (写真)老人六歌仙画賛 仙厓 江戸時代 43.2×53.9cm 出光美術館 (賛といえばこの後の二作品のほうがよく見る形ですが、こんなゆるっとしたものもあります) 画賛は、賛(さん)ともいい、ある人がその絵を見たことや、その絵に対する評価を絵の余白に書いたもののことをいいます。 平安時代ごろ…

  • 上村松園

    こんばんは、今日は上村松園について、お話しします。 *概要*生没年 1845-1949年時 代 明治時代居住地 京都分 類 帝国芸術院(日本芸術院)特 徴 高貴でしとやかな女性像代表作 序の舞その他 女性画家 上村松園は、明治時代の女性日本画家。 女性の目線から、江戸や明治の風俗、古典から切り取った女性像を描き続けた、美人画の名手です。師匠は幸野楳嶺と竹内栖鳳。1948年女性として初めて文化勲章を受章。 *高貴でしとやかな女性像* 上村松園の描く女性像は、静かですが凛々しく、強い意志を感じます。 (写真)序の舞 上村松園 1936年 東京藝術大学 重要文化財松園の言葉で「一点の卑俗なところもな…

  • 狩野元信 狩野派の画風を大成した二代目

    こんばんは、今日は狩野元信について、お話しします。 *概要*生没年 1476-1559年時 代 室町時代居住地 京都分 類 狩野派特 徴 漢画(水墨画)にやまと絵の技法を取り入れる代表作 旧大仙院方丈障壁画その他 正信の子供 狩野派の画風を大成した人物 狩野元信は、正信の子供で、狩野派の二代目です。 土佐派との交流を深めることで、漢画にやまと絵の技法を取り入れ、狩野派の画風を確立させた人物でもあります。 *漢画にやまと絵の技法を取り入れた* (写真)大仙院方丈障壁画 四季花鳥図(一部) 狩野元信 16世紀 大仙院蔵 需要文化財水墨画を基調としつつ、花や鳥には絵具が施されています。もともと漢画と…

  • フォーヴィスム 日本への影響

    こんばんは。今日はフォーヴィスムの日本への影響について、お話しします。 *概要*年 代 1912年~先駆け 萬鉄五郎(よろずてつごろう)など流 れ ポスト印象派の影響が強い分 類 フウザン会・二科展など特 徴 感覚重視の色彩(原色を多用)・激しいタッチ (写真)裸体美人 萬鉄五郎 1912年 東京国立博物館 重要文化財こちらの作品がフォーヴィスムの最も早い作例と言われています。単純化された裸婦の表現はマチスのようです。 (写真)開いた窓,コリウール アンリ・マチス 1905年 ワシントン・ギャラリーオブ・アート萬鉄五郎はキュビスムをいち早く取り入れた人物でもありました。当時の最先端芸術に敏感に…

  • フォーヴィスム

    こんばんは。今日はフォーヴィスムについて、お話しします。 *概要*意 味 感覚や感情を色彩で表現することを重要視した絵画運動年 代 1904-1908年地 域 フランス創始者 アンリ・マティス、アンドレ・ドラン流 れ ポスト印象派や新印象派に影響を受ける特 徴 感覚重視の色彩(原色を多用)・激しいタッチ題 材 風景画が多い (写真)帽子の女 アンリ・マティス 1905年 フォーヴィスムのフォーヴ(fauves)とは、野獣という意味で、日本語への直訳は「野獣派」です。批評家が「あたかも野獣の檻の中にいるようだ」と批評したことからこの名で呼ばれるようになりました。 フォーヴィスムの作品たちは190…

  • 浮世絵版画の技法 毛割と空摺

    こんばんは、今日は浮世絵版画の技法のうち、毛割と空摺について、お話しします。 *毛割(けわり)* 髪の生え際を細い線で表現する版画の技法 (写真)扇屋花扇(おうぎやはなおうぎ) 喜多川歌麿 1795-1796年 38.6×25.8cm ボストン美術館 この、結い上げた髪の根元の表現です。 大首絵のような上半身だけ描いた絵は、髪の毛の表現がひとつの見どころでした。この毛割という技法で、櫛で梳いたような美しい生え際や、襟足のほつれ毛まで丁寧に彫ることで、より複雑な髪の動きを表現できました。 毛割の表現方法は、主に二通り。・八重毛 髪の毛の数本ごとにある節目(ひとまとまり)を表すように彫る表現方法・…

  • 如拙 日本の漢画の祖

    こんばんは、今日は如拙(じょせつ)について、お話しします。 *概要*生没年 不詳時 代 南北朝時代から室町時代中期(1330-1450年頃?)居住地 京都?分 類 漢画特 徴 中国漢画を意識した絵代表作 瓢鮎図その他 漢画の祖と呼ばれる 雪舟や長谷川等伯・狩野派に影響を与える 如拙(じょせつ)は室町時代頃の画僧です。謎多き人物で,如拙作の作品も2作品しか判明していません。しかし,雪舟や長谷川等伯から師と仰がれ,伝如拙含めすべての作品が重要文化財(または国宝)となっていることからも,日本美術史における如拙の存在は大きいです。 名前の由来は「老子」の「大巧は拙なるが如し(たいこうはせつなるがごとし…

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