2023年刊行。筆者の榎村寛之(えむらひろゆき)は1959年生まれの研究者。三重県立斎宮歴史博物館で学芸員を務めている方。 勤め先からも想像がつくとおり、伊勢斎宮研究の専門家で、関連著作がいくつもある。当ブログでは中公新書から出ている『斎宮』を以前にご紹介している。 内容はこんな感じ 藤原氏が権力中枢を独占した平安中期以降と異なり、平安前期には驚くほど多様な可能性が存在していた。実名で記録に残る女官たちの活躍。門閥に生れなくても学問で身を立てることができた時代。斎宮と内親王の関係性の変化。そして摂関家はいかにして成立したのか。桓武天皇から『源氏物語』誕生まで、知られざる平安「前期」の200年を…