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2020/05/16

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  • フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳

    林典子,2014,フォト・ドキュメンタリー人間の尊厳──いま、この世界の片隅で,岩波書店.(6.30.2021)本書では、世界各地で撮影された写真と「ニュースにならない人々の物語」が掲載されている。強烈なメッセージを秘めた写真は、「見たくない現実を見る」ことを可能にする、自分が知る世界など、ごくちっぽけなものでしかないことを思い知らされる。独裁政権と闘うジャーナリスト、難民キャンプで暮らす少女、配偶者から硫酸で顔を焼かれた女性、震災で家族を失った被災者、誘拐され結婚を強要された女子大生―。世界最大規模の報道写真祭で最高賞を受賞した気鋭の写真家が、世界各地で生きぬく人びとに寄り添い、その姿を報告する。カラー写真多数。https://norikohayashi.jp/フォト・ドキュメンタリー人間の尊厳

  • デジタル・ポピュリズム

    福田直子,2018,デジタル・ポピュリズム──操作される世論と民主主義,集英社.(6.29.2021)本書では、ソーシャルメディアによる「フィルターバブル」の形成と、「集団極性化」現象について、わかりやすく解説されている。価値観により分断され、フェイクニュースとポッドに煽られた人びとは、ときとして、過激で排外的な思想に極性化し、「一時的な多数派による専制」が成立する。「トランプ現象」や「ブレグジット」も、このような図式で理解すればわかりやすい。本書で詳説されているロシアによるネット工作も不気味だ。アメリカの大統領選挙やイギリスEU離脱の国民投票では、私たちが無意識のうちに提供している多くの個人情報が選挙キャンペーンや世論形成に利用された。嘘を混ぜたプロパガンダや個人の不安に直接訴える「マイクロ宣伝」といった、巧...デジタル・ポピュリズム

  • 操られる民主主義

    ジェイミー・バートレット(秋山勝訳),2018,操られる民主主義──デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか,草思社.(文庫版有)(6.27.2021)SNSや検索サイトが収集するビッグデータやボットによる世論や投票行動の誘導、操作、「フィルターバブル」による世論の分断と人びとの「部族化」。そして、巨大企業のプラットフォームビジネスによる市場の独占は、AIの発展とともに、貧富の格差の拡大、中間層の解体を加速する。デジタル・テクノロジーの発展とともに、民主主義がとめどなく後退したディストピアが眼前に迫ってきているなか、あらためてメディアリテラシー教育の必要を痛感する。いつのまにか「私の考え」が誘導されていた?トランプを大統領にしたのは「データ」の力だった?民主主義社会の基盤がいま崩れはじめている!デジタ...操られる民主主義

  • 誰が世界を支配しているのか?

    ノーム・チョムスキー(大地舜・榊原美奈子訳),2018,誰が世界を支配しているのか?,双葉社.(6.24.2021)本書を読めば、アメリカ合衆国が、世界最悪のテロ国家として世界で成してきた悪行の数々をほとんどすべて知ることができる。米国の庇護を受け、パレスチナで無差別殺戮を繰り返してきたイスラエルもまた、これまでどういう悪事をはたらいていたか、本書で克明に報告されている。さらに、本書では、キューバ危機だけでなく、米国とNATOの挑発行為により、幾度も核戦争の危機があったことを指摘しているが、背筋が凍る事実である。これからも、米国人と(イスラエルの)ユダヤ人は、人殺しを続けるだろう。その報復として、米国とイスラエルがテロの標的となったとしても、チョムスキーが別著で主張するとおり、自業自得である。緊迫する中東、迷走...誰が世界を支配しているのか?

  • 沈みゆく大国 アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉、政府はもう嘘をつけない

    米国の政治は、完全にカネで買われている。「オバマケア」は、民間保険会社の保険料を高騰させただけであり、米国中間層の多くが、実質、無保険状態におかれたままである。バラク・オバマは、大企業から空前の献金を受け、大統領に再選された。連邦政府予算で救済された金融機関に呈したのは口先だけの苦言だけであり、オバマはまさに「名誉白人」として、「1%」の富裕層と、金融資本、軍産複合体等に奉仕しただけであった。こうして考えてみると、ドナルド・トランプは、オバマよりはまだましな政治家であったことがわかる。すでに、イギリスのNHS(国民医療サービス)は崩壊している。(ブレイディみかこさんによれば、病気になっても診察を受けるまで数か月待たされることから、自費診療を受けざるをえないという。)米国、イギリスとともに、新自由主義の草刈り場と...沈みゆく大国アメリカ〈逃げ切れ!日本の医療〉、政府はもう嘘をつけない

  • シチズンシップ

    キース・フォークス(中川雄一郎訳),2011,シチズンシップ──自治・権利・責任・参加,日本経済評論社.(6.19.2021)トマス・マーシャルにより切り開かれた、社会権を含むシチズンシップの概念と理念は、フェミニズムから新自由主義に至るまで、さまざまな立場、思想から疑問を突きつけられてきた。「自由権」は天賦の人権として尊重されなければならないとして、(広義の)参政権、社会権は、フォークスが主張するとおり、一定の期間以上の居住の事実により保障されるべきものであると思う。だとすれば、技能実習制度や就労ビザで入国し日本に居住する「外国人」は、実質、シチズンシップを剥奪されたままであり、早急に改められるべきだろう。「自治・権利・責任・参加」「権利と責任の相補性」「参加の倫理」「熟議民主主義」などを包み込み、市民の生活...シチズンシップ

  • 日本の大問題「10年後」を考える

    一色清・姜尚中・佐藤優・上昌広・堤未果・宮台真司・大澤真幸・上野千鶴子,2015,日本の大問題「10年後」を考える──「本と新聞の大学」講義録,集英社.(6.17.2021)大澤真幸の、「不可能性の時代」が云々という議論には(聴き飽きて)さすがに辟易したが、それ以外の講演録にはそれなりに聴かせどころがあり、読んで損はないだろう。反知性主義、医療と介護の問題をはじめとして、大学生が幅広い知見や思想に触れ、問題意識を涵養するには良い本だと思う。いずれ劣らぬ論客たちが、この先10年に日本が直面するさまざまな課題を明らかにする講義録。反知性主義、医療問題、グローバル化、教育問題、超高齢化、格差社会、ナショナリズム…国家の有り様を根幹から揺るがしかねない重要なテーマについて、それぞれの知見を駆使して大胆に予測。「劣化」し...日本の大問題「10年後」を考える

  • 永続敗戦論

    白井聡,2013,永続敗戦論──戦後日本の核心,太田出版.(6.16.2021)文章が硬くて読みにくいが、「永続敗戦論」は、わが国の、米国への屈辱的な追従と、近隣東アジア諸国への傲慢さをある程度説明できていると思う。日本国民は、東京都心部を我が物顔で飛行する米軍ヘリコプターに対し、なんの怒りも感じないのだろうか。感じないのだとすれば、白井さんの憤りも理解されることはないだろう。わたしは、憲法9条改正に賛成であり、自衛隊を国の軍隊として認め、重武装化したうえで、米国からの自立をめざすべきだと思うのだが、はて。「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。国内およびアジアに対しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲...永続敗戦論

  • 日本人が知らない恐るべき真実 増補版

    安部芳裕,2012,日本人が知らない恐るべき真実増補版,晋遊舎.(6.14.2021)署名が怪しげではあるが、なかなかどうして、グローバリズムと金融資本のからくりを正確に把握できている良書だと思う。日本経済と、わたしたちの暮らしをこれ以上悪化させないための条件として、再生可能資源と蓄電池による地域自給エネルギー網の構築、消費税率の低減と累進課税、資産課税の強化、グローバル企業本位の自由貿易の規制強化等が必要だろう。世界経済の崩壊―。著者がブログやサイトで警告し続けてきたことが、今、現実となって目前に迫っている。世界はお金を中心に回る。世界を動かしているのは「お金」と「暴力」である。その中心に位置して「世界」を動かしているのは、まぎれもなく「お金」であり、そのマネーシステムの暴走に世界中がなす術もなく翻弄され続け...日本人が知らない恐るべき真実増補版

  • 【旧作】もう一つの社会心理学【斜め読み】

    ケネス・J・ガーゲン(杉万俊夫・矢守克也・渥美公秀監訳),1998,もう一つの社会心理学──社会行動学の転換に向けて,ナカニシヤ出版.(6.13.2021)社会心理学における論理実証主義の不毛な研究史を振り返り、言葉と共同主観により構成される「生成的理論」を提唱する。生成的理論は、文化を根底から支える有力な信念・常識的了解を相対化し、旧来の現実了解法を見直し、従前の生活様式に根本的な疑問を投じ、それに基づいて、新たな行為パターンを生成・提案する能力をもつ。(p.226)認識の言語論的転回と、知識の共同主観的構成とをふまえれば、至極まっとうな議論が展開されている。社会学における批判理論や意味学派が提示した論点とも重なり、なかなか興味深かった。【旧作】もう一つの社会心理学【斜め読み】

  • 【古典】集合行為論【再読】

    マンサー・オルソン(依田博・森脇俊雅訳),1996,集合行為論──公共財と集団理論,ミネルヴァ書房.(6.10.2021)本書は、いわゆる「フリーライダー」(費用を負担せずに便益のみを享受する者)問題を取り上げた書物としてよく知られているが、エミール・デュルケム等の中間集団論を継承し、労働組合、協同組合等の小規模集団のパフォーマンスの高さを指摘した点の方が評価されるべきだろう。誰しもが排除されない「公共財」の構築と運用にあたって、官僚制組織に任せてしまうのではなく、公正に選出された住民組織による自主管理をめざすべきであることを再認識した。経済学の枠をこえ、政治学や社会学の額域においてもたかい評価を得ている必読の文献。集団と、それを構成する個人との関係、また利益集団行動に有力な分析枠組を提供するのみならず、地域活...【古典】集合行為論【再読】

  • コピペと言われないレポートの書き方教室

    山口裕之,2013,コピペと言われないレポートの書き方教室──3つのステップ,新曜社.(6.9.2021)なぜ「コピペ」がダメなのか、書物、論文、ウェブページの情報をどう利用すべきかについての解説にとどまらず、「自分の意見を根拠づけて主張する力」の大切さを説く。短いが、大学初年次生にはとても役立つ内容だ。コピペと言われないレポートの書き方教室

  • 【古典】社会問題の構築【再読】

    J.I.キッセ,M.B.スペクター(村上直之・中河伸俊・鮎川潤・森俊太訳),1990,社会問題の構築,マルジュ社.(6.6.2021)本書は、ラベリング論から構築主義の社会学へ、その発展継承的展開に大きな役割を果たした作品である。その後の社会運動研究に、本書で具体的な例解とともに示された視点が、クレーム申し立てから運動の収束に至る、ダイナミックな運動過程の分析に生かされていることがわかる。【古典】社会問題の構築【再読】

  • 【古典】完訳 アウトサイダーズ【再読】

    ハワードS.ベッカー(村上直之訳),2011,完訳アウトサイダーズ──ラベリング理論再考,現代人文社.(6.5.2021)いまさらラベリング論を学びなおしても、たいした収穫はなかった。ただし、ジャズピアニストでもあるベッカーが、ミュージシャンたちのアウトサイダーとしての矜持を聞き取ったインタビュー記録は、とてもおもしろかった。2009年アメリカ社会学会大会懇親会(?)でのベッカーらの演奏。↓↓HowieBecker,DouglasMitchell,RobertFaulkner,andDonBennettJazzJamsessionatASAマリファナ・法・ミュージシャン。「ハイになってなぜ悪い!」。マリファナ喫煙の現場から禁止法の成立まで、「逸脱現象に登場するすべての人間ドラマを描く」シカゴ社会学者にしてジャズ...【古典】完訳アウトサイダーズ【再読】

  • 33歳ガン漂流ラスト・イグジット

    奥山貴宏,2010,33歳ガン漂流ラスト・イグジット,ポプラ社.(6.3.2021)本書は、奥山さんが末期がんで亡くなる前までの、三か月余のブログ記事等を収録したものだ。不謹慎なことではあるが、まだ元気が残っていたときの記事はあまり面白くなかったが、死期が近づき、歩くのもままならない状態に入ってからの記事は、緊迫していて、読みごたえがあった。メメント・モリ。人は、生まれた直後から、死へのカウントダウンが始まる。切迫した気にならないのは、「まだ先のこと」という気休めがあるからだろう。「幸福な死」も「不幸な死」もない。死は死でしかない。生もまたしかり。ただ、ホスピスを嫌った奥山さんが、死の直前まで物書きの仕事をやめなかったのは、正しい選択であったのだろう。オレを覚えていてほしい―。余命宣告期限プラス2ヶ月。ガンと闘...33歳ガン漂流ラスト・イグジット

  • 三体Ⅲ 死神永生(上)・(下)

    劉慈欣(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功訳),2021,三体Ⅲ死神永生(上)・(下),早川書房.(6.1,2.2021)空前絶後の傑作SF小説、第3部、完結編が、やっと日本語に翻訳、出版された。仕事(遠隔授業)を縫うように、一日で上・下巻を読みとおす勢いだったが、午前1時半で断念。結局、一日半で読みとおした。奇想天外な話の展開と、わくわくするような天体物理学の蘊蓄、そして、大量虐殺描写の残酷さ。最後のこれがえぐい。一部では、ナノテクを駆使してつくられた極細ワイヤーが、「地球三体組織」のメンバーを、船舶ともども、切り刻んだ。二部では、「三体星人」が放った飛翔体、「水滴」が、「太陽系艦隊」を壊滅し、乗員は。宇宙空間に放り出され、あるいは爆発した艦船の原子炉の業火に焼かれ死んでいった。そして、本作では、太陽系全...三体Ⅲ死神永生(上)・(下)

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