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  • 手作り味噌は熟成期間にかかわらずうまい!?

    私の作った味噌です。   色の濃い方は昨年の冬、薄い方は今年の5月に仕込みました。熟成の進んだ味噌は複雑ながらもまとまりのある味ですが、若い味噌は荒々しくも甘味とうま味が前面に来るような味です。ちなみに、どちらも辛味噌です。   どちらにも一長一短があります。   前者は完全な発酵型味噌(赤味噌)ですし、後者は分解型味噌(白味噌)に近い発酵型味噌です。私の生まれた地方では味...

  • 残った刺身は塩麹で和えてみては?

    刺身は塩麹で和えると美味しくなります。   塩麹には豊富な酵素が含まれています。これにより、刺身と和えることで「うま味が増す」「臭みが消える」「ねっとりする」などの変化が得られます。特に白身魚との相性が良く、確実に美味しくなるといっても過言ではありません。   素材に対して10%の塩麹を和えるだけです。   一晩寝かせると確実に美味しくなります。それでも残ったら唐揚げにしてく...

  • 発酵食品づくりには欠かせない消毒について

    発酵食品づくりには、消毒が欠かせません。   消毒は、不必要な微生物(腐敗菌)を除去することにより主役となる微生物(発酵菌)が生育しやすい環境をつくり出すことを目的にしています。塩分やアルコール分の多い発酵食品ではさほどナイーブになる必要はありませんが、食塩やアルコールを使わない発酵食品においては死活問題になります。   殺菌方法には、いくつかの方法があります。   もっと...

  • 肉を柔らかくするには塩麹? それともヨーグルト?

    塩麹やヨーグルトは、肉を柔らかくします。   これは塩麹やヨーグルトに含まれている酵素(プロテアーゼ)の働きによるものであり、プロテアーゼがタンパク質を分解する酵素であるために肉が柔らかくなります。加えて、タンパク質が分解されることによりうま味が強くなります。   どちらにも肉を柔らかくする効果があります。   どちらが良いのかは意見の分かれるところです。酵素活性(力価)だ...

  • 夏こそ麹甘酒はいかが?

    季節を問わず、私の台所は麹まみれです。   これからの季節、麹甘酒を作っておくと何かと便利です。そのまま飲むのも良し、料理に使うのも良しです。麹甘酒には(も?)「澱粉を分解する」「蛋白質を分解する」「脂質を分解する」などの働きがあります。   これにより、麹甘酒を加えられた食材は「甘くなる」「うま味が強くなる」「不快な臭いが消えて澄んだ味になる」などのメリットが得られます。 &nbs...

  • ぬか床が臭い原因は?

    ぬか床には、複数のにおいがあります。   たとえば、(一例ではありますが)有機酸の不快な臭い、アルコールの甘く芳醇な匂い、エステルの果実香、フェノール化合物の熟成香、ラクトン類の花や柑橘類のような匂いなどがあります。   しかし、ことは単純ではありません。   アルコールはぬか床に芳醇な香りを付加しますが、濃度が高すぎればアルコール臭として嫌われます。多くのエステルは適量で...

  • ぬか床に米麹を加えると?

     ぬか床に麹を加えています。米麹、麹甘酒、塩麴など、加える方法はその時によって異なりますが、意外と気に入っています。   麹を加えると、「甘味が強くなる」「うま味が強くなる」「嫌な臭いが和らぐ」などの効果が得られます。これは麹の持つ酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなど)による効果であり、短期間のうちにその効果を実感できます。   しかし、無条件でおすすめするわけではあり...

  • 卵焼きに塩麹?

    お弁当の卵焼きに塩麹を加えてみました。   塩麹、味醂、醤油を加えましたので、それなりに味は良かったのですが、いかんせん米麹の粒が底にたまってしまって最後の一巻きでドバっと卵焼き器に流れ込みました。……裏ごしするかハンドブレンダーで細かくしておくしかないようですね。   味は良くても面倒なので、リピートはしないかもしれません。   最近のお弁当は、(梅干し以外の)すべてに麹を...

  • 塩麹ご飯はお弁当向きのご飯かも?

    画像は、今日(2020年7月11日)のお弁当です。一見すると何の変哲もないお弁当ではあるのですが、発酵食品を多用した“(ある意味)菌まみれのお弁当”になっています。   今日のお弁当で驚いたのは、塩麴を入れて炊いたご飯です。炊き込みご飯に塩麹を入れると、甘味とうま味が強くなります。また、塩麴の食塩に粗塩(塩化ナトリウム95%以上)を使用している場合にはご飯の粒感が強くなります。   ここまで...

  • 本格的なだし入り味噌の作り方とは?

    味噌にうま味食材(削り節、昆布、煮干し、干し椎茸など)を混ぜ込むと、普通にだしを取るよりもうま味が強くなります。頻繁に味噌汁をつくる場合には重宝するテクニックです。   うま味が強くなるのは、味噌の酵素が失活していないためです。酵素には「澱粉を分解する」「蛋白質を分解する」「脂質を分解する」などの働きがあり、澱粉は甘味へ、タンパク質はうま味へ、脂質はコクへと変化します。   自宅で...

  • 仕込んだ塩麹の水分量が少なすぎて不安?

    はじめて塩麹をつくる人の多くは、「水分量が少なすぎるのでは?」と不安になります。塩麴を仕込むと数分から数十分後には画像のように水分が吸われてしまいますので心配になったとしても不思議ではありません。   結論から言えば、何の問題もありません。   塩麹の発酵(熟成)が進むにつれて酵素(アミラーゼ)による澱粉の液化が進みますので、粒状だった米麹はとろりとした液状に変化していきます。アミ...

  • ぬか床に多量の足しぬかをするとどうなる?

    ぬか床は、足しぬかによって若返ります。   ぬか床に多量の足しぬかをしました。少し前、魚のぬか漬け焼き(へしこ風?)にハマっていたこともあり、ぬか床を減らし過ぎてしまいました。そこで、足しぬかによって倍量ほどに増やすことになりました。   多量の足しぬかをすると、微生物の濃度が薄まることにより「pHが上昇する」「ヘテロ型乳酸発酵をする乳酸菌が増えて膨らみやすくなる」「同じ塩分濃度であ...

  • チキンカツは味噌漬けにしておくと楽!

     チキンカツは、鶏肉を味噌漬けにしておくと楽に作れます。   毎朝、お弁当を作っています。お弁当は短時間で作らなければいけませんので、パン粉をつけるためだけに卵を準備するのは面倒です。そこでおすすめしたいのが、味噌漬けにした鶏肉にそのままパン粉をつけることです。   たとえばお弁当を作る前夜、そぎ切りにした鶏肉に味噌、砂糖、酒を合わせてからめておけば、朝はそのままパン粉をつけて...

  • 2020-2021シーズンのらっきょう漬け!

    今年のらっきょう漬けができました。   透明な方が上白糖、黒い方が玉砂糖を使った甘酢漬けです。イメージしていたよりも(多少)辛くはなってしまいましたが、ギリギリ許容範囲だと感じています。……いや、少し辛すぎるかな?   以前も書きましたが、らっきょう漬けは発酵食品です。乳酸発酵させることによって風味を複雑にしています。多少のアルコール発酵も含まれているかもしれませんが、発酵期間が5~10...

  • ぬか床の熟成具合と色の変化について

    ぬか床は、熟成するにつれて色が変わります。仕込んだばかりのぬか床は灰色がかった茶色ですが、熟成が進むにつれて黄色が強くなっていきます。そのため、多くのぬか床関連の書籍には「黄金色」などの表現が使われます。   画像をご確認ください   左側の鮮やかな色が熟成の進んだぬか床で、右側のくすんだ色をしているのが新しいぬか床です。使用している材料や配合割合は同じですが、熟成度合いによる色の...

  • イカの塩辛は発酵食品?

    あまり意識したことはないかもしれませんが、塩辛は発酵食品です。   一般的なイカの塩辛(スーパーで手軽に購入することのできるイカの塩辛)は発酵食品とは呼べないものも多くあります。しかし、昔ながらのイカの塩辛は「イカに含まれている消化酵素」や「耐塩性微生物」などを利用して作られています。   イカの塩辛のうま味は、発酵により強くなっているという訳です。   ちなみに、一般家庭...

  • おいしいぬか漬けは?

    おいしいぬか漬けを漬けるには、おいしいぬか床であることが最低条件になります。   よく「おすすめのぬか漬けは?」と聞かれますが、正直なところ「ぬか床がおいしければ多くの食材がおいしいぬか漬けになる」と感じています。もちろん、「カブのぬか漬けが好き」というような好みもありますが、ぬか床自体がおいしくなければ話になりません。   では、「どうすればぬか床がおいしくなるのか?」という問題...

  • ぬか床に賞味期限がない理由

    ぬか床には賞味期限や消費期限がありません。その代り、数十年使い続けられる人もいますし、数ヵ月でダメにしてしまう人もいます。   ぬか床が腐らないのは、ぬか床の塩分濃度、乳酸菌の生成する乳酸(酸性pH)、酵母の生成するアルコールなどにより腐敗菌が増えることができないためです。また、ぬか床は足しぬかをすることにより、少しずつ入れ替わっているような状態にあります。   ぬか床は、生き物のよ...

  • ぬか床は素手で混ぜなければいけないか?

    ぬか床は、素手で混ぜるのが基本です。   素手で混ぜる(天地返しをする)ことによって皮膚の常在菌が良い方向へ働くことが多いためです。皮膚には雑菌も付着していますが、ぬか床の塩分と酸性pHによってスクリーニングされますので心配はいりません。   しかし、手荒れをしている方(もしくは手荒れしやすい体質の方)の場合は、必ずしも素手にこだわる必要はありません。ぬか床の強い塩分と酸性pHは手荒れ...

  • 調味料としての甘酒について

    麹甘酒は調味料にもなります。   麹甘酒とは、麹に含まれる酵素(主にアミラーゼ)を利用してご飯を分解しています。その結果、半日から一日後には驚くほどに甘くなります。また、麹はプロテアーゼも含まれていますので、肉や魚を漬けておくことで柔らかくもなります。   たとえば、画像は甘酒を利用して作った牛カルビ弁当です。甘酒を利用することで安い牛バラ肉であってもおいしく調理することができます...

  • ぬか床用の琺瑯容器を日本製ではなく中国製にした理由

    長年使い続けてきたぬか床容器を変更しました。かれこれ20年近くはぬか床を管理しているのですが、様々なぬか床容器を試してきた上で、ここ数年はプラスチック製の6L丸型容器に落ち着いていました。   しかし、琺瑯の7L丸型容器に買い替えました。   理由としては、プラスチック製は傷がつきやすく清潔に管理し続けるのが難しいことと、Amazonを物色中にちょうど良い大きさの琺瑯容器を見つけたことなどが挙...

  • 発酵は肉や魚の消費期限を延ばす?

    発酵は、肉や魚の消費期限を延ばします。肉や魚は、冷蔵庫管理であっても数日で腐敗菌が増えていきます。しかし、塩麴や味噌などに漬けておくことにより、消費期限は格段に長くなることになります。   これは、食塩やアルコールに防腐効果があるためです。   また、発酵を伴う保存をされていた肉や魚には、「軟らかくなる」「うま味が増す」「塩麴や味噌などの香味が移る」などの好ましい変化が起こります。...

  • ぬか漬けがおいしくない? 考えられる理由

    ぬか漬けがおいしくないのには理由があります。原因の多くは「熟成不足」であり、立ち上げたばかりのぬか床と長年管理しているぬか床とでは異なる微生物が生育しています。当然、味には大きな隔たりがあります。   たとえば、立ち上げたばかりのぬか床には乳酸球菌が生育します。乳酸球菌は乳酸を生成しますが、自らが生成した乳酸の酸によって死滅します。次に、乳酸球菌よりも酸に強い乳酸桿菌が増えていきます。 ...

  • おすすめしたいぬか床の材料は?

    ぬか床は、米ぬかに水を加えて発酵させて作ります。しかし、そのままでは腐敗菌が増えてしまいますので、発酵菌だけを増やすために6%前後の食塩を加えることで耐塩性を持たない微生物の増殖を防ぎます。   また、乳酸菌が増えることでpHが下がります。多くの腐敗菌は弱アルカリ性を好む特徴を持ちますので、塩分濃度と酸性pHの相乗効果によって腐敗菌が増えないようにしています。   ぬか床は、米ぬかと食塩...

  • ぬか床の風味付けには実山椒と柑橘類の皮

    ぬか床の風味付けには、実山椒と柑橘類の皮をおすすめします。カラシやわさび、ニンニクなどで代用される方もいますが、個人的には実山椒のピリッとした辛さと香りがぬか漬けには合っているような気がしています。   また、柑橘類の香りもたまりません。   ぬか床は、多かれ少なかれ嫌な臭いを発します。これは、タンパク質が分解されたり嫌気的発酵により生じる不快臭を発する成分が原因になっているのです...

  • 発酵と貯蔵に関わる水分活性とpH

    10日前にらっきょうの下漬けを仕込んでおきました。良い具合に漬かったことから、今朝は陰干しをしています。ほどよく乾かしてから、甘酢に漬けるつもりです。   食品の貯蔵には、水分活性とpHが利用されます。らっきょうの甘酢漬けでいえば、塩、砂糖、乾燥には水分活性を下げる役割があり、酢にはphを下げる役割があります。これにより、発酵や腐敗が阻害されて常温での保存が可能になります。   らっきょ...

  • 発酵と腐敗は紙一重? 瓶詰保存のすすめ

    今回もぬか漬け以外の話題です。発酵と腐敗は紙一重です。どちらも微生物が生育することで食品を変化させています。基本的には同じ反応です。ヒトにとって都合の良い変化を発酵と呼び、ヒトにとって都合の悪い変化を腐敗と呼んでいるにすぎません。   食品を保存するには、「食品に有益な微生物を生育させるか?」「徹底的に微生物が生育できないようにするか?」の2パターンしかありません。   たとえば、...

  • ラッキョウの下漬けは乳酸発酵?

    ラッキョウの下漬けは、乳酸発酵させることにより味を複雑にします。下漬けをせずに甘酢漬けなどにするのが主流になっていますが、たとえ甘酢漬けにするとしても、下漬けをしてからの本漬け(甘酢漬け)の方がおいしくなります。   下漬けの目的は、乳酸発酵と脱水です。乳酸発酵させることにより香味が良くなり、脱水させることにより保存性や食感が良くなります。   ラッキョウの下漬けすると、数日で「泡...

  • ラッキョウの甘酢漬けは発酵食品?

    ラッキョウの甘酢漬けは、発酵食品です。もしかしたら、「発酵食品ではない!」と思われる方もいるかもしれません。しかし、発酵させない作り方はあくまでも簡易的なレシピであり、本格的なラッキョウの甘酢漬けは発酵食品となります。   ラッキョウの甘酢漬けは、下漬けの工程にて乳酸発酵させます。10~20日ほどの乳酸発酵の後に陰干ししてから甘酢に浸け込みます。ラッキョウの甘酢漬けも、立派な乳酸発酵のお漬物な...

  • かた作りの麹甘酒は調味料にも重宝します!

    かた作りの麹甘酒は、調味料としても重宝します。かた作りの甘酒とは「薄めて飲むタイプの麹甘酒」です。強い甘味とうま味があることが特徴であり、はじめて麹甘酒を作る人の多くは甘味の強さに驚きます。   甘酒は飲むだけではありません。そのまま甘味料として使用ことができますし、食塩を加えて2週間ほど寝かせておけば三五八漬けの漬け床になります。また、味噌などの調味料と合わせて鍋などで詰めれば甜麺醤とし...

  • あなたは、ぬか漬け派? 三五八漬け派?

    日本料理とお漬物は、切っても切り離せない関係だと考えています。   お漬物があることによって料理の「箸休め」になりますし、発酵食品を食べることは「腸活(プロバイオティクス、プレバイオティクスなど)」にもつながりますので、味覚だけではなく健康管理にも直結する問題です。   日本には、多種多様なお漬物があります。   その中でも広く普及しているのが「ぬか漬け」と「三五八漬け」で...

  • 発酵生活は米麹から始めるのがベスト?

    発酵食品に興味があるのであれば、米こうじから始めてみることをおすすめします。ご飯と水を加えて加温すれば麹甘酒、ご飯と塩を加えることで三五八漬け、青唐辛子と醤油で漬ければ三升漬けになります。   すべて、難しい料理ではありません。   私の故郷では、米こうじを多用します。上記の料理は多くの家庭でつくられていますし、大きな樽で味噌を仕込んでいる家庭も少なくありません。ぬか漬けブログでは...

  • 作り置きは止めませんか?

    料理の作り置きは止めませんか? あくまでも個人的な感覚ではあるのですが、作り置き料理は(心が)疲れます。   この場合の作り置きとは、「完成させた料理を数日にわたって食べること」です。もちろん、下ごしらえとしての作り置きには何の問題もありませんし、スケジュール管理しながら調理するのは好ましいことだと思います。   ちなみに、冷食などに関しては(比較的に)肯定的な意見を持っています。 ...

  • お弁当にも発酵食品がおすすめ?

    今回もぬか漬け以外の話題です。お弁当にも発酵食品を取り入れています。もちろん、加熱により微生物や酵素の働きは失活させていますが、発酵食品を取り入れたお弁当は心からおすすめできます。   意外だと思われるかもしれませんが、食事は体に負担をかけます。これは、食べ物を消化して吸収するためには多くの労力を要するためです。体が弱っている時は、食事によってだるくなったり眠くなったりしてしまいます。 ...

  • 塩サバは甘酒に漬ける?

    今回もぬか漬け以外の話題です。   塩サバは、甘酒漬け焼きがおすすめです。お弁当に塩サバを入れることがあります。以前であれば魚焼きグリルやフライパンで焼くだけでしたが、甘酒に漬けることで(より)おいしくなることに気がつきました。   甘酒漬けにすることで、甘味とうま味が増してふっくらします。これは、甘酒(手づくりの麹甘酒)の酵素が失活していないためであり、酵素が働くからこそ甘味とう...

  • ばあちゃんの味は味噌おにぎり

    私にとっての味噌おにぎりは、焼きません。Googleで「味噌おにぎり」と検索してみると、多くは焼きおにぎりになっていますので、一般的には「味噌おにぎり=焼きおにぎり」なのかもしれません。それでも、私の味噌おにぎりは焼きません。   私にとっての味噌おにぎりは、ばあちゃんの味です。小学校から帰ってくると、ばあちゃんの握った味噌おにぎりを食べてから遊びに行きました。   味噌は、毎年仕込みま...

  • ぬか床表面の白い膜の正体は?

    ぬか床表面の白い膜は、産膜酵母と言います。ぬか床における産膜酵母は「乳酸菌によりpHが低下した証拠」でもありますので、ぬか床をゼロから始めた場合には「やっとぬか床と呼べるものになったタイミング」であるともいえます。   ぬか床に生じる産膜酵母(ピキア・アノマラなど)は、乳酸と空気を好むために発酵の進んでぬか床の表面に膜を張ったように生育します。酢酸エチルを生成する微生物ですので、少量であれば...

  • お弁当にも発酵は役立つ?

    今日は、ぬか漬け以外の話題です。   お弁当にも、発酵は役立ちます。お弁当のおかずには、「火を通すこと」がセオリーになっています。火を通さなければ、常温に6時間前後も置かれている間に食材に付着していた微生物が増えてしまうためです。   発酵であれば食べられますが、多くは腐敗になります。   発酵を利用するのは、下ごしらえの段階です。たとえば、肉などは塩麴や醤油麹に漬けておく...

  • 塩麴や醤油麹は麹菌が発酵している?

    塩麴や醤油麹は、麹菌が発酵しているわけではありません。「ぷくぷく泡立つじゃないか?」と思われるかもしれませんが、麹菌は塩水や醤油に浸された時点で死滅してしまいますので、仕込んだ後に麹菌による発酵が続くことはありません。   塩麴や醤油麹は、麹菌により産生された酵素により熟成します。そのため、米麹の出来(酵素の産生量)が塩麴や醤油麹の出来に影響します。ぷくぷくと泡立つのは、仕込んだ後に侵入し...

  • 塩漬けからのぬか漬けが意外にも美味しかった!

    ぬか漬けは、旬の野菜を新鮮なうちに漬けるものです。これは個人的な意見ではあるのですが、ぬか漬けは暖かい季節に旬を迎える野菜を食べるための漬物だと思っています。だからこそ、寒い季節には和紙と塩で蓋をして冬眠させます。   しかし、塩漬けのフキのぬか漬けが意外にも美味しかったのです。   私は常温で長期間保存できる食品に興味があります。たとえば、野菜であれば塩漬けや醤油漬けなど、魚介類...

  • 古いぬか床が重宝される理由は?

    古いぬか床は、重宝されることがあります。もちろん、「古いほどに美味しい」「古いほどに価値がある」というわけではありませんが、若いぬか床と古いぬか床には「生育する微生物に違いがある」ことは明白です。   微生物は、種類により生育スピードが異なります。短期間のうちに急激に増殖する微生物もいれば、時間をかけてゆっくり増殖していく微生物もいます。古いぬか床が重宝されるのは、増えるのに時間のかかる微...

  • ぬか床が臭くなる原因は?

    ぬか床は、臭くなることがあります。もちろん、単純に腐敗してしまったことによる悪臭もありますが、ぬか床は腐敗していなくても悪臭を発することがあります。ポイントとなるのは、嫌気的発酵とタンパク質(特に動物性タンパク質)の分解です。   発酵とは、「微生物が有機物を分解してエネルギーを得る反応」です。その際、好気的発酵と嫌気的発酵では発酵効率が異なります。好気的発酵であれば化学反応は完全燃焼にな...

  • ぬか床が膨らむ原因は?

    ぬか床が膨らむのには二通りの理由があります。それが、「①ヘテロ型乳酸菌」によるものと「②酵母」によるものです。①は立ち上げてから日の浅いぬか床に起こりやすく、②は熟成の進んだぬか床に起こりやすい傾向にあります。   この違いは、微生物の特徴に関係しています。一般的にアルコールと炭酸ガスを生成する微生物と言えば酵母(S・セレビシエ)です。しかし、乳酸菌にはホモ型とヘテロ型があり、ヘテロ型は乳酸に...

  • 旬の食材はおいしい上に経済的?

    旬の食材は、おいしい上に経済的です。当たり前だと思われるかもしれませんが、当たり前のことを当たり前に行うのは想像以上に難しいことだと思います。私自身、「知っているつもり」で長年過ごしてきました。   旬は、食材がベストな状態になる季節です。多くの野菜は、季節を選ばずに購入することができます。しかし、旬の食材には「栄養価が高い」「おいしい」「安い」などのメリットがありますので、献立は旬の食材...

  • 青魚には酸っぱいぬか漬けが合う?

    塩サバなどには、少し酸っぱいぬか漬けなどがあるとさっぱり食べられます。どちらもご飯やみそ汁との相性の良い食べ物ですので、心からおすすめできます。もちろん、秋刀魚やイワシなどでも同じです。   ぬか漬けは、青魚の魚臭さを和らげます。これは、魚臭さの原因が塩基性(アルカリ性)の成分であるためであり、少し酸味の強いぬか漬けが添えられていると、塩基性が中和されるために魚臭さが和らぐことになります。...

  • 一汁三菜? 一汁二菜? 自炊を始める方法

    基本的に、一汁二菜をつくれば十分だと考えています。一汁三菜は(はじめから作るには)ハードルが高すぎますし、一汁一菜では味気ないと感じるためです。もちろん、目的があっての一汁一菜を否定するわけではありません。   一汁三菜は、ご飯、みそ汁、主菜、副菜、副々菜で構成されます。主菜とはおかずのことで、大きな順から主菜、副菜、副々菜となります。具体的に、主菜はメインのおかず、副菜は煮物など、副々菜...

  • 米麹はヨーグルトメーカーで増やす?

    米麹は、ヨーグルトメーカーで増やせます。一般家庭で使われる米麹の多くは、スーパーなどで販売されている乾燥麹です。しかし、味噌や三升漬けを仕込みたいときなどには意外と大きな出費になりますので、可能であれば増やしたいところです。   個人的には、ヨーグルトメーカーをおすすめします。分量によっては発酵器などの方が便利ではありますが、2~3合ほどのお米で増やすのであればヨーグルトメーカーの方が手軽で...

  • たまには古漬けにしてみませんか?

    熟成したぬか床を持っているのであれば、古漬けを試して欲しいと思っています。古漬けの定義は、曖昧です。古漬けと聞いて、数ヵ月漬けた塩漬け野菜をイメージする人もいれば、ぬか床に1週間~10日ほど漬けたものをイメージする人もいるはずです。   ここでは、長く漬けたぬか漬けだとして話を進めていきます。   ぬか漬けは、どちらかと言えば浅漬けに近いとされます。漬かりやすいもの(胡瓜など)であれば...

  • 発酵食品づくりは微生物のお世話をすること?

    乳酸菌や納豆菌には注意が必要です。   発酵食品とは「微生物に醸された食品」ですが、どの微生物によって醸されたのかによって異なる味わいになります。乳酸菌と納豆菌は、家庭内での発酵食品づくりにおいては厄介な存在になることがあります。   乳酸菌と納豆菌は、問題を引き起こしやすい微生物です。これは、乳酸菌には「どこにでもいて生育スピードが速い」という特徴があり、納豆菌には「しぶとく生き...

  • ぬか床に生育する乳酸菌と酵母の関係性は?

    ぬか床には、数多くの微生物が生育しています。全てを把握することは不可能です。しかし、大きく分類するとすれば乳酸菌と酵母に分類することができます。ぬか床の手入れというのは、乳酸菌と酵母のバランスをコントロールすることにほかなりません。※乳酸菌は乳酸(酸味)を生成する微生物、酵母はアルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)を生成する微生物です。   乳酸菌と酵母の関係性を理解することがポイントです。た...

  • 乾燥麹を種にして増やすことはできる?

    今回もぬか漬けの話題ではありません。   米麹は、乾燥麹から増やすことができます。米麹には生麹と乾燥麹がありますが、多くの家庭では入手性や保存性の良い乾燥麹が好まれます。しかし、生麹を使った方がおいしいですし、自分で作れればお財布にも優しくなりますよね?   麹菌は、カビです。麹を起こすということはカビを培養するということであり、温度と湿度を管理することにより増やすことができます。...

  • 麹甘酒と味噌の相性は抜群かも!?

    今回もぬか漬け以外の話題です。   麹甘酒は、家庭料理をワンランクアップさせます。もちろん、個人的な意見ではあるのですが、生姜焼きの甘味、味噌漬けの甘味などに麹甘酒を使うと、驚くほどに奥深い味になります。心からおすすめできます。   麹甘酒の甘味は、米の澱粉が分解されて糖になることにより生じます。澱粉を分解しているのは麹に含まれているアミラーゼであり、麹菌自体ではありません。そもそ...

  • ぬか漬けが塩辛い原因は?

    熟成不足のぬか床は、ぬか漬けが塩辛く感じられます。ぬか床を始めたばかりの方の多くは「塩辛くておいしくない」という経験をするはずです。これは、ぬか床が塩慣れしていないために起こる現象です。   熟成の進んだぬか床は、塩辛くありません。塩慣れするためです。塩慣れとは、発酵(熟成)により生じる酸味やうま味が「刺々しい塩味を和らげる」ことであり、ぬか床の他には味噌や醤油などにも起こる現象です。 ...

  • パンは発酵食品なのか?

    今回もぬか漬けの話題ではありません。   パンは発酵食品なのか? 個人的には、どちらでも良いと思います。狭義では発酵には含まれませんが、広義では発酵に含めても問題はないと考えているためです。学術的な意味と、一般的な意味には大きな隔たりがありますので仕方ありません。   学塾的な意味での発酵とは、微生物が有機物から嫌気的にエネルギーを得ることです。乳酸発酵やアルコール発酵がこれに当た...

  • 砂糖(上白糖)の代わりに麹甘酒?

    今回は、ぬか漬け以外の話題です。   多くの料理において、麹甘酒は砂糖の代わりになると思います。最近、料理にテーマ(課題)を設けるようにしています。たとえば、「普段使っていた調味料を使わずにおいしく調理する」「塩分摂取量を6g未満にしてみる」などです。   テーマはその日やその期間によって変えています。   現在行っているのが「砂糖を使わない料理」です。そこで役立っているのが...

  • 大根のぬか漬けは素直にうまい!

     大根は、定番のぬか漬け野菜です。夏と冬に旬を迎える野菜ですが、5月というのはどちらにも当てはまることのない「旬を外した季節」だということになります。それでも、普通においしいのでよく買っています。   大根のぬか漬けは、根の部分は(夏であれば)12時間くらいで漬かるとされていますが、実際に自分のぬか床に漬けてみなければ分からない部分があります。たとえば、今回の場合だと24時間漬けておいたも...

  • 今年のぬか床は酸味を強めにしています!

    今年のぬか床は、少しだけ酸味を強くしています。4月の後半に思い立ち、それから酸味が強くなるように手入れをしてきました。今のところ、イメージ通りの酸味にできているように感じます。   ぬか床の酸味を強くするには、水分量を増やします。酸味は乳酸によるものであり、乳酸を生成する乳酸菌は嫌気性(通性嫌気性)であるため、ぬか床の水分量を増やして空気を遮断してあげることで増えやすくなります。   ...

  • きゅうりのぬか漬けは両端を切り落とす?

    きゅうりのぬか漬けは、下ごしらえとして両端を切り落とします。切り落とさなくても盛り付ける時に落とせば問題ありませんが、基本的には下ごしらえとして落としておくのがセオリーとされています。   両端を落とすのは、先端には残留農薬が多く、後端にはアク(えぐみ)が多いためです。きゅうりは農薬の残りやすい野菜です。きゅうりの先端は柔らかくアクも少ないので食べることはできますが、農薬がたまりやすいとい...

  • ぬか床に足しぬかが欠かせない理由

    足しぬかは、ぬか床にとっての大切な手入れです。定期的に足しぬかをしなければおいしいぬか床にはなりませんし、足しぬかをしないまま管理を続けてしまうと「次第に粘りが出るようになって」ぬか床が駄目になってしまいます。   ぬか床の主役は微生物です。微生物(乳酸菌や産膜酵母など)がバランスよく生育しているからこそおいしいぬか床になります。ぬか床(ぬか味噌)とは、いわば微生物の培地なのです。ぬか床に...

  • カボチャのぬか漬けは不思議!?

    カボチャのぬか漬けは、不思議です。特に不味いという訳ではないのですが、南瓜の甘味とぬか床の酸味の組み合わせには好みが分かれるかと思います。個人的には、判断に悩む味です。普通に食べれますが、特別おいしいとも思いません。   書籍を参考にして作りました。作る前からおおよその想像はできたのですが「書籍化されているのだからすごく美味しいのでは?」という期待感から試してみました。   作り方...

  • ぬか漬けが酸っぱくなってきたら?

    ぬか漬けが酸っぱくなってきたら、足しぬかをします。ぬか漬けには爽やかな酸味がありますが、ぬか床の状態によっては「酸っぱくなりすぎる」ことも珍しくはなく、酸味を和らげる手入れをしなければいけなくなっていきます。   酸味の原因は乳酸菌です。ぬか床には多様な乳酸菌が生育しており、初期のぬか床には比較的酸に弱い乳酸球菌、熟成したぬか床には酸に強い乳酸桿菌が生育しています。ぬか床が酸っぱいというの...

  • ぬか漬けは作り置きできるのか?

    ぬか漬けを作っていると、不満に思うことの多いのが「作り置きしておくことはできないのか?」という問題です。ぬか漬けは(野菜にもよりますが)6~24時間で漬かります。そのまま漬けておいても悪くなることはありませんが、塩辛くなってしまいます。   また、ぬか漬けは、ぬか床からの「出したてを食べるお漬物」ですので、ぬか床から出したばかりのぬか漬けでなければおいしくありません。そのため、食べるタイミング...

  • きゅうりのぬか漬けは間違いない!

    ぬか漬け野菜の定番と言えば、きゅうりです。一年を通して購入することのできる野菜ですが、5~8月に旬を迎える野菜であるために、やっとお財布を気にせずに購入できる価格帯に落ち着いてきた印象があります。   最近、よく買います。   きゅうりのぬか漬けは、両端を切り落としてから漬けます。後端を切り落とすのは「アク(えぐみ)が強いため」であり、先端を切り落とすのは「残留農薬が残りやすい部位で...

  • アスパラガスのぬか漬けは意外といける!

    アスパラガスのぬか漬けです。アスパラガスの旬は5~6月ですので、今まさに旬を迎えている野菜でもあります。もともと栄養価の高い野菜ではありますが、旬を迎える今の時期、積極的に食べておきたいところです。   作り方は簡単です。細く柔らかいものであればそのまま漬けることができますし、太いものであれば軽く下茹でをしてから漬けます。下茹では、米のとぎ汁であればなお良いです。12時間ほどで漬かりますので、...

  • ゆで卵のぬか漬けは意外と美味しい?

    ぬで卵のぬか漬けの記事を読みました。はじめは「なんか怖いな」と思ったのですが、物は試しだと思い作ってみました。結論としては、「すごく美味しくて誰にでもおすすめできる」とは思いませんが、意外と悪くない味でした。   ちなみに、私の作り方を紹介します。沸騰したお湯に冷蔵庫から出したばかりの卵を静かに入れ、10分間加熱します。すぐさま冷水に取り、粗熱が取れてから殻を剥きます。水けを拭き取りぬか床に...

  • ぬか漬けは体調を良くする?

    ぬか漬けの味が好きで、ぬか床を管理しています。体調は二の次です。しかし、定期的にぬか漬けを食べない期間と食べる期間を繰り返していると、ぬか漬けは少なからず体調に影響を与えていることが分かります。特に感じるのが、食欲やメンタル面への影響です。食欲:暴走しにくくなるメンタル面:冷静な判断力?腸は、「第二の脳」とも呼ばれます。これは腸内環境の良し悪しが判断力や感情にも影響を与えているということであり、単...

  • ぬか床の作り方は? シンプルイズベストな理由

    ぬか床は、シンプルに作ります。米ぬか:好きなだけ粗塩:米ぬかの13~15%水:米ぬかの100~110%唐辛子:適宜熟成しているぬか床(もしくは捨て漬け野菜):できるだけ多く基本的に、うま味食材はいりません。ぬか床には米ぬかのタンパク質が分解されることによるうま味が生じますので、うま味食材を加える必要はありません。もちろん、好みに応じて入れることもあります。しかし、はじめはシンプルに作ることをおすすめします。色...

  • ぬか漬け日記をはじめます

    今日からぬか漬け日記をはじめます。15年ほど、ぬか漬けをつけています。はじめたばかりの頃は、酸敗、無精香、強烈なシンナー臭、カビ、腐敗など、考えられる失敗は一通りしました。失敗を楽しめたからこそ続けてこれた部分があります。多くの書籍も読みました。そこで気がついたのが、「ぬか床の手入れは微生物のバランスをとること」「ぬか床の管理は園芸の土づくりに似ていること」などです。これらを意識するようになってから...

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