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Freespiritのブログ https://fightingmom.hatenablog.com/

カリフォルニア州のイーストベイ在住。強迫性障害とPTSDで鬱病と不安障害を発症した28歳の娘を介護しています。介護者の立場からアメリカのメンタルヘルス治療に関する情報を発信したいと思っています。

負けないひつじ
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2020/05/05

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  • 解き放つ(Let go)ということ

    うつ病と不安障害で生活できなくなった娘を手伝うためにオレゴン州からカリフォルニア州のベイエリアに移り、二人でアパート暮らしを始めて3年経ちました。それでなくても広場恐怖症と社会不安障害があって犬の散歩がせいいっぱいなのに去年はコロナ禍のロックダウンでほぼ引きこもり状態に。今年はワクチンのおかげで次第に周囲が動き始めており、娘もセラピーセッションに行ったり、たまにお店に行ったりと、少しずつ外に出るように努力しています。ただ、まだまだ回復にはほど遠く、心理的なものによるてんかん発作に似た症状が出るようになって運転免許証も一時停止になってしまいました。日本の8050問題も他人事ではないように思え始め…

  • 「ワクチン打った?」

    先日ワクチン2回目を接種しました。米国は行政区画として州の下に郡(County)があり、私の住んでいるのはコントラコスタ郡というサンフランシスコ湾の北東部なのですが、カリフォルニア州では、ワクチン接種はすべて郡単位で管理されています。最初は医療従事者のみ、次に高齢者や高リスク者、と限定されていたので、健康な私はよほど後回しかと思いきや、3月下旬にはもう16歳以上は誰でも受けられることになりました。それで携帯電話で郡のホームページにアクセスし、いくつかの質問に答え、登録するとあっと言う間に予約が完了しました。こうした制度や普及速度も郡で違いがあるようです。 私は2回とも郡の公的な医療機関でワクチ…

  • 宅配騒動

    今日はメンタルヘルスとは何の関係もないのですが、アメリカに来て35年目にして「これは日本ではありえないだろう」とカルチャーショックを受けたことについて書こうと思います。コロナ禍に伴うロックダウンで私の住む地域もレストランはテイクアウト以外営業できないようになっているのですが、その反面、Uber Eatsなどのフードデリバリーがよく利用されているようです。私も先日、夜は暗いし、運転するのが苦手なのでDoorDashというフードデリバリーサービスを頼んでみることにしました。注文から支払からすべてネットで行い、携帯電話に「間もなく到着します」というメッセージが着信した所まではよいのですが、そのうち配…

  • 「怒れる少女」グレタ・トゥーンベリ

    最近、スウェーデンの環境保護活動家で「怒れる少女」グレタ・トゥーンベリのドキュメンタリー『I Am Greta』を見ました。グレタが2019年に行った国連の演説は有名で、彼女が環境保護運動で果たしている役割は誰もが認めるところだと思いますが、グレタはアスペルガー症候群、強迫性障害(OCD)、選択性緘黙(かんもく)症(特定の状況で話すことができなくなる疾患)であることを公表しています。 そして、(2019年のことですが)そのグレタをマイケル・ノウルズという政治評論家があるテレビ番組で「精神を病んでいる(mentally ill)スゥエーデンの子供」と評したのです。その後、ノウルズの発言に対する批…

  • 自殺予防と心の痛み

    Jack Klott著「Suicide & Psychological Pain(自殺と心の痛み)」という本を読みました。鬱病の家族を介護する者にとって、一番怖いのはやはり自殺でしょう。ずっと生きづらさを抱えて生きてきた娘から「生きるのがつらい、私は生まれたくなどなかった」と言われても私はだだうなだれてそれを聞くしか術はなく、以前は「なんとかなるよ、生きるのは思ったほど大変じゃないよ」などと言っていたのですが、それはなんと脳天気な返事だっただろう、と今では思えます。「生まれたくなかった」という訴えは、娘がずっと抱えてきた「心の痛み」であって、「なんとかなるさ」程度ですまされるようなものではない…

  • 自閉症燃え尽き症候群

    前回のブログでも書きましたが、自閉スペクトラム症(ASD)というのは、「スペクトラム」(Spectrumは光や波長による分布を示す「スペクトル」とも訳されますが、「あいまいな境界をもった連続体」という意味)という名称が示すように、症状の種類も重症度も幅広く、特に女性の場合は大人になるまで診断が遅れる場合が多いそうです。私の娘の場合は、子供の頃からずっと生きづらさは感じていたものの、大学も卒業し、ドイツ留学などもして28歳までは仕事もできていたのですが、今になって感覚過敏、反復的な運動、極めて強いこだわりがあることなど、ASDと通じる特徴が多くあることに気付き、診断を受けようと奔走しているところ…

  • スティミング(自己刺激行動)

    私の娘は3年前に仕事に行けなくなり、一時はバイトをしたりしましたが、一人でふつうの生活ができなくなり、今はほぼ引きこもりの状態です。一応、診断は鬱と不安障害、PTSDとOCDというものですが、パニック障害、解離、感覚過敏、社交不安、広場不安、分離不安、PMDD、不眠、悪夢、実行機能障害、心気症とそれはもう色々な不安や障害がないまぜになっていて、何が診断で何が症状、障害なのかわからないくらいです。様々な療法や薬も試しましたが回復には程遠く、これからどうなるんだろうという不安と閉塞感の中、少し見えてきたものがあります。それは、これらの問題は発達障害によるものではないのか、ということです。よく「自己…

  • コロナとロックダウン

    世界中でまた新型コロナウイルスの感染者が増え始めています。カリフォルニア州では、コロナ感染者数によって最悪のパープルからレッド、オレンジ、イエローと各郡の状態を色分けしているのですが、私の住むコントラコスタ郡(イーストベイ)も最悪の「Purple」段階に戻ってしまいました。そして、午前5時から午後10時まで外出禁止令も出されました。(夜にバーで飲んでいる人たちが感染を広げているということなのでしょうか…?)せっかく数週間前オレンジまで回復したのに、またロックダウン状態になってしまい、がっかりですが、人々はロックダウンに疲れを覚えているのでしょう、感染者が再び増え始めた後も、大型スーパーに行った…

  • アメリカの健康保険

    日本の友人たちと話していて、いつも羨ましく思うのが、日本の健康保険です。アメリカではいつも国民皆保険ということが選挙の争点になり、オバマ大統領の時にはいわゆる「オバマケア」が導入されて公的保険の方向に近づいたのですが、それがかえってオバマケアの資格がない人々(中〜高所得者)の民間保険料の高騰を招き、多くのアメリカ人が不満を抱える結果となってしまったようです。オバマケアは政府が補助する民間の保険に入れる制度で、所得が一定基準を下回ると保険料が安くなるのです。けれども一定基準以上の所得では適用されず、かえって保険料が大幅に高騰しました。ちなみに私はオバマケア適用外の民間の保険をかけているのですが、…

  • NAMIサポートグループ

    以前のブログで書いたのですが、アメリカには精神疾患を持つ当事者と家族を支援するNAMI(全米精神障害者家族連合)という非営利団体があります。ボランティアによって様々な活動を行っているのですが、その一つ、サポートグループに初めて参加してみました。新型コロナウイルスのせいでミーティングはすべてZOOMを使った電話会議です。 今日は男性3人と私も含め女性2人という合計5人の小さな集まりでした。まずは司会を務める女性が、「ガイドライン」を読み上げます。新型コロナウイルスのロックダウンに加えてカリフォルニアの山火事もあり、娘の調子が悪くなってかなりめげていた私の心に響いたこの言葉、インターネットに載って…

  • カリフォルニアの赤い空

    今朝起きると外が暗く、空は赤く濁っていました。10時現在もまだその状況は変わっておらず、一体どうなっちゃったんだろうと心が騒ぎました。外に出てみると車には灰が降り積もっています。ここ2週間ほどカリフォルニア州では記録的な山火事が発生して大気汚染がひどかったのですが、ここにきて海から強い風が吹き、私の住んでいるベイエリアより北部で発生している山火事が悪化して、風によって灰がこちらに運ばれてきたのだそうです。強い風によって灰が上空にとどまり、それが太陽の光を遮って、夕焼けのように赤い光だけが届くために赤い空になったようです。別の惑星にでもきたかのような恐ろしい空ですが、そのうち晴れることを自分に言…

  • カリフォルニア州の山火事

    ここベイエリアでは1-2週間ほど猛暑が続いた後の落雷で山火事があちこちで発生して、大気汚染は中国やインドを上回る状態になりました。カリフォルニア州では毎年のように山火事が発生して大気汚染の原因となっています。2018年には史上最大の山火事が発生したばかりなのですが、私がベイエリアにきてから「記録的」山火事が毎年のように発生しており、これからも毎年「記録的な山火事シーズン」がやってくる気がします。コロナ禍のさなかに山火事で空気が濁り、朝犬の散歩に出ても空は茶色、太陽は不気味なオレンジ色で、なんとも重苦しい気持ちになりました。1週間経ってようやく空気の質は有害なレベルを脱したものの、大気汚染は続い…

  • 精神疾患は「心の病」か?

    「Mental Illness」は「精神疾患」「心の病気」という意味ですが、これらを「マインド」、すなわち「心」や「精神」から発する病気であるとする前提を見直す必要があるのではないかと近頃思うようになりました。また、英語で「He is mental」というと、「彼は頭がおかしい」という侮蔑的な意味で使われ、「mental」という言葉自体が偏見を生むように思えます。また、近頃ではポリティカリー・コレクトな言い方として「behavioral disorder(行動障害)」が好んで使われるようです。しかし「mental illness」あるいは「behavioral disorder」とひとくくりに…

  • ペットの病気とOCD

    娘がセロトニン症候群で救急に運ばれて数日後に今度はうちの柴犬リキが救急に行く騒動がありました。夕方から6回ほど嘔吐を繰り返したのです。夜中に救急センターに電話した後、様子を見ることにして、未明には止まりました。翌朝、リキ自身は元気があるようにみえたものの、再び獣医に電話したところ、「6回も吐くのはおかしい。すぐに救急に連れていくように」と言われたのです。OCDがある娘はそれを聞いただけでほぼパニック状態になりました。獣医に救急に連れて行けと言われてしまった以上、行かないわけにもいかず、犬猫救急病院へ行きました。リキに万一のことがあったら、リキをエモーショナル・サポート・アニマルとして頼りにして…

  • セロトニン症候群

    先週、娘がセロトニン症候群で救急に運ばれました。幸い軽症で数時間後には帰宅できたのですが、それ以来、OCD(強迫障害)によって薬に対する恐怖心が増幅し、薬を飲もうとするたびに不安が増すようになってしまいました。 セロトニンというのは脳内ホルモンとも言われる神経伝達物質で、うつ病ではセロトニンの不足が多くみられることから、従来からSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とよばれる薬が主流のうつ病薬として使用されているそうです。SSRIは、放出されたセロトニンが細胞に吸収されてしまうのを選択的に阻害して、セロトニンが脳内に残るようにするのですが、副作用や過剰摂取によってセロトニンが増えすぎると…

  • ネットフリックス「ラブ・オン・スペクトラム〜自閉症だけど恋したい!〜」を見て

    ネットフリックスで「Love on the Spectrum(邦題:ラブ・オン・スペクトラム〜自閉症だけど恋したい!〜)」という番組を見ました。オーストラリアに住む自閉症の20代の男女何人かがパートナー探しをするリアリティ番組です。見ているうちに誰かいい人がみつかりますように、と心から出演者を応援する気持ちになる、とてもよい番組でした。「I am on the spectrum」というと、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:ASD)があるということです。自閉症といってもその症状や程度は様々で、20歳近くになるまで自閉症と診断されなかった若者も何人が出演して…

  • 久しぶりの外出

    先日は娘の誕生日だったので、サンフランシスコ市民の憩いの場であるミッション・ドローレス・パークに犬のリキも連れて行ってきました。不安障害のため毎日アパートから出るのがせいいっぱいで、リキの散歩ができたら花マル日である娘にとってそれはとても勇気のいることでした。そして、車の運転が苦手な私にとっても、サンフランシスコのど真ん中に車で行って路上駐車をするということは、考えるだけで気が滅入ることだったのですが(たとえ前後に車がなくても縁石に沿って駐車するのが困難なくらい運転オンチなのです)、せっかく娘が勇気を振り絞っているのに私が怖じ気ついてはいけないと思い、行ってきました。結果的にはちゃんと駐車でき…

  • 「メンタル」という言葉

    「Mental Illness」は「精神疾患」「心の病気」という意味ですが、これらを「mind」、すなわち「心」や「精神」から発する病気であるとする前提を見直す必要があるのではないかと近頃思うようになりました。また、英語で「He is mental」というと、「彼は頭がおかしい」という侮蔑的な意味で使われ、「mental」という言葉自体がスティグマを生むように思えます。「mental illness」とひとくくりにされている病気も体の中の1つの臓器である脳、または神経の病気です。だから、「心のもちよう」とか、「病は気から」といった、そんなレベルではなくて、胃腸や心臓の病気と同じように何が原因な…

  • OCDとサプリ:NAC(Nアセチルシステイン)

    私の娘はこの2年以上、OCD(強迫性障害)とPTSDによるうつ病と不安障害(パニック障害)でふつうに生活できなくなり(外出できない、パニック発作が頻繁に起こる、食事ができないなど)この2年以上様々な治療法を試してきました。言い換えれば、これぞという効果があった治療法は見つかっていないということなのですが、目に見える効果があるというわけではなくても、摂取しないと調子が悪くなるので少なくとも娘にとってはきっと効果があるのだろう、というサプリがあります。プロバイオティクスの効果は以前にも書きましたが、娘は精神科のクリニックに勧められてOCDの治療のため、NAC(Nアセチルシステイン)を毎日摂取してい…

  • 精神病のオリエンテーション

    NAMI(National Alliance on Mental Illness:全米精神障害者家族連合)は、精神疾患を持つ当事者とその家族を支援するために全米で様々な啓蒙活動を行っている非営利団体です。新型コロナウイルスで世界が変わってしまう直前の3月初旬、私の住むコントラコスタ郡でNAMIが主催する精神疾患に関するオリエンテーション「Crash Course on Mental Illness」に参加しました。これは毎週開催されていて、誰でも自由に参加できる2時間ほどのクラスで、ボランティアの方がプレゼンをしてくれます。二人ほどのボランティアの方がいたのですが、お二人ともお子さんが統合失調…

  • 大麻のこと

    大麻について書こうかどうか、随分迷いました。こういってはなんですが、私も娘も、「ド」がつくほど真面目な人間です。大麻など、遠い世界のことでした。けれども、鬱の海のどん底にいた娘が大麻で救われた、というのは疑いようのない事実なのです。だから大麻について、書きます。 アメリカでは大麻合法化の動きが進み、2020年5月現在、合法化された州は12州(アラスカ、カリフォルニア、コロラド、DC、イリノイ、メイン、マサチューセッツ、ミシガン、オレゴン、バーモント、ワシントン)、非犯罪化された州(合法化ではなくても、罰則規定が適用されない)は半数以上に上ります。しかし日本では今も大麻に対する目は非常に厳しく、…

  • 『躁うつ病を生きる』

    1995年の本ですが、『An Unquiet Mind』(邦題:『躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?』という本を読みました。著者は躁うつ病を患い、自殺未遂までしながらジョンズ・ホプキンス大学医学部の教授となり、躁うつ病の治療研究をしているケイ・レッドフィールド・ジャミソンという女性です。躁状態とうつ状態を繰り返しつつ、躁うつ病がわかれば恋人が去っていくのではないか、大学での地位を追われるのではないかという恐怖を抱きつつも、恋もし、すばらしい夫に恵まれ、躁うつ病治療の権威となるまでに上り詰めました。彼女の場合は、家族・恋人・夫にしてもUCLAやジョンズ・ホプキンズ大学の…

  • 睡眠相後退症候群

    犬にも不安症や鬱はあるそうですが、睡眠障害はなさそう・・・ 1年ほど前ですが、朝日新聞デジタルに「朝起きられず、昼夜が逆転 背後に潜んでいた二つの病気」という記事がありました。この記事の女子高生は、「起立性調整障害」と「睡眠相後退症候群」という二つの病気によって朝起きられず、不登校になったそうです。私の娘も、実は睡眠相後退症候群(Delayed sleep-phase syndrome; DSPS)ではないかと思っています。なにしろ朝、起きられない。そして夜遅く、というか未明まで眠ることができない。朝、起きても体がだるくて何もできないという状況が、考えてみたら昔から続いていたような気がします。…

  • スティグマ

    「偏見」という言葉、英語にすると「prejudice」とか「bias」になるのでしょうが、「精神疾患に対する偏見」を考える場合、「stigma」の方がふさわしいような気がします。「stigma」の辞書での訳は「汚名」や「烙印」、ギリシャ語で奴隷や犯罪者の体に刻印されたしるしが語源なのだそうです。英英辞典(https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/stigma)では、「a strong feeling of disapproval that most people in a society have about something, …

  • 「メンタル」という言葉

    「Mental Illness」は「精神疾患」「心の病気」という意味ですが、うつ病にせよ強迫性障害にせよ、これらを「mind」、すなわち「心」や「精神」から発する病気であるとする前提が、偏見を生み、治療を妨げているのではないかと近頃思うようになりました。また、英語で「He is mental」というと、「彼は頭がおかしい」という意味で、侮蔑的な意味で使われます。今、「mental illness」とひとくくりにされている病気、これらは心や精神というとらえどころのないものよりも、体の中の1つの臓器である脳、または神経の病気です。だから、「心のもちよう」とか、「病は気から」といった、そんなレベルで…

  • TMS治療(経頭蓋磁気刺激法)

    昨年(2019年)、日本でもうつ病のTMS(transcranial magnetic stimulation:経頭蓋磁気刺激法)治療に保険が適用されることになりました。(「ヨミドクター」の2019年6月19日付け記事:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190619-OYTET50000/)。これは、抗うつ剤が効かない難治性のうつ病患者に対して頭部に磁気刺激を与える治療法で、アメリカでは2008年にFDA(食品医薬品局)から承認され、「ニューロスター」というメーカーの場合は10年で約6万人の治療実績があるそうです。(ほかにも様々なメーカーがあるので、…

  • ケタミン

    ここ数年、麻酔剤のケタミンが画期的な抗うつ剤候補として注目を浴びています。他の抗うつ剤や治療法では、効果があったとしても効果が現れるまでに数週間から数カ月かかかる場合が多いのですが、ケタミンは即効性があります。うつ病の治療に使われるケタミンには、注射(または点滴)によるもの(R型とS型の混合)と、鼻からスプレーで噴霧するタイプ(S型)があり、スプレータイプは2019年3月に米国の食品医薬品局から承認が下りました(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-06/PNXBQA6S972801)。しかし、どうしてケタミンがうつ病に有効なのか、…

  • 加重ブランケット

    先日、『テンプル・グランディン 自閉症とともに』という映画を見ました。テンプル・グランディンは自閉症を抱えながら博士号をとり、コロラド州立大学で動物学を教え、自閉症啓発活動を行っている女性です。屠殺される家畜が静かな気持ちで最期を迎えられるよう、人道的な屠畜施設を設計したことで有名ですが、「締め付け機(Hug machineまたは squeeze machine)」というものも発明しました。牧場を経営するおばの家に滞在中、興奮状態の家畜を静めるために使われていた締め付け機にヒントを得て自分のためにハグマシーンを開発したのです。箱状の装置の中に体ごと入って体を締め付けることで、リラックスできる装…

  • プロバイオティクス

    娘は多種多様な抗うつ剤・抗不安剤を試してきましたが、どれも今ひとつ効果がありませんでした。これを治療抵抗性うつ病(TRD: treatment-resistant depression)というそうです。(ちなみにTMS【経頭蓋磁気刺激法】を保険申請する際は、治療抵抗性であることを示す必要がありました。高額治療なので、保険会社としてはまず薬での治療をしてみてだめだったらお金を払う、という感じです。)そして、様々な薬やサプリを試してきた中で、パニック発作に即効性のあるケタミンスプレー以外、一番効果が目に見えたのは、実はプロバイオティクス(腸内善玉菌)でした。腸は今では「第二の脳」とも言われ、腸と脳…

  • 共依存

    私が娘の世話のためカリフォルニア州に来てから2年以上経ちました。今の私の目的は、いつか私がこの世を去ったときに娘が一人でも暮らしていけるようにしてやること。でも今は、みためはふつうでも、ふつうの人ができることができない。だから私がほとんど身の回りの世話をしています。そこで陥ってはいけないのが共依存の関係です。共依存とは、互いに過剰に依存しあって、自分を見失っている不健康な関係だと、私は解釈しています。そして、共依存親子でいる限り、どちらも自立はできないのだ、と。CoDA(Co-dependents Anonymous)という共依存からの回復を目指す自助グループのパンフで自分に思い当たる項目があ…

  • 治療の長い道のり

    それまでカウンセリングはしていたものの、鬱と不安で娘が精神科による治療を始めたのは2017年の夏でした。最初は抗うつ剤としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のレクサプロ(エスシタロプラム)、抗不安剤としてアルプラゾラム(こちらではXanax)とブスピロンを処方されましたが効果なく、会社を休職してPHP(Partial Hosipitalization Program)という、毎日病院へ通って認知行動療法(CBT)を行うプログラムに1カ月ほど参加しました。パニック発作の回数は減っても、それほどの改善はみられず、結局会社を辞めざるをえませんでした。こちらで脚光を浴びているケタミン治療も…

  • エモーショナル・サポート・アニマル

    エモーショナルサポートアニマルとしてお役目を果たす。羊のぬいぐるみがお気に入り。 我が家の柴犬、リキ君は娘のエモーショナル・サポート・アニマル(感情支援動物)。エモーショナル・サポート・アニマルとは、盲導犬や介助犬といったサービス・アニマルとは違って特別な訓練は不要で、そこにいるだけで(just by being present)飼い主の役に立つ動物で、資格のあるカウンセラーの手紙があればエモーショナル・サポート・アニマルとして認められます。エモーショナル・サポート・アニマルはお店や公共の交通機関には入れないことがありますが、家やアパートの賃貸においては家主は、ペット禁止であってもエモーショナ…

  • ブログ開設!

    娘が犬の散歩の途中撮った写真。アパートから出ることが不安で、犬の散歩ができた日は花マル日。 アメリカに来て34年、28歳になる娘を持つ母親です。娘は3年前にうつ病と不安障害で仕事ができなくなり、今も社会復帰できていません。私はもともと他州にアメリカ人の主人と暮らしていたのですが、2年ほど前から娘の世話をするために一人カリフォルニア州に移り、今ではイーストベイのアパートで娘と柴犬と暮らしています。うつ病も不安障害も私には縁のない話だと思っていました。それでなかなか娘の病気を理解してやれなかった気がします。娘のうつ病と不安障害は症状でしかなく、その根源にあるのはOCD(強迫性障害)とPTSD(外傷…

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