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2020/04/29

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  • 日本魅録(香川照之)

    JUGEMテーマ:映画 まだ読んでいなかったシリーズ1冊目。当たり前だが2,3同様に熱くてウザい香川照之の魅力(といって良いとすればだが)満載の一冊。だが、相変わらず姜文と始めとする中国映画関係者を語る口調は一段と熱い。まだ一本も見たこ

  • 星への旅(吉村昭)

    JUGEMテーマ:日本文学 吉村昭の初期短編集。彼の本を読むのはおそらく初めてだが、文章に穴がないという第一印象。テーマはどれも死ということになるのだろうが、収録作の半数以上は死体への執着、さらにそのうちの数作は死体の骨への執着が描かれ

  • 「働き手不足1100万人」の衝撃(古谷星斗+リクルートワークス研究所)

    JUGEMテーマ:政治 少子化の進展に伴い、いつからか漠然と「今切りとった周囲の写真から人が何人も抜け落ちている光景」をイメージするようになっていたが、それを可視化させてくれる本。人手不足というより「その人手不足を補う人手がいない」社会

  • 「南京事件」を調査せよ(清水潔)

    JUGEMテーマ:日本の歴史 とにかく読むべし。そうとしか言えんわ。南京事件についてはいろいろと議論になってきたけど、この本で紹介されている陣中日記を読めば議論するのも嫌になってくる。それと当時の陸軍に所属していて兵士が撮影し出版した写真集

  • ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図(NHK ETV特集取材班)

    JUGEMテーマ:政治 東日本大震災の翌年に出た本。NHKのETV特集で放送された番組を私は見ていないが、この本を読むだけでも緊迫感は伝わってくる。特に番組放送に対するNHK局内の「政治的」な動きも隠すことなく書かれていて、それが緊迫感

  • 検証・法治国家崩壊:砂川裁判と日米密約交渉(吉田敏浩他)

    JUGEMテーマ:政治 酷いなぁ…というのが最初の読後感。いや、読んでいる間もその言葉しか無かった。砂川裁判の結果について日本の司法が主体的に判断を下したのであれば批判はあれども納得はできる。しかし、ここまであからさまにア

  • 日本魅録3(香川照之)

    JUGEMテーマ:映画 そんなわけでシリーズの3。2で書いたような香川照之の圧倒的な熱量はここでも発揮されている。熱い、ウザい、しつこい、これ全部褒め言葉です。紹介されている映画、どれも見たくなるもんね。だから、まんまと香川照之の企みに

  • 日本魅録2(香川照之)

    JUGEMテーマ:映画 書店の立ち読みでキネマ旬報のこの連載を読んでその熱量に引き込まれ単行本を買ったものの、以来ずっと積ん読だった。たぶん2と3は買ったが1を買えなかったのでそれを買ってから一気に読もうと思ったのかな。でも1が揃わずそ

  • あかんやつら 東映京都撮影所血風録(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 映画作りという魔物に取り憑かれた人々が東映京都撮影所を舞台に、いやこう書くと東映京都撮影所は脇役だな。そうじゃなく、あくまで主役が東映京都撮影所で、そこに吸い込まれあるいは吐き出された映画に取り憑かれた人達を描い

  • すべての道は役者に通ず(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 ベテラン俳優のインタビュー集だった「役者は一日にしてならず」の第二弾。23名のインタビューが収められているが私のお目当てはただ一人。著者が別の本で最近の時代劇の衰退の原因として彼(のような俳優)がいないことを挙げ

  • 美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 女優岩下志麻のオーラルストーリー。仲代達矢の話も面白かったけど、岩下志麻の話も面白い。どうしても極妻のイメージが強いけど、若い時は所属が松竹だったこともあって文芸作品にもたくさん出ていたんだね。尊敬する女優として

  • なぜ時代劇は滅びるのか(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 2006年に「時代劇は死なず!」を書いた著者が(出版は2008年)、その8年後に真逆の本を出した。その8年の間に時代劇に何があったのか。いや前作でもあとがきにあったように原稿を書いた2006年に比べ出版した200

  • 時代劇は死なず!(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 時代劇を死なすな! とばかりに、京都太秦で時代劇作りに携わってきた面々が、かっての時代劇絶頂の時代から急激に人気の下降を辿る時代劇を、活躍の場をを映画からテレビに移して守っていこうとする姿が描かれているが、個人的

  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代(春日太一)

    JUGEMテーマ:映画 ベテランの俳優が語る話は面白いね。特に仲代達矢は名匠と言える日本の映画監督たちや名優と言える俳優たちと仕事をしてきたので、面には出てこない監督や俳優たちの特徴とかエピソードを、また正確な記憶で語っていく仲代達矢に

  • ナチスは「良いこと」もしたのか?(小野寺拓也・田野大輔)

    JUGEMテーマ:歴史 時折聞かれる「ナチスがしたことには良い事もあった」という言説への反論本。大まかにいうと、ナチスが始めたとされる「良い事」が実はナチスが始めたことではなかったという反論と「良い事」とされるものも実は残虐な目的のため

  • 日本の文化ナショナリズム(鈴木貞美)

    JUGEMテーマ:日本の歴史 長い歴史の話になると文字数が収まらなくなるけど、明治以降でいうと、やはり天皇制をどう意識しているかだろうなぁ。太平洋戦争以後は天皇制に加えて戦争をどう意識するか。それが文化の背後に常について回った意識じゃな

  • おまえが若者を語るな!(後藤和智)

    JUGEMテーマ:政治 15年前に出た本。読むのも15年ぶり。この手の本は年月が経って読むと面白いな。宮台真司、東浩紀、香山リカ、北田暁大、菊池誠、三浦展、鈴木謙介等々、懐かしい名前が出てくる。今でも名前を聞く人もいるし、聞かなくなった

  • なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル(高橋和夫)

    JUGEMテーマ:政治 最近、また、中東情勢が大騒ぎになっている。といっても、私は、中東が今のような状況になった何時からで何故なのかをハッキリ知らないまま来たので、遅まきながらそもそも論から始めるためにこの本を購入した。今から10年以上

  • 辞書を編む(飯間浩明)

    JUGEMテーマ:日本語 著者は三省堂国語辞典(三国)の編集委員。内容は、この辞書の第七版を作る過程の紹介。どういう人達によって辞書の編集会議が開かれ、実働部隊となった編集委員たちはどのように辞書の編集を進めていくか、ドキュメンタリー番

  • 新解さんの謎(赤瀬川原平)

    JUGEMテーマ:日本語 前半は「新明解国語辞典」(新明解)の面白項目の紹介、後半は著者が雑誌に連載していたエッセイをまとめたものでこちらは新明解とは関係ない話ばかり。私としては前半だけで良かった内容。本の発行時期の関係で新明解の第一版

  • 英語達人列伝?(斎藤兆史)

    JUGEMテーマ:外国語学習 前作から20年以上経って出た2冊目。1冊目に比べると2〜3人、明らかに年齢の若い人が入っているが、その人達の学習環境は1冊目も含め他の人達の大きく変わっているのも参考になる。今作の中では勝俣銓吉郎かな。彼の

  • 英語達人列伝(斎藤兆史)

    JUGEMテーマ:外国語学習 英語の達人たち10人が、それぞれどのような方法で英語を身につけたか、その英語をどのように生かしたかを紹介している。著者自身が英語学習における文法重視の訳読方式を重視しているため、その立場から光を当てている箇

  • 日本人なら必ず誤訳する英文(越前敏弥)

    JUGEMテーマ:外国語学習 タイトルに「誤訳する英文」とあるが、内容は英文解釈の本。10年ほど前に買ったが、読み始めてすぐに「これはしんどい」と思い塩漬け状態に。それが、最近読んだ「英語学習意欲向上本」でこの本が薦められていたので取り

  • 辞書と日本語(倉島節尚)

    JUGEMテーマ:日本語 著者は三省堂で「大辞林」の製作に携わった人。サブタイトルに「国語辞典を解剖する」とあるが、最近読んだ増井元「辞書の仕事」に比べて辞書の作り方への力の入れ方が印象的。それは第二部の「辞書作りの舞台裏」に詳しい。ま

  • 定年英語(田代真一郎)

    JUGEMテーマ:外国語学習 鳥飼さんの本を読んで高まってきた英語学習へのモチベーションをもう一段上げようと思いこの本を読んでみた。モチベーション上げるより勉強しろ!という考えは置いておいて一読。専門分野の知識をしっかり持っていれば英語

  • やっぱり英語をやりたい!(鳥飼玖美子)

    JUGEMテーマ:外国語学習 鳥飼さんは20代からテレビ番組に出て活躍してきた人。今でもテレビに出ているけど、見ると懐かしさを感じるね。この本では、長く英語教育に携わってきた鳥飼さんが、現在出演しているNHKEテレ「太田光のつぶやき英語

  • 辞書の仕事(増井元)

    JUGEMテーマ:日本語 広辞苑や岩波国語辞典の元編集者が辞書の構成と働きや役割、編集者の苦労等を語った一冊。私は1979年発行の岩波国語辞典第三版を持っているが、著者がこの辞書の「愛人」の項目について述べていることを確認すると確かにそ

  • やちまた(上・下)(足立巻一)

    JUGEMテーマ:日本文学 私はこの本を40年ほど前に出版された呉智英の著書「読書家の新技術」で知った。この中で呉は読むべき本を探す手段の一つとして新聞書評を挙げており、その書評を読むテクニックの例として1974年12月16日の朝日新聞

  • オシムの遺産(島沢優子)

    JUGEMテーマ:スポーツ イビチャ・オシムに関わりの深かった人間(選手、GM、その他のチームスタッフ)から、彼をを講演に呼んだ(だけの)人物まで、生前のオシムを知る人達のインタビューを通して、オシムとは何者だったのかを、また彼が残したもの

  • 佐賀北の夏(中村計)

    JUGEMテーマ:ノンフィクション 中村計さんのこの本も読んでいたんだけど感想はまだ載せていなかったので、再読してUP。強豪ひしめく夏の甲子園を勝ち抜き優勝した地方の公立高校のお話。この手の話は指導者を素晴らしく書きがちだが、この本では

  • 世界史の中から考える(高坂正堯)

    JUGEMテーマ:政治 1996年に亡くなった高坂正堯の考え方を知りたくて読んでみた。月刊誌に連載されていた時評をまとめたものなので散漫ではあるが読みやすい。著者の根底にある考えもあちこちに出てくる。それらをひと言でいうなら「大人の考え

  • 関西フォークがやって来た!(なぎら健壱)

    JUGEMテーマ:芸能 文庫本になる前の原題が「五つの赤い風船とフォークの時代」だったように、そして本書のサブタイトルにも「五つの赤い風船の時代」とあるように、五つの赤い風船を根底に添えながら60〜70年代にかけての関西フォークの盛衰が

  • 日本フォーク私的大全(なぎら健壱)

    JUGEMテーマ:芸能 先日、YouTubeで、なぎら健壱が数年前に都立高校の公開講座で日本フォーク史について話をしている映像を見た。それがきっかけで彼の著作を二冊買ったのだが、そのうちの一冊がこれ。フォーク歌手ごとに章立てしてある。内

  • 行動経済学(友野典男)

    JUGEMテーマ:経済全般 初版が2006年なのでずいぶん昔の本だけど、行動経済学の基本的な考え方をおさらいしようと思い再読。大昔にあった「頭の体操」という本に出ていたような問題からスタートになるが、読み進めていくと内容はコンパクトなが

  • 笑い神 M-1、その純情と狂気(中村計)

    JUGEMテーマ:芸能 雑誌連載を目にした時、これは絶対単行本化されると思い、それまで連載は読まないでおこうと決めた。そのわりの購入してから1年近く寝かせたままだったが、ようやく読むことができた。各章のタイトルは一つを除きM-1に挑んだ

  • 日本共産党(中北浩爾)

    JUGEMテーマ:政治 立花隆の「日本共産党の研究」(以下、立花本)は、いかにもジャーナリストが書いた本だったが、本書は、いかにも大学の先生が書いたという本。立花本のように特定のエピソードに執着することがないので、あっさりした読後感。こ

  • 実戦・日本語の作文技術(本多勝一)

    JUGEMテーマ:日本語 その名の通り「日本語の作文技術」の実戦編。前後編の二部仕立てだが後編は無視して前編だけでいい。読点については、この本の前編を読んで不明な所があれば前著を参考書として使えばいいだろう。しかし、この本だけでも十分だ

  • 日本語の作文技術(本多勝一)

    JUGEMテーマ:日本語 著者とは政治的スタンスがだいぶ違うイズムィコ先生こと小泉悠氏が推薦していたので購入。それと、私は知らなかったんですが、「今でしょ!」の林修先生も推薦してたとのこと。確かに期待を裏切らない内容でした。句読点のうち

  • 火の国の城(下)(池波正太郎)

    JUGEMテーマ:時代小説 上巻の感想にも書いたが、個人的に忍者物は苦手なので、読んでいても今イチ乗り切れない箇所が出てくる。たとえば「蝉ぬけの術」と言われると「えっ!?」と思ってしまう。こういうのが好きな人にはいいけど、私は無理。そう

  • 火の国の城(上)(池波正太郎)

    JUGEMテーマ:時代小説 丹波大介登場作品としては二冊目だが、一冊目を私は読んでいない。また著者の忍者小説三部作としても二冊目だが、その一冊目も三冊目も読んでいない。時代劇小説の中でも忍者物はどうも苦手で馴染めないものがある。ひと言で

  • さむらい劇場(池波正太郎)

    JUGEMテーマ:時代小説 完璧な娯楽時代劇小説。「鬼平」とか「剣客商売」は冊数が多いので、後期の作品では、言わなくてもいいだろうという感じで描写の省略が多いと思う。お馴染みさん(シリーズ愛読者)なら詳しく書かなくてもわかるよね、という

  • 日本共産党の研究(三)(立花隆)

    JUGEMテーマ:政治 いよいよ最終冊。あのリンチ事件について詳しく記載されている。それに対する共産党の反論も紹介されているが、それが反論になっていないことは、最近話題の除名問題での共産党の対応と変わらない。というか、体質が変わってない

  • 日本共産党の研究(二)(立花隆)

    JUGEMテーマ:政治 昔の共産党ってホントの意味で犯罪集団だったんだね。145pにある戦闘的技術団の説明を読むと、資金集めのためにそこまでやるのかと呆れてしまう。それを大義のためと思ってやるのだから始末に負えんよね。ただ、特高のスパイ

  • 日本共産党の研究(一)(立花隆)

    JUGEMテーマ:政治 雑誌連載開始が50年近く前という、普通なら古い内容ということになるが、それが全然古くない。今年話題になった共産党党員の除名問題からも、昔と変わらない共産党の体質が見てとれることがわかる。歴史的な観点からは福本和夫

  • 欲望の資本主義5(NHK)

    JUGEMテーマ:経済全般 現時点で出版されている中では最終冊。(スピンオフ的なものは含まない) 登場するのは5人。個人的にこの本の肝は無形資産ということだと思う。特許や商標権などの知的資産や、人の持つ技術や能力などの人的資産といった資

  • 欲望の資本主義4(NHK)

    JUGEMテーマ:経済全般 シリーズ4冊目。登場するのは歴史学者のニーアル・ファーガソンとお馴染みスティグリッツ。今回はコロナ禍での経済が語られているが、両者とも、コロナ前一回とコロナ後二回、計三回のインタビューが収められている。新自由

  • 欲望の資本主義3(NHK)

    JUGEMテーマ:経済全般 シリーズ3冊目。今回も面白い人物を集めている。厳しくGAFAを批判するスコット・ギャロウェイ、仮想通貨を通した夢を語るチャールズ・ホスキンソン、適正な市場についての考えを話すジャン・ティロール、文明論の視点で

  • 欲望の資本主義2(NHK)

    JUGEMテーマ:経済全般 シリーズ2冊目。今回はマルクス・ガブリエルとトーマス・セドラチェックの対談が面白かった。哲学と経済学の異種格闘技戦。資本主義とは何か、どうなっていくのか。そんな問題意識を持ちながら幅広い知見を基に、トランプの

  • 欲望の資本主義1(NHK)

    JUGEMテーマ:経済全般 NHKで放送された番組の書籍化。7月に放送された最新作を見て、改めて第1回からの内容を振り返りたくなり購入。やはりスティグリッツは良いなぁ。彼の経済学の入門書をまた読みたくなった。それと2人目のトーマス・セド

  • 漆の実のみのる国−下巻(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 この話は実在の人物達による実際の史実に基づいたもの。なので全くのフィクションではないわけだが、この中には、藩主の浪費、財政悪化、進まない殖産振興、重臣の対立等々、作者の武家物時代小説のもとがぎっしり詰まっ

  • 漆の実のみのる国−上巻(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 「逆賊の旗」所収の「幻にあらず」の長編版といっていいだろう。名君として名高い上杉治憲(鷹山)が、藩主となる前の英邁な世子として家臣たちの期待を担っていた頃から、藩主の座を子に譲り隠居した後も藩の振興に尽く

  • 闇の傀儡師−下巻(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 上にいる者の立ち位置の変化で、上巻では敵側であった者が味方に近くなったり、味方側だった者が敵側に回ったりで飽きさせない。上巻で描かれたサイドストーリーは下巻でも続き、さらに老剣士同士の戦いがあったりと、面白さ

  • 闇の傀儡師−上巻(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 元御家人の主人公がひょんなことから幕政に絡む陰謀に巻き込まれていく伝奇小説。謎の集団「八嶽党」、それを利用しようとする幕府の重鎮とそれを阻止しようとする老中とその命を受けて動く公儀隠密。これに主人公の友で絵の世界

  • 時雨みち(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 再読です。結構、結末がハッピーじゃない作品が多くて、読んでいて辛かったな。作者の人に対する冷徹な目を感じるね。その冷徹な目があるからこそ、ハッピーエンドに終わる(or 終わりそうな)作品はほっこりするんだろうと思

  • 神隠し(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 再読。これの前に「時雨のあと」を再読したんだけど、あっちに比べてこちらの作品は作者の若さと拙さを感じる。その中で「小鶴」はやはり切なかった。初老の夫婦に訪れた一瞬の春。これ初読の時の感想にも書いたけど、昔見た

  • 時雨のあと(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 再読。今回は特に「闇の顔」と「鱗雲」の印象が強かった。フーダニット(Who done it?)物でミステリー要素の濃い前者と悲劇の後に微かな明かりが見えるラストの後者。物語の構成にもひとつひとつの文章にもとに

  • 竹光始末(藤沢周平)

    JUGEMテーマ:時代小説 再読です。藤沢周平好きだった友人が先月亡くなった。それもあってなんとなく再読してみようかとまず手に取ったのがこの本。映画の原作にもなった表題作と最後に収められている話はどちらも遠方より来たるあまりありがた

  • 柳生武芸帳−下巻(五味康祐)

    JUGEMテーマ:時代小説 中巻で書いた感想のままでした。土井利勝とかが出てきてまたややこしいなと思ったんだけど、後半、尾張義直公面前での対立場面で焦点が合ってきて分かりやすくなった。一瞬だけどね。肝心な所で韓人の説明が長々と続いたりで

  • 柳生武芸帳−中巻(五味康祐)

    JUGEMテーマ:時代小説 上巻で話がわかりにくいと感じたが、中巻を読んでその理由がわかった。たくさんの登場人物の中の誰を中心に話を進めていくかが見えなかったんだ。中巻は最初から尾張の柳生兵庫介にフォーカスしつつ話を進めていくのでわかり

  • 柳生武芸帳−上巻(五味康祐)

    JUGEMテーマ:時代小説 積ん読になっていたものをようやく手に取ったが、うーん、わかりにくい。買った本は漢字が旧字体で書かれているので読みにくいというのもあるけど、登場人物が多くてその把握に戸惑ったまま上巻が終わったという感じ。解説で

  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤陽子)

    JUGEMテーマ:歴史 JUGEMテーマ:日本の歴史 中高生を相手にタイトル通りの話が語られている。文章は平易だが中身は濃い。国際連盟脱退時の全権として有名な松岡洋右が実はどういう考えの持ち主だったかなど興味深かったが、一番強烈な

  • 黒石(大沢在昌)

    JUGEMテーマ:ミステリ 図書館本。読む前に前作を再読しておけば良かったと反省。前作の登場人物の名前が出てきても、ぼんやりとした記憶しかないので、焦点がぼやけた感じ。年齢的に記憶力がねぇ…。 内容は「安定」のひと言に尽きる。

  • 書楼弔堂 炎昼(京極夏彦)

    JUGEMテーマ:ミステリ シリーズ2冊目。これも六編を収録。今回の進行役は自分の進む道に悩んでいる旧家の令嬢。そして各話には1冊目同様、田山花袋、添田唖蝉坊、福來友吉、平塚らいてう等実在の人物を登場させ書店の店主が彼らの話を聞き、また

  • 書楼弔堂 破暁(京極夏彦)

    JUGEMテーマ:ミステリ 六編を収めた連作集。「弔堂」をなんと読むのかと思ったが「とむらいどう」か。いかにも京極夏彦らしい。狂言回しがふわふわした生活を送っている元旗本の息子で主人公が書店店主とくれば作品の型としては京極堂シリーズと同じ。

  • ウクライナ戦争(小泉悠)

    ウクライナとロシアの戦いの起きる直前から昨年9月までを冷静な筆致で描いた一冊。まさに今読むべき本と言って良い。実際、両国がこうなるに至った理由について今ひとつ把握してなかった私には両質の参考書だった。この戦争の今後について見通しが立たない

  • 自動車の社会的費用(宇沢弘文)

    JUGEMテーマ:経済全般 自動車がもたらす問題を取り上げているが記述は平易で経済学の基本的な考え方を知る上でも参考になる。ほぼ50年前に出版されているので、いわば自動車が社会に及ぼす影響について予想した本ともいえる。その答え合わせをしなが

  • 流星の絆(東野圭吾)

    JUGEMテーマ:ミステリ 最近、ドラマがTverで放送されていた。14年ぶりの視聴だったが今見ても面白い。そういえば原作は読んでなかったな。というわけで読んでみた。ドラマの最後は原作と違うと聞いていたが、犯人が別人というわけでもなく、あれ

  • 正義の天秤(大門剛明)

    JUGEMテーマ:ミステリ 6話から成るリーガル物。全体を通しての主人公は元医師で腕利きの冷徹で少し謎めいた弁護士だが、彼の、招かれた大手弁護士事務所の刑事部門の(リストラ含み)の強化策に、反発を感じながらも事務所に残ったメンバーたちが

  • 奇巌城(ルブラン)

    JUGEMテーマ:ミステリ これ読むの小学校以来ですよ。懐かしいな。もっとも、あの時読んだのはポプラ社から出ていた子供向けの本だったので、一般向けのものを読むのは今回が初めて。それでも、読んでいて出てくるのは、「ああ、こんな暗号だったな

  • 死ねばいいのに(京極夏彦)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあり久しぶりの京極夏彦。しかも彼の現代物を読むのは本当に久しぶり。六つの話から成る。渡来健也という若い男が突然やって来て、殺された女性について色々尋ねてくる、というのが1話から4話。5話は刑事、6話は国選

  • 警視庁草紙(山田風太郎)

    JUGEMテーマ:ミステリ 上下2巻。週刊モーニングに連載されている漫画を立ち読みして面白そうだと思ったので、原作本を購入。著者らしいお色気シーンはあるし、何より歴史上の有名人物(実在・架空を問わず)が数多く登場するのが楽しい。主人公が

  • 昭和史 1926−1945(半藤一利)

    JUGEMテーマ:日本の歴史 著者は真面目なジャーナリストなんだろうな、というのが最初の感想。読んでいると細かい点までキッチリ調べていることがわかる。それがまた幅広いのよ。軍人から作家、芸人等々、様々な分野の人たちの声を拾い集めている。

  • 大東亜戦争肯定論(林房雄)

    JUGEMテーマ:歴史 竜頭蛇尾の典型。「大東亜戦争とは真珠湾攻撃に始まる太平洋戦争とは違う、明治維新の約20年前を始期とし、昭和20年8月15日に終わった西力東漸に対する百年戦争のことだ」と云う著者は、歴史の後付け解釈を批判する。「昭

  • ゆえに、警官は見護る(日明恩)

    JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあり 図書館本。無骨で真面目な武本とやることなすこと警察の常識外のエリート潮崎のコンビが活躍するシリーズの4作目。個人的には武本の動きを描いている部分がハードボイルドタッチで気に入っているので今

  • ブラック・ヴィーナス 投資の女神(城山真一)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあり 図書館本。この著者の「看守の流儀」を借りようと思ったら貸出中だったので、こちらを借りてみたんだけど、何て言って良いかわからないくらい酷い。最近読んでいる日明恩は、文章を畳みかけるように繋げることでス

  • やがて警官は微睡る(日明恩)

    JUGEMテーマ:ミステリ 凶悪犯グループのホテルジャックに巻き込まれた刑事が苦境を解決しようと活躍する…って、これはもう完全に「ダイハード」。実際、作品内でそれを認めてるしね。後半になると、それに犯人グループの内部崩

  • 淋しい狩人(宮部みゆき)

    JUGEMテーマ:ミステリ 6編が収められている。これ、昔ドラマ化されたのが去年の9月に再放送されたんだけど、その時に、この作品をまだ未読だったことに気づき、ドラマは見ずに文庫本を買ったんだ。でも、そのまま積読状態になっていたのを、よう

  • 辛口サイショーの人生案内DX(最相葉月)

    新聞の人生相談なんて当たり障りのない答えばかりだと、ずっと思っていた。でもある日、SNSで紹介されていた最相葉月の人生相談を読んで、その切れ味の鋭さに印象が一変した。相手に寄り添うだけでなく、時には相談者の心の奥の闇を表に引き出すことも厭

  • 嫌われた監督(鈴木忠平)

    JUGEMテーマ:スポーツ 各章とも、徹底した個人主義者の落合監督の考えを掴みきれずに戸惑う選手やスタッフの姿と著者の動きが交互に記される形になっている。エピローグ前の12章、荒木編で、その落合監督の考えが少しだけ解き明かされる。特に荒木の

  • 濁り水(日明恩)

    JUGEMテーマ:ミステリ 図書館本。昨年11月に発行された消防士シリーズ最新作。これも文章のテンポが速い。それと伏線の配置の仕方。いかにも怪しげなランニング男は、やはりその通りの展開になったが、あの爺さんが重要なポイントになるとは、登

  • 啓火心(日明恩)

    JUGEMテーマ:日本文学 図書館本。久しぶりにこのシリーズ読んだ。つうか、これ7年前に出てたのね。1作目、2作目からの間隔が長いよ。警官の方のシリーズは3作目が9年前に出てたのね。全然知らんかった。あっちも間隔空けすぎ。急いで読まなくちゃ

  • 三省堂国語辞典(第八版)

    JUGEMテーマ:日本語 同社の新明解国語辞典にもいえることだが、初期の編者の呪縛のために自家中毒を起こしている。この辞書は積極的に新語を取り入れるという方針が当初より掲げられていたが、それに拘るあまり国語辞典としての役割が弱くなっているよ

  • 仁義なき戦い 菅原文太伝(松田美智子)

    JUGEMテーマ:映画 東映に関する本を読むのは、個人を取り上げた物と全体に目を向けた物を合わせこれが3冊目だと思うけど、どれも面白いよね。この本は、タイトル通り菅原文太に焦点を当てた物だけど、合間に出てくる、鶴田浩二とか高倉健とか若山

  • 旅する練習(乗代雄介)

    JUGEMテーマ:日本文学※ネタバレあり 図書館本。小学生の姪が持ち帰ってしまった本を返しに叔父と共に徒歩で鹿嶋に向かう。小説家の叔父は文章を書きながら、サッカー少女の姪はボールを蹴りながら。これだけで十分魅力的。そこにジーコネタなんて絡ん

  • 戦争の日本中世史(呉座勇一)

    JUGEMテーマ:歴史 今までに読んだ新潮選書の中では一番読みやすかった。著者は、時に発行当時の流行語を交えながら、中世というわかりにくい時代を「戦争」を視点に解き明かしていく。一貫しているのは「階級闘争史観」に捉われない歴史の見方。そのた

  • 竹中平蔵 市場と権力(佐々木実)

    JUGEMテーマ:政治 表紙の惹句にあるように、竹中平蔵という「改革」に憑かれた経済学者の姿を描いた一冊。中にあるように、竹中は一番勉強した時期に受けた影響が今まで続いているんだろうね。他人の研究も自分の物のように発表してしまう狡猾さ。この

  • 理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ! (西浦博・川端 裕人)

    JUGEMテーマ:ノンフィクション 不謹慎な言い方になるかもしれないが、面白い。専門家会議やクラスター対策班の働きについては、NHKが折に触れスペシャル番組等で紹介していたが、その舞台裏をこんなに早い段階でここまで明らかにした本を出版してく

  • 無冠の男 松方弘樹伝(伊藤彰彦)

    JUGEMテーマ:映画 これは、もうそのまま楽しむ本。片岡千恵蔵、市川右太衛門の頃の明るい時代劇から任侠物や「仁義なき戦い」シリーズに代表される実録物、そして新解釈の時代劇と、東映の一連の作品すべてを知っている数少ない俳優へのインタビュー。

  • 人情裏長屋(山本周五郎)

    JUGEMテーマ:時代小説 11編を収めた短編集。ドラマ「子連れ信兵衛」(「ぶらり信兵衛」)の原作である表題作を読みたくて手に取ったが、他の作品もさすが山本周五郎という感じ。いや、現代劇の「豹」などは、女性の奥深い処が描かれていてゾクッ

  • 文学賞メッタ斬り! たいへんよくできました編(大森望・豊崎由美)

    JUGEMテーマ:日本文学 シリーズの中で唯一未読だった一冊。2008年の本なので取り上げられているのは12年も前のものだけど、批評という作業に古さは無いからね。大森と豊崎両氏の「八日目の蝉」に対する高評価は納得だな。あれは良い。長嶋有や石

  • それまでの明日(原?)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあり 前作から14年ぶりの作品。沢崎も50を過ぎたか。結局、殺されたのは一人だけ。典型的なハードボイルドより最近は本格物のほうが殺人は多いようだ。調査を依頼した人間の正体、既に死んでいた調査対象、調査の過

  • たかが殺人じゃないか(辻真先)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあり 図書館本。最初に出てくるのが犯人というのは、辻真先らしい遊び心か。88歳でこれだけの作品を書けることに驚いた。二つの殺人が起きるが、後の事件で犯人の見当はつくよね。この手の話で動機は取って付けたもの

  • 愚か者死すべし(原?)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあり 誤りだったと思われたものが実は誤りじゃなかった…。このシリーズに慣れたせいで、、若い刑事が容疑者を庇って撃たれた時も「これは誤射じゃなく、初めからこの刑事が狙いだったのでは?」という勘

  • 冬の狩人(大沢在昌)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあります。 図書館本。3人が殺された3年前の料亭殺人事件で、事件後姿を消した重要参考人から出頭するとのメールが県警に届いた。管轄の違う警視庁新宿署の佐江の同行を条件に…。佐江が同行を求められ

  • さらば長き眠り(原?)

    JUGEMテーマ:ミステリ※ネタバレあります。 11年前の甲子園八百長事件。当該球児の嫌疑は晴れたものの、その姉が飛び降り自殺。だた、弟の疑惑を苦にしての自殺だったのか。その真相を沢崎が探ることになるが…というお話。面白かった

  • 戦略立案ハンドブック(デービッド・A・アーカー)

    JUGEMテーマ:ビジネス 職場で経営計画らしきものを作ることになり、それらしき参考書を探し回って見つけた本。正直、私の職場は公益法人なので、企業をメインターゲットとしたこの本では少しズレも感じたし、内容を十分吸収できたとはいえないけど

  • 漂砂の塔(大沢在昌)

    JUGEMテーマ:ミステリ 図書館本。日中露三国合弁の会社のある北方領土の離島で日本人職員が殺された。しかも、その島では90年前に大量殺人があり、今回殺された日本人もその犠牲者の子孫だったらしい。怯える日本人スタッフ達を安心させるために島に

  • 男一匹ガキ大将(本宮ひろ志)

    漫画を取り上げるのは初めて。おっと、今は「漫画」じゃなく「マンガ」か「コミック」か「アニメ」って書いたほうがいいのかな。でも、「男一匹ガキ大将」は、やっぱり「漫画」という気がする。 このところ「鬼滅の刃」が話題だけど、さすがに見る気はしな

  • 聖家族(下)(古川日出男)

    JUGEMテーマ:日本文学 下巻読んでも、やっぱりわからんなぁ。元々、複数の雑誌などに発表したものを合わせたからなのかもしれんけど、断続的な構成がどうしても理解の妨げになる。個々のエピソードは面白いので連続した構成で示されていれば、かなり面

  • 聖家族(上)(古川日出男)

    JUGEMテーマ:日本文学 苦手やなぁ、こういう小説。私はミステリー好きのせいか、どこかに論理的な繋がりが無いと読みづらく感じてしまう。東北地方の土着性。タガの外れた暴力性を持つ兄弟。一族の女に伝わる特殊能力とそれを持つ彼らの妹。彼らの両親

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