料理をすることで肺がんのリスクが高まるという話題がニュースにもなっています。日本の一般的な状況を踏まえて料理による肺がんリスクがどの程度なのかを定量的に示してみます。リスクは無視できるほど低くはありませんが、それほど心配するレベルでもなさそうです。
リスク学を専門とする研究者である永井孝志がリスク評価、リスクコミュニケーション、レギュラトリーサイエンスに関する情報などを提供します。
料理をすることで肺がんのリスクが高まるという話題がニュースにもなっています。日本の一般的な状況を踏まえて料理による肺がんリスクがどの程度なのかを定量的に示してみます。リスクは無視できるほど低くはありませんが、それほど心配するレベルでもなさそうです。
2025年4~2025年9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果33~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2025年度上半期(4~9月)の調査結果から、AI関連のリスクと、トランプ大統領による関税の問題が引き続きトレンドに入っています。
リスク評価は時代遅れなのか?世界における化学物質管理の潮流の変化を解説します
化学物質管理は「リスクベース」で行うことが基本ですが、有害性などの物質の性質で管理方策を決める「ハザードベース」の考え方が強まっています。プラスチック条約や欧州グリーンディールに基づくハザードベースによる化学物質管理の最近の動きについて紹介します。
リスク比較のためのRisktools ver5―食品中残留農薬のリスクのものさし表示ツール
リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver5)では、農薬の食品中残留濃度からリスクの大きさを評価して、リスクのものさしと共に表示する機能を追加しました。
規制のためのリスク評価とリスクコミュニケーションのためのリスク評価の違い
リスクコミュニケーションのためのリスク評価はマクロなアプローチ(詳細ではないがさまざまな種類のリスクを俯瞰的に眺める)のほうが望ましいと考えます。マクロなアプローチの化学物質のリスクへの適用として、実際の農薬の残留基準値超過事例を用いて計算します。
幹細胞治療による死亡事故がニュースとなっていますが、新しい技術である再生医療・幹細胞治療のリスクや法規制などのガバナンスはどのようになっているのでしょうか?特に自由診療の問題点に注目しながら整理しました。
がんは増えているのか?RiskToolsで世代別・部位別に可視化できます
某著名人による「先進国でがんが増え続けているのは日本だけ」という発言を検証します。本ブログのRiskToolsを使うと、直感的に理解しにくい年齢調整死亡率を使うよりも、世代別・部位別のがん死亡率の推移をわかりやすく可視化できます。
欧州の農薬削減目標(リスク50%減)は法規制の撤回前にすでに達成されていた
日本の「みどりの食糧システム戦略」が参考とした欧州の農薬削減目標について解説します。欧州では2023年にすでに農薬のリスク50%削減を達成しましたが、農薬削減目標の指標2つ(農薬の使用量とリスクを50%減、より有害な農薬使用を50%減)の具体的な計算方法などを紹介します。
SNSにおけるニセ情報(デマ)の効果的な対策についての「まとめ記事」
SNSでの偽情報(デマ)に対する訂正情報そのものが悪影響を与えることがあります。2020年3月にトイレットペーパーが品薄になった際、中国産の輸入が停止するから品薄になるというデマに対する訂正情報がSNSで広く拡散され、その訂正情報そのものがトイレットペーパーの買い占め行動を誘発しました。
コロナ禍終了後の2023年から2024年にかけて日本の死亡リスクのトレンドはどのような変化をしたか?
コロナ禍終了後の2024年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。新型コロナウイルスは減少しインフルエンザは増加しました。年代別では若い年代で男女差が縮む傾向が進み、出生率は減少し続けています。
新刊「世界は基準値でできている 未知のリスクにどう向き合うか」が出版されます
安全に関するさまざまな基準値の根拠をわかりやすく解説した拙著「基準値のからくり」の続編となる新刊「世界は基準値でできている」が2025年6月19日に出版されます。オリンピックにおける性別確認、新型コロナ関連、PFASなど、分野を広げて新たな基準値を多数取り上げています。
VUCAの時代にリスクと向き合う3つの方法:リスクベース、予防ベース、熟議ベース
「VUCAの時代」とは将来の予測が困難な時代を指します。リスク学においてV, U, C, Aをそれぞれどう扱うかをまとめた論文を紹介し、「リスクベース」、「予防ベース」、「熟議ベース」という3つのアプローチによるリスクへの向き合い方を解説します。
オーストラリアでは肥満のリスクがタバコのリスクを上回ったことがニュースとなりましたが、本ブログのRiskToolsを用いて肥満とタバコのリスクを比較してみました。リスク指標、時系列の変化、性別、年齢など、視点を変えながら比較してみると、結果も大きく変わってきます。
オーストラリアでは肥満のリスクがタバコのリスクを上回ったことがニュースとなりましたが、本ブログのRiskToolsを用いて肥満とタバコのリスクを比較してみました。リスク指標、時系列の変化、性別、年齢など、視点を変えながら比較してみると、結果も大きく変わってきます。
2024年10~2025年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果32~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2024年度下半期(10~3月)の調査結果から、これまでに引き続きAI関連と、トランプ大統領就任にともなうリスクがトレンドに入っています。
グリホサートを遺伝子組換え作物に使うと乳児が低体重になる? PNAS誌の論文を検証します
アメリカでグリホサートをよく使用している地域では乳児の出生時の体重が低くなっている、という内容の論文について検証しました。論文の解析の問題を指摘し、日本のデータを用いた検証内容を紹介し、最後に乳児の体重減少の本当の理由を考察します。
リスクをテーマとするブログを書いて5年が経ちました~1年間の実績を振り返る7~
2024年4月から2025年3月までの1年間のブログの実績を振り返ってみました。アクセス数や人気記事、検索エンジンからの評価、記事評価ボタンによる評価などをまとめました。
動物実験の結果から化学物質の死亡リスク、損失余命、DALYを求める方法の一案~PFOS・PFOAを例に~
リスク比較ではさまざまなリスクを統一指標で評価する必要がありますが、化学物質のリスクは動物実験から評価することが多いため、死亡率や損失余命、DALYなどの指標で表現することが困難です。そこで、動物実験の結果のみを用いて死亡率、損失余命、DALYを求める簡易な方法を提案します。
法的措置によるニセ情報(デマ・フェイクニュース)の拡散防止効果を検証します
法的措置によるネット上のニセ情報の拡散防止効果を検証するために、日産化学(除草剤ラウンドアップ)とMeiji Seikaファルマ(レプリコンワクチン)による法的措置の前後におけるネット上のトレンドの変化を、Google trendsとYHAOO知恵袋を用いて調べました。
人生を怒りに搾取されるな!SNSでのニセ情報(デマ・フェイクニュース)拡散とレイジベイティング
SNS時代になり拡散しやすい情報は不安・恐怖から怒りに変化し、リスクコミュニケーションもその変化に対応する必要があります。インプレッション狙いでわざと怒りのエサをばらまく行為(レイジベイティング)や怒りの感情がデマ拡散に与える影響を調べた研究成果について解説します。
自発的なリスクと非自発的なリスクその2~1969年のスターの研究を読みとく~
「自発的なリスクは非自発的なリスクよりも受容性が高い」という結果を示した古典である1969年に公表されたスターの研究を紹介します。論文の内容とともにその限界点も併せて紹介し、この限界を踏まえてリスク心理学がどのようなアプローチでリスク認知研究を進めたかという流れも示します。
自発的なリスクと非自発的なリスクその1~線引きすることの是非~
一般的に自発的なリスクは非自発的なリスクよりも受容性が高いと言われていますが、自発的・非自発的なリスクという区分自体がそもそもあいまいなものであり、区分自体が過剰な自己責任論を引き起こし、自発的で高いリスクを許容している現状を肯定することにもつながることについて解説します。
バイオスティミュラントで農薬削減?その2~バイオスティミュラントのリスクは?~
農薬とも肥料とも異なるカテゴリの農業資材であるバイオスティミュラントについて解説する記事のその2です。バイオスティミュラントのリスクとして、バイオスティミュラントを名乗って農薬まがいの資材が出てくる可能性について、過去の農薬取締法改正の歴史を踏まえながら解説します。
バイオスティミュラントで農薬削減?その1~バイオスティミュラントと農薬は何が違う?~
農薬とも肥料とも異なるカテゴリの農業資材であるバイオスティミュラントについて解説する記事のその1です。農薬削減につながるとも言われていますが、バイオスティミュラントとは何かについて改めて整理し、欧州における規制の枠組みや安全性への懸念を解説します。
PFOS・PFOA問題とPFAS問題は全く違うがちゃんと区別されていない
「PFAS」がタイトルに入ったニュースが多数報道されていますが、そのほとんどはPFOS・PFOAの2物質に限定した内容であり、10000種類以上もあるPFAS全体の問題ではありません。PFOS・PFOA問題とPFAS全体の問題とはまったく別の問題であり、これらをごっちゃにすることで別の問題も発生します。
リスク指標としての「損失余命」と同じように選挙の際に余命で1票を重み付けるとどうなるか?
人口の少ない若者世代の声をより政治に反映させるために、リスク指標としての「損失余命」と同じように、選挙の際に平均余命で票を重み付けした(余命投票方式)ならどんな結果が得られるか?を2024年の衆院選のデータからシミュレーションしました。
「ゼロリスク」のシンプルなメッセージは妥当か?―ゼロリスクを求める心理学―
市民には小難しいことを言っても伝わらないからシンプルに「リスクはゼロです」というメッセージを出すべきなのでしょうか?この妥当性を考えるために、ゼロリスクを求める心理学や本当に人々はゼロリスク志向なのか?について解説します。
異なる種類のリスクを比較してはいけない?~リスク比較の「神話」を検証します~
「異なる種類のリスク比較は受け入れられない」と記されたCovelloらによる「リスク比較のガイドライン」は現在でも大きな影響力を持っています。このガイドラインの「リスク比較ランキング」の検証結果をまとめた論文を紹介します。
ニセ情報(デマ・フェイクニュース)対策の心理学:どんな対策が有効か?
ニセ情報(デマ・フェイクニュース)対策の心理学についての最近の研究成果を3つ(誤情報の拡散対策の効果、誤情報を拡散する心理と報酬、心理的予防接種の効果)紹介して、どんなニセ情報対策が有効か?をまとめます。
(1)農産物のインターネット通販における無農薬表記、(2)農薬として使用できない除草剤、(3)私有地での無免許運転、を例に、法令違反ではなくてもコンプライアンス的に問題がある行為(法律の目的や社会的背景、倫理規範にそぐわない行為)について整理します。
消防士の職業曝露に発がん性があることが確認されています。そこで消防士の消防士の発がんリスクを比較します。消防士の殉職のリスクや発がんリスクを比較し、PFASに由来する発がんリスクも別途比較してみました。
AIなどの新しいリスクが注目される中、リスク学では倫理の重要性が増しています。これまでに本ブログで倫理的なことを扱った記事を掘り起こし、以下の3つのトピック:(5)規制か自由か、(6)ELSI、(7)倫理と道徳、について再整理します。
リスクと倫理その1:リスクの善悪、功利主義、リスク評価と価値判断、予防原則
AIなどの新しいリスクが注目される中、リスク学では倫理の重要性が増しています。これまでに本ブログで倫理的なことを扱った記事を掘り起こし、以下の4つのトピック:(1)よいリスクと悪いリスク、(2)功利主義、(3)リスク評価と価値判断、(4)予防原則、について再整理します。
2024年4~2024年9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果31~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2024年度上半期(4~9月)の調査結果から、AI関連は高い注目を集め続けており、台風等による水害、コロナワクチン、中東や中国の情勢に関するものなどがトレンドに入っています。
リスクマネジメントとしてのTNFD その2:TNFD対応とはどのようなものか?
TNFDについて解説する2回目の記事として、TNFD対応とはどのようなものかをまとめます。まず、TNFDに取り組むガイダンスであるTNFD提言を紹介し、実際の開示例として世界に先駆けて取り組んだキリンの環境報告書を紹介します。
リスクマネジメントとしてのTNFD その1:TNFDとネイチャーポジティブ
生物多様性関連で最近よく聞くキーワードである「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」と「ネイチャーポジティブ」について解説します。TNFDはリスクマネジメントの一部であり、自然環境が自社のビジネスにどう影響するか?というリスクの開示を目指しています。
コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ? サイエンス誌の論文を検証します
コウモリは虫をたくさん食べることが知られていますが、サイエンス誌に最近掲載された「コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ?」という内容の論文について検証しました。本当に農薬の影響と言えるかどうかや乳児死亡率自体のバラつきについて考察します。
コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ? サイエンス誌の論文を検証します
コウモリは虫をたくさん食べることが知られていますが、サイエンス誌に最近掲載された「コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ?」という内容の論文について検証しました。本当に農薬の影響と言えるかどうかや乳児死亡率自体のバラつきについて考察します。
デジタル庁が公開している市町村別の地域幸福度(Well-Being)指標について解説します。まず地域幸福度とはどのようなものかを紹介し、実際の事例を見ながら幸福度指標をどのように活用していくかについても解説します。ランキングが目的ではないことに注意が必要です。
情報セキュリティ白書2024は誤・偽情報(フェイクニュース、デマ)の最新状況がよくまとまっている
ブラジルでX(旧ツイッター)が禁止されましたが、偽情報対策としてファクトチェックやプラットフォーム規制が注目されています。本記事では情報セキュリティ白書2024における誤・偽情報の脅威と対策の内容を整理し、リスク学的な視点から現在欠けている視点について考察します。
南海トラフ地震臨時情報「1週間」のほんとうの意味:自治体の半分で受忍の限度を超えている
2024年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されましたが、「1週間は巨大地震の確率が数倍高まる」の意味について解説します。また、1週間という期間は地震発生確率と社会経済の受忍限度のバランスで決まりましたが、実は1週間だと自治体の半分で受忍の限度を超えています。
南海トラフ地震臨時情報「1週間」のほんとうの意味:自治体の半分で受忍の限度を超えている
2024年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されましたが、「1週間は巨大地震の確率が数倍高まる」の意味について解説します。また、1週間という期間は地震発生確率と社会経済の受忍限度のバランスで決まりましたが、実は1週間だと自治体の半分で受忍の限度を超えています。
激辛食品は健康に良いのか悪いのか?カプサイシンのリスクとベネフィット
激辛チップスを食べた高校生が集団で搬送されるなど、激辛ブームに伴う健康影響の懸念が高まっています。辛み成分であるカプサイシンの健康影響についてまとめ、辛さを示すスコヴィル値について解説します。加えて辛み成分が逆に健康に良いかもしれない点についてもまとめます。
リスク比較のためのRisktools ver4を公開しました
リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver4)では、「死因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータを追加、「リスク要因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータ・性別とリスク指標の選択を追加しました。
とあるニュースが震災による死者数の男女差を問題視しています。そこで、人口動態調査のデータを用いて1995年(阪神淡路大震災)と2011年(東日本大震災)における震災による死亡リスクを算出し、年代別・男女別に示して比較してみました。
有機フッ素化合物「PFAS」に関する基礎知識、リスク評価、基準値問題、規制動向などについての「まとめ記事」。
有機フッ素化合物PFASのリスクその5:PFOS・PFOAの生態リスクはどれくらい?
河川水からPFAS高濃度で検出された場合、ヒトの健康に対するリスクだけではなく水生生物に対する生態リスクも考える必要があります。健康影響におけるADIに相当する生態影響のPNECを整理すると、現時点でPFOS・PFOAの生態リスクの懸念は低いと判断されました。
根拠に基づく栄養学としての食事摂取基準(食塩の目標値に注目!)
塩分の摂りすぎは大きな健康リスクがあり、日本人の食事摂取基準(2025年度版の案)では食塩の目標量は男性7.5g/日、女性6.5g/日となっています。本記事では食事摂取基準の総論や、食塩の目標量の根拠、食塩の目標量の歴史的変遷について順に紹介していきます。
コロナ禍終盤の2022年から2023年にかけて日本の死亡リスクのトレンドはどのような変化をしたか?
コロナ禍終盤となった2023年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。新型コロナウイルスは減少しインフルエンザは大きく増加しました。年代別では10-20代女性と30代男性の死亡率の増加が特徴的となりました。
本の紹介:EBPMの組織とプロセス: データ時代の科学と政策
私も執筆者の一人である書籍「EBPMの組織とプロセス: データ時代の科学と政策(佐藤ら編著)」について紹介します。さまざまな分野におけるEBPMの現状や課題について、特に科学と政策の橋渡しを構成するの4つのプロセス(エビデンスの生成、統合、仲介、対話)に焦点をあてたことに特徴があります。
食品安全の専門家とメディアの専門家がタッグを組んで、フェイクニュースへの対処法を解説した本「フェイクを見抜く」を紹介します。特に(1)ニュースが作られる裏側、(2)農薬をめぐる報道姿勢、(3)ファクトvsフェイクという対立軸の変遷に注目して紹介していきます。
新NISAの制度が2024年から開始され、投資のリスクが注目されています。投資のリスクは年間リターンの変動幅(標準偏差)で表現できます。これをものさしとしてさまざまな金融商品のリスク比較を行い、さらに金融商品の組み合わせでリスクをコントロールする方法を紹介します。
コロナ禍における日本と世界のリスクをDALYで俯瞰する―世界疾病負荷2021
リスクを俯瞰する試みとして世界疾病負荷(GBD)研究の2021年度版を紹介します。DALYを指標としてコロナ禍における日本と世界のリスクを比較してみました。新型コロナ関連のリスクは日本では低い(交通事故と火事の間)ものの世界ではがんを上回り非常に高くなりました。
日本人は海外に比べてフェイクニュース・ニセ情報にだまされやすいという結果が出ていますが、これをどう受け止めたら良いのでしょうか?最近の調査事例や政府の取り組みなどを整理し、加えて「ニセ情報に騙される人は増えたのか?」という疑問について考えます。
2023年10~2024年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果30~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2023年度下半期(10~3月)の調査結果から、AI関連は高い注目を集め続けていますが、大災害となった能登半島地震はトレンドに入ってきませんでした。
孤独・孤立は死亡率を高める直接的なリスクや、急激な人口減少など社会的なリスクにつながります。孤独と孤立の違いやそれぞれの測定方法、孤独・孤立の死亡リスクに関する研究事例、コロナ禍のソーシャルディスタンスによる婚姻・出生の減少の状況についてまとめます。
生物屋は理想的な保全の姿を農業者に求め、農業者は現場での実行可能性を重視するというすれ違いがSNSなどで繰り返し目立ちます。どうしてすれ違いが繰り返されるのかについて、保全目標の重要性や専門家の活用の可能性の観点などからまとめます。
リスクをテーマとするブログを書いて4年が経ちました―年間の実績を振り返る6―
2023年4月から2024年3月までの1年間のブログの実績を振り返ってみました。アクセス数や人気記事、記事評価ボタンによる評価などをまとめました。ただしこの間にGoogle Analyticsの仕様が大きく変わり、これまでのようなデータを取得するのが難しくなりました。
天然物による健康影響は原因特定が難しい:謎の腎臓病を引き起こした物質の事例
小林製薬が製造した紅麹サプリメントによる腎臓疾患が報告されましたが、天然物による健康影響は原因物質の特定が非常に困難です。腎臓病を引き起こした類似の事例として、ヨーロッパのバルカン地方で発生した謎の腎臓病の原因物質を特定するに至るまでの興味深い出来事を紹介します。
農林水産省の補助金を受ける場合に環境負荷低減の取組が義務化されます(クロスコンプライアンス制度)。欧州では2005年から義務化されており日本は制度的に遅れています。一方で実際のリスクの比較として残留農薬基準の超過率を日欧で比べてみると興味深い関係が明らかになります。
有機フッ素化合物PFOS・PFOAの発がんリスクの大きさはどれくらいか?
IARC(国際がん研究機関)はPFOSを「発がん性がある可能性がある」、PFOAを「発がん性がある」に分類しましたが、日本の食品安全委員会は証拠は不十分としています。仮に発がん性がある(+遺伝毒性あり)とみなした場合の発がんリスクを計算した結果を紹介します。
飲酒(アルコール)のリスクその3:飲酒ガイドライン正式版への反応
飲酒ガイドラインの正式版が公表され、業界への配慮と飲酒量を減らそうというメッセージの両立を目指す修正がなされました。ガイドラインの案と正式版の違いを紹介し、ガイドラインに関連するX(旧ツイッター)のリプライを解析し、どのような反応(特に誤解)が生じているのかをまとめます。
飲酒(アルコール)のリスクその3:飲酒ガイドライン正式版への反応
飲酒ガイドラインの正式版が公表され、業界への配慮と飲酒量を減らそうというメッセージの両立を目指す修正がなされました。ガイドラインの案と正式版の違いを紹介し、ガイドラインに関連するX(旧ツイッター)のリプライを解析し、どのような反応(特に誤解)が生じているのかをまとめます。
性犯罪の再犯リスク:日本版DBSによって教育現場での性犯罪リスクはどれくらい下がるのか?
性犯罪歴のある人を教育現場から排除するための日本版DBSの検討が進んでいますが、これは性犯罪者は再犯することを前提としたシステムです。性犯罪の再犯率について実際のデータを整理し、それと一般の人がイメージしている性犯罪の再犯率が大きく異なっていることを示します。
欧州における水道水中農薬基準(0.1μg/L)は健康リスクと無関係
水道水から農薬が検出された場合に、欧州における水道水中農薬基準0.1μg/Lと比較されることがありますが、この基準は健康リスクと無関係です。実際には健康影響の目安となる別の基準が設定されており、そちらのほうと比較するべきでしょう。これらの基準値のからくりについて解説します。
農薬の規制強化と有機農業の推進から考える規制行政と推進行政の違い
農薬の規制と有機農業の推進はセットで語られることが多いのですが、この二つは似ているように見えてまったく違います。規制は経済への介入となるため慎重さ・科学的根拠・国際調和が求められ、推進はそれよりもお気持ちが通りやすく暴走しやすいという特徴があります。
リスク教育はリスクを学ぶための強力な手法ではありますが、間違った方向に進むという教育リスクもあるため、学校でのリスク教育にはあまり期待しすぎないほうがよさそうです。教育リスクの特徴は「教育は善いことなのでリスクはつきもの」という考え方からリスクを軽視することにあります。
能登半島地震により真冬の避難生活が続いていますが、寒い室内での生活には高い死亡リスクがあります。ただし、夏の熱中症ほどには冬の寒さのリスクはあまりニュースになりません。本記事では熱中症と低体温症のリスクを比較したり、心筋梗塞などの寒さによる間接的な死亡リスクの大きさを整理します。
飲酒(アルコール)のリスクその2:アルコール摂取量と死亡率の関係
飲酒ガイドラインの目安量(男性40g/日、女性20g/日)と比較して日本人の飲酒量はどれくらいか?、アルコール摂取量と死亡率に関するJ型カーブの謎(なぜまったく飲まない人よりも多少飲む人のほうが死亡率が低くなるのか)、お酒の種類や休肝日の影響について調べた結果、をそれぞれまとめました。
今週は年末年始のためいつものブログ記事の更新はお休みです。かわりに過去記事を見ながら2023年を振り返ってみたいと思います。
飲酒(アルコール)のリスクその1:飲酒ガイドラインの男性40g/日・女性20g/日の根拠は謎だらけ
生活習慣病のリスクを高める飲酒量として男性40g/日・女性20g/日という数字を示した飲酒ガイドラインの内容を紹介(実際には飲酒量の基準を示したものではない!)し、男性40g/日・女性20g/日はどこから出てきた数字なのかの謎を解き明かします。
農家の自殺リスクは高いのか?の検証として、業種別自殺リスクとそれらの経年変化をまとめました。農業は就業者総数に比較して自殺リスクが高いのですがその解釈は単純ではなく、農業という業種の影響、自営業であることの影響、就業者総数の自殺リスクの過小評価など、考慮すべき点が複数あります。
自殺のリスク評価その1:若者ほど増加傾向で高齢者ほど減少傾向
自殺のリスク評価の第1回として、年代別の自殺リスクについてまとめます。自殺リスクはかつては高齢者が多かったのですが、若者ほど増加傾向で高齢者ほど減少傾向となっています。リスク指標として死亡率で見るか、損失余命で見るかでイメージが大きく変わります。
BMIと死亡率の関係はU字型のカーブとなり、やせでも肥満でも死亡率が高くなりますが、標準体重(BMI22)よりも多少肥満よりで死亡率が低くなります。肥満の死亡率が低くなる「肥満のパラドックス」とやせの死亡率が高いことについて、いくつかの研究を紹介しながら深掘りしてみます。
BMIの基準値のからくりその1:BMIの起源と標準体重の決め方
線引き問題の一つとして、肥満の指標となるBMI(Body Mass Index)をめぐる基準値問題に着目します。BMIの起源や問題点、肥満の線引き、BMIに代わる指標やメタボ診断の基準などについて整理していきます。BMIの使用には人種・性別・年代・筋肉量・皮下脂肪と内臓脂肪の区別などの考慮に課題や問題があります。
農家はうつ病になりやすいのか?農薬がうつ病の原因なのか?を検証します
農家はうつ病になりやすいのか?を検証するため、米国の質の高い疫学調査における農薬使用とうつ病との関係を調べた結果を紹介し、さらに日本の職業別悩み・ストレス・心の状態のデータから農家のストレス度を比較します。いずれも結果の解釈が難しく注意が必要なことがわかりました。
2023年4~2023年9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果29~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2023年度上半期(4~9月)の調査結果から、生成AI使用のリスクがさらに注目度を高めたことが示されました。
食品安全では科学的な評価よりもリスクコミュニケーションがボトルネックになってきた
食品安全の世界では、安全性そのものよりも社会の受容性のほうがボトルネックになりつつあります。そのような時代における、リスコミの主戦場となっているSNS対策、コミュニケーションしやすいリスク評価の必要性、政府のリスコミの総合調整役である消費者庁の実際の取り組みについて整理します。
食品関係のリスクを俯瞰する試み:農薬やPFASなどの位置づけはどの辺か?
食品によるリスクの全体像はどのようなもので、どの要因がどのくらい大きいのか?という全体を俯瞰するマクロなアプローチが不足しています。そこで、世界疾病負荷研究のデータを用いて食品関係のリスクを俯瞰します。農薬やPFASなど話題の化学物質の位置付けも併せて示します。
なにかしなくちゃ症候群:効果がある対策よりも目立つ対策が好まれる
リスクは一般的に目に見えにくい性質があるため、リスク低減対策はその効果よりも目立つ、わかりやすい、話題になるなどの対策が好まれる傾向があります。そのような目立つ対策に飛びついてしまう「なにかしなくちゃ症候群」の中で、効果がないことをわかりつつあえて行う「確信犯」の存在に注目します。
さまざまな分野で「日本も欧米を見習ってもっと強い規制を!」などの話をよく耳にしますが、日本は独自のお願い事ベースの緩い管理が成功してきた実績があります。コロナ対策、性犯罪の履歴確認、農作業安全の3つの事例を取り上げて、規制制度の比較と実際のリスクの大きさを比較すると面白い傾向が見えてきました。
インフルエンサーのSNSを見て「何者かにならなければいけない」という焦りが過剰になると、オンラインサロンや情報商材への過剰な課金、嘘で固めたSNS運営、炎上系YouTuberになる、陰謀論にドはまりする、などのリスクがあるため、若者向けには「焦って何者かになろうとしなくてよい」というメッセージが必要になります。
ALARAの原則は単なるスローガンではない:韓国による水産物禁輸措置に対するWTO訴訟でなぜ日本は負けたのか?
原発処理水の海洋放出により、中国は日本の水産物を禁輸としました。今後の対応の参考として、WTOとSPS協定について解説し、2019年に日本が韓国に敗訴した理由についておさらいます。争点の一つとなったALARAの原則についてどう向き合えばよいかに注目して解説します。
排水基準と環境基準の関係:原発処理水と事業所排水の考え方の違いに注目
排水基準と環境基準の関係について、原発処理水と事業所排水ではその考え方に大きな違いがあります。原発処理水の排水基準は飲んでも問題なレベルとしてトリチウム1500Bq/Lが設定されていますが、事業所排水では飲めるレベルにまで処理する必要はなく、放出された環境中で希釈された後に飲めるレベルになっていることが求められます。
有機フッ素化合物PFASのリスクその4:PFASのリスク評価と母乳育児の悩ましい関係
PFAS問題の解説その4として、20種類のPFASのリスク評価の事例を紹介します。乳児のPFAS摂取量は母乳を飲んだ量でほぼ決まってしまいますが、母乳は感染症のリスクを下げる効果があるのに「PFASでワクチン抗体価が下がる!危険だ!」というリスク評価には大きな疑問が残りました。
有機フッ素化合物PFASのリスクその3:PFASがなくなると我々の生活はどう変わるか?
PFAS問題の解説その3として、PFASがなくなると我々の生活はどう変わるかについてまとめます。PFAS使用禁止によって使用エネルギーは増大し(温暖化対策は後退し)、モノ全体の寿命は縮み、安全性が損なわれます。また、PFAS代替物質のリスクがPFASのリスクを上回るリスクトレードオフも懸念されます。
有機フッ素化合物PFASのリスクその2:フッ素樹脂が巻き添えで欧州のPFAS規制対象になった
PFAS問題の解説として、PFOS・PFOAからPFASへ世間の注目が変化したことをGoogle trendsを用いて示します。次に、PFASとは何か?についてリスクの観点から大きく3つに分けて解説します。そして欧州で進んでいるリスク評価を伴わないPFAS一律禁止措置の動向について紹介します。
有機フッ素化合物PFASのリスクその1:米国のPFOS・PFOAの規制強化の根拠は免疫力の低下
世界的な規制強化の流れにある有機フッ素化合物PFASについて複数回にわたり解説します。その1では、PFOS・PFOAの米国の飲料水新基準値案に焦点をあてて解説します。有害性評価ではワクチン抗体価の減少というあまり見なれないエンドポイントを採用しています。
熱中症対策と塩分摂取の関係その2:熱中症と塩分摂取のリスク比較
熱中症予防に塩分摂取という情報が広がっている中、熱中症のリスクと塩分の過剰摂取のリスクを比較するとどうなのかを解説します。それに加えて、塩の過剰摂取に関する最近の話題や、減塩の効果とそのための面白い技術なども併せて紹介します。
コロナ禍の2021年から2022年にかけて日本の死亡リスクのトレンドはどのような変化をしたか?
2022年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。他殺や結核・ウイルス性肝炎は減少、一方でコロナ・不慮の事故、老衰、循環器系疾患の増加が目立ちました。年代別では10代後半の女性と100歳以上の死亡率の増加が特徴的となりました。
新型コロナウイルス対策をめぐる基準値のからくり~まとめ記事~
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関する各種線引き問題の「まとめ記事」。ソーシャルディスタンス、ステージ区分、職場復帰までの日数、相談・受診の目安日数、換気の基準、濃厚接触の基準、飛沫感染・エアロゾル感染・空気感染の線引きなどをまとめています。
依存のリスク:旧統一教会だけではなく幅広い分野でリスク評価が必要
旧統一教会の解散命令請求に向けた動きに手詰まり感があるなか、宗教だけでなくさまざまな「依存のリスク」の問題が発生しています。依存させる側のリスク評価の必要性、宗教以外どのような「依存のリスク」があるか、依存のメカニズムや依存しやすい人の特徴、についてまとめました。
chatGPTなどの大規模言語モデルや画像生成AIの登場に伴う新たなリスク
2022年の後半ころからAIのリスクについてのニュースが増えてきましたが、AIによる新たなリスクに向き合っていくために、chatGPTに代表される大規模言語モデルのリスクや画像生成AIのリスクについて整理し、政府のAI戦略会議が最近取りまとめたリスクと論点整理の内容を紹介します。
残留農薬基準値の決め方その4:「ADIを超えないように」決めた目安残留濃度の一覧(587農薬)を作りました
残留農薬基準は「農薬を正しく使用しているかどうか」という農業規範としての基準であり、健康影響に関係する基準ではないため複雑怪奇になっています。そこで「ADI(許容一日摂取量)を超えないように」計算した健康影響に関する目安残留濃度の一覧(587農薬)を紹介します。
安全と安心の違い再考~同じようで違っていて、違うようで同じである~
「安全」と「安心」はセットで使われることが多いのですが、「安全と安心は違う!安全は科学的、安心は心理的なもの」という安全安心二分論も頻繁に見かけます。ただし実際には「安全」の中にも心理的な要素は含まれており、同じようで違っていて違うようで同じ概念と整理できます。
除草剤プロピザミドは炎症性腸疾患の原因となるか?Nature論文を読み解きます
除草剤のプロピザミドが炎症性腸疾患を発生させていると主張しているNature論文の内容を解説します。現実離れした高濃度で発生することを示しただけでリスク評価には役に立たない内容です。現実的な曝露量における影響の考察を行い、なぜこの論文がNatureに掲載されたついても考察します。
2022年10月~2023年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果28~
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、Twitter、News APIを用いて「リスク」や「リスクコミュニケーション」のトレンドを定点調査しています。本記事は2022年度下半期(10~3月)の調査結果を報告します。アフターコロナの時代になって多様なリスクに注目が集まっていることが示されています。
目立つデマ発信者を黙らせるのではなく、見えないサイレントマジョリティからの信頼を得ることを目指してデマに対応しようという提案をします。なぜ対決姿勢ではダメでサイレントマジョリティを相手にすべきなのかを解説し、信頼を得るための方法についても解説します。
政府の外部有識者の選定基準:知識を生み出す能力と知識を社会に応用する能力は異なる
政府に外部有識者として呼ばれている人たちの中に専門家ではない人が混ざりますが、知識を生み出す能力と知識を統合して社会に応用する能力は別物であり、査読論文や被引用数は前者の能力の指標にしかなりません。後者の能力をどのように判断するかを考えてみました。
料理をすることで肺がんのリスクが高まるという話題がニュースにもなっています。日本の一般的な状況を踏まえて料理による肺がんリスクがどの程度なのかを定量的に示してみます。リスクは無視できるほど低くはありませんが、それほど心配するレベルでもなさそうです。
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2025年度上半期(4~9月)の調査結果から、AI関連のリスクと、トランプ大統領による関税の問題が引き続きトレンドに入っています。
化学物質管理は「リスクベース」で行うことが基本ですが、有害性などの物質の性質で管理方策を決める「ハザードベース」の考え方が強まっています。プラスチック条約や欧州グリーンディールに基づくハザードベースによる化学物質管理の最近の動きについて紹介します。
リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver5)では、農薬の食品中残留濃度からリスクの大きさを評価して、リスクのものさしと共に表示する機能を追加しました。
リスクコミュニケーションのためのリスク評価はマクロなアプローチ(詳細ではないがさまざまな種類のリスクを俯瞰的に眺める)のほうが望ましいと考えます。マクロなアプローチの化学物質のリスクへの適用として、実際の農薬の残留基準値超過事例を用いて計算します。
幹細胞治療による死亡事故がニュースとなっていますが、新しい技術である再生医療・幹細胞治療のリスクや法規制などのガバナンスはどのようになっているのでしょうか?特に自由診療の問題点に注目しながら整理しました。
某著名人による「先進国でがんが増え続けているのは日本だけ」という発言を検証します。本ブログのRiskToolsを使うと、直感的に理解しにくい年齢調整死亡率を使うよりも、世代別・部位別のがん死亡率の推移をわかりやすく可視化できます。
日本の「みどりの食糧システム戦略」が参考とした欧州の農薬削減目標について解説します。欧州では2023年にすでに農薬のリスク50%削減を達成しましたが、農薬削減目標の指標2つ(農薬の使用量とリスクを50%減、より有害な農薬使用を50%減)の具体的な計算方法などを紹介します。
SNSにおけるニセ情報(デマ)の効果的な対策についての「まとめ記事」
SNSでの偽情報(デマ)に対する訂正情報そのものが悪影響を与えることがあります。2020年3月にトイレットペーパーが品薄になった際、中国産の輸入が停止するから品薄になるというデマに対する訂正情報がSNSで広く拡散され、その訂正情報そのものがトイレットペーパーの買い占め行動を誘発しました。
コロナ禍終了後の2024年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。新型コロナウイルスは減少しインフルエンザは増加しました。年代別では若い年代で男女差が縮む傾向が進み、出生率は減少し続けています。
安全に関するさまざまな基準値の根拠をわかりやすく解説した拙著「基準値のからくり」の続編となる新刊「世界は基準値でできている」が2025年6月19日に出版されます。オリンピックにおける性別確認、新型コロナ関連、PFASなど、分野を広げて新たな基準値を多数取り上げています。
「VUCAの時代」とは将来の予測が困難な時代を指します。リスク学においてV, U, C, Aをそれぞれどう扱うかをまとめた論文を紹介し、「リスクベース」、「予防ベース」、「熟議ベース」という3つのアプローチによるリスクへの向き合い方を解説します。
オーストラリアでは肥満のリスクがタバコのリスクを上回ったことがニュースとなりましたが、本ブログのRiskToolsを用いて肥満とタバコのリスクを比較してみました。リスク指標、時系列の変化、性別、年齢など、視点を変えながら比較してみると、結果も大きく変わってきます。
オーストラリアでは肥満のリスクがタバコのリスクを上回ったことがニュースとなりましたが、本ブログのRiskToolsを用いて肥満とタバコのリスクを比較してみました。リスク指標、時系列の変化、性別、年齢など、視点を変えながら比較してみると、結果も大きく変わってきます。
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2024年度下半期(10~3月)の調査結果から、これまでに引き続きAI関連と、トランプ大統領就任にともなうリスクがトレンドに入っています。
アメリカでグリホサートをよく使用している地域では乳児の出生時の体重が低くなっている、という内容の論文について検証しました。論文の解析の問題を指摘し、日本のデータを用いた検証内容を紹介し、最後に乳児の体重減少の本当の理由を考察します。
2024年4月から2025年3月までの1年間のブログの実績を振り返ってみました。アクセス数や人気記事、検索エンジンからの評価、記事評価ボタンによる評価などをまとめました。
リスク比較ではさまざまなリスクを統一指標で評価する必要がありますが、化学物質のリスクは動物実験から評価することが多いため、死亡率や損失余命、DALYなどの指標で表現することが困難です。そこで、動物実験の結果のみを用いて死亡率、損失余命、DALYを求める簡易な方法を提案します。
法的措置によるネット上のニセ情報の拡散防止効果を検証するために、日産化学(除草剤ラウンドアップ)とMeiji Seikaファルマ(レプリコンワクチン)による法的措置の前後におけるネット上のトレンドの変化を、Google trendsとYHAOO知恵袋を用いて調べました。
AIなどの新しいリスクが注目される中、リスク学では倫理の重要性が増しています。これまでに本ブログで倫理的なことを扱った記事を掘り起こし、以下の3つのトピック:(5)規制か自由か、(6)ELSI、(7)倫理と道徳、について再整理します。
AIなどの新しいリスクが注目される中、リスク学では倫理の重要性が増しています。これまでに本ブログで倫理的なことを扱った記事を掘り起こし、以下の4つのトピック:(1)よいリスクと悪いリスク、(2)功利主義、(3)リスク評価と価値判断、(4)予防原則、について再整理します。
Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2024年度上半期(4~9月)の調査結果から、AI関連は高い注目を集め続けており、台風等による水害、コロナワクチン、中東や中国の情勢に関するものなどがトレンドに入っています。
TNFDについて解説する2回目の記事として、TNFD対応とはどのようなものかをまとめます。まず、TNFDに取り組むガイダンスであるTNFD提言を紹介し、実際の開示例として世界に先駆けて取り組んだキリンの環境報告書を紹介します。
生物多様性関連で最近よく聞くキーワードである「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」と「ネイチャーポジティブ」について解説します。TNFDはリスクマネジメントの一部であり、自然環境が自社のビジネスにどう影響するか?というリスクの開示を目指しています。
コウモリは虫をたくさん食べることが知られていますが、サイエンス誌に最近掲載された「コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ?」という内容の論文について検証しました。本当に農薬の影響と言えるかどうかや乳児死亡率自体のバラつきについて考察します。
コウモリは虫をたくさん食べることが知られていますが、サイエンス誌に最近掲載された「コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ?」という内容の論文について検証しました。本当に農薬の影響と言えるかどうかや乳児死亡率自体のバラつきについて考察します。
デジタル庁が公開している市町村別の地域幸福度(Well-Being)指標について解説します。まず地域幸福度とはどのようなものかを紹介し、実際の事例を見ながら幸福度指標をどのように活用していくかについても解説します。ランキングが目的ではないことに注意が必要です。
ブラジルでX(旧ツイッター)が禁止されましたが、偽情報対策としてファクトチェックやプラットフォーム規制が注目されています。本記事では情報セキュリティ白書2024における誤・偽情報の脅威と対策の内容を整理し、リスク学的な視点から現在欠けている視点について考察します。
2024年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されましたが、「1週間は巨大地震の確率が数倍高まる」の意味について解説します。また、1週間という期間は地震発生確率と社会経済の受忍限度のバランスで決まりましたが、実は1週間だと自治体の半分で受忍の限度を超えています。
2024年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されましたが、「1週間は巨大地震の確率が数倍高まる」の意味について解説します。また、1週間という期間は地震発生確率と社会経済の受忍限度のバランスで決まりましたが、実は1週間だと自治体の半分で受忍の限度を超えています。
激辛チップスを食べた高校生が集団で搬送されるなど、激辛ブームに伴う健康影響の懸念が高まっています。辛み成分であるカプサイシンの健康影響についてまとめ、辛さを示すスコヴィル値について解説します。加えて辛み成分が逆に健康に良いかもしれない点についてもまとめます。
リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver4)では、「死因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータを追加、「リスク要因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータ・性別とリスク指標の選択を追加しました。
とあるニュースが震災による死者数の男女差を問題視しています。そこで、人口動態調査のデータを用いて1995年(阪神淡路大震災)と2011年(東日本大震災)における震災による死亡リスクを算出し、年代別・男女別に示して比較してみました。
有機フッ素化合物「PFAS」に関する基礎知識、リスク評価、基準値問題、規制動向などについての「まとめ記事」。
河川水からPFAS高濃度で検出された場合、ヒトの健康に対するリスクだけではなく水生生物に対する生態リスクも考える必要があります。健康影響におけるADIに相当する生態影響のPNECを整理すると、現時点でPFOS・PFOAの生態リスクの懸念は低いと判断されました。
塩分の摂りすぎは大きな健康リスクがあり、日本人の食事摂取基準(2025年度版の案)では食塩の目標量は男性7.5g/日、女性6.5g/日となっています。本記事では食事摂取基準の総論や、食塩の目標量の根拠、食塩の目標量の歴史的変遷について順に紹介していきます。
コロナ禍終盤となった2023年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。新型コロナウイルスは減少しインフルエンザは大きく増加しました。年代別では10-20代女性と30代男性の死亡率の増加が特徴的となりました。
私も執筆者の一人である書籍「EBPMの組織とプロセス: データ時代の科学と政策(佐藤ら編著)」について紹介します。さまざまな分野におけるEBPMの現状や課題について、特に科学と政策の橋渡しを構成するの4つのプロセス(エビデンスの生成、統合、仲介、対話)に焦点をあてたことに特徴があります。
食品安全の専門家とメディアの専門家がタッグを組んで、フェイクニュースへの対処法を解説した本「フェイクを見抜く」を紹介します。特に(1)ニュースが作られる裏側、(2)農薬をめぐる報道姿勢、(3)ファクトvsフェイクという対立軸の変遷に注目して紹介していきます。