脳と食の研究者の新谷隆史です。本ブログでは人類史の礎となった様々な食の革命について考察していきます。
グアノとチリ硝石-近代の肥料革命(1)今回から「近代の肥料革命」というタイトルで、新しいシリーズが始まります。化学肥料の成分はチッソ(N)、リン(P)、カリ(K)の3つが主になっています(この3つを肥料の三大要素と呼びます)。1841年にこの3つが植物にとって必須の栄養素であることを見出したのが、ドイツの天才化学者のユストゥス・フォン・リービッヒ(1803~1873年)でした。この発見をきっかけに、これらの成分を含む鉱石などが肥料の原料として用いられるようになるのです。三大要素の中で、リン(P)とカリ(K)は鉱山などから比較的容易に手に入れることができるのですが、チッソ(N)を含む原料には限りがありました。チッソと言っても、空気中のチッソではダメで、硝酸やアンモニア、尿素などのような窒素化合物でなければ、...グアノとチリ硝石-近代の肥料革命(1)
中国系移民の食-アメリカの産業革命と食(10)移民の国アメリカにはたくさんのアジア人もやってきました。その中で、アメリカの食に大きな影響を及ぼしたのが中国人です。しかし、アメリカにやって来た中国人の生活は決して安泰なものではありませんでした。人種差別による迫害を受けたからです。今回はこのような社会背景とともに、中国系移民の食を見て行きます。***********アメリカへの中国からの移民は1840年代から始まり、1860年代になると急増した。この背景の一つには、中国とイギリスの関係がある。それを簡単に言うと、次のようになる。18世紀の終わりにかけてイギリスで紅茶を飲む習慣が広まり、茶の需要が高まった。その結果、中国(清)からの茶葉の輸入が増加したのだが、イギリスの主要輸出品であった綿製品は中国では売れなか...中国系移民の食-アメリカの産業革命と食(10)
第五章近代の食の革命1イギリスの産業革命と食(1)イギリスの産業革命(2)イギリスの紅茶の歴史(3)イギリスの砂糖の歴史(4)産業革命期のイギリスのパン(5)イギリスの酒場「パブ」の誕生(6)ジンの光と影(7)ジャガイモ飢饉(8)パクス・ブリタニカの食生活(9)スコッチ・ウイスキーの躍進2アメリカの産業革命と食(1)西部開拓時代(2)肉を運ぶ鉄道(3)アメリカ西部の農業の発展(4)シリアルの始まり(5)びん詰食品の歴史(6)缶詰の歴史(7)ドイツ系移民の食(8)ユダヤ系移民の食(9)イタリア系移民の食(10)中国系移民の食第五章近代の食の革命
イタリア系移民の食-アメリカの産業革命と食(9)アメリカは移民国家です。アメリカへの移民は、19世紀の終わりまでは、イギリスやアイルランド、ドイツ、北欧からのものが主でしたが、19世紀末以降は、イタリアやポーランド、ギリシア、ロシア、そして中国や日本からの移民も多くなりました。そして、各民族は混ざり合うことはなく、それぞれが独自の民族集団を作っていました。食文化も同様で、それぞれの民族が独自の料理を作り、食べていたのです。これらがアメリカの食として一般化して行くのは、20世紀に入ってからのことです。今回は、ピザやスパゲッティのように、現代のアメリカの食の中でも大きな存在感を示しているイタリア移民の食について見て行きます。**********中世以降、イタリアは小国に分裂していたが、19世紀の中頃から最北部...イタリア系移民の食-アメリカの産業革命と食(9)
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