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たまおの星便り-星海原の航海日誌 N O W !!   https://blog.goo.ne.jp/tamao-sandayu

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。時おり船橋のプラネタリウムで星のおじいさまとなって夜空話を語り継ぐ。

たまおの星
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2020/04/22

  • ・2023/4/1 菜種梅雨の晴れ間、一夜。

    入学式は満開の桜の下で、は今は昔話。今年も卒業シーズン3月半ばにはすでに桜の花が咲き誇っていた。そして、花曇りと合わせて何日も延々と降り続く菜種梅雨。中旬から始まる新月期は、結局、一日も房総半島に快晴夜がなく3月を終えた。太った月が沈むのが午前3時過ぎ、薄明開始が午前4時過ぎ、計算上の暗夜がわずか1時間という4月1日未明になって、ようやく九十九里海岸に晴れ間が戻ってきた。月がまだ西に高い午前2時過ぎに海岸に到着し、機材をセットする。月明の中で夏の天の川が東の洋上に昇り始めている。夜霧が地面を這っているが遠く銚子の街明かりも見えて透明度は悪くない。月が西の地平に近くなったのを確かめて、南から東の空に密かに光る3つの周期彗星に狙いを定める。特に364Pパンスターズ彗星は一日に約4度(月の見かけの大きさの8倍)...・2023/4/1菜種梅雨の晴れ間、一夜。

  • ・2023/2/18~3/1 姿を変えていく未明の彗星たち。

    2月初めに4等級まで明るくなって注目を集めたC/2022E3ZTF彗星が再び帰らぬ彼方に去って、未明の夜空には10等を下回る暗いほうき星が残された。2月下旬の新月期は、東天に昇り始めた夏の天の川近辺で控えめに輝く彗星たちを追いかけた。C/2022A2パンスターズ彗星は、はくちょう座とケフェウス座の境界付近にあって天の川の渦中をゆっくり北上していた(画像上段左)。81Pヴイルト周期彗星はさそり座の赤い一等星アンタレスの北に漂っていた(画像上段右)。2月22日、薄明開始まで1時間を切る午前4時過ぎになって96Pマックホルツ周期彗星が東の洋上にようやく姿を現した。アメリカのコメットハンター、マックホルツ氏が1986年に眼視観測で独立発見したこの彗星は約5年3か月で公転している。今回は日本からも明け方低空に見られ...・2023/2/18~3/1姿を変えていく未明の彗星たち。

  • ・厳寒の北天を青いほうき星、C2022E3 ZTF。

    新月期を迎える1月下旬頃から寒波が房総にも押し寄せてきた。温暖なイメージのある房総半島だが、実は内陸の佐倉市や八街(やちまた)市では冬になるとマイナス5度程度を記録するのも珍しくない。1月26日の未明、海岸に向かう道半ばの八街市郊外で車の外気温計が一時マイナス9度を表示していた。数日前に降った雨で山道はアイスバーンになっていたのでいつもより遠回りの市街地を速度を落として慎重に走った。観測地はほぼ無風でマイナス5度、南東の空にはさそり座の頭が昇りかけていた。久しぶりの肉眼彗星として話題のZTF彗星C/2022E3が北極星にほど近い「りゅう座」で北天を一晩中沈まずに回っている。光度は約5等、小型双眼鏡ではぼんやりとした小さい光芒が見えるが肉眼でははっきりしない。それでも15㎝反射望遠鏡+デジカメのわずか20秒...・厳寒の北天を青いほうき星、C2022E3ZTF。

  • ・2022/12/24~2023/1/4 年末年始、未明の空に乱舞するほうき星たち。

    西高東低の冬型が強まる中、房総は冬晴れが続くと思いきや、夜になると雲が空にたなびいた。冬になると強い西風と北まわりの風と南からの海風とが絡み合って相模湾付近に「房総前線」が突如、出現する。その雲は房総半島だけでなく関東一円を曇らせてしまうこともある。クリスマス・イブの24日未明になってようやく九十九里にも快晴夜が訪れた。冬至は過ぎたが日の出は年明け始め頃が一番遅くなるので夜は長い。しかも今、未明の闇夜の空には肉眼では見えないながらも8等から12等級のほうき星がいくつも散在している。いつもよりも時間をかけて、そうした彗星を一つずつ望遠鏡の視野に導入して撮影していく(写真上)。26日にはテレビの報道やドキュメント番組に星の映像を提供しているカメラマンさんが早くから海岸に来て撮影態勢に入っていた。日の入り後から...・2022/12/24~2023/1/4年末年始、未明の空に乱舞するほうき星たち。

  • ・2022/12/08~12/17 火星の中接近と終盤の木星。

    12月の満月期になると関東平野らしい冬晴れの日が続いた。自宅マンションのベランダで約2年2カ月ぶりに地球に接近した火星と夕方に南中する木星に望遠鏡を向けた。今シーズンの火星は南中高度が80度もあり、南中を1時間以上も過ぎて西に傾き始めた頃になってようやくマンションの上階のベランダから火星が姿を現した。どの日もジェット気流にどっぷり浸かってシーイングは最悪、目でリアルに見ると火星も木星もボケボケだったが、動画カメラと画像処理ソフトのおかげで表面の模様が浮かんできた。画像上左の火星には大シルチスとアリンの爪の地形が、上右の木星には小さくなった橙色の大赤斑が写っている。画像上下には木星の4大衛星のイオとガニメデ、大赤斑のすぐ近くにイオの黒い影が見えている。口径20㎝焦点距離800㎜の反射望遠鏡を40年以上前のビ...・2022/12/08~12/17火星の中接近と終盤の木星。

  • ・2022/11/22、27 夜明け前の空に乱舞する闇の飛翔体。

    11月下旬から始まる新月期の夜空は2日間しかまともに晴れなかった。軟弱な西高東低の気圧配置に冷たい北東風が流れ込み「房総前線」がしつこく居座っていた。22日、27日ともに気温は7℃前後、雲は遠く離れていたものの、とくに22日は深い霧が立ち込めていた。9月に変えた車にはフォグライトが装備されており、その黄色いライトはかなりの濃い霧道でも道路をはっきりと照らし出してくれた。観測地では地上低く垂れこめる夜霧を避けて高さ5メートル程度の砂丘の頂上近くに機材をセットした。午前3時過ぎにはオリオン座、おおいぬ座などの冬の星座は大きく西に傾き、東の太平洋からはしし座、うみへび座などの春の星座が頭を上げて昇り始めている。そうした星座を縫うように肉眼では見えないほうき星たちがひっそりと動いている。シューメーカーレヴィ第4彗...・2022/11/22、27夜明け前の空に乱舞する闇の飛翔体。

  • ・2022/11/8 442年越し、322年先取りの皆既月食・惑星食。

    10月から11月にかけての新月期はよく晴れて月が朝の薄明まで残る11月3日の祝日まで九十九里の観測地に4回行き来た。そして11月8日の満月を迎えた。マスコミはほぼ前日まであまり報道しなかったが、この日の天文現象については天文屋の世界では一年前くらいからザワついていた。今回は皆既月食に加え、肉眼で見えるかどうかぎりぎりの6等星の惑星、天王星が月食中に月に飲まれ吐き出される。日本では前回、「本能寺の変」の2年前、1580年7月26日に皆既食中に土星食が起こった。次回は2344年7月26日皆既食中に土星食が起こる。日本では442年ぶり、322年前倒しの珍事となる。当日は東から南に東京湾岸が開ける市川埠頭に夕方から陣取った。釣り人は数人いるが世紀の天文ショーを見ようという人は他に誰もいなかった。三脚に固定した18...・2022/11/8442年越し、322年先取りの皆既月食・惑星食。

  • ・2022/9/26,27~10/2 秋の未明の空は春の銀河祭り。

    9月下旬に始まった新月期は26,27日と10月2日の3日間だけどうにか晴れた夜空が見えた。秋分の日から間もないこの時期は午前4時過ぎには刻々と空が明るくなってくる。午前2時には海岸にすべての機材をセットして星空航海に出航した。今、未明の夜空には小さく暗い彗星だけが点在している。その中から、22Pコプフ、81Pヴィルト、C/2019L3アトラス、C/2020V2ZTF、C/2022P1ネオワイズなどの11等から14等の彗星を15㎝反射望遠鏡で撮影した。彗星の撮影に30分ほど費やした後は、北東から南東にわたる太平洋上30度の夜空に望遠鏡の筒先を向けた。秋もたけなわの未明の空にはすでに春の星座がいくつか昇り始めている。普段の生活ではあまり気づかないが、晴れていれば明け方の夜空には半年先の季節の星々がいつも輝いて...・2022/9/26,27~10/2秋の未明の空は春の銀河祭り。

  • ・2022/9/1、9/7 雷雨と秋雨の隙間に広がる快晴夜。

    8月は満月期をのぞく上旬下旬ともにきっちり晴れた日は一日もなかった。ここ10年間で2012年の8月だけ7日間どうにか星見ができたが、例年、8月の夜は晴れないのがごく普通のことでもある。そして9月に入って最初の日は雲一つない快晴夜となった。遥か南方にある猛烈台風による強い南西風が吹き、海岸には激しい波が押し寄せている。車を風除けの壁にして海岸から離れた駐車場の一番奥に機材をセットした。気温25度、だが空は真冬のように澄んでいて荒れた海の上におおいぬ座のシリウスがまばゆく銀色に輝く。明け方の地平にシリウスが輝くとナイル川が氾濫し肥沃な土が大地を覆い豊穣をもたらすという古代エジプトの逸話をふと思い出した。7日は大気が不安定で夜半前まで海岸に行こうかどうかと迷っていた。6月の雹被害でボコボコになった車の保険金が満...・2022/9/1、9/7雷雨と秋雨の隙間に広がる快晴夜。

  • ・2022/7/30~7/31 未明の小さな彗星と東天ふたご座の彗星モドキ星雲。

    梅雨が明けたか梅雨が戻ったかよくわからないような天候不順が続く中、新月を迎えた7月30日は夏らしい快晴夜となった。例によって夜半過ぎに海岸の駐車場に到着すると、すでに多摩ナンバーの車が一台停っていた。土曜日未明なので釣り客か夜明け待ちのサーファーかと思ったがよく見ると三脚にカメラを載せて夜空に向けてタイムラプス撮影をしているようだった。撮影者本人は車の中で仮眠をとっているのか近くに見当たらない。撮影の邪魔にならないように注意しながら海が見える砂地の丘まで機材を運びあげて準備をした。気温25度、無風に加え、虫除けのネットを被り長袖長ズボンに作業手袋までしているので蒸し暑い。今、未明の空にはひっそり光る小さなほうき星がいくつか見えている。その中で、西に傾いたこと座のベガ近くにあるC/2022E3ZTF彗星(画...・2022/7/30~7/31未明の小さな彗星と東天ふたご座の彗星モドキ星雲。

  • ・2022/6/25~7/2 異常に早い梅雨明けと戻り梅雨に翻弄されて。

    今年は例年どおり6月初めに梅雨入りし来月下旬までは星は見えないだろうと思っていたら20日過ぎから南風が吹いて晴天が続き始めた。25日は新月4日前の月が東の空にあったが、梅雨明け直後の抜けるような空に惹かれて海岸に向かった。夜半過ぎに着くと強い南風を車で遮るようにして駐車場に機材をセットした。気温は26℃もあったが強風のおかげで蚊も虫も寄ってこない。月が昇ってくる前に、南西の空、へびつかい座で9等台と明るくなっているC/2017K2パンスターズ彗星と南東の低空、くじら座にある22Pコプフ彗星を撮影する。1時30分過ぎになって東北東の木陰から月が顔を出した。透明度がいい夜だけに刻々と眩さが増していく。露出時間を抑え月明りを避けるようにして東の星座群に筒先を向けていった。夏至が過ぎたばかりとあって薄明が進んだ3...・2022/6/25~7/2異常に早い梅雨明けと戻り梅雨に翻弄されて。

  • ・2022/5/25~6/3 梅雨間近のわずかな晴れ間を襲ったゲリラ雹。

    5月25日未明の低空には下弦を3日過ぎた月が昇り始めていた。本来は月明りのある時は海岸には行かないが悪天候の狭間のわずかな星空を逃したくなかった。機材をセットするとすぐに南天高くへびつかい座の天の川にあるC2017K2パンスターズ彗星を撮影した(画像上左)。以前より明るくなり短い尾が見えていた。時間が経つにつれ月が高く輝き、空が明るくなっていく。カブリを抑えるために露出を短く切り詰めながら撮影を続くていく。南天から土星、月、火星、木星、東天水平線上に金星と太陽系の仲間たちが出揃ったところで薄明を迎えた。6月3日は新月を過ぎてようやく晴れ間の見える夜空となった。気温19℃と昼間の蒸し暑さが残り蚊が飛び始めていた。未明に見える彗星をいくつか捉えようとしたが、導入の精度が不十分だったり低空の微かな雲に阻まれたり...・2022/5/25~6/3梅雨間近のわずかな晴れ間を襲ったゲリラ雹。

  • ・2022/4/25~5/4 雨と霧と夜露にけぶるゴールデンウイーク。

    例年のゴールデンウイークは4月早々から始まる「関東雨季」が中休みとなって晴れることが多い。だが今年は休みなく延々と雨と曇りの日々が続いた。4月25日は雲まじりの怪しい晴れ間がのぞいた。用があって実家のある茨城県坂東市に深夜に行き、町はずれの畑作農地に観測機材を設置した。空から雲は消えていたが辺り一面濃霧に閉ざされている。都心から50キロ離れた田舎町でも関東中央に位置するためにそれなりに光害がひどい。まして霧のために視界が100メートルもない中で、それでも天頂付近にはベガが瞬き、かろうじて北極星もどうにか視認できる。しばらくすると霧が少し晴れてきた。南東のC/2017K2パンスターズ彗星と北斗のひしゃく近くを移動するC/2020V2(ZDF)彗星を短い露出で撮影した(画像上左)。ほぼこれだけが霧にむせぶ夜の釣果だ...・2022/4/25~5/4雨と霧と夜露にけぶるゴールデンウイーク。

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