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  • 坂本龍一さんの訃報に(NHKの追悼番組を見ながら)

        坂本龍一という人について、その活動についてあまりよく知らなかった。 まずはそれをお断りした上で、テレビ番組の個人的雑感である。 筆者のような戦後生まれ世代にとっては、江藤淳、吉本隆明、加藤周一、吉田秀和という方々が亡くなり次々と視野から去っていく感

  • NHKBSで「音楽サスペンス紀行・引き裂かれたベートーヴェン その真実」を見て

      NHKBSで「音楽サスペンス紀行・引き裂かれたベートーヴェン その真実」という番組(1月の再放送)を寝際に見たときのこと,目が冴えて眠れなくなったのを覚えている。 見終えれば番組のテーマはシンプル。 「ベートーヴェンは音楽があまりにすばらしいので生前から崇

  • ドラマ人間模様「あ・うん」の音楽

    正月休みは録画消化のために、NHKのドラマ人間模様「あ・うん」を通して見た。これが放映されたのは1980年ということで、いまや懐かしい俳優さんたちが顔をそろえ、よく練られた演技とともに濃密な心理劇に引き込まれる。 そのテーマ音楽は、いろいろな節目で静かに流

  • マルケヴィッチのこと

    自宅は東北なので3月の地震被害の後始末がまだ続いている。 あの地震は家屋を斜めに揺さぶるような揺れ方で,CD棚も横倒しになって数々の音楽の夢たちはバラバラと床に飛び散ってしまった。 それは破れた広告みたいに切れ切れになり,見るも無惨な姿をさらしていた。

  • 青柳いずみこ「ボクたちクラシックつながり‐ピアニストが読む音楽マンガ」(文春新書)を読んで演奏と楽譜の関係に思い到る。

    今年3月の大きな地震で落下した本を片付けているうちに,青柳いずみこさんのかなり前の新書版を見つけてページをめくった。 「ボクたちクラシックつながり‐ピアニストが読む音楽マンガ」というタイトルで,音楽家あるあるみたいな話が「のだめカンタービレ」など音楽マ

  • NHKBS「悠久香る歴史の響き・横坂源 無伴奏チェロの調べ」を見て

    バッハの無伴奏チェロ組曲は第1番から3番ぐらいまで弾ける曲だけ時々弾くことにして,いつでも練習できるように楽譜を開いてテーブルに置いている。 その無伴奏チェロ組曲から,第2番の演奏の様子をNHKBSプレミアムのクラシック倶楽部で見ることができた。その演奏会場

  • 今年の年末「第9」

    いつもの年の暮れというか,大晦日の夜はNHK教育テレビ(Eテレ)で第九を流して感懐にふけっている。(向こうの部屋からは紅白の歌声が聞こえくる。) 今年は「尾高忠明がN響第9の指揮台に初登場」と朝刊に書いてあったので,おそらくはN響と第9をやるのは初めてなのだ

  • NHKBS「ヴィルビエ音楽祭2021藤田真央モーツアルトリサイタル」を聴く

    NHKBS放送のクラシック倶楽部で「ヴィルビエ音楽祭2021藤田真央モーツアルトリサイタル」を聴いた。音楽祭でモーツアルトピアノソナタの全曲演奏会をしたというから凄いことである。 まずは有名なK.331のイ長調で,これはとても良かった。 冒頭変奏曲のテーマの始まりか

  • ドビュッシーに見えるチャイコフスキーの影

    ドビュッシーがまだ十代後半の学生だったころチャイコフスキーと接触があったことを本で読んで,意外に思ったことがある。その当時ドビュッシーは音楽学校の学生だが,チャイコフスキーのパトロンとしても名高いフォン・メック夫人に雇われ,パリとロシアを往ったり来たり

  • バッハのリズム感

    以前バッハを合唱で歌ったことがあって,『歌いにくいな・・・』と思ったものである。 かなり前なので,カンタータのどの曲とどの曲だったか。今となってはよく思い出せないから記憶も曖昧なのだが,それでも独りで楽譜をたどり音程が離れた音のつながりを”人工的”と感

  • NHKFM「クラシックカフェ」で弦楽四重奏曲第18番イ長調(K.464)を聴いて

    NHKFMを流しながら家族を病院に車で送るのが毎週一日おきの日課になっているが,そこで流れる曲によって道中の楽しみも違う。 今日午後の「クラシックカフェ」は,モーツアルトの「アイネクライネナハトムジーク」の後に続いたのが,弦楽四重奏曲集「ハイドンセット」の後

  • 秋の音楽

    このところ寒い日が続き,遠くに見える蔵王の連山は白く色づき始めた。この東北も秋が深まるこのごろ,秋の音楽を聴きたいと思った。 筆者が「秋の音楽」というと真っ先に思い浮かぶのが,ベートーヴェン弦楽四重奏曲の変ホ長調で「ハープ」と呼ばれる第10番である。 中

  • シゲティとセルのモーツアルトを車中で聴いて

    一昨日午前に車を走らせていたら,NHKFMの「名演奏ライブラリー」でシゲティの特集をやっていたのでビックリだった。最初の方は聞き逃し,聞き始めのアナウンスで名指揮者ジョージ・セルがピアノ伴奏を受け持ったモーツアルト変ロ長調のVnソナタ(K.454)の録音があるとい

  • 「サン・サーンスとフォーレ」往復書簡集を読んで

    本棚の隅に置き去りになっていた「サン・サーンスとフォーレ」往復書簡集を引っ張り出してきたのは,通院付き添いの待ち時間対策にだった。 その「序論」(編者ネクトゥーによる)が,あまりにも面白い。 この小文はサン・サーンスとフォーレの関係性,特に音楽を通した

  • 美しいホールに響くNDRエルプフィルに

    今日もお決まりの話題,仕事帰りのFM放送の話で恐縮である。 今晩の「ベストオブクラシック」は,NDRエルプフィルハーモニーの演奏会(ヤノフスキ指揮)からで,その前半を車中で聴くことができた。 このオーケストラは「北ドイツ放送響」という名称で馴染んできた団体

  • 曲の終わり方

    先日仕事帰りに例によってFMラジオを聴いていたら心和む室内楽で,明らかにベートーヴェンと分かるピアノトリオの途中からだった。 同じパターンが繰り返されているから変奏曲らしいが,それが何だかパッとしない。時折いかにもベートーヴェンという豪快なピアノの楽句が

  • 「ウイーン風」の実感

    ブルックナーの話で思い出したのだが,ブルックナー作曲で最初に買ったLPがウイーンフィルの交響曲第3番でカール・ベームの指揮だった。ロンドンデッカ盤は録音が素晴らしく楽器の音色がリアルに響くので,心底聴きほれた。 中でも胸がいっぱいになったのは第4楽章フ

  • ブラスの威力

    月曜の朝はNHKFMの「かけるクラシック」があり,母通院送迎の車中で聞くことが多い。その放送で今月はブラスのことをやっていて聞き流していたが,そう言えば筆者はブラスには縁がないと思ったものだった。 そういう筆者でも,ブラスに感動した思い出はいくつかある。 感

  • NHKFMラジオ「クラシックの迷宮」を聴いて

    仕事場帰りの車中FMラジオをつけていたら,片山杜秀さんの「クラシックの迷宮」が流れていた。「ウエーバーの歌劇『魔弾の射手』初演200年」というタイトルで,例によって情報量の多い語りが心地よく耳に入ってきた。 デジタルオンチ中高年の悲しさで,FM放送録音をしたく

  • 気兼ねなく集い合奏できる日が来ることを

    所属しているアマチュア弦楽合奏団の練習会(月に2回実施)が中止になった。 それはもちろん,新型コロナ感染者数がこの仙台で激増していることが原因。 これまでは感染者数が増えてもギリギリ持ちこたえていたこの仙台も,先週あたりから感染者数の増加が止まらない

  • 組曲「ドリー」(フォーレ)の”幸福感”

    フォーレの組曲「ドリー」はピアノ連弾がオリジナルだけど,オーケストラ版(アンリ・ラボー編曲)がさらに良い。 みずみずしい叙情性溢れる「子守歌」に続く「ドリーの庭」は,音楽が始まるとすぐに目の前に花咲きみだれる美しい庭の光景が浮かんでくる。響きの中から草

  • 映画「英国王のスピーチ」で響いたモーツアルトとベートーヴェン

    「英国王のスピーチ」は,第2次世界大戦開戦時に王位にあったジョージ6世の吃音症にスポットを当てた実録風ドラマで,第83回アカデミー賞の作品賞その他を受賞したという名作映画である。 その日本語吹き替え版をようやく通して見ることができた。 特筆すべきはこの映

  • 「新倉瞳チェロリサイタル」(NHKBSクラシック倶楽部)を見て

    この収録は緊急事態宣言解除の直後(7月3日)というタイミングである。 収録に当たっては,厳重な滅菌消毒と換気がなされたとのこと。 いわゆるチェロ名曲が並んだメニューだが,本人にとってもしばらくぶりの生演奏披露だったようで,あのころの一抹の解放感と緊張

  • 「コロナ禍」なんて生きているうちにこんなことが

    「コロナ禍」なんて,生きているうちにこんなことがあるものかと思う。 昭和半ば生まれの筆者などは,ついつい「伝染病」の怖い記憶がよみがえる。 幼いころ暮らした宮崎では,隔年周期ぐらいで赤痢の流行があった。隣町の小学生が赤痢で亡くなったりすると死の気配が肌

  • ジェラール・プーレ(Vn)とフォーレ協会会員のPf伴奏によるフォーレのソナタ1・2番とドビュッシーのソナタの演奏会(スタインウェイサロン東京松尾ホール)を明日に控えて

    写真はCDだけど,もともとはエラートレーベルのLP,高校時代の思い出深いディスクである。 それこそ「磨り切れる」ほど聴いた。 フォーレはそれまで聴いたどんな音楽とも違うので,最初は何だか複雑で取っつきにくいように感じたものである。 それでも第1番

  • マリア・ジョアン・ピリス出演のベートーヴェン第4Pf協奏曲(N響定期公演)

    もう二ヶ月以上も前の話になるが,6月10日日曜の夜に,マリア・ジョアン・ピリスが出演したベートーヴェン第4ピアノ協奏曲の模様がTVで放映された。 ピリスとN響の共演は東京に出かけて生で聴いてはいたが,放映された方ではない土曜日昼の公演だったから,興味

  • ジョアン・ピリスのモーツアルトが聞き納めに

    あのジョアン・ピリスが引退と聞いてほんとうに驚いたが,彼女が4月に最後の来日というのでチケットを注文した。 2日間の後の方のモーツアルトメインの方に行くことにした。 ピリスと言えば,聞き始めは半世紀遡って高校時代のこと。もちろんLPレコードだっ

  • ウイーンフィルニューイヤーコンサート2018のライブ放送を見て

    今年のウイーンフィルニューイヤーコンサートの前半はライブ放送で聴いていたが,後半は録画してあったものを通して聴くことができた。 ムーティの指揮ということで,ロッシーニやベルディに関連したプログラムも取り入れられていたが,やはり知っているワルツが待

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