介護付き有料老人ホームに入所している母を通して、娘の私が見たこと感じたことをまとめたブログです。親を老人ホームに入れるか悩んでいる人に読んでもらいたいです。
日本列島が桜一色に染まるころ、母は施設長から花見に 誘われた。桜の美しい近くの公園を、ホームの希望者全員が訪れる恒例のイベントだという。母は渋っていたが、たまたま来ていた私も誘われたので、参加を決めた。 母は単純に、娘がついてくれるなら安心で、桜も久しぶ
初めの頃、このホームに売店があった。といっても、週に一度、日曜日の決まった時間に、1階のホールの隅を借りて、業者がアメや煎餅などの駄菓子や、歯磨き、肌用クリームなどのちょっとした日用品を売っていた。入居者はお金を持っていないから、代金はツケか、もしくは
1か月後母に、その後の看護師長は親切だったか聞いた。すると、あれから1度も顔を見せていないと言う。「私にはあんたが付いているから大丈夫、と思っているのじゃないの?」そういえば、玄関で看護師長や施設長に会ったとき、私は、「お世話になりました。おかげさまで
翌日の早朝、再びホームに行ったが、母は相変わらず元気がない。それでも薬が効いて、嘔吐は収まり、咳も、医師が「胃炎が収まればなくなります」と言った通り、徐々に鎮まっていった。 ミキサー食は、とみると、野菜の皿、メインの皿、ご飯、とそれぞれが液状になってい
翌日の月曜日、9時きっかりに看護師長がやってきた。そして私に「どうしてほしいの?」と聞く。私はてっきり母を病院に連れて行く手筈に来たのだと思ったので返事に窮し、やっと「薬をもらいたい」と言うと、「なんの薬?」と、これも思いがけない言葉。「胃薬と咳止め」
胃を壊した原因に心当たりはある。骨粗鬆症の予防薬の副作用だ。副作用のある薬を母は2か月以上も飲んでいた。 母は何度か処方を中止してほしいと訴えたが、手違いからか叶えられなかった。そのためついにダウンしてしまった、というわけだ。 私は母の身体を拭いたり、
入所して3ヶ月目に母は胃を壊した。私は懸命に看病した。 このときのことは、今でも不思議に思う。「なぜホームの人たちは何もしてくれず私が看病することになったのか、私がいなければ母はどうなったのか」と。 その顛末を、親友にランチをしながら話した時のことだ。
ベッドに横になっていた母が、窓の外を指して言う。「昼の月が出ている」見ると青い空に、白く薄く丸い月がかかっていた。「ほんと、きれいね」ふだん月などじっくり見ることなどない私が見とれていると、背後から「野路の果 遠樹の上 空澄みて 昼の月かかる」とか細い
先回、母は服薬を任せてもらえるようになり、信用してもらえたと喜んだことを書いた。 そのおかげで母は、出された薬をゆっくり数えて、ゆっくり飲むことができるようになった。 そんなある日、出された薬にちょっとした異変があるのに気が付いた。いつもと違う形の錠剤
かって母は自宅でたくさんの薬を一人で管理していた。 だがホームに入ってからは医務室が代わって管理してくれる。これはお年寄りを 預かっている責任上、必要な措置だと思う。 しかし母は、ここの薬の管理システムはお年寄りを信用していない、と嘆く。 まず、スタッ
私が母にこのホームを勧めた理由の一つに、食費が高いことがある。高ければおいしくて、母は満足してくれると単純に思ったのだ。 だが母は満足していないみたいだ。「ホームに入ってから毎晩のように台所でご飯をつくる夢を見る」と言う。それだけでなく、食べようとする
変化のない狭い空間で生きる老人にとって、食事は季節を知り、文化を偲び、かかわった人の心に触れる貴重な行事でもある。 なんて気取ってみたものの、本音は「おいしいものが食べたい」だ。 母は毎日献立表を、虫眼鏡で穴が開くほど見る。今度のご飯はなにかな、と思う
気ままな一人暮らしから集団生活の仲間入りをして、初めは戸惑いばかりの母であったが、1ヶ月も経つと様子がわかってきたようだ。私もホームの時間の流れがわかってきた。 ホームの一日をたどってみよう。 6時 起床 夜勤明けの介護スタッフが、各部屋に朝の挨拶を
私が母の意向に反して「前払い」に反対したのは、もしホームを途中退去した時に、返金がどれくらいあるかを懸念したからだ。 そこで返金のシステムを調べたところ、返金は、償却という考えに基づいて行われることを知った。 償却とは耳慣れない言葉であるが、わかりやす
前回は、ホームの家賃(家賃相当額または施設利用料ともいう)の支払いが、「毎月払い」と「前払い」で、どちらがお得かは入居期間によって決まるという結論だけを述べた。今回はそれを導いた手法を記す。 「毎月払い」と「前払い」のどちらがお得かをみるためには、そ
ホームに入居の時、費用の支払い方法をめぐって、母と私の意見が分かれた。 多くのホームがそうであるように、母のホームも「毎月払い方式」と「費用の一部を前払いする方式」があり、どちらかを選択できる。 母は入居時に600万円を「前払い」すれば、毎月30万円の
変化のないホームの生活に、楽しみを提供してくれるスタッフには感謝の日々だ。 入居して1ヶ月あまり経った12月のある日、施設長が母のところにやって来て、「これからクリスマス会をやりますから、行きましょう」と、小さな招待状を手渡してくれた。見るとスタッフの
かって 老人ホームはお金持ちの入るところだった。 入居時に数千万~億というお金が必要と聞いていたから、老人ホームは別の世界の話だった。それが2000年に介護保険制度ができたころから、介護付き有料老人ホームが急増し、費用も下がり、庶民にも手が届くようになった。
ここは歩行器の話ではなく、老人ホームでは介護保険を個人的には使えないことがわかった、という話です。 「元のように歩けるようになる」これがホームに入所した時の母の希望だった。というのも、私が施設長から「ここは体操先生が毎週来ていますので、歩くための指導も
前回 私の私置いた便座シートがトイレの不具合の原因にされたことを書いたが、今回は植木鉢が犯人にされた話。本当は、今回こそ私が真犯人だったのだが。 トイレ騒動からまだ遠くないある日のこと。私はホームの母の部屋で、かすかに変な匂いがするのに気付いた。なんの匂
以前読んだ記事に、老人ホームを探すなら施設長とよく話をせよ、いうのがあった。ホームの雰囲気や介護スタッフの態度など、施設長の人柄で左右されるという主旨だった ように思う。だが、そう一概に言えるものではないようで、施設長の立場は微妙なんだな、と思う出来事が
下のバナーをクリックして、ブログを応援をよろしくお願いします。 にほんブログ村 福祉・介護ランキング この5年間、私はホームを何回か訪問したから、サロンでくつろぐおばあさんたちと親しくなった。彼女たちから聞く話は実感がこもっていて、老人ホーム入居予備軍の私に
母はよく転ぶ。転ばぬ先の杖、というけれど、転んでしまった後にも杖は必要だ。 ホーム2日目に母はもう転んだ。しかも真夜中。 ベッドの横に、夜だけ使う私物のポータブルトイレが置いてあるが、母はベッドからポータブルトイレに移動しようとして、つんのめり、ドーッと
下のバナーをクリックして、ブログを応援をよろしくお願いします。 にほんブログ村 福祉・介護ランキング 母は要介護2。体力の弱った母が、ホームでどこまで自立した 生活を送れるか不安だった。だが、心配することはなかった。ホームでは老人が生活しやすいように工夫がな
下のバナーをクリックして、ブログを応援をよろしくお願いします。 にほんブログ村 福祉・介護ランキング 母が入居してまだ浅い日のこと。訪問した私が玄関を入ると、施設長が事務室から 出てきて、「これ、パンフレットかと思って開けてしまいました」と差し出したのは、
下のバナーをクリックして、ブログを応援をよろしくお願いします。 にほんブログ村 福祉・介護ランキング 前回書いたように、母は自室で食事をとる。それに伴い食後の薬も自室に運んでもらっている。 介護スタッフは、食事が済んだころを見計らって1回分の薬の入った小
ホームを訪れるとき、私は果物や菓子を差し入れする。 帰り際、母は私になにか持たせたいと思うようだが、ホームから一歩も出ないのだから不可能な話。そこで、せめてと、週に1回朝食に出るロールパンを食べないで取り置きして、私に持たせることにした。パン好きの私が
入居前、母が持っていた老人ホームのイメージは、友人からの手紙や電話から得た断片的な知識に基づいている。 幼な馴染みのエミちゃんは、85歳から老人ホームに入っていて、よこした手紙には「今日もホームの看護婦(古い呼び方です)と喧嘩した」とか、「ここは修道
言わずもがなのタイトルです。母にとって孫のような年齢の松坂くんも、その優しい介護士のひとりです。 母が入所して間もないある日のこと、彼がいつもより遅い時間に出勤してきました。「以前勤めていた老人ホームのおばあちゃんのお葬式に行ってきた」からだとか。そ
難しいタイトルを付けましたが、老人ホームが名の とおり、「老人の家庭」であるなら、スタッフは「家族」にあたるはず、と単純に思ったからにすぎません。答えはイエスです。少なくとも介護士スタッフ美保子さんと母の場合は、気持ちは家族でした。 母が、介護付き有料老
「ブログリーダー」を活用して、あかさたなさんをフォローしませんか?