chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • でかシャコの昆布締め

    やってくる時期を予測はできるけど、避けることはできなくて、激しい変化に流される。過ぎた後で新しい季節がやってくる。月経と恋の関係は台風と草木の関係に類似している。そう気づいたのは、台風一過、あまりにも涼しい朝だった。 彼女に対して大きすぎる感情を持ち続けていた。それに言葉をつけるのは難しい。「友情」「性愛」「憧憬」「嫉妬」「信頼」「憎悪」「愛情」……そのすべてであり、それらのどれでもない。慈しみたい、疲れていたら労りたい、平気で旦那さんの話をしてきて憎たらしい、おいしいご飯を食べてほしい、いい作品の話をしたい、社会の話をしたい。彼女を見ていると楽しかった日々と悲しい結末が脳裏をよぎって、痛みが…

  • これを何と呼ぶのか教えて欲しい

    「幻滅」ー 幻想から覚めて現実にかえってがっかりすること。美化され理想視されていた事柄が幻にすぎなかったことを知らされること(精選版 日本国語大辞典より) 恋をした。すべての恋をする人がそうであるように、彼女に幻想を重ねてしまった。私が愛した理想、それは彼女からかけ離れているとは言えないが、彼女そのものではないものだった。失恋をした。私の期待したものを彼女が与えてくれないことを知った。私の好意に同じ好意で返してくれるはずの人はいないことを知った。思い知った。幻想から覚めて現実にかえってがっかりした。現実の彼女に幻滅したのではない。私自身の心理の現象として、「幻滅した」。 私に「好きだ」と言って…

  • 私が悲しいのは、

    今年の一番夏が濃い日、海に行った。好きな女性と一緒に。車を借りて街を出て、海に向かった。お盆の渋滞に巻き込まれつつ、慣れない高速道路を中速で走った。運転中、よそ見をしない私は彼女がどんな表情をしているか見ることができなかったけれど、気配は極めて楽しそうだった。彼女が好きなバンドの音楽を流して、それに合わせて軽く彼女が鼻歌を歌った。それらを好ましいと思った。 年の初め、私は職場を変えた。そこにいた彼女は、歳は私の一つ下で、本と音楽と酒と美味しいご飯を好む、知的でとてもかわいい人だ。 彼女とは映画や文芸や政治の話をした。ユーモアを交えつつ。その時間が心地良いと感じた。楽しいと思った。同じ言葉を持っ…

  • パセリを食べる先輩

    高校生の頃、女子ソフトボール部に所属していた。監督が大らかな人だからか、練習がさほどキツくないせいか、和気藹々としていて先輩・後輩の垣根が低かった。練習がない日でも先輩に遊びに連れていってもらったことがよくあった。ゲームセンター、映画、マクドナルド、カラオケ、バッティングセンター……いろいろな場所に行った。 これは俗説なのだが、ソフト部には百合がよく咲く。つまり女の子を好きになる女の子が何故だかよく集まるのだ。私自身が自分の性的指向に気付いたのは入部した後だったのだが、結果的に我が部でも私を含めて複数名の部員が女の子と恋愛をした(時には部内で)。 私がよく慕っていた先輩ー仮にK子先輩としようー…

  • “番組表はどこ?”

    ピーター・ウィアー監督『トゥルーマンショー』という映画をご存知だろうか? (※以下、『トゥルーマンショー』のネタバレを含みます、というか、めちゃくちゃネタバレします!!!) 有名な映画なので一度は目にしたことがあると思う。 トゥルーマン(演ジム・キャリー)はある離島で暮らす好青年だ。保険会社に勤めていて、家もあり、妻もいる。彼はその島から出たことがない。昔、水難事故で父親を亡くしてから、水が怖いからだ。ある日、道端で1人の浮浪者とすれ違う。その人物は、昔死んだはずの父親だった。 実は、トゥルーマンの人生は生まれたときから24時間、テレビで世界中に放映されている。離島は海も含めて一つの大きなスタ…

  • 誰かにとって"めんどくさい人間"であること

    おっす、元気?週一くらいで更新していきたいものですね(すっとぼけ) 不均衡と均衡の話をしたい。 最近、母と話すことが多い。当たり前だけど家庭以外の接点を私と母はもたない。したがって、話すのは家族のことが多くなる。妹のことや、父のこと。そういうとき思うのは私はこの人の「娘」であるということだ。 多くの人にとってそうであるように、母‘’まなざし‘’が、私を「娘」に還らせる。ここでいう‘’まなざし‘’っていうのはリアルな視線のことではなくて、ある対象として認識されているなという気配のようなもののことだ。 「あれはどうなの?」と将来設計のことを尋ねられたりとか、中学の同級生に子どもが生まれたという話を…

  • 思想に惚れる恋がしてぇ

    みなさん、人を好きになるとき、何がきっかけになることが多いですか? 私はね、割とノリと勢いだった。「何かいい!」「顔かわいい!」「合いそう!」→好き(?)→好き!!! みたいな。我ながらひどいね(笑) 私の十代は脳まで筋肉タイプだったと思う。学校の勉強とかはそこそこできたんだけど、あれってつめこみと要領の問題だから、勉強も部活も気合いでゴリゴリで押し通す…というノリで18歳まで生きてきました。 ところが大学入って、学習の方法がまるっきり変わって、「なぜ?どうして?」を考えるようになったし、物の捉え方が大きく変わりました。 大学時代の教授が言ってた言葉で好きなものがあって、「勉強とは自己変容のこ…

  • たったひとつの冴えたやりかた〜チンコンを鎮魂する試み〜

    やぁ!みなさん!お元気ですか?私はとても元気です! タイトルを見て、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの小説のレビューだと思った方、残念ですがここでお別れです。 この記事でこれから語ろうとするのは、おち◯ちんコンプレックス略して「ちんコン」のその後についてです。あ、私、女なのでおちん◯ん付いてないんですけど!私の「ちんコン」って何よ?と思った方はこちらをご覧ください。 opinkpink.hatenablog.jp 「結局のところ、文章を書くことは自己療養の手段ではなく、自己療養へのささやかな試みにしか過ぎないからだ。」 村上春樹著『風の歌を聴け』8頁 講談社文庫 例のちんコンなんですけど、今…

  • 拝啓 氷菓子騎士 先輩

    新緑が青々と繁り爽やかな風が吹き抜ける立夏の候、先輩のことを思いだしました。お元気でいらっしゃいますでしょうか。私のことをきっと先輩はご存知ないでしょうね。改めて自己紹介させてください。 私は現在二十代中頃の女で、女を愛したり愛さなかったり、本を読んだり読まなかったり、たまに(さぼりつつ)ブログを書いたり、嘘をついたりして生きています。実は十代の頃、13歳から14歳までの中学一、二年生の頃あなたのファンでした。誰にも言ったことないけれど、ファンでした。好きなものをとことん追求するあなたがとても好きだった。 あ、勘違いしないでよねっ。恋愛の「好き」じゃないです。羨ましくて、尊敬していて、でもどこ…

  • 「私は女だ 」と言うとき

    性自認:その人が自分自身の性別をどう思っているかに関する、ある程度持続的な自己認識(アイデンティティ)のこと このブログをご覧になっている方の中には、性自認について特に悩んだりした経験のない方もいらっしゃるだろう。 逆に、私と同じように思春期の頃、いろいろ悩んだりしたことがある人もいるかもしれない。 あなたはどうやって、自分が「男/女である」または「男・女のどちらでもない/どちらでもある」「男女の区分けには従わない人間である」と認識しましたか? 私がいかに自分を「女性」であると認識するに至ったかという話をしたい。 このブログを見て下さっている方はブログ村「エッセイ」又は「セクマイ」から飛んでき…

  • だけど、おばさんは剥けるじゃないですか

    エビを焼いている。 一人暮らしだと自分ひとりのために魚を一匹だけ焼いて、グリルを洗うという過程がすごく億劫になる。 だが、エビは別だ。 一気に五匹くらいはペロリと平らげてしまうから、一度にたくさん焼ける。それにサバと違ってそれ程脂がでないので、洗うのも楽。 エビの塩焼きを頬張りながらビールをかっ喰らうのが最高である。 我が家ではエビの塩焼きの文化がなかった。 お酒の強い家系であるにも関わらず、両親ともにお酒は飲まない人だった。飲酒にともなう「おつまみ」も当然ながら作る文化はなく、そんなこともあってかエビの塩焼きが出されることはなかった。 はじめてエビの塩焼きに出会ったのは高校2年生の頃だ。 当…

  • かごのない自転車に乗って

    「斯の如く知と愛とは同一の精神作用である。それで物を知るにはこれを愛せねばならず、物を愛するのはこれを知らねばならぬ。」 ーー西田幾多郎著『善の研究』 より引用 あなたは何を愛し、または何を憎んでいるだろうか。あなたにとって、何かを愛するということは、どういう作用なのだろう。 私にとって、何かを愛すことは「知ること」だ。冒頭で引用した哲学者の主張を理解できているとは思えないけど、それでも彼のこの言葉がお気に入りだ。有名な話だが「哲学」は英語の「フィロソフィphilosophy 」を西周が訳した言葉である。そして、フィロソフィの語源であるギリシャ語の「フィロソフィアphilosophia」とは、…

  • お尻派?おっぱい派?バカ言え、全身だろ。

    お久しゅう。とはいえ、1週間くらいだけど。 最近仕事が忙しくてな…今日はもう死んだように眠っていました。そして、いま飲酒しています。 人のエッセイとかブログを読むのが好きで、書かないときも皆さんのを拝見しています。 そこには私とは全く違う人生と思考があってこんなにも違う人間たちがたくさんいる世界素敵やん?(ネクタイクイクイ)などと思っております。 割と酔っ払ってるので、性癖というか、女体の話していい?いいよね?いいよ!!! 私は女を好きな女であって、それは今まで恋愛的な意味で好きになった人が女性だったということなんだけど、彼女たちの人格如何に関わらず、私は女体が好きです〜〜まじ、愛だよ〜 よく…

  • 初恋じゃない

    夜の匂いを嗅ぐ。春の気配が濃密に立ち込めている。 湿ったコンクリートの匂い、土の匂い、花の匂い、すべてに暖かさを感じる。 私の世界にはじめて現れた気持ちの話をしたい。最初に訪れた春の話を。 それは中学校1年生のときだ。 着慣れない制服に身をつつみ、違う小学校から来た人たちと同じ教室に入る。同じ小学校から来た人とつるみながら、お互いがどんな人間か、目をこらし、耳をそばだてていた。 教室の中に1人の女の子を見つけた。 仮に、Nとしよう。 Nは違う小学校の子で、バスケ部に入っていた。 スポーツができて、成績もよく、愛嬌のある子。とても美人という訳ではなかったかもしれないけど、笑顔が最高に素敵だった。…

  • とてもワルなので、海。

    私は不良だ。ワルなのだ。 ワルなので、月曜日から海に行った。 春眠暁を覚えずとは言うが、今朝は寒くて目が覚めた。 かけ布団がベットの下に落ちていた。5時だった。 今から寝るのもなーと昨日寝る直前まで読んでいた本を読み返す。 海が出てくる物語。幻想的で美しく、でもどこか潮の香りがするお話。 海、海、海・・・・・ 海なし県で生まれ育ったので、私にとって海は異物だ。 2年に一回くらいの頻度で父に連れていってもらえる場所、それが海だった。今も海よりは山に近いところに住んでいて、島国のはずなのに、どこか海は自分とは別のものという意識がある。海は私に染み付いていない。 潮の香りってどんなだっけ という疑問…

  • 一世一代の猫パンチ

    ‘’「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ。なにがあろうとさ。そうする以外に君がこの世界を生きのびていく道はないんだからね。そしてそのためには、ほんとうにタフであるというのがどういうことなのか、君は自分で理解しなくちゃならない。」‘’ ーー村上春樹 著『海辺のカフカ 上巻』8頁(新潮社 2002年9月12日)より引用 コロナウイルスが蔓延し、世間は感染と発症に恐々としている。 マスクはたくさん製造されているはずなのに、どの薬局にも在庫はなく、残りの枚数を確認しながら、どう使おうか考えあぐねている。 トイレットペーパーは何故か売り切れ、アメリカの俳優も感染したと…

  • フィクション・ノンフィクション

    「やっぱり私ちょっと変な人が好きなんだよね。人を穿ってというか、上から見てるのに、意外と中身は子どもな人。」 と、俯き気味に彼女は言った。 それ、私のこと?という言葉は喉元まで上がるが、口からは出なかった。人物評には十分思い当たる節があるが、自分が彼女の「好きな人」であるとは言えなかった。自惚れが露呈するのが嫌だというだけでなく、別れた人がまだ自分のことを好きかどうか確認するほど恥知らずにはなれないからだ。 彼女は私が10ヶ月も前に別れを告げた相手だ。 一生を共にする自信はないけれど、人間としては好き。恋愛対象としては・・・正直、分からない。そんな感情をきっと互いに持っている。「恋愛関係は終わ…

  • 孤独の持久力

    ‘’「誰かが孤独になりたいとしたら、死んだメディアに頼るのがいちばんなの。メディアと、わたしと、ふたりっきり」 とミァハは答えた。あの冷たくなめらかで、ヒトを眠りに誘うような声でさらに続ける。 「映画とか、絵画とか。でも持久力という点では本がいちばん頑丈よ」 「持久力、って何の」 「孤独の持久力」 ‘‘ ーー 伊藤計劃 著『ハーモニー』17頁(ハヤカワ書房 2014年8月15日)より引用 ご存知の方も多いだろう。伊藤計劃著 『ハーモニー』の一節である。 私が探索中の「新しい何か」によって埋めようとしている対象を少しだけ明らかにしたいと思う。 それは、たぶん、「孤独」だ。 孤独;人々との関係・連…

  • ちん◯コンプレックス(略してチンコン)

    私は女性だ。 身体的にも、性自認でも。 生まれながらに女体を持っていて、男性器をもっていない。勃起しないし、射精しない。 普段はそれで別に構わないし、「男性の身体になりたい」とか「男性として生きたい」とは思わない。 でも時々、男性器生えねぇかな〜と思ってしまうときがある。その話をしたい。 一般的には、「ち◯こコンプレックス」という言葉は、男性器が小さい男性のコンプレックスを指す。他の人より小さくて、相手の女性に性行為で満足させられないかもしれない、バカにされるかもしれない、そのような不安や悩みを指す言葉。 女好きな女である私の「チンコン」は、そもそも男性器がないということに起因する。そう、そも…

  • プリーズ・カムバック・Ms.イシイ

    美容師とそりが合わない。 言い直そう。正確には、今まで出会った人との相性の合わない率と 今まで担当してもらった美容師との相性合わない率 を比較すると後者が圧倒的に高いのだ。 なんか会話のピースがあべこべというか、うまく噛み合わないというか、同じ日本語を話しているはずなのに全然違う言語圏にいるんだなと思うことが多い。彼らが一方的に悪いと言っているのではなくて、おそらく、美容師を職業とする人の価値観と私の価値観がかなり違うことが多いんだと思う。 美容室に行くようになった高校生の頃は話したりしていたんだけど、段々話さない方が楽ということに気がついた。 「わたし、話さない方の人です〜」という意思表示を…

  • 「運命の人」って何ですか????

    なかなかいい歳なので、周囲からポツポツ結婚とか出産の報告を受けるようになった。 生涯の伴侶はおろか恋人すらいない私は戸惑ってしまう。 酒の席で「なんで結婚しようと思ったの?」などと聞いてしまう。 だいたい、満足そうに「まぁ、同棲していろいろ大丈夫そうだなって思ったし・・・そういう雰囲気だったしね」みたいなことをいう。 そういう雰囲気とは?いや、一般的に言われていることは分かるんだ。妙齢で付き合い始めて「結婚すること」が念頭にあって、特になにかの不一致もないし、一緒に生活できそうだから・・・みたいなの。そういう客観的な価値判断にプラスして、結婚するひとたちには「この人がいい!」みたいなハッピーオ…

  • 「おっぱい〜」と叫ぶとき

    『プライベート・ライアン』という映画をご存知だろうか。監督スティーブン・スピルバーグ、主演トム・ハンクスでお送りする 第二次世界大戦中の兵士間の人間関係を描く物語である。戦争の意味・生きる意味・善悪・・・そのようなことを問うてくる作品で、単純にヒューマンドラマとも戦争映画とも言いきれない味のする映画である。 少し紹介が長くなってしまった。ちなみに、おっぱいはこの映画にでてこないので、スケベ諸君はおっぱいを期待して見ないように!!プライベートなのはライアンであっておっぱいではない。 プライベート・ライアンの冒頭25分はノルマンディー上陸作戦のまさに上陸の場面でバタバタ人が死ぬ。若者たちが銃弾に斃…

  • 「女好き」に含まれるいろいろ

    声を大にして言いたい。 女が好きだーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!! 自分のことを女性と認識しつつ、恋愛する対象も女性。まぁ、いわゆる「レズビアン」ってやつ。なんでいわゆるなんて言うかというと、「レズビアン」っていう言葉を自分を指す言葉として消化しきれないからだ。 気の知れた友人に「レズだからさー」みたいな言い方することもあったんだけど、「レズ」って蔑称とされてきた背景あるし、私以外の誰かに友人がその言葉を使ってしまってその人を傷つける可能性もあって・・・という諸々が「レズ」と言う度に頭を駆け抜けていく。 でも「ビアン」って言葉も何だかピンとこない。最初に「ビ」が来る言葉、なんか強…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、みしろさんをフォローしませんか?

ハンドル名
みしろさん
ブログタイトル
女好きな女が新しい何かを見つけるまでのこと
フォロー
女好きな女が新しい何かを見つけるまでのこと

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用