厳冬の日、降り出した雪はやもうとしない横なぐりの風が吹いている父と6歳の娘が乗った車が立ち往生してしまったもはや視界は真っ白でなにも見えない「いったいここは、どこだろう」と父は不安になった時間が一刻と過ぎていく車内はたちまちに冷えていく「国道まで歩こう」と父は覚悟を決めた娘の手を取り車をおりたしかし、雪と風で方向がつかめない歩けど歩けど、国道にはたどり着かない自然の猛威にはかなわない父はもはやこれ...
○○家具の女社長が辞任することになった3年連続赤字決算の責任を取るためだという創業者である父は○○家具を追われた形で新しい会社をおこしたやはり商売人である経営は安定しているというこの女社長は創業者の父から見ると長女である女社長が歩み寄ろうとしても、辞任しようとしても父は何も言わないこれこそが商売の厳しさだろう女社長は辞任の後、コンサルタントに転身するという驕ったがゆえにしくじった娘と会社を追われながら...
○○優作という俳優が若くてまだ無名だったころ映画界の巨匠○○明監督に弟子入りを願い出たしかし、監督は「○○優作という人は知らない帰ってくれ」と面会を拒んだ○○優作は、1週間監督の家の玄関に座り続けた監督は、無名の役者は相手にしなかった○○優作は心の中で「俺は必ず名のある役者になってやる。いまにみていろ」と役者魂を燃やした芸能界という浮き草世界の中で、○○優作は命がけで燃え続けたそして、ついに日本の○○優作と誰も...
恵子は腕のある美容師である秋田の田舎から美容技術の向上のため東京まで行き、ヘアメイクの勉強をしていたある日、そんな努力家の恵子に社長が「ここの美容院閉店しようかと思う。恵子さんに売りたいと思う。300万といいたいが250万でいいよ」と太っ腹雇われ美容師の恵子にしてみれば、自分の店が持てる人生最大のチャンスしかし、恵子は即答しなかったその日の夜、恵子は霊能者の所へ向かったそして、美容院を買った方がい...
俊光は山へ登山に出かけた山道を歩いていると、親鹿が山の上にいて子鹿が山の斜面を登ろうと必死なのだが途中までいくと滑って転げ落ちてくる様子を見ていた俊光は気の毒に思い、親鹿の元へ子鹿を連れて行こうと思った子鹿を抱き上げ、山の斜面を登ったすると、親鹿が俊光めがけて襲ってきた思わず子鹿を山の上におくと、全力で親鹿の攻撃から走って逃げた冷静になって考えると「動物でも親子だもんな。自分の子供を取られたら、怒...
岩男は高校3年生のとき、いじめにあった卒業はしたものの、就職せず部屋に引きこもった母親には本当のことを言い出せなかった心因性の病気をしないのが救いであった岩男はこうしてちゃいけないくらいわかっていたじれったくもあり、もどかしくもあったでも、どうしても苦しくて外へ出れないのだ母親は、うすうす気づいていたそして岩男の遊び相手にと、秋田犬の子犬を飼った岩男は子犬に「豆太郎」と名付けた岩男は豆太郎を自分の...
智也は若い頃からの単身赴任者であった給料日になると妻と息子に生活費を送金していたしかし、妻も息子も智也への連絡は一切なかった仕事が終われば誰もいない、6畳一間のアパートでたった一人、寂しさと苦しみを酒で紛らわせていた智也にとって妻とは、家族とは無意味に等しかったそんな智也は酒を飲み続け、ついに体に変調をきたした病院へ行くと、その日のうちに入院が決まった病名は肝臓がんの末期だったそんな智也は、2週間...
誠は事業を立ち上げるべきか悩んでいた悩みを妻である秀子に打ち明けたすると秀子は「やるだけやって、駄目だったら元に戻ればそれでいいんじゃない」と前向きな返事誠は秀子の明るさに救われたそして「○○組」という建築土木会社を立ち上げた朝から晩まで働いて、月末になると従業員の給料、税金光熱費、未払金などを支払うと手元に2万円しかなかった2万円が誠の給料ということだ封筒へ入れ、おそるおそる「今月分の生活費だ」と渡...
博は真由子のことが好きだった交際3ヶ月にして結婚を意識していたしかし、真由子は子供が3人いて2度の離婚歴を持つシングルマザーであるギャンブルも酒もタバコも大好きだったさらに、○○学会の信徒でもあった結婚したいと希望する博に当然○○学会への入行を強制する真由子博は宗教への入行だけは譲れなかった博の両親や兄弟は、結婚に大反対だった運が悪いのか、真由子の妊娠がわかった博は責任を取る形で入籍して結婚式をあげたし...
知美は心療内科の患者である主治医から血圧が高いと指摘されすぐそばにある総合病院の内科を受診したしかし、受診時の医師の態度に不信感をもった知美の脈をとりながら血圧を測ったすると、すぐさま内科の医師は手を洗い消毒液で手や指を消毒したそして、聴診器をあて心臓音をきくと聴診器を除菌用ウエットティッシュで拭いた知美は自分が汚い物扱いされていることにショックをおぼえた家に帰ると、母親にその医師のことを相談した...
渡辺さんは、通称「ナベさん」と呼ばれているこのナベさん、東京にいる時勤めていた会社が倒産自暴自棄になって、選んだのが「ホームレス生活」だったホームレスも縄張りがあって、新入りのナベさんホームレスの親方の所へ行き、新入りのご挨拶親方の許可があって、初めての路上生活が始まった午後4時になると食糧調達先輩ホームレスについていきレストランや料亭ホテルの裏口のドアを開ける客が食べ残した料理や、手つかずの料理...
秋田に本田武久という、声楽家がいた教職に就くが声楽家になるという夢を諦めきれず音大へ入学して卒業したそして、声楽家として仕事がのってきたころ本田の体は若くして癌にむしばまれていた医師から宣告されて本田は「歌うがために命ある限り歌う、人に為に歌う人生で幕を閉じたい」と思ったテノール歌手でコンサートはもちろんのこと、老人ホーム慰問コンサートなどで精力的に活躍したしかし、人生とは皮肉なもので、本田の名声...
秋田にある田中家のインターホンがなった時計をみたら午前7時、誰だろうと玄関を開けた神奈川にいる長男の和夫が立っていたうかない表情でうなだれていた母親の勘でなにかあったんだと思ったすぐさま和夫は「母さん、俺もう死にたい」といった事情を聴くと、嫁の真美が内緒で和夫名義の借金をつくったという借金が総額4千万あるときかされ、和夫はプレッシャーに押しつぶされそうになった日に日に気分が落ち込み、食欲もなくなり、...
中学2年生になったとたん、由美は学校に違和感を感じ、欠席が目立つようになったそして、ついに2学期から不登校となるいじめの事実はなかった由美に言わせれば「なんとなく学校へ行きたくない」という母親は由美が不登校となり、スクールカウンセラーや心療内科へと相談しに行く日々そして、宗教までたどりついたが学校へ行く兆しはなかった由美には手先が器用という強みがあった大好きな手芸を部屋でやり過ごし時間をつぶしたそし...
大阪に益太郎とよばれる人がいたこの益太郎やりたい放題の性格で、ばくちはうつは背中に入れ墨をいれ、やくざの親分と友人になったが困っている人を見捨てられない性分で人情に厚く悪にも善にも、かたむく人であった淡路島の出身で、まだ島に電気も水道もなかったころ何を思ったのか、島に電気と水道がいきわたるようにと事業をした益太郎のおかげで、淡路島の人々の生活は安定した淡路島から大阪へ出てきた益太郎大阪港の一帯を仕...
不登校シンポジウムの会場精神科医や大手企業の社長さん、教育委員会の役人さんなど、そうそうたる顔ぶれだった精神科医がいった「不幸にも不登校になった子供さんは・・・」社長は「コミュニケーション能力が欠けているから、学校へ行かないんだ彼らは、人生ひまである」と暴言じつに、ネガティブな発想だ不登校という「挫折」があるから、若いうちの苦労があるから大人社会に入ってから強さを発揮できる不登校を経て、会社の社長...
この詩は、犯罪を犯した子供が書いたものです世間の「普通」から、はみ出して刑務所に来てしまった子供の詩です僕はお金がすべてだと思っている父は借金を苦に自ら命を絶った母が笑顔じゃないのも、泣いているのも、怒っているのもお金がないせいだと思っていたお金があれば、笑っていられる、お腹いっぱいになれる人並みの生活ができる、母が笑ってくれる、幸せになれるそう信じていた、信じてここまで生きてきた中学生の間は、幼...
山下清の展覧会があってので、行ってみた貼り絵、ちぎり絵、どれを見ても素晴らしい特に「長岡の花火」は圧巻だった生前、彼の放浪時の、リュックサック傘、着物、げたなどを展示していた山下清の世界をかいま見た気がした求めるも一生求めぬも一生...
秋田にある、リフォーム会社でキヨさんという社長がいるこのキヨさんの人生がおもしろい学校を卒業して、住宅会社へ勤めたこの会社で営業を担当した厳しいノルマにあくせくしながら、住宅営業を覚えた当然、接客用語、身のこなし、礼儀作法も経験したそして、リフォーム会社へ転職したリフォーム会社で一番若いキヨさんは、先輩社員に仕事の後始末を命じられた休日出勤して、お得意様への集金とご挨拶会計と帳簿を一人で、こつこつ...
結婚という言葉をちらつかせ甘い言葉で近づき、優しい態度で接する日に日に、心が傾いていく期待だけが心の中で膨らんでいったお金の要求に疑う気持ちがなかったこれで幸せになれるのなら安いと思った留守電には「はい、ご苦労様」とのメッセージその日から連絡が途絶えたお金の力は恐ろしい良いことも、悪いことも引き寄せてくるお金で人の心は変わる菩薩界の仏にもなれば、地獄の亡者にもなるお金で人の心は買える...
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