「創作物はいずれ枯渇する、何をつくっても誰かがやったものばかり」という説は現実に起きていると、著者は著書で触れました。米国特許庁が出した「人工知能AIが描いた絵画には、著作権を与えない」の判断は正しいと著者は考えています。「でもAIが描いた絵にも創造的なものはあり、著作物として認めてよいのでは」と思っている人は、やはり考えている範囲が狭いのです。この問題は音楽でよくわかります。今の音楽は西洋の12音階方...
芸術がわからない原因自体を探る研究。美術が難しい症候群を解きほぐす試み。アートを敬遠する日本人を理解者に変える。
警部補が部下の警官が持参した愛妻弁当を「ゴミみたい」と言ったパワハラ以外に、拘置者の弁当の予備を常習的に食べていたとして依願退職した珍ニュースがありました。パワハラも弁当パクリも、平成のデフレ不況らしい光景です。弁当で思い出すのは、高一の時に一学年500人前後で行った大山の登山です。10台ほどのバスで長時間走り、ふもとに着いた日は雨。翌日の登山予定日は終日雨で、旅館に閉じ込められて。最終日、あきらめて...
戦費の調達法おもしろ時代劇【日本だけがなぜデフレ不況で貧困なの】
芸術界を発展させるには、国が裕福であることが条件です。それで日本の分岐点である経済の話題を増やしました。貧乏ならアートは消えるのみだから。日本だけが貧困化しているのは、社長が馬鹿で社員がサボリで、イノベーションがないからだと思っている人が多いようです。日本人はこう考えます。領土を奪われないよう防衛費を増やすと、国の金庫にためてある一万円札が多く使われ、減って底をつく。そこで国民のサイフにある一万円...
陰謀論と遠い関係の若者が目覚める時【コロナワクチンスキャンダル】
若者は陰謀論が概して苦手です。動画サイトを見ても、陰謀めいた話に失笑するのは、若い論者が圧倒的に多い。そうなるのはやはり人生経験が浅く、自分が陰謀に巻き込まれた経験がないからです。今巻き込まれている陰謀といえば、最近テレビ放映済みの『コロナワクチンの嘘』です。人間に元々備わるコロナウイルス除去の機能を、ワクチンが失わせるあべこべの作用が表に出ました。ワクチン接種者に限って死亡率が高い、各国の奇妙な...
この言葉を使うと理解しない人が増える【脳内イメージしにくい言語】
動画サイトを見て気づくのは、言葉選びの難しさです。ちょうどうってつけの言葉があっても、それを使うとリスナーたちが脳内にイメージを結べなくなって、理解が遠のいているなと感じることがあります。そのひとつが「需要と供給」という言葉です。世界が経済成長している中で、日本だけが30年以上も延々と経済衰退している理由の説明では、需要不足が正解です。しかしこの言葉を入れると、意味が理解できない人がどっと増えるよう...
日本の少子化は故意かミスかという議論【SDGsとの関係では故意】
芸術と同様にぐるぐる回って収束しないのが、日本の少子化問題です。一般的な原因解説は全て間違っており、解決法も常に外すのがお約束です。少子化は高度成長以降に続いてきましたが、急伸したのは1997年の緊縮財政と消費税増税からです。通貨の削減が原因。文明国では貧困化は少子化へ向かい、故意に貧困促進を続ける日本で、少子化も故意(目的化している)か、それとも巻き添えで生じた目的外のオマケ現象かは、著者も長く判断...
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「創作物はいずれ枯渇する、何をつくっても誰かがやったものばかり」という説は現実に起きていると、著者は著書で触れました。米国特許庁が出した「人工知能AIが描いた絵画には、著作権を与えない」の判断は正しいと著者は考えています。「でもAIが描いた絵にも創造的なものはあり、著作物として認めてよいのでは」と思っている人は、やはり考えている範囲が狭いのです。この問題は音楽でよくわかります。今の音楽は西洋の12音階方...
最近、バブルがはじけるのが近いとの記事を見ます。Yahooニュースに港区の大規模ディスコ『ジュリアナ東京』なき近辺で、再開発が活発化している報も。部分的なバブルは毎日はじけているから、言うが勝ちかもしれません。NFTアートバブルもそんなひとつでした。日本のバブル経済は1987~1992年の5年間が中心で、発端は『五カ国プラザ合意』でした。高度成長を果たした日本を円高に変え、他国が輸出で日本を打倒するもくろみ。その...
香港とオーストラリア合作の映画『THE MAN FROM HONG KONG』のテーマ曲が、ロックバンドのジグソー(英)『スカイハイ』。香港映画『片腕ドラゴン』(1972)の主演ジミー・ウォング(台湾)が、刑事として敵のビルへ乗り込む伏線が、冒頭のハンググライダー。乗り込まれる組織の親分は英国映画『女王陛下の007』で、ジェームズ・ボンド役を一度きりで辞任したジョージ・レーゼンビー(豪)。イギリスや米ハリウッド映画と違う雰囲...
何度か論じてきましたが、悪い時代のヒーローたちは、時代を悪くしている犯人なのです。そのヒーローたちに「時代を良くしてください」と頼み込んで活躍の場を与えると、より悪い時代へとどんどん変えていくに決まっています。しかも国民は思考でつまずきます。「時代を悪く変えたいやつなんていない」と思考してしまう。実はいるのです。たとえば消費税を上げれば、誰にとっても生活費が高コストになります。「だから上げたい者な...
勘違いしている人に、勘違いだと教えるのは、実際にはかなり難しい。理由は主に三つあります。ひとつは、人間は保守的で惰性的で、勘違いにフリクションがかかる点。二つめは、外部からの洗脳が発端の場合、容易に解けないカルト宗教のパターンに陥る脳の限界です。まだあります。もし自分の勘違いを認めてしまうと、一貫しない自分の立場がない。勘違いで築いた地位や収入を失いたくない自己愛の心理。メンツと利害も理解を妨げる...
日経平均株価が史上最高を記録しました。1989年12月29日に最高価格38957.44円、終値38915.87円でした。以降が「失われた35年」。その日からアメリカ株は14倍に上がったのに、日本株は逆に下がったままで、経済衰退が延々と続きます。若者の過労死が絶えない時代。その日本株も最近4万円台に上がりました。国民の疑問は「株価は高いのに、僕らの暮らしはなぜ悪いままなの?」。この疑問が間違った前提なのです。今の世界を覆う新自...
「人間は変わろうとすれば、変われるものだよ」と「人間は変わらないものだよ」の二つの言い方が聞こえます。矛盾するように思えますが、そのとおり矛盾しているのです。芸術の運命を追っても、人間は矛盾した生き物だとわかります。舞台芸でもいえます。「僕は人前に出て目立ってはいますが、実は生まれつき引っ込み思案な性格です」という言い方。これつまり、引っ込み思案な性格と、前面に出て社交的にやる行動に、さしたる相関...
著者は家では水道水を飲んできて、飲み物をつくる家庭的な楽しみとは無縁でした。一杯のコーヒーや紅茶を入れたのは、人生の半分をはるか過ぎてからでした。豆の挽き方にこったコーヒーの次は紅茶。一袋4円のティーバッグを大箱で買い続けています。ふと店で気になり、一袋24円の高級な紅茶を買ってみました。素で飲んでみると、何と味がしないのです。どの程度おいしいのかと心が構えたせいか、4円の紅茶と似たような印象です。ま...
平成になって飲み会が減った理由と、飲み会を若者が嫌った理由は同じです。緊縮財政と消費税増税による通貨削減で所得が減り、可処分所得が減ったから。生命維持に必要でない出費を減らしたいから。生活費を節約するために、飲み会へ加わらなくなった。しかし「僕は貧困なので飲み会へ参加しません」と言う若者は少ない。「上司とは飲みたくない」と理由をずらす。上司のいない同僚の飲み会もガクンと減ったから、真っ直ぐな告白と...
新型コロナのクラスターで封鎖された施設の女性に、センメルヴェイスの話題の前置きでガリレオの語を出した時。「ガリレオってなーに」と質問されて撃沈しました。全員を敵に回す一人ぼっちの人生は、考えてみれば男の子の世界といえるでしょう。ハンガリー人のセンメルヴェイスの名が日本で表に出たのは、コロナ前の2019年でした。消費税が8パーセントの頃で、もう5年近くもたつ。「センメルヴェイス反射」と呼ぶ行動が「税金は財...
バブルより前からあったアルトマンシステムの現代版が、結婚相談所と呼ぶデータベース式の仲人産業です。入会した29歳男性、55歳男性、28歳女性が異性と見合いし、交際し成婚を目指すTVノンフィクション番組が、ネットで話題になっていました。かなりの話題性。何が話題の中心かは、内申書のスペック重視で相手を選ぶ世知辛さや、男性はエステ通いやメイク、女性は美容整形を受けて挑む、残酷なほどシビアになるお見合いでした。晩...
漫画『セクシー田中さん』の作者が、実写テレビドラマ化で違約の改変を受け、ライバル的な脚本家のSNS発言の後に自殺した件。最初に連想したのは、芸術が苦手な国民性の反映です。著者は昔、女性コミックを持ち主からまとめ借りして読み、細かい心理描写に驚きました。紙の漫画は抽象表現を多用するから、芸術の要素を自然に含みやすい。それでファンやオタクの鑑賞力で受け止められても、テレビ化なら万人受けも必要だろうくらい...
考えてみれば、日本が世界から浮いて経済が単独で落ち続ける時代に、落としている犯人は当代の顔役です。当代の売れっ子カリスマ論者や、ベストセラー書がそう。よく売れた書籍は経済衰退させるための指南役でした。悪い時代の人気書籍は、悪書である真理です。一例が著者も読者だった雑誌『クロワッサン』でした。結婚しない女性の生き方を提案し、そのかっこよさで若い女性たちを魅了したのです。今結婚したくてもできない、アラ...
以前から先延ばししていた歌曲の編曲を、最近進めています。山田耕筰(1965没)作曲、三木露風(1964没)作詞の『赤とんぼ』。この曲の魅力は故郷を感じる歌詞なのは間違いないとして、二回上昇するサビのメロディーが決め手だと思えます。「け、こやけーのー」と「て、みたのーはー」で二回高く舞い上がる。このメロディーはパクリとされた騒動があり、シューマン作曲『ピアノと管弦楽のための序奏と協奏的アレグロニ短調作品134...
ChatGPTは、人工知能AIが読者の質問に答えるプログラムです。ネット上にある大量の活字、画像、音声をまず「学習」して、知識を整理して待機します。そうして人が文章をつくる時の話のつなげ方や、論理展開の技法をプログラムが備えます。ChatGPTサイトでユーザーが質問すると、瞬時にAIが答えます。しかし根本的な課題がいくつか残っています。ひとつは著作権です。ネットに置いてある著作物は、ピカソ論にしても、若い画学生が描...
大勢の日本人が目からウロコとなった言葉は、たぶんこれ。「国も家庭と同じで、収入以上に支出すればお金がなくなって破産する」。それを信じた結果、世界で日本経済だけが「失われた35年」です。読者はもう信じていないでしょう。もちろん国の破産は真っ赤な嘘です。なぜ嘘かは、政府に通貨発行権があるから。家庭に通貨発行権はない。「国がお金を使いすぎれば、金庫の一万円札が減りすぎて底をつく」「金欠で国の台所はおしまい...
今の日本では「人を幸せにする」の生き方は失墜し、カリスマご意見番たちも鼻で笑うほど。「助け合いは社会主義だ、ソ連になりたいのか」と忌み嫌います。代わりに「優れた者は残れ、劣った者は滅べ」という弱肉強食の選民思想が大衆の心をとらえ、だからカリスマに君臨。日本の若者に広くみられるのは、助け合いよりも倒し合いすれば、戦いを通して人間の能力が高まって、イノベーションが起きて経済成長する筋書きです。互助と協...
謹賀新年。今90歳の人は、太平洋戦争(大東亜戦争)の終戦時に12歳の小学6年生でした。そして多くの児童は飢えた体験を持ち、それゆえ食物を大切にする傾向が強い。レストランでSNS掲載用に撮影し、食べずに帰る客の出現は、飢えを知らない後の世代でしょう。ところで今の新世代たちは、二次大戦の後半に日本人が飢えて栄養失調になり、次々餓死した理由と、そのメカニズムを理解できていません。特に理屈一辺倒の人に多いのは「出...
日本では「食べていくために働く」の意味が誤解されています。食べ物を買うお金づくりが労働だと思っている人が多い。富裕家庭に生まれたら生涯遊んでいても食べていけて、平凡家庭に生まれた罰ゲームとして労働を位置づけるのが、カリスマ論者たちの切り口あるあるです。これはお金の性質を誤認した間違い解釈です。国民が労働する理由は、自分たちの食べ物を作るためです。「食べるために働く」という日本語は一応は正解ですが、...
著者は音楽には詳しいつもりで、各種ジャンルのソースをコレクションしています。生涯を通して増やし続ける理由は、探し続けているから。たとえば他人から「この歌手はいいし、このバンドもサイコー」と耳に入れると、「へえ」「ふーん」でその場は終わります。しかし後で必ず調べ、聴いてみることにしています。心がけではなく、ほとんど習性になっていて、力んでなんかいない。他人が注目するものは、注目するだけの内容があるは...
世界が経済成長する間に日本だけが経済衰退し続けた「失われた34年」は、GDPの横ばいとマネーストックが増えないレア現象です。実質賃金が低下した。この国力減退は「需要の縮小」が原因だと表現されます。需要が小さいとは、どういう意味でしょう。「需要と供給」と対になる語があり、何となく難しい印象を受けます。実は簡単で、需要とはお金の量、供給とは商品の量です。「日本は需要不足」とは、国民のサイフが軽い意味です。...
美術と老害というテーマで本に書く予定で、まだ情報集めの段階です。「高齢者は集団自決!」と主張する経済学者は国民に大人気で、テレビのレギュラー的な地位を得て、国際会議への招待も決まったそう。日本を壊す外国移住国民が、なぜ国際的に評価されるかは単純な話で、世界は常に上位の目標テーマを持ち、1989年のベルリンの壁崩壊の年から、資源大国ソ連と科学イノベーション大国日本を解体し、分割統治に変えるコンセンサスが...
金余りとは逆の情況なのに増税し続ける政策に対し、国民は「苦しい」とは言いますが「間違っている」とは言いません。みんなで税金の機能を誤解して、他国と逆をやっているとも気づかず、正しい文句も言えずに現状に甘んじています。国会議員が居眠りするケースでも、居眠り議員に税金を返させる要求は筋違いで、議員の歳費は公金と呼ぶ追加造幣分です。この税の話はやめて、議員たちの居眠りに戻ります。寝ている国会は大学の授業...
「物ごとは思ったより複雑だ」という説と「思ったより単純だ」という説は、多くの事物に両方とも同時にあてはまります。矛盾したかのようにみえます。複雑怪奇かつ単純明快。典型例が国の経済成長です。「思ったより複雑」がいえるのは、国の財源は実は通貨発行権であり、お金を発行できる上限は国産品の総量で決まるのです。ところが通貨を払って開発すれば、国産品は増加します。因果が循環します。好循環か悪循環か。自動補正は...
「最近のニュースは暗い話ばかりだ」の声は、事件や事故のネガティブな話題を指すのでしょう。それより多いのが企業の縮小、削減、撤退、中止、切り離し、倒産、廃業、解散。今年で最後になるとか幕を降ろすお知らせ。消えるか減るか小さくなる、終わる話題ばかりです。今と逆の時代もありました。1985年の内需拡大と、1995年のパソコン景気がそう。前者は『リゾート』、後者は『Widows 95』がキーワードでした。何かを、試す、手...
日本のデフレ不況は、緊縮財政と消費税増税で通貨削減して、一人一人の所得をわざと減らした現象です。その初期のプロセスで、個人主義と能力主義を強いて、人事評価も能力給や目標達成制度などへ改革しました。この脱日本のススメで、企業業績は落ち外資に買収されました。動物のオリや虫かごに入れるエサに相当する通貨を削減した上で、内部をどういじっても死滅が約束されて当然です。そこに「個人ががんばれば全体が大きく成長...
『東日本大震災の犠牲者を笑う高校生の
日本の景気に関し『凍傷の寓話』をあちこちに書きました。出版本にもあります。「軽いしもやけが少しずつ重い凍傷へと進行した。この時、人はどういう解決法を試みるか」というエピソードです。軽いしもやけ程度が、なぜいつまでも治らないのか。患部を水で冷やし続けているから一向に治りません。停滞をみた日本人はどう解決しようとしたか。水ではなく氷で冷やし始めました。当然ながら、中度の凍傷へと悪化したのです。症状がさ...
テレビを見ない持たない若者が増えた理由は、ネット情報で足りるからだけではないようです。テレビに嘘が多いからだという。ひとつは虚偽情報の流布で、一例が「高齢化で国民の負担が増えるからもっと増税が必要になる」の耳タコのフェイク報道です。国の出費を国民が負担する時代は1973年に終わりました。政府が国民に通貨を供給し、食わせ養っていく方式に完全に入れ替わったのです。国民が負担すると考えている人は、もはや生き...
あらかじめ情報を知っておいて助かった体験は普段もよくありますが、先に怪情報や偽情報を仕入れてしまう失敗もあります。2023年2月は変に寒い毎日が続きましたが、地球寒冷化の報道はなかったのでしょう。地球温暖化説を先に吹き込まれているせいもあります。洗脳効果で卑近な例は、ロシアウクライナ戦で生じた物価上昇を誤導した経済論でした。「日本もいよいよ物価が上がり、嬉しい好景気になりました」式の誤報がラッシュでし...
今日本で起きている「世界でまれな貧困化」は、国民が選挙へ行かなくなったせいで起きています。1980年代から「このままでは政治不信が起きる」が野党の決まり文句でしたが、すでに起きた現在この言い方は陰をひそめています。選挙には必ず固定票や組織票という、あまり変動のない確実な支持者の得票があります。大きい争点があれば支持政党のない浮動票が増えて山が動く現象が起きます。浮動票たちが、政治の無策にあきれて背を向...
最近おもしろい議論の動画が出ています。日本がなぜ経済成長しないのかが議題ですが、どうすれば日本経済が上向くかで、売れっ子有名評論家が「僕にはわからない」と言い出します。挑戦者は「僕にはわかり、それは通貨のばらまきだ」と唱えるのです。もちろん有名評論家の言うことは間違っており、挑戦者の言うばらまきが正解です。何しろ日本以外の全ての国がすでにやってインフレ好況に改善しており、唯一日本だけがばらまきを断...
世界がインフレ好況で好景気の中で、日本だけがデフレ不況で不景気です。女性と子どもが貧困で飢えている現象を「失われた30年」とも呼びます。2023年で34年目に入ります。その起点はベルリンの壁崩壊の1989年です。1989年は日本だけの大きい変化が複数ありました。たとえば平成元年と、消費税導入です。三つの中で日本にとって最大の致命的自滅は、消費税だったと今になって発覚しています。税金は財源でないのに、財源と見立てた...
最近、高齢者が多く集まる場所に顔を出したのですが、真っ先に思ったのはこれでした。「市の中心街をつくったのがこの人たちだ」と。人類も生物である以上は、今日よりも明日が繁栄するよう子孫に宝物を残します。ひとつが都市。宝物がお金だと考える人は、別に馬鹿とか無知ということでもないのですが、よくある間違いなのです。というか嘘を教えられています。子孫に残す財産とは、社会基盤、インフラストラクチャーです。たとえ...
緊縮財政とは、故意に自国通貨の発行をサボタージュして、国民所得を下げる統治法です。消費税増税は、付加価値(利益分と内部人件費)に課税し、国民所得を吐き出させ、企業の業績を下げる統治法です。日本だけで起きているデフレ不況の直接原因が、これら二つです。日本で続けられている理由は、国民がお金の意味を勘違いしているからです。国民は金庫にためた一万円札で国が運営されると思い込み、お金が減らないよう経済の動き...
日本で起きている物価上昇を「インフレ」と呼ぶのは、今や全く間違いといえるものです。というのは、インフレには二種類あり、良性のデマンドプル型インフレと、悪性のコストプッシュ型インフレは、善悪が正反対だからです。良性インフレは、自国通貨のばらまきで生じる買い物ブームで、製造者や店が強気価格に値上げする現象です。儲けは多少でも従業員に還元され、所得が上がります。悪性インフレは石油や小麦の原価が上げられ、...
すでに知られるように、戦後の日本人は左翼思想を叩き込まれました。共産主義思想がまず支持され、その後アメリカのマッカーシーの赤狩りで逆転して反共思想へ。反ソが基本で今に続きます。左翼思想の洗脳で功を奏したのが、進駐軍による焚書です。日本中の出版社、書店、図書館などから特定の本を没収し焼却し、読み継がれるのを阻止して日本人の脳内に情報を入れまいとした歴史です。年月経て調査が進むと、どんな本が連合国に不...
世界には自分と見かけがそっくりの人があと2人いて、計3人がほとんど同一人物に見えるという説があります。これを聞いた方は、疑問に思われるかも知れません。なぜ20人や1700人ではなく、わずか3人なのか。それは一人一人の顔が非常に異なっているからでしょう。スポーツ選手なども集まってみると、ウリ二つの人はほとんどいなくて、互いにかなり違う顔です。一人を見ていると納得がいっても、別の人を見るとものすごく違います。...
美術は好景気のシンボルであり、景気上昇のうねりの初段に、アートの活発化が起きる傾向が美術史にみられます。商業の膨張に連動した西洋ルネサンス運動もそうでした。今の日本はちょうど正反対で、34年目に入ったデフレ不況でアートから去る人が続出します。著者は海外美術展に参加された会員様に正月の年始メールを送っていますが、やはり返信があるのです。「美術をやめましたので今後はメールはいりません」と。やめる理由は、...
著者の本が美術評論の本と多少でも違うのは、ソース源が美術を作る側の人間だという点です。評論に多々みられる、憶測や空想した部分を言葉でつないで、机上でまとめた美文とは違います。作品を作る者の心理描写も、作家から聞いた話が多い。時には自身の事情を告白し、制作者の心の内まで入り、時にしつこく核心に迫ることもあります。絵や彫刻を作らない評論家が書いた本よりも、整然としていないでしょう。たとえば傑作絵画が生...