超短編小説 筑波山

超短編小説 筑波山

私は、大学入学以来久しく会っていなかった友人を誘って、筑波山に登ることにした。彼は筑波大学に進学したため、便(べん)が良かった。それに、想定され得るファミレスや居酒屋であれば気まずい沈黙も、登山中のそれならば注意が向かないと思われた。登山と呼んでは大袈