DAC若手演奏家リサイタルシリーズで、今宵は古賀朝也のファゴットを聴きました。元東響首席クラリネット奏者の十亀正司がプロデュースするシリーズで、今回がVol.64。前回このシリーズでファゴットだったのは、2022年5月13日のVol. 47で大内秀介でしたので、ファゴットは3
ほぼ毎日リードを作っているか、調整しているか、あるいはリードに悩んでいるアマチュアバスーン(ファゴット)奏者が、ほぼ毎日日記を更新しています。
11月は色々とあって演奏会が4つも予定されています。かなり綱渡りで、本番が終了するとその足で翌週のゲネプロ(Genralprobe)に参加するといった状態が続きます。4つのうち3つの演奏会はコントラバスーンだけの出番なので、何とかなるのではないかという皮算用です。
師匠と別件で電話をしていた時に、思いがけず欧州で活躍しているバロックバスーン奏者に会う予定だけど一緒に会う?と、お声がけを頂いて福井美穂さんをご紹介頂きました。ご紹介いただいた後、リハーサル会場まで同道させて頂き、ウォーミングアップを見学させて頂きまし
ボーカルコルクは自分で応急処置をし、念のためコルクグリスをたっぷりと塗り、週末のリハーサル3コマをこなしました。楽器の組み立て、片付け、チューニング*には、またコルクがズレないか不安でした。11月には4回演奏会の予定があり、来年1月の演奏会の練習も始まってい
タイトルがボーカルのコルクなのに最初の写真はコントラバスーンのソフトケースです。擦り切れてしまったのです。昨日はこれを修理していたので、リード作りには進展はありませんでした。ケースはアルティエリのソフトケースです。これを使うまでは重さが10kg以上もあ
加茂先生は40年以上ドイツに暮らし、オーケストラでの演奏活動、リード製作の傍ら日本のいくつかの楽器輸入商、小売店のサポートも行っていました。更にドイツに留学してくる日本人学生のお世話もしていましたし、ご自身のお嬢様もプロのバスーン奏者という事もあり、ド
昨日カバーリングを済ませたプレミアム・プレタポルテのプッペを、同じく昨日設定をし直したマシンで削ってみました。今回の8本はすべて硬度は15で統一したので、途中マシンの設定は変えずに作業を進めました。 マシンの設定はとにかくマシンの持つ機能を素直に使い倒
ゴールドとプレミアムの違いは、リード材の違いです。ゴールドは硬度が18-15の間で、密度は70-75の間です。プレミアムは硬度が16以上で、密度は75以上です。 ちょっと複雑ですが、硬度は30からその”硬度”を引いた数字を使っています。硬度18,17,1
先輩といっても学生時代の先輩ではなく、かつて在籍していた会社の同業他社の先輩です。先輩は国立大学(理系)をご卒業後、音大に進まれて、バスーンの演奏及び楽理の学位を取得されました。業界関係の「会合」でしばしば顔を合わせるうちに、お互いにバスーンという楽器
加茂先生は国立音楽大学を卒業後、ヴュルツブルクに留学され、1980年頃西ドイツ・ルール地方の中心都市、レックリンクハウゼンに本拠地を置くヴェストファーレン交響楽団の1番奏者に就任されました。20年ほど前に北京でお会いした時は、既に2番奏者に降りたとおっしゃって
今週は加茂先生に色々とご教示頂きましたが、「リードってなにか研究するものなの?リードが今のカタチになって100年くらい経っていて、もう研究され尽くしているので研究する余地なんかないのでは?」と、いきなり核心をつく「ツッコミ」が入り、オタオタしてしまいま
楽器店様からプレミアムのご注文を頂きました。プレミアムは、超高密度・高硬度ケーンで作っています。これまでは、モニター様になって頂いた方限定で、密度と硬度をある程度ピンポイントで絞って作っていました。つまりこれまでのプレミアムは、言わばアートクチュール(h
コントラバスーンの出番ですが、リードが…酷いことになってしまいました。
11月はコントラバスーンでの出番が立て込んでいます。実は2019年に頂いて使っていないリードがあったので、今期はこのリードを調整して乗り切ろうと考えていましたが、どうもそういうわけにもいかなくなってしまいました。 2019年9月初旬に軽井沢でブラームスの交響曲第4
加茂先生と22年振りの再会! そしてタケダウィングシステム発売間近!
大学に入学した時にオーボエの先輩で加茂さんという方がいました。そのお兄様が「加茂先生」でした。そしてやや複雑なのですが、その加茂先生を介して師匠である竹田先生に習うことになりました。今から40年以上も昔の話しです。 加茂先生はアクタス(ノナカダブルリー
トルコから送られる丸材は、いったいいつ届くのか?と思っていたら昨日届きました。
過日、トルコからどのように送られて来るのか、TNT(FedEx)の追跡記録を見ながら、あれこれ妄想していましたが、昨日午前にあっさりと届きました。これまでLAVORO 社より3kgずつ4回取り寄せました。 1回目は大きめの段ボール箱に無造作に丸材が入っていて、箱の中で丸
他人に何かを伝えることはとても難しいことです。初心者のころのレッスンで、アンブシャー(口のカタチ)は、「マミムメモのモ」と教わりました。しかし師匠の口許をみると、Mo というよりは Mö(モとメの間くらい) に見えます。また口の中の容積を大きくするようにと教
丸材のケーンを発注しました。さてさていつ届くことになるのやら…
ラクーンバスーンリード研究所を立ち上げてから仕入れている丸材は、すべてLAVOROです。イタリア語で「労働」とか「仕事」という意味です。語源はラテン語の labor なので、英語のlabor (labour) と同じです。Lavoro はイタリア語なので、イタリアの会社のようにも思えます
ティッププロファイラーの新しいセッティングが決まったので、あとはリード作るだけです。ケーンの在庫は「カマボコ」状態なので、まずストレート型のシェイパーでシェイピングをします。上の写真はシェイピング時に出てくるカスです。 そしてシェイピングしたケーンはそ
リードメーキングマシン類(ガウジング、プロファイリング、ティッププロファイリング)の刃は定期的に研いで頂いています。ガウジングマシンは、丸材を仕入れ、プレガウジングした後しか使用しないので、年に1-2回ほどです。プロファイリングマシンとティッププロファイ
譜読みとは何かと、考えて見ました。ピティナ(PTNA, Piano Teachers' National Association of Japan, 一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)が実施したアンケートによると以下のような結果になっています。1:楽譜に1回~数回程度目を通して雰囲気をつかむ(4%)2:
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DAC若手演奏家リサイタルシリーズで、今宵は古賀朝也のファゴットを聴きました。元東響首席クラリネット奏者の十亀正司がプロデュースするシリーズで、今回がVol.64。前回このシリーズでファゴットだったのは、2022年5月13日のVol. 47で大内秀介でしたので、ファゴットは3
写真はリーガー社製の二等分器(Tool to Haleve the Bassoon Cane)です。このブログを始めて5本目、当初2年ほど(20201月14日~2022年1月4日)は毎日投稿していたので5日目の投稿で紹介しています。http://blog.livedoor.jp/bassoon_biebrich/archives/5348893.html#mo
先日の日曜日は、不定期開催のHurry & Company 公演でした。ホールの夜枠だけを借りて、ステリハを軽くやってすぐに本番というコンセプトです。室内楽だったり、おさらい会形式だったり、室内オケだったり、演目もクラシックだったり、ジャズだったり。企画、立案、人集め
リーズンスタッフのメーキングマシン(Tip Profiler)は、「コントラバスーン交換セット」のパーツを追加で購入すると、”簡単に”トランスフォームできるとなっています。随分以前のことですが、このマシンを購入する時に故山上和宏(ヤマカズ)先生よりアドバイスをいた
毎年2月の恒例行事となっていた、〈管楽器専門店ダク 特別企画〉大人のおさらい会が2025年は5月27日に開かれました。プロの「先生方」が、6人出てきてさながらお弟子さんの「発表会」のように演奏するという異様な演奏会です。 実は先日の日曜日にY氏の代役で山梨県へ巡
応力って何だ? 私も良くわかっているわけではありませんが、ある物体に何か力を加えるとその力に抗って物体が元に戻ろうとする力のことのようです。バスーンのリードメーキングでは、フォーミングをする時に激しく実感します。 フォーミングは、リードのシャフト(チュ
今度の日曜日にシューベルトのオクテットを演奏するので、仕上げの練習をしています。冒頭の全開放のF(F3)は、ピッチの要を司るので神経を使います。練習している間中、チューナをそばに置いていて、全音域にわたってピッチが高めになっていることに気が付きました。 リ
いわゆる「リードナイフ」と言われているナイフは、片刃(諸刃ではない)の片刃(両刃ではない)カタチをしています。典型的な和包丁の刃を四角く厚くした形状なので、本来の使い方は「切る」「削ぎ切り」なのだと思います。 もちろん”本来”の使い方をすることもあるで
リードは使うとコンディションが変わります。吹きやすくなる場合もあり、吹きにくくなることもあります。このリードの変化について考えてみたいと思います。リードの変化は大別すると、二種類あると思います。ひとつは長期的な変化でもう一つは短期的、あるいは短周期的な
モーツアルトが約35年の短い生涯に完成させた交響曲は41曲ですが、その内短調の作品は2曲だけでどちらもト短調です。反対に二長調の作品は11曲にも上ります。有名なところでは、31番「パリ」K.297、35番「ハフナー」K.320と38番「プラハ」K.504です。これらの三曲はいずれ
なかなか思い出深いこの曲を演奏する機会がまだあるとは思いませんでしたが、2025年4月29日にチャンスは巡ってきました。 初めてこの曲を演奏したのは1979年3月で、高校オケ2年の時の定期演奏会でした。セカンド・バスーンを担当し、丸一年この曲に取組んでいましたが、難
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)は、1761年にエステルハージ家に副楽長として雇われました。当主パウル・アントン公は1762年に亡くなり、それ以降は弟のニコラウス・ヨーゼフ公に仕えました。1766年には前任者の死去により楽長に昇格しました。1790年にニコラ
モーツアルトは35年強の短い生涯に完成させた交響曲は41曲ですが、その内短調の作品は2曲だけでどちらもト短調です。反対に二長調の作品は11曲にも上ります。有名なところでは、31番「パリ」K.297、35番「ハフナー」K.320とこの38番「プラハ」K.504です。この三曲はいずれ
リードのカラーは、振動面の根本にあるシャフト部との段差のことで、ショルダー(肩)とも呼ばれます。現代のドイツ式バスーンリード特有の加工です。もちろんドイツ式であってもカラーのないリードもあります。 ドイツ式でもフランス式でも19世紀初頭では、リードにカラ
ベートーベンのセプテット(七重奏曲)に触発されて、シューベルトが作曲したという説もありますが、クラリネットの名手トロイヤー伯爵(Count Ferdinand Trpyer 1780 - 1851)がシューベルトに委嘱して作曲されたということになっています。 トロイヤー伯爵はベートーベ
先日文京シビックホールにて久しぶりにレ・ヴァン・フランセの演奏を聴きました。ジルベール・オダンの生音を聴いたのは10年振りくらいだったような気がします。素晴らしい演奏をすることは予め保証されていて、実際に素晴らしい演奏をしたのです。 何だか当たり前ではな
今年もコントラバスーンが大活躍する予定なのですが、リードはちょっとお悩み中でした。先日ちょとした閃きがあって、それに沿って手持ちのリードを再調整したところ、まずまずの結果となりました。(緑の糸の2本) それは、スクレーピングによってピッチを調整するとい
過日、IKE・Bizとしま産業振興プラザで木管十重奏の代奏で練習に参加しました。かつての「勤労福祉会館」を大幅改修したとのことで、チョット見は新築のようでした。ここの5階にある第一音楽室で木管十重奏の練習があり、代奏で行ってきました。 始めての場所で、自分以外
個人的な好みで言えば、高密度材が好きです。高密度といってもケーンのどの段階で測定するかで密度の測定値は測定するヒトによって変わります。(1) 四つ割りケーンGeorg Riegerは丸材を4つ割りにした段階で、ガウジングする前に測定することを推奨しています。そのためRie
久しぶりに歯医者に掛かった。先週臼歯の一部が欠けてしまい、食べ物のカスが溜まりやすくなり、食後の歯磨きが大変なことになったので、仕方なくです。治療をしてもらえば何と言うことはなく、処置だけなら5分程度であっけなく終わり、快適になりました。 歯科医を遠ざ
リード調整法として、「ココを削ればアレが改善」、「こういう時はココを削れ」的なテクニックは広く普及していると思います。リード製作に関する「教科書」にはほゞほゞ掲載されていると思いますし、Christian Davidsonの http://www.canit.se/~chrisdav/reedadj.html を
丸材からリードを作る手順としては、丸材の四つ割り⇒プレガウジング⇒ガウジング⇒(シェイピング*1)⇒プロファイリング⇒(シェイピング*2)⇒フォーミングとなります。それぞれの過程で様々な選別をしますが、もっともクリティカルな選別は丸材の直径、つまりカマボコ
今年は年初から厳しいお言葉をいただき、少しだけ心が折れそうになったことは否定しませんが、それによって得たものは少なくなかったのも事実です。特にコントラバスーンのリードについては謎が多く残っていたからです。 理由のひとつは、丸材から作っていないためです。
バロック時代あたりから6曲セットのソナタ集などが多いと思います。何故なのか?調べたのですがよくわかりません。グレゴリオ暦が1年を12か月、1日を24時間にしたためその約数が好まれているという説もあります。三位一体の3とか東西南北や春夏秋冬の4など。 では6は
この1週間で、リード15本、コントラ5本を出荷。年産300本体制から考えれば約2倍のペースです。基本的に一週間のうち二日をリード作りに充てているのですが、なかなかまるまる一日をリード作りに割くことも難しいのが現状です。 そこで毎日ではありませんが、曜日に関わら
演目は事前に知らせていたのが、ファッシュのソナタ、ウェーバーのアンダンテとハンガリー風ロンド、ケックランとサン=サーンスのソナタでした。ドイツのバロックと初期ロマン派、フランスの後期ロマン派と近代という組み合わせで、様式感をどのように演奏し分けるのかとい
リード作っていると色々と事故はつきものです。最悪の事故は2007年の春にカッターナイフで左手人差指を切ってしまったこと。その時は救急外来のある近所の外科病院にタクシーで駆け付け、2針縫ってもらいました。 物理的な痛みもそうですが、日常生活の不自由さが痛かっ
リードを作っている時は、「ゾーンに入る」感覚が偶にあります。偶々では困るので、屡々になって欲しいのですが…。それで、このゾーンに入ると、リードを見ているだけでどこをどう削る?調整する?のかわかってしまいます。 5本完成させるために6本仕掛けていましたが
寸暇を惜しんでという表現が正しいのかどうかわかりませんが、リード作り以外の用事が多すぎるのでそんな感じになってしまっています。昨日も午後から夜にかけて出かける用事があったので、午前中のわずかな時間に2ロット分のカバーリングをしました。 ゴールドとプレミ
先日、匠のところでティップ・プロファイラーとプロファイリングマシンの刃を研いで頂いた時のこと、匠がふと「私は不器用で下手なんです。でもだから丁寧に仕事をしている」と漏らしました。普段から「これができるのは私しかいない」などと豪語している匠にしては、意外
ラクーンバスーンリード、大変ご好評をいただきありがとうござます!もともと少ない生産能力の限界を超える状態が続き、5月末時点で約ひと月分の注残があります。ご注文をいただいた皆様には大変申し訳ないのですが、出来上がり次第順次出荷してまいりますので、今しばら
International Double Reed Society の会報というか季刊誌が届きました。このIDRSはInternational といっても殆どアメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人の為の協会で、ひとりでも外国人がメンバーになればInternational を名乗る、アメリカ人のエゴというか尊大さがうか
本当にたくさんのご注文を頂いてありがとうございます。4月と5月はこれまでの平均生産数の2倍強のご注文を頂いております。そのため納期が少し後ろにずれ込むことになり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。 並ファゴに加え、コントラも生産が滞ってしまっています。リ
理想的な数値と言っても人間ドックで算出される尿酸値とか血糖値とかではなく、バスーンのリード材についてです。リード作りの成功のカギの90%は、リード材によるものだという「教え」を実験するべく、4年間にわたって丸材から作って来た途中経過みたいなものです。 リー
リサイタルの概要: 2024年4月29日(祝)汐留ホール 13:30 開場 14:00 開演1)テレマン:12のファンタジーより第5番2)ドゥヴィエンヌ:ファゴット四重奏曲第1番3)モーツアルト:ファゴット四重奏曲第1番 K.285(原曲:フルート四重奏曲 ニ長調)♫休憩♫4)J.S.バ
何気なく”X"(旧Twitter)を見ていたら、東京音大オーケストラアカデミーの柿崎祐氏のポストに目が留まりました。「リニューアルしたヤマハのファゴットをお迎えしました!」とありました。柿崎氏は楽器を新調されたようですが、そのヤマハが「新モデル」のようです。http
私、失敗しないので…は、ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の主人公の決め台詞ですが、ラクーンは失敗することもあります。2つのプレミアム、78+14と78+16を6本ずつカバーリングをしようとした矢先に見つけてしまいました。 フォーミングの最中に振
定番のRaccoon Gold は常に作り貯めが必要なので、まずはプッペ貯金を殖やしていますが、完成リードの在庫も枯渇してしまったので完成リードの在庫も作り始めます。その一方で昨年来挑戦しているトゥーネマンとクノッヘンハウワーのプッペにも手を付けなければと、気が急か
1942年生まれで満82歳ということで、大変残念なのですが、致し方ない年齢なのかとも思います。スポーツ選手は現役を引退すると「評論家」になるケースがしばしばありますが、演奏家は演奏が続けられる限り生涯現役(を目指します)。ポリーニは昨年秋まで公の場で演奏を続
作ったリードを褒められると嬉しいものですが、いつもそう上手く行くとは限りません。ナイスショットは気持ちが良いのですが、なぜ良かったのか判らないことも多いのです。もし判れば常にナイスショットになる筈だからです。 高校一年の時、当時音大に進まれた先輩が練習