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34年間の教員生活を通して https://05192659.at.webry.info/

小学校での34年間の勤務経験を通して見てきた現場の様子を、思いつくままに書き出してみました。

むかちゃん
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2020/01/29

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  • T教諭に捧ぐ⑧

    T先生より1年早く異動し、3校目の3年目から教務主任を経験することとなりました。ここでも、T先生の教えを生かすことができました。できるだけ細かく提案することで、個々の職員の役割を明確にしていきました。特に、若い職員の供給が全く止まっていた時期でしたので、分掌会議や職員会議を簡素化し、余裕の出た時間を活用して、研修の内容を深めることができました。 やがて、3校目を離れるときがやってきました。定…

  • T教諭に捧ぐ⑦

    火鉢、ちゃぶ台、茶だんすなどが集まり始めました。「先生、これは座敷がいりまっせ。すぐに材料集めますわ。」と、地域から声がかかります。すでに、夏季休業に入り、秋の記念式典に向けて、日程の余裕はあまりありません。 そんなある日、朝7時過ぎに、T先生から電話が入ります。「朝から畳を運び込んだんじゃが、どうにもはまらんのじゃ。助けてくれんか。」朝食を摂る間もなく、学校に駆け込みました。どこから集めて…

  • T教諭に捧ぐ⑥

    勤務校が、創立30周年を迎えることになりました。当時の周年行事は、PTA会費の積み立て金ばかりではなく、バザーなどを行い、ある程度余裕のある資金の中で記念事業を行っていました。そこで浮上したのが、地域をテーマにした周年行事とし、余剰教室を利用して「郷土資料館」を作り、周年の冊子も、3年生の社会科の副教材になるものを作ろうというものでした。もちろん、T先生の提案でした。 バブル期を迎え、以前、…

  • T教諭に捧ぐ⑤

    ある年、「子ども達が、縦割り集団活動で、駅伝大会を計画しているんだけど。」と、児童会担当から相談がありました。T先生と私は、児童会の本気度を知るために、児童議会に同席させてもらいました。児童議会では、大会の意義や運営方法について、白熱した議論が交わされていました。下校時間をはるかに過ぎ、10月の7時は、あたりも真っ暗です。児童議会に出席している子の家族が迎えに来ても、子ども達の迫力に圧倒され、…

  • T教諭に捧ぐ④

    転勤して3年目、再び5年生の担任を命ぜられました。在籍120名の3学級でスタートする予定でしたが、春季休業中に転入があり、4学級編成となりました。異動してきた校長の最初の仕事が、講師の手配と、5年生の担任の再編成でした。急遽、低学年で決まっていた経験豊富な先生が5年生に入られました。 ところが、今度は年度途中での転出が相次ぎ、6年生では3学級編成となることが決まりました。その頃は、2年間持ち…

  • T教諭に捧ぐ③

    できあがったU字釘を、早速、運動場に打ち込んでみました。案の定、曲がってしまったり、U字の部分が広がるばかり。やはり、焼き入れをしないとだめなようです。専門家に問い合わせると、青酸カリが最も焼き入れに適しているという返答が。しかし、取り扱いできる人間がいないので、廃油で焼き入れをすることにしました。 近隣の小学校の陶芸釜を借用し、保護者が経営するガソリンスタンドから廃油も調達し、焼き入れ作業…

  • T教諭に捧ぐ②

    出会って2年目、私はそのまま体育主担の仕事を続け、T先生はサブでついてくださいました。T先生に主担になっていただき、私がその下で学ぶという選択肢もあったのですが、「体育主担は1人でええんや」というのがT先生のポリシーで、私がそのまま主担を続けることになりました。同時に、「他人に任せるんじゃない。自分で動いて、他の先生が気持ちよく仕事ができるようにしろ。」との教えを受けました。 勤務校の運動場…

  • T教諭に捧ぐ①

    人生、いかなるときも、「人との出会い」というものが、重要な位置を占めています。人と出会い、いろいろな影響を受け、仕事観や人生観が変わっていくものです。私も、仕事を通してたくさんの人と出会い、様々な影響を受け、何とか退職まで辿り着くことができました。その中でも、多くの影響を受けた師と仰ぐ先生の一人が、T先生でした。残念なことに、退職後7年目で帰らぬ人となられましたが、ここまで導いてくださったこと…

  • 校務分掌で人を育てよ

    私が職場を去る頃、現場では戦後3回目の大量採用時代を迎え、若い人たちが職場にあふれていました。最後に勤めた学校での8年間は、この若い人たちをどう育てていくのかというのが、私にとっての大きな課題でもありました。 教師の仕事は、大きく、「学級経営(教科指導も含め)」と「校務分掌」に分けることができます。初任者達には、目の前の大きな仕事として「学級経営」が立ちはだかるわけですが、私は、日頃から「校…

  • 学校規模適正化計画

    私が退職する1年前に、勤務していた自治体において、「学校規模適正化計画」が策定されました。政令指定都市の隣という立地でありながらも少子化が進み、単級学年を持つ学校が増えてきました。多くの学校の敷地には借地も含んでおり、行政的な視点にあっては、今後、小・中学校の統廃合を進めることが適切であると判断されたのでしょう。 では、行政は、どれぐらいの学校規模を「適正」と考えているのでしょうか。小学校に…

  • 優遇措置

    私の妻は、教員免許更新制度が導入された年の、初めての更新対象者でした。前例のないことですので、全てが手探り状態。更新の単位を取得するための講座の情報も不足し、申込先のほとんどが既に定員を超えているという状態でした。夏季休業に入り、やっと講座の申し込みができたと思えば、その講座の日程が日番勤務と重なり、今度は、日番の交代で四苦八苦するということもありました。講座の受講のない日にも、関係書類の整理…

  • 小中一環教育

    時代は、小中連携から小中一貫教育へと移り変わり、全国そこここに、小中一貫校が誕生しています。退職間際、いくつかの小中一貫校の研究発表に参加しましたが、研究指定校と一般校の間には、大きな違いがありました。 我々が普段勤めている一般校で小中一貫教育を推し進めようとする場合、まず、小中一貫教育の内容を十分理解できている「コーディネータ」の存在が必要だといわれています。私が勤めていた自治体でも、教育…

  • 学校選択制は有効か?

    この内容は、2013年頃に書いたもので、現状とは少し食い違うところもありますが、当時こんなことも考えていたんだなとふりかえりながら掲載します。 群馬県前橋市、長崎市ではすでに廃止され、東京都区部でも多くの区が廃止か廃止に向けた検討がなされている「学校選択制」ですが、これを今から導入しようとする自治体があることに驚きを隠せませんね。 はたして、学校選択制は、どこまで有効なのでしょう。廃止の…

  • データで勝負

    学期末になると、バタバタと忙しいそうにたまった教材をこなそうとする私に、ある教頭がこんなことを言いました。「計画的に進めることはもちろんのことだが、別のことをやり過ぎて、肝心の各教科等の時数がこなせてないんじゃないか?」今では想像もつかないことですが、20年ほど前までは、私は授業時数についてそれほど厳密に考えていませんでした。この年から自分で時数集計を取り始め、標準授業時数と照らし合わせながら…

  • 校務分掌の見直し

    私が採用された頃は、児童数も減少傾向に入り、各学年5学級以上あった大規模な小学校から、各学年3学級の中規模な小学校に生まれ変わりつつありました、大規模な小学校時代には、校務分掌の人数にもゆとりがあり、各学年からそれぞれの分掌にまんべんなく人員を配置することができていましたが、3学級になると、当時の多くの学校が採用していた、分掌を研修、生活指導、人権教育、健康教育の4本柱で運用することが難しくな…

  • 職員会議を迅速に

    職員会議の日は、いつも憂鬱でした。会議が長引くことが多く、終業時刻を越えることも日常茶飯事でした。ある年に、終業時刻が15分繰り上がりました。私は、それを機会に、新たな職員会議の進め方について提案をしました。 提案するにあたり、それまでの職員会議における無駄と考えられる時間を洗い出しました。その結果、提案文書の配布と提案の仕方に問題点を発見しました。提案文書を手元にそろえることに手間取り、会…

  • 教務を担当することになって

    教務主任という仕事につく場合、より上のポストへ進むための踏み台として仕事を捉える場合と、平場の立場でのしがらみのなさからリベラルに仕事を捉える場合の2つの側面を、諸先輩の姿から学びました。より現場改革に有効な立ち位置とは…。 教務を担当することになって、最初に取り組んだことは、年度内に翌年度の年間行事計画を確定させることでした。当時の小学校現場では、年度がかわって、学年構成など新しいシフト…

  • テレビ取材

    学校がテレビ取材を受ける場合、慎重に事を運ばなければなりません。なぜならば、バラエティー番組は当然のことながら、報道番組においても、局側が一定の方向性を持った状態で取材され、我々の思いや願いが上手く伝わらないことがあるからです。 外国語活動が導入される以前から、私の勤務地のとなりの自治体は英語教育特区の認定を受け、小学校1年生から国際コミュニケーション科を設置し、9年間の英語教育を展開してい…

  • 連絡会から教科部会へ、そして・・・

    中核教員連絡会が解散したあとも、外国語活動の研究組織が必要となります。そのために、市教研の中に外国語活動部会を新設することとなり、中核教員連絡会の推進委員が中心となり、中学校の英語科の教員も含め、10名程度でスタートすることとなりました。 中学校の英語科から部員を迎え入れるとができたことは、大きな意義がありました。小学校の「外国語活動」と中学校の「英語科」との接続を考える機会を与えられたから…

  • 中核教員連絡会

    府の中核教員研修が始まり、外国語活動の導入に向けて具体的な動きが始まりました。 私は、市の教育センターで中核教員研修を担当する指導主事に、中核教員の横のつながりを密にするための、中核教員連絡会を開催するように依頼しました。というのも、各校から研修に参加する中核教員の顔ぶれを見ると、採用2~4年目の若い先生がたくさんいたからです。伝達講習を中心とした30時間の校内研修は、名目上「各校長を中心と…

  • 外国語活動の導入に向けて

    平成23年度から実施された学習指導要領で、小学校高学年に「外国語活動」が導入されました。導入を前に、平成20年度、同21年度にそれぞれの小学校から各年度1名ずつ中核教員を選任し、小学校外国語活動導入に向けての中核教員研修が行われました。 各校において初年度の人選がなされ、予想通り、将来有望な若い先生たちがたくさん選ばれました。 私の勤務校では、高校、大学を通していつも2色刷の英語の評価をい…

  • 外国語活動とは

    平成23年度に導入された外国語活動の目標は、「外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う。」となっています。どこにも、「英語で」とは書かれていません。言い換えれば、自校ないし各自治体でカリキュラムを組むことができるのであれば、ドイツ語でもフラン…

  • タブレット

    「丸投げ」のところでも書きましたが、現場の教員は、指導法などについては想像以上に保守的です。そして、新しい人材を育成するための教員養成系の大学は、場合によっては現場の教職員より保守的で、先を見据えることができる人材を育てきれていない場合があります。行政は、そのような指導法に対して保守的な人材があふれている学校現場にタブレット型コンピュータを導入して、何を期待しようとしているのでしょう。 例え…

  • イベント的テレビ会議

    1995年から始まった「こねっとプラン」により、早くからテレビ会議ができる環境を得ることができました。しかし、導入時のテレビ会議は全てイベントとして取り扱われていました。特に、中国の小学校とのテレビ会議においては、事前に質問事項などが台本のように決められており、子ども達はそれを演じるという茶番劇が展開されていました。 その後、わずか5年程で通信環境は大きく変わってきました。テレビ会議も、IS…

  • プレゼンテーション

    いろいろな研究会などで出会うプレゼンテーションで、画面が文字で埋め尽くされていたり、画面の文字を読み上げられたりすると、がっかりします。画面を文字で埋め尽くすのであれば、それらをプリントアウトして配布する方がよく伝わるのではないですか。画面の文字を丁寧に読み上げていただかなくても、写真や図表を使うことで、より内容が伝わりやすいプレゼンテーションになると思うのですが・・・。 子ども達にプレゼン…

  • 企業の支援

    「地域の支援」の書き出しにもあるように、学校というところは、潤沢に予算を持っているわけではありません。何か新しい取り組みにチャレンジしようと思っても、予算の問題が壁になったり、教育委員会事務局の無知が壁になったりして、思い通り進まないときがあります。そんなとき、企業さんからの支援が、我々の活動を後押ししてくれることがあります。 あるメーカーさんから、「学校のような砂埃の立ちやすいところで、う…

  • 私とICT⑤

    「米作りネットワーク」以降、こねっとプランを引き継いだメーリングリスト、第3回教育情報化推進指導者養成研修のメーリングリストを統合し、新たに「総合的な学習の時間と交流学習のためのメーリングリスト」を立ち上げました。既存のメンバーだけではなく、情報機器のメーカーさんやソフトウェアのメーカーさん、大学の先生など、いろいろな分野の方々の参入もあり、一時は200アカウント越えるメーリングリストに…

  • 私とICT④

    「キトキト富山プロジェクト」を4年生で経験した子ども達を、そのまま持ち上がることになりました。その頃、5年生で「バケツ稲」を栽培することが、全国的に流行していました。そこで、今度は、この稲の栽培を交流学習につなげることを考えました。 この年に、勤務校が文部省(当時)からマルチメディア活用学校間連携推進事業(学校インターネット2)の指定を受け、私自身も松下視覚教育研究財団(現パナソニック教育財…

  • ケケケ鹿児島・とれとれ大阪

    「21世紀の鹿児島」イメージソング 『ケケケ鹿児島』(パロディー) 作詞 鹿児島市立向陽小学校5年2組の皆さん ※ ケケケ 鹿児島 ケケケ 鹿児島 ケケケ 鹿児島 元気でいっど! 鹿児島 夢の風 海のにおい きれいな青空 かるかんの 甘さに おいは天国気分 さとうきび 黒豚に 桜島だいこん あざやかな 菜の花 あったか温泉入ろう なきんべそやったら やっせんどぉ 泣くよかひとっべ …

  • キトキト富山・マメマメ秋田

    「21世紀の富山」イメージソング 『キトキト富山』(オリジナル) 作詞 富山県民の皆さん 踊り 福野町立福野小学校4年生のみなさん 補作 高原 兄 作曲 高原 兄 ※ TOYAMA キトキト TOYAMA キトキト TOYAMA キトキト 元気でやらんまいけ! TOYAMA 愛の風 蜃気楼 光る雪どけ水 ほたるいか 白エビに ブリはオラッチャの宝 コシヒカリ 梨…

  • 私とICT③

    こねっとプランの活動がフェードアウトしていく中、参加校の一部には、まだまだ交流学習を推し進めたいという気持ちがありました。 1998年秋、2000年の富山国体に向けて、新しい富山県民歌「キトキト富山」という曲が作られたことを知りました。早速、富山県の先生と、交流学習のネタにならないかと打ち合わせをし、「キトキト富山」を企画したテレビ局にも、替え歌づくりなど問題ないかどうかを確認していただきま…

  • 私とICT②

    1995年、3校目に転勤したときに、その学校が「こねっとプラン」に参加することになりました。これにより、市内2校目のインターネット環境(ISDN回線)を獲得し、NTTを中心とするこねっとプラン推進協議会の全面的な支援のもと、Phoenixテレビ会議システムにより、中国や福島県の小学校とテレビ会議を行うこともできました。 こねっとプランの活動がフェードアウトしていく中、秋田県と埼…

  • 私とICT①

    教員生活後半、一人前とまではいかずとも、とりあえず仕事ができるようになって、特に力を注いだ分野について紹介したいと思います。 私がこの職に就いた頃、「インベーダーゲーム」が大流行していました。街の喫茶店では、テーブルに100円玉を積んで「インベーダーゲーム」に興じるサラリーマンの姿がありました。「こんなゲームを家でもしたい」という思いが、NECPC6001と出会うきっかけとなり、BASIC…

  • 総合的な学習の時間以前の総合的な学習活動

    総合的な学習の時間が導入される以前から、授業の時間をはしょっては、子ども達といろいろなことをしてよく遊びました。 ある年の夏、牛乳パックを使って、みんなが乗れる船を作ろうということになりました。いくつ集めたのか定かではありませんが、ほぼ教室の一辺の長さに匹敵するような大きさの船ができたと記憶しています。水泳指導最終日にプールに持ち込み、2~3人が乗り終えたところで船はバラバラ。木工用ボンドは…

  • 総合的な学習の時間

    2002年の学習指導要領の改訂で新設されたのが、総合的な学習の時間です。この改訂は、明治の学制、戦後の教育改革に次ぐ、日本の近代教育における3度目の大改革だと声高に叫ばれました。その象徴的なものが、この総合的な学習の時間で、国語科、算数科に次いで週あたりの時数が多く、高学年では、週あたり3時間を越える時数が配当されていました。ところが、配当時数からしても重要な位置づけであったはずの総合的な学習…

  • 特別活動

    学習指導要領では、特別活動は、学級活動、児童会活動、クラブ活動、学校行事に分類されています。この中で、児童会活動について振り返ってみましょう。 現在の保護者世代のみなさんは、児童会役員選挙で立候補なり、投票なりの経験をお持ちではないでしょうか。その頃の児童会の組織は、会長を頂点に、副会長、書記、(会計)と、4年生以上の各学級から選出された代議員(学級委員)で構成されていたと思います。 とこ…

  • 道徳

    この内容は、2017年度以前にブログに掲載していたもので、現状とは違う部分もあるのですが、当時のまま掲載します。 今、文部科学省では、首相の私的諮問機関である教育再生実行会議の提言を受けて、「道徳の教科化」が検討されているようです。現行の学習指導要領での道徳は、「教科」ではなく「領域」です。 ところで、「教科」と「領域」はどのように違うのでしょうか。実際のところ、明確な規定はないようです…

  • ハンドビー

    現行の学習指導要領の体育では、球技を取り扱う場合、低・中学年においては「ゲーム」の領域で扱い、具体的な球技名は示されていません。高学年では、「ボール運動」の領域で、バスケットボールやサッカーなど、具体的な競技名が示されています。しかし、私は、高学年の「ボール運動」領域で、「ハンドビー」という競技を取り入れていました。耳慣れない競技名だと思いますが、それもそのはず、私が編み出し、命名した競技なの…

  • 「組み立て体操」から「組み体操」へ

    運動会の花形といえば、やはり「組み体操」なのでしょうか。運動会そのものが、必ずしも秋の行事ではない昨今、その内容も少しずつ変化してきているのかもしれません。 私は高学年を担任することが多かったので、必然的に、組み体操にかかわる機会も多々ありました。新任校や2校目に勤務していた頃は、ホイッスルの号令で子ども達が演技をしたり隊形変換をしたりする、いわば古いタイプの「組み立て体操」を行っていました…

  • 家庭科に限ったことではありませんが

    教育の情報化が進み、小学校においても「著作権」についての指導を行うようになってきましたが、その指導を行う教員の「著作権」に関わる感覚を問われた時代がありました。即ち、テストプリントやワークブックなどの選定用に業者から持ち込まれたサンプルの、違法コピーの問題です。 家庭科でも、テストプリントやワークブックのサンプルが届きます。特に、実習の多い教科ですから、ワークシートがあれば手順の説明の時間を…

  • 6年生の家庭科

    学習指導要領では、家庭科などの教科などで複数年にわたる指導内容が提示され、学校独自のカリキュラムを作成しているところも多いと思います。私は、6年生を担任するたびに、5年生の履修内容を確認しながら、以下のように調理実習を展開させました。 1学期は、夕食を意識させます。1週間程度の夕食調べをした後、それぞれのメニューの栄養評価をさせ、不足しがちな栄養素を、野菜炒めやお味噌汁で摂取す…

  • 図画工作

    私が小学生の頃からずっと苦手にしているのが、この図工科です。指導される側から指導する側に移った34年間の教員生活の間も、ずっと苦手なままでした。 しかし、小学校、中学校を通して、いつも惨憺たる状態だったわけではありません。小学校5年生の時に1度、中学校でも1度だけ、作品を褒めてもらった記憶があります。 小学生の時に褒められたことで記憶しているのは、グレーの色画用紙に、その頃出回り始めた水性…

  • 音楽科

    高学年においては、どの教科よりも専科担当にゆだねることが多いのが、この音楽です。しかし、音楽の授業に対する子ども達の姿勢は、必ずしも音楽専科担当だけが作り上げているのではありません。学級担任の姿勢も、音楽の授業の中で生きることがありますので、その時々に取り組んでいる曲を知っておくなど、専科担当に任せっきりにならないように配慮しなければなりません。 私が学校に勤め始めた頃は、週に1度、音楽集会…

  • 生活科

    高学年を担任することが多かった私ですが、ただ1度だけ、2年生の担任を命ぜられたことがありました。それは、1992年の学習指導要領改訂の告示がされ、先進校が生活科の実践を深めようとしていた時期と重なります。私の勤務校でも、移行措置を先取りする形で、生活科導入に向けての取り組みを始めるところでした。 教科としての社会科、理科を進めながら生活科につながる活動をしていましたので、新設される生活科は、…

  • 身の回りの科学

    子ども達の理科離れが叫ばれて久しいですが、全国学力・学習調査の結果などを見ていると、小学生は、まだまだ理科に対する興味を失っていないようです。その興味を持続されるためには、やはりそれなりの工夫が必要となってきます。キーポイントは、「身の回りの科学」。 私の勤務地では、3学期の最初の給食が「お正月メニュー」になっていました。お雑煮を主菜に、副菜には黒豆、田作り(ごまめ)が付きます。ある時期には…

  • 立体の学習

    学習指導要領では、それぞれの教科・領域の、どの学年で何を学ぶかが示されています。各教科の教科書は、それをもとにして編集されていますが、教材配列や指導順序については何ら拘束されることはなく、現場の判断で自由に取り扱うことができます。 あるとき、立体の単元で、効率的な教材配列を検討したことがありました。通常は、教科書に図示されている直方体の、辺、面、頂点などについて調べ、展開図の描き方に進みます…

  • 円周率は3? 3.14!

    2002年の、いわゆる「ゆとり教育」の始まりとされる学習指導要領の改訂で、小学校算数科で扱う円周率について、円周の長さや円の面積を求める計算については、「円周率を3として計算させてもよい」ということになりました。このことが、マスコミの誇張、誤報によって、「小学校では円周率を3と教える」と誤解され、反ゆとり教育へ進むきっかけともなりました。しかし、この時代も、円周率は3.14だったのです。 …

  • 平行四辺形の面積

    3校目に勤務していた2000年頃から、課題解決型の算数科の授業を、習熟度別少人数指導で行うことになりました。その習熟度別指導ですが、能力別指導と勘違いされる方が多いようです。習熟度別指導では、どの段階のコースでも、その時間の課題は同じです。違うのは、主として、その課題を解決するためのアプローチの方法です。ですから、得られる答えも同じものであり、同じ結論を見いだすことになります。 5年生では、…

  • 6年生の社会科

    5年生の社会科では実体験重視を訴えましたが、6年生の社会科の多くは歴史の学習になるため、実体験につなげられる部分は限られてきます。 その数少ない実体験の場面が、古代の土器づくりです。ある遺跡の発掘現場を見学した際、学芸員から田んぼの粘土で瓦器ができるということを教わったのがきっかけで、授業の中に組み込むようにしました。社会科の時数だけではこなしきれないので、図工科と合科的な扱い…

  • 5年生の社会科

    日本の食料生産の学習の中で、バケツ稲に取り組ませたことがあります。しかし、バケツ稲はあくまでも疑似体験でしかなく、場合によっては、学習の妨げになってしまうこともありました。特に、稲作にとって大切な「夏」の季節のほとんどが夏季休業と重なってしまい、子ども達の安全確保の観点から、夏季休業中の稲の管理は教職員の作業となってしまうのです。その結果、水の管理や除草、開花の観察など、重要な部分が全て…

  • 高学年の国語

    ここからは、教科・領域を指導する中で、ちょっと工夫したことや気付いたことなどを、具体例を挙げながら紹介したいと思います。なお、指導要領の改訂などにより、現状とはかけ離れていることもあろうかとは思いますが、ご容赦ください。 国語科では、何よりも「日本語を上手に操る力を身に付ける」ことを大切にしてきました。それを具体化するために、まず、語彙を膨らませる工夫が必要でした。そのためには、新しい単元…

  • 地域の支援

    学校というところは、予算が潤沢にあるわけではありません。その上、学校には予算の執行権がほとんどありません。新たに備品を購入するにも、ほとんどの場合、教育委員会事務局の判断を仰がなければなりません。そのような環境の中で、学校独自の新たな取り組みを生み出すことは、なかなか難しいものです。 ある学校でのことです。創立30周年記念事業の一環として、「郷土資料館」を作ろうということになりました。 そ…

  • 地域の教育力

    巷の公立小学校にとって、地域の教育力は欠くことのできないものです。何気ない日常生活から子ども達に影響を与える大人の姿もあれば、ある学年で経験した、積極的な大人の姿もありました。 4年生を担任していたときのことです。学校公開で、総合的な学習の時間の取り組みの発表会を行いました。 あるグループが、学校周りのたばこの吸い殻の調査をした結果について発表していました。駅に近い学校だったので、土・日よ…

  • モンスターの卵

    私の第1子がまだ幼稚園に通っていた頃の話ですから、今から30年ほど前の話になるでしょうか。子どもが通っていた幼稚園の、盆踊り大会の日のことです。狭い園庭にたくさんの保護者が詰めかけ、立錐の余地も無いほどの満員の状態の中、幼稚園の先生達は浴衣姿で汗にまみれながら、子ども達の指導や安全確保に駆け回っておられました。ある先生が、ラインカーを片手に、保護者の観覧エリアの線を引き直しています。つめかけた…

  • 学習参観点描

    多分、ほとんどの先生がそうだっただろうと思うのですが、経験の浅い身に、学習参観というものは難関でした。幸い、私は、経験を積むにつれ緊張感も浅くなり、逆に参観授業に来られている保護者の方々を観察するほど、楽しむことができるようになりました。 保護者の方々はあまりお気づきになっておられないようですが、担任の位置からは、参観されている様子がよく分かります。たまに、ガムを噛んでおられる方がおられます…

  • 保護者から担任への連絡

    子どもを学校に通わせていると、担任の先生に何かを伝えなければならない場面に遭遇することがあります。連絡帳、電話、学校で直接話をする、家に来てもらって話を伝えるなど、上手く方法を使い分けて、保護者としての考えを確実に伝えることが必要です。 連絡帳で伝える内容は、込み入ったものを伝えようとするとき、文章表現が難しく、上手く相手に伝わらないことがありますので、できるだけ簡単なものに絞った方がいいで…

  • 誰が誰を育てているの?

    公立の小学校というところは、地域の支えなしに存在することはできません。一時期、学校選択制が流行ったこともありましたが、現状はどうでしょう。やはり、どれだけ学校側で人材をそろえようとも、地域と学校の連携に勝るものはありません。ここからは、34年の教員生活の中で感じた地域と学校の関わりについて、具体的な例も挙げながら進めていきたいと思います。 教育に対する価値観の多様化で、学校は保護者の多岐に…

  • 校長への道

    外部の目からすると、教員になった者は、校長になることが、退職までの目標であるとうつっているのかもしれません。しかし、少なくとも、一般企業の営業職で1年ももたず、最終手段としてこの道を選んだ私は、管理職になってはいけないと心に決めていました。できることならば、校長職というものは、大学選択の段階で教員養成系の大学を選ぶような、高潔な理想を持った方に務めていただきたいという願いを持ち続けていたからで…

  • いくつになったら

    2校目の4年目の年度末だったでしょうか、当時の教頭と飲み会の場で、こんなやりとりがありました。 「来年度の担任希望、悩みますわ。」 「おまえ、エェ年こいて、何が担任希望じゃ!白紙委任せぃ!」 「エェ年?エェとして、いくつですか?」 「35じゃ!」 「それなら大丈夫です。自分、まだ34ですから。」 と、この年までは希望学年を挙げていましたが、翌年度からは、白紙委任することにしました。 一見パワ…

  • どこが一番?

    ある学校に転勤したとき、校門まで迎えに出てくれた校長から「よく、こんな学校に来てくれました。」と声をかけられました。学校を決めたのは教育委員会であって、私は、転勤希望先のいくつかの記入欄の一つにその学校の名前を書いただけです。多少の謙遜があってのことだとは思いますが、学校の「長」である本人から「こんな学校」という言葉が飛び出そうとは・・・。 その昔、ある先輩教諭に、「これまで勤めてこられた学…

  • 学校の品格

    私は高学年を担任することが多く、34年間の勤務のうち13回も6年生を担任しました。その分、修学旅行に行く機会も多かったということになります。 さて、修学旅行に出かけると、その学校の「品格」がよく表れます。子ども達は興奮状態にあるので、なかなかその姿から平素の姿を想像することが難しいときもありますが、教職員の様子を見ていると、その学校の持つマンパワーや、システム上の問題点というものが、手に取る…

  • あいさつは自然発生を待つ

    あいさつの指導に関しては、私は少数派かもしれません。それは、あいさつ運動や、指導者に強制されたあいさつでは身に付かないと考えているからです。 例えば、給食の調理場の入り口を想像してください。担任か当番の児童の発声で、「いただきます」と声をそろえて入っていきます。私は、当番が全員そろって「いただきます」とあいさつすることを指導しません。しかし、私自身は大きな声で「いただきます」と、調理員さんに…

  • 使う前よりきれいに

    いろいろな学習活動で使った道具の片付け方、私は、2種類の片付け方があると思います。まず1つは、表題にもあるように「使う前よりきれいに」片付ける方法。もう一つは「元通りに」片付ける方法です。 学習活動で使用するものは、理科の実験器具や家庭科の什器のように、完全に元の場所に戻さないと次に使用する学級が困ることがあるものと、跳び箱のように、ほぼ元の場所に戻しておけばいいものがあります。 私は、後…

  • 高学年の歌声

    私は、転勤するたびに、着任式での新しい校歌の歌声を楽しみしていました。多くの学校では、低学年の元気な声が響き渡りますが、中には、高学年のきれいに澄んだ声が全体をリードするような学校もありました。 校歌に限らず、高学年が行事などの場で大きな声で歌うことができる学校は、どこもすばらしい学校でした。当然のことながら、高学年を担任することになれば、大きな声で歌を歌うことができるような学年経営を行いま…

  • 給食の消費量

    ここからは、34年間の教員生活の中で自ら体験したり、先輩から教えられたりしてわかったことの中で、特に守り通したかったことなどを中心に構成します。 「給食の消費量は、学級の活力と比例する」これは、私の信念でした。自分自身が食いしん坊なせいもあるのですが、とにかく、給食の消費量の多いクラスが好きでした。 なぜ、給食の消費量と学級の活力が比例すると考えたのか、その逆を考えると、答えは容易く見つ…

  • 保護者から連絡をいただいたとき

    保護者の方から担任に、ご連絡いただくこともよくあります。その方法も、連絡帳、電話、来校、場合によっては家庭訪問を要請される場合もあります。その手段と内容によって、対応する方法を考えなければなりません。 まず、連絡帳で何かの連絡をいただいたときには、内容をよく理解することが必要です。緊急性を伴うことなのか、ただ単に伝えることを目的とされているのか、何らかの解決策が必要なものなのかなどを慎重に判…

  • 担任から保護者への連絡

    学級担任をしていると、保護者と連絡を取らなければならない場面が、必ずやってきます。その連絡方法は、連絡帳、電話、家庭訪問などいろいろありますが、起こった事象によって、それらの連絡方法を適切に選ばなければなりません。 学校での生活の様子や学習にかかわることは、初めは連絡帳でお伝えするといいですね。指導を重ねても改善の様子が見られない場合には、電話などで、詳しくお伝えするのがいいでしょう。くれぐ…

  • 学級通信をうまく生かそう

    ワープロ専用機が一般的になった頃から、私は、定期的に学級通信を発行するようになりました。時代が進み、ワープロ専用機はパーソナルコンピュータに変化し、デジタルカメラで撮影した画像が入るようになり、高速プリンタが手に入ると、教室でカラー印刷をして配布できるようにもなりました。 基本的に、学級通信は学級経営上必須のものではありません。保護者の方には、あくまでも担任による保護者へのサービスであるとい…

  • 持ち上がり考

    私が2校目から3校目に異動して数年ですから、時代は21世紀を迎えようとしていた頃でしょうか。それまで、基本的に、奇数学年を担任したら、そのまま偶数学年に持ち上がることになっていました。しかし「それぞれの子ども達に、均等に教育を受けることができる機会を作るため」との理由で、単年度でクラス替え、担任も基本的に1年限りという状況に切り替わりました。 確かに、それは、学校規模が小さくなり、子ども達の…

  • 丸投げ

    私のような昔人間の多くは、まさか、在職中にコンピュータの使い方の指導をしたり、自分自身で英語の指導をしたりしなければならない時代がやってくるなんて、思いもしなかったに違いありません。けれども、各校にICT機器が配備され、高学年では外国語活動の時間の授業が行われています。このような時代を迎えたとき、昔人間達は、どのようにしてそれを乗り切ったのでしょう。 各現場では、これらの導入に向けて、教育委…

  • 転勤1年目はじっと我慢

    私が勤務した自治体では、初任校については6年、2校目以降は10年を限りとして異動するという申し合わせになっていました。さて、初任校の6年を終えて、2校目の1年目、そこには大きな落とし穴が待ち受けていることを知っていますか? 初任校の6年目、「新任」というレッテルもはがれ、校内事情もよくわかるようになり、そろそろ仕事もできるようになってきました。そして、6年間の経験を携えての転勤。ここまで順調…

  • 研修旅行

    毎年、夏季休業が近づいてくると、職場の研修旅行を思い出します。学校によって多少の違いはありますが、月3000円程度を積み立て、研鑽と修養も兼ねた一泊二日の研修旅行に出かけていました。しかし、「一部の大酒飲みだけが得する職員旅行」という批判や「何度も行ったことのあるところ」というマンネリ化から、参加者も徐々に減ってきていました。2000年頃から、研修旅行が土・日に実施されるようになり、費用も割高…

  • 飲むュニケーション

    校内研の打ち上げ、運動会の打ち上げ、卒業式の打ち上げ等々、みなさんの職場では、定期的に「飲み会」が開催されていますか。老いも若きも、女性も男性もが参加できている職場であれば、活気に満ちあふれ、教職員間の連携も密で、創造力に富んだ職場なのではないでしょうか。 我々が若い頃に経験した「飲み会」は、たばこの煙が充満した居酒屋やスナックで、管理職やベテランの先生を「よいしょ」したり、聞きたくもない愚…

  • 少数職種の職員

    学校という職場は、教員だけが勤めているというような単層構造の環境ではありません。管理職は別として、職場には単数もしくはごく少数の人数配当しかない職種があります。その中でも、特に教員から仕事の内容が見えにくいのが、学校事務職員の仕事です。私は、もっと日常的な部分で教員と学校事務職員が互いの職務内容を理解すれば、より一層学校運営がスムーズに運ぶと考えています。 例えば、特別教室の備品や消耗品の整…

  • 企業勤務経験を持つ教員

    ここまでは、教職員の待遇面を中心に書いてきましたが、ここからは、教員をめざす人や、現場経験の浅い人向けに、私の経験を通して感じた職場の在り方のようなものをまとめてみたいと思います。 学校の先生になる方法には、いくつかのルートがあります。最も一般的なのが、教員養成系の大学に進む方法です。一般大学で、教職課程の単位を取得する方法もあります。また、他大学で取得した単位を認定してもらう方法などもあ…

  • 宿泊行事の食費

    例えば、子ども達が林間学舎に出かけ、2日目のお昼の飯ごう炊さんの時間に、担任の先生が宅配のピザを食べていたらどうでしょう。修学旅行の楽しい夕食の時間に、担任の先生がカップラーメンを食べていたらどうでしょう。そう、宿泊行事に付き添う教職員には、検食との兼ね合いもあって、食事を選択することはできません。しかし、その選択できない食事の費用は、実は全て自己負担になっているのです。 確かに、自分が食べ…

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