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2019/12/01

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  • 樺沢紫苑『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)

    資格試験の勉強をしようとしたときに「過去問が大切」とはよく言われます。そして、新進気鋭の資格試験予備校では、「インプット講義を何度も復習するよりも、早くアウトプットの練習を始めたほうがいい」という説明を耳にします。そのような時に出会ったのがこの本でした。

  • ニック・ビルトン『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』(日本経済新聞出版)

    アップルだとジョブズ、ウインドウズだとビル・ゲイツなど、世界の有名企業にはいつも個性の強い創業者がいるが、ツイッターは誰なんだろう、そんな素朴な疑問から手に取った本でした。答えとしては、ノア、ジャック、エブ、ビズの4人がそれぞれアイデアや資金を出して、激し

  • 吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)

    コペル君よりちょっと若い、小学校高学年くらいの時に会いたかった本。これくらいの時、こんなことを考えていたような。でも、あまりこんな話をする友達もいなくて、おじさんもいなくて、ただ一人で悶々と考えていたような。同じ様なことを考えている人がいるって勇気になる

  • エリック・シュミット 他2名『How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント』(日経ビジネス人文庫)

    一番いいかたちで決定を下せるようにプロセスを調整する「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」「やるべき仕事があれば、忙しい人に任せろ」率直な質問をしても不利益にならないことを態度で示そう必要だがつまらない仕事を免除される

  • 浅田次郎『蒼穹の昴(4)』(講談社文庫)

    蒼穹の昴全4巻の完結編。変法の改革が破れて西太后が三度政治の実権を握ることになる。これは西太后が望んだ結果ではないだろうが、各登場人物の思惑が渦巻く中で、こうなることは必然だったのだろう。そう、それは天が決めた運命だったのだと。しかし、この物語は運命を人間

  • 浅田次郎『蒼穹の昴(3)』(講談社文庫)

    本を読むとき鉛筆で線を引っ張ったり、ページの端を折ったりするのですが、前半は全然ドッグイアがありませんでした。でも、後半にちゃんと好きなシーンがいくつもできました。まずは、文秀と春児の再開です。お互い高い地位に上り詰め、言いたいことを気安く言い合える身分

  • 浅田次郎『蒼穹の昴(2) 』(講談社文庫)

    はい、2回目読みました。1回読むだけじゃ理解できなくて。最後まで読んで2周目読んでます。2回目だと人物関係や背景知識が入っているからか、楽しみながら読み進めることができます。これってやっぱり読解力が悪いんですかね。最初から読んでも理解できるのが普通なんですか

  • スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(村上春樹翻訳ライブラリー)

    読む前に傑作とかアメリカ文学の最高峰とか言うから、なんかきっとすごいんだろうなと思って読むけど、やっぱりついていけない。あとがきでこの小説の素晴らしさを熱弁されるんだけど、存分に楽しむためにはもっと背景知識があったり、原文で読むことが必要になってくるのだ

  • 白石仁章『杉原千畝: 情報に賭けた外交官』(新潮文庫)

    ヒューマニスト杉原千畝の本を読むことで心温まる気分に浸って人に優しくできるようになれればなと思っていたのですが、どうやらそういう本ではなかったようです。第二次世界大戦というそう遠くない過去に生きた日本人のインテリジェンス・オフィサーとしての活動を史料をも

  • 和田秀樹『この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く』(朝日新書)

    勉強法の本で知っていたのか著者の名前が気になって手に取った本でした。著者は年間30冊もの本を書いているそうです。自分は東大卒の人が書いた本は読みやすいという勝手な思い込みがあるのですが、この本も例にもれず読みやすかったです。言葉遣いが優しく、話題も知ってい

  • 須賀しのぶ『革命前夜』(文春文庫)

    僕のクリスタは頭がよくて努力家で才能があって美しい。触れようとすると離れてしまう。そんな秘められた陰があるところも似ているかもしれない。僕には見えない遠くを見つめているその澄んだ瞳にはなにが映っているのだろう。僕の知らない風に吹かれたあなたを知りたい。な

  • 森博嗣『喜嶋先生の静かな世界』(講談社文庫)

    不思議な感じ。その名のとおり静かな小説でした。静かなんだけど決してつまらないとか平坦な訳ではなく、理系の世界ってこうなのかなと想像しながら読んでいました。静かな中にある情熱や静かな恋愛。淡々としているようだけど、人間の不完全な部分もある。理系の人は感情と

  • 岩田松雄『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版)

    思っていたよりしっかりとした中身がある本でした。この手のビジネス書は表紙に書いてあることが全てで、中身は著者の主張が薄く、新しい発見が少ないことが多いという印象があります。でも本書の場合、自分と考え方が似ているということもあったのでしょうか、刺さる言葉や

  • 夏目漱石『私の個人主義』(講談社学術文庫)

    本書と同名の講演「私の個人主義」が行われたのが大正3年(1914年)のこと。100年以上も前の日本にこれだけ先見性を持って、社会を冷静に見つめ、ユーモアを交えて人に伝えることができる日本人がいたことは誇りに思う。そして、こういう講演を聞きに行く文化がかつてこの国

  • 夏目漱石『私の個人主義』(講談社学術文庫)

    本書と同名の講演「私の個人主義」が行われたのが大正3年(1914年)のこと。100年以上も前の日本にこれだけ先見性を持って、社会を冷静に見つめ、ユーモアを交えて人に伝えることができる日本人がいたことは誇りに思う。そして、こういう講演を聞きに行く文化がかつてこの国

  • 渡辺秀樹『芦部信喜 平和への憲法学』(岩波書店)

    憲法の大家、芦部先生について書かれた本。憲法について学んだことがある人は必ず知っている名前だと思います。ただ、東京大学に通っていた人でもない限り、その人となりを知っている人は少ないのではないでしょうか。自分も憲法について勉強したことがあり、その理論を聞い

  • 渡辺秀樹『芦部信喜 平和への憲法学』(岩波書店)

    憲法の大家、芦部先生について書かれた本。憲法について学んだことがある人は必ず知っている名前だと思います。ただ、東京大学に通っていた人でもない限り、その人となりを知っている人は少ないのではないでしょうか。自分も憲法について勉強したことがあり、その理論を聞い

  • 伊集院静『ノボさん(下)小説 正岡子規と夏目漱石』(講談社文庫)

    正岡子規の生涯を描いた小説の後編です。後編は子規が病に苦しむ様子が続きます。体調が悪く、先が長くないことを悟った子規は、それでも生きることに情熱を燃やします。「あしは戦場でたとえ死んでも、それは本望というもんです。」周囲の人の反対を押し切って従軍記者とし

  • ルース・ベネディクト『菊と刀』(講談社学術文庫)

    途中で読むのを辞めてしまった。その理由としては、唯一絶対正しい欧米白人様が極東のちょっとおかしな国を論じた本に感じてしまったからだ。視野の狭い著者が、その低い理解力で日本という国はこういう国だと断定して、そこに上から目線の評価を加えていく。そのような主張

  • 司馬遼太郎『坂の上の雲(一)』(文春文庫)

    明治維新が終わったあと、日本が近代化していく時代に生きた3人の物語。日露戦争に関係する秋山好古・真之兄弟と正岡子規が話の中心になる。第1巻では3人の平穏な日々が描かれている。3人の関係性や秋山兄弟が軍人になった経緯、当時の日本で騎兵隊や海軍がどのように扱われ

  • ジェイムズ・ヒルトン『チップス先生、さようなら』(新潮文庫)

    「チップス先生、さようなら」っていうのは、死んじゃうから「さようなら」なんだ。なんか寂しいね。チップス先生は、ユーモアがあるおじいさんの先生で、みんなに慕われています。こんな先生いたかな。おじいさんの先生はスベってる先生の方が多かった気がする。ただいるだ

  • カルロ・ロヴェッリ『すごい物理学講義』(河出文庫)

    物理学についてわかるようになりたいなぁという思いがあって手に取った本。だけど、やっぱりそう簡単には理解できない。地球が丸いことくらいまでは理解できるんだけどね。過去にも未来にも属しない時間が200万年続く。時間と空間は一体のもので、歪んでいる。宇宙に果てはな

  • 温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(白水Uブックス)

    国籍とは何か。母語とは何か。そんなことを考えさせられる内容でした。仕事の関係で台湾から日本にやってきた家族。著者は台湾で生まれたけど、日本語で育ち、一番不自由なく使えるのが日本語だが、日本国籍はなく日本の選挙権もない。ずっと日本に住んでいて、日本語を話す

  • ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波少年文庫)

    時間どろぼうに時間を盗まれ、暇がなくなり心をなくす人々を、不思議な少女モモが救う物語。正直なところ、使い古されたテーマなのかなと思いながら読んでいました。こういう本があったから、ゆとり教育とかができて、それもすでに廃止されて。今はどちらかというと時間を持

  • ホーマー・ヒッカム・ジュニア『ロケットボーイズ 上』(草思社文庫)

    1957年にソ連が打ち上げたロケットを見て、自分も作りたいって思って、NASAのエンジニアになった人の自伝小説です。「失敗も知識の積み重ねには違いない」と考え、何度もロケットを爆発させながら、手探りで少しずつロケットを作っていきます。普通の少年が「ロケットを作る

  • 與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)

    これは偏見かもしれないけど、東大出身の人が書いた本はわかりやすく、面白い。難しい話をしているはずなんだけど、平易な言葉で簡単に説明してくれる。それ以外の有名大学出身の人だと、「どうせ君には分からないだろう」という感じで難しいことを難しく説明するイメージが

  • グエン・ズー『トゥイ・キォウの物語 』(吉備人出版)

    『物語ヴェトナムの歴史』(小倉貞男著、中公新書)で紹介されていたベトナム文学の最高峰といわれる作品です。物語の始まりで、若い女性が家族を助けるために「身を売る」ということが美化されているのが、時代の違いなのか、文化の違いなのか、いまいち共感できないのです

  • 遠藤周作『沈黙』(新潮文庫)

    暗くて悲しい陰鬱な気分になる作品です。少なくとも前半は。島原の乱の後、キリスト教に対する禁圧が強くなっているところに、キリスト教の宣教師が乗り込んで行きます。そして、役人に見つからないように怯えながら、逃げ隠れの生活が始まります。隠れキリシタンが役人に見

  • マーク・トウェイン『ハックルベリィ・フィンの冒険』(新潮文庫)

    「よし、それじゃあ僕は地獄へ行こう」この小説の中で一番好きな台詞です。当時は“黒ん坊”である黒人奴隷の逃亡を助けることは悪いことだったんですね。それをハック少年も分かっていた。でも、仲間であるジムを助けたいと思ってしまった。そこで、上の台詞。とても少年ら

  • ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ2』(講談社+α文庫)

    アップルの製品は互換性がなく、使いにくい。マイクロソフトの方が柔軟性があり、自由や競争があり、発展性がある。少なくとも、本書を読むまでは、自分はそう考えていた。ただ、アップルのように全てを1社で作ることでできるイノベーションもあるということは、ジョブズによ

  • 藤沢周平『蝉しぐれ(下)』(文春文庫)

    下巻は怒濤の伏線回収でした。一つひとつの小さなシーンにちゃんとそれぞれ意味があるんですね。そして、クライマックスではハラハラドキドキの死闘があり、しっかりと盛り上がります。それまでの不遇を主人公の剣術で"逆転"する様子は、読者として気持ちがいいものです。最

  • 灰谷健次郎『太陽の子』(フォア文庫)

    通勤電車の中で本を読むことが多いのですが、毎朝泣いていました。全編ずっと泣いていました。結構恥ずかしいのですが、これだけ心を揺さぶられることは、正直なかなかないですね。沖縄が大きなテーマになっていますが、お話の舞台は神戸で、戦争が終わって数十年経った頃で

  • 藤沢周平『蝉しぐれ(上)』(文春文庫)

    昭和63年に刊行された藤沢周平による時代小説。戦国武将とか人がいっぱい死ぬ戦とかではなく、江戸時代ころの庶民の生活を舞台にしているので、ちょっとした時間旅行に行くにはうってつけの小説といえる。架空の藩である海坂藩の少年藩士の文四郎が過酷な運命に翻弄されつつ

  • チャック・パラニューク『ファイト・クラブ』(ハヤカワ文庫NV)

    ブラッド・ピットが主演する映画の原作小説です。当時はボコボコ殴り合っているのと、ブラッド・ピットカッコイイなぁくらいの印象しか無かったのですが、年を取って改めて小説を読むと“面白さ”がわかりました。正直、前半はついていけず退屈な感じだったのですが、途中か

  • 浅田次郎『蒼穹の昴』(講談社文庫)

    清朝末期(19世紀末)頃、西太后の時代の中国の話。糞拾いの少年、春児が天下の財宝を手に入れるだろうという話。中国の歴史にしばしば出てくる「宦官」についてよく書かれている。なるためにはどうするのか、どこをどんな風に”切る”のか、なった後は素晴らしい人生が待っ

  • エリン・メイヤー『異文化理解力』(英治出版)

    「文化が違う」と言ってしまえば簡単だけど、その言葉の意味をどのくらい深く理解しているだろうか。そんなことを考えるきっかけになる本でした。普段、自分が「普通」だと思っていることが、違う文化の人から見ると「異常」に見えたりする。でも、自分にとっては「普通」の

  • マハトマ・ガンジー『ガンジー自伝』(中公文庫)

    インド独立の父といわれるガンジーの自伝。この自伝では1920年ころまでで終わりとなっており、30年代、40年代のことには触れられていない。ガンジーが亡くなったのは1948年であり、有名な「塩の行進」は1930年、反英独立運動が行われたのはそれ以降であり、ガンジーを知る上

  • ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ 1』(岩波文庫)

    20世紀の初めころのフランスの作家ロマン・ロランが書いた、不屈の気魄をもって真実を追求し続ける音楽家ジャン・クリストフの物語。第1編ではクリストフが生まれたころから青年になるまでを扱っています。クリストフの思考や行動が、子どもの時代の特有の考え方をうまく表現

  • 小倉貞男『物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム』(中公新書)

    今までベトナムは東南アジアの貧しい国の一つくらいの認識しかなかったが、自分がいかに無知であったかを思い知らされた気分だ。考えてみれば当たり前なのだが、そこには一国の歴史があった。中国による1000年の支配があり、独立後もタイ、ラオス、カンボジアといったインド

  • イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』(角川文庫ソフィア)

    評論家・山本七平が、日本で生まれ育ったユダヤ人、イザヤ・ベンダサンであるという設定で書かれたもの。本書を読む限り、なんでそんな面倒臭い設定をしたのかは分からない(ユダヤ人になりきっている)が、ユダヤ人と対比することで日本人や日本文化を語ろうとする視点は面

  • 吉川英治『三国志(1)』(吉川英治歴史時代文庫 33)

    歴史物ってどうしても難しそうなイメージがあったのですが、文章が平易で読みやすく、ワクワクしながら読み進められる1冊でした。週刊少年ジャンプとかの原形がまさにここにありという感じです。本書の『三国志』は、後漢末期(西暦180年頃)から約100年ほどの間の中国を舞台

  • 小倉昌男『経営学』(日経BP)

    もはや一般名詞と化している「宅急便」の誕生物語。ヤマト運輸自体は大正時代に著者の父親がトラック運送会社として創業していた。しかし、それは企業間の商業貨物が中心で個人宅への配送は行っていなかった。それどころか、当時は個人宅配は事業として成り立たないものだと

  • 川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)

    酒飲みになると嗜好が変わることがあっても、生まれつき砂糖が嫌いな人はいないらしいですね。赤ちゃんも含めて全ての人が砂糖を好きになるとか。そんな誰からも好まれ、世界中で需要のある砂糖を軸に世界史を見ることで、当時の一般の人々の具体的な生活の様子や、世界各国

  • 青柳恵介『風の男 白洲次郎』(新潮文庫)

    占領期間中、GHQに対しても言うべきことを言い、「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた男、白洲次郎の人物伝。明治生まれで吉田茂と縁があったことから、政治家や官僚ではなかったにもかかわらず、公の場で活躍することが多かった。戦前の当時から英米と日本やドイツとの

  • 松本清張『点と線』(新潮文庫)

    まず、表紙が怖いですね。そして、中身は社会派推理小説です。社会派というのは××省の汚職事件が絡むからなんですね。部長が自己保身のために課長補佐を消そうとする。課長補佐は殺されるが、部長とその取り巻きは結局何事も無かったかのように出世する。主要な連絡手段が

  • 村山斉『宇宙になぜ我々が存在するのか』(ブルーバックス)

    宇宙の最初に物質ができるとき、反物質というものが同時に同数作られる。物質と反物質がくっつくとどちらも消滅する。同時に同数作られた物質と反物質が、どこかで出会えば消滅するのなら、いまこの世に物質は存在しないはずなのではないか。でも、実際には我々自身を含め物

  • アシュリー・バンス『イーロン・マスク 未来を創る男』(講談社)

    スペースX、テスラモーターズ、ソーラーシティという3つの異なる分野で成功を収めているイーロン・マスクの伝記。名前は知っていたけど、何をやっている人かは知らなかった。それは、日本人の、しかも一般庶民にはあまり関係のない分野で成功しているからなのかなと、本書を

  • 早野透『田中角栄 - 戦後日本の悲しき自画像』(中公新書)

    戦後を象徴する政治家、田中角栄の生涯について番記者がまとめた伝記。角栄は初当選が昭和22年で、平成元年に引退声明を発表しているので、まさに戦後、そして昭和を象徴する人物といえるでしょう。生い立ちから、軍隊での体験、初当選から大臣、自民党幹事長、首相時代、そ

  • 安藤百福『魔法のラーメン発明物語 私の履歴書』(日経ビジネス人文庫)

    チキンラーメン、カップヌードルを発明した日清食品の創業者の自叙伝です。今までカップラーメンって体に悪いものだと信じていたのですが、実はそうではないらしいですね。むしろ、栄養食品なんだとか。著者は、36歳のときに戦後の食糧不足による餓死者を見て、食こそが一番

  • 菊池寛『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』(新潮文庫)

    歴史物が10編ほど入った短編集です。時代としては平安時代から江戸時代まで幅広く、『解体新書』で有名な杉田玄白・前野良沢らのお話もありました。当時は、異国の言葉は読めないものと考えられていたそうです。しかし、前野良沢は漢詩だって読めるんだから、オランダ語も読

  • 伊集院静『ノボさん(上) 小説 正岡子規と夏目漱石』(講談社文庫)

    ノボさんとは、正岡子規の幼少の時の呼び名である升(のぼる)からきている。本書は、みんなに「ノボさん、ノボさん」と呼ばれる正岡子規の生涯とその人間的魅力について書かれた小説だ。ノボさんはよく食べる。蕎麦を3杯食べたり、鰻は2杯、その他西瓜、牛鍋、桜餅、蜂の子

  • 芹澤健介『コンビニ外国人』(新潮新書)

    コンビニに外国人が増えたなぁという話。みなさんは「移民」についてどう思いますか?不法滞在者が増えるとか治安が悪くなるとか暗いイメージが強いのではないでしょうか。しかし、日本はもう既に移民を受け入れるか否かの段階ではなく、どう向き合っていくかを考える段階に

  • ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』(日経BP社 )

    ビジョナリー・カンパニーとは、要は、先見性があったり、未来志向であったりというようなビジョンを持っている企業のことをいうらしいです。でも、それだけでは足りなくて云々ということが具体的な企業名や数字を挙げて、様々な観点から考察されています。組織には核となる

  • サン=テグジュペリ『人間の土地』(新潮文庫)

    まあ、難しい本でしたね。言い回しが抽象的で捉え難く、何度か繰り返し読んで徐々に分かってくる感じでした。前提として、サン=テグジュペリ(1900-44)が、フランス人の職業飛行士であったことや、当時の飛行機はまだ安全な乗り物ではなく、しばしば不時着をしていたことな

  • 坂口安吾『白痴』(新潮文庫)

    坂口安吾という名前を聞いたことはあったけど、作品を読むのは初めてでした。昭和の戦争の前後に活躍した人で、作品の中にも戦争の影響が表れています。今の時代、戦争物というと「戦争反対」や「御涙頂戴」が多いと思いますが、日本が負けると確信している人や開き直って負

  • 佐藤勝彦監修『「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界』(PHP文庫)

    タイトルをよく読むと、「よくわかる」のは「アインシュタインの不思議な世界」であって、「相対性理論」についてではない。「相対性理論」については「楽しむ」としかされていないことに気付くだろうか。つまり、この本を読んでも相対性理論を理解することはできないのだ。

  • 岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)

    「他人から嫌われても気にするな!自分の道を進もう!」そんな威勢の良いことが書いてあるのかなとタイトルを見た時には思いました。しかし、そういう根性論・感情論的な話ではなく、「幸せになるためにはどうすべきか」についてアドラー心理学に基づいた科学的なこと、具体

  • 鈴木日出男『万葉集入門』(岩波ジュニア新書)

    令和の出典ということで興味を持ちました。本書は、万葉集そのものを前から順番に読んでいくのではなく、その成立や発展を詳しくみていくことで、万葉集に対する理解を深めることができる構成になっています。歌を詠む文化が、はじめは宮廷周辺におこり、下級官人や庶民に広

  • 塩野七生『ローマ人の物語(1)― ローマは一日にして成らず(上)』(新潮文庫)

    ついに『ローマ人の物語』に手を付けてしまいました。本屋さんに行くとズラーッと並んでいるあのシリーズです。なんとなく気になってはいたんだけど、全部読むのが大変そうなので、今まで避けていました。でも、さすが本屋さんでよく見かけるだけあって、やっぱり面白いです

  • 武村政春『新しいウイルス入門』(ブルーバックス)

    ウイルスといって真っ先に思い浮かぶのは、ノロウイルス、インフルエンザウイルスなどの病原体としてのイメージだろう。ウイルスは、私たちの細胞よりも小さく、細胞の中に入り込んで"悪さ"をすることで様々な症状を引き起こす。ウイルスとは何かが分かっても病気にならなく

  • 武村政春『新しいウイルス入門』(ブルーバックス)

    ウイルスといって真っ先に思い浮かぶのは、ノロウイルス、インフルエンザウイルスなどの病原体としてのイメージだろう。ウイルスは、私たちの細胞よりも小さく、細胞の中に入り込んで"悪さ"をすることで様々な症状を引き起こす。ウイルスとは何かが分かっても病気にならなく

  • 施耐庵,松枝茂夫(編訳)『水滸伝 上』(岩波少年文庫)

    児童書という分野に手を付けてみたのですが、とても読みやすいですね。漢字にフリガナも振ってあるし、作りが丁寧です。小難しく書いていないので、今後古典をさっと読むなら、児童書がいいかもしれません。本書を読んでいると何故かドラゴンボールが思い出されました。そう

  • ゲーテ『ファウスト-悲劇第一部』(中公文庫プレミアム)

    うーん、わからん。部分的には理解できても、全体として面白く読み進めることができない。こういう本って普通は普通に読めるものなんですか?自分の読解力が足りないのでしょうか?ということで解説本を併せて読みました。本書は、第1部なのでまだ途中ですが、要は、あらゆる

  • ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ 1』(講談社+α文庫)

    スティーブ・ジョブズの伝記。ジョブズが生まれた頃から、ピクサーを創設して『トイ・ストーリー』を成功させた頃までのお話です。ジョブズといえばアップルやiPhoneのイメージがあったが、ピクサーも作ったんですね。才能のある人は何をやっても成功するといったところでし

  • 戸部良一 他『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(中公文庫)

    大東亜戦争の6つの事例(ノモンハン事件・ミッドウェー作戦・ガダルカナル作戦・インパール作戦・レイテ海戦・沖縄戦)を詳細に分析し、その失敗を現代社会にどういかすかということがまとめられている。昭和の頃の戦争の話と現代社会では時代も状況も異なるので、いかすと言

  • 一橋大学経済学部編『教養としての経済学 - 生き抜く力を培うために』(有斐閣)

    錚々たる執筆陣(かどうかは知らないが一橋大学の教員なのでそうだと思う)が書いた経済学の入門書。経済学とは何かから始まり、経済学の様々な分野の諸問題について平易な言葉で説明している。TPPやギリシャ危機、マクロ・ミクロ経済学、ゲーム理論など、確かに聞いたことあ

  • ムハマド・ユヌス『ムハマド・ユヌス自伝』(上)(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

    バングラデシュの経済学者。人々が貧困であるのは、愚かで怠惰だからなのではなく、社会経済の仕組みが貧しい人々を貧困から抜け出せなくしていると言う。そこで、女性などの本当に貧しい人々に対してお金を貸すことで、経済的自立を支援し、貧困を撲滅しようとする。本書は

  • 瀬戸内寂聴『瀬戸内寂聴の源氏物語』(講談社文庫)

    学生の時に読みたかった。平易な表現でとても読みやすく、解読することに終始するのではなく、面白いと思いながら読み進めることができた。“かろかつくう”とか丸暗記させられて、点取り競争をやらされていたことになんの意味があったんだろう?千年前の物語だから現代の常

  • 山本周五郎『さぶ』(新潮文庫)

    さぶはいいタイミングで帰ってくるなぁ。相変わらず締まらねぇこと言ってるし。人生においてどうしても許せないことってありますよね。怒りで周りが見えなくなって、四面楚歌のように思えるとき。でも、それはそれで仕方のないことだし、その時はしっかりそれに向き合えばい

  • 広島テレビ放送『いしぶみ―広島二中一年生全滅の記録』(ポプラポケット文庫)

    昭和20年8月6日、広島で人類の上にはじめて原子爆弾が落とされた時の話です。この本は、感動させるための物語ではなく、あくまで広島二中の一年生321名が全滅する様子を淡々と記録したものです。そこには、物資の少ない中で一生懸命勉強をする普通の中学生の日常がありました

  • 臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)

    テレビで聞いたことのある「パレスチナ問題」。なんとなく興味はあるんだけど、身近なことではないし、知る機会もなかなか無く、今まで分からないままだった。本書では、三大一神教の起源の頃から現代までの歴史を、パレスチナ問題に関連のある事件を中心にまとめてある。途

  • スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』(新潮文庫)

    相変わらず、自分の中の"あの頃"をくすぐってくる作品。アメリカ生まれじゃないし、1960年代も知らないし、死体探しの旅に出たこともないんだけど、なぜか懐かしさを感じる。そういえば、昔、お昼過ぎのテレビ番組で映画版を見たことがあるような気がする。リバー・フェニッ

  • 城山三郎『少しだけ、無理をして生きる』(新潮文庫)

    まずタイトルに惹かれました。「少しだけ」っていうのがポイントですよね。無理をしすぎちゃうと続かなくなるから。そして、常に自分をワンランク上の世界に置いておく。そうすることで成長し続けようってことなんでしょうね。本の中身としては、毛利元就、渋沢栄一といった

  • 興津要 編『古典落語』(講談社学術文庫)

    落語って小難しいものだと思ってました。だって、この本の表紙も「分かる人には分かる」感じ出してません?でも、この本を読んでみると、江戸時代のこととか、落語の知識とか、そんなに知らなくても楽しめるんだということが分かりました。また、楽しいだけでなく感動させる

  • 坂村健『痛快!コンピュータ学 』(集英社文庫)

    もはや我々の生活とは切り離すことができなくなったコンピュータ。基本的には説明書等を読まなくても直感的に操作することができる。ただ、直感的に操作できる機能だけを使っていてもコンピュータの機能を充分に使いこなせているとはいえない。本書は専門書ではないので、平

  • M.J.アドラ-/C.V.ド-レン『本を読む本』(講談社学術文庫)

    読書を野球のキャッチャーに例えているのが面白い。すなわち、キャッチャーは「受け手」であるのだが、ボールをキャッチすることも積極的活動であることには違いないというのである。なるほど確かに、ボールを受け取るためには自分から掴みにいかなければできないだろうし、

  • 前間孝則『ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡』(新潮文庫)

    自動車メーカーのホンダが30年かけて小型ジェット機をつくるという壮大な物語。自動車会社が飛行機をつくることはなんとなく自然なように思えるけど、話はそんなに単純ではない。技術的にも全くの別物であるし、莫大なコストがかかることや、失敗は墜落を意味するので企業イ

  • ランディ・パウシュ『最後の授業 ぼくの命があるうちに』(SB文庫)

    癌によって余命半年であることが宣告されたアメリカの大学教授のお話。自分が死ぬことが分かるってどういうことなんだろう。現実的に「半年後に死にます」っていうのが分かったら自分には何ができるだろう。ランディは、癌を宣告されたことさえも「幸運」だった表現している

  • 山崎豊子『花のれん』(新潮文庫)

    吉本興業の女主人がモデルとなっているらしい。最初は、呉服店の普通のお嫁さんだった多加。商売ができない夫に「一番好きなことを一番本気になってやろう」と励まして寄席を始めることにする。夫は早々に亡くなってしまうのだが、多加は、お婆さんの背中を流したり、蠅が飛

  • 渋沢栄一『論語と算盤』(角川ソフィア文庫)

    商業界は、ややもすれば拝金主義や利己主義に陥りがちとなる。また、明治初頭の武士としての教育を受けて育った人たちは商業を卑しいものと考えがちだった。そんな時代に、渋沢は実業家としての視点から、「論語」すなわち道徳と「算盤」すなわち経済活動が一致しなければな

  • ショーペンハウアー『読書について』(光文社古典新訳文庫)

    とても薄い本なので、分厚い本を読む時のような心理的な負担が小さく手に取りやすい。でも、中身はとても濃くて、中学生とか高校生の時に出会いたかった本だといえる。というのも、「考える」「読む」「書く」ということについて平易な言葉で説明していて、現代文の勉強とか

  • 橋爪大三郎×大澤真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)

    キリスト教が、現代の日本を含む世界中の文化・政治・経済・科学等に看過することができない影響を与えていることは否定しがたい事実だと思います。でも、具体的に何にどう影響を与えているのかということは普段あまり考えたりしないのではないでしょうか。この本では、キリ

  • 成毛眞『本は10冊同時に読め!』(知的生きかた文庫)

    「あいつはバカ。こいつもバカ。バカにバカって何が悪いんだ。」みたいな感じで痛快だった。スパスパ切っていく感じで、勢いがすごい。どうせこの本もどこかのゴーストライターが書いた本なんだろうけど、著者の博学さというか読書量のハンパなさはわっかた。本当に本のこと

  • 池上彰『考える力がつく本』(小学館)

    ニュースを分かりやすく解説することでおなじみの池上さんの本です。やっぱり、本には著者が表れるんでしょうね。ニュースの経緯や背景を理解するために必要な教養を身につけるために役立つ本が幅広く紹介されてます。そして、ニュースが分かるということは、「今」が分かる

  • 日本経済新聞社編『リーダーの本棚』(日本経済新聞出版社)

    本書では様々な分野の50名のリーダーたちがそれぞれの読書論やおすすめの本について紹介しています。本の紹介をしてほしいという依頼があったときに、複数の本をエピソード付きで紹介できるのは、やはりそれだけたくさんの本を読んできているのでしょうか。50人もいればそれ

  • 齋藤孝『読書力』(岩波新書)

    この本を手に取ったきっかけは、もともと自分が本を読めない人だったからです。文章を読んでも字面を目で追うだけで内容が全然頭に入ってこないという感じでした。でも、トレーニングをしないと読書ってできるようにならないんですね。推理小説や歴史小説などのいわゆる娯楽

  • 堀江貴文ほか『新世代CEOの本棚』(文藝春秋)

    「本を読んだらアウトプットをする」というホリエモンの論に触発されて読書感想文を書くことにしました。分量は400字程度を目安として、「自分の中で要約して、本の魅力を伝える」ということを主眼において書いてみようと思います。ちなみに、この本でホリエモンは1番目に登

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