【赤点コーダ】〜普通じゃないと気づいた日〜小学生編 初めは嬉しかったんだ。本当だ。私は小さな頃からなぜか周りの大人たちに褒められていた。「コーダ君はえらいねぇ、立派だねぇ」まだ小学校に上がっていない自分には、なぜ自分が褒められているのかが分からなかった。その理由に気づくきっかけは小学一年の時の帰りの会での出来事だ。私が通っていた小学校には、下校の前に行われる【帰りの会】という3分ほどのホームルームがあった。いつもならば「皆さんさようなら」とクラス全員で口を揃えて挨拶をして下校をするのだがその日は違った。当時30歳位の女性担任が私を呼び教壇の前に私を立たせた。40人程のクラスメイトが一斉に私を見…