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ビールと祭りと療育と〜明るい重度自閉症・知的障害児とその両親の成長記録 https://lovebeer-loveshibata.com/

「重度自閉症」「重度知的障害」と診断された息子の子育てや日常生活などをつづっています。息子は現在、特別支援学校中等部1年。2歳で診断を受け、ABA(応用行動分析)に基づく家庭療育を続けています。新潟県在住。「つみきの会」メンバー。

「重度自閉症」「重度知的障害」と診断された息子(2011年生まれ)との日常生活や療育などについて、夫婦で書いていきます。息子は非常にゆっくりと、しかし着実に「できること」が増えてきていて、将来のことを悩み始めたらきりがありませんが、いまは夫婦共々、たぶん息子も「幸せ」です。

かにママ
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新発田市
出身
新潟県
ブログ村参加

2019/11/22

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  • カネはない、福祉系より法律系のほうがいいかもしれない~なぜ社労士になろうと思ったのか③

    新卒から現在まで続けている仕事に関連した業種でフリーランスor起業というのを将来の選択肢から消して、「障害者福祉系」という方針を定めたのはいいんだけれど、今までの職歴を捨てたアラフィフの全裸中年男性に今さら何ができるのか? いま流行っているみたいだし、放課後等デイサービスの経営とかはどうか? グループホームみたいな福祉系アパートはどうか? でも経営とかの知識はないし資格もないし、そもそもカネがないからなぁ。宝くじが当たるか大地主に転生すれば可能か。だけど

  • 妻がいなくなった瞬間に人生が詰んでしまう~なぜ社労士になろうと思ったのか②

    「アムステルダムの朝は早い」なんてコピーを使ったインスタントコーヒーのテレビCMが昔ありましたが、どこの国だろうと都市だろうと朝は早いわけで、これは今で言うところの「進次郎構文」(小泉進次郎さんがいかにも使いそうな言い回し)の「走り」だったという位置づけになるかもしれません。 「アムステルダムの朝は早い」に匹敵する「当たり前のことだから言われなくて分かっているわ!😤」ってのに、「障害児の親にリタイヤはない」があります。ええ、ぼくは死ぬまで息子の面倒をみますし、死ぬ

  • 地域で暮らし続けるためにいま準備できることは~なぜ社労士になろうと思ったのか①

    前回の⓪とは別の観点から書いてみます。 障害者、とりわけ知的障害者は「流動性に乏しい」と言われることがあります。 生まれた街で親とずっと暮らし、親が転勤族(死語か?)で一緒に引っ越しを繰り返す方もおられるでしょうが、多くは生まれたまちでそのまま年を重ね、「ついのすみか」として決めた施設が遠方にあれば引っ越してそこで生涯を終えるーというケースが一般的なのではないでしょうか。 わが息子に引き付けて考えてみても、自動車の運転免許を取る可能性はないでしょう

  • 福祉のユーザーと行政とのすれちがい~なぜ社労士になろうと思ったのか⓪

    以前も書いたような気がしますが、社労士試験に向けた学習を始めた2年以上前からこのブログはほったらかしにしていました。その間は旧Twitterがオンライン上の主な居場所となり、息子の子育てのことなども、そちらに書いてきました。 合格して少し時間に余裕ができてブログを再びいじり始め、リニューアルして「労働・社会保険、福祉」「資格・学習」と新たなカテゴリーも新設したため、それに合わせた記事も書こうと思います。これがその1本目です。 このブログを以前からご覧になっ

  • バス通学は、われわれ家族にとって修学旅行のようなものである

    息子が市内の特別支援学校中等部に通い始めて4日が経ちました。 これまでは自宅から歩いてすぐの小学校で、同じ顔ぶれの同級生と6年間過ごしてきました。それゆえ、学校が遠いわ知らない人ばかりだわでストレスをため込み、不安定になるかもと覚悟していましたが、全くそんな様子はありません。さすがサイクリングで鍛えているだけあるわ。 またバスの話です。 妻はといえば、バス通学が許可されたことがうれしすぎて、家で5分おきぐらいに「バスに乗って学校に向かっているんだね

  • 支援校へのバス通学を勝ち取った!🌸

    息子は無事に市内の支援学校中等部に入学することができました。 「地域の子どもたちと同じ場所で過ごす経験を」ということで、小学校は自宅から歩いて3分の小学校(支援学級)に通わせました。これまでの6年間は大勢の健常児に交じる形でしたが、これからは生徒みんなが何らかの障害があって、先生方やスタッフも「障害児・者と関わるプロ」ですので、いろいろと安心です。 近所の小学校(支援級)から市内の支援校中等部というコースは息子を小学校に入ったことから決めていましたが、妻と

  • 「明るい自閉症」というドクターの見立ては10年経ってっも変わらなかったが、1歳レベルの「犬さがし」がまだできない

    1月に受けた発達検査の結果を聞きに、自宅から100キロほど離れた医療機関(療育園)へ家族3人で行ってきました。帰りに職場に寄ってそこから夜勤でしたので、なかなかハードな1日でした。 結果としては、知的障害は重度ということで、評価は変わっていませんでした。この医療機関で5年前に受けた時より発達年齢が1歳ちょっと上がっていたので、息子はこの5年間で健常児換算すると1年分の成長をしたことになります。 結果自体は、親として常に接している中で「実感通り」といったところ

  • 小学校の卒業式まであと1週間

    数日前、息子とサイクリングロードを走っていたら、聞いたことがない呪文のような言葉を繰り返していました。うっすらとメロディーも付いていました。 「君が代」でした。そうか、卒業式の練習で覚えたのか。「苔のむすまで」の部分だけヘビーローテーションしていましたので、全体を通して歌えるようになったのかは分かりませんが… 早いもので、息子が近所の小学校(支援級)に通ってもう6年となりました。 障害の種類も傾向もいろいろですので、比べても意味はないのですが、この

  • これからは短文&更新頻度高めでいきます

    先日コメントをいただいたのを機に、5カ月ぶりぐらいにWordPressを開いてみました。 このブログを立ち上げてから数年が経ち、息子も再来週には小学校(支援学級)を卒業し、来月からは支援学校中等部に進みます。親の加齢と比較して、子どもの成長は早いものです。 ブログを立ち上げ、定期的に記事を書いていた当時とは、取り巻く状況が大きく変わってきています。 息子はもう12歳で、「早期療育」という年齢はとっくに過ぎております。とはいえ、妻は療育的アプローチは続

  • これからは短文&更新頻度高めでいきます

    先日コメントをいただいたのを機に、5カ月ぶりぐらいにWordPressを開いてみました。 このブログを立ち上げてから数年が経ち、息子も再来週には小学校(支援学級)を卒業し、来月からは支援学校中等部に進みます。親の加齢と比較して、子どもの成長は早いものです。 ブログを立ち上げ、定期的に記事を書いていた当時とは、取り巻く状況が大きく変わってきています。 息子はもう12歳で、「早期療育」という年齢はとっくに過ぎております。とはいえ、妻は療育的アプローチは続

  • 人生最大の難関「美容院で髪を切る」をついにクリア!

    サイトのメンテナンスをしたついでに、もう1本書いてみます。 ことしの春、息子は初めて美容院で髪を切ることができました。2歳から家庭療育を始めて9年余、偏食はほぼなくなりトイトレも完全終了しましたが、「髪を切る」はずっと進展がありませんでした。 偏食ややトイレに比べ、それほど切羽詰まっていなかったため、「是が非でも」という気持ちが薄かったということもあります。 息子の散髪については、過去にも書いたことがあります。https://lovebee

  • 社労士試験に合格し、ようやく時間ができたため、ゆるゆると再開する予定です

    前回の投稿から約半年ぶりになりました。ことしの8月下旬に社会保険労務士(社労士)試験を受け、今月上旬に合格が発表され、ようやく落ち着いてきました。 試験勉強を始めた2021年末から常に「心ここにあらず」といった状態が続いていて、子育てブログを書く心理的余裕がなく、ほかにもいろんなことをほったらかしにしていました。ようやく日常が再開され始めた感じです。 社労士に関しては、身近に資格を持っている人もおらず、全くなじみのない分野だったのですが、「息子が20歳になっ

  • 社労士試験に合格し、ようやく時間ができたため、ゆるゆると再開する予定です

    前回の投稿から約半年ぶりになりました。ことしの8月下旬に社会保険労務士(社労士)試験を受け、今月上旬に合格が発表され、ようやく落ち着いてきました。 試験勉強を始めた2021年末から常に「心ここにあらず」といった状態が続いていて、子育てブログを書く心理的余裕がなく、ほかにもいろんなことをほったらかしにしていました。ようやく日常が再開され始めた感じです。 社労士に関しては、身近に資格を持っている人もおらず、全くなじみのない分野だったのですが、「息子が20歳になっ

  • 社労士試験に合格し、ようやく時間ができたため、ゆるゆると再開する予定です

    前回の投稿から約半年ぶりになりました。ことしの8月下旬に社会保険労務士(社労士)試験を受け、今月上旬に合格が発表され、ようやく落ち着いてきました。 試験勉強を始めた2021年末から常に「心ここにあらず」といった状態が続いていて、子育てブログを書く心理的余裕がなく、ほかにもいろんなことをほったらかしにしていました。ようやく日常が再開され始めた感じです。 社労士に関しては、身近に資格を持っている人もおらず、全くなじみのない分野だったのですが、「息子が20歳になっ

  • 社労士試験に合格し、ようやく時間ができたため、ゆるゆると再開する予定です

    前回の投稿から約半年ぶりになりました。ことしの8月下旬に社会保険労務士(社労士)試験を受け、今月上旬に合格が発表され、ようやく落ち着いてきました。 試験勉強を始めた2021年末から常に「心ここにあらず」といった状態が続いていて、子育てブログを書く心理的余裕がなく、ほかにもいろんなことをほったらかしにしていました。ようやく日常が再開され始めた感じです。 社労士に関しては、身近に資格を持っている人もおらず、全くなじみのない分野だったのですが、「息子が20歳になっ

  • すごく久々の更新ですので短い近況報告も兼ねて〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」014

    「かにママABA療育日記」第13作です。7カ月ぶりぐらいの投稿です。ごぶさたしております。 今回は「コンプライアンス」がテーマです。 息子は6年生になり、靴のサイズがもう24センチ! ぼくは日本人男子の平均ぐらいですが、妻も妻の一族も長身の人が多いため、きっと息子も高身長になるでしょう。 力もかなり強くなって、妻ではかなわなくなっております。 ですが、幼少期にABAセラピーで築いたコンプライアンスのおかげで息子

  • 「『つみきの会』は辞めていませんよ」というお知らせと、「新潟定例会は素晴らしいのでぜひご参加を」というPR〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」013

    「かにママABA療育日記」第13作です。5カ月半ぶりぐらいの投稿です。 ぼくはここ半年ぐらい資格試験の学習をしていて、このブログをほったらかしにしていました。 息子と将来も暮らしていく上で役に立つであろう資格で、合格したら華々しくブログ更新を再開しようと思っていますが、いつになることやら…💦 というわけで、今回も妻のマンガです。 そもそも、こちらがブログのメインコンテンツで、ぼくの雑文はマンガが

  • 完璧でなくても満足いく内容でなくても全然ダメでも続けていくことが大事、たぶん〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」012

    「かにママABA療育日記」第12作です。1カ月ぶりの投稿です。 4月から夜勤の業務が減ったこと(このブログの大部分は夜勤から帰宅して寝るまでの間に酒を飲みながら書いています)と、プライベートの時間に優先してやらなければいけないことが増えたため、更新することができませんでした。 われわれ家族は相変わらず、変化のあまりない平和な時間を過ごしています。 息子は5年生(支援級)になり、あと2年で近所の小学校を卒業し、市内の特別

  • 8年間続けてきた「つみきの会」を卒業しました 

    先日あった「つみきの会」新潟支部定例会から車で家に帰る中、妻が「つみきの会を卒業する」と言ってきました。 「つみきの会」は、会のサイトのトップページにありますが、「自閉症の療育法としてのABA(応用行動分析)、特にABA早期療育に取り組む親と療育関係者の会」です。 われわれ家族の場合、2歳1カ月で息子が自閉症と診断され、その数カ月に会に入りましたので、当時はまさに「ABA早期療育に取り組む親」でありました。 しかし今や息子は10歳3カ月、つみきの会へ

  • ひいおばあちゃんがお別れを言いに来た?

    妻のお祖母が先日亡くなりました。98歳ですので、大往生です。 自宅で転倒して骨折してここ2〜3年は老人ホームと病院を行ったり来たりでしたが、それまでは、妻が息子を連れてほぼ毎週、会いに行っていました。 ぼくも何度か同行したことがあります。息子は、お祖母さんが出してくれる「じゃがりこ」やオレンジジュース、ヨーグルトなどを飲んで食べて、とてもご機嫌でした。写真=「おばあちゃん」と向き合う息子。息子は当時4歳ちょうど。「じゃがりこ」を食べながら、生意気にも

  • 「『地域との共生』ができればわが子を施設に入れる必要はなかった」と叫んだ当事者家族〜相模原障害者殺傷事件021 

    事件から2カ月後の2016年9月、神奈川県の黒岩祐治知事が「やまゆり園」の建て替えを表明しました。 建て替えは家族会の要望を受けたものでしたが、これに対し、全国の障害者団体やグループホームを運営する人々から「歴史に逆行しているんじゃないか」「地域で暮らすことが幸せなんだから、大きな建物を建てずグループホームにすべきだ」などと強い反発が起こったことから、県は建て替えの方針を白紙に戻し、再検討することになりました。(1*) 当時の「家族会vs障害者団体」の対立(

  • 療育手帳Aの重度自閉症・知的障害児だって、「スモールステップ」で根気強く教えていけば、いろんなことができるようになる〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」011

    「かにママABA療育日記」第11作です。今回は、「スモールステップ」についてです。 健常児ならいつの間にか自然にできるようになることの多くが、自閉症児にはなぜかできません。 妻とぼくもそうでしたが、親が健常者でかつ障害に関する知識がないと、「この子はなぜこんな簡単なことができないのだろう」と不思議に思い、「こんな簡単なことをどうやって教えたらいいのだろうか」と途方に暮れ、「こんな簡単なことができないわが子は将来どうなってしまう

  • 障害があるわが子を家の墓に入れようとしない実の父親〜相模原障害者殺傷事件020

    これまでは、死刑囚Uがどのような経緯で重度障害者に対する歪んだ認識を抱き、凶行に至ったかという分析的なものを書いてきました。 今回は、この事件の関連本に出てきた、さまざまな障害者差別について取り上げます。 まずは、一番ひどいと思ったやつを。私の知っている範囲の家族でも、夫婦そろって津久井やまゆり園に一度も来ない家族がいるんです。お父さんなのに、全部お母さんにやらせていて、勝手にしろと。そういうお父さんもいるんです。で、お墓もそうなんですよ。障害をもっ

  • 7年半以上に渡ってほぼ毎日家庭療育を続けてきた親が、子どもの療育手帳の判定がBからAに変わると知った時にどう思ったか 

    まだ1カ月ちょっとしか経っていませんが、ことし一番驚いたことは今のところ、突然息子がTRFの「サバイバルダンス」の冒頭を口ずさみ始めたことでした。ものすごく久しぶりにこのメロディーを耳にしました。 そして、妻とぼくの反応が良かったのに味をしめて、ウケ狙いで繰り返し歌うようになりました。 息子がこんなにハマるのは、護得久栄昇(ごえく・えいしょう)師匠の「愛さ栄昇節」以来のことです。https://lovebeer-loveshibata.com/re

  • 息子の通う小学校でコロナによる学年閉鎖が始まってしまった

    オミクロン株の大流行で全国あちこちで起こっている「ありふれた日常」なのでしょうが、ついにわれわれ家族も巻き込まれることとなりました。 先週、児童1人に新型コロナウイルスの感染が確認されたとのメールが学校から来ました。この時は、他の児童や学校職員に濃厚接触者はいないので休校にする必要はないとの判断だったようですが、その後に学校職員の感染が確認されたとのことで、学校閉鎖が始まりました。 で、昨日(2月2日)から4年生以外の児童の登校が再開され、4年生も今日(3日

  • 雪が積もっても吹雪になっても、サイクリングの代わりとなるハードな「余暇スキル」ができた

    昨年の4月以来、息子の一番の楽しみであり、父であるぼくと二人の時間を最も多く過ごしたのがサイクリングロードでした。 1日で3往復、距離にして50キロ近くを走ったこともありました。 重度自閉症という障害に気を取られて忘れがちなのですが、彼は体格も体力的にも標準的な健常児の小4の男の子と変わりません。平均以上かもしれません。 同い年の健常児たちには、地域のスポーツクラブでサッカーやバスケ、野球をやっている子もいますし、スイミングやダンスを習っている子も

  • やまゆり園の「監禁ドライブ」みたいなことは、息子が4〜5歳の頃にぼくも毎週やっていた〜相模原障害者殺傷事件019

    この事件に関する本を読んでいる中で、「監禁ドライブ」という言葉を初めて知りました。作業棟にいるのは約1時間。それ以外の時間は、ほとんどドライブなんです。ドライブというのは、入所者を何人か車に乗せて職員が運転する。暴れやすい子でも車に乗るとおとなしかったりするので、よその施設でもやっているらしいですが、「監禁ドライブ」と言うらしいです。要するに車に乗せて走りはするんだけど、車の外には降りない。…お正月の記録があるのですが、ドライブで鶴岡八幡宮に行ったのに、「車の中から

  • 元日の午前中から、40代後半にして言語機能の多くを失った妹からLINEで大量にメッセージが送られてくるようになった

    タイトルに掲げた通りなのですが、この年末年始で一番びっくりしたことについて。 静岡で暮らしている妹が先月、何らかの脳疾患で倒れて入院したことは実家の母から電話で聞いていました。 その際、母に病名を尋ねたのですが、「分からない」とのことでした。 病名を聞いたけれど忘れてしまったのか、そもそも病名を聞かされていないのか、どちらかだと思われるのですが、いずれにせよ、病名が分からないことには容体を想像することもできません。 母から電話があった1週間後

  • 「やまゆり園」だから事件が起きたのか、どの施設でも起こり得ることだったのか〜相模原障害者殺傷事件018

    問い掛けるようなタイトルにしましたが、結論としては、ぼくは「どの施設でも起こり得ることだった」と思っています。 障害者に関する知識も介護の経験もないまま職員となった若者をプロとして育てることができず、逆に障害者に危害を加える思想に走らせてしまったことについて、「やまゆり園」に大きな責任があるとは思います。 ただ、事後に「この辺が至らないから問題が起きたんだ。組織の責任だ」と責め立てるのは本質的な再発防止策にはつながらないとも思っていて、「死刑囚Uを採用してし

  • やまゆり園を利用していた当事者家族それぞれの事情〜相模原障害者殺傷事件017

    前回は事件当時やまゆり園に入所していた重度障害当事者について書きました。 ここでは、重度障害者を持つお子さんや家族を園に「預けた側」の事情についてまとめてみようと思います。 前回と同様に、「元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件 裁判の記録・被告との対話・関係者の証言」(西角純志著、明石書店)、「やまゆり園事件」(神奈川新聞取材班幻冬社)から引用し、以下では西角さんの著書を「元職員」、神奈川新聞取材班の本を「神奈川」とそれぞれ略します。 また、前

  • ADHDを自称する大人との付き合いには慣れているけれど、ADHDの子どもは全く勝手が違うし経験則も通用しないと痛感した話

    2022年の年明けは、とても穏やかでした。 昨年の三が日は、この地域で今まで経験したことがないレベルの降雪で道路除雪が間に合わず、住宅街の細い道が通行不能になってしまうほどで、雪壁で道路の幅員も狭くなっていたので車の運転を最初からあきらめ、ずっと家でビールを飲みながら雪かきをしていました。 ことしは降雪量が少なく、かつ、気温もそれほど高くなくて、息子の雪遊びにも日常生活を送るにも「ちょうどいい」穏やかな天候でした。 このお正月で「荒れた」といえば、1

  • やまゆり園に入所していた当事者それぞれの歩み〜相模原障害者殺傷事件016

    「やまゆり園」には事件当時、19歳から75歳までの149人(男性92人、女性57人)が入所していて、短期入所者8人を含めるとほぼ満員の状態でした。 入所者の7割以上が、必要とされる支援の度合いを示す「障害支援区分」で最も高い「6」だったといいます。*(1) そのうち、入所者19人が殺害され、職員2人を含む26人が重軽傷を負わされたのです。裁判で、Uが、各入所者が、しゃべれるかしゃべれないかを確認して殺した、ということが分かりました。しかし、しゃべれる

  • 「うんちの付いた服を隠す」という問題行動を消去するのに認知症のお年寄りへの対処法が役に立つかもというお話

    夜勤明けの昼前に起きたら、洗面台で妻が息子の上着を手洗いしていました。 「この寒いのになぜ手洗い?」と思って聞いてみると、うんちが少し付いた息子の服が押入れの奥にあったのを見つけたのだそうです。 もちろん、彼の仕業です。 ずっと見当たらなかった服だったとのことでしたので、かなり前の「犯行」のようです。 息子のトイレトレーニングは最終段階の手前まで来ているけれど、何をもって「終わり」とするかが難しいーという話を以前書きました。http

  • 職員時代に死刑囚Uの目に映った障害者施設「やまゆり園」〜相模原障害者殺傷事件015

    死刑囚Uはやまゆり園で働き始めた当初、友人に「障害者はかわいい」「仕事はお金ではなくやりがい」などと周囲に言っていたといいます。 Uが非常勤職員として働き始めるのが2012年12月、常勤職員としての採用が13年ですので、その頃の発言だと思われます。しかし、働き始めて2年もする頃から言動は徐々に変化していく。印象的だったのは、U被告がしきりに障害者を「かわいそう」と言い始めることだ。「障害者はかわいそう。食べているご飯もドロドロでひどくて、人間扱いされていない

  • 初公判で自分の指を噛みちぎろうとし、「自分には責任能力がある」と胸を張り、社会的な死を迎えた「ありがちな若者U」〜相模原障害者殺傷事件014

    相模原事件の初公判が横浜地裁で行われたのは2020年1月8日、事件発生から約3年5カ月後でした。 19人を殺害し、24人に重軽傷を負わせた重大事件であり、責任能力の有無が訴訟の唯一の争点となりました。これだけの凶行ですから、弁護側も流石に情状酌量を求める手は使えなかったのでしょう そして、最終的に「犯行時の被告人は完全責任能力を有していた」(判決文より)と認められました。あえて僕らが教訓的なことを引き出そうとするなら、被告はそんなにオリジナリティのあ

  • カサンドラ症候群のママさんから「『急がない競わない比べない』という心境には絶対になれない」というご意見が寄せられました

    先日、このサイトのタイトルを変更し、変更した理由などを書いた記事をアップしたところ、いつも読んでくださっているというママさんからメッセージをいただきました。 先日アップした記事はこちらです。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/title-change/ ご本人の許可を得た上で、いただいたメッセージを断片的に引用します。素敵なご両親。息子さんは幸せだと思います。 ありがとう

  • 事件を起こしたことで「欲しかったオモチャ」を思いがけず手に入れた「ありがちな若者U」〜相模原障害者殺傷事件013

    この事件に関してぼくは、事件発生直後も、公判が始まった時も、死刑判決が出た時も、「発生から○年の節目」というテレビ・新聞報道が過熱していた頃の記憶も、ほとんどありません。 日々新聞を読み、テレビのニュースは追っていたのですが、この事件は「重度障害児の親」であるぼくには衝撃が強すぎました。 情報をインプットするポーズは取っていましたが、実質的に「目と耳を塞いだ」状態だったように思えます。理解して考えることを放棄していました。この3年半、傷つけられ、入所

  • 息子が10歳となり、サイトのタイトルを変更するに当たって思うこと

    このサイトのタイトルを「急がない 競わない 比べない〜自己肯定感が高い重度自閉症児とその両親の暮らしと療育」に変更しました。 開設からずっと「ビールと祭りと療育と〜『明るい自閉症児』がゆっくり成長していく記録」というタイトルで続けてきました。 これまでのタイトルは、ビールと祭りが大好きで、家庭療育を一手に担っている妻から取りました。元々は息子の療育について妻がイラストなどで紹介することをメーンに想定して立ち上げたサイトでした。 ただ、ぼくよりもはるか

  • 療育開始から3カ月、ようやく動作模倣と音声指示にチャレンジ〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」010

    「かにママABA療育日記」第10作です。マンガのアップは2カ月ぶりです。息子は数日前に10歳になりましたが、ここに描いてあるのは、妻がABA(応用行動分析)に基づく家庭療育を始めて2〜3カ月、2歳9〜10カ月ぐらいの頃の話です。 当時の日記からコピーした部分の落書きは、当時の息子がボールペンで書いたのだそうです。ノートに向かって何か書いているママの真似をしたかったのでしょう。 前回(第9作)はこちらです。https:

  • 国のためを思って立てた重度障害者殺害計画に対する国からの回答は「措置入院」だった〜相模原障害者殺傷事件012

    この死刑囚は犯行に踏み切る前に、重度障害者を殺害するという計画を記した手紙を衆院議長公邸に届けています。 公判での検察官と被告(当時)のやり取りを引用します。検察 意思疎通のとれない障害者を殺しますと提案して、政府から反応があると思いましたか?被告 それは措置入院という反応だと思います。検 措置入院というのが国の結論だと思ったのですか?被 はい。検 国としては許可してくれないというのが分かった?被 はい。検 でも役に立ちたいし、自分が気づいたから自分がやろう

  • 自らをどんどん取り返しのつかない方向に追い込んでしまった「認知の歪み」〜やまゆり園障害者殺傷事件011

    この死刑囚は措置入院させられ、精神障害者というレッテルを貼られてしまったことで「弱者を排除したい」という思考が強まっていったのではないか、という論考を以前紹介しました。 気を付けなればいけないのは、「措置入院」=「精神障害者というレッテル」なのであって、「措置入院」=「精神障害者」では必ずしもないことです。香山 先程出た絵の細部へのこだわりとかを見ると、誤解をおそれずに言うと、むしろ発達障害的なものがベースにあったんじゃないかと思えてしまいますね。松本 もし

  • サイクリングという「遊び」「運動」を7カ月間続けて得られた療育的な「学び」

    新潟県内は「山沿いで雪」という予報が出始めました。 先日はサイクリングロードを走っていて「あられ」の襲撃を受けました。この時は数分で降り止んですぐに消えたので続行できたのですが、サイクリングに代わる冬用「余暇スキル」を考える時期になってきました。写真=サイクリングロードで走行中にあられの襲撃を受ける息子=2021年11月、新潟県新発田市 幸いというか成長のおかげなのでしょうが、風雨がものすごい日に「自転車に乗りたい!」と強硬に言うことはなくなりました

  • 「優生保護法はなくなったが、命を選別する法律はいつでも復活しうる」という当事者の恐怖心〜やまゆり園障害者殺傷事件より010

    「優生思想について考える 〜障害当事者目線から〜」と題したオンライン(Zoom)のシンポジウムに参加しました。主催はNPO法人・新潟市精神障害者自助グループ「ココカラ」で、理事長の内藤さんからお誘いいただきました。 以前も、被害者の父親でやまゆり園家族会前会長の尾野剛志さんを招いて新潟市中央区で開かれた「津久井やまゆり園障害者殺傷事件を考え続ける学習会」にお声掛けいただき、その時のことはこちらに書きました。https://lovebeer-loveshib

  • 障害者施設で働いた経験が障害者への理解に結びつかなかった〜やまゆり園障害者殺傷事件より009

    この死刑囚が「津久井やまゆり園」に就職したのは2012年12月、「障害者を抹殺できる」などと書いた手紙を衆院議長公邸に届け、園を自主退職に追い込まれるとともに措置入院させられたのは16年2月、事件を起こしたのはその5カ月後の16年7月。この3年7カ月で、どのような心境の変化があったのか。働き始めた頃は「年収300万、安い」とぼやきながらも「障害者はかわいい」「暴れたら止めるのが大変だけど慣れるとかわいいんだ」と友人たちに言い、また就職で悩む後輩には、「仕事はお金では

  • 「強者」どころか「リア充」「フツー」の座からも滑り落ち、「弱者」になっていく恐怖〜やまゆり園障害者殺傷事件より008

    匿名であるのをいいことに強者になったつもりで弱者を叩くという行為は、ネットの世界でよく見掛ける「ネトウヨしぐさ」とでも呼ぶべき動物的な営みといえますが、この死刑囚からはそういう卑怯な人々と違って、自らの「弱者」性と向き合おうとする律儀さや真面目さが感じられます。ツイッターを見ても、彼は非常に強がっています。刺青もそうですが、社会的に弱者化していく自分を認めたくないという思いが強くて、その結果、強がりをこじらせて障害者排除という発想に行ってしまったのではないかという気

  • 子どもの療育をやっていたおかげで二日酔いの朝にラクができたというお話

    平安時代末期の仏教説話みたいなタイトルですが、そんな感じの内容です。 夏に家族全員がコロナにかかり、息子の身辺自立のレベルが上がったという話を前に書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/self-reliance/ 春には妻が手術のため入院し、会社を休んで1週間まるまる息子と2人で生活したこともありました。日常生活が変化することでパニックになるかもしれないと覚悟していましたが、こ

  • 自らを「強者」と同一視して貧困者を軽蔑したり障害者をバカにしたりする「持たざる者」たち〜やまゆり園障害者殺傷事件より007

    前回は 「障害の社会モデル」について書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/yamayuri006/ メーデーのデモに参加したフリーターが「生きさせろ!」と叫んだのが2006年、この事件が起きたのがちょうど10年後の2016年。そこから5年余りが経ちましたが、日本の貧困化はさらに進んでいると実感します。「生理の貧困」という言葉すら出てきました。いま貧困問題の当事者で支援が必要な人

  • 自閉症児が広い歩道を自転車で走る際に気をつけるべきこと

    前回は、自閉症児である息子とサイクリングロードを一緒に走る時にぼくが気をつけていることを書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/crisis-prevention/ この記事をアップした直後に、サイクリングロード内ではないのですが、過去最大級の「ヒヤリ・ハット」事例があり、いろいろと反省させられました。 戒めの意味も込めて、ここに記録を残しておこうと思います。 以下に図示

  • 「全員がすでに障害者になっている」という問い掛けをどう受け止めるか〜やまゆり園障害者殺傷事件より006

    新潟市中央区で先月、被害者の父親でやまゆり園家族会前会長の尾野剛志さんをお招きした「津久井やまゆり園障害者殺傷事件を考え続ける学習会」があり、会員の方々とご一緒させていただきました。 5年以上も遅れて事件について学び始めたぼくに参加の機会を与えてくださり、感謝しております。学習会については、先日書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/yamayuri004/ 事件を風化させてはい

  • 障害児を加害者にしないでサイクリングロードを楽しむために保護者が気をつけること

    写真=落ち葉に覆われた赤谷サイクリングロード=2021年11月、新潟県新発田市息子の「ことし最大の楽しみ」であるサイクリングの季節が終わろうとしています。 雪が降り始めるまでが勝負です。冬の間、体を思い切り動かせて没頭できる代わりの何かを探さなければいけません。 以前、障害児である息子が事故に巻き込まれずに安全に自転車に乗るため、伴走者であるぼくが気をつけていることについて書きました。https://lovebeer-lovesh

  • ネット社会が始まる前からあった「強者=著名人・文化人」による障害者差別〜やまゆり園障害者殺傷事件より005

    差別をしたがる人間は「差別を正当化するための理屈」を探すーという話を少し前に書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/yamayuri003/一般的に過激といわれるような発言で賞賛されていたり注目されたりという世間の反応を見て、自分もその中に入りたい、実行者になりたい、という気持ちだった。「元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件」(西角純志著、明石書店)P269より引用 事件を

  • すごくいい強化子「ブドウ」があったのに全く活用しないままシーズンが終わってしまった

    強化子というのは、ABA(応用行動分析)に基づく療育で使う「ごほうび」のことです。食べ物、おもちゃ、特定の行為(ハグするなど)、なんでもいいのですが、本人が喜んで励みになるようなものです。 息子の家庭療育を担っている妻によると、この強化子を探すのにいつも苦労しているそうです。 同じものを多用しすぎるとすぐ飽きてしまって効果が薄れてしまいます。常に複数の強化子する必要があるのですが、ただでさえ興味の幅が狭い自閉症児の「好きなもの」を見つけていく作業は、確かにし

  • 親亡き後を見据えた知的障害者の「生き方」「住まい」について、大先輩から教えていただいた〜やまゆり園障害者殺傷事件より004

    10月24日に新潟市中央区で開かれた「津久井やまゆり園障害者殺傷事件を考え続ける学習会」に参加しました。 「事件に関する本を読み始めた」とこのブログで書いたところ、以前仕事でお世話になった方からお声掛けいただきました。事件から5年以上経った今でも地元・新潟で「考え続ける学習会」が開催されていることに感動しました。 講師は、被害者の父親でやまゆり園家族会前会長の尾野剛志さんと、障害者自立支援団体「自立生活企画」(東京)代表の益留俊樹さんのお二人でした。

  • 2年5カ月後に控えた支援校中等部への入学に備え、コミュニティバスに乗る練習を始めた

    息子を市内の支援校(新潟県立新発田竹俣特別支援学校)の中等部に通わせるため、バスに乗る練習をしなきゃいけないという話を2カ月前に書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/to-the-suburbs/ ようやく初練習をすることができました。 生徒が通学に使っているのは、 新発田市が運営(バス事業者に運行委託)しているコミュニティバス(川東コミュニティバス)で、市のサイトに載っている

  • 入所者家族が事件後に強めた社会への不信〜やまゆり園障害者殺傷事件より003

    この事件を起こした死刑囚は19人の障害者を殺害し、27人が負傷させました。結句、公判では大半の犠牲者、被害者が甲さん乙さんと、年齢も性別も伏せられて紹介された。その異様さが、この社会における障害者差別の深刻さを示していた。「パンドラの箱は閉じられたのか〜相模原障害者殺傷事件は終わっていない」(月刊「創」編集部編、創出版)P24より 警察が事件についてマスコミに広報する際は被害者、加害者といった当事者を実名で発表するのが通例とされているそうですが、この事件につ

  • 事件により社会が後退し、当事者が身の危険を感じる場面が増えてきた〜やまゆり園障害者殺傷事件より002

    当たり前ですが、この事件は障害当事者に計り知れないショックを与えました。 事件を扱った本から抜粋・引用します(改行、太字、蛍光マーカーは筆者)。 でも、そのまま日常生活を送っているうちに、どんどん具合が悪くなってきて。最初は「風邪でも引いたのかな」と思っていました。 いつもの通勤ルートを、車椅子で向かうのですが、向こうから歩いてくる知らない人に、すれ違いざまに殴られるんじゃないかという恐怖心が突然わいてきたんです。「この国の不寛容の果てに〜相模原事件と私たち

  • ずっと憐れみの対象だった「障害者」が皇族と並べられ、うらやましがられ嫉妬され八つ当たりされる存在になってしまった〜やまゆり園障害者殺傷事件より001

    相模原市のやまゆり園障害者殺傷事件に関する本を先月(2021年9月)末から読み始め、もう少しで9冊目が終わるところです。 事件関連の本に出てきた支援団体や当事者、専門家の方が書いたものも何冊か手元に揃えましたので、これからは事件に直接関係ない本も読んでいく予定です。 これだけ大きな事件でもあり、障害当事者や当事者家族、支援者をはじめジャーナリスト、有識者、学者・専門家といったさまざまな属性の方々が多くの側面から分析や解釈をされています。 一方で、これらの本で

  • トイレトレーニングがほぼ終わり、6年半に渡って苦楽をともにしてきたウォシュレット便座を取り替えた

    先月、「息子のトイレトレーニングが終盤にさしかかっている」という話を書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/almost-over/ わが家のトイレは、息子のトイレトレーニングとともに歩んできました。 樹脂部分の全体に広がった宿命的な変色と、月に1回ぐらいのペースで突然漂う「謎のアンモニア臭」は、これまで繰り広げられてきた数々の激闘を伝えるレガシーとして存在し続けてきました。

  • 新型コロナウイルス感染症の自宅療養でも医療保険の入院給付金は出るようです

    息子の療育とは直接関係がありませんが、また新型コロナウイルスの話です。感染者の体験談は需要が高いようですので、今回も。 ぼくがコロナで入院した際の入院給付金は、保険会社からスムーズに支払われました。なのですが、自宅療養だった妻の場合はどういう扱いになるのだろうか。 ぼくが既にコロナで入院しているため、陽性が出た妻としては、濃厚接触者(のちに感染者)の息子の面倒を見なきゃいけないため、自宅療養しか選択肢がありませんでした。 また、この頃は第5波のピーク

  • 親や教師が近くにいなくて一人でいる時の方がちゃんと課題に取り組むことが分かった

    息子の学校は休みだけど、妻は日中にパート勤務があり、ぼくは夜勤明けで起きるのが遅いーという生活パターンになることが月に1回ぐらいあります。 妻が家を出る午前8時半ごろからぼくが起きる午前10時すぎまでの間は実質的に、息子が一人になります。 以前はこの1時間半〜2時間の留守番タイムに実家から親に来てもらっていました。 最近では、妻が出掛ける前に「ととは11時に起きる」と伝え、「漢字の書き取り」「算数ドリル」「教科書の音読」「塗り絵」「パズル」といった課

  • 泣かないで「イスに座る」ことができるようになるまでに5日間、これでやっと療育のスタートラインに立てた〜自閉症子育てマンガ「かにママのABA療育日記」009

    「かにママABA療育日記」第9作です。前回の続きで、ABA(応用行動分析)に基づく家庭療育を始めたばかり2歳半の頃、「イスに座る」という行為が日常的にできるようになるまでの道のりを描いています。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/manga008/ 息子はもうすぐで9歳10カ月です。泣かずにイスに座ることができるようになったこの日が、現在まで7年以上続けているAB

  • 相模原市「やまゆり園障害者殺傷事件」の発生から5年が過ぎ、ようやく事件に関する本を読もうという気になった

    神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に元職員の男が押し入り、障害者19人が殺害し27人が負傷させた事件の発生から5年と2カ月と数日が経過しました。 もうそんなに経ったのか。 障害児の親としては人ごとではない、極めて恐ろしい事件でしたが、あまりにも衝撃が強かっため、事件についてできる限り考えないように過ごしてきました。 新聞は斜め読みで、テレビは意識的に観ないようにしていました。もともとテレビを観る習慣が薄かったのですが、この事件を機にほと

  • 相模原市「やまゆり園障害者殺傷事件」の発生から5年が過ぎ、ようやく事件に関する本を読もうという気になった

    神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に元職員の男が押し入り、障害者19人が殺害し27人が負傷させた事件の発生から5年と2カ月と数日が経過しました。 もうそんなに経ったのか。 障害児の親としては人ごとではない、極めて恐ろしい事件でしたが、あまりにも衝撃が強かっため、事件についてできる限り考えないように過ごしてきました。 新聞は斜め読みで、テレビは意識的に観ないようにしていました。もともとテレビを観る習慣が薄かったのですが、この事件を機にほと

  • 重度自閉症・中度知的障害児のトイレトレーニングに終わりはない、のか?

    息子はトイレで失敗することがほとんどなくなりました。 就学前、長く苦しいトイレトレーニングをしていた時期を思い起こすに感慨深いものがあります。 「大きい方」をしてお尻を拭くためのトイレットペーパーの消費量が「許容範囲」にとどまるようになってきました。 そして、「小さい方」を意図的にコースアウトすることはなくなり、失敗することも少なくなりました。 息子はことし12月で10歳になります。年齢が一桁のうちにトイレのスキルがこのレベルに達するとは、6

  • 障害児にキレて暴言を吐いた兵庫県姫路市の39歳男性教員と沖縄県本島中部の女性教員は、教員になる前から障害者への差別意識があったのだろうか

    兵庫県姫路市の小学校で、特別支援学級の担任をしていた30代の男性教諭が児童に対し、「生きる価値がない」などと暴言を繰り返したり、体罰を行ったりしていたというニュースがありました。 Yahoo!ニュースで最初に読んだ時は、言葉が軽くて考えが浅くて大人としての未熟な人間が間違って教師になってしまって不祥事を起こしてクビになるという「ありふれた事件」だと思っていましたが、地元紙・神戸新聞のサイト「神戸新聞NEXT」の記事を読んで、そんな生優しいものではないことが分かりまし

  • どのぐらいのレベルで言葉のやり取りができれば「会話ができるようになった」と言っていいのか

    先日妻と酒を飲んでいると、「息子はコミュニケーション能力が高くなったよね」という話になりました。 発語の兆候すらない時代が長く続き、奇声から気持ちを読み解こうと試みたこともありました。 絵カード・写真カードを使った時代、「自分でしゃべれないけど、他人が話していることはかなり理解できているようだ」という段階、「しゃべりより文字の読み書きの方が好きみたい」と気付いて「ひらがな・数字」「アルファベット」「漢字・カタカナ」で意思疎通ができるようになった段階、急にしゃ

  • 視覚優位の子の問題行動を減らすには、何度も注意するより紙に書いて張った方が効果が高いしお互いにラク

    先日、学校から持ってきた連絡ノートに、息子が「学校でハンドソープのポンプを何度も押して『楽しんでいました』」と書いてありました。 水遊びが好きな息子がいかにもやりそうな問題行動です。 そして、連絡ノートは「●●(息子の名前)さんは文字が読めるので、ハンドソープに『押すのは1回です』と張り紙をしたところ、それ以降は守るようになりました」と続いていました。 息子は視覚優位の傾向があって、耳で聞いたことより目で見たことの方が頭に入りやすいのです。

  • 家族全員が新型コロナウイルスから完治してちょうど半月、地元の保健所から届いた書類がなかなか興味深かった

    新型コロナウイルスにぼくが感染していることが判明してちょうど1カ月、ぼくから感染した妻と息子を含め家族3人が完治してからちょうど半月になります。 このブログにも書きまくっていますし、実生活でも質問に答える形で体験談を語りまくっています。「感染経験がある人しか分からない話」って、興味・関心を持たれる方が多いようです。 「明日は我が身かも」というお気持ちもあるのかもしれません。 ということで、コロナ関係の話をまた、忘備録的に書きます。 一昨日、新

  • 暗闇やお化けを怖がるようになったのは成長の証かもしれない

    新型コロナウイルスに感染して家族全員で自宅に閉じこもっていた期間中、息子の言語表現の幅が少し広がっていることに気づいたことを少し前に書きました。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/increasing-vocabulary/ 気持ち・感情を表現する言葉が増えてきて、ことし4月に2人で初めてサイクリングロードを走った後、家に着く直前に言った「楽しかった!」が、その種の言葉を発した最初だと思っていて

  • 小学校の支援級を卒業して支援校中等部に通学するために必要なトレーニング

    先日、市内にある県立特別支援学校の見学に妻が行ってきました。平日の午前中で、ぼくも家にいたのですが夜勤明けでまだ少し眠かったので、「しっかり見てきてね」と言って送り出しました。 昨年秋、支援校の作品展を妻と2人で観に行き、すごくいい印象が残っています。https://lovebeer-loveshibata.com/rehabilitation/exhibition/ 今回の見学から帰ってきた妻もやはり、絶賛しまくっていました。 妻とぼく

  • コロナに感染して完治した人はみんな、体験談を語った方がいいと思う

    そういえばこのブログ、この1カ月近くずっと新型コロナウイルスの話ばかりを書いています。 パラリンピックやメンタリストDaiGo氏の騒動をテーマにしようとしていたらぼくが感染してしまい、妻と息子にうつって、全員が完治するまで3週間もかかった上に、ずっと家に閉じこもっていたので、コロナのことしかネタにすることがなかったのです。 社会復帰して強く感じたのは、「コロナにかかったらどうなるのか」という話にはみんなものすごく興味があるんだなぁと。 かかったことが

  • 身辺自立と家事のスキルがものすごく上がっていてビックリ〜コロナ自宅療養中の重度自閉症児の生活を振り返る③

    家族3人全員が新型コロナウイルスに感染したことで、息子は14日間、自宅から一歩も外に出ない生活を送りました。 発症(発熱)が一番遅かったことで、ぼくとの濃厚接触者として自宅待機になった時期も含め、息子は家族の中で一番、自宅に閉じこもった期間が長かったことになります。 毎日のようにぼくとサイクリングロードを走っていた楽しい夏休みから一転、いきなり長期の自宅軟禁に変わってしまったわけです。 「自転車に乗りたい」「外で遊びたい」と泣き叫ぶことはなく、幸い症

  • どこで覚えてきたのか分からない言い回しや表現を使うようになっていた〜コロナ自宅療養中の重度自閉症児の生活を振り返る②

    ぼくが入院中にお世話になった病院の医師や看護師さんによると、新型コロナウイルスが感染した際の症状は、発症から4、5日目ぐらいが一番キツいケースが多いのだそうです。 言われてみれば、ぼくも妻もそんな感じでした。 しかし、「鉄人」である息子は、発症(発熱開始)した日の夜に39.4℃を記録しても歌をうたって上機嫌で、翌日からは37℃台をキープし、何ら苦しそうな様子は見られなかったそうです。 新潟県の自宅療養支援チームから送っていただいたパルスオキシメーター

  • 4カ月ぶりにととが代わりに復習ABA療育をやってみたら〜コロナ自宅療養中の重度自閉症児の生活を振り返る①

    新型コロナウイルスが完治して職場に復帰すると、いろんな方から質問攻めに遭いました。 「どんな症状が出たのか」「抗体カクテル療法は効いたのか」「入院生活は」「自宅療養した家族の様子は」「治りかけはどんな感じなのか」などなど。 興味ありますよね、そりゃあ。気持ちは分かります。 コロナ関連のマスコミ報道って、「医療や行政サイドの不手際」や「重い症状が出て亡くなられた方」「無防備に外出している若者を『気持ちが緩んでいる』と攻撃する」など、極端な事例ばかりで、

  • 新型コロナウイルスが完治して免疫がついたからといってアラフィフのおっさんが調子に乗ってはいけないと痛感した話

    ぼくが職場復帰し、息子は2学期の初日から学校に通うことができ、ようやくわが家の日常が戻って来ました。妻も週末からパート勤務に復帰できることになりました。 3人とも軽症で済んだし、デルタ株の免疫もついたしで、「終わりよければ全てよし」みたいな心持ちだったのですが、ぼくは職場復帰する当時に体調を崩してしまい、復帰が1日遅れてしまいました。 そんな情けない話を一つ。 ぼくは8月13日夜に発症し、17日夜に入院して23日に退院(完治)。妻と一緒に自宅療養だっ

  • 家族全員が新型コロナウイルス・デルタ株の免疫を手に入れるのに17日間かかった

    わが家で最後の感染者だった息子がようやく完治しました。明日(31日)から自由に外出できるようになります。 既往歴があったぼくは入院して「抗体カクテル療法」の点滴を受けましたが、妻と息子は丸10日間、自宅に閉じこもっただけで、薬を処方されることもなく、何の医療行為も受けていません。勝手に治ったのです。 PCR検査で陽性が出て、保健所から「熱の出始め(発症)はいつか?」と聞かれ、その発症日から10日後に保健所から電話があり、症状がなければ「翌日から外出してもOK

  • せっかくの家庭菜園が「新型コロナウイルスで家族全滅」という非常事態に全然役に立たなかった〜ととママは完治、残るは息子だけ

    息子が発熱し始めたのは20日ですが、最初の頃に夜中に39.4℃を記録しただけで、ずっと平熱が続いています。たまに咳をしますが、苦しがっている感じはありません。 平熱なのに寝るときにはアイスノンを枕元に持って来て、「つめたーい」などと言っては喜んでいます。そんな平和な日々が続いています。 たぶん明日(30日)に保健所から電話が来て、「一日経過観察をして問題ないなら翌日(31日)から外出OK」となるはずです。あと一息。 いや本当に長かった。 われ

  • サイクリングロードで出られない日常をすんなり受け入れてくれたことにビックリ〜ととママは完治、残るは息子だけ

    ついにママも完治しました。あとは、病気にかかっているようには決して見えない息子だけです。 息子がコロナに感染しておらず、妻とぼくの濃厚接触者にとどまっていた場合、ここから14日後の9月9日まで外出自粛が続いていたわけです。 妻としては、自分は外出ができるのに、息子だけさらに2週間も外に連れ出せないことを想像するだけで「気が狂いそう」と言っていました。確かに、想像を絶する恐ろしさです。 息子は20日に発熱し始めましたので、「完治」認定はたぶん30日、

  • 味覚・嗅覚が戻ってトロロ汁と貝柱の刺身、牛タン塩焼きが食べられるようになった〜ととは完治、妻と息子は感染中②

    退院して自宅に戻ってきてからは、ほぼ一日中息子と一緒に過ごしています。 会社からは「退院後1週間ぐらいは自宅療養を」と言われていて、もともと妻が完治するまでは仕事には出られなかったので、ちょうど良かったです。 職場から家庭に新型コロナウイルスを持ち込み、全員に感染させてしまっていち早く完治した家族としては、まだ治っていない2人をしっかりと支えなければいけません。 息子は、自分の要求を通すために何度も何度も同じことを言う習慣がなくなっていました。一時は

  • 息子もコロナに感染して本当に良かった〜ととは完治、妻と息子は感染中①

    新型コロナウイルスが完治し、自宅に帰ってきました。自宅療養を続けている妻と息子がずっと気掛かりでしたので、帰ってこられて本当に良かったです。 妻は、発熱のピークは過ぎたようですが、症状がいろいろと出る中での息子の世話で疲れ果ててしまい、。ずっと寝ています。食欲もあまりない、というか、味覚と嗅覚が失われてしまったそうです。 6日ぶりに会う息子は、少し大人びた感じに見えました。 ぼくの発熱が始まる前の13日午前を最後にサイクリングロードに出ていないため、

  • 家族3人、何とか生き延びることができ、新潟県立新発田病院の皆さんと新潟県新発田地域振興局の保健師さんたち、新潟県行政にただただ感謝〜コロナ感染隔離生活・最終日

    17日夕方から始まったぼくのコロナ感染隔離生活もようやく、23日午前で終わります。 入院直後に打っていただいた「抗体カクテル療法」の点滴がきいたことから、入院3日目(19日)からはずっと平熱です。ホテルに移ると思っていたのですが、結果的に完治するまで病院に居ることになりました。ありがたいことです。 この間、妻と実家の父親の陽性が確認(18日)、高熱とめまいで妻が倒れる(19日)、息子も発熱開始(20日)、息子が2回目のPCR検査(21日)、県の自宅療養キット

  • ととの退院が決まり、ママは家で何とか持ちこたえていて、今度は息子が発熱した〜コロナ感染隔離生活・5日目

    20日夕方、息子も発熱を始めたました。ぼくが入院する直前の17日夕方に受けたPCR検査で陰性でしたが、「鉄人」もついに感染したようです。 すぐに保健所に連絡したところ、21日の午前に保健所のスタッフの方が来てくださり、自宅前でPCR検査を受けることになりました。 妻が感染していることと、息子の障害を考慮してくださった形です。 最初のPCR検査でも、一般的?な「プラスチックのチューブに唾を大量に出す」方法が息子には難しいかもということで、「綿棒で鼻の穴

  • 「ひとりで子育てしている親が感染したら生活が詰んでしまう可能性が高い」問題をどう乗り越えていくか〜コロナ感染隔離生活・4日目

    家族全員が新型コロナウイルスに感染する例が増えているようです。夫が外部で隔離療養して妻と子どもが自宅療養という、うちと同じようなケースもテレビで報じられていました。 妻とぼくも痛感していますが、ひとりで子育てしている親が感染してしまったら、生活が詰んでしまう可能性が高いのです。 親子ともに感染が確認された場合、一緒に入院できればベストです。しかし、医療資源が逼迫しているので、実現の可能性は低いのではないでしょうか。 「大人の受け入れ先は見つかったけ

  • 入院とホテル療養の違いについて保健師さんから事前に受けた説明〜コロナ感染隔離生活・3日目

    入院初日(17日)の夜に受けた抗体カクテル療法の点滴のおかげか、この日(19日)は体温が終日、37℃を超えることがありませんでした。 変化といえば、鼻水が出なくなり、その代わりに咳が少し出るようになったぐらいです。 前回のタイトルが「だるくて退屈だけど苦しくはない」でしたが、今はただ退屈なだけです。 ここまで急速に回復するのには驚きました。明日(20日)の血液検査で問題が見つからなければ、退院してホテル療養か自宅療養になると思われます。 入院

  • だるくて退屈だけど苦しくはない〜コロナ感染隔離生活・2日目

    PCR検査の結果が伝えられ、妻も陽性でした。しかし、息子は陰性! 4年前の冬、妻とぼくが同時にインフルエンザにかかったことがあるのですが、この時も息子はずっと元気でした。 自閉症と「感染症へのかかりにくさ」は何か相関関係があるのでしょうか。それとも、わが息子だけの特殊能力なのか、よく分かりませんが。 入院2日目(18日)は、前日に比べて少し楽になったような気がします。 発熱のピークが39.0℃にとどまってくれています。39.5℃と39.0℃で

  • 陽性判明から入院までのバタバタした8時間半を振り返る〜コロナ感染隔離生活・初日

    昨日(17日)夕方、無事に入院することができました。 PCR陽性の連絡から入院に至るまでの流れを時系列でまとめました。08:30 PCR陽性の連絡が来る。「保健所から電話が来ますので、指示に従ってください」08:40 妻も発熱し始める09:00 勤務先に電話し状況を説明(入院まで数回電話あり)10:50 保健所から電話。感染状況、最近の行動について詳しく聞かれる13:00 保健所から電話。濃厚接触者である妻と息子、実家の両親の検査の段取りを決定。「入院かホテ

  • PCR検査で陽性でした…

    昨日PCRを受けた医療機関から今朝連絡があり、新型コロナウイルスの陽性が判明しました。 ゆうべは39.5℃とかなりの高熱となり、「これでコロナじゃなかったら何だろうね〜」と言い合っていたのですが、やっぱりそうでした。今は38℃台で落ち着いています。 たぶん11日に会社でうつされ、お盆初日の13日夜から発熱が続いていたこともあって、仕事を休んで家にこもっていたため、発症後の濃厚接触者は妻と息子、実家の両親の計4人にとどまりました。 しかし、妻は今朝から

  • 効果抜群の強化子がある時にそれを提供できない事態になるとABA療育は難しくなってくる

    お盆初日の13日夜から発熱が続いています。夜になると38℃台まで上がり、日中は平熱から37℃前半までを行ったり来たりと、ダラダラとした症状です。 先ほど近所の医療機関でPCR検査を受け、風邪薬を処方していただき、PCRの結果が出るまでは自宅軟禁の生活となりました。暇です。 13日午前、雨の中を息子とサイクリングロードに出掛けたことが原因の夏風邪だとは思いますが、夏風邪にしては長引くことと、時節柄、発熱には慎重にならなければいけません。 もし新型コロナ

  • 一部の「撮り鉄」の方が攻撃的でキレる理由はなんとなく理解できたし、アンガーマネジメントにはたぶん自閉症児(者)への療育の手法が効果的ではないかと思う

    前回取り上げた「江ノ電撮り鉄トラブル」の現場写真について、ネット上で論じられていました。 「原田浩司/Koji Harada」(@KOJIHARADA)さんのツイートを引用します。https://twitter.com/kojiharada/status/1424972044446273546?s=1 いやホントにおっしゃる通り。 プロの写真家である原田さんの評価と解説は、素人のぼくにも合点のいくものでした。 そして、現場で撮影し

  • 重度自閉症児の親としては、社会とトラブルを起こし続ける一部の「撮り鉄」が他人とは思えない

    またしても撮り鉄のトラブルが話題になっています。 今回の現場は神奈川県藤沢市内の江ノ電で、「鉄道ファンらが深夜の試運転列車の撮影で、通りがかりの自転車に乗った男性に罵声を浴びせる動画がツイッターに投稿され、物議を醸している」というものです。 J-CASTニュースの記事「『チャリ乗ってんな!』『どけ!』『金だろ』撮り鉄が通行人に次々罵声 深夜の江ノ電で何が起きた」に顛末がまとめられています。 ぼくがたまたま「5ちゃんねる」を眺めている時にこのトラブルの

  • 日本スイミングクラブ協会「泳力認定」のチラシがなぜモヤモヤするのか考えていたら、歴史的な炎上CMや「24時間テレビ」「パラリンピック」との共通点が浮かんだ

    いまブログで時事ネタを取り上げるのであれば、東京五輪の閉幕や医療崩壊が始まりつつある首都圏のこと、小田急線刺傷事件など重くて暗いテーマがいくつもある中で、今回はそれらと全くリンクしない話を。 日本スイミングクラブ協会「泳力認定」のチラシについてです。 いつもブログを読んでくださっている方から一昨日、「日本スイミングクラブ協会のチラシを見たときに、なんかモヤッとしたんだけど、何にモヤッとしているのかわからない」とのメッセージをいただいたことをきっかけに調べ、思

  • 「地元のドライバーは優しい人が多いなぁ」と思っていたけど、交通ルールを調べたら真逆の印象に変わってしまった〜息子とサイクリングをしている時に行っている自己流の療育について②

    粟島のホースセラピーから帰ってきてからも毎日、息子とのサイクリングを続けています。 夏休みに入ってからは、夜勤明けで起きると息子が「自転車に乗りたい!」とうれしそうに寄ってきて、往復約15キロ・約1時間半のサイクリングをしてから一緒にシャワーを浴び、昼メシを食べ、クーラーのきいた部屋でしばらくゴロゴロしてから出勤ーというルーティンを繰り返しています。 連日の猛暑日でしかも平日の昼前となると、サイクリングロードですれ違う人はほとんどいません。 健康的と

  • 馬の賢さと美しさ、馬に関わる人々の優しさに感動〜粟島ホースセラピー1泊2日・後編

    前回の記事は泡姫ちゃんネタで終わってしまいましたが、ここからは、本題である「障がいのある子どもたちのための『ホース(馬)セラピー体験事業』in粟島」(JRA日本中央競馬会特別振興資金助成事業)の参加レポートです。 結論から申し上げますと、重度自閉症・中度知的障害がある息子は乗馬することができました。しかも、自ら「もう1回馬に乗りたい!」と意思表示をして、計2回も乗ることができました。 親としては、馬には乗れなくとも馬に親を持ってくれればOK、という気持ちで臨

  • 9年ぶりに訪れた「近所の離島」は、ほんの少しオシャレになっていた〜粟島ホースセラピー1泊2日・前編

    障害のある子どもを対象にした「ホースセラピー」で、新潟県の粟島に行ってきました。 手元にある資料によると、正式な事業名は「障がいのある子どもたちのための『ホース(馬)セラピー体験事業』in粟島」で、JRA日本中央競馬会特別振興資金助成事業として運営され、対象は「小・中学生の障がいのあるご本人とその介助者」です。 ホースセラピーが開催されることは、毎月郵送される地元の「手をつなぐ育成会」の会報で知り、すぐに申し込みました。 育成会に入った理由については

  • ライバルはテスラ車?〜息子とサイクリングをしている時に行っている自己流の療育について①

    またまたサイクリングの話です。 息子はここ3カ月ぐらい、ぼくが家にいると息子は「自転車に乗りたい!」とばかり言っていて、ぼくの体力が許す限り、ずっとサイクリングロードにいます。 わが家ではABA(応用行分析)による家庭療育は妻が一手に担っていますが、1回出掛けると1時間半から2時間ぐらいマンツーマンで過ごすサイクリングは、息子の体力づくりやストレス発散だけではなく、「学び」の場でもあります。 今回はそんな、サイクリングを通じた自己流の療育について。

  • 重度自閉症児であり「鉄人」でもある息子にはトライアスロンが向いているかもしれないけど、スイムはキレイな海がいいです

    東京五輪が始まりました。競技が盛り上がっているのは素晴らしいことです。 開会直前にあったコーネリアス小山田圭吾氏をめぐる炎上騒ぎは既に、少し遠い記憶となっている感があります。 しかし、障害児の親としては、小山田氏を追及し続けるというのではなくて、一連の炎上騒ぎから得られる教訓というか「学び」は、ずっと探していこうと思います。 それにしても暑い。 新潟県は雪国なので夏は涼しいと思っておられる方もいるようですが、そんなことは決してありません。

  • 第三者に感動を与える力はないとしても、知的障害児(者)がスポーツを続けられる環境が身近にあり続けてほしい〜当事者家族が思う「感動ポルノ」⑧

    この記事は10日前にアップしようと思っていたものです。コーネリアス小山田圭吾氏のことを書いていたら、もうオリンピックが始まってしまいました。 特に加筆する部分もなさそうでしたので、そのままアップします。 オリンピックやパラリンピックといったスポーツについてここ3回書いてきましたが、妻もぼくもずっと、スポーツから縁遠い生活を送ってきました。 体育会の部活に入ったことがありませんし、スポーツを観戦する習慣もありません。 ぼくは、偶然テレビをつけた

  • コーネリアス小山田圭吾氏の大炎上から得られた「学び」⑤〜才能があるからといって周りから甘やかされ続けると精神年齢は上がらず、あとで大恥をかく

    元ラーメンズの小林賢太郎氏が東京オリンピック・パラリンピックの演出担当を電撃的に解任されたのには本当に驚きました。 昨日(22日)未明、夜勤を終えてスマホを見た段階で、「GEINOU」という芸能ニュースサイト(今回の件で初めて存在を知りました)の記事「<ユダヤ人大量惨殺ごっこ> 五輪開会式演出・小林賢太郎に浮上した『ホロコーストいじり』の過去」と、実話BUNKAタブー編集部(こちらは知っています)のツイートが結構リツイートされていたのですが、その時点では

  • コーネリアス小山田圭吾氏の大炎上から得られた「学び」④〜障害者団体や関係者に「感情に任せた激しい批判コメント」を期待する人たちが出てくるので慎重に構える必要がある

    7月14日に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が開会式・閉会式のクリエイティブメンバーに小山田圭吾氏が入ってると発表したことから始まった今回の炎上騒ぎは、19日夜に「五輪開会式の楽曲担当を辞任」との速報で一区切りが付きました。 これまでも数多くのネット炎上を見てきましたが、今回の騒ぎは日本のネット史上にも残る大規模なものだったと思います。 振り返ってみて気になるのが、19日夜に小山田氏の辞任表明が速報されるまでの、この日の組織委と政府の動きで

  • コーネリアス小山田圭吾氏の大炎上から得られた「学び」③〜障害児と健常児をただ一緒にしただけの「インクルーシブ教育」は、障害児の命すら奪いかねない危険な社会実験

    コーネリアス小山田圭吾氏が五輪開会式の楽曲担当を辞任しましたが、今回の大炎上から教訓を導き出す作業は続けます。 書いていると、かつて聴いていた「フリッパーズ・ギター」の曲が頭の中で勝手に再生されます。 渋谷系音楽のマイブームはとうに過ぎ、小山田氏が「障害者いじめ」を自慢する「人間のクズ中のクズ」であることを20年ぐらい前に知ってから聴き直す気もなかったのですが、この炎上騒ぎで作品を思い出してしまった形です。皮肉なものです。 このブログ、2日に1回のペ

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ビールと祭りと療育と〜明るい重度自閉症・知的障害児とその両親の成長記録
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