「……今、何て言ったの?」 レイは、ジェイを見据えると、ゆっくりと静かに「もう、彼とは会わない、って言ったの」と答えた。 ジェイは、レイの言葉を疑うように 「どういう、こと?」と...
1日をぼんやりと過ごしたレイは、午後7時を過ぎた頃、部屋を出た。4月とは名ばかりで、まだ外の空気は冷たく、レイは小さく身体を震わせると、ニットの帽子を耳のところまでぐっと下げた。...
バレエを習うからには、きれいな衣装を着て発表会に出たい!と思う人も多くいるのではないでしょうか?発表会という目標があると、レッスンを続けるモチベーションにもなります。 私が初めて...
次の週末、エドはアメリカに発つことになっていた。レイもそれまで取っていなかった休暇をとり、彼より1週間遅れてアメリカへ行くことを決めていた。 クリスティからの電話は、ここ数週間ぴ...
その日の夜、部屋に戻ったレイは、まだ体にだるさが残っているような気がして、ソファで横になっていた。リビングボードに置かれた時計は、午後8時ちょうどを指している。 エドが戻るのは、...
夕方のクラスを終えたレイが、少し疲れた表情でオフィスに戻って来た。 「レイ、大丈夫?なんだか疲れた顔をしているわよ」心配そうに千夏が聞いた。「ええ、大丈夫。ちょっと風邪気味なのよ...
ジェイは、やれやれと一息つくと 「あなたがクリスティを傷つけまいとすればする程、レイが傷つくって言うのは間違っていないわ。ねえ、エド、あなたにとって一番大切なのは何か、よく考えて...
「やあ、ジェイ。しばらく」エドは上着を脱ぐと、ジェイのすぐ前、千夏とひとつ間を空けたスツールに腰掛けた。 「……随分、お疲れみたいね」ジェイがそう言いながら、彼の前にグラスを置い...
「また、レイがスタジオに篭っているのよね」千夏が心配そうにため息をついて言った。「……エドと何かあったの?」「彼と喧嘩したくらいなら、スタジオに篭ったりしないわよ。話はもっとやや...
年も明けた早々、レイの担当するクラスに初めて見かける外国人女性が混じっていた。外国人がクラスにいることは珍しいことではなかったが、中級レベルのクラスを受けるには、まだ訓練が足りな...
サテンが美しい淡いピンクのトゥシューズに憧れてバレエを始める人も多いバレエ。けれど、バレエを初めて最初に履くのはトゥシューズではなくバレエシューズです。では、いつになったらトゥシ...
エドが部屋に戻ると、玄関にレイの靴がきちんと揃えて置かれていた。 「レイ、来ているのか?」 エドが部屋の奥に呼びかけると、レイがリビングの扉を開けて顔を出した。 「おかえりなさい...
「レイ、あなたによ」 千夏が、電話を保留にしながら言った。「私に?誰から?」不思議そうにレイが聞いた。 外線でレイ宛に電話が掛かって来るなど、殆どないからだ。 「名前を聞いたんだ...
午後6時半を少し過ぎた頃、KINGSの扉が開いた。「あらエド、珍しいわね。こんな早い時間に来るなんて」ジェイが、氷を削る手を止めて言った。「出張明けくらいはね」エドは、上着を脱い...
「大切なものは、何があっても決して手放してはいけないわ」 エドはメアリーの言葉に、はっと我に返って顔を上げた。メアリーは庭のずっと先を眺めたまま、呟くように、ぽつりと「……ルイー...
どうやって知ったのか、ロンドンに滞在している事を知った父親から連絡があり、渋々ロンドン郊外の家に戻ると、父と継母のアメリア、そしてクリスティ・リングトンが彼を迎えた。 10歳近く...
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