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裏加瀬blog http://urakase.blog.jp/

官能小説です 文章は全くの独学で、情景描写や心理描写が少なめです 10月13日スタート、週一更新です セリフ運びなどは古臭いです よろしくお願いします

加瀬
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2019/10/11

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  • 続・太陽の伝説4(最終)

    続・太陽の伝説4 初めは人違いかと思った。袖と裾の膨らんだ、フリルのたくさんついた淡い色のワンピースをヒラヒラとなびかせながら鼻歌まじりに町中を歩いていた。化粧っ気のない顔。以前、おおげさなほど太く巻かれていた栗色の髪は、軽いウェーブがかかった程

  • 続・太陽の伝説3

    続・太陽の伝説3 歩いて、とにかく歩いて、たまに電車に乗って、また歩く。小さい頃に聞いた話をたよりにこの国にやって来た。この国。先生が前に住んでいた国を見てみたくなったからだ。俺の住んでいた町とはだいぶ離れている。よくもまあ、一人でこんなに遠

  • 続・太陽の伝説2

    続・太陽の伝説2 延々と、延々と、ただ歩き続けている。知ってるヤツが声をかけてくる。いつものように、適当に返事をしておく。いつもならここで仕事を探している。金は持っていないが、今日は別に働きたくない。腹が減ったら働こう。家を出ても、もちろん行

  • 続・太陽の伝説

    続・太陽の伝説 『終わり』はあっけなかった。なんでだろう、あんなに幸せだと思っていたのに。嵐が。急に嵐がやってきて、俺のまわりにある大事なものを全部吹き飛ばしていったみたいだった。俺だけ残して。 ティフィという女は俺がいない間に、度々先生

  • 太陽の伝説10(最終)

    太陽の伝説10 結局…私はミジョンに全てを話しました。彼は悲しみ、怒り、震え、泣き、叫び…私を抱きしめました。私が過去を余すところなく打ち明けたのは、もちろんティフィー様に従う意思がないためです。彼女が私の過去を町中の人間の前で暴き、その結果どんな

  • 太陽の伝説9

    太陽の伝説9 お嬢様の存在を知ってからというもの、ミジョンの嫉妬心は日毎に膨らむばかりです。私の一挙一動に目を光らせ、私が少しでも口篭もったりどもったりすれば、すぐさまつっこんで来ます。私がお嬢様の下で過ごしていた時代を事細かに知りたがります。彼女

  • 太陽の伝説8

    太陽の伝説8 ある日の休日、夕食時。何度も読み返した本を繰り返し読み続ける事に飽きた私はそれを閉じ、自室のドアを通ってダイニングに顔を出しました。「あ、先生ィ…ごめん、まだメシできてないよ」忙しく立ち働くミジョンがドアの音に気づいて私の方へ振り

  • 太陽の伝説7

    太陽の伝説7他の住宅と変わりない薄い壁、簡単な造りのドア。耳を澄ませば小さな足音が聞こえて来ます。ギィ、バタン!乱暴に扉を閉める音。息を切らして家に入り込んで来る彼。「やっべーっ…!」そう呟くとダイニングのある部屋へストレートにやって来て、そこ

  • 太陽の伝説6

    太陽の伝説6 その後、お変わりありませんでしょうか。私はなんとかやっております。 エミリアの婚約の件で一時期は打ちひしがれていたものの、最近はだいぶ心の整理がつきました。これまで幾度となく、彼女の期待を裏切るような真似をしてしまいましたが、今と

  • 太陽の伝説5

    太陽の伝説5 近頃のミジョンはと言うと、何かと言うとやたらと体を擦りつけたがります。立っていれば私の腕に絡みつき、座っていれば背後に回って寄りかかってきます。仕事中はお互いのエリアが違うので別行動ですが、終わって帰れば途端にベタベタと触ってきます。

  • 太陽の伝説4

    太陽の伝説4 ミジョンが無断外泊をしました。朝から少し落ち着かない様子ではありました。通常は一緒に家を出るのに、その日は珍しく後かたづけをすると言い出して、私を先に仕事場へ行かせたのですが…その日はそれきり私の前へ姿を現しませんでした。 夜にな

  • 太陽の伝説3

    太陽の伝説3 観光地の人間にとって、ガイドは割合の良い仕事です。ので、シーズンになりますと私の住む町でもこぞって空港や駅などに毎朝でかけては、自分専用のお客さんを捕まえて来る現地人などが多数出没します。生活がままならない以上、私もホテルの掃除ばかり

  • 太陽の伝説2

    太陽の伝説2 ああ、そこのあなた。お久しぶりですね。お元気でした?何年ぶりでしょう…そう、あれから5、6年は経過していますね。また私のお話を聞いてもらえますか?実は私、只今複雑な状況に置かれておりまして…。 ショックな出来事が二つありました。

  • 太陽の伝説1

    太陽の伝説 ああ、そこのあなた。私の話を聞いてもらえませんか?ほんの短い間だけでいいんです。 「結婚式はね…ほらぁ、このドレスを着るの!」何度も繰り返し見直してボロボロになったパンフレットを開き、彼女は言いました。私はいつもの様に小さく頷き、決まりきった

  • 只今休止中

    現在、ネタ切れにより投稿をお休みしています。

  • INSULT(後編)

    「よ、吉沢…さん?」小さい声で、ごく小さい声でだけど確かめるように聞いてみた。後ろを振り向こうとしたけど強くおさえられてしまったのと、あんまりにも電車が混んでたのとでうまく動けなかった。でも、チカン男は言った。「…貴美恵さん、貴美恵さんはワザとチカンに触

  • INSULT(前編)

    今回も昔に書いたものを掘り起こしてきました趣味でメールマガジンを発行していた時に女性読者という人からコメントをいただきまして「女性でも楽しめる官能小説があれば嬉しい」ということで、どんなお話がいいですか?と聞いたら「痴漢もので」とお答えがあったので初めて

  • 性人形14(最終回)

    17「…どういうことかな、これは?」梶山の寝室。高瀬は、辛うじて口元に笑顔をつくりながら、目の前の二人を睨みつけた。奈々子が去った後、唯子は高瀬の元を訪ねていった。唯子が梶山の手引きでやって来たことに薄々勘付いてはいたが、自暴自棄に陥っていた高

  • 性人形13

    15唯子は人通りの多い場所に来ていた。特にあてもなく、ぶらぶらと店などを見て歩くのが好きだった。「(生理終わったし…今日は社長のとこに行こっ)」そういった理由のせいか、気候が暖かくなったせいか、やけに浮き足立っている。「!」道の先を歩いている

  • 性人形12

    13総合病院、小児科。セミロングの髪を後ろで束ねた白衣の高瀬がいる。彼女の体を包む白衣は異様に大きい。胸を留める釦は下がりすぎているし、作業に差し支えないよう腕まくりされた袖は大きく膨らんでいる。裾は足首近くまであった。言わずもがな、巨大とも言

  • 性人形11

    ・手足にはくっきりと、緊縛の跡が残っている。口元がまだヒリヒリするし、髪にもまだ引っ張られているような感触がある。草叢に寝かされていたため背中や腰に細かい傷ができている。時間をかけて全身を隈なく洗ったが、どうしてもそれらを消すことはできない。な

  • 性人形10

    12夜、という時間が怖い。「(したくない…)」奈々子は一人部屋の中で机に向かい、祈るように手を組んでいた。梶山は毎日のように求めてくる。ここ数日、唯子が姿を見せないので男の欲望は全て奈々子が受け止めなければならなかった。「奈々子」音もなく

  • 性人形9

    9「いっ…いい…あん!すごい…当たって…ああ…」奈々子は梶山の腕の中で喘いでいる。様々な体位でセックスを試しているうちに、少女は男に足を挟まれるようにして、浅く出し入れする形を特に好んでいることが分かった。足をぴんと伸ばした状態で、陰茎がクリト

  • 性人形8

    8日曜日。唯子は珍しく、昼に梶山の家を訪れた。何事もなかったかのように、とはいかないが、件の出来事には触れないよう、つとめて明るく振舞っていた。いやに大きな荷物を、大事そうに抱えてきた。包みを広げると、チョコレートケーキが入っている。包装の具合

  • 性人形7

    ・緊縛の解かれた手首に、痛々しく痕が残っている。少女は梶山の命令通り、射精を終えた後の棒にこびりつく男女の液を、舐めていた。「うっ…ん」「よくきれいにするんだぞ」男は煙草をふかしている。少女が跪いて奉仕する姿は、彼の征服欲を満足させるものだっ

  • 性人形6

    7「(帰って来たな…)」通学鞄を片手に、制服姿の奈々子が小走りに現れる。「(帰りはいつも四時半から五時頃…。一度家へ戻ってから買い物に出かける)」男は道端に生い茂る木々を盾にして姿を隠している。「(その後、家を出ることはない。親が厳しいんだろう

  • 性人形5

    4「どうしたんだ今日は?」ベッドに腰掛け、前面に硬く張り出した奈々子の乳房を後ろから手を回していじりまわしながら、梶山が問う。「あ…ん…イヤ…」男の手が動くたびに華奢な体が敏感に反応する。その声は小さく遠慮がちだったが、最初のセックス時のよう

  • 性人形4

    3次の日の朝食も、梶山の満足の行くような味にできてはいなかった。今にも泣き出しそうな表情の奈々子を無言で睨み、料理の乗った皿を箸でカチカチと威嚇するように鳴らしている。何を言われるか、何をされるかと怯える奈々子があまりにも滑稽で、梶山はつい笑っ

  • 性人形3

    「グッ」呻いたのは梶山の方だった。体の中に押し入ってきた異物に思い切り歯を立てられていた。驚いて腕の力が弛んだスキに、奈々子は男から離れた。「このっ…!」「(どこに逃げよう、どこに…)」深夜、厳しい寒さの中にガウン一枚で飛び出すことを考えると

  • 性人形2

    2「ん?」早朝。梶山はいつも通りの時間に起き出し、まずは玄関まで出て、郵便受けから新聞を取る。その足で食事のためにキッチンへ向かった。「奈々子?」そこには見慣れない光景があった。キッチンに少女の後ろ姿。一本に束ねられた長い髪が、ゆらゆらと

  • 性人形1

    んがんん先週ネタ切れのため休止と書きましたが、それも少し寂しいので大昔に書いた小説を掘り起こしてみました今よりももっと至らない文章なので読みにくいかも知れません。申し訳ありません休止はもう少し先になります1底冷えのする、寒い夜だった。冬という時期は過

  • 歪家族 第五ー5話

    歪家族の今回加筆修正した分はこれで終了です官能小説はもうネタがないので、というか書きたいネタはあると言えばあるのですが内容がどうしても似たり寄ったりになってしまうため、もうちょっと構想を練ってから投稿したいと思っていますその時はまた、よろしくお願いします

  • 歪家族 第五ー4話

    5-4. やがて大介が自分の中で果てて精を放ち、ようやく体を離しても彩香は泣き続けた。悲しみなのか悔しさなのか。痛いのか苦しいのか自分でも理解できないまま長い時間嗚咽していた。大介は乱れた彩香の服を元に戻して、泣き止む様子のない彩香の肩を抱き、髪を

  • 歪家族 第五ー3話

    5-3. (はやまった!)大介は後悔したが、後には引けなくなってしまった。理想の女性に育ったこの娘を、自分以外の男にやるのは惜しかった。「お、おじさま…」長い沈黙の後でなんとか絞り出すように、彩香が声を出す。「ぁ…私…部屋に戻ります…」「待

  • 歪家族 第五ー2話

    5-2. 和樹、優斗、美羽の三人は家から少し離れたショッピングセンターに来ていた。小学校も最高学年になり、好奇心が強くいろいろな事に興味を持ち始めた美羽は時折和樹と優斗を振り回すように出掛けて歩きたがる様になった。放っておくと糸の切れた凧の様にふら

  • 歪家族 第五-1話

    今回は第五話を大幅に加筆修正したもので、大介と彩香の馴れ初めを少しねっちり目に書き換えてみました本来の第五話と差し替えて読んでみて下さい。第五話が今後しばらく続きますーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー5-1.

  • 歪家族 第0話

    少し思うところがあって、歪家族を加筆・修正しました。今回はプロローグを投稿します第一話の前に持ってくるものと思って読んでみて下さいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  0.  「あ…んっ」 男の手が乳

  • メイドちゃん3 後編(最終回)

    バタン!ドアが激しく開いたようですが、メイドちゃんには遠くで音がしているように聞こえていました。「あ、叔父様ァ…」女の子は一度振り向いて、ドレスの胸元をささっと隠しました。「…あっ…!」ご主人様がお部屋に入ってきたのです。夢心地だったメイドちゃ

  • メイドちゃん3 中編

  • メイドちゃん3 前編

    メイドちゃん3  今より、ちょっとだけ昔。お金持ちの人と、そうじゃない人の差がとても激しかった頃のお話しです。 「あっ…あ、あ、んあ、はあっ…」メイドちゃんは一人、お部屋のすみではあはあしていました。「ふあんっ…ああ、あ、あ、ああ…っ」ご主

  • メイドちゃん2 後編

    今日は、ご主人様に遊んでもらえる日です。いつもはご主人様と二人きりなのですが、今日からは雪ちゃんも一緒に遊ぶのでメイドちゃんはとっても楽しみです。お邸を出てお庭のひらけたところにつくと、メイドちゃんはいつものように服を全部脱ぎます。どうしていいか分か

  • メイドちゃん2 前編

    メイドちゃん2 大好きなご主人様のために、一生懸命頑張るメイドちゃんです。 今日はメイドちゃんがお口を使って、ご主人様のオチンチンをあむあむします。ご主人様がベッドに寝て、メイドちゃんがご主人様の上に乗らなければいけないので、メイドちゃんが体重

  • メイドちゃん

    メイドちゃん  今より、ちょっとだけ昔。お金持ちの人と、そうじゃない人の差がとても激しかった頃のお話しです。  メイドちゃんは14歳。お金持ちのご主人様のお屋敷で、住み込みで働いています。お仕事は主にご主人様の身の回りのお世話。本当の名前は『めい

  • 佳奈恵さんの危機一髪 後編(最終回)

    仕事が始まってもボーッとしている佳奈恵さんを心配して、沙織さんが医務室に連れて行ってくれた。佳奈恵さんは医務室のベッドに横になり、沙織さんは佳奈恵さんに添い寝をした。後ろから佳奈恵さんの体に手を回してオッパイを優しくなでなでしている。「もう、佳奈恵ち

  • 佳奈恵さんの危機一髪 中編

    なんとかシャツを着直して資料室に辿り着いたけれど、資料の量がとても多すぎる。どこに何があるのかまだ新入社員だった佳奈恵さんには全く分からなかった。「あーん、やっぱり課長に一緒に来てもらえば良かった」とついつい暗い部屋に一人きりなので怖くて大きな声を出

  • 佳奈恵さんの危機一髪 前編

    佳奈恵さんの大きなオッパイはいつでもスケベな男達の注目の的。外に出ればジロジロ見られるし、人ごみを歩けばどさくさに紛れて触られる。佳奈恵さんはいつも困っていた。今日も会社に行くために電車に乗ったら満員で、発進した途端に佳奈恵さんのオッパイとお尻にたくさ

  • 歪家族 第三十四話(最終話)

    34. 和樹は長椅子のいつもの位置に、美羽は和樹の足の間に重なって座り、眠っている。その隣を優斗が和樹の腕によりかかり足を折った状態で陣取り、彩香は優斗の足近くに頭を置いて床に座って眠っていた。暖かな日差しの中、先の見えない不安も世間から見れば正常

  • 歪家族 第三十三話

    33. 「あぁ…うぅ…」彩香は自分の胸を潰れるほど握り締め、乳首を捩る。「は…は…ぅ…」止めどなく溢れる淫水をどうすることもできず、秘所に指を入れて身をくねらせるがどうしても満足できない。「あなた、あなたぁ…」手ごろな太さのマジックペンや化

  • 歪家族 第三十二話

    32. あの後、パニックに陥った三人を宥めて和樹が救急車を呼んだが間に合わなかった。大介が自分の勝手で無理やり退院した時からある程度の予感はあった。運ばれた病院で呼ばれた警察に状況説明をして、処理が済んでから病院で紹介された施設でひっそりと葬儀を行

  • 歪家族 第三十一話

    31. ある夜に異変があった。美羽は和樹の部屋で久しぶりに二人だけで過ごす事ができた。ベッドに寄りかかり、絨毯の上で胡坐をかいて本を読む和樹の太腿に顎を乗せて体を伸ばした状態でうつ伏して、膝から下をバタバタと動かしてふざけていた。二人の間に割って

  • 歪家族 第三十話

    30. 美羽はすぐに和樹との事を優斗に打ち明けることにした。優斗は動揺して何度も聞き返した。「え、な、ど、どういう、どういう、ど、ど、なんで」「お兄ちゃんが好き。お兄ちゃんと付き合うの」美羽も何度も同じ言葉を繰り返す。「お、お、俺…は?美羽ち

  • 歪家族 第二十九話

    29. 美羽を落ち着かせるためにベッドに寝かせ、和樹はその横に並んで寝た。かける言葉が見つからずに困ったような表情で口だけで笑いかける。腕でポンポンと美羽の腹の辺りを叩いた。美羽はこの期に及んでも子供の様な扱いをされている事に腹を立てていた。「ん

  • 歪家族 第二十八話

    28. 幻覚の様なものを見ていた。暗闇の中、仄かになまめいた香りが漂っていた。何度も抱いた、あの体が纏っていた芳香。衣擦れの音がした。誰かが部屋の中にいる。女。(あ…彩香…?まさか…)眠気のせいで体があまり上手く動かせない。女が近づいて来る。

  • 歪家族 第二十七話

    27. 「お兄ちゃん!」この頃は暗い顔で考え事ばかりしている和樹を気遣い、美羽は極めて明るく声をかけるようにしていた。「どうした?」辛うじて笑顔を作り、声がした方に振り向くと小瓶を抱えてにこにこしている美羽が目に入った。最近の美羽の成長には目を

  • 歪家族 第二十六話

    26. 家族が全員出払っていた日の夕方、美羽は頼まれて取り込んだ洗濯物をスマホを弄りながらダラダラ畳んだ。各部屋には特に秘密はなく、覗いて回る趣味を持つ家人もいないのでそれぞれ出かける時は部屋のドアが開いていた。少し不器用に畳んだ洗濯物をそれぞれの

  • 歪家族 第二十五話

    25. 奇妙な関係は続いていた。和樹は度々夫婦の寝室に呼ばれては出かけて行き、道具の様な扱いを受けていた。彩香の柔らかい体に触れることは許されず、ただ挿入して絶頂させるだけに使われていた。 またある晩には一人どこかに遊びにでかけていた大介が、小さ

  • 歪家族 第二十四話

    24. 一週間目の夜以来、大介は毎晩彩香の体を求めるようになっていた。懇願は一切聞かずに言葉で虐め、全身を嬲り、好きに舐り、彩香が泣きだすまで弄んだ。しかし、大介の股間の方は勃起する力が極端に弱っていた。しつこく責め立てられどんなに体を濡らしても

  • 歪家族 第二十三話

    23. 部屋に戻った大介は、煌々と灯る明かりの下で彩香の裸体を眺めた。彩香はベッドの上に座らせられたまま服を着ることを許されなかった。気まずい様子で胸の前を隠している。「彩香」大介が彩香の両肩を掴んだ。これから行為をするのだと彩香は理解する。「

  • 歪家族 第二十二話

    22. 「バカだなあ、彩香。君はバカだ。本当にバカだ」声を荒げるでもなく手を出すでもなく、大介は静かな低い声で呟いた。和樹は驚いてその場で固まっていた。彩香も同様に驚愕した様子だったが、やがて大きく震え出し和樹が差し出していた腕をすり抜けてその場

  • 歪家族 第二十一話

    21. なんとか一週間を乗り切った。食欲はあまりなくたまに呆けてしまう時間もあったが、仕事と家事に打ち込んで毎日を過ごした。子供たちの無邪気な姿がひと時彼を癒した。二人で年甲斐もなくベタベタと和樹に甘えて後ろをついてまわる。男女を意識する年頃のはず

  • 歪家族 第二十話

    20. 大介は医師の言う事にあまり耳を貸さず、自己判断で強引に完治の日を決めてしまった。外泊の申し込みをごま化して、なし崩しに予定よりずい分早い退院をした。病院食の味が大介には薄く、量も少なく、家族が医師の言う事を聞いて誰一人お気に入りの調味料を差し

  • 歪家族 第十九話

    19. 日曜日の午後、美羽はリビングで長椅子に腰かけて寝ている和樹を見つけた。その傍らに床にペタリと座り、膝に寄り添い眠る彩香の姿もあった。男の手は女のの頭に置かれ、髪をかき上げた状態で止まったまま動かなかった。その姿はついこの間までは大介の役目だ

  • 歪家族 第十八話

    18. 「んー…」美羽は姿見に自分の裸を映して様々な角度から眺めていた。(別に昨日と変わったところはないなあ…)初体験を迎えたことで、自分の体がどこか変わるのではないかと思っていた。顔も体も、何も変わらない。心も、悲しいとか寂しいとか言う感傷的

  • 歪家族 第十七話

    17. 優斗と美羽は二人の痴態を食い入るように見ていた。特に優斗には初めての光景で目が離せなくなり、下半身が熱く充血してしまい逃げ場のない興奮に腰を揺らしていた。「ねぇー、優ちゃん…」「ひゃ…」美羽の声に驚いて心臓がドクンと波打った。「ねえ」

  • 歪家族 第十六話

    16. 今日の和樹は彩香の言葉にあまり逆らわず、女の望むように優しく口づけをして薄皮をめくるように一枚、一枚と服を脱がせてから指と口を使って丁寧に愛撫していた。二つ大きな乳房を交互に口に含み、赤ん坊のように乳首を吸い、体中にキスを浴びせた。「あ、

  • 歪家族 第十五話

    15. 昨夜と同じように美羽は万全の体制を整えた。和樹のために余計な仕事を残しておくと、計画が狂ってしまう。昨日と違うのは隣に優斗がいることで、暗闇で二人きりじっと待つ気まずさと、すぐ隣に異性のいる狭い空間に充満する熱に気持ちが落ち着かなかった。

  • 歪家族 第十四話

    14. 「マジで!?」「マジで!!」「ヤバいじゃん!!」「ヤバいんだよ!!」優斗の言葉に対して美羽は他の表現が見つからずにオウム返しをする。美羽の話は優斗が期待したものとはずいぶん違っていて、思っていたよりヘビーな問題だった。世話になって

  • 歪家族 第十三話

    13. 美羽はなんとか立ち上がり誰にも見つからずに自分の部屋へ戻ることができたが、彩香の方は朝になっても和樹の部屋から出てくる様子はなかった。ベッドに入ったはいいが興奮して眠ることができなかった。学校へ行く時間が近づくと美羽はなんとか布団から這い出

  • 歪家族 第十二話

    12. 和樹と彩香の不適切な関係に、美羽はすぐに感づいていた。和樹はともかく、彩香の変化があからさま過ぎたのだった。美羽と優斗のいる朝の食卓でもお互いにチラチラと視線を送り合い、無言で意味深げに微笑み合っていた。ただ、美羽の知る恋愛とは少し違うよ

  • 歪家族 第十一話

    11. 会社を終えた後、和樹が彩香を迎えに病室に寄った。また短く挨拶をして、子供たちを理由にして二人連れ立って帰って行く。病院の門を過ぎると暗闇に乗じて彩香の肩を抱いた。前日とは違って女は身を固く拒絶することなく、柔らかい態度で頭を男の胸に預けた。

  • 歪家族 第十話

    10. 翌日は食事を済ませて子供たちを送り出し、一人で外出ができない彩香に付き添って和樹は大介のいる病院へ出向いた。彩香を病室まで送ると挨拶だけ済ませて会社を言い訳に早々に出て行く和樹を、大介は何か感づいたのか訝し気な表情で見送る。和樹の方は大介を

  • 歪家族 第九話

    9. 和樹ば大人しくなった彩香を抱き起し、自分の部屋へ連れ込んだ。既に抵抗の意思は弱く、されるがままにベッドに運ばれ、目を閉じて和樹を待つ。 夫を裏切る恐ろしさよりそれまで考えもしなかった熱く逞しい体と情熱的な行為に、若い彩香の肉体は好奇心を抑え

  • 歪家族 第八話

    8. 学校から帰って来た子供たちに事の次第を伝えて、またすぐに命がどうこうということではないという説明をした。今後家のことも、自分がなんとかやっていくからという和樹の言葉にひとまず子供二人は安堵の息を漏らした。軽い食事の後、それぞれの部屋へ帰って行っ

  • 歪家族 第七話

    7. 事態は急展開した。50歳を過ぎて暫くたったある日、大介は突然職場で倒れた。救急車が呼ばれ、現場にかけつけた和樹が付き添って病院に運ばれて行った。心筋梗塞だった。そう言えば最近よく「歯が痛い」「顎が痛い」と零していた。冷汗が突然出ることもあ

  • 歪家族 第六話

    6 美羽は和樹を誘惑しようと試みたことがあった。中学三年になり体型もふっくらして、まだまだ子供っぽいところはあるものの女らしくなっていた。学校の噂でチラホラと初体験を済ませた同級生も出てきて少し焦っていた。ずっと片想いをしていた和樹はもう28か

  • 歪家族 第五話

    5. 彩香の美しさに最初に気づいたのは和樹だった。年も近いことからなにくれとなく世話をした。ブラシが通らないほど絡まって痩せた髪を整え、体を清潔にして、十分な栄養を与え、放置されてボロボロだった歯を治療させた。女性用の服は大介の元妻のものしか無か

  • 歪家族 第四話

    4. 少女は、アヤと名乗った。あまりにも小さく細かったため子供だと思っていたが、実際の年齢は15歳だった。アヤは親から逃げて家出をして、大介たちのいる街に流れ着いたところだった。行く当てもなく、疲れと空腹で座り込んでいたところを大介が発見してそのま

  • 歪家族 第三話

    3. 長谷川大介はあまり家族の愛情に恵まれていなかった。父母に兄弟はおらず自身も一人っ子で育った。周囲に深く付き合う親戚もなかった。中学の時に父が急逝してから母と二人だけで長い間暮らした。苦労しながらもなんとか進学、就職し、34歳の頃に当時の上司の

  • 歪家族 第二話

    2. 月のうち二回か三回ほど、夫婦の営みがあった。大介が甘えた声で「ねえ」と誘い、彩香の肩に手をかける。彼女はその時に何をしていても、夫の誘いを拒まない。少し照れたような顔で小さく「はい、あなた」と笑って頷く。すぐに部屋の明かりを消すと夫

  • 歪家族 第一話

    1. もうすぐ30の歳を迎える神尾和樹が懇意にしている会社の上司、長谷川大介は奇妙な家族を持っており、彼自身もその奇妙な家族の一員であった。 まず和樹は上司の家のドアを合鍵を使って開け「ただいま」と言う。既に家の中に住人がいる場合「おか

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