母の手
昨日から高熱が続いている長男。 なかなか寝つけず、ため息をついている。 添い寝し、頭を撫で、頬に手を添える。 安心したように、すぐに寝息を立てる姿に、愛しさが込み上げる。 もう一度、額から耳の後ろへ、ゆっくりと頭を撫でる。 柔らかな頬に手を添える。 ふと、幼い頃の、母の手を思い出した。 高熱で苦しいとき、洗い物を終えた母の、 ひんやりとした手が気持ちよかった。 不安で眠れないとき、温かな手が心地よかった。 私の手も、私の子ども達にとって、安心できる母の手になっているだろうか。 先ほど洗い物を終えた私の手は、 キメが荒く、カサついている。 もう若々しさのない、40台という歳相応の、 おばさんの手…
2019/11/11 21:31