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埼玉県川口市バレエパーソナルスタジオビート https://balletstudiobeat.jimdofree.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/

バレリーナを目指す方から、趣味でバレエをされている方、スポーツ、歌手、演奏者等、幅広い方々に、機能的に身体を使える立ち方を指導しています。 お気軽にお問合せ下さい

埼玉県川口市バレエパーソナルスタジオビート
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2019/09/26

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  • アメブロでブログ更新中です。

    https://ameblo.jp/balletstudiobeat 「バレエスタジオビートのブログ&Twitterのつぶやきをテーマ別にまとめたブログ」としてアメブロで記事を更新中です。

  • みぞおちを閉めてはいけません

    私のレッスンでは「みぞおちを閉めて」という注意は一切しません。 一般的なバレエ教室ではよくある注意ですが、これは体を駄目にする注意の1つです。 まず「みぞおちが開いている、肋骨が開いている」状態とは、背中が折れ曲がり上下に潰れている状態です。 潰れたまま表面的にみぞおちだけ閉めても意味がありません。 これをやってしまうと苦しくて呼吸が出来なくなります。 また、みぞおちを意識的に閉めてみぞおちに力が入ることにより、踏んでも踏んでも上にエネルギーが上がってこない体になります。 みぞおちで行き止まりになります。 床が正しく踏めると体が上に伸びるのでみぞおちは出ません。 みぞおちの表面の力が抜け、みぞおちの奥に通り道が出来ます。 ほぼすべての人がそうなる前にバレエのレッスンをしたり体幹トレーニングをしてしまいます。 だから体が詰まったまま筋肉が発達して、体が上下に伸びなくなります。 踏めないから伸びない、伸びないから踏めない。の繰り返しだから上手くなることはありません。 踏めないからターンアウトもしにくくなります。 ですから体幹トレーニングはやらないほうが良い筋トレの1つです。 そして、みぞおちを閉めると腕も正しい位置に入りません。 腕が正しい位置で使えれば、腕を動かしただけでおなかは引き上がります。 このような繋がりがあり上に伸びる体だと股関節は内に寄っていきます。 反対に、人間の体は上に伸びなくなると横に広がってしまいます。 どう広がるかと言うと股関節が左右に広がっていきます。 股関節が左右に広がった体はバレエ向きの体ではありません。 体の中心が抜けて空洞になります。 中心も体幹も無い体です。 こうなると体幹を固めないと動けません。 体幹が弱いから体幹トレーニングをしてみぞおちに力が入るようになる。 みぞおちに力が入ると股関節が左右に離れて体幹が弱くなる。 体幹が弱いから体幹トレーニングをして…。その繰り返しです。 内ももを閉めて両脚を寄せて「中心みたいなもの」を作るしかありません。 内ももを寄せて5番に入れると、ふくらはぎも太くなります。 これは「落ちる」「沈む」「低い」立ち方です。 そして、片脚バランスも取りにくくなります。

  • 重要記事。バレエの体の使い方、全4種類解説、その4。条件の改善しやすさ徹底比較。

    前回の続き。 「①おなか単体で引き上げるタイプ」 「②内ももを使うためにおなかを引き上げるタイプ」 「③まっすぐ垂直に踏むタイプ」 そして 「④しなりを転がして踏むタイプ」 以上のように4つのタイプに番号をつけました。 ネット上でもリアルでも指導者やバレエダンサーが「これが正しい、これは間違い」と主張しています。 情報過多で何が正しいかわからなくなっている人が多いと思います。 これはほとんどの場合、自分の体でやりやすい方法を正しい。と主張しているだけです。 例えば「バレエはまず先に引き上げが正解。引き上げないと踏めません。先に踏むのは間違いです。」と断言してしまう先生をネット上で見かけました。 この人は床が踏めない条件の人です。 先に床を踏もうとすると沈んでしまう。 だから条件の悪い自分の体を基準にして「先に引き上げるのが正解」と主張しているわけです。 そして条件の悪い生徒(大人から始めた人も)は、条件の悪い先生の指導がしっくりきます。 条件の悪い先生の言うことは、わかりやすい、納得できる、共感できるからです。 両者の体が近いからです。 だから下手な人は下手な先生を自然に選んでしまいます。 だから大人には、床が踏めない先生、ターンアウトしない先生が人気が出がちです。 「生まれつき条件の良い人しかしなりで踏めないなら、私は今までどおり引き上げをやっていよう、今までどおりまっすぐ床を踏んでよう」 あなたはそう思うかもしれません。 ですが、しなりで踏むことで体の条件はバレエ向きに変わっていきます。 体をゆるめながら強くしていけるからです。 外側の筋肉の力を使う割合は①>②>③>④です。 数字が大きいほど外側の筋肉を使わないので、関節の可動域を広げやすいのです。 数字が大きいほど、内側や中心の力が強くなり、無駄な力を使わずに自由に踊ることができます。 体の負担もありません。 数字が小さいほど外側の筋肉が強くなり固い踊りになります。 引き上げをすると股関節が後ろに行きやすいのでお尻や脚の外側を使ってしまいがちです。 外側の筋肉を使う割合が高いので、筋トレをすると踊りやすくなりますが、条件はどんどん悪くなっていきます。 体の負担が大きく怪我をしやすいです。 ①②③はバレエに向いてない条件の人の方法ですが、逆を言えばこれらをやっているかぎり、いつまでたってもバレエに向いてない条件のままなのです。 だからいつまでたってもバレエは

  • 重要記事。バレエの体の使い方、全4種類解説、その2。バレエはX脚から生まれた。

    今回は床を踏んで踊るタイプ2種類の説明です。 ③まっすぐ垂直に床を踏むタイプ。 このタイプは、床を垂直に押し、土踏まずを持ち上げ、器用に床をつかみます。 そして床に対し、おなかやお尻で押し返し、体の土台を安定させることにより踊りやすくする、ということをしています。 前回書いた②内ももを使うためにおなかを引き上げるタイプと、今回説明する③まっすぐ垂直に床を踏むタイプは、やっていること自体は大差ありません。 先に引き上げて上から作るか。 先に踏んで下から作るか。 その順番が違うだけで、ほとんど同じです。 ②が「引き上げると踏める人」、③が「踏むと引き上がる人」です。 よく、ある先生が「上」また別のある先生が「下」と言った時、言葉は違うけどほとんど同じことを言っている、という解釈があります。 これは②と③に関しては当てはまります。 ただし、②と④、③と④には当てはまりません。別のことを言ってます。 ②も③も、脚からみぞおちまでが「まっすぐの体の土台」になります。 まっすぐ上下の直線バランスです。 その「まっすぐ」からバランスをはみ出せば当然バランスを崩します。 大きく表現するために体幹トレーニングをすると固い動きになります。 だから動きが強く直線的で、音楽を感じさせない踊りになりがちです。 以上の理由から引き上げやまっすぐ踏む方法で「しっかり踊る」ことは出来ても、しなやかに踊ることは不可能です。 このタイプは自分の強い意志で体をコントロールしやすくなるので、失敗しにくい踊りになります。 ④しなりを転がして床を踏むタイプ。 クラシックバレエは本来この踏み方をします。 もっともバレエが踊りやすい踏み方になります。 何故なら「床を踏む」という一つの動作だけで、5番に入る、脚が上がる、という正反対の動きが出来るからです。 この踏み方ですしているのはマラーホフ、ニーナ・アナニアシヴィリ、ウリヤーナ・ロパートキナ、シルヴィ・ギエム、アレッサンドラ・フェリ、スヴェトラーナ・ザハロワ、ディアナ・ヴィシニョーワ、ナタリア・オシポワ、ポリーナ・セミオノワ、ヤンタンタン、イザベル・シアラヴォラなど。 彼女達はまっすぐではなく曲面で床を踏んでます。 私がビートで教えている踏み方です。 この踏み方をすると曲線的な踊りになります。 X脚の「X」を流して使うことで切れ目の無い円や球になるからです。 これが表現、質感、音楽性の違いとしてあらわれます。

  • 重要記事。バレエの体の使い方、全4種類解説、その1。内ももで両脚を寄せて5番に入れてはいけない。

    前回までは踏めない人と踏める人の体の違いについて説明してきました。 今回は、踏めない人と踏める人が、どのような体の使い方をしてバレエを踊っているか、4種類にわけてお話したいと思います。 これを読めば、バレエ指導者やバレエダンサーそれぞれが「正しい」と主張していることが何故違うのか?その理由がわかります。 この記事を読めば、皆さんの教室のバレエ指導者、あるいはネット上で見かけたバレエ指導者やバレエダンサーがどんなバレエを教えているか、はっきりとわかるようになります。 そのバレエを習うと最終的にどうなるか?そのバレエの長所短所、努力しても上手くならない理由なども丸わかりです。 子供であれ大人であれ、教室選びの参考になる記事です。 そういう意味では、この記事の内容が広く一般に知られてしまうのはバレエ指導者にとって恐ろしいことではあると思いますが、とても大事な話なので書いてみます。 本当はバレエを始める前に全部知っておいたほうが良いことです。 まず、これはメソッドの話ではありません。 ある一つのメソッドをやる人が100人いた場合、その100人は4種類の体の使い方に分かれていく、という話です。 同じメソッドを習っても4者4様の体の使い方にならざるをえないのです。 バレエダンサーは大きくわけると「引き上げて踊るタイプ」と「床を踏んで踊るタイプ」の2つにわかれます。 引き上げて踊るタイプも、①おなか単体で引き上げるタイプ、②体の中心から床を踏むためにおなかを引き上げるタイプにわかれます。 床を踏んで踊るタイプも、③まっすぐ垂直に踏むタイプ、④しなりを転がして踏むタイプにわかれます。 簡単にそれぞれの説明していきます。 ①おなか単体で引き上げるタイプ。 このタイプは、おなかを閉め、固くすることによりブレを少なくして、脚に体重をかけず脚の負担を軽くして踊ります。 これは比較的、日本人男性バレエダンサーや大人からバレエを始めた方に多いと思います。 この引き上げをする人の中には回転などのテクニックが得意な人もいて、コンクールで上位になることもあります。 生卵とゆで卵を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思いますが、ゆで卵のほうがクルクル回しやすいですよね。 ②体の中心から床を踏むためにおなかを引き上げるタイプ。 このタイプは、おなかを引き上げることにより股関節、内ももを使いやすくして踊ります。 まず引き上げて、上を作って下に刺します。

  • バレエや音楽での日本と西洋の違い

    今まで書いてきたように、日本人は胴短長足(どうたんながあし?)の体から生まれる円錐でバランスを取ります。 正確に言えば日本人はバランスを取っているのではなく、止まっています。 揺れが無いから、リズム感も無い。 西洋のダンスや音楽の立体的な揺れ幅に、体の振れ幅が合いません。 「バレエの体」とは逆さ円錐バランス=胴長短足の体です。 一つ一つの筋肉や関節を部分的に考え分析しても、人間の姿勢の全体像を理解することは出来ません。 表面的なこと、例えば甲が出てX脚で股関節が外旋しても、逆さ円錐バランスの体でないなら「バレエの体」とは言えません。 逆に条件は悪くても、あるいは大人からバレエを始めても、逆さ円錐バランスで動けるなら、その人は本物のバレエをやっていると言えます。 バレエを習っている人の多くが「バレエのルール」をすべて守って踊れるようになれば「バレエが踊れる人」になれる、と考えているようです。 しかし、「バレエの体」を持っていない人が「バレエのルール」をすべて守って踊ろうとすると、「体」と「バレエのルール」の差ばかりが目立ってしまいます。 見ている側は不自然さや違和感だけを感じます。 それだったらむしろ自分の「体のバレエ度合い」に見合った程度にバレエのルールを守ったほうが表現としてはまだ自然に見えます。 特に出はけの時の歩き方、走り方の違和感は目立ちます。 歩き方、走り方は日常生活の延長で、明確にどの軌道を通ってどう動くというような型も無いためです。 今までバレエ界に無かった概念、それでいて最も大切な新しい概念。 それが、支点の低い胴長短足の体から生まれる逆さ円錐バランスです。 それは、しなりを転がして回転で床を踏む、ロールスルーからのみ生まれます。 この体の使い方でバレエをしている人は日本人ではほとんどいません。 比較的ロシア人に多いです。 また理論的に説明している人も私が知るかぎりまだ日本のバレエ指導者にはいません。 (もし、いたら教えてください) ですからブログを読んでも理解できないのは普通です。 逆さ円錐バランスの人がまっすぐ立って踊るのがバレエです。 バレエは常に一番高い位置に立って踊ります。 また、バレエのトレーニンググッズにバランスパッド、バランスマット、バランスブロックなどと呼ばれる、柔らかいスポンジのような物があります。 これらのグッズではバレエに必要な逆さ円錐バランスの体は作れません。 だからバレ

  • 西洋は下へ下へ。バレエ界の事実と真実。

    前回、グランバットマンのコツは重くて短い脚を上げる。と書いたのでおかしな人だと思った方も多いでしょう。 バレリーナが脚を上げると長く見えるのも、軽く上げてるように見えるのも事実です。 でも実際は脚を短く使ったから長く見え、重い脚を上げるから軽く見えるのです。 これが真実です。 (事実は目に見えて正しいから、真実をいくらうったえても事実を言う人には負けるのです) 目の前の事実にとらわれると解決策が見つけられなくなります。 「脚は長く軽い」という事実を直視すればするほど真実は見えなくなります。 「脚は長く軽い」という事実を直視すればするほど「脚は長く軽い」という事実しか見えなくなってしまいます。 古いバレエの既成概念を捨て、新しい視点で見直せばそこに「バレエの真実」があります。 これと似たような話の代表的なものに「西洋(バレエ)の人達の重心は上へ上へ」というのがあります。 上へ上へ伸びてるように見えるのは事実です。 ですが以前紹介したコマの動きからもわかるように、正しくは「日本人は重心=支点が高いから下へ、西洋の人達は重心=支点が低いから上へ」が真実です。 「下に落ちるから上に上がる」のが西洋です。 ここを勘違いするとバレエとか西洋のもの全般がまったくわからなくなります。 何十年やっても正解にたどり着きません。 上へ上へと頑張って「上に上げた結果、下に踏める体」は西洋とは似て非なるものです。 「上に上げる」を先にやると、どうしても固くなります。 その「本物そっくりの似たもの」が「本物」だとは思い込まないでください。 これはとても重要なことです。 一生バレエっぽい、から抜け出せません。 土踏まずの使い方も同じです。 踏めてる人には「土踏まずが上がる感覚がある」のは事実です。 これは意識的に頑張って土踏まずを上げて床をつかむわけではありません。 これをやると足裏から足首あたりが固くなって怪我をしやすくなり、踊りも固くなってしまいます。 真実は、脚が重力に引っ張られて土踏まずが下がる(潰れる)から、土踏まずが上がる感覚があるのです。 踏めてる人は土踏まずが上がる感覚がありますが、土踏まずを上げたからといって踏める人にはなれません。 足裏は強化するものではなく、勝手に強化されるものなのです。 床は踏むものではなく、重力に踏まされるものです。 音楽と踊りの関係で言えば「バレエダンサーの踊りは音に合っている」のは事実です。 だか

  • グランバットマンのコツは胴長短足の体

    前回の続きです。 まず、踏めない人と踏めてる人の体を理解しやすくするため両者を服で例えてみます。 踏めない人は「胴が短く脚が長い」「みぞおちが腰」ですから、韓国の民族衣装のチマチョゴリみたいな体です。 日本の着物も帯の位置は高いです。 おそらくアジア人女性は、みぞおちあたりを「腰」「ウエスト」と感じていたのでしょう。 それでも日本人よりは韓国人のほうが踏めています。 日韓のアイドルを見てもそう感じます。 「みぞおちが腰」状態がわかりやすいのが、下手な人のパッセやグランバットマンです。 みぞおちからグニャっと曲がりますよね。あれです。 悪い意味で長い脚を上げようとすると上半身の姿勢が大きく崩れます。 全身に占める脚の割合が大き過ぎるからです。 客観的に脚は短く重く見えます。 踏めてる人は「胴が長く脚が短い」「膝と足首の中間に腰」ですから昔MCハマーが履いていたサルエルパンツのような体です。 実は短い脚を上げようとすると、客観的に脚は長く見えるのです。 (ここで説明する短い脚とは、股関節をつめて上げる間違った脚の上げ方ではありません) それでは胴長短足のイメージを使ったグランバットマンのコツです。 まず足首と膝の中間にある支点が、しなった(反り返った)イメージにします。 スネがX脚方向に反っているイメージです。 その支点でターンアウトします。 脚は重力で下に引っ張られ重くなります。 足首や土踏まずが重くなります。 足首に重りをつけたような感覚です。 重くなるから足裏がピタッと床に吸い付いた感覚になります。 (こういうことは私のレッスンを受ければ体感できます) 股関節も支点までストーンと下げます。 股下をどんどん短くしていきます。 股関節で床を踏む、股関節が踵のイメージです。 そしてサルエルパンツの体の短い脚を、低く低く下から上げる。 脚は床の下まで深く生えてる(伸びてる)感覚です。 お腹のすぐ下に床があるような感覚です。 それでいて、お腹から膝までの距離は長い感覚もあります。 そして軸から脚を飛ばします。 足首から土踏まずにかけてが重いので、放り投げることが出来ます。 放り投げるので軽く振り上げることが出来ます。 脚が振り子になります。 このような方法でグランバットマンした時、客観的に脚は長く見えます。 脚を短く使えた時、自分自身の感覚としては脚は長く感じます。 踏めてる人は、脚が短いから長く感じ、重いから軽く感じま

  • バレエは全身運動ではない

    前回の続きです。 踏めない人はみぞおちに支点がある。 軸は支点から下に振れる。 踏める人は膝下に支点がある。 軸は上に振れる。 ここまで説明しました。 人間は支点から下でバランスを取り、支点より上の姿勢をコントロールしています。 ですから踏めない人はみぞおちから下すべての関節を使ってバランスを取ります。 たくさんの関節を折り曲げてバランスを取る体です。 全身の8割をバランスを取るために使います。 悪い意味で全身運動のバレエです。 全身バランス運動です。 そして体の残り2割、みぞおちから上だけで表現します。 表現の幅が限られるので思いきり表現をしようとすると、わざとらしくなりがちです。 上半身は狭い空間で小さくしか動かせません。 平面的で不自由。 固い踊り。 誰が踊っても差がでにくい。 逆に言えばコールドは合わせやすい。 感情を込めて踊っても役者のように芝居をしてみても、動き(身体)に感情がのるのではなく、感情に身体をのせようとするので表現が不自然になるのです。 ここで皆さんに知ってほしいのが「バランスを取る」ために使う体の部分と「表現」に使える体の部分の比率です。 支点の位置がその境い目(さかいめ)になります。 「バランスを取る」部分が増えれば「表現」できる部分が減り、「バランスを取る」部分が減れば「表現」できる部分が増える関係性です。 踏めない人は「バランスを取る:表現」の割合が「8:2」です。 そして境い目の位置は、上半身と下半身の境い目と考えることができます。 つまり、支点=ウエスト=腰=体幹になります。 踏めない人はみぞおちから上が短い上半身、みぞおちから下が長い下半身です。 実際の骨格とは関係なく、体の中がそう動いています。 踏めてる人は「バランスを取る:表現」の割合が逆に「2:8」になります。 踏めてる人の支点は膝と足首の中間あたりにあります。 その支点より上にある関節はバランスを取るために使いません。 全身の2割だけで簡単にバランスを取り、残り8割で表現します。 全身の8割はバランスを取ることに関係無いのです。 だからといってもちろん体がまっすぐの固い棒になるわけではありません。 バランスを取るための全身の関節が、支点1箇所に集約されたような体です。 バレエダンサーの体に関節は1つしかないのです。 このように本来のバレエは全身運動ではありません。 凄く働いている部分があるぶん、実は休んでいる部分も多

  • 重心の低いコマは回りやすい

    前回の続きです。 体の支点には力が加わるので重みを感じます。 ですから今回の記事では、支点=重心と考えてください。 もしくは空間固定点とか中心とか呼んでもいいです。 では今日の本題です。 スピードの遅くなったコマの軸が円を描き振れる運動のことを歳差(さいさ)運動と呼びます。 その歳差運動はコマの重心(胴体)の高さによって変わってきます。 まずは重心の高いコマ。

  • バレエ物理学

    踏める人と踏めない人の体は何が違うの? なぜ大人からバレエを始めても踊れないの? 日本人と西洋人の踊りは何が違うの? なぜ日本人バレエダンサーの踊りは固いの? なぜ日本人は体幹が弱く脚が太いの? バレエに向いた体ってどんな体? そういった疑問を5回シリーズで物理的に解明していきます。 今までもブログで 「踏める人には踏む支点があり、その位置が低い。踏めない人は支点が高い」と説明してきました。 ではなぜその支点の高さに違いがでるのか? その理由がわかったので説明します。 テコには力点、支点、作用点があります。 これに立位の人間の体に当てはめてみましょう。 力点が下半身、作用点が上半身になります。 そのテコは左右対角にクロスしていて、このクロスしているところが支点です。 左右対角にクロスしているので身体に捻りが生まれ螺旋が生まれます。 これがエポールマンです。 クロスしてない2本の軸を持つ人もいますがエポールマン自体が生まれないのでバレエ向きの身体ではありません、だから上体スクエアを、意識しては駄目なのです。それについてはまた別に説明します。 では本題です。 まず踏めてない人はどんなテコで体を動かしているか? 下半身(股関節)の機能が悪い、重心移動がスムーズではない。 だから体を動かすのに強い力が必要です。 強い力を出すと疲れます。ストレスです。 人間は本能的に疲れたくないので、無意識に体を疲れない方向に変えていきます。 弱い力で楽に動かすために、体の中のテコの力点と支点の距離を長くします。 支点の高さを、みぞおちのあたりまで高くします。 これは老化した体であり、この方向に人間の体が変化していくのは自然なことです。 無理して頑張って生きてきた人ほど踏めない体になりがちです。

  • ピン接合のバレリーナは絶滅危惧種

    バレエダンサーも、努力の方向性として鋼(固定)を強くしていくとピン(回転)の機能は弱くなり、体は劣化していきます。 だから剛接合の意識が強いダンサーはどんなに優秀でもダンサー寿命が短いのです。 また、鋼で動くと手足が短く見えます。 8頭身の人も7頭身に見えてしまいます。 そして踊りがしっかりしすぎて【儚さ】や【哀愁】のようなものがなくなります。 バレエの正解の型に近づいたはずなのに「何かが違う」ということになります。 (何かが違う、と感じない感性の人もいます。これが一番の問題です) そしてもう1つ...鋼接合のバレエダンサーはおそらく振付ができません。 固定は止まることですが、音楽は揺れるものだからです。 すごく優秀なのに音楽を聴いても「何も感じない、何も思いつかない」というダンサーが実際にいます。 そうなると、どんな曲を聴いても自分のお決まりの「持ちネタ」を組み合わせただけの振付になってしまいます。 面白くないです。 だから、子供も大人もプロのバレエダンサーも、すべての人がピンの機能を良くしていかないと、本来のバレエの面白さは絶滅します。 ピンの機能を後天的に改善することはビートのレッスンなら可能です。 これはバレエを踊る上でだけでなく、西洋の芸術やスポーツをやる人達全てにおいて、ピンの機能を身体に持つことは最低条件なのです。 私のレッスンは完全にピン接合に特化している「ピンバレエ」のレッスンなので、固定バランスに慣れている人にとってはバランスが取りにくくなる時期や、体が重くなる時期を経て身体が勝手に上手くなっていきます。

  • バレエダンサーが無意識に出来ていること

    前回まで、2種類の床の踏み方が真逆であることを、鋼接合とピン接合で説明しました。 矛盾するように感じるかもしれませんが、実は床をつかむ鋼接合のバレエダンサーも、それなりに高いレベルで踊れている人であれば、ある程度はピン接合の体を持っています。 例えば土踏まずで床をつかんで固定していても、股関節の回転は良いとか。 だからそういう人は半鋼接合です。 固定と回転の中間、回転に対し抵抗するけど回転はする状態です。 無意識にある程度は回転するピンの体を、意識的に固定して鋼で使っています。 そして教える時に、無意識に出来ていることは教えず(教えられず)、意識的にやっていることだけを教えます。 無意識に出来ていることは当たり前すぎて教えられないのです。 この「バレエダンサーが無意識に出来ていること」が私が今までブログ等で言ってきた「パッシブムーブメント、受動」です。 その反対の「意識的にやっていること」が「能動」です。 一般にバレエ教室での教えは鋼です。 バレエダンサーが「意識的にやっていること」を教えています。 「みぞおち絞めて」 「スクエアを保って」 「足裏で床を掴んで」等々。 そういう鋼の指導でバレエが踊れるようになる生徒は、生まれつきピンの機能を持っている極一部の子供だけです。 ピンの機能を持ってない大半の子供と大人が鋼接合のバレエを教わると「固定された体を固定して使う」ことになります。 ものすごく体幹に負担がかかり、固い踊りになります。 条件も改善されないし、体の感覚も鈍くなるし、音楽も身体で感じることが出来なくなります。 よくビートへの体験レッスンの問い合わせで「大人から趣味でバレエを始めた者ですが私でもレッスン受けることは可能でしょうか?」という質問される方がいらっしゃいます。 当然可能ですし、むしろ大人が引き上げバレエや鋼接合バレエを習って本当の意味で踊れるようになる可能性はほとんど無いです。 続く。

  • 鋼の踏み方、ピンの踏み方

    ピン接合とは、節点が自由に回転するように接合する方法です。 固定されていないので、曲げる力を伝えません。 トラス構造やブレース構造に使われます。 重要なポイントは地震などの外力に対し ・鋼接合は柱に曲げる力が発生する=体幹が曲がりやすい。 ・ピン接合は柱に曲げる力が発生しない=体幹が曲がらない。ということです。 しなりを転がす踏み方は、床と足裏がピン接合です。 このタイプは構造的に強いです。 その強さは筋力ではなく機能から由来するので、全身の機能を整えて完璧な状態にすることが重要です。 以前、甲出しには足首、股関節、肩関節の回転が大切だ。とブログに書きましたが、全身がピン接合の回転をしなければなりません。 必要なのは筋力強化トレーニングではなく、関節の回転を良くすることです。 体幹が強いので体幹トレーニングの必要はありません。 正確には体幹が強いというより、体幹に折れ曲がる力自体が加わらないのです。 しかし、全身の相互関係で動いているので1箇所でも回転の悪い関節があると、他の関節も連鎖的に機能しなくなってしまいます。 1箇所が悪くなると全体が悪くなる、1箇所が良くなると全体が良くなる。 そういう体なので感覚は鋭くなります。 だから自分の体に良い影響を与えるレッスン、ストレッチ、筋トレ、ケアが明確にわかるので、加速度的に体をバレエ向きの方向に変えていけます。 どんな資格を取るより、どんな勉強をするより体に対する理解が深まります。 また不具合のある部分にすぐ気づきますから怪我はしにくいと思います。 不具合があるまま、無理して踊ることが出来ないからです。 このタイプの指導者であれば、生徒の動きに違和感があれば「○○関節の動きが悪いから△△に負担がかかって☓☓筋を使い過ぎている」というようなことがわかるので、全身の相互関係から改善していくことが出来ます。 また、ピンの体で生徒の体にさわると、生徒の体の回転の悪い部分(エネルギーの途切れている部分)がわかります。 相互関係で動く時に邪魔になるのが「バレエの型に近づけよう、綺麗に踊ろう」という意志の力です。 回転する力=体重移動の転がりに対して無抵抗でなければピン接合にならないからです。 だからビートは受動バレエ、パッシブムーブメントなのです。

  • 固定する踏み方、回転する踏み方

    今までブログ等で以下のような説明をしてきました。 バレエの床の踏み方には2種類ある。 2種類の方法とは「足裏で床をつかみ垂直に踏む踏み方」と「しなりを転がす踏み方」。 そして、足裏で床をつかみ垂直に踏むと、体幹が弱くなり、踊りは固くなる。 しなりを転がすと体幹は強くなり、踊りはしなやかになる。 このことを理解するのに、建物の構造力学が参考になります。 それが鋼接合と、ピン接合です。 剛接合とは、「部材同士を一体化する接合方法」です。 例えば、床と柱を「がっちり固定」するような方法です。 足裏で床をつかみ垂直に踏むバレエダンサーは鋼接合です。 鋼接合の特徴に、地震のような外力が加わると柱には曲げる力が発生する。というものがあります。 地震の横揺れで倒れる電柱をイメージしてください。 バレエで言えば、踊っている時に体幹が折れ曲がりやすい。ということです。 足裏を床に固定しているので当たり前です。 鋼接合のバレエダンサーは、足裏でしっかり床をつかみ安定させるために、足裏強化のトレーニングに励む傾向があります。 足と床を一体化して動かなくすることでバランス(静的バランス)をとる、まさに鋼接合です。 踏むと言うより、踏ん張るのほうがイメージに合います。 土踏まずでつかむ力が強くなり床に足を固定できるようになるほど、体幹は折れ曲がりやすくなります。 ですからこのタイプのバレエダンサーには体幹トレーニングが必須なのです。 揺れに対して体全体で耐えるためです。 ですが、いくら強化しても構造的には弱い体幹のまま無理やり部分的に固めてホールドしつつ踊るので、自然にしなやかに踊ることは理論上は不可能です。 鋼接合で建てたラーメン構造(ラーメンはドイツ語で枠の意、英語ではフレーム構造)の建物の特徴に「一部が壊れても崩れず、多くの部分が壊れて崩壊する」というものがあります。 鋼接合のバレエダンサーも、全身の関係性で踊っているわけではないので1箇所を痛めても踊れてしまうため「痛いけどまだ踊れる」と思っているうちにどんどん体を痛めていくかもしれません。 良く言えば、怪我しても「無理して踊れる人」です。 次回はバレエ本来の床の踏み方、ピン接合について書きます。

  • 体幹トレーニングのデメリット

    皆さんは筋交いを知ってますか? 名前は知らなくても見たことはあると思います。 ・筋交い(すじかい)とは、柱と柱の間に斜めに入れて建物を補強する部材。 ・柱と柱で形づくる長方形は、地震などで変形してしまう。 ・そこで、対角線状に筋交いを加えて三角形を作り、変形を防止している。 ・クロスに2本組む場合と、斜めに1本の場合がある。 ・筋交いは、壁の中に隠れるように取り付けられるが、大型駐車場などでは露出した筋交いが見えていることも多い。 これが筋交いです。 バレエをやっていて体幹が弱い人は、体の中に筋交い=対角線が無いのです。 そういう人に必要なのは対角線を作ること、対角線のストレッチ、対角線を強くするトレーニングです。 対角線の無い人の体に対角線を作ると、劇的に脚が上げやすくなります。 プランク等の体幹トレーニングは必要ありません。 体幹トレーニングは中心を太く短く固くしてしまいます。 これはバレエの軸ではありません。 バレエの軸は、対角線の交差点(中心点)が上下に繋がったものです。 対角線で作られる軸は、細く長く強いものです。 それが出来上がれば、体を倒してオフバランスになることも出来ます。 オフバランスは軸から外れているわけではありません。 軸は無くなりません。 対角線があれば、どんな体勢でも交差点があり中心があり、軸があります。 軸は姿勢をまっすぐ一直線にしている時にしか存在しないものではないのです。 また、体幹トレーニングで面を強くしたところで、体幹で姿勢を維持することになるので、上半身が平面的で固い踊りになります。 そうすると肝心な対角線で作られる軸は弱くなります。 面は強くなっても芯が弱くなるのです。 体幹トレーニングをすると体幹が弱くなるのです。 対角線のある体からは螺旋が生まれ立体的な踊りになり、それが身体表現として表れます。 ダンサーとして表現するならば感情表現より身体表現が重要になってきます。 たとえ感情表現が豊かでも身体表現が伴わなければ嘘臭い演技にしか見えません。

  • 甲出しをするために必要なこと

    甲出しをするために必要なこと。 それが股関節のロールスルーです。 その股関節がロールスルーをするために必要なこと。 それが肩関節のロールスルーです。 足首、股関節、肩関節の3つが歯車のように逆の回転をします。 スムーズな逆の回転をします。 その結果として、甲が出ます。 この回転が無いまま、甲だけを出しても単なる「足首の柔らかい人」です。 「甲出しの先の世界」が見えてないと、ナチュラルな甲出しは教えられません。 また、歯車が回らないようにして力でバランスを取ってしまうと動きは固くなり、怪我をしやすくなります。 甲も出ないし、股関節も引けるし、上半身が汚なくなってしまいます。 だから、私は生徒の体を下から作っていくのですが、上から修正していきます。

  • バレエの甲出しとは何か?

    「甲出し」とは何か? そもそも甲が出て見える人の「甲」とはどこでしょうか? それは距骨(きょこつ)です。 甲出しは形ではありません「機能」です。 甲出しはロールスルーそのものです。 ですから甲出しというより「甲の転がり」です。 足の裏から甲までに境目が無い、ひとつながりの感覚。 足裏が転がって甲、甲が転がって足裏。 甲が入るから出る、両方向の波。 甲が出た形で止まっているわけではなく転がり続ける。 これが機能による甲出しです。 意外かもしれませんが実は、足の甲がそれほど出てなくても、しなりを転がしてロールスルーすれば甲が出て見えます。 ストレッチでの柔軟性は固くとも、正しく踏めればしなやかに踊れるのと同じです。 Instagramでよく、長座でつま先を床につけて「beforeとafterでこんなに変わりました!甲が出ました!」というような投稿を見かけますが、転がりが無ければ意味がありません。

  • コーギーの断尾から考えるバレエの規格

    前回の続き。 バレエの規格に対する2つの考え方。 1,まず体を規格に当てはめていき、その規格に近い動きが自分なりに出来そうな体の使い方を探す。 2,体の使い方を変えていくうちに自然と規格に近付いていく。 多くの人達は前者を選びます。 5番にきっちり入れれば、ターンアウトすれば、つま先を伸ばせば、それでバレエになるんだ。という考え。 ビートではそれとは逆で、体を人間本来の自然な状態に変えていけば、勝手にバレエの規格に近付いていく。と考えています。 ちょうど昔のイタリアでバレエが産まれた時のように。 約400年前のバレエ誕生の瞬間を考えてください。 その時に型はありません。 例えばエポールマンなら。 曲線で踏むことにより脚が外旋し、外旋することにより螺旋が生まれ、体に対角線ができることで受動的に体の内側からエポールマンが産まれたのです。 これが本来のバレエです。 だからバレエはパッシブムーブメントなのです。 バレエの動きは、もともと人間の体の中に眠っていて、ある条件が整った時にバレエは表(おもて)に現れるのです。 その後で、テクニックを伸ばしていけば良いのです。 決して規格が先ではありません。 型を覚えただけでは単なるモノマネです。 現代のバレエは進化したように見えるかもしれません。 でもそれが単なる規格なら、400年前のバレエ誕生の瞬間と比べて本質は何も進化していません。 モノマネが高度になっただけです。 規格が先だと「バレエっぽい」から抜け出すことがなかなか出来ません。 何故なら、規格に近付けるための体の使い方というのは間違いである場合が多いのです。 バレエを自分の体のレベルまで下げてはいけません。 自分の体をバレエのレベルまで上げましょう。 自然と5番に入っちゃうし、ターンアウトしちゃうし、つま先が伸びちゃう体を作れば良いのです。 体が勝手にバレエを踊ります。 だから一人一人が違う型になります。 定規や分度器できっちり計ったようにはなりません。

  • 尻尾を切らなければコーギーではないのか?

    先日、ネットで「なぜコーギーもトイプードルもしっぽを切る?」という記事を見ました。 「日本では、しっぽを切られたコーギーやトイプードルがスタンダード。 しかし本来はふさふさのしっぽを持っており、すでに西欧ではしっぽを切る行為(断尾)はほとんど行われていない。元々猟犬や牧羊犬として働いていた歴史から、牛や羊に踏まれたりしないために断尾や断耳(ドッキング)の習慣が根付いたが、現在ではそのメリットや必要性はない」 それにもかかわらず、なぜ日本では今でも変わらず行われているのでしょうか? 良くも悪くもそれが日本人らしさなのでしょうか? しっぽは獣医師が生後1週間以内に無麻酔で切断、もしくはブリーダーがしっぽを輪ゴムで縛り壊死させる。 耳は成長してから獣医師がカットして整形するそうです。 そうやってコーギー、トイプードル、ヨークシャーテリア、ドーベルマン、ボクサーといった犬が断尾や断耳されていると知り、ショックを受けました。 こんな酷いことをやる理由が、西洋で確立された「この犬種はこういうものである」という犬種標準に従うため。というのが実に馬鹿馬鹿しいと思います。 動物の形を規格に合わせるなんて…。 まるで工場で大量生産している商品のようです。 犬の魅力はそこじゃないでしょう? コーギーではない犬が、しっぽを切ることでコーギーになるのでしょうか? 一方、バレエにも規格、型のようなものがあると考えられています。 その規格をどうとらえるか? これは2つの考え方があります。 続く。

  • ゴルフ、傾斜に対応できる立ち方とは?

    ※この記事はゴルファーを対象に書いていますが、他のスポーツ、ダンス、音楽家その他の人にも極めて重要な内容です。 ゴルフの練習グッズに傾斜マットというものがあります。 ゴルフの練習場の床は水平ですが、ゴルフコースの地面は傾斜があるから「その傾斜を再現して練習すれば上手くボールを打てるようになるはず」という発想から作られた練習グッズのようです。 この傾斜マットの上に立ってゴルフの練習することは効果があるでしょうか? 私の考えでは、使い方次第で効果があったり無かったりします。 その理由について書いていきます。 人間の立ち方は、ビートで教えている床を踏んだ立ち方が理想です。 常にアーチが揺れるような重心移動で動的バランスを取っているので、固定された重心の片寄りがありません。 実際に欧米のバレエの劇場の舞台は傾斜があります。 その上で、つま先立ちしたり、回ったり、ジャンプしたりできるのも床が踏めているからです。 しかし、日本人の大半は重心が片寄った立ち方をしています。 重心の片寄る方向は2つに分けられます。 ・つま先に片寄っている人 ・踵に片寄っている人 (小指側、親指側にも片寄りますが、今回は省略します) つま先に片寄っている人は、水平な床に立っていても、下り坂で立っているような角度で足首が(無意識に)固定されています。 このタイプの人は下り坂で上手くボールを打てません。 元々、つま先下がりの角度に固定された足首なのに、実際の地面の傾斜で更に急角度のつま先下がりにされてしまいます。 重心の片寄りが増幅され、姿勢が普段以上に悪くなり打ちにくくなります。 おそらく傾斜マットを利用している人は、苦手を克服しようとして苦手な傾斜で練習することが多いと思います。 しかし、それをやると変な癖がついたり、怪我をする可能性があります。 逆に上り坂だと、普段つま先方向に片寄っている重心が持ち上げられて矯正されます。(なかなか矯正されない人もいます) 背筋が上に伸び、無駄な力が抜けて、関節の可動域も広がります。 普段より正しい姿勢になり、打ちやすくなります。 傾斜マットを使うなら、このように自分の姿勢が矯正される傾斜で練習したほうが良いです。 才能ある子供やセンスのある若い人なら、矯正される傾斜でひたすら練習しているうちに正しい立ち方がわかる人もいるかもしれません。 もし、そうなれば苦手な傾斜は無くなります。 このように重心が、つま先や踵に

  • バレエの手の形

    先日、ピアニストの方へのパーソナルレッスンで面白いことがありました。 ピアノを弾きやすい体に変えていくトレーニングをいろいろとやりました。 相手の体を見て、さわって気になる部位を改善していきます。 その日は、仙腸関節の動きを良くして、首が正しい位置になるように調整して、重心移動ができるようにして、肩や背中が正しく使えるようにして…。 そういったことをやっているうちに、いつのまにかその方が無意識に「バレエの手の形」をしていたんです。 その方は男性ピアニストでバレエ経験はありませんし、私がバレエの手の形を作るように指導したわけでもありません。 その方の手が、勝手に「バレエの手の形」になっていったのです。 これがバレエの発生です。 人間の体には元々バレエの動きが内蔵されていて、それが一定の条件を満たした時にあらわれると私は考えています。 だからバレエは自然な踊りなのです。 体にとって不自然で無理な動きを意識的にしているわけではありません。 大昔にイタリアでバレエが誕生した時も自然発生的に、あの手の形になっていったはずです。 自然発生的になる手の形なので、バレエ以外の分野でも見られます。 例えばメロイックサイン(コルナ)です。 ヘビーメタル、ハードロック系のミュージシャン、ファンのジェスチャーとして知られていますが、起源は古く、国によって意味も違うようです。 人間のしぐさ、ジェスチャー、癖には必ず意味があるので、そういった部分に注目することは大切です。 一般にバレエ教室で手の形を習う時は「親指と中指を近づけて、肘はこれぐらい曲げて、手のひらはこの角度で…」と、ただ単に表面的な「形」で教えられることがほとんどだと思います。 バレエを習う&教えるとは、正しい形を作り上げていくものだと思っていることでしょう。 それがバレエの基礎だと。 ですが、今まで読んできてわかるように「バレエは形ではないのです」 ピアノもバレエも形さえ似せていけば「それっぽく」はなります。 この「それっぽく」から抜け出すには、体を変えるしかありません。

  • 日本人が知らないバレエの立ち方その③形は同じだけど何かが違う

    前回、前々回と日本人が「知らない」バレエの立ち方の説明をしてきました。 何故知らないかと言うと、ほとんどの日本人が「出来ない」バレエの立ち方だからです。 バレエ指導者は、指導者自身の体で出来ることを教えています。 ですが自分の体で出来ることが必ずしも正しいわけではありません。 日本人は踏めない人が多いため、日本の大半のバレエ教室では「ボールを落とさない」ということを教えます。 それが「引き上げ」です。 落とさずに、上に引っ張り上げます。 バレエを踊るためには理想的な股関節の位置というものがありますが日本人のほとんどは、そこに股関節が無いので、引き上げることで股関節を理想的な位置に近づけます。 この引き上げは繊細で難しく、体力を使います。 問題は、引き上げ自体では5番に入らないことです。 5番に入りやすくはなっても、自然と5番に入るようにはなりません。 おなかをまっすぐ上に引っ張り上げるので上半身は「1番の上半身」のままです。 これはバレエ本来の立ち方ではありません。 動作原理が違います。 ここが、しなりで踏むバレエとの決定的な違いです。 しなりで踏めば、自然と5番の体になり、踏んだだけで5番に入ります。 これこそバレエ本来の立ち方です。 皆さん、バレエをやっていると「(海外の一流バレエダンサーと自分を比べて)形は同じだけど何かが違う」と感じることがあると思います。 「何かが違うのはわかるけど、具体的に何が違うかは、わからない」という状態です。 この違いは、立ち方が違うことが原因のケースが多いです。 立ち方が違うということは交差点の高さが違うのです。 一般的に人間は成長して年齢を重ねると、交差点の位置が上がっていきます。 膝が曲がり、つま先重心になり、踵が踏めなくなり、逆パラボラになっていきます。 その反対に体を変えていくバレリーナは人間の例外と言えます。 しなりで踏むバレリーナは、姿勢のコントロールやバランスのとり方が普通の人とはまったく違います。 最近はこういったことをまったく理解していないトレーナー、理学療法士、s&cコーチ、整体師、医療関係者などが「君たちバレリーナはおかしい、間違っている、科学的ではない」と言うようになりました。 そういった影響を受けてバレリーナは普通になりつつあります。 普通の人間用のトレーニングをするから、普通の人間になってしまうのです。 人間の例外を作る方法が、しなりを転がして床を踏

  • 日本人が知らないバレエの立ち方その②引き上げの距離が長いバレリーナは体幹でバランスをとらない

    絵に書いたように、2つのボールを落とした場合、床の角度によって跳ね返る角度が変わることに注目してください。

  • 日本人が知らないバレエの立ち方その①パラボラアンテナは中心に集まる

    1つ目がパラボラ、落とした2つのボールの交差点が低い。 2つ目がパラボラと平面の中間、落とした2つのボールの交差点がやや高い。

  • ロシアピアニズムセミナー

    先週、ロシアピアニズムのピアニストの方々を対象にしたセミナーを川口リリアでおこないました。 元々セミナーをやろうと考えていたわけではなく、Twitterのフォロワーの方が「ビートのレッスンをピアニスト達で体験して考察してみたい」ということでメンバー集めをしてピアノスタジオを予約してくださり、まさに受動的にセミナーを行いました。 参加メンバーは5名でピアノ指導者とロシアピアニズムを習っている方。 あえてセミナーで何をやるか段取りを決めることはせず、その場の会話や反応の流れでやることを決めました。 当日3時間かけてやったことを簡単に説明すると、外側の筋肉をゆるめる、内側や中心を使う感覚を感じる、重心の固定を無くし足や手を転がりやすくする、踏んだ力が腰首脳天に抜ける感覚など。 普段の立ち方や歩き方とは違う感覚を体験してもらいました。 そういったことをやりつつ、合間にピアノを弾いてもらい感覚を確かめてもらいました。 ビートでは、器具を使ったりいろいろな工夫をして普段とは違う「良い感覚」を体感してもらうことを重視しています。 それは海外の天才の感覚です。 そうした感覚を体感することが、ピアノ練習の大きなヒントになります。 そして、天才の言葉が直感的に理解できるようになります。 普通の人が普通の体で直感的に正しいと理解できることをやっていても、天才にはなれません。 天才は普通の人の感覚から、はみ出しているからです。 こういった感覚は、文章で読むのではなく、実際に体感することに意味があります。 文章では、どれだけ素晴らしい言葉も読む側の解釈で歪められてしまうからです。 今回は男性ピアニストの方が2人いたので、新しい発見も沢山ありました。 例えば脚の体重のかかり方に左右差がある場合、女性であれば骨盤にすぐに影響があるのですが、男性の場合は骨盤が閉まっていて中心が逃げない。 背中が硬そうだから腱鏡も使えてないのかと思いきや、肩甲骨の周りに無駄な力みはなく、音を体の中心で受けることが出来る。 男性の身体は中心が崩れにくくてズルいですね。 羨ましいです。 ただこの日受けて下さった女性の方々は脚が皆綺麗で、脚の修正はあまり必要なく、適切な刺激を加えることが主な内容となりました。 あまり変化を感じない女性もいましたが、おそらく元々の身体の条件がかなり良い方だったので、刺激に対する変化はあまり感じなかったのだと思います。 このような方の場合

  • 螺旋(らせん)のトリック

    剣道の竹刀の握り方、柔道の胴着の掴み方、着物の振袖を持つ等、日本人は小指を縮ませて何かをするのが得意です。 小指に力を入れると、手首から肩にかけて固まるので、少ない力で楽に動けるのです。 なぜ楽に動けるかと言うと、固めれば負荷が全身に分散されるからです。 だから指は強くなりません。 弱いから固めるのか、固めるから弱いのか。 どちらが先かは、わかりません。 これは、固まることで全身が繋がってしまう体です。 悪い意味での繋がりです。 元々、力の弱い日本人ならではの特徴です。 白人は波を伝えることで繋がる体です。 こちらは良い意味での繋がり。 固めないから強くなります。 日本人は「小指側から動きましょう」「小指側が主導です」と考える人も多いです。 この日本人にとって自然な動きを、海外のダンス、楽器演奏、スポーツに当てはめてしまうと、大きく本質からズレてしまいます。 ただ、ここで間違えやすいのが、欧米人の軸で動くと「小指側が主導に見えてしまう」といったトリックがあります。 なぜ「小指から」に見えてしまうかと言うと、欧米の方の足裏と手のひらは球だからです。 そうすると球が転がる時に大きく小指側から、螺旋(らせん)状に引き込まれます。 だから小指側が強い、小指主動に見えるのです。 実際は逆で、小指側が主動ではないから、小指側から動いて見えるのです。 面白いことに、完全に間違った動きと完全に正しい動きは、表面的にはそっくりに見えることがあります。 バレエでもそうです。 「小指側からしっかり使ってターンアウトする」と指導する方が結構います。 実際は日本人の脚は、白人や黒人より大転子が外に外れているから、小指側に重心がかかりやすい。 だから意識しやすいし、使いやすい。 それで小指側を使ったターンアウトが正解だと感じてしまう。 簡単に言ってしまえば、O脚で真ん中がないから、端っこの小指を使いやすいだけです。 これは外側から内側への螺旋。 外側で内側を動かす、間違ったバレエ。 本来のバレエは、内側から外側への螺旋。 内側で外側を動かします。 そして、多くの日本人が欧米の身体能力の高い人を見て「やっぱり小指大事!小指重要!」って思ってしまう。 実際に相手が「小指は意識してない」って言っても、意識してないだけで本当は小指主動なはずだと思いこんでしまうのです。 これは自分の感覚で相手の動きを解釈してしまう悪い例です。

  • 日本人女性と白人男性の手の握り方の違い

    日本人女性の握り方

  • 東洋人と女にはピアノは弾けない

    ロシアピアニズム体型とは、やや男性的な体型です。 女性らしい太ももからお尻にかけて丸みがある、どっしりとした体型ではありません。 男性が崩れていくと女性的な体型になります。 崩れるというのは、重力を逃がすために関節を曲げて「落ちる」「沈む」「低く立つ」ということです。 この立ち方になると、股関節は左右に横に流れてしまい、体の中心が抜けて空洞になります。 中心も体幹も無い体です。 そうなると、もう体幹を固めないと動けなくなります。 ですから日本人男性はやや女性的な体型の人が多いです。 O脚+がに股みたいな脚で、骨盤は女性より締まっていても、股関節が外側に逃げてしまっている人が多い。 バレエは女の子の習い事のイメージがありますが、体を白人男性に近づけなければ踊れません。 女性は妊娠出産のため男性より骨盤が広く、中心の空洞も広いので、きちんと股関節が締まっていないと内ももを使いにくいから床が踏めない。 生理で左右どちらかの卵巣から排卵するので、痛くないほうに軸をずらすので、中心ができにくいとも言われています。 一方男性は締まった骨盤のおかげで、内ももより外ももを使いがちな人でも、取り敢えず中心は存在します。 女性が本物のロシアピアニズムで弾けるようになるためには「力を抜くと強くなる身体」にしないといけません。 力を抜いたら、ふにゃふにゃになってしまう身体では無理です。 「東洋人と女にピアノは弾けない」というホロヴィッツの言葉は間違いではありません。 特に日本人で高齢の女性ほど弾けません。 これは人種差別ではありません。 事実を正確にそのまま言っただけです。 素直な人なんだと思います。 この記事は公開しようか迷いましたが、公開してみました。 ビートでは東洋人でも女性でも、弾ける体に変える方法を持っているからです。

  • ロシアピアニズム歩きとロシアピアニズム体型

    ロシアピアニズム歩きは、受動歩行ロボットと同じ歩き方。 振り子で歩く。 重心の転がりで歩く。 脚のしなりで歩く。 膝が反っている人はこの歩き方になりやすい。 前に進むために筋肉を使わないから、下半身が細い。 ふくらはぎ、大腿四頭筋外側が特に細い。 振り子で歩ける体は、細い下半身に比べ、上半身が大きい。 だから見た目のバランスが、下半身4上半身6になる。 これがロシアピアニズム体型。 究極に踏めるバレエダンサーは下半身1上半身9になります。 踏めれば踏めるほど、転がりやすくなり、全身の揺れ幅が大きくなるからです。 対して、日本人は重心の転がりではなく、筋肉で床を蹴って前に進む。 なぜなら、膝が曲がっているから。 自分では、まっすぐに膝を伸ばしたつもりでも、わずかに膝が曲がっている人が多いのです。 足首を蹴る時に、腓腹筋を使う。 この筋肉は二関節筋だから、使うと膝が曲がりやすい。 膝が曲がると大腿四頭筋に力が入る。 常に力の入った筋肉は固まりやすく、脂肪が落ちにくい。 だから日本人はふくらはぎと大腿四頭筋が太い。 転がりが無いから、関節が折れ曲がりやすい体。 下半身の関節を曲げて重力を逃がすから、上半身は貧弱な体型になる。 (床が踏めるバレリーナなら、膝から上の関節を無意識に曲げてバランスをとることはしない) 見た目が下半身6上半身4のバランスになる。 これが日本人歩きしている日本人体型。 踏めないほど、下半身が筋肉と脂肪で大きくなる。 この体型の比率はボディビルをやっても、ダイエットして体重を減らしてもほとんど変わりません。 洋梨体型の人はボディビルをやると、洋梨体型のまま筋肉が肥大し、ダイエットしても洋梨体型のまま細くなります。 これがロシアピアニズム体型と日本人体型の違いです。

  • 自然に弾いているor自然に弾いている(ように)見せている

    タイトルのままなのですが、本物のロシアピアニズムは自然に弾いてます。 自然は神秘なので 「これはなんだ?なんだかわからない…言葉で上手く説明出来ない…」 そういうものです。 難しくて複雑なことを全て意識的に細かく制御して、自然に弾いている(ように)見せている。←これとは次元が違います。 ツイッターでこのようなコメントを頂きました。 「いきなり無意識にやってもできず、意識してから段々無意識になるように頑張ってました。最初から自然に無意識で出来る身体が欲しいです…」 これが多くのピアニストの方の本心ではないでしょうか? ひたすら練習しているうちに「いずれ自然に弾けるようになるだろう、そこにたどり着くまで頑張るんだ」と思いながら努力して、ささやかな成長に喜びを感じながらも、もどかしい時間が過ぎていく。 本物のロシアピアニズムは、初めて弾いたその日から、たとえ技術的に下手で音が未熟であっても、見る人が見れば本物だとわかるのではないでしょうか? なぜならロシアピアニズムが弾ける人間として生まれた人と、そうではない人がいるからです。 日本人で弾ける人間として生まれた人はかなり少ないと思います。 100人に1人もいないと思います。 これはピアノを弾くテクニックやフォームの問題ではありません。 ロシアに留学したとか、ロシア人先生に習ったとかでもありません。 誰か素晴らしい先生に習ったから出来る。というものではありません。 奏法以前の体の問題です。 まずロシアピアニズムが身につくだけの体を作ってから練習をしないと無理だと思います。 その体を変える方法が「床を踏む」ということです。 「ピアノは座って弾くのに何故、立ち方から?」と思うかもしれませんが、下半身が凡人で上半身は天才という人はあまりいません。 脚は全身に影響を与えます。 股関節は肩関節に、足の指は手の指に影響を与えます。 ショパンの脚はロシアピアニズムの動きだから、腕もロシアピアニズムの動きになったのです。 ロシアピアニズムという奏法が生まれた時、「よーし、今日から新しい奏法を考えよう!まず手のポジションはこうやって、指の動かし方はこうやって、手首はこう使って…」というように考えて生み出されたわけではなく、才能ある人が自然に動いてたら、そうなっただけだと思います。

  • ショパンはスマホを使ったことが無い

    上手く波が通過しないなら、どこか体に問題があると思います なぜ問題が生まれるかと言うと。 体というものは普段の生活でよく使う部分をどんどん使いやすく、使わない部分をどんどん使いにくく、というように変化していくものです。 でも、それに本人はまったく気づきません。 長い年月をかけて少しずつ変化していくので、誰しも今現在の体が普通だと思っていますが、実は体本来の機能を失っているのです。 なかでも手という部分は、スマホ、パソコン、文字を書く、お箸を使って食事をする、荷物を持つ等で常に使われているため癖がつきやすいのです。 むしろ癖がついているから日常生活を効率良くスムーズにすごせるのです。 例えば荷物を持つなら、最も力を使わずに楽な持ち方をします。 だから筋力の弱い人、つまり日本人女性は最も癖がつきやすいです。 例えば薬指は不器用な指ですが、日常生活であまり使わない指なので、どんどん使いにくくなっていくのです。 そうすると手のひらや前腕の筋肉も、使う部分と使わない部分に、はっきりと分かれしまいます。 筋肉は固い部分とよく動く部分に分かれ、関節も動かしやすい方向と動かしにくい方向に分かれます。 その結果、手首は本来持っていた機能を失います。 これはロシアピアニズムにとって大きなマイナスです。 そういう問題をクリアしていかなければ、いくら練習してもピアノは弾けません。 ロシアピアニズムは日本人が使いやすい部分を使わず、使いにくい部分を使うからです。

  • 下部雑音を鳴らさないために

    「下に落ちてしまう手を、落ちすぎないように引き上げよう」と浮かせる力(上に上げる力)を使ってしまうと腕が軽くなってしまいます。 そうなると腕を下げ過ぎず、同時に上げ過ぎず、中途半端な力加減をさぐりながら弾いているようになります。 これだと前腕の外側の伸筋ばかり発達しませんか? バレエでいうと脚を上に上げようとするほど、上に上げるための外側の筋肉が固まり、股関節がつまって可動域が狭くなるので、脚は上がりづらくなり痛めます。 ピアノも同じでは? 「下部雑音がしないように鍵盤の浅いところを狙って弾かねばならない」という「~しなければならない」意識からは、優秀なピアニストの優秀な音しか生まれません。 狙って弾いているようでは天才ではないと思います。 もしかしたら、ロシアピアニズムの天才は音を「響かせよう」なんて意識していないかもしれませんよ。 勝手に響いてしまう体を持っているのです。 例えばボディビルのトレーニングで。 背中のトレーニングの時は「背中を意識しましょう」「背中に集中しましょう」という教科書的なアドバイスが昔からあります。 「意識したら効きますよ」という考え方です。 でも実際に背中の筋肉を使えてない体の人が、いくら意識しても効果なんか無いわけです。 心を込めてトレーニングしても無駄なんです。 勝手に効いてしまう体を作れば良いのです。 ロシアピアニズムは転がりからの波、波からの転がりなので、波が通過するように弾けば鍵盤の底を押し過ぎる、弾き過ぎることは無いので、自然と下部雑音はしないのです。 意識的に気をつけるようなことではありません。 なぜなら指先が鍵盤を弾いた瞬間には、すでに指先が上がり始めているからです。 むしろ意識的に出来たらそれは超絶技巧です。 続く。

  • バレエが下手になるピアノ、ピアノが下手になるバレエ

    私も子供の頃、近所の普通のピアノ教室で少しだけ習ったことがありました。 ですが指を上げるのがストレスで、すぐ辞めてしまいました。 その時に習ったのがロシアピアニズムの教室だったらまた違ったかもしれません。 昔から私は指先が不器用です。 字も汚いです。 携帯で文字を打つのも、人より時間がかかり疲れるので好きではありません。 バレエを教えていて昔から感じていたのが、ピアノを習っている子は音感が鈍い子が多いということです。 これは音が正確にとれるという意味ではありません。 音の波を体で感じることが出来ないのです。 ロシアピアニズムの先生のブログに「日本的な奏法で指先を使うと耳が閉じる」と書いてあり、なるほどと思いました。 指先に意識がいくことで手首、肘、肩、首、胸、背中が無意識に固まります。 肩関節は股関節に影響を与えるので全身の動きまで悪くなってしまいます。 これではピアノを習うことでバレエが下手になりますね。 バレエでも足の指を縮めてしまうと上達しません。 つま先ばかり器用に使うと身体の先端が軽くなり、適切な重みを感じられなくなるので美しく動けません。 間違った足の指の使い方をすることで足首、膝、股関節が無意識に固まります。 重心の転がりが無い。 こういう体の子は、やはり肩も肘も手首も指も縮めて使ってしまいます。 そして腹筋にも力みがあります。 ストレッチをして柔軟性はあっても、動きは固いので怪我もしやすいです。 だから、バレエを習ってもピアノが下手になってしまいます。 ピアノで指先を使い、バレエでつま先を使い、末端ばかり固めて器用に使うことで体の中心が上手く使えなくなり、日本人らしさを加速させてしまいます。 体の中心とは骨盤底筋、横隔膜、腹横筋、気管支なども含みます。 これらは歌を歌う時に重要ですから、声楽をやっても下手でしょう。 きっと、のどだけで歌うはずです。 この悪循環が、床を踏むバレエとロシアピアニズムの組み合わせなら逆になると思います。(正しい指導であれば) バレエをやればピアノも上手くなり、ピアノをやればバレエも上手くなる。 相乗的に良くなると思います。 軸ができると体の中心が強くなるので、歌にも良い影響があるはずです。 そういう流れをつくることが本来の芸術教育だと思っています。

  • 奏法は選べない

    今回は奏法を変えることについて書いてみます。 体の条件で奏法が決まります。 「あなたの体の条件だと、この奏法しか無理です」と強制的に指示されてしまうのです。 日本人の体だと完全なロシアピアニズムは難しい人が多いと思います。 本物のロシアピアニズムはとてもシンプルなもので、「支え」という機能で弾いてます。 技術全体の中で、機能の割合が高いのです。 機能は条件で決まります。 技術だけなら練習でどうにかなりますが、機能に関してはどうにもならないのです。 頑張れば出来る身体操作というものではないと思います。 なぜなら無意識の反射のようなことは、意識的に操作できないからです。 人工的な、意識的な、能動的な技術の割合がとても低い天才の演奏。 それを言葉で表したのが、ロシアピアニズムだったのではないでしょうか。 真逆の日本人の体のままロシアピアニズムを単なる型としてやると、かなり大変だと思います。 ロシアピアニズムの座り方、姿勢、手のポジション、鍵盤のタッチ、支え、そういった肉体で意識しなければいけないことが多過ぎる。 さらにピアノという道具を使って、出す音も意識しなければいけない。 ロシアピアニズムは複雑だ。と感じるなら、それはロシアピアニズムのモノマネかもしれません。 条件が悪ければ悪いほど、選べる奏法は少ないです。 選択肢がありません。 そして、その奏法だと表現できる幅が限られてしまいます。 なんだか夢も希望も無い記事になってしまいましたが、条件というものは変えられる。生まれつきのものではなく流動的だ。というのがビートの考え方です。 その方法を教えています。

  • ロシアピアニズムは何故、真逆なのか?その2

    日本の調律師の方は基音が響きやすくピアノを調律してしまう方も多いそうですね。 それはロシアピアニズムの理想とは真逆の調律だと。 実は普通の日本人の体は、基音が響きやすく調律されているピアノみたいなものです。 真逆のロシアピアニズムを学びたいと思ったら、まず体も真逆に調律してからスタートしたほうが良いです。 日本人が欧米で産まれた芸術やスポーツをやるにあたり、3つの方法があります。 1,日本人は日本人に合ったやり方をする。 これだとスポーツでは欧米人には勝てない。 芸術ならどんなに練習して上手くなっても、ちょっと違う感じになる。 2,日本人だけど、そのまま欧米人の真似をする。 これだと体に無理があるので怪我をしやすい。 3,日本人の体を欧米人に変える。 3の方法がビートで教えている「床を踏む」ということです。 ピアノもバレエも、海外に留学する前、海外の先生に習う前に海外の体に近づける必要があります。 たぶん海外の素晴らしい先生は日本人の体を理解できません。 形で注意して同じような感じに近づけてくれるだけです。 あと「ロシアピアニズムと武道や日本舞踊の動きには共通点がある」と考えている人もいるようですが、原点が違うので共通点はほぼありません。 もし共通点があるなら「日本人のやっている」ロシアピアニズムと武道や日本舞踊になら共通点があるかもしれません。 「どちらも丹田(おなか)や体幹が必要じゃないか」と思うかもしれませんが、日本人がエネルギーを集めて使う丹田と、白人の踏むことにより引き伸ばされるおなかは似て見えますが、まったく機能が違います。 バレエも海外では下から上に伸びて、日本では上から下に伸びてます。 似て見えますが、真逆のことをやっています。 海外の踏むタイプのバレリーナは、日本のおなか引き上げ中心のバレエの先生が「やっちゃ駄目」ということを沢山やっています。 床が踏めれば受動的にお腹も引き上がります。 受動的にお腹が引き上がる感覚がないまま一生懸命お腹を引き上げても、集めて押し込んで日本式で安定させているだけです。 日本人バレエダンサーは真面目で無理が利くので、海外の方と似た感じに踊れたとしても身体にかなり負担がかかるので、怪我が多くなります。

  • ロシアピアニズムは何故、真逆なのか?

    ロシアピアニズムは日本で一般的な奏法とは真逆。とよく言われているようです。 なぜ真逆なんでしょうか? それは日本人とロシア人の体が真逆だからです。 日本人は重心移動が出来ない。 ロシア人は重心移動が出来る。 これはまったく違う体です。 日本人は鍵盤を押すと沈む腕(支えが無い)。 ロシア人は鍵盤を押すと上がる腕(支えがある)をしている傾向があります。 この両者の違いによる、音の聴こえ方、感じるリズム、奏でる音はピアニストの方が想像するより、はるかに大きいのです。 なぜ大きな違いをピアニストの方が小さく感じてしまうかと言うと、ピアノはイスに座って弾くから。ピアノという楽器を使えるからです。 脚で立って体だけでやるスポーツやダンスなら、もっと明確に差を感じます。 「なぜ日本人も欧米人も同じ練習をしているのに、こんなにも違うのか?」と嫌でも感じます。 もし、ロシアピアニズムが日本人の体から自然に生まれる奏法なら、ロシアピアニズムと同じ奏法が日本で誕生していたはずです。 「ジャパニーズピアニズム」の名前で世界に知られ、ロシア、ヨーロッパ、アメリカから日本に留学する若者がたくさんいるはずですが、現実はそうなっていません。 バレエも日本で誕生していません。 日本人の体からは日本舞踊、能、歌舞伎などが誕生しました。 このように音楽やダンスと人種は密接な関係があるのです。 違う体からは違うものが出来上がります。 それぞれの身体に対して自然なものが生まれ、無理のあるものは生まれません。 続く。

  • プラテルの体

    下半身を正しく使うことで上半身をリラックスして解放させるのが海外の踏むバレエです。 踏むことで「腰」と「首」が作られます。 ただ…ターンアウトが完璧に開き過ぎると、踏むだけで踊れてしまうので、「首」と下半身がつながりにくいので、完璧につなげず、上半身は作りこまず、日常生活の延長の様な感じで、踊るダンサーが多いです。 腰、首、が完璧に出来ていてなおかつ、完全につながっているのはエリザベット・プラテルです。 パリオペの人達は、上半身は日常生活の延長で美しいといった感じです。 変に作りこんだ感じはしません、なので、演じる時とても自然な感じがします。 もしかすると、プラテルは意図的に「首」「腰」を作り完全なつながりを作るためにやや外旋をおさえたのかもしれません。 完璧な体だと人間らしさが無くなり、神秘的になります。 演技派の女優がバレエで見せている、というバレエとはプラテルは違います。 海外は下半身が完璧で綺麗、でも床からのエネルギーを上半身の指先まで伝えられる人は少ない。 そもそも完全につなげなくても、形だけの部分は少ないので魅力的。 日本人は指先まで、綺麗に器用に動かし、つながっている形だけを作るのは得意ですが、実際につながっている人は少ない。 「腰」と「首」を先に作って踏めるようにするのが日本のつなげるバレエです。 上半身を正しく使うことで下半身を正しく使えるようにします。 上半身から作るので「足裏」は出来にくい、間違えやすい、よくわからない傾向があります。 日本人は上半身を崩さないという意味では綺麗、ですが自然ではありません。 ビートでは相手の動きを見て体を触って、テントの周りのどこが正しく機能してないか気になる部分の改善をして「腰」「首」「足裏」を作っていきます。

  • バレエで怪我をする人、下手な人はテントが崩れている

    バレエを形だけで教わると普通は「腰」「首」「足裏」が無くなり、体は壊れていきます。 バレエをやっていて肩こり、腰痛がある。 ぎっくり腰や足底腱膜炎になった。というバレエダンサーは体が正しく機能していません。 まれに条件が本当に良い人は形だけで教わっても「腰」「首」「足裏」が出来上がっていきます。 「首を長く」と言われて、肩を無理矢理下げてしまえば「首」は正しく動きません。 肩に力が入ることで広背筋も使えなくなり「腰」が無くなります。 生徒の体を無視した「骨盤を前傾or後傾」「体幹」「みぞおちを閉じる」等々の指導も「腰」が無くなります。 よくある「首を長く」という言葉の意味は、正しく踏めば首は下のほうから動く感覚がするということです。 正しい首は深く胴体に突き刺さっています。 見た目の首の長さが長くなるように肩を下げなさい。という注意ではありません。 足底腱膜も土踏まずで床をつかむように意識すると痛めます。 テントはちゃんと広げないとテントになりません。 足裏は足首の球の転がりの延長で正しく使えます。 手のひらも手首の転がりの延長、そして手首を正しく使うには肩が正しく動かなければなりません。 バレエが下手な人はテントが崩れています。 そういう人が筋トレをすると、ますますテントは崩れていきます。 ストレッチをしても間違った部分を柔らかくして、崩れていきます。 ですから筋トレとストレッチは解決法になりません。 その前に「腰」「首」「足裏」を作る必要があります。 下半身を正しく使うことで上半身をリラックスして解放させるのが海外の踏むバレエです。 踏むことで「腰」と「首」が作られます。 続く。

  • 体の始発駅と終着駅

    人間の筋肉は両端を腱で骨にくっついています。 有名なのがアキレス腱です。 体には腱が集まっている部分が何ヵ所かあります。 腰の腰背腱膜、首の後ろの第7頚椎付近の腱鏡、足底腱膜、手掌腱膜など。 それらはとても大切です。 解剖図を見ればわかるように腰と首の腱膜は、ひし形をしています。 これはキャンプのテントのようなものです。 柱を中心に布を対角線で引っ張り合うことでバランスをとっています。 筋肉は伸び縮みするので、ひし形を引っ張っているとも、ひし形に集まっているとも言えます。 それは駅前のバスターミナルみたいなものです。 駅前のバス停は始発駅でもあり終着駅でもあるのです。 この「腰」と「首」が正しく機能している日本人はとても少ないです。 続く。

  • ドレミとdoremi

    イタリア語の「doremi」は、子音と母音の組み合わせ。 溜めてから解放する。 アクセントがある。 伸びがある。 日本語で「ドレミ」と一文字で発音するのとは違う。 日本語は平坦。 だから西洋音楽を学ぶなら西洋言語の発音、言語感覚を学ぶ必要がある。 これは確かにそうかもしれません。 では、どうして西洋と日本の言語感覚は違うのでしょうか? それは脚が違うから。立ち方が違うからです。 白人はdoremiの脚。 日本人はドレミの脚で立っています。 白人は波、振り子、ジェットコースター、ハーフパイプ、サラダボウルで立っています。 下がると上がる体。 踏める脚、支えのある腕。 発音も、溜めてから解放する。 しなりを転がして反転する。 脚も腕も言葉も全部同じ。 日本人は平坦に沈んだ立ち方をしています。 体は常に下がりっぱなし。 発音も平坦。上下の波が無い。 ですから日本人の脚のまま西洋言語の発音を練習するより、西洋の脚を作ったほうが効果的です。 原因は脚ですから。 ちなみにバレエもイタリア発祥です。

  • どうすればピアノは歌うか?

    どうしたらピアノが歌うか? 支えは波で曲線だから、円や球になります。 サーフィンのチューブライディングの時の波を見ればわかりますよね。 波がトンネルのようになってます。 ピアノの弦もハンマーに叩かれて振動します。 振動は波ですから、その振動の波から円が生まれ、空間に広がっていくのではないでしょうか。 バレエの脚も、支えと同じように踏むので、円や球になります。 体の前後左右に大きな球がある。 鍋でそうめんを茹でていると、対流が発生します。 そうめんがトーラス体になります。 トーラス体はリンゴを縦に切った時の形です。 自然界によくある形です。 あの中心にバレエダンサーがいると思ってください。 鍋が大きければ、対流もどんどん大きくなります。 円はどんどん外に大きく広がっていくのです。 だから床が踏めると球体の空間が広がっていくのです。 これは単に頭の中で思い描くイメージではありません。 実際にそうやって動いてます。 このトーラス体こそが、バレエであり、ピアノであり、歌であり、音楽なんです。 これはロシア人にはあっても、日本人にはほとんど無いのです。 よく「ピアノを歌わせる」という言葉を聞きます。 どうしたらピアノが歌うか? このトーラス体を持っている人がピアノを弾けば歌います。 まずピアニストの体が歌わなければ、ピアノは歌うわけがありません。 「ピアノを歌わせる 」前に「歌う体」を作ることが必要です。 その対流を作る方法こそが、床を踏むです。

  • 耳を開く。とは何か?その3

    前回まで書いてきたように、耳を開くことは、重心移動による空間認識が関係していると思います。 だから、ピアノ教室で意識的に音の聴き方を変えて「耳を使おう、耳を作ろう、耳を鍛えよう」と思っても、踏めない日本人の体では難しいのではないでしょうか。 重心移動が苦手な日本人にとって、耳を開くということは、誰もが意識して出来るようなことではないと思います。 また、日によって音の聴こえ方は違うでしょう。 体のコンディションが違うので。 ですから、一度耳が開いたら永久に開き続けるわけではなく、加齢と共に閉じやすいですし、間違った練習をすれば閉じます。 「指先を意識した弾き方だと耳が閉じる」という話はまったくその通りだと思います。 指先に重心が固定されて、手のひらの重心移動が出来なくなると、感じる空間が狭くなり耳が閉じる。 バレエでも足の指や土踏まずに力が入り縮んでいると、転がり重心になりません。 踏めない人はルルベをした時に、必ず足の指が縮んでます。 床が踏めれば踏めるほどに足裏の転がりがスムーズになり、全身ヤジロベエの揺れ幅は大きくなります。 ですから踏めれば踏めるほどに広い空間を感じ、耳が開くと思います。 身体の開いたロシア人は全体から部分をとらえますが、身体の閉じた日本人は部分を突き詰め、それを寄せ集めて全体にしようとします。 元々感じている空間が違うから、音楽の立体感が違う。日本人の感性は深いが狭い。 こういったことが演奏の違いとして現れてくると思います。 踏む練習をすれば、今現在、耳が開いていると思っている人も、もっと開けるかもしれません。 今以上に音が聴けるようになるかもしれません。 そうなると、もっとピアノが楽しくなるでしょう。 今回の、耳を開くシリーズで書いたことが日本とロシアや欧米との根本的な差なんではないでしょうか。 教育システムの差以前の肉体の差です。 この差はイスに座ってピアノの練習だけしていても永久に埋まることはありません。

  • 耳を開く。とは何か?その2

    さらに耳と目だけでなく、床が踏めると体自体も外に広がっていきます。 中心から末端へと広がる体。 遠心的な姿勢です。 上に伸び、左右に広がります。 これが「体が開く」です。 この体は指が不器用です。 ロシア人、欧米人に多い姿勢です。 体が開いた究極がバレエダンサーの体です。 踏めない人は体が内に縮もうとしています。 末端から中心に縮む体。 膝、肘が曲がり、猫背で肩が上がっています。 みぞおちや急所を隠すような姿勢、寒くてブルブル震えてこごえているような姿勢です。 内心的な姿勢です。 これが「体が閉じる」です。 この体は指が器用です。 日本人に多い姿勢です。 体が閉じた究極がお年寄りの体です。 とくに日本人のおばあちゃんで出産経験有りの方。 続く。

  • 耳を開く。とは何か?

    前回のヤジロベエ重心、転がり重心の続き。今回もトレーナーのブログです。 「耳を開く」という言葉があるそうです。 これはたぶん前後左右の広い空間を感じているのではないでしょうか。 踏めない人は踵重心とつま先重心に分かれる。 踵重心の人は重心が後ろに傾いているので、自分の後ろ側の空間の意識が強いです。 そして自分の前側の意識が弱い。 反対につま先重心の人は、体の前側の空間の意識が強く、体の後ろ側の意識が弱い。 そういう傾向があると言われています。 それだと体の周りの空間を後半分、もしくは前半分しか感じてない。 だから「広い前後の空間、奥行き、遠近感」を感じることができない。 音楽の立体感を感じられない。 平面的に音をとらえている。 重心が固定されると、聴く音も固定されやすくなります。 踏めると倒立振子歩行なので歩いている時に、体が波のように上下の高さが変わります。 踏めないと一定の低さを維持して膝を曲げて歩く感じになります。 だから上下の空間も踏めたほうが広いと思います。 空間が上に広がって、高さが生まれます。 耳を開くとは、単に聴覚の話ではなく、空間認識能力の差と考えます。 これは耳だけでなく目にも当てはまります。 今まで踏めなかった人を踏める体にすると、遠くの景色を眺めるような目線に自然となるのです。 重心が固定されている人は視線も固定されやすくなります。 踏めない人は、一点に集中した目、焦点の合った目で何かをはっきりと見てしまう。 踏める人は、どこを見ているかわからないぼんやりした目になります。 これが、目を開く。です。 そう考えると鍵盤をじっくりと見ないほうが良いと思います。 今回は、耳が開く、目が開くについて書きました。次回は何が開くでしょうか、お楽しみに。 続く。

  • 全身がヤジロベエ

    今回もトレーナーのブログです。 ロシアピアニズムで、親指と小指はヤジロベエらしいですね。 これはヤジロベエ重心。 弾く指そのもの重心ではない。 それと同じで、床が踏めると全身がヤジロベエになります。 足の親指と小指もヤジロベエ。 つま先と踵もヤジロベエ。 踏めない頃の私(トレーナー)は踵重心でした。 踵そのもの重心。 それはピアノに例えるなら手首重心。 手首が真下に落ちている。 手首に揺れの機能が無い。 イメージとしては肩→肘→手首。で止まってしまう。 手首から指先への転がり重心移動が出来ない。 だから、支えが無い。 水平な鍵盤を手首で水平に押してしまっている。 これが日本人に多い踏むと落ちる体。沈む体。 踏めない人は2種類に分けられます。 踵重心(ピアノなら手首重心) つま先重心(ピアノなら指先重心) 左右の重心のかたよりも2つあります。 親指重心 小指重心。 どれも良くないです。 正しくは転がり重心、ヤジロベエ重心です。 それが「踏む」と「支え」。 筋肉を鍛えるトレーニング種目は、体の前面、背面、右側、左側でバーベルやダンベルを動かす種目に分けられます。 踏める体なら、すべてヤジロベエのように重心移動でバランスをとれる。 重心が元々かたよっていると重心移動でバランスがとれない。 だから踏めない人は自分の体にとって、やりやすい種目、やりにくい種目。その2つに分かれてしまう。 やりにくい種目は怪我をしやすいから、人間はやりやすい種目しかやらなくなる。 全身の筋肉はアンバランスに発達する。 これは本来の自分の個性ではない。 本来の自分のピアノではない。 全身をヤジロベエにしなければ、本来の自分の個性に会えない。 実は、このヤジロベエの話が「耳を開く」話に繋がります。 続く。

  • 自分の本当の個性

    前回の続き。今回もトレーナーの記事です。 これが、私の持ち音ならぬ、持ち体型だったんです。 私は、この体型を大切にしたい気持ちになれなかった。 この体型が自分らしさ、自分の個性と言われても…。 私はアーノルド・シュワルツェネッガーみたいな体型になりたかったんです。 「もともと特別なオンリーワーン♪」と言われても、理想は追い求めたいです。 そしてジムのトレーナーとしてバレエと出会い、バレエの研究をしていろいろなことがわかりました。 その1つが、人間は床を踏めるようになると体型が大きく変わるということです。 床を踏むことをトレーニングに取り入れてからはボディビルの大会でも毎年予選通過して決勝に残れるようになりました。 床が踏めると全身の筋肉がまんべんなく発達して、全身の脂肪がまんべんなく落ちます。 だから筋肉の発達の極端な長所や短所は無くなります。 それまでは自分の個性、生まれつきの体質だから、いくら練習しても変わらないとあきらめていたことが、実はそうではなかったんです。 これを私は他の人にも体験して欲しいのです。 自分では、どれだけ練習しても、あるレベルから進歩が無い。 理想の音には遠いけど、それが自分の個性、自分らしさだと思っている方に。 あるいは自分の演奏が理想とは違うから、理想に近づけるためのスパイスをササッ!と振りかけたりしてませんか? 自分の持ち音は大切にしつつ、自分の理想を求めることも出来ます。 それには体を変えるしかありません。 自分の演奏に満足している方が、もしいたらそれはそれで良いと思うんですけど、まだ自分の本当の個性と出会ってない可能性があります。 日本人は床が踏めない人が多いので。 生まれ持った才能、条件は変化しないものではなく、意外と流動的なんです。 続く。

  • 自分の個性と理想のギャップ

    今回の記事はボディビルのトレーナーが書いてます。 前回のソコロフの記事に対してTwitterのフォロワーさんが感想を書いてくれました。 これがとても興味深いのです。 「それぞれ持ち音(骨格や体型などによるもの)というのがあって、それを大切にするように、と教わりました」 「そうとは分かっていても、二人(ソコロフ、ホロヴィッツ)のそれぞれの音を自分のものにできないかと求めてしまいます」 「例え自分の持ってる音が理想とする音とかけ離れていても、自分にしか出せない音を愛し、自分らしい表現を考えるしかないのだと思いました。自分にとって偽りのない本物は、そこにしかないのでしょうね」 この気持ち、よくわかるというピアニストの方が多いのでは? 今回はボディビルからこのテーマを書いてみます。 私がボディビルに興味を持ったのは中学生の頃。 本屋でボディビル雑誌を立読みしたのが、きっかけでした。 雑誌には海外の有名なチャンピオンボディビルダーのトレーニングや食事法が細かく掲載されていて、それを暗記してしまうぐらい何度も何度も読んでたんです。 そして、雑誌に書いてあることや人から教えてもらったことを信じて、いろいろ試してみるわけです。 このトレーニングが効果的だと聞けばそれをやり、このサプリメントが効果的だと聞けばそれを飲み、ということを続けて体重もどんどん増やして100キロを超えて。 それなりに重いバーベルも持ち上げられるようになっていたので「ここから体重を落とせば自分もボディビルダーのような体になるに違いない」と思ってました。 そして、20代の中盤からボディビルの大会に出始めたんです。 でも、残念ながら私の体型は頭で思い描いていた体型とは違ったんです。 まず、脚が太いけど脚の脂肪がなかなか落ちない。 ボディビルの大会では可能なかぎり筋肉が大きくて、可能なかぎり脂肪が少ない体が求められます。 だから脚の脂肪が落ちるまで体重を落とさないといけないんですけど、そうすると今度は上半身の筋肉まで小さくなってしまうんです。 だから全体的に細くなってしまう。 私の場合、脚以外だと下背、下腹、背中、上腕三頭筋の脂肪が落ちない。 背中や肩の筋肉も大きくならない。腕も細い。 もちろん短所を改善しようと練習はしましたけど、生まれ持った体型、体質はなかなか変わりませんでした。 筋肉は全身まんべんなく鍛えても、全身まんべんなく発達するわけではありません。 筋

  • ソコロフの音

    ソコロフは速く弾く時に、手のひらでペットボトルのフタを掴む形をしている。 「やっぱり虫様筋を使った支えの形が大事なんじゃないか」と思うかもしれない。 ここで大事なのは、見た目の形や動きと、身体の中の動きは違うということです。 実際は足裏で言うところのトラス機構が働いていて、手のひらにはクッションとバネの両方がある。 ペットボトルのフタを掴む形は、バネが収縮した局面の形。手のひらのしなりが反転した局面。 打鍵の際には、クッションが瞬間的に強く効いて、手のひらが拡がり、指が伸び、指が反るような動きもしている。 これがクッションの局面。しなりの局面。 手のひらの腱をトランポリンのようにして、そこに腕の重みをのせている。 ソコロフの手はクッションとバネの局面を交互に繰り返しているけど、クッションの瞬間が高速過ぎて表面的にはバネの局面しか見えてない。 手のひらが強すぎて高速になる。 結局、自分の身体に素直なんです。 自分の身体から生まれる音しか出してない。 他人を羨ましがらない。 比べない。 ロシアピアニズムだから、それが出来る。 ソコロフにとっての自然はあのスタイルなんです。 逆にホロヴィッツは胸郭に対して肩幅がやや広い。 だから上腕がストンとぶら下がる。 意識的に脇を閉めているわけではない。 おそらく肩甲骨と胸郭の隙間も癒着してない。 波は前後の縦回転で、ソコロフのような肘の横回転はあまり無い。 だから波は穏やか、指先はさざ波。 自分の身体が出す音に抵抗してない、逆らわない。 ソコロフはホロヴィッツになれないし、ホロヴィッツはソコロフになれない。 どちらもオンリーワンだから、上も下もない。 ロシアピアニズムだから競う必要がない。 奏法は厳密過ぎちゃ駄目。あいまいなもの。 自分が持ってない音は出せないし、自分だけが出せる音と向き合った方が良いのだと思います。 自分しか出せない特別な音で良いのではないでしょうか。 頭で計算してないと思います。 理想に近づこうとしていない。 チューリップがバラになるために研究したり追求したりしない。 受動ってことは、他人になろうとしないってことなんで、絶対「っぽく」はならないんですよ。 なりようがない、自分自身だから。 本物しかない。 自然以外の何者でもない。

  • ソコロフ自体が楽器

    ホロヴィッツとタイプは違いますが完全なロシアピアニズムですよね。 波が大きいので、動きも必然的に大きくなります。余計な動きは1つもなくシンプルです。 波が大きいから、それに合わせた身体の動きに自然になっている。 何故、波が大きくなるか? それはソコロフの胸郭が肩幅に対して大きいから、僧帽筋に力みが無い。 だから、腕の重みがしっかり鍵盤にかかる。 それで支えが強い。 上腕が脇から少し離れた位置で横回転の円を描くように波うちます。 だからあのスタイルです。 ホロヴィッツより3次元的な波です。 足→骨盤→背骨→頭→。 手→肘→肩→頭→。 この2つの流れが脳天に抜ける。 だから、手のひらから頭(脳)に向かっての衝撃がある。 衝撃波。 これによって頭は自然と「無」になる。 何も考えてない。考えられない。 動物に近いと言うか、本能だけで弾いている。 ある意味子供とも言える。 ソコロフ自体が楽器。 ピアノマシーン。 「ソコロフがピアノを弾いているのか?ピアノがソコロフを弾いているのか?」状態。 演奏前に「この曲はこういう感じで弾いてみよう」とか計画していたとしても、全部忘れてそう。 普段から忘れっぽい人かもしれない。 踏めている人は歩くだけで小さな衝撃が脳に来るから。 日本人みたいに平坦な歩きをすると、それは無い。膝が曲がって筋肉で衝撃を吸収するから。 だから脚ばかり太くなる。 「無」だから、どんな人か興味がわく。 「無」だから聴く側が自由に解釈できる。解釈の幅が広い。 特定の感情を込めて弾くと、聴く側の解釈の幅が狭くなる。 そういう演奏が嫌いと言っているわけではないです。 続く。

  • 支えとはジェットコースター現象である

    支えの理解を深めるために、スケボー以外の例もあげてみます。 ジェットコースターは落ちるから上がる。 だからロシアピアニズムも、まず思い切り落ちる必要があります。 だからといって全音すべて強くなるわけではありません。 上がらないから、自分で指を引き上げるのではなく、落ちたら上がる腕を作らなければなりません。 よくバレリーナは重力にあらがって、上に上に伸びている。なんて勘違いしている人がいますけど、重力にあらがってなんかいません。 (たしかに日本人だと重力にあらがっている人が多いですが…) 私は重力を利用して下がって上がっているのです。 ジェットコースターは名前に反してジェットエンジン等の動力無しで「重み」を前に進む移動のエネルギーにしています。 重力に動かされてます。 動かされている自然現象です。 だからタイトルをジェットコースター「現象」としました。 昔の日本では陸上波乗、ウェーブコースターとも呼んだそうです。 (コースターの意味は滑走用のそり) 他にわかりやすい例としてパラリンピックの陸上選手の義足があります。 あれは、しなったバネです。 体重を下にかけると上がります。 波の斜め下、斜め上というのがしなりです。 誰でも体験しやすい波にMBTシューズがあります。 靴底がカーブしている靴です。 筋肉ではなく重心の転がりで歩けます。 転がりがあるということは止まらないということです。 ピアニストの方もMBTシューズを履いて散歩することをオススメします。 似たものにマスターストレッチがありますが、MBTシューズのほうが手軽なので良いと思います。 あとロッキングチェアとか。 今回、例としてあげたものからもわかるように、不安定であることが大切なのです。 アーチだから不安定になり、不安定が揺れになり、揺れが波になるわけです。 これが支えです。 あと大事なことに、床にどう足をつくか?イスにどう座るか?という問題があります。 皆さん、足をしっかりついて下半身を安定させるべき、イスに安定して座るべきと考えているみたいですけど、私は上記の理由で、そうは思いません。 むしろ不安定にしなければ。 詳細はブログには書けませんが、私が普段パーソナルレッスンで使う器具があるのですが、これを使えば私の言っている意味が体で理解できるでしょう。 この器具を使えば、体に中心ができるので、それだけで演奏がかなり劇的に変わるでしょう。 誰でも安価で作れま

  • どんなに練習しても何かが違う

    骨格的に白人黒人のほうが床が踏めます。 日本人は楽器や曲が流れていない時にリズムを刻んだり踊りだしたりすることは少ない、それはハーフパイプがないから身体にリズムがないのです。 海外の方がすぐに踊りだしたり歌いだしたりするのは、生活の中にあるリズムと同期出来るからです。 身体が気づかないだけで世の中はリズムに溢れています。ただ歩くだけでもリズムになってしまうのです。 身体が反応してついついのってしまうから。 こういうのは感じようとするものじゃなくて感じてしまうのです。 365日24時間自分自身が、音楽というかリズムそのものですから、無意識に音楽と関わっている時間が圧倒的に違います。 「日本人のピアノやオーケストラはつまらない」と言われてしまうことがあるそうですね。 残念ながら同じように「日本人のバレエはつまらない」と言われることがあります。 このハーフパイプが無い人の演奏やダンスはつまらないんです。 日本人でも、聴いたり見たりする側としての感性がある人は結構います。 音楽やダンスから「それ」を感じとる感性、受信する側の感性のある人はいるんです。 そういう人はピアニストやバレリーナにハーフパイプが無いことを見抜いてしまいます。 受信する感性の無い人は音楽ならハーフパイプ以外の要素、例えばJポップなら歌詞を重視して聞いていると思います。 ロシアピアニズムをやっている方は受信する側の才能はあるはずなんです。 たまたま聴いたピアニストの演奏にショックを受けて奏法を変えたりしたわけですよね。(奏法を変えるということについてもいずれ書きます) ただどんなに練習しても「何かが足りない」「何かが違う」そう感じたなら、床を踏むことに注目したら良いと思います。

  • ショパンのハーフパイプ

    前回書いたようなスケボーのハーフパイプのような感覚が一流ピアニストの体の中にはあります。腕や脚だけでなく体の中に。 振り子のようなブランコのような感覚です。 これはとても原始的な機能です。 ショパン、モーツァルト、バッハ、ベートーベン、チャイコフスキー…。 そういった作曲家の体にもハーフパイプがあります。間違いなくあります。 ショパンにはショパンの、モーツァルトにはモーツァルトのそれぞれ違ったハーフパイプがあります。 クラシック音楽にかぎらず、ロック、ヘビーメタル、ジャズ、カントリー、ソウル、ヒップホップ…そういう音楽にもあります。 ピアニストの方にも、この感覚は間違いなく必要です。 例えば、曲をコンサート等で演奏するために練習する時。 楽譜をじっくり読み、強弱、テンポ、記号で表されるいろいろな要素等を考え、他のピアニストの音源を聴き、その作曲家の個性、思想その他いろいろ。 ピアニストの方は、そういったことを分析して作品を理解し、そして自分なりの表現を考え、ピアノを弾くのではないかと思います。 こういった努力はすべて頭の中の話です。その努力が内面を変えそれが音に滲み出ると思うかもしれませんが、いくら頭で考えてもピアニストの体の中にハーフパイプのようなものが無ければ、作曲家を理解することも表現することも出来ないのです。 ショパンの体にあったものが、あなたの体の中に無いんですから。 音楽は頭ではなく、体で理解するものだと思います。 ハーフパイプがない人が表現したいものは、小説のようなもので音としては相手には伝わらないのです。 内面や感情を表現したい、ピアノで歌いたい。 そうあなたがいくら思ってもハーフパイプが無いと自分が浸ってるだけの演奏になってしまいます。 体の中に歌が無いからです。 あなたがどれだけピアノを愛していても、喜怒哀楽を込めて弾いても、聴く耳を持つお客さんには伝わりません。 このハーフパイプは床を踏める人間にある感覚であり機能です。

  • 支えとはスケボーである

    支えとは何か? 支えとはスケボーです。波です。 波は斜め下に落ちながら前に進み、また斜め上に上がりながら進みます。 肩から指先に向かって滑り台みたいな感じです。 その滑り台がスケボーやスノーボードのハーフパイプになっています。 行ったものが帰ってきます。 縦方向のハーフパイプと横方向のハーフパイプが合わさって、三次元的なサラダボウルのようなものが両腕の前にあります。 鍵盤の手前を弾いても、肘から指先方向に進んでいくので「ホロヴィッツは鍵盤の奥を弾いている」と言われるのでしょう。 鍵盤の奥は波打ちぎわです。 ホロヴィッツは鍵盤が手前から奥に向かって滑り台のような下り坂になっている感覚があるかもしれません。 同時に登り坂の感覚もあるでしょう。 イスを高めにすると腕の重みが、かけやすくなり波は「ザッパーン!」と大きくなりやすいと思います。 「下がる」と「上がる」は曲線で繋がっています。 地続きです。 海の波はどんどん進んで行きますが、腕は肩にくっついているので自然と円運動、球体になります。 その円は演奏の呼吸のようになります。 波は落ちません。 滝は上から下に落下して、そこで流れは止まり、終了です。 そこに呼吸はないのです。 呼吸してないから死んだ音です。 音に丸みが無く、とがった音になります。 上下の直線は、誰が弾いても同じで個性がありません。 誰が一番正確に弾けるか?ぐらいの差しかありません。 上手い人で、上下に弾いているように見える人は、上下の直線ではなく縦に長い楕円だと思います。 それは縦長になったり横長になったり自由自在に形を変えます。 楽譜通りではなくピアニストの感情やノリに合わせて。 だから円運動だと、ひとりひとりの個性がナチュラルに生まれます。 自分にしか弾けないピアノが弾けます。 続く。

  • ロシアピアニズムの支えとは何か?真下vs真上

    たぶん「支え」は「踏む」と同じことだと思います。 非常に重要ですよね。 正しい支え、それさえあればロシアピアニズムは弾けてしまうはずです。 むしろ他に必要無いぐらい。 そもそも「支え」の定義がはっきりしていませんし、私なりの文章の解釈になってしまうのでどこまで正確に理解できているか、どこまで理解してもらえるか、わかりませんが、ブログや本を読んで支えについて思ったことを書いてみます。 まず「支えが弱いから落ちてしまう」という方。 これは支え自体の認識から間違えているのではないかと思います。 支えという機能は「弱いから落ちる」というようなものではありません。 手首を真下に重力で落下させて、支えで真上に抵抗している。 その支えの筋力が弱いから落ちてしまう。 落ちない海外のピアニストは手首が強い。 というような意味だと思うのですが、これだと「腕の重さvs筋力」の直線的な力勝負になってしまいます。 力の方向が真下vs真上です。 正反対です。 落ちるものを踏ん張って受けとめる、耐えている状態です。 ツッパリ棒や支柱のイメージです。 支えが弱いなら指の筋トレをする。という考え方も違うと思います。 真下vs真下というのは例えるなら、滝行(たきぎょう)ですね。 白装束を着て念仏を唱えながら滝壺で耐える修行です。 作用反作用とか反力でもありません。 バレリーナで床反力という言葉を使う人がいますが、私とは完璧に違う考え方です。 「支えがあるから脱力できる」 これも違うと思います。 正しくは「脱力するほど支えは強くなる」です。 脱力するほど支えに重みがかかり、支えの機能が強くなります。 「支え」と「踏む」という言葉から受けるイメージと、実際の「支え」と「踏む」という機能は全然違います。 もっと別の表現にしたほうが良いのにと思います。 おそらくここまで読まれた方は、この人は何にもわかってないんじゃないか?と思われるのではないでしょうか。 まあ、支えシリーズはまだまだ続くので騙されたと思って最後まで読んで下さい。 続く。

  • ホロヴィッツの手首はどこにあるのか?

    おそらくホロヴィッツは前回書いたAの位置を手首として使っているのではないでしょうか。 この位置に支点があると、バレエなら背中から腕を動かせます。 腕に重みが生まれます。腕が重いので、自然と体の中心から動かすようになります。 誰でも子供の頃、鉛筆の3分の1辺りを手で持って揺らして、ぐにゃぐにゃさせる遊びをやったことがありますよね? あれの手で持つ位置が支点です。 ホロヴィッツの感覚的な手首の位置は、普通の日本人の手首の位置と違う可能性があるのです。 手首だけでなく、足首の位置感覚、脚の長さの感覚、ウエストの位置感覚…そういった身体感覚が天才と凡人ではまったく違うのです。 ショパンが「手首はエンジン」と言っても、ショパンの手首とあなたの手首の位置が感覚的に違ったら、ショパンの言葉の意味を理解できません。 天才も凡人も自分の感覚が普通だと思っていて、他人と違うことになかなか気づけません。 白人が「正しい」と言ったことを、そのまま日本人に当てはめても上手くいきません。 手首や手のひらに巻いたほうが弾きやすい方は末端に意識があり、指先が器用です。 それはロシアピアニズムの体とは違います。 人間は手先を使ってるうちに手首の感覚が先端に移動していきます。 日本的なハイフィンガーの人は手首に巻いたほうがやりやすいかもしれません。 普段から腕時計をしていて、そのことに違和感が無い人も指先に意識があります。 バレエだと手首に意識があると、小手先だけの安っぽい動きになってしまいます。手を綺麗に動かそうという、本人の意志とはうらはらに。 身体が手首を関節として認識してしまうと良くないのです。 そうなると手首を手首としてしか使えません。 単なる手首の掌屈背屈、単なる筋肉運動、単なるピアノ体操になってしまいます。

  • ピアニストの方にやってみてほしい実験

    まず太目のゴムかテーピング用テープ等を用意して腕に巻きます。無ければ髪留め用のゴムや輪ゴムでもかまいません。 A,手首と肘の間のやや手首寄り B,手のひら(虫様筋のあたり)

  • 私が土踏まずを鍛えた時の話

    昔の話です。 私にも土踏まずを鍛えた時期がありました。 私は元々、踵を踏んだ瞬間に、自然と土踏まずのアーチの頂点が突き上げられる感覚がありました。 特にポワント(トゥシューズ)を履いて踊ると、頂点がピンポイントで突き上げられました。 踵を踏んでつま先立ちになる瞬間に毎回土踏まずが突き上がるので、まだ未熟な身体であったのも原因ですが、とにかくつりそうなぐらい土踏まずが疲れるのです。 周りの子に聞いても、そこまで疲れる子はいませんでした。 当時の私は単純に「土踏まずが人より弱いんだ」と思い、鍛え始めました。 今も当時も足の裏を鍛えるという風潮がバレエ界には根強くあったので、私もセラバンドで土踏まずのトレーニングをしてみました。 セラバンドを使った瞬間から、う~んこれは…違うかも…と思いましたが、しばらく続けました。 結果は、確かに土踏まずは疲れなくなりましたが、突き上げられる感覚が薄くなりました。 それまでの私は、脚が遠くに引っ張られる感覚だったんです。 これは1つの動作。 それが土踏まずを鍛えた後は、一旦土踏まずを縮める、そして自分自身で引っ張るという感覚に変わりました。 「縮む&引っ張る」という2つの動作です。 脚の軌道も曲線的な感じから直線的になり硬くなりました。 日本では能動的に丁寧に身体をコントロールしやすいこの感覚を好むバレエダンサーが多いと感じます。 日本人は精神も身体も頑張った感を好みますし、正確にきっちりコントロールしたい人種なのかもしれません。 私はこの感覚を好きになれなかったので足裏トレーニングはやめました。 この後も、自分の感覚を信じていれば良かったのですが、その後に何度か血迷い足裏トレーニングを再開しては、やっぱり違うな…と思い直すという…。 まあ昔の私は身体の使い方に迷いに迷っていたので、気になったものは色々やってみました。 例え初めに違和感を感じたとしても、何か月かはそれを試しました。 とりあえず信じるところから始めようっていうスタンスです。 時間がかかっても、色々試してどんな結果になるか?を繰り返することで固定観念が無くなり洗脳がとけます。 全ての宗教に一旦は入信して、その後、自分教を作るようなイメージです。 ただなかなか自分の感覚を信じられず、やっと最近ようやく確信をもてることが増えてきたところです。 それでもまだ何か分かる度に迷いますけどね・・ とりあえず結果として分かったことをま

  • 土踏まずが強くても床は踏めない

    バレエで「床が踏めている人」は確かに土踏まずが強いです。 だから土踏まずを意識的に鍛えている人がたくさんいます。 でも、土踏まずが強ければ「床が踏めている人」になれるわけではありません。 大事なところは、そこじゃないのです。 床が踏めている人は、波が伝達されるから結果的に土踏まずが強くなるのです。 つま先は伸ばすのではなく、伸びちゃうのです。 虫様筋も使えちゃうのです。 ムチの最後のピシャン!って抜けるところです。 ピアノを弾くたびに手のひらがピシャン!とはじかれることで虫様筋が適切に強くなるので、手のひらも指も強くなります。 単体で筋肉を鍛えるより中心から末端に向けて支点を移動させたほうが強くなります。 重みが通過していくからです。 仮に虫様筋を鍛えるにしても、まずこの機能が出来上がった後にしたほうが良いと思います。 床が正しく踏めている→土踏まずが強くなる。 鍵盤が正しく踏めている→虫様筋が強くなる。 というように原因があって結果があります。 注)ここで言う「踏む」は真下に押すことではありません。 重力を正しく利用出来ている。ということです。 虫様筋を強くしても結果を作るだけで、原因は作られないのです。 ただロシアピアニズムっぽくなるとは思います。 土踏まずを鍛えた日本人のバレエも、すごくバレエ「っぽい」です。 いかにもバレエくさいというか、わざとらしいバレエなんです。 まれに感覚が鋭いセンスのある人だと、結果を作って原因に気づく人もいるとは思いますが、それは遠回りな練習です。 続く。

  • ロシアピアニズムという奏法をやろうとしている人にならないために

    最近ロシアピアニズムの方達のブログを読んでいるのですが、皆さん虫様筋に注目しているようです。 ロシアピアニズムは第三関節を曲げる。 第三関節を曲げる筋肉は虫様筋。 だから虫様筋を鍛える。 と考えている方が多いようです。 これについての私なりの考えを書いてみます。 まず腕には2つの局面があります。 「しなり」と「反転」です。 その移行局面が「転がり」です。 反転した局面を、ロシアピアニズムの方達は「手の支え」と呼んでいるようです。 虫様筋を収縮させるとこの形になる。と言われている形です。

  • ホロヴィッツの感覚を想像する

    ロシアピアニズムと私のバレエの動きは同じなので、脚を腕に当てはめてホロヴィッツの感覚を想像してみました。 私のバレエでは内ももからつま先まで全部が踵のような感覚、内ももからつま先までが全部足の裏のような感覚があります。 足首を足首として使わず、膝を膝として使いません。 関節を関節として使っていません。 ホロヴィッツは腕から指先まで全部が手首、もしくは手のひらのような感覚があると思います。 そして、手首や肘が無い感覚もあると思います。 このようになるのは上半身の重みがしっかりと手のひらにかかっているからです。 四足歩行している動物のように前脚(腕)に体重がかかっているんだと思います。 上半身の重みがかかることで、手のひらはフルストレッチされてバネみたいになります。 それは手のひらや指が反り返るような感じです。 バネなので手首を下げれば下げるほど、手首が勝手に上がりそうになります。 自然と腕に波が生まれ、その波は自然と絵のような永久に続く円運動になります。 円運動なので打鍵後に指が鍵盤からあまり離れません。 体の前に球体があるような感覚です。 ボディにも波がありました。 見た目にはわかりづらいですが。 もう1つの絵は鍵盤の表面上で上下に動く指。上向き矢印と下向き矢印の人。 ホロヴィッツ以外のロシアピアニズムの方も何人かYouTubeで見たのですが、人によっては上下に動く人もいました。 ただし、それは上下別々の動きではなく、はずむような上下一体の動き。 そういう人はボディにも上下のリズムがありました。 ホロヴィッツは、波だから弾いても弾いても次の手がどんどん生えてくる、手が途切れない。 それはホロヴィッツにとって自然なことなので「あなたはどうやって弾いているのですか?」と質問されても「ただ吸って吐いて呼吸しているだけだよ」と答えそうな予感がします。 ホロヴィッツは手首が下がっているのではなく、少し低い位置の鍵盤を弾いているような感じです。 海の波が海底の砂をけずるような感じ。 現実の鍵盤の位置に鍵盤を感じているのではなく、もっと空間を感じているのではないでしょうか。 バレエの「床を踏む」は「踵を踏む」と表現することもあります。 踵を踏むと踵が上がりそうになります。 水平な床に立っていても、つま先が上がって踵が下がる感覚があります。 ハイヒールの逆です。 同時にハイヒールを履いている感覚があります。 余談ですが、女性でハ

  • ロシアピアニズム、どうやって指を上げるのか?

    ピアノを弾く動きは大雑把に言えば「指を上げる」「指を下げる」この2つだと思います。 ロシアピアニズムは指を下げる奏法であるとされています。 腕の重みを重力で落下させる。 「じゃあどうやって打鍵後に指を上げるの?」と疑問に感じませんか? 重力で落下させると下に沈んでいき、指はいつまでたっても上がってこない。 ずっと鍵盤を押したままで力が抜けない。 ここで指を普通に持ち上げたら一般的な奏法と変わりません。 ロシアピアニズムを身につけた人なら「指が上がってくる」感覚があるはずです。 自分で「上げる」のではなく「上がってくる」という能動的ではなく受動的な感覚。 これはバレエでもあります。 床を踏めない人は踏もうとすると、下に沈んでしまいます。 だから「下げる」と「上げる」が別々の動きになってしまいます。 正しく踏めると「下げたから上がる」になります。 この感覚になるためには、脚全体がしなること。 しなった脚に体重をかけ支点を作ります。 その支点を、つま先方向に移動させていきます。 ロッキングチェアを重心移動で揺らす感じです。 重心の転がりです。 つま先まで転がりきったら、バネが反転して上がります。 重心を転がすためには土踏まずが反ってなければ転がりません。 土踏まずも足の指も反り返ります。 よくある間違いが「土踏まずで床をつかむ」ような力を入れてしまうことです。 これでは転がりません。 「上がる」の形を真似しているだけです。 半分正解ではありますが、半分正解ということは全然わかってないってことです。 正しく踏めると「床をつかむような感覚」がありますが、実際につかもうとしているわけではありません。 ピアノだと「卵をつかむ」ような力を手のひらに意識的に入れてしまうのは間違いだと思います。 打鍵後に結果としてそういう感覚がするだけではないでしょうか。 鍵盤を押す前から、卵をつかむ手をしていたら、それは違うと思います。 「下がる」が無いまま「上がる」ばっかりやっているからです。 「下がる」と「上がる」は2つで1つです。 続く。

  • 床を踏むバレエから見たロシアピアニズム

    最近、ロシアピアニズム(ロシアンピアニズム、重量奏法、重力奏法)というものをTwitterで知りました。 ロシアピアニズムのブログや本を読むと、私の考えるバレエと共通する部分が多く興味深いです。 ピアノは専門外ですが、ロシアピアニズムについて思うことを書いてみます。 その前にまずピアノ関係の方に日本と海外のバレエ、ビートのバレエについて簡単に説明します。 海外のバレエは床を踏むバレエです。 下に行くと上に行きます。 脚を脚で上げません。 脚の上げ下げは筋肉でしません。 つま先、足の指は自然と使われますが、意識的に使いません。でも結果的に使われるので強いです。 土踏まずに体重をかけます。 指先は不器用です。指先に神経を行き届かせて綺麗に動かしているわけではありません。 脚は放り投げます。 円、弧、球の動きです。 常に揺れながらバランスをとります。 ビートはこちらのバレエを教えています。 日本では少数派です。 これに対し日本人は、下に行くと下に沈んでしまいます。 海外の人と同じことは出来ないので、まずおなかを先に引き上げて体重を脚にかけない日本式バレエが多数派です。 上に上に行き体を軽くします。 つま先を意識して使います。 両者は似ているように見えて、別物です。 現在のバレエ界全体の流れとしては、コンクールの影響か、バレエ本来の美しい動きよりテクニック重視になっています。 他の人より高く脚を上げ、高く跳び、たくさん回る。 それを目指す流れがあります。 バレエ+スポーツの筋肉で、「バレエっぽい」凄いことを見せています。 感動より驚きです。 多くの人が「バレエ」と「バレエっぽい」の区別がつきません。 ビートのバレエは床を踏むバレエで、なおかつバレエ本来の動きにこだわっています。 バレエ本来の動きとは「勝手に脚が上がってしまう」「体が上に伸びてしまう」というような、◯◯してしまうバレエです。 能動的ではない、受動バレエです。 日本では異端です。 日本バレエ界の教えとは全て真逆です。 (もしロシアピアニズムの方が、このブログを読んでバレエに興味を持って近所のバレエ教室に行っても、そこで教えられているバレエはこのブログに書いてあるバレエとはまったく違うと思ってください) ですからバレエ関係者には、ビートのブログ読んでも理解できない、意味がわからないと言われます。 でもロシアピアニズムを教えている方ならビートのブログを読めばわか

  • つながりとは何か?その③

    そして張る力で体のつながりが強くなり過ぎると、線路のように安定します。 つながりというより「接続」という感じです。 そこからさらに体を開け、ターンアウトしろ、と言われても無理です。 条件以上にターンアウトすると繋がりが無くなる。 繋げるとターンアウトできない。 条件以上に5番に入れると繋がりが無くなる。 繋げると5番に入らない。 ですから、生まれつき条件の良い人以外(つまりほとんどの日本人)はどっちに行っても行き止まりになってしまいます。 ビートでは基本的には下から作っていく指導方法です。 でも下半身からのエネルギーの通り道を、上半身が邪魔している場合が多いのです。 だから噴水の通り道を邪魔しない程度に繋げることがあります。 軽くつなげてから下から作っていきます。 弱いつながりのままターンアウトして5番の体に変えていく。 踊るために繋げるのではなく、踏むために繋げるということです。

  • つながりとは何か?その②

    海外の人はターンアウトしているから踏める体です。 「踏めてる日本人はなんでターンアウトしてないのに踏めるのかなー?」と不思議に思っているのではないでしょうか。 逆に海外の人は繋がりが無くても下半身だけで踏めてしまう体です。 なので、ある程度雑にも踊れてしまいます。 日本人は全身が引っ張り合った、しなる棒のようなつながり。 ちなみに繋がっている人の共通の特徴は胸郭が大きいことです。 あと、つながっている人は音を外さない。 体が音を聴けるからです。 でも、噴水と張る人は音の取り方や聴こえ方が違います。 噴水は勢いが一瞬ついたらあとは惰性。 張る人は一番張る部分でウワンッ!てなる、そこが綺麗です。 張る力でつなげている人は、さらに張りたがる傾向があります。 安定させるためでしょうか? だから良くも悪くも365日、比較的同じ踊りです。 その点、噴水は踊りが日によって違う感じになりやすいです。

  • つながりとは何か?その①

    説明が難しいのですが、つながっている人、過去につながっていた人は、つながりがある人と無い人の見分けがつきます。 ダンサーでなくてもいろいろなものを見ていて目が肥えている人でも見分けがつく人はいます。 体が完全につながっているバレエダンサーは、それほど多くはいません。 ほとんどのバレエダンサーがクラシックバレエの時は形のつながりで綺麗に踊れているように見えても、コンテンポラリーの作品になった途端に床からの流れではなく体のパーツがそれぞれで動いてしまっている感じで、それっぽく動いているだけというのが分かってしまいます。 つながっている有名な人だと森下洋子さん、下村由理恵さん、吉田都さん等・・そして有名にはなっていなくてもつながっている素晴らしいダンサーも知っています。 勿論これらの方々も大好きなダンサーなので、どちらが素晴らしいということではないのですが、白人の身体のつなげかたとはやはり違うのです。 海外の素晴らしいダンサーは床から噴水のように、エネルギーを放射させて末端につなげます。 もしくは、床が逆さまになったような、コウモリのようにぶら下がっているかのようなつなげかたです。 いっぽう日本人のつなげかたは張る力でつなげます。 張っているので、海外の人よりまさに「つなげてます!」って感じです。 バレエには、おなかから作って上半身と下半身を繋げる指導方法があります。 でも、海外の人はおなか中心に作ってもおなか中心にはならない、もともと床からのつながりが強いから。 踏めない日本人も、張る力でつながると内ももが使えて踏めるようになります。 ただし、5番の軸ではなく3番よりの軸で、ターンアウトもそれほどしないままつながってしまいます。

  • 上手くなるための2つの方法、その2

    体をつなげて条件内のターンアウトで綺麗に踊るか? 床を踏んで現在の条件以上にターンアウト出来る体を作って踊るか? バレエが踊れるようになるには、この2つしかありません。 日本人で超綺麗に踊るバレリーナは、体をつなげて条件内のターンアウトをしています。 つなげた状態でターンアウトを引き出すことも出来ますが、ターンアウトを最大限に早く引き出したい場合は、つながりより先に白人の「踏む」をマスターし、上半身を開放する必要があります。 (パーソナルのお客様の状態によっては股関節が上手く突き上がらない場合、ターンアウトを優先する場合でも、つなげることをミックスしながら進めることもあります) ワガノワの女性はターンアウトを引き出すために背中は反りぎみです。 ロシアの男性はターンアウトを引き出す為に反る人もいれば、丸まる人もいます。 これは股関節をどの位置でターンアウトさせるか、そして身体のどこが強いのかで、違ってきます。 ロシアバレエはやや新体操的な部分があります。 ここが好き嫌いの別れる原因かもしれませんが、股関節の可動域を引き出す為には理にかなった動きをしているのです。 日本ではあまりターンアウト重視のやり方は好まれませんが、初期設定としてターンアウトを最大限に引き出してから、身体をつなげるのが良いのではないでしょうか。

  • 上手くなるための2つの方法

    この前のパーソナルレッスンでの出来事。 エシャッペが上手くいかないので、下半身に無駄な力が入らない位置に上半身を誘導しました。 その方の下半身と上半身がつながる位置に。 下半身を引っ張れる上半身の位置、もしくは内ももが使いやすい上半身の位置。 そこに上半身をもっていった時のその方の感想は「確かに安定するし、脚の内側も使いやすい、だけど自分の膝下がもっとターンアウトしたいと言っている。ターンアウトが理想のところまで出来ない。」でした。 これはとても正しい感覚です。 現在の条件でつなげた時の上半身の位置。 現在の条件以上にターンアウトしやすい上半身の位置。 この2つは別です。 前者はその人の現在のベスト。 だから条件以上のターンアウトはしづらいですが、つながれば身体の内側は使えます。 脚の内側も使えます。 後者はその人の未知のベスト。 未知のベストは床を踏むことで作れます。 続く。

  • 落ちこぼれではなく吹きこぼれかも

    「吹きこぼれ」という言葉があります。 生まれつき頭が良すぎて学校の勉強に物足りなさを感じる子供をあらわす学校用語です。 「落ちこぼれ」の反対です。 パーソナルレッスンをしていて、バレエでも吹きこぼれている人が少数ですがいると感じます。 バレエをやっていなくても元々ある程度踏めている人はいます。 こういった方も日本式バレエを習うと、下半身とは無関係に上半身の姿勢を決められてしまいます。 これがお腹の引き上げです。 こうして元々踏めていたのに引き上げようとすることで、どっち付かずになり、踏むことも引き上げることも出来なくなります。 本人は先生に教わったことがいつまでたっても上手く出来ないと悩み、落ちこぼれだと感じるかもしれません。 でも実際は、吹きこぼれなのです。 先生より条件が良い生徒はいます。 意外かもしれませんが、子供だけでなく大人でもいます。 膝が反り甲が出る人におなかの引き上げは向いてません。 甲が出ると脚にS字のしなりができます。 そのしなりを使ってバレエを踊ります。 おなかの引き上げをしている先生は、この脚のS字のしなりを作るのが苦手です。 普通は自分の体でやってきたことしか教えられません。 引き上げると脚はまっすぐぶら下がります。 それは生まれつき甲が出る人間からすると、中途半端に足首を曲げた立ち方です。 足首が曲がるから全身が曲がります。 こうしたことで本当は先生より才能があるのに「私はバレエに向いてない」と勘違いして、バレエを辞めてしまう人がいるのは残念なことです。 よく「先生によって言葉の表現は違うけど、同じことを言っているのです」と考えている方がいますけど、ブログを読めばわかるとおり私は全然違うことを言ってます。 パーソナルレッスンを受けてくれた方も「今まで習ってきたバレエとは全然違う感覚だけれども踊りやすくなった」と喜んでいただけています。

  • 「踏む」と「引き上げ」の割合

    バレエは床が踏めれば踊れます。(このブログに書いてあるような意味での踏むです、一般的な踏むとは違います) ですが、踏むだけで踊れる体を作るのは条件の悪い日本人には難しいです。 ですから「踏む」と、日本的な「引き上げ、張る」を混合したバレエを目指すことになりますが、出来る限り「踏む」の割合を高めたいのです。 何故なら「踏む」バレエをやっているうちに条件が良くなっていくからです。 踏むバレエは無駄な力を使わないので、可動域を最大限に使えるからです。 「引き上げ」バレエをやっていても条件は良くなりません。 体を張って引き上げると、ある程度の力が入るので、どうしても余計な力みがでます。 そうすると股関節の可動域が制限されてしまうのです。 結果として最大限にターンアウトをひき出せず、脚も高く上がりません。 力の抜けた表現も出来ません。常にパキパキした動きになります。 引き上げればバレエが踊れると思っている人が多いのですが、引き上げているからバレエが踊れないのです。 乗って乗らない、が正しいのです。 正しく床に体重がかかっていない状態で、脚に乗らないように引き上げたら「ド乗れてない人」になってしまいます。 そもそも「乗れてない」と「乗らない」も体感できないのです。 もし、張るタイプの踊りを目指したいけど股関節の可動域は制限したくない場合、初めに踏むバレエで可動域を最大限に広げてから、張るタイプの踊りにシフトしていったら良いと思います。

  • つま先の伸ばし方、その2

    「バレエ つま先の伸ばし方」で検索すればたくさんのサイトや動画が見つかりますが… 足の指を曲げない。 甲を高く。 アキレス腱を縮めない。 ヒフク筋を使わず内在筋、足底筋を使う。 そのための筋トレとストレッチ。 あとは正解と不正解の写真が2枚。 だいたいこの内容です。 バレエをやっていれば誰でも知っていることばかり。 目新しいことは何ひとつありません。 皆さん、どうやってつま先を伸ばした時の形を作るか?しか考えていない。 アテールでどういうふうに立ち、そこからどう転がして、どう反転させるか。が大切なのです。 結局どうしたら出来るようになるかは、わからない。 だから、みんな答えを教えてくれる人をひたすら探している。 有名な先生に習ってもワークショップに参加しても海外に留学してもバレエの原理がわからない。 そんな感じではないでしょうか? ネット社会になって誰でも知っているような内容は広まっているけど、しなり、転がり、反転のような本当に大切な部分はまったく知られていないのです。

  • つま先の伸ばし方

    3回にわたり床を踏むバレエの原理について書いてきました。 床を踏むこと=ポワントで立つこと、表裏一体です。 床が踏めればつま先は伸びてしまうのです。膝も伸びます。 その延長で脚も上がります。 アテールでもポワントでも内ももを使うので、自然と5番に脚が寄っていきます。 ターンアウトもしていきます。 上半身も上に伸びます。 だからバレエは受動的なのです。 よくある勘違いとして 「バレエには厳しいルールがあって、それを守らなければバレエにならない。 つま先は伸ばさなくてはいけない、5番に入れなくてはいけない」等々。 これは違います。 踏めば自然とそうなる体だからそうなっているのです。

  • 床を踏むバレエの原理、その3「反転」

    反転の瞬間が④⑤です。

  • 床を踏むバレエの原理、その2「転がり」

    ①②③がしなりからの転がり。 黒丸が踏む支点、それを移動させていく。

  • 床を踏むバレエの原理、その1「しなり」

    アテールの時のしなりのイメージ

  • 白人と黒人と日本人の踏んだ時の身体の反応

    白人の場合、踏む力を股関節に響かせる。 上半身がリラックスしやすい。 身体が上に伸びやすく、自然な表現がしやすく内面も出しやすい。 無駄な筋肉がつかない。

  • どんどん質問してください

    ビートのパーソナルレッスンは、まずお客様の困っていることを聞き、それに対して原因を説明し、身体の調整をして動きを確認し、さらに深く細かい原因を探り、また調整する。これを繰り返します。 先生が教える側、生徒は教わる側。という一方通行のレッスンではありません。 人間の身体は、ビックリするほど千差万別で、本当に宇宙を探っているようなものなのです。 だから色んなパターンの調整やトレーニングをしながら身体の反応を見ます。 ですから、毎回レッスン内容は違いますし、人によっても違います。 あらかじめ決めたことをするわけでもなく、レッスンを進めていくうちに、その場で気がついたことをどんどんやっていきます。 そうするうちに個人のオリジナルメニューが出来上がっていきます。 根本的な原因がどこにあるのか?ということを第一に考え、身体の素直な反応を注意深く確認していきます。 初めは何をやっているのか意味不明かもしれませんが、何回かパーソナルレッスンを受けるうちに何が大事で何をどうしたら良いのか頭でもわかってきます。 初回から体、動き、感覚はかなり変わりますが、説明しても頭ではなかなか理解できないだけです。 質問があれば遠慮なくどんどんしてください。 わかったふりをせず納得するまで質問してください。 すべての質問に必ず答えます。 わからない時は「わからない」と言いますが、次回までにいろいろと調べて考えてみます。 自分なりの意見を持つことはとても良いことです。 例として、こんなことがありました。 甲がポアントで立つとき引けてしまうという方がいて、甲がしなるように調整しました。 そしたら、甲が出るようにはなったけど、ふくらはぎが出っ張る(太くなる)感じがするというので、動きを確認すると、出るようになった甲が膝の裏に繋がっていなかったせいでした。 ですので、そこの感覚を作っていきました。 このように意見を言ってくださると、修正スピードも速いです。 そして、バレエ経験が少ない方も勿論いらっしゃいます。 こういう方は独自の癖が無いので、わりとすんなりと良い使い方になります。

  • 正解を全部やる

    バレエでは、先生によって言葉の表現は違うけど結果的には同じものを求めている。と言われることが多いですが、結果も違うものを求めていることが結構多いと思います。 1階に住んでいる先生に教わって良いと感じたこと。 2階に住んでいる先生に教わって良いと感じたこと。 3階に住んでいる先生に教わって良いと感じたこと。 全部正解だろうから全部やってみる、もしくは、自分に合ったものをピックアップしてやる。 これは上手くいきません。 それ以前に、まず生徒側は先生がどの階に住んでいるか、わからないのです。 教わったことをやってみて、良くなった部分もあるけど、悪くなった部分もある。 その場合は何故悪くなったのか理由を考えて解決してから次へ進まないと駄目です。 それをせず次から次へと正解を足し続けると変になります。

  • 3階建てバレエマンション

    3階建てのバレエマンション バレエマンションという3階建ての建物があったとします。 それぞれの階で、まったく別の体の使い方をしています。 ですから1階の人は1階の人同士でしか話が合いません。 1階の正解は2階だと不正解です。 1階の人は2階の人が何をしているのかわかりません。 逆に、2階の人は1階の人が何をしているのかわかります。 それぞれの階で見える景色はまるで違うのです。 股関節パカパカ運動は1階と2階の人の動きです。 3階の人の動きをするには股関節パカパカ運動は卒業しなければなりません。

  • 股関節パカパカ運動

    股関節パカパカ運動 「踵を踏むと踵を上げたくなる」 「脚を上げる感覚と下げる感覚が同じ」 そう聞いて理解できますでしょうか? 理解できない人は踏めてない人ですので、この記事を読んでみてください。 私が股関節パカパカ運動とよんでいる動きがあります。 脚を上げる時に股関節から上げ、股関節から5番に入れる動かし方です。 脚を横に上げる動きで説明します。 パカパカ動かしている人は、横に上げる時は中臀筋、5番に入れる時は内転筋を使っています。 横に上げる、5番に入れる、横に上げる、5番に入れる… これは反対の動きを筋肉で交互に繰り返しているだけです。 直線的に脚を動かすのは違います。 開く閉じる開く閉じる。 上げる下げる上げる下げる。 パカパカパカパカ。 これは2つの動作です。 横以外だと、前に脚を上げる時は大腿直筋。 後ろに上げる時は大臀筋を使っています。 これを続けていると股関節まわりに筋肉がつき、股関節まわりが固まっていきます。 ターンアウトもしなくなります。これをくりかえすと腰等痛めます。 ルルベをする時も5番に入れるのとは反対の動きです。 これも2つの動作です。 2倍努力しても綺麗に踊れません。 股関節を閉じてしっかり5番に入れて、ルルベをするとふくらはぎに筋肉がつきます。 パーソナルレッスンを受けてくれた方は皆さんは、この股関節パカパカ運動から卒業されていきます。 床が踏めると1つの感覚で2つの動作ができるようになります。 踵を踏むと踵が上がる。 5番に入れたら脚が上げたくなる。 これが床を踏むバレエです。 直線でまっすぐ下に踏むのではなく、脚をしならせてカーブで踏みます。 これをマスターすれば、あなたの今までのバレエとはまったく違うレベルに行けます。 海外留学の前や海外バレエ団のオーディション前には、これをマスターすることが必須条件となります。

  • カピッツァの振り子

    歩行時の上下動が大きいと、人間がカピッツァの振り子になるのではないかと思います。 手のひらにホウキを乗せてバランスをとる遊びがあります。 バランスのとり方には二種類あって、1つは手のひらを前後左右に「水平」に動かす方法。 これはバレエで移動する時のバランスのとり方。 もう1つは手のひらを「上下」に動かす方法。 これは主に立っている時や止まっている時のバランスのとり方で、これがカピッツァの振り子のバランス。 ピョートル・カピッツァはノーベル賞を受賞したロシアの学者です。 バレエでは、このバランス機能に螺旋も加わります。 バレエの原理を理解するにあたり、まず考えなければならないこと。 それは「人間=逆さまの振り子」ということです。 下から足首、膝、股関節、腰、みぞおち、首と6ヶ所の曲がる関節を持った振り子です。 この振り子を上下でバランスをとって体を伸ばしているのが、床を踏むバレエ。 ホームページのトップページに書いた白人の立ち方はカピッツァの振り子の動画の動きと同じです。 メトロノームのような動きです。 逆さまの振り子を筋肉でまっすぐっぽく立てているのが日本人です。 日本人は床が踏めず上にも伸びないので、体の上下動が少ないのです。 だから白人と日本人は立ち方が違うのです。 立ち方が違うから歩き方も違います。 歩き方が違うからバレエも違います。 立つ、歩くの延長がバレエです。

  • 転がらない足とはどんな足か?

    転がらない足とは、足先がある足です。 アルファベットのLのような足です。 足先があると、上下動の無い平坦な日本人的な歩き方になります。(踵の振り子軌道とつま先の振り子軌道の2つができるため) 足先がある。とは足裏にりきみがある、足の指にりきみがあるために、足の裏が平面の板のようになっている状態です。 下で平坦なのが普通の日本人。 上で平坦なのがおなかで引き上げる日本人バレリーナです。 上で平坦だと下にアクセントが無いので音楽を表現できません。 高音しか出せない歌手です。綺麗な声でもそればかりでは飽きます。 以前ブログに書いたようにパーソナルレッスンを受けた方は歩行で今まで無かった上下動を感じ「床が波打っているような」感覚になることもあります。 最近では「平らな床に立っているのに青竹踏みを踏んでいる感じがする」と言っていた方もいました。 足裏が転がるようになったため、土踏まずを強く感じるようになったからでしょう。 足の指も反りかえって、足の甲も左右に反るような足が理想です。 これも力で反らせるわけではありません。 これは非常に重要なことですが、足指&足裏が反るから足の甲が出るのです。 MBTシューズからのゲイナーです。 表裏一体、2つで1つです。 筋肉の力で甲の出た形だけを作っても意味はありません。 この脚ではポアントからアテールに機能的に下りれません。

  • ジェットコースターはバレエ

    足先が無い転がる足だと、上下動の大きい歩き方になります。 歩行には地面に片足がついてる時と、両足がついてる時がありますが、 片足支持の時が最高点。 両足支持の時が最下点。 落差のあるジェットコースターのように 、位置エネルギーを運動エネルギーに変換できます。 ジェットコースターも山あり谷あり、ラクダの背中のように上下動があります。 グライダーと同じで、ジェットコースターもエンジンなどの動力無しで動きます。 これを人間に当てはめると筋肉を使わないので疲れませんし、脚は細くなります。 落差を大きくするために、なるべく高い位置から踏み落とします。 全体重で踏むには、適切な脱力することです。 力を抜けば抜くほど、強く立てるのです。 そうすれば完全に上に上がります。 また、ジェットコースターは最前列より最後列が一番速いので、 脚も最後に動くつま先が一番速くて強いのです。 これはつま先に力を入れたり足指や足裏を鍛えているからではありません。 つま先を先に動かすのも違います。 ムチの先端が速いのと同じです。 足もムチも、中心から先端に力が波のように伝わります。 先端の力が完全に抜けているから速くて強いのです。

  • ゲイナーに合わせた立ち方=海外のバレリーナの立ち方

    箱根駅伝でも履いている人の多かったNIKEの厚底シューズ、ヴェイパーフライについて、あるランニングコーチの方が 「ヴェイパーフライに合わせた走り方=理に適った記録の出せる走り方」 「ヴェイパーフライには速く走るためのランニングフォームを引き出す効果がある」 とおっしゃってました。 ゲイナーのポワントもこれと同じようなものだと思います。 ゲイナーに合わせた立ち方=理にかなった立ち方。 ゲイナーには楽に踊れるための脚の使い方を引き出す効果があります。 ゲイナーに合わせた理にかなった立ち方とは、ドゥミを筋肉で無理やり通さず、通過させる立ち方です。 日本人のドゥミの通し方では、ふくらはぎが太くなるだけで、丁寧に使って見えるという以外に意味がありません。 足指の筋肉の力でグーっと立つのはバレエではありません。 こうした間違った立ち方をしていると、逆に足指足裏が弱くなってしまいます。 脚をしならせて、転がして、弾いて(はじいて)ポワントに立つのがバレエです。 このほうがドゥミを強く通過しますから足指足裏が強くなりますし、甲も出ます。 箱根駅伝では多くの大学がヴェイパーフライを履いているので、その中で勝つには上手く履きこなすことが必要になります。 ヴェイパーフライはアテールだけですが、ゲイナーはアテールとポワントで立った時の2種類の動きがあるので履きこなすのは難しくなります。 ゲイナーを履きこなすには海外のバレリーナと同じような踏み方をしている必要があります。 なので、ゲイナーが合わないから履かないのではなく、ゲイナーに合わせた立ち方をする必要があります。 ゲイナーに反対している方は、おそらく筋肉の力でコントロールして踊るタイプのダンサーです。

  • 足の転がり

    転がる足(ロールオーバーシェイプ)

  • 有限と無限

    エンジンで動く飛行機は複雑な動きが出来ます。 グライダーよりも高く、遠くまで飛べます。 でもグライダーにはグライダーにしかない魅力があります。 バレエもエンジン搭載型のジェットバレリーナより、グライダーバレリーナの方が自然な美しさがあるし故障もなく長く踊れるのです。 紙飛行機もエンジンがありません。 同じ折り方で紙飛行機を作ったとしても、それぞれが違う飛び方をします。 自然に個性が生まれます。 グライダーバレリーナの方は、バーレッスンよりセンターレッスンの方が体の移動が伴うので、楽に動けるはずです。 グライダーが空を飛んでいる状況になるからです。 平野から山の斜面に当たる上昇気流に乗って高く飛ぶような感じです。 高い所から低い所へ、また低い所から高い所へ、の繰り返しです。 トビがほとんど羽ばたかずに翼を広げて空をぐるぐる旋回しているように。 そうしていると「∞」無限みたいな八の字を全身が描きます。 常に重力に動かされ続けます。 常に流れ続けています。 無限で永遠を感じさせるものが、バレエと言えるかもしれません。

  • グライダーのように踊る

    グライダーの話が私の思うバレエと共通点が多くて面白いので書いておきます。 グライダーとは降下飛行する滑空機です。 降下とは高い所から低い所に降りていくこと。 降りながら飛んでいます。 バレエも正しく立てば、踏み上がります。 下に降りて上に上がる。 だから、降下飛行という言葉はしっくりきます。 日本のほとんどのバレエは気球や飛行船です。 おなかを浮かせて脚はまっすぐぶら下がる。 グライダーにジェットエンジンのような動力はありません。 グライダーの動力は重力です。 グライダーは自分の重さ(重力)を使って前進します。 バレエも本来ならばエンジン(筋肉)にそれほど頼りません。 バレエをやっている人の多くはエンジン(筋肉)を強くすることを考えて、結果として本来のバレエから遠ざかっています。 エンジンの力を借りてグライダーの真似をしても意味がありません。 人間はエンジンを強くするほど、グライダーの機能が衰えます。 そして、グライダーは構造がシンプルで、コントロール機構も簡単なので故障が少ない。 操作する機構が少なく、従ってパイロットの操作ミスによる事故が少ない。 シンプルな機能で動く方がより鮮やかなのです。 続く。

  • 根本的な原因はどこにあるか?

    今までパーソナルレッスンを受けていただいた方の多くが「いろいろな先生に教わってきて、たくさん注意してもらえたけど根本的な原因をなおしてくれる先生はいなかった」とおっしゃいます。 日本式お腹引き上げバレエでの教えは、根本的な原因を直すのが難しいのです。 なぜなら、私のやっている踏むバレエは、踏んだ結果として上に伸びる。 原因があって結果がある。 出発点があってゴールがある。 だから出発点を改善すればゴールも変わる。 お腹引き上げバレエは原因(踏む)が無く結果(上げる)だけある。 出発点が無いままゴールを作る。 だから何が原因か?わかりにくい。 お腹引き上げバレエは一種の職人芸的な技術で、教えている側も教わっている側も、一番大事な部分がわかりにくいのです。 私はお腹を使わないと言っているわけではありません。 白人の踏んだ結果使われるお腹と、意識的に鍛えて使われる日本人のお腹は似て否なるものなのです。 海外のバレエ学校に留学しても、踏み方を教えてもらえるとはかぎりません。 元々踏める人が入学してくる学校だからです。 ですから日本人が海外に留学して太ももを筋肉ムキムキにして帰ってくることがよくあるのです。 日本人がお腹を引き上げれば、内ももが使いやすくなるのはわかります。 その内ももを下に引っ張ることで、踵を遠くに押し出すことができる。 この状態を踏めると判断される方もいると思いますが、これは本物の西洋の天才が踏んだ感覚とは別物なのです。

  • 土踏まずのアーチの高さの受動的変化

    皆さんは足のトラス機構とウィンドラス機構をご存知ですか? ジャンプして着地した時などに土踏まずのアーチは低く潰れ、柔らかい状態になって衝撃を吸収するクッションの働き。 これがトラス機構。 以前に書いたイソギンチャクのパカー!です。 そして歩行でつま先で地面を蹴りだす時などには、土踏まずのアーチは元の形状を取り戻し、高く硬くなる。 そして前に進む強い推進力を生み出すバネの働き。 これがウィンドラス機構。 以上のように土踏まずのアーチは、常に状況に応じて低くなったり高くなったりしてクッションとバネ、柔らかさと強さ、という相反する働きを共存させています。 傘が開いたり閉じたりする様子を思い浮かべてください。 それを無意識に足がおこなっています。 これを意識的に「土踏まずを使おう」「土踏まずを高くしよう」と考えて足裏に力を入れると怪我をしやすくなります。 足裏に力を入れて固めているとクッション機能が無くなって関節や筋肉に負担がかかります。 アーチの骨格や腱が広がって伸びてクッションを効かせている時に、筋肉だけ意識的に縮めるのは危険だと思います。

  • 優秀な女の子②

    前回の続き。 ターンアウトも寝た状態で練習します。 意識的にお尻を使おうとするとターンアウトを最大限に引き出すことは出来ません。 踏む支点をクルンと回す、そして支点で脚を上げるを繰り返します。 まだ彼女は踏む支点で脚を上げる強さはありませんでしたが、続けていれば必ず出来るようになります。 ポワントは足の甲がしなるようになりましたが、それに比例して必要な踏む強さがまだ足りません。 特に左足が弱くアラベスクで軸が外側にいきがちですが、内側から踏む力が強くなってくれば大丈夫です。 その他いろいろやって終了。 踏むことで全身の繋がりができ、固さと重さがとれてきたら、これからもっと特別なダンサーになっていくのではないでしょうか。 今回のパーソナルレッスンで、張りつめていた力が抜けてだいぶ力まず楽に踊れるようになったと思いますので、今後は彼女の体から生まれる自然な踊りが出来るようになっていくと思います。 作られた個性ではなく、本来彼女の持っていた個性が踊りにあらわれるはずで、それは優秀な子から特別なバレリーナへと変わっていくということです。

  • 足裏の1点を探し出す

    前回の続きです。 前回初めてのパーソナルレッスンを受けた後、東京でアメリカのバレエ団のワークショップに参加したそうです。 今までの体とはまったく違って、とても踊りやすくなっていたと喜んでいました。 そして「脚の形って1日でこんなに変わるんですね」と驚いていました。 これは実際に脚の脂肪が減ったわけではなく、反応する筋肉が変わったのです。 このような脚になると実際の脚より脚のラインが細長く見えます。 まだ股関節から動かす感覚がぼやけていますが、もうしばらくこの使い方を続け、おなかや腰まわりの筋肉がゆるんでくると、股関節の位置が移動し、感覚がつかめるようになっていくと思います。 足裏の踏み方に関しては大雑把な位置ではなく、明確な一点があります。 これは個人差があります。 寝た状態でその一点を探します。 私が足裏の一点を手の指で刺激しながらフレックスから足首を伸ばすを何回も繰り返してもらいます。 一点の位置を少しずつ変えながら探します。 彼女の場合は、足の人差し指のドゥミの部分でした。 何故わかるか?と言いますと、踏める一点を私が押しながらフレックスから足首を伸ばし始めると、本人の意思とは関係なく、すべての足指が完全に反り返り、完全に開ききるのです。 イソギンチャクがパカー!っと開くように勝手に足指が開きます。 本人が意識して動かすわけではありません。 彼女の体が勝手にそうするのです。 だから人間は体のほうが頭より賢いのです。 みんな頭に体を合わせようとしますが逆なのです。 逆を言えば、ほんの少しの悪い刺激を与えると、一気にそちらに引っ張られるので、人間の体は凄く馬鹿でもあるのです。 遊び感覚で春さんの左半身と右半身で悪い刺激と良い刺激を与えて、体感してもらった時、「右と左で全然違う・・」と言ってました。 「土踏まずを使おう、足裏使おう、足指使おう」ではなく体からの理解をしなければいけません。 これが受動バレエの考え方です。 続く。

  • 優秀な女の子

    先週の土曜に福岡県から長末 春さんがパーソナルレッスンを受けに来てくれました。 コンクールでは国内でも海外でも常に上位の優秀な女の子です。 表現力もありテクニックもあり丁寧な指導を受けているんだなということがわかりました。 ですが彼女にも悩みがあり、まずポワントで立つと足首が引けてしまう、股関節から脚を使えない、腰が反ってしまう、等でした。 まず初めにおこなったことは足首と股関節の調整、そして脚の踏む支点を作り股関節と繋げました。 この時点で今までとは立った感覚、脚を動かした感覚がまったく違うことに驚いていました。 その時の彼女の言葉を書くと「今までは外側から出してしまう力を無理矢理くいとめて内側から出すようにしていたのに、今は何もしなくても自然に内側から脚が出る。脚が遠くに伸びる。」と言っていました。 見学していたお母さまは「今まで整体やらなんやらいろいろ行ってみたけど直らなかったのに」と驚いていました。 その後、床を踏もうとすると股関節が後ろに引けてしまう体だったので、踏んだ瞬間に股関節が上につき上がるように誘導していきました。 股関節の動きは股関節だけの問題ではなく、みぞおちをしめつけ肋骨、横隔膜、背中の動きを制限していることも原因の1つでした。 この場合、横隔膜が開いてしまおうが何だろうが、とにかく踏んだ瞬間に股関節がつき上がる方を優先しなければいけません。 体が低く折れ曲がったまま直すことは出来ないのです。 脚の支点と股関節が上手くリンクして、股関節がつき上がるようになれば、腰が反ることは無くなります。 このあたりで1時間半が過ぎ、パーソナルレッスンを終了しようとしたのですが、ポワントも見て欲しいとのことで延長することになりました。 ポワントでは、体を上に伸ばされる状況を作り、踏む支点を作っていきました。ポワントの場合の支点はS字なので2つです。 そしてパーソナルが終わった後も、もっとパーソナルレッスンを受けたいとのことで、月曜日の飛行機に乗る前に飛行機に間に合う場所でレンタルスタジオを借りて頂き、そこでパーソナルを行いました。 続く。

  • 動きの質

    今までビートでパーソナルレッスンを受けた人は2つに分けられます。 まず大人からバレエを始めた人です。 美容体操とかファッションでバレエをやっている大人ではなく、本気でバレエをやっている大人です。 いろんな教室、セミナー、ボディワークなどをやってきた人が多いです。 大人の皆さんはバレエの形にならないと悩んでいます。 もうひとつはバレエの形になったのに、何かが違うと感じているバレリーナ予備軍やバレエ団の若い子です。 コンクールの成績は良いけど、海外に留学したり海外のバレリーナを見て、何かが違うと気づいた子。 バレエの形がほぼ完成した後は、今までの悪い部分を全部注意して全部直すだけの指導では駄目です。 それだと減点されないバレエにしかなりません。 筋力を強くしたり、柔軟性をアップさせるのも違います。 それも自分の延長線でしか上手くなりません。 バレエそっくりの動きが出来る子。 本物そっくりの偽物の子。 こういう子に欠けているのが、バレエに動かされている感覚です。 この動きの質を変えることこそビートの得意分野です。 この両極端な人達が来てます。 両極端とは言っても、形になっているか?形になっていないか?の違いだけで、動きの質が本物のバレエとは違うという意味では同じです。 その中間の、このままもう少し頑張っていればバレエの形になるんじゃないかな?と思っている程度の人はあまり来ません。

  • おなかの引き上げバレエの時代は終わる

    本来引き上げというのは、正しく床を踏むことにより、身体の芯が作られ、外側の余分な力が抜けることを言うのです。 殆どの方は、腹筋等をして、お腹に力を入れたり、お腹を使った引き上げのことを引き上げだと単純に信じ込んでいます。 脚に体重をかけないのではなく、正しくしっかり体重をかけることで、脚の軌道を軽くし、身体は上に放射状に伸びるようになるのです。 勿論このことに気づいている、バレリーナもいます。 正しく踏めば上に伸びる。 今はピンとこない方が多いと思いますし、おかしなことを言っていると思われる方も、信用できないと思われる方も沢山いるでしょう。 ですがこれが日本バレエの常識になる時代がそのうち来ると思います。 そしてその先にあるのが受動バレエの時代です。 今20代ぐらいで海外で踊っている条件の良い人、踏むだけで踊れる人。 そういう人の中に受動的に動いている人がいます。 彼女達は受動と言う言葉は知らなくても、「動かされている」と感覚的に感じているはずです。 そういう人達が日本に帰ってきて教えるようになれば日本バレエは変わります。 そのような日本人バレリーナの方で、ご自身の動画や、言葉で発信されている方を昨日たまたま見つけましたので、ここでも紹介させて頂きたいと思います。 私と同じようなことを感じているだけではなく、発信されてる方を初めて見つけたので嬉しいです。

  • 言ってはいけない日本バレエの話を言える理由

    前回書いたような話を、他のブログではあまり見かけないのは、広く知られると都合の悪い話だからではないでしょうか? それを何故ビートのブログには書けるのか? それはビート独自の身体を変える方法を、すでに生み出しているからです。 バレエ団に入れなかった人が教えているのが、筋力で踊るバレエ。 バレエ団に入っていた人が教えているのが、おなかの引き上げばかりに頼るバレエ。 海外の人のように踏むだけで踊れるバレリーナ(踏むことでお腹が引き上がるバレリーナ)は少ない。 それを生徒に教えられる人はさらに少ない。 私がブログに書いている「踏む」は、日本人バレリーナの「踏む」とは種類が違うものです。 だからビートのブログを読んでも意味がわからない人がほとんどです。 わざと難しくは書いていません。むしろわかりやすく書いているつもりです。 このブログが意味不明だと感じたら、あなたは踏めてないと思ってください。 床を踏むということは文章で読んで理解できるような簡単なことではないのです。 私も床を踏むことを生徒さんの身体に反映させられるようになったのは2~3年前です。 それまでは自分では踏めても生徒を踏めるようにすることはずっと出来ませんでした。 「床を踏んで、踵を踏んで、床を押して、足裏3点で立って、足裏を鍛えて、土踏まず使って…」 そんなありきたりなことを言ったところで、根本的な原理が分かってないとなかなか生徒の身体に反映させることはできません。

  • 言ってはいけない日本バレエの話、その2

    残念な話ですが日本人の体は世界的に見ても、またアジアの中でも体をinに引き込む力が強く一番バレエに向いてない身体条件を持っていると言っても過言ではありません。 それでも日本人独自の器用さと繊細さで、それっぽく見える体の引き上げ方を身につけています。 それはそれで凄いことですが本来のバレエとはズレてしまっています。 日本式バレエを練習することで股関節の可動域が狭い範囲で固まってしまうと、海外のバレエの動きには対応できなくなります。 日本人的な股関節が引けた姿勢のまま筋肉が強くなってしまうと、白人と同じ位置に股関節をもっていくことができなくなるのです。 本来のバレエとはストレスフルではなく、もっともっと体を自由にしてくれるものです。 「クラシックバレエは自由ではない」とおっしゃる方がたくさんいますが、一番体を自由にしてくれるのが本物のクラシックバレエです。 将来、海外で活躍したいならば日本にいる時から本来のバレエに対応できる体作りが必要です。 ホームページの一番初めにも書いていますが、バレエそのものの基礎ではなく、その前段階の身体の初期設定が大事です。 初期設定は何年も研究を重ねたビート独自のものです。

  • 言ってはいけない日本バレエの話、その①

    日本人が海外にバレエ留学した時や海外のバレエ団に入った時。 ディレクターやバレエマスター等に、日本でやってきたバレエの基礎を否定されゼロから作りなおさせられた。という話をよく耳にします。 現地で変えることができた人もいれば、変えられないまま苦しんだ人や挫折した人もいます。 子供の頃から長い時間とお金をかけて練習してきたものが「あなたのやっている日本式バレエはちょっと変だから、別の踊り方に変えて」と言われたら「…そ、そんな~」ってなりませんか? 日本の先生が「正しい」と言っていたことが海外では「間違っている」と言われてしまうんですよ。 海外に留学したり海外のバレエ団に入って初めて気づく人もいるので、ずっと日本国内で日本のバレエをやっている人にはわからないかもしれません。 こういう話は、日本のバレエ界や今まで教えてくれた先生に対して失礼になるので声を大にして言える話ではありません。 実際に言ってかなり怒られた方も過去にいます。 ですがこれが真実ではないでしょうか?

  • タンジュの軌道

    正しくタンジュが出来ている場合、脚の軌道は直線的に出しているのではなく、感覚的には弧を描くようになります。 実際のパーソナルレッスンでは「弧を描くように出してください」と言わなくても、脚の機能を修正することで勝手に正しい軌道に誘導されます。 脚を出すときの感覚がまるで今までと違うと言われます。 脚が正しい機能を持たないまま、出し方だけマネしても、美しい軌道にはなりません。 バレエの動きは全て球で成り立っているので、 弧を描く様な軌道になるのです。 身体自体が球でないといけません。

  • バレエ界の嘘

    X脚は危ない。(X脚じゃないダンサーなんて海外にはいないでしょ) 外旋し過ぎは危ない。(マラーホフは危ないのかい?) 膝は押し込んででも伸ばせ。(四頭筋モリモリですね) 骨盤の前傾は駄目、後傾は駄目。(そもそもそういうことじゃない) 引き上げるために腹筋しろ。(腹筋したからって引き上がらない、腹筋をする資格があるのは引き上がっている人) みぞおちを閉めろ。(息が出来ない) 頭を上に引っ張れ。(首すじピンピン) 揺らすな、骨盤を固定しろ。(バランスは固定してとるものじゃない) 大転子を入れろ。(入れろじゃなくて入っていくが正しい) 踵をとにかく前に出せ。(ねじれる) ふくらはぎを使って甲を出せ。(アキレス腱を痛める) 足の指先を器用に使え。(足首が正しく機能してないと意味が無い) アラベスクは腹筋を使え。(腹筋を使ったことにより前に倒れる人には向かない) 胸から反れ。(股関節が正しく機能してないと胸から反るとお尻が出る) グランジュッテでは前脚をとにかく上げろ。(上体が残らないから滞空時間が短く見える) 足首を揺らすな。(じっくりと世界的に有名なバレリーナの踊っている時の足首を見てみよう) 5番に入れ過ぎるな。(5番にどれくらい入るか?は脚のしなり具合と股関節の外旋具合と大転子の収まり具合による) 床を踏んだだけでは踊れない。(それは踏めてない、または踏み方を間違えています) 目を輝かせろ。(意味が無い) 空気椅子が良い。(は?)

  • バレエ教室の選び方

    最近、バレエの先生方の間で、この様な話をされていました。 先生や教え方にこだわりをもって開いているスタジオのほうが生徒が集まらなくて、とにかく安い金額で働いてもらえる先生を雇って、安く気軽にバレエを習えるスタジオに生徒が集まる。 なかには、バレエはきちんと教えない!そのかわりにコミュニケーションや礼儀をバレエを通して学びましょう!というような売りで繁盛しているスタジオもありますね。 親御さんの気持ちとして、子供に沢山の習い事をさせたいから本格的に教えてもらえるより、まずは手軽にやらせてみたい、そして向いていれば真剣にやらせても良い。という方もいれば、とにかくバレエという名前がついているものをやらせたい。という方もいるでしょう。 ですが、バレエを間違ってやると前横後とすべての方向に完璧に体を壊していきます。 脚のラインも崩れていきますし、下半身太り、骨格のねじれ、外反母趾、筋肉の肥大化、筋肉の緊張による肩こり腰痛や不眠も引き起こします。 実際にバレエをしている方で、レッスンをした日は眠れないという方は少なくないのです。 そういう意味で他のダンスやスポーツより危険かもしれません。 他のスポーツは踏めてない人でも形を真似することは出来ます。 バレエは踏めてない人が見よう見まねでやると体に凄く負担がかかります。 立っているだけでも無理!って感じです。 バレエは踏めている人にしか出来ない動きをするからです。 それを力や柔軟性でどうにかしようとすると、おかしな部分に筋肉がついて、おかしな部分が柔らかくなりますよ。 踏めてない人が使いやすい部分、使わない部分。 踏めている人が使いやすい部分、使わない部分。 これは真逆と言っていいぐらい違います。 踏めてない体で中学生から部活に入っても、たいした結果は残せません。 スポーツでも音楽でも。 スタイルも悪くなります。 良いことは本当に何も無いです。 あらゆる分野で子供の才能を潰すことになります。 なのでバレエスタジオ選びはよく考えた方が良いです。 とはいっても、選び方なんて知識がないから分からない、という方は今から上げることがあてはまるスタジオは、よく考えてから入れた方がよいでしょう。 ・生徒さん達の脚が身体バランスに対して太い(間違った使い方で筋肉が肥大化しています) ・高校生ぐらいの生徒がいない(思春期の女の子は信頼できる先生を選びます) ・生徒さん達の笑顔がない、委縮している(

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