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THE X-CHAPTERS / Xチャプター https://blog.the-x-chapters.info/

米国東側の某都市に在住して早十数年。洋書を和書に近いスピードで読めるようになりたくて奮闘中。読書の感想、本の情報、読書を通して学んだ英語などを綴っています。

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2019/09/24

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  • 【本棚探偵 第五弾】『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリの本棚から15冊

    有名人の動画の背景に映った本棚を勝手に解析する本棚探偵、第五弾になりました。 今回は、あの『サピエンス全史』が世界中に売れに売れ、なんかすっかり「世界の知性」「世界のご意見番」「賢人」っぽくなっているヘブライ大学教授、歴史学者、哲学者、イスラエルの天才ユヴァル・ノア・ハラリ先生の本棚を捜査。 ハラリ先生の『サピエンス全史』、誰も彼もみーんな面白かった面白かったって大騒ぎでしたよね。一人くらい「グーグー寝ちゃって読めなかった!」という正直な人がいてもいいのに・・・ひねくれものの私は大変苦々しく思っておりました。そこで、 「でもハラリ先生ってさあ、本棚は意外とつまんないんだよね」という展開を期待し…

  • 「一番怖かった本、教えて」海外巨大掲示板の本好きによる絶対読みたくなる怖い本20選

    海外の本好きのおすすめする怖い本20選! 海外巨大掲示板「あなたの一番怖かった本教えて」スレッドで人気だった本を解説・紹介

  • ワクチンに関する偽情報・誤情報の65%を流している12人、【Disinformation Dozen】はどんな著作を出しているのか

    「7月4日の独立記念日までに、接種の資格がある国民の7割がCovid-19のワクチン接種を完了する」バイデン政権発足当初の上記の目標を、約一か月遅れで8月初旬についに達成したアメリカ。しかし、ここまで長かった。 ワクチンの数は充分にあり、ワクチン宝くじだのなんだのあの手この手で接種させようとしているのに、遅々として接種数が伸びない日々が続いた。その道のりの途中で、大きく話題になったのが、バイデン大統領の「Facebookのようなソーシャルメディアは人を殺している(They are killing people)」という発言。「いいですか、今、コロナで亡くなっているほぼ全員がワクチン未接種の人た…

  • オバマ元大統領、2021年の夏の読書リストを発表

    まだホワイトハウスにいる頃、夏に気に入った本をシェアし始めて、今や楽しみな恒例行事みたいになってしまった。今年のリストはこれ。これらの本を、私と同じくらいみんなが楽しんでくれることを願っている。 (バラク・オバマ元大統領、7月9日のTwitterより)While we were still in the White House, I began sharing my summer favorites—and now, it’s become a little tradition that I look forward to sharing with you all. So here's thi…

  • 【本棚探偵 第四弾】アンソニー・ホプキンズ、レジーナ・キング、ポール・ラッド

    有名人の動画の背景に映った本棚を勝手に解析する本棚探偵、第四弾になりました。 米国全土でワクチンばらまきが進んだせいで、自宅から本棚を背景にリモート出演してくれるセレブが激減。もう本棚探偵、仕事激減で廃業の危機です。 が、私の有名人本棚画像コレクションには、まだまだ在庫がありますよ。パンデミック真っ最中の昨年の動画からの抽出画像が中心となりますが、今回は以下の三人をチェックしてみましょう! アンソニー・ホプキンズ 認知症を認知症者の視点から描いた意欲作として話題の映画『The Father(邦題:ファーザー)』。この映画で、英国の名優アンソニー・ホプキンズは認知症が進行していく男性の恐怖や混乱…

  • 村上春樹の海外メディアとのインタビュー「過去の作品は、はき終わったパンツ」・・・疲れているのか?春樹

    もしかして日本国内より、海外でのほうが熱狂的に崇拝されているんじゃないかと感じる作家、村上春樹。 日本出身です、と自己紹介すると、 「ハルキ・ムラカミが好きです!」 とすごく熱く返されることがあるんだけど、そのたび罪悪感を感じる私。だってだって、4,5作くらいしか読んでいないから・・・。しかも、こういうレベル。高校時代の友人「この本、読んでみて! すごくエロいの!」 高校時代の私「ほんと~!? 100%純愛小説、って帯に書いてあるけど。純愛ってエロくない恋のことだと思ってた。」 高校時代の友人「むしろ逆だよ~。主人公の男が、出てくる女の登場人物のほとんど全員とヤッてるの!!」 高校時代の私「そ…

  • マイケル・ルイスのパンデミック検証本 ヒーローはCDCなんかじゃない!!『The Premonition: A Pandemic Story』(by Michael Lewis)

    The Premonition: A Pandemic Story (English Edition)作者:Lewis, MichaelW. W. Norton & CompanyAmazon 現在、アメリカ国内は、ワクチンばらまきが功を奏して、各地のコロナウィルスの感染者数は激減。もうすっかり「ウエーイ終わった終わった」ムード。 それにしても、アメリカさんよ。 アメリカのコロナ対策は、全世界が認めるひどい有様だった。死亡者数は間もなく60万人を越えるのではという段階に達している。 感染防止のためのちょっとの我慢も共闘もできなかった国民で溢れたそんな国が、バンバン金にモノを言わせてワクチン量産…

  • さすがグラッドウェル、やや無駄もあるが面白いことは間違いない『Talking to Strangers(邦題:トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと)』by Malcolm Gladwell

    我々は、他人と話をせざるを得ない。 特に現代のボーダーレスな我々の世界ではそうだ。 もはや村社会に暮らしているわけじゃない。 We have no choice but to talk to strangers, especially in our modern, borderless world. We aren’t living in villages anymore. 警察官は自分の知らない人を呼び止めなくてはならない。 諜報部員は、欺瞞や疑念に対処しなくてはならない。 若者たちはわざわざ見知らぬ人との出会いを求めてパーティーに行きたがる。それが恋愛の出会いのスリルをなしえているんだから…

  • ミステリ好き注目! ネタバレ無しで2021年エドガー賞最終候補全6作品を語る

    ミステリー小説界のアカデミー賞のような存在、エドガー賞*1。 先日、ふとした興味でエドガー賞を徹底捜査してしまった経緯は以下の記事の通り。選ぶ側の大変さに脱帽した。 blog.the-x-chapters.info 審査員たちの苦労に敬意を表し、今年2021年の長編小説部門の最終候補6作品を全て読んでみた。 エドガー賞最終候補作の翻訳状況 でも最新のエドガー賞を語られだって洋書なんか読まないし・・・というあなた。過去10年のエドガー賞を見て下さい、ほら! すごい翻訳率です。 以下、過去10年のエドガー賞長編小説部門の最優秀賞ノミネート作品の一覧。各年の一番上の行の太字作品が大賞受賞作で、作品名…

  • アメリカの図書館で最も文句つけられる問題本・禁止本、最新ベスト10

    毎年この時期の恒例、アメリカ図書館協会(American Library Association)による「最も異議・抗議が寄せられた本ベスト10(Most Challenged Books)」が発表になりました。 昨年2020年の一年間で学校、大学、公共図書館に寄せられた、 「図書館から撤去すべきだ」 「青少年向けの棚に置くな」 「内容を変えろ」 と言った抗議や異議申し立てを追跡し集計した結果、以下の10冊が名誉のランクイン。 今のご時勢でホットな問題が一目瞭然なベスト10であり、ご自分のお子さんに読ませるかどうかは置いといて、分別のある大人なら一度は目を通しておいて損は無い名作がずらりと並ん…

  • 「すごい! くぎづけ! 必読本!もう眠れない!」・・・洋書のカバーに踊る宣伝文句「Blurb」が嫌われ過ぎ

    現在、2021年のエドガー賞(ミステリ小説界のアカデミー賞みたいな賞)の最終候補作品6作全部を原書で読破しようと頑張っている。 その中の一冊の表紙が目を引いた。 イアン・マキューアンのお褒めの言葉が表紙に!! マキューアンと言えば、(特に英語で読むと)5分以内の快適な入眠を約束してくれるザ・純文学な大御所先生。なぜマキューアンが、こんなどこの馬の骨とも知れない(失礼)インドの作家のミステリ小説に推薦コメントを?? 表紙でマキューアンの名が浮いている。いやそれにしても、マキューアン、あなたは真剣に薦める気があるのか?「A brilliant debut.」 たったの三単語。やる気が感じられない。…

  • 英語が全然わからなくても絶対読める洋書を紹介する!!

    これからご紹介する洋書の数々・・・英語が苦手、もしくは全然わからない方でも最後まで読めますよ。 だって英語が書いていないから!! そうです、今回取り上げるのは「Wordless Picture Book」と呼ばれるジャンルの洋書です。言葉を一切使わず、絵だけでストーリーを表現することに挑戦している本たちです。 なんだ絵本か~とバカにしたあなた。一度、Wordless Picture Bookの世界を知ったら、そのミニマルかつ深遠な世界にはまります。はっきり言って芸術です。高尚です。子供の読み物と思ってはいけない。これらの本を鑑賞することと美術館に絵を観に行くことと何が違うというのか。 言葉に頼…

  • 【本棚探偵 第三弾】アマンダ・ゴーマン、ジェーン・グドール博士、ダニエル・カルーヤ、ジャレッド・レト

    有名人の本棚を勝手に解析する本棚探偵、第三弾。 なんかコロナが落ち着いてきた(アメリカ基準でね)せいで、自宅の本棚の前からリモート中継出演してくれる有名人が少し減って、従来のスタジオでの出演に戻ってきている感じ。いいことなんだろうけど、本棚探偵としては寂しい・・・。 憧れのあの人の本棚が見られるのも今だけかも? ということで、楽しみましょう!! 今回は、以下の4名の御方々の本棚を探偵しました。それぞれのお方の人となりが出ている本棚です。 アマンダ・ゴーマン アマンダ・ゴーマンさん、PBSの番組出演映像より 今、アメリカで一番勢いある女の子の一人。 これまでもすごかったとは言え、バイデン大統領の…

  • Z世界大戦の生存者たちのインタビュー集・・・新しい形式のゾンビ文学『World War Z』(by Max Brooks)

    中国で発生した謎の疫病。 必死の隠蔽工作を繰り広げる中国。疫病はあっという間に各国を巻き込んだパンデミックに。しかし、人類はそのあまりにも常軌を逸した疫病を、自分の身に脅威が本当に迫ってくるまでどうしても現実的にとらえることができない。大国アメリカは、軍事力をはじめ世界最高のリソースを誇りながらもトップが無能でそれを使いこなせず、脅威の前になすすべもなく屈するという体たらく。その時、イスラエルは、ロシアは、南アフリカは、キューバは、そして日本は・・・? コロナ危機を記録したノンフィクション・・・・・・ではなく、これは米国人作家マックス・ブルックスによる2007年刊行の小説『World War …

  • 【エドガー賞徹底捜査】エドガー賞、誰がどうやって選んでる?

    賞の名前に使われているエドガー・アラン・ポー先生。機嫌悪そう。 著名な米国の文学賞のひとつ、エドガー賞。 先日、2020年のエドガー賞長編部門大賞作品をすごく楽しみつつ読んだものの、ちょっと「・・・これが大賞?」という感じで、エドガー賞の権威自体に疑問が湧いた。 よって、今回は、エドガー賞を徹底捜査してみました。 どんな賞 正式名称「エドガー・アラン・ポー賞」、1946年から続く由緒ある文学賞。 約68人のジャッジが、前年にアメリカで発表された約2000のミステリー関連の本、短編小説、テレビ番組や映画を「長編小説」「デビュー小説」「YA小説」「犯罪実録」「TVエピソード」「映画脚本」などの部門…

  • 2020年エドガー賞受賞! 現代を舞台にしたゴシック・ミステリ、雰囲気は最高『The Stranger Diaries』(by Elly Griffiths)

    『Stranger Diaries』米国版表紙 英国人作家エリー・グリフィスによる2019年3月刊行(本国イギリスでは2018年11月)のミステリー小説『The Stranger Diaries』を読んだ。 2020年のエドガー賞の長編小説賞の大賞を見事、受賞した作品。邦訳は見つけられず。今後の日本語版刊行予定もわかりませんでした。The Stranger Diaries: a completely addictive murder mystery (English Edition)作者:Griffiths, Elly発売日: 2018/11/01メディア: Kindle版 作者のエリー・グリ…

  • 怪奇と魔法とSFと秘密結社とラヴクラフトと・・・人種差別! すごいマッシュアップ!『Lovecraft Country』(by Matt Ruff)

    2016年2月刊行のアメリカ人作家マット・ラフによる小説、『Lovecraft Country』を読んだ。Lovecraft Country: A Novel (English Edition)作者:Ruff, Matt発売日: 2016/02/16メディア: Kindle版 残念ながら邦訳はまだ出ていない様子。 作品も作者も批評家には高く評価されていたものの、ジョーダン・ピール、J・J・エイブラムス等のビッグネームが製作に入って2020年にドラマ化されるまで、それほど知名度は高くなかったと言っていいと思う。HBOドラマ『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』予告編 www.youtube.co…

  • 『レディプレ』原作第二弾、相変わらずの80年代全開、日本推しは前作より控え目『Ready Player Two』(by Earnest Cline)

    極めてオリジナルであり抗いがたいノスタルジアに満ちている『Ready Player One』は、ジャンルを破壊してしまうほどの野心的で魅力的なデビュー小説だ。冒険小説あり、ラブストーリーあり、仮想スペース・オペラあり、それらが繰り広げられているのは、呪文を唱える魔術師たちが日本の巨大ロボットでバトルし、映画『ブレード・ランナー』にインスパイアされた惑星があり、デロリアンが光速で飛び交う宇宙なのだ。 ― ジャスティン・トルドー、インディペンデント紙 At once wildly original and stuffed with irresistible nostalgia, Ready Pla…

  • 近未来と80年代が融合するオタク礼賛SF小説は、まるで日本へのラブレター『Ready Player One(邦題:ゲームウォーズ)』(by Ernest Cline)

    『Ready Player One』米国版表紙 I held the Beta Capsule high over my head and pressed its activation button. 僕はベータカプセルを頭上に高くかかげ、起動のスイッチを押した。 There was a blinding flash of light, and the sky turned crimson as my avatar changed, growing and morphing into a gigantic red-and-silver-skinned humanoid alien with g…

  • 本棚探偵、再び! 河野太郎大臣、シュワルツェネッガー氏など

    しょっぱなから色々と不穏・不安な2021年。 ここはやはり他人の本棚への飽くなき好奇心を追求することで、暗い現実から目を逸らすしかない。ということで、2021年、本棚探偵始動! 前回の本棚探偵は一挙9名で盛りだくさん過ぎたため、今回からは(まだまだやる気です)少し人数を絞りたいと思います。 blog.the-x-chapters.info まずは、前回調査時、それほど誰も気にしていないのに今回まで引っ張った、 「ティム・クックとジャスティン・トルドーの本棚の両方に鎮座していた謎の本」。 左:ティム・クックの本棚から、右:トルドーの本棚から バーンズ&ノーブルの「US History」の棚で発見…

  • 2020年大ヒット海外ドラマの原作本・・・ドラマのノベライズ本みたい『The Queen’s Gambit』(by Walter Tevis)

    『The Queen's Gambit』表紙 2020年の海外ドラマといえば「これ!」 とにかく有名人から一般人まで気持ち悪いくらい大絶賛の、チェスの天才少女の成長を描いたNetflixのミニシリーズドラマ、 『The Queen's Gambit(邦題:クイーンズ・ギャンビット)』。 予告編はこちら。 youtu.be この呪われた一年、たくさんテレビを観てきた。みんなそうだろ。その中でも最高なのがNetflixの『The Queen's Gambit』。もう完全にわくわくしたね。『The Trial of the Chicago 7(邦題:シカゴ7裁判)』に勝るものは無いと思ってたけど、こ…

  • オバマ元大統領の2020年お気に入り本を解説

    悪いことできないナンバープレート発見 2020年ももうすぐ終わりだし、私の今年のお気に入りのリストを皆さんに伝えたい。まずは、今年気に入った本から。第44代大統領とかいう人の『A Promised Land』もすごいいい本だと思うけど入れないでおくよ。皆さんにも私と同じくらいリストにある本を楽しんで読んでほしい。(バラク・オバマ、2020年12月17日のTweetより) オバマ元大統領2020年12月17日のツイートより 毎年末恒例、バラク・オバマ元大統領による、その年に気に入った本や音楽、映画のリストが発表されました。 今回は、そのお気に入り本リストを徹底捜査したいと思います。 なんというか…

  • 2020年の当ブログの運営に思うこと、アクセス数が多かった記事のランキングなど

    Gordon JohnsonによるPixabayからの画像 今年も、更新のペースはめちゃくちゃでしたが、なんとかこのブログを続けることができました。 よく皆さんがやっているように、通年のアクセスログの変動グラフなどを出せばいいのでしょうが、あまりにも少ないアクセス数に、「げっ、こんなに少ないのか!もう読むのやめよう・・・」と、引いてしまう方がいらっしゃると悲しいのでアクセス数は伏せておきます・・・。 私はブログで稼ごうという気も無く、自分が書きたいから書き、知ったことや読んだことを残したいから書く、そんな気持ちで記事を投稿し続けているだけですが、それでもやっぱり100記事を越えても始めた頃とア…

  • 英国から老人探偵団登場! 2020年下半期大ヒットのコージー・ミステリ『The Thursday Murder Club』(by Richard Osman)

    『The Thursday Murder Club』表紙 人を殺すことなど簡単だ。 死体を隠すところ、そこが難しい。 そこで捕まってしまうものだ。 だが私は運のいいことにちょうどいい場所を見つけた。 実に完璧な場所だ。 Killing someone is easy. Hiding the body, now, that's the hard part. That's how you get caught. I was lucky enough to stumble upon the right place, though. The perfect place, really. (From T…

  • 2020年は「本棚探偵」の年!! ジェフ・ベゾス、ティム・クック、ナタリー・ポートマンなど有名人の本棚の捜査結果

    ナタリー・ポートマンさんのインスタ画像より 暗黒の2020年がもうすぐ終わります。 全地球が苦しんだそんな2020年が生んだ数少ない楽しみ、それは「本棚探偵」です!! 有名人と言う有名人がこぞって自宅や自分のオフィスの本棚の前から各種メディアに出演してくれた今年、普段から人の本棚に執着する私の欲望はより一層めらめらと燃え上がりました。目を皿のようにして、何が本棚にあるのかを見続けましたよ。 ニューヨーク・タイムズ紙の本棚探偵さんがなかなかいい仕事をしてくれていますが、私も負けずに有名人の本棚を全力捜査。 表紙ではなく背表紙で本を推理するのは、図書館全市閉館中(Covidがまだひどい地域なんです…

  • 2020年ベスト級のノンフィクション、6人の統合失調症者を生んだ大家族を通して統合失調症研究を追う『Hidden Valley Road』(by Robert Kolker)

    『Hidden Valley Road』表紙 2020年4月刊行、オプラ・ウィンフリーのブッククラブの課題図書に選ばれて一気に話題になり、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーランキングNo.1、年末にはそのNYタイムズ紙はじめ、ウォールストリートジャーナル、タイム誌、ピープル誌、NPRなど数々のメディアの「2020年のベスト・ノンフィクション本」に選出された本。Hidden Valley Road: Inside the Mind of an American Family作者:Kolker, Robert発売日: 2020/04/07メディア: ハードカバー 著者のロバート・コルカ―は、未解…

  • 800万部突破! ミレニアル世代のお兄さんからゆるふわ世代にお説教『The Subtle Art of Not Giving a F*ck(その「決断」がすべてを解決する)』(by Mark Manson)

    『その「決断」が全てを解決する』洋書版表紙 長い目で見れば、マラソンを完走するほうがチョコレートケーキを食べるより幸福だし、子供を育てる方がビデオゲームやってるより幸福だし、やりくりが大変でも友達と小さなビジネスを始めるほうが新しいコンピューターを買うよりも幸福だ。 In the long run, completing a marathon makes us happier than eating a chocolate cake. Raising a child makes us happier than beating a video game. Starting a small bus…

  • どうするどうなるトランプ大統領のホワイトハウス回顧本の100億円(?)契約

    2020年11月17日発売のオバマ元大統領の回顧録『A Promised Land(日本語題:約束の地 ※日本では2021年2月発売)』が売れまくっています。A Promised Land作者:Obama, Barack発売日: 2020/11/17メディア: ハードカバーgakugei.shueisha.co.jp 読書家でも知られるオバマさん、相当の気合を入れた様子です。700ページ越えの大著を上梓、しかもすべて原稿は手書き。明治の文豪か? 暇なんですかね? 腱鞘炎が心配です。よく頑張ったオバマさん!! と、思っていたらこれは二部作の前編でしかないっていうじゃないですか。ガクッとなりました…

  • ついにコロナウィルスが官能ロマンス小説に! くだらなさで話題騒然『Kissing the Coronavirus』(By M.J. Edwards)

    (Amazon.com 商品紹介ページより)彼女はコロナの特効薬を開発するはずだった。 そのかわりに・・・愛してしまった。 ー(中略)ー 『Kissing The Coronavirus』は、許されぬ愛と暗い欲望を叶えるエロティックな物語。 M.J.Edwardsのデビュー小説であり、失業後の生活費の支払いのために書かれた。Twitterは@MJEdwardsAuthor She was supposed to cure the Coronavirus. Instead... she fell in love with it. (snip) Kissing Coronavirus is a s…

  • スティーヴン・キング、近づく大統領選挙への思いを新聞の論説文で発表

    スティーヴン・キング大先生。 トランプ大統領と現政権の批判を、来る日も来る日もTwitterで吠えていらっしゃいます。 前回2016年の選挙の際も、当時ヒラリー・クリントンさんと大統領の座を争う候補だったトランプをそれはそれは激しくこき下ろしていらっしゃいました。トランプが大統領選に勝利した後は、その現実を受け入れられなかったのか、「もうしばらく黙るよ」とつぶやきをやめてしまったことも。ちょこっと心配になりましたが、黙っていられない性格なのか、ちゃんと復活して懲りずにその後も一貫してトランプ批判を連投していらっしゃいます。 その批判つぶやきというのが、もはやなんというか本当に胸の内のむかつきを…

  • 究極の「ご想像にお任せします」小説? 幽霊屋敷モノの古典にして傑作『The Hauting Of Hill House(丘の屋敷)』(by Shirley Jackson)

    この間まとめた、米国の人気作家が自分を怖がらせた本を語る特集記事で、多くの作家に言及されていたシャーリイ・ジャクスン作の『The Hauting Of Hill House(丘の屋敷)』を読んだ。丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)作者:シャーリイ・ジャクスン発売日: 2008/10/12メディア: 文庫The Haunting of Hill House (Penguin Modern Classics)作者:Jackson, Shirley発売日: 2009/10/01メディア: ペーパーバック 1959年刊行。約60年前の小説か・・・。1959年、昭和34年。 ディアトロフ峠事件が…

  • 想像するしかない超絶恐ろしい状況で人体には何が起こるのか? 虫関係がもうダメ・・・『And Then You're Dead』(by Cody Cassidy, Paul Doherty)

    『And Then You're Dead』より 突然ですが、皆さんは、以下のどれかのような状況を経験したことがあるでしょうか?飛行機搭乗中に上空で飛行機の窓が外れる。 ブラックホールに飛び込む 生きたまま墓に埋められる。 くじらに飲み込まれる。 サメに食いちぎられる。 大砲の先につっこまれてぶっぱなされる。 樽に入ってナイアガラの滝を落下。 バナナの皮に本気で滑る。 プリングルスの工場のポテトのプロセス機の中に転落。 百万の弾倉がある銃でロシアン・ルーレット。 粒子加速器に手を突っ込む。 私はひとつも無いんですよ~どうなるか知りたいので明日やってみます! ・・・というわけにはいかないじゃない…

  • 迷惑メールに返信してみたことありますか?『Dot.Con: The Art of Scamming a Scammer』(by James Veitch)

    「外国を旅行中、強盗に何もかも盗られた! これじゃ帰国できない、すぐ現金送って!!」 「ゴールドでいっぱいの金庫を見つけた。輸送を手伝ってくれたら利益は山分け」 「モスクワに住む真剣な恋がしたい女の子です」 などなど、そんな迷惑メールが来たことありませんか? 日本にいる時よりこっちに来てからの方がこの手の英語メールがわんさかフィルタにかかるようになりました。一度、実際に旅行をたくさんしている友人の名で「外国で足止めされてる、お金送って、助けて!」メールが来て本当に心配になって返信しかけたこともあります。 この本の著者、英国のコメディアンであるジェイムズ・ヴィーチは、そこで本当に返信しちゃった人…

  • 10月は怖い本月間! NYタイムズ紙が人気作家に聞く「あなたの一番怖かった本、教えて!!」

    10月です。 日本だと怖い本や怪談話は真夏の風物詩ですが、アメリカでは10月がホラーシーズン。やっぱりハロウィンがあるから?? 怖い本、怖い映画特集をあちこちで見かけます。 中でも、ニューヨーク・タイムズの2018年の特集、人気作家たちに彼らを一番怖がらせた本を聞いた記事が面白かったのでまとめました。The Book That Terrified Neil Gaiman. And Carmen Maria Machado. And Dan Simmons. - The New York Times シャーリィ・ジャクソンの『The Haunting of Hill House(丘の屋敷、たたり…

  • 禁書週間に全米図書館で過去10年間一番もめた本を読んでみた『The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian(はみだしインディアンのホントにホントの物語)』(by Sherman Alexie)

    アメリカは、9月27日~10月3日まで禁書週間(Banned Books Week)でした。 全米各地の公共図書館や学校図書館で抗議殺到でBanされてしまったり、目立たない棚に移動させられてしまった本たちに脚光をあて、本の検閲に関して考える全米図書館協会主催のキャンペーンです。 この週にちなんで、全米図書館協会が過去10年(2010年~2019年)に抗議が多かった本トップ100を集計して発表しました。 Top 100 Most Banned and Challenged Books: 2010-2019 Advocacy, Legislation & Issues トップの方にランクインし…

  • がんばれJKローリング!がんばれトランスジェンダー!炎上商法成功おめでとう『Troubled Blood』(by Robert Galbraith)

    ロバート・ガルブレイスa.k.a J・K・ローリング『Troubled Blood』 ロバート・ガルブレイスことJ・K・ローリングによる2020年9月15日発売の大人のミステリ大作『Troubled Blood』。私立探偵コーモラン・ストライク&ロビンのシリーズ5作目です。Troubled Blood (A Cormoran Strike Novel Book 5) (English Edition)作者:Galbraith, Robert発売日: 2020/09/15メディア: Kindle版 「パートでも探して働けよ」という声が頭にガンガン鳴り響くのを無視しながら、全977ページとの格闘を…

  • お騒がせJ・K・ローリング、新作でまた物議! 炎上劇場、その後

    JKローリング、ロバート・ガルブレイス名義で新作発表。トランスジェンダー関連の炎上のその後

  • 変な表紙警察です! 洋書になって変な表紙にされた日本の本たち

    洋書になった日本人作家の本の表紙。変なのが結構あるので、集めてみました。

  • アメリカには読書感想文が無いの? アメリカ、読書感想文事情

    アメリカの子供も読書感想文を書くのか? アメリカの小学校の作文指導、Book Report、Book Reviewの違いなど。

  • 【読書感想文】使えるテンプレート3例 そのままコピペしちゃおう!

    の昔、読書感想文で某都道府県知事賞を受賞した私が、いろんな本にそのまま使える読書感想文のテンプレート作りました。3つ考えたので、好きなの使ってね!

  • あなたの人生は習慣でできている!習慣で人生が決まる! 100万部突破後も勢いが止まらない、米国で大ヒットの自己改善ガイド『Atomic Habits(邦題:ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣)』(by James Clear)

    『Atomic Habits』の原著表紙と日本語版表紙 2018年10月刊行後、一年も経たずに100万部突破。発売後まもなく2年が経過しようという今も、ニューヨークタイムズ紙ベストセラーランキングの「アドバイス、ハウツー」のジャンルで第3位、2020年8月第二週の米国アマゾンのノンフィクション本ランキングで9位。40か国語以上の言語で世界中で出版されています。 日本語版も出ていますが、またまたタイトルが謎。『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』 ・・・・・・。 以下に原著の表紙と裏表紙をほぼ直訳してみたのですが、原著のどこに「ジェームズ・クリアー式」だの「複利」だの「1つの習慣」の…

  • 俳優ロブ・ロウの自伝、スキャンダルのことはあまり語られていないけど、本人の朗読はさすが『Stories I Only Tell My Friends: An Autobiography』(by Rob Lowe)

    80年代の映画スター、そして近年は『West Wing(邦題:ザ・ホワイトハウス)』などのテレビドラマでしぶとく活躍中の俳優ロブ・ロウ。 私の中では、「もてもてでちゃらちゃらしている顔だけの俳優で歳とって消えてった」という位置づけの俳優だったので、先日下記の記事を偶然読み、「こんな人だったっけ」と驚いてしまいました。 www.newsweekjapan.jp まあ、記事を読む限り、残酷な言い方ですが彼の場合は「終わりが分かっているから頑張れた介護」という部分もあり、高齢者介護にあたっている方には響かないかもしれません。それでも名も無い人々に暖かい励ましを送る文章は心を打たれるものがありました。…

  • 今やすっかりアメリカのドリーム夫婦となったゲインズ夫妻。奥さんジョアンナの料理本はそんなにいいのか『Magnolia Table』(by Joanna Gaines, Marah Stets)

    どうして、こいつら ↓↓↓ はこんなに人気があるんだー!! 最近、こやつらの顔をあちこちで見かけます。 magnolia.com この方々は、チップ・ゲインズとジョアンナ・ゲインズという方々で、ご夫婦です。 私はテレビをほとんど観ないので乗り遅れましたが、いつのまにかすごい人気になっていました。特に奥さんのジョアンナのほうは、もう「ライフスタイルの教祖様」という感じです。信者がうようよと発生しております。どうした負けてるぜ、こんまりさんよ! テレビで勝手にやってくれている分にはいいのですが、こやつらは回顧録だの料理本だの、本の分野にも進出しまくっています。そして自分の雑誌まで創刊しやがった!!…

  • NYタイムスマガジン掲載の小川洋子さんのエッセイ、原爆の記憶をつなぐ文学の紹介と美しい文章に涙・・・でも読者のコメントが・・・

    『博士の愛した数式』などで知られる作家小川洋子さんのエッセイが2020年8月6日付でニューヨークタイムズ・マガジンに掲載されました。 「How We Retain the Memory of Japan’s Atomic Bombings: Books(日本の原爆の記憶をどうやってとどめておくか:本)」という、小川さんが日本語で書いたものを英訳したエッセイです。 「たとえ原爆を実際に経験した人が一人もいなくなっても、優れた文学作品が言葉も残せず亡くなっていった名も無い人々の声を運んでくれる。それに耳を傾けよう」という内容。 紹介されている本は、『これが人間か』(プリーモ・レーヴィ)、『ふたりの…

  • Netflixのドラマで再評価、FBIの犯罪プロファイリングの先駆者による回顧録にして70-80年代の米国凶悪犯罪のクロニクル『Mindhunter(日本語題:マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班)』(by John E. Douglas, Mark Olshaker)

    To understand the “artist,” you must study his “art.” (「芸術家」を理解したいなら、その芸術家の「芸術」を理解しなくてはならない。)(-snip-)There is no substitute for experience, and if you want to understand the criminal mind, you must go directly to the source and learn to decipher what he tells you. (ー中略ー 経験に替わるものは無く、犯罪者の思考を理解したいなら、直接…

  • 一組の男女の20年間を、毎年彼らの7月15日だけで綴った愛と友情と成長の物語『One Day (日本語題:ワン・デイ) 』(by David Nicholls)

    英国の作家/脚本家デイヴィッド・ニコルズによる三作目の小説。本国では2009年刊行、その後アメリカなど外国でも大ヒットし、2011年にはアン・ハサウェイとジム・スタージェスが主演した映画版も公開。One Day作者:Nicholls, David発売日: 2010/02/04メディア: ペーパーバック 日本語版はこちら↓ワン・デイ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)作者:デイヴィッド ニコルズ,David Nicholls発売日: 2012/05/05メディア: 文庫ワン・デイ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)作者:デイヴィッド ニコルズ,David Nicholls発売日: 2012/05/05メディア:…

  • 自閉症を美化し過ぎでは? 自閉症はどこから来てどこへ行くのかに迫った渾身のノンフィクション 『Neuro Tribes(日本語題:自閉症の世界)』(Steve Silberman)

    この本の著者スティーブ・シルヴァーマンはシリコン・バレーの科学・テクノロジー系のライター。 2000年代に、彼はシリコン・バレーの伝説の開発者やその家族に自宅取材を申し込みますが、二回続けて同じような返答をされます。「自宅には自閉症の子供がいるんだけど、いいだろうか」 両家族には血縁は無いのに。これは偶然なんだろうか。 Everything I knew about autism I had learned from Rain Man, the 1988 film in which Dustin Hoffman played a savant named Raymond Babbitt who…

  • 2020年ピューリッツァー賞受賞! "Black Lives DON'T matter"時代のフロリダの少年院で、自由を夢見た黒人少年たちの物語『The Nickel Boys』(by Colson Whitehead)

    2019年7月刊行のコルソン・ホワイトヘッドの9作目の本。The Nickel Boys: Winner of the Pulitzer Prize for Fiction 2020 (English Edition)作者:Whitehead, Colson発売日: 2019/07/16メディア: Kindle版 2016年刊行の『Underground Railroad(日本語題:地下鉄道)』で、ピューリッツァー賞や全米図書賞など著名な文学賞をとりまくったコルソン・ホワイトヘッドですが、今作でなんと人生二度目のピューリッツァー賞フィクション部門を受賞。100年を越える賞の歴史の中で、フィクシ…

  • キング家長男ジョー・ヒル作、血ドバドバ涙ボロボロ目玉と首ゴロゴロのホラー+ダークファンタジー+青春マンガ『Locke & Key (日本語題:ロック&キー)Vol.1-6』(Story by Joe Hill, Illustrated by Gabriel Rodriguez)

    ジョー・ヒルが作話を担当し、漫画家ガブリエル・ロドリゲスと組んだコミック・シリーズ。 ジョー・ヒルは、徐々に徐々に人気が出てきて「スティーブン・キングの息子」という前置きがされなくなってきましたね。 『Locke & Key (ロック&キー)』vol.1-6 初回「ラヴクラフトへようこそ」が2008年2月刊行で、全36話の最終話が2013年12月に刊行。完結まで5年以上を要する大河ドラマになっています。 『Y: The Last Man』とか『The Walking Dead』と言ったほかのいわゆる「大人マンガ」のヒット作ほどの知名度は無かったものの、じわじわと人気が出て、2011年にはアイズ…

  • M・アトウッド、サルマン・ラシュディなど著名文化人たちが「みんななんかコワいよ・・・言論の自由はどこ行った?」と公開状発表! J・K・ローリングは入れないほうよかったんじゃないの

    米国だけでなく世界中で弱者や少数者の権利擁護の運動が高まる中、それらの問題に少しでも意義を唱えたり、議論を求めたりすることも許さない空気も蔓延。これでいいのか?と文化人たちが声を上げました。が、お騒がせさんも入っていて、その声はまっすぐには届かなそうな感じ・・・

  • ハリポタ作者J・K・ローリング絶賛炎上中! もはや性の多様性の問題ではなくなっているような・・・

    炎上。英語では「be under fire」が一番近い表現でしょうか。 言わずと知れたハリー・ポッター作者のJ・K・ローリングさんが、トランスジェンダー関連の発言で先月からアンダーファイアーで、いまだ鎮火せず周辺に燃料が撒かれて火が燃え広がっている感じです。 私は、世間のハリー・ポッターの熱狂に乗り遅れ、慌てて第一巻だけ読み、その後読むのをやめてしまった人間です。作者にもシリーズにもそれほど思い入れはありません。 でも、作者がこれまで長い間SNSなどで一般読者や弱者に常に近い距離で寄り添い、女性の権利のために発言したり、とにかく進歩的で知的な人格者というイメージで行動してきたことは私でも知って…

  • 文学=暗い? ジョジョ・モイーズさんと英紙ガーディアンの読者が「ハッピーな文学」を探す!!

    悲しくて気が滅入る題材ばかりで飽き飽きしています。でもラブコメ本じゃないものが読みたい。文学作品でハッピーな小説ってありますか? (56歳、匿名、ニューヨーク) I’m tired of sad and depressing themes, but want something that’s not a romcom in book form. Are there any happy novels that are also literary? Anonymous, 56, New York City 読者からの本に関する質問に作家たちが答える、英紙ガーディアンのコーナー『Book Clini…

  • なぜか抗議活動のシンボルに祭り上げられた『Diary of Wimpy Kid (グレッグのダメ日記)』のマニー君。作者はちょっと可哀想

    『グレッグのダメ日記(Diary Of A Wimpy Kid)』の弟、マニー君 昨日の夜、Wimpy Kidシリーズの作者ジェフ・キニーさんがTwitterで以下のようにつぶやいているのを見ました。 Lots of people are asking me right now how I feel about my character being used as an anti-police symbol. Honestly, I don't like it. The Black Lives Matter movement needs to be taken seriously. 最近、私の…

  • インスタ発ベストセラー! 全米がやさしさに包まれた一冊で涙・・・のはずが私には判読すらできない『The Boy, the Mole, the Fox and the Horse(邦題:ぼく、モグラ、キツネ、馬)』(by Charlie Mackesy)

    2019年秋に刊行されて以来、売れまくっている本。 アメリカの大手書店チェーン、バーンズ・アンド・ノーブル(B&N)のBook of the Yearにも選出され、年をまたいだ2020年6月現在もニューヨーク・タイムズの「アドバイス、ハウ・ツー等」のジャンルで第二位、米国アマゾンの「Literary Graphic Novel」なるジャンルで第一位。Amazon.com『The Boy, the Mole, the Fox and the Horse』のページより 日本でも8月下旬に飛鳥新社さんから邦訳が出版予定のようです。The Boy, The Mole, The Fox and The …

  • ”覚える系”のお勉強をしている方は一読の価値あり 記憶術の達人によるやる気の出る暗記テクニック本『Unlimited Memory』(Kevin Horsley)

    『Unlimited Memory』表紙 ドラえもんよ私に暗記パンを出してくれ! 誰か私に「睡眠学習」なるマシンを買ってくれ~! 楽して覚えたいんだよー! こう心でため息をつきながらやみくもに丸暗記に励み、試験が終わったらあっという間に忘れていた虚しい学生時代。 なんでどうしてこういう本を読まなかったんだ・・・。 私のやるべきことは睡眠学習の広告を読むことではなかった! 虚しい努力を続ける前に、効率良く覚える方法や学習方法、集中力を高める方法などを先に少しでも模索するべきだったんじゃないか? ただただ時間をかけて頑張ったことに自己満足して勉強した気になってただけでは? そんな後悔にギリギリと歯…

  • なんか本屋のほとんど全部の本の表紙に書いてある気がする「NEW YORK TIMES BESTSELLER」、どうしてそんなに大事?

    アメリカの本の表紙にこれでもか!これでもか!と飽きずにプリントされている宣伝文句「New York Times Bestseller」。あまりによく見かけるので、私は「またか!他に言うことないんかい」と苦笑してしまいます。 以前、当ブログの記事にも書いた通り、アメリカの本には日本の本で言う所の「帯」が無いので、「〇〇さん絶賛!」「○○万部突破!」「全米が泣いた!」みたいな宣伝は、すべて本の裏表紙に本の要約とともに載せられるのが大半です。そのため、表紙には短くビシッと誰にでもわかる宣伝が一言二言入れられるだけ。それが洋書の表紙のスタイルの定番で、装丁の美しさを保っているとも言えると思います。 そ…

  • お子さんに「S〇Xって何?」って聞かれたらあなたはどう答えますか? 21世紀の性教育本感が満載『Sex is a Funny Word』(Written by Cory Silverberg, Illustrated by Fiona Smyth)

    私の人生においてエポック・メイキングな瞬間があるとすれば、そのひとつは間違いなく、「ほとんどの大人はみんなS〇Xというものをしている!! 親も、まじめそーな先生も、えらそうなおじさんも、コワいおばさんも!! どんな高貴な人も!! そーりだいじんも!!」というのを知った時です!! それかい!とあきれられそうですが、私のように、「それ以来自分を取り巻く世界の見方ががらりと変わった」という人は多いはず。 私の場合は、小6の時、そういうことを説明したがる友達に目からウロコをはがされた感じでした。もやもやとすっきりしなかった疑問が消え、そうだったのかと様々なことが腑に落ち、本や映画の理解のしかたが変わり…

  • すごい野球愛!トム・ゴードン愛!ウォークマン愛!あまり知られていないけどキングの真骨頂だと思う『The Girl Who Loved Tom Gordon(邦題:トム・ゴードンに恋した少女)』(by Stephen King)

    She was lost but would be found. She was sure of it. (私は迷子になったけど発見される。きっとそうなる。) Tom Gordon gotten the save and so would she. (トム・ゴードンがセーブしたんだから、私だって助かる。) From The Girl Who Loves Tom Gordon by Stephen King このところ、森をさまよってばかりいます。 3月に始まったロックダウン以来、学校にも公園にも行けなくなってしまった我が家の重度発達障碍児が散歩にはまってしまったためです。 世の中に何が起こって…

  • ハーラン・コーベン初のYAシリーズ おうちで暇を持て余してるティーンにも大人にもおすすめ・・・英語だけど『Shelter』『Seconds Away』『Found』(by Harlan Coben)

    「俺の父さんは、死んでるのか生きてるのか?どっちなんだよ?」 「生きていますよ」正気なのかよくわからない笑みで彼女は言った。「あなたの中でね。」 老いた女性をひっぱたきたいと思ったことは今まで一度も無かったが、そうしてやろうかと思った。 「俺の中で、だって?」 「そうですよ。」 「おい、なんなんだよ、ライオン・キングかよ。父さんが生きてるって言ったのはそういうことだったのか?」 (ハーラン・コーベン『Shelter』より) “He’s either dead or he’s alive. Which is it?” “He is alive,” she said, with a smile t…

  • 「公共の図書館にこんな本置くなっ!」全米図書館協会発表、抗議が多かった本の最新ランキング

    「なんでこんな本を図書館に!? あんたのうちの本棚だけにしときな!!!」 こんな声が寄せられるのは、各地の自治体図書館、学校図書館の常のようです。 図書館に置いてある本や貸し出しが多かった本からその時代の人々の興味や考えが分かるのは当たり前ですが、実は「図書館に置かれなかった本、置くことを反対された本」にも同じくらい時代の空気や人々の倫理観が見えるもの。 今回は、全米図書館協会(American Library Association)が毎年発表している前年中に抗議が多かった本のランキングを紹介します。 それでは、2019年の抗議本ベスト10をどうぞ!!1) 『George(邦題:ジョージと秘…

  • 人体発火現象を起こす双子との出会いで主人公が見つけた新しい人生とは?『Nothing to See Here』(by Kevin Wilson)

    日本でも、『地球の中心までトンネルを掘る(原題:Tunneling to the Center of the Earth: Stories)』『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活(原題:The Family Fang)』などの翻訳小説があるベストセラー作家ケヴィン・ウィルソン。『ファング~』は、2015年にジェイソン・ベイトマンとニコール・キッドマン主演で映画にもなりましたね。 www.youtube.com 今回読んだのは、そのケヴィン・ウィルソンが昨年2019年10月末に刊行した新作『Nothing to See Here』。年をまたいで2020年になってもあちこちの読書会(コロナ禍なの…

  • 前回投稿を反省し、アメリカでの「おうち時間」をもう一度考える

    Image by arupert88 from Pixabay 前回の記事では、はてなブログのお題「#おうち時間」に対して、「おうち時間ってなんだよ!そんなのステキな時間無いよ!親はただの苦行時間だって!!」といらいらと書き殴った私ですが、投稿した直後くらいにTwitterで以下のツイートを見て、横っ面ビンタで張り倒されたかのように目が覚めました。 Twitterより ほんとそうですよね。その通りでございます、としか・・・。 体調があまり良くない時にちょうど学校の長期休校が発表になり、「このまま秋までずっとこうなのか・・・」とがくっと来た気持ちにまかせて記事を投稿してしまいました。反省していま…

  • おうち時間!? そんなかわいい名前で呼べない・・・

    「おうち時間に皆さんは何をしているか教えて下さい」 「おうち時間 何してる?」 おうち時間? そんな生ぬるい時間など無い!!! 何してるか? 面倒見なくちゃいけない人の面倒みてるだけ!! ブログに記事にするような「何か」をする時間などゼロです。「自分のことを自分でできない人」を家族に抱えている人は、このコロナ危機で普段ただでさえ無い時間がますます無くなっているだけではないかと思います。 米国東側の某州からこれを書いていますが、自宅待機生活が始まってから一か月ちょっとが経ちました。 始まった当初は少し長い春休みという感じで軽く考えてたんですけど、先日知事命令で州の学校はすべてこのまま夏休みに突入…

  • マーガレット・アトウッド80歳、コロナ危機や隔離生活を語る。ご自身の隔離中の読書リストも!!

    4月8日にカナダのレジェンド作家、マーガレット・アトウッドが、ニューヨークタイムズ誌のポッドキャスト番組に出演されました。ホストはアメリカ人作家のシェリル・ストレイド。 大御所によるなかなか貴重な対談だったと思うので、今回はその中のおもしろかったところをまとめました。もとのポッドキャストと記事はこちら↓ www.nytimes.com お写真を拝見するたびに、その見事な魔女っ鼻に見とれ、ハロウィンで良いアルバイトができるのではないかと思ってしまうアトウッドさん。黒い服を着せてほうきにまたがらせてみたい方です。 昨年2019年には、ご自身の代表作である1986年発表の『The Handmaid'…

  • ロリータ+MeToo? 15歳の少女と42歳の教師との関係は愛なのか虐待なのか『My Dark Vanessa』(by Kate Elizabeth Russell)

    「私たちはよく似てると思うんだ、ネッサ」彼は囁いた。 「君の書いたものからわかるんだ、君は私のようにダークでロマンティックなんだってね。君はダークなことが好きなんだよ」 “I think we’re very similar, Nessa,” he whispers. “I can tell from the way you write that you’re a dark romantic like me. You like dark things.” 『My Dark Vanessa』米国版表紙 2020年待望のヒット必須本としてこれまたHype(発売前の宣伝や騒ぎ)がすごかった一冊。20…

  • 世界のこんまりアメリカで新著発表 取材でときめきいっぱいのコロナウィルス・ダイアリー公開

    近藤麻理恵さんの新しい本『Joy At Work』がアメリカで4月7日に発売になります。Joy at Work: Organizing Your Professional Life作者:Kondo, Marie,Sonenshein, Scott発売日: 2020/04/07メディア: ハードカバー 今回の本はライス大学の心理学の教授との共著で、職場におけるこんまりメソッドの適用に焦点をあてている様子。 稟議書や請求書なんて回って来てもときめかないのでシュレッダーへ、ときめかない雑用を頼んできたヤツには顔面パンチ、ときめかない上司は窓からポイ、ときめかない仕事は今すぐやめてときめく夢だけに向か…

  • 致死率99%の伝染病で文明が崩壊・・・それでもこの世界は愛おしく美しい『Station Eleven(邦題:ステーション・イレブン)』(by Emily St. John Mandel)

    Hell is the absence of the people you long for. (From Station Eleven by Emily St. John Mandel) 地獄とは、会いたくてたまらない人々がそこにいないことだ。 (エミリー・セントジョン・マンデル著『ステーション・イレブン』より) カナダ人作家エミリー・セントジョン・マンデルによる2014年刊行の小説。2014年の全米図書賞最終候補、2015年アーサー・C・クラーク賞を受賞。感染力・致死率の高い病気で壊滅状態となった世界の人間模様を描いた作品ということで、コロナウィルスの世界的な大流行により数年前の作品ながら…

  • 不法移民たちの命がけの逃亡劇と国境越え! 出版後の批判騒動のほうが興味深い『American Dirt(邦題:夕陽の道を北へゆけ)』(by Jeanine Cummins)

    列車から落ちる者もいるだろう。多くが不具の身となるか負傷するだろう。多くが、死ぬ。あなたたちのうち実に多くが誘拐され、拷問され、人身売買に使われ、人質にされるだろう。それらを生き延び、アメリカまでたどり着ける幸運な者もいるかもしれない。そういう者はこんな恩恵を被るだけだ。太陽の下、砂漠でひとりぼっちで死ぬ。悪徳密入国あっせん業者に見捨てられる。あるいはあなたの目つきが気に入られないというだけで麻薬密輸のギャングに撃ち殺される。あなたたちはひとり残らず持ち物をすべて奪われる。一人残らずだ。アメリカまでなんとか生き延びても、一文無しになってたどり着く。必ずだ。 Some of you will f…

  • 小説の盗作はもはややりたい放題? 英語圏の有名盗作スキャンダル

    盗作:Plagiarism 私のPCでは「とうさく」が「倒錯」で最初に変換されてしまうのはなぜ? Plagiarism、発音はプレーィジァリズムという感じ。よりカジュアルに「パクリ」という感じで使うなら「rip off」でしょうか。 先日、当ブログでも、アメリカで最近話題になった小説の盗作疑惑の一件に触れましたが、英語圏の出版業界ではこの「Plagiarism」や「rip off」の疑惑が後を絶たないようです。 古くはヘレン・ケラーから、最近ではJ. K. ローリングまで、有名盗作スキャンダをまとめてみました。1.ヘレン・ケラー『The Frost King(邦題:霜の王様)』(by Hele…

  • ピンチをチャンスに!『Hey, Kiddo』のクロザウスカさんが休校期間中は毎日お絵かき教室を配信!

    現在、米国某所のコロナウィルス感染拡大中の街から書いています。 とうとう私の住む自治体も、半ロックダウン状態になりました。映画館やカジノなどのエンターテイメント施設はクローズ、飲食店はテイクアウト以外は営業禁止、10人以上の集まりも禁止で警察が見つけた場合は罰金を科す場合もあるとか・・・。食料品や日用品の買い占めもひどく、トイレットペーパーはビットコインならぬバットコイン(butt=お尻)などとふざけて呼ばれる始末。 でも何が辛いって、図書館全館閉鎖です・・・。私の魂の避難所が・・・。もうダメだ・・・。 閉鎖の予告メールが来てすぐ行ってみたのですが、あんなに図書館の本棚がスッカスカなのを初めて…

  • 当ブログの有料版移行に伴い、ドメインを取得したりブログ名を変更したのですが・・・・・・

    これほど大変とは思っていませんでした。 「いつでもできる」「有料化のリンクをクリックしてお金を払うだけ」と思っていました。 収入ゼロの身としては、続けられるかどうかわからないものにいきなりお金を出すのは抵抗があったのです。「ろくに記事数も無いうちから有料版使うからもとをとるために互助会使ったりするやつが多いんだ!」みたいな先輩ブロガーさんたちの記事もあったし。 まずは適当にサイト名決めて始めて、書いて書いて100記事くらい書けたらきちんとやってみようとまじめに頑張っていたのに・・・。 バ カ で し た・・・。障害その1)初期登録時に「居住国」を日本以外の国を指定すると、有料版にはできません。…

  • 中学校教師と女生徒の不毛な恋愛が疲れる 盗作騒動で話題の一冊『Excavation: A Memoir』(by Wendy C. Ortiz)

    今年2020年、アメリカでヒット必須の本として、ケイト・エリザベス・ラッセルのデビュー作『My Dark Vanessa』という本があります。 簡単にあらすじを書くと、「本好きな中学生が自分のその知性をよく理解してくれる中学の国語教師と出会い深い関係を持ってしまう。そして何年も後に大人になってから、彼女はその教師が今や性犯罪者(Sex Offender)として逮捕されていることを知るのだった。彼女にとっては、彼女とその教師の関係は大切な真剣な初恋だったのに・・・」 という、なんともセンセーショナルで、かつMeTooムーブメントでティーンの頃に性犯罪の被害に遭った被害者が次々と声を上げている今、…

  • セラピストも人生に行きづまったらセラピーに行くのか?? プロの心理セラピスト兼作家によるセラピー業の舞台裏『Maybe You Should Talk to Someone』(by Lori Gottlieb)

    歯医者さんは、歯が痛くなったら他の歯医者さんに行くのか? 自分で治療するのか? 美容師さんは、どこで自分の髪の毛を切るのか? 自分で切るのか? 人生相談の回答者は、悩みを誰かに相談するのか? 自己解決するのか? セラピストさんたちは、セラピーを受けるのか? 自分で自分を心理分析できるものなのか? そもそも心の専門家だから行きづまりも感じないものなのか? こんな疑問を持ったことがある方は、私だけではないはず。 「あなた、誰か専門家に相談したほういいんじゃない?」という意味合いのタイトルを持つ本書『Maybe You Should Talk To Someone』は、プロの心理療法士として診察業務…

  • 「コロナウィルスで隔離されたら、どんな本読む?」米・巨大掲示板Redditより

    コロナウィルスに関して、今のアメリカは日本とほぼ同じ推移を数週間遅れでたどっている感じです。感染者・発症者ゼロだった田舎の州でも、ちらほらと感染報告が聞かれるようになってきました。生活必需品の買い占めなどもニュースになってきたり、都市部では休校になる学校がちらほら出てきたり。日本からするとまだまだのんびりしたもんです。私の住んでいる地域では、まだ日常生活への影響は全く感じられず、これから何かが起こるのだろうかとぼんやり考えているような段階です。 しかし、アメリカの本好きの皆さんの雑談でもコロナウィルスは避けては通れない話題になってきたようで、巨大掲示板のRedditではこんな話題にたくさんコメ…

  • 母はヘロイン中毒、でも青年はまっすぐに夢に向かって生きた。生い立ちに悩むすべての人に読んでほしい、実話のグラフィック・ノベル『Hey, Kiddo』(by Jarrett J. Krosoczka)

    父のことをどうしたらいいか考えようとしているうちに、母の日がやってきた。母の日はいつだってメッセージカードを選ぶのが難しい日だった。 「お母さんは、いつだって僕のためにそこにいてくれたね」 「お母さんみたいな母親がいて、僕は幸運だ」 「お母さんが何年にも渡って僕にしてくれた素晴らしいことを全部思い返した時・・・」 どれも僕と母の関係にはあてはまらない。カードの会社はこういうカードは作らなかった。 「クスリというクスリを全部やってたとしても、あなたはそれでも素晴らしい母親だよ!」とか、「ねえ、覚えてる? 刑務所にいて、僕が成長していく姿を全部見逃した時のことを」とか。 (『Hey, Kiddo』…

  • 元祖・ロマンス小説の表紙男ファビオ様、そしてファビオ様の記録を抜いたバカさん

    ロマンス小説の顔、ファビオ様だ! ロマンス小説とラブストーリーに関して考察する記事にもちらっと書きましたが、私にはアメリカのロマンス小説の表紙の男が全員同じに見えます。 hyakunennokodoku.hatenablog.com 皆さんもうちょっと個性を出せないものか、と思うくらい同じような顔やポーズで一年中寒くても暑くても脱いでいる人たち。アメリカのロマンス小説のターゲット読者のストライクゾーンは狭いということでしょうか。 しかし、実際同じような男性が繰り返し使われていたとは!

  • ジョン・グリーン人気がよくわからない『Looking for Alaska (日本語題:アラスカを追いかけて)』(by John Green)

    ジョン・グリーン、アメリカですごい人気があるYA作家です。ジョン・グリーン信者がいっぱいいます。 作家としても大成功していますが、ヴロガー(Vlogger、YouTuberとは少し違う気もするけど動画投稿する人)としても大成功。そっちのほうで信者を増やしたのかも? お勉強系コンテンツから、弟とコンビでやっている「私生活さらけ出します」系のやつまで、とにかくここまで動画投稿が流行る前の十数年前に始めて今も続けている、というのが人気の秘訣でしょうかね。

  • アメリカのある連続レイプ事件が浮き彫りにする、レイプという犯罪の闇の深さ『A False Report: A True Story of Rape in America』(by T. Christian Miller, Ken Armstrong)

    "Many detectives avoided sex crimes if they could. They weren’t as high profile as homicides; nobody came looking to do a movie about a rape case. " 「多くの捜査官ができる限り性犯罪を避けていました。性犯罪は殺人事件ほど目立たない。レイプ事件を映画にしようと人はいないでしょ。」 "Where homicides were black and white, rape was filled with grays. And rape victims we…

  • ロマンス小説 VS ラブ・ストーリー

    2月ですね。バレンタイン、楽しく過ごしましたか? 図書館や書店でも、この季節にちなんでロマンス小説のコーナーが作られているのを見かけました。私も、今日はニコラス・スパークスとロマンス小説に関して少し書きたいと思います。 皆さんはニコラス・スパークスという作家をご存知でしょうか。彼の名を知らなくても、『メッセージ・イン・ア・ボトル』『きみに読む物語』『ウォーク・トゥ・リメンバー』『親愛なるきみへ』『ラスト・ソング』『ロンゲスト・ライド』・・・などの映画名は、耳にしたり聞いたりしたころがある方も多いと思います。そうです、すべてニコラス・スパークスが原作です。出した小説の半分くらいがメジャースタジオ…

  • ありがとう、さようなら、サスペンスの女王メアリ・ヒギンズ・クラークさん『Where Are the Children? (邦題:子供たちはどこにいる)』(by Mary Higgins Clark)

    You really can’t control your life. Most of the time you don’t act; you react. (From Where Are The Children by Mary Higgins Clark) 本当は誰も人生をコントロールすることはできない。ほとんどの時間、あなたは行動しているんじゃない。反応しているのだ。 (メアリ・ヒギンズ・クラーク『子供たちはどこにいる』より) ”Today is the first day of the rest of your life.” (From Where Are The Children b…

  • 意外!アメリカでは紙の本が結構売れてるんだって!!

    Image by Myriam Zilles from Pixabay 本好きの皆さん!ちょっと意外なニュースを見つけましたよ。Good News Networkというポジティブなニュースのみを集めたサイトにこんな記事がありました。「本を手に持つ喜びは時代遅れにならず:売り上げは5年連続の伸び」 www.goodnewsnetwork.org この記事によると、紙の本の販売数はアメリカ国内で2013年から5年連続で前年比で増えているとのこと。

  • 好評の一作目に続き、今回も主人公の私生活とミステリのバランスが良い『The Shadows We Hide』(by Allen Eskens)

    ”Sometimes home isn’t a place, it’s a person, and my home had always been right here, with Sarah.” 「家ってもんは、場所じゃなくて人のこともあるんだ。私の家は、いつだってサラと共にいることだったんだ。」 『The Shadows We Hide』表紙、前作と対照的に今回は夏のミネソタ デビュー作『The Life We Bury (償いの雪が降る)』が大ヒットしたアレン・エスキンスによる2018年11月刊行の小説。『The Life We Bury (償いの雪が降る)』の主人公ジョー・タルバート君…

  • 「この商品は私の人生を変えました!」がお約束、アマゾンの面白レビュー集『Did You Read That Review?: A Compilation of Amazon's Funniest Reviews』(Amazon Reviewers)

    This item has changed my life! This product saved my life! ↑上記のどちらかをタイトルにした方がよかったんじゃないかと思う、米国アマゾンの面白レビュー集。レビュー集が本になり、そしてその本にまたレビューが付くという・・・もう何がなんだかわからない時代です。Did You Read That Review?: A Compilation of Amazon's Funniest Reviews (English Edition)作者:Amazon Reviewers出版社/メーカー: Amazon Publishing発売日: 2014/…

  • 読むのをやめてしまった本たち

    私のTwitterのタイムラインは、「今日もこんなに洋書を読みました!」「今月で〇万語読めました」等々、日本に住んでいながら「こんなに英語ができます」「こんなに英語きちんと勉強しています」という方々のまぶしいツイートで溢れています。Twitter社まで、私を追い詰めようとしているのか? どうせ、私は今日もろくに誰とも英語なんて話さなかったよ・・・。こうやって日本語ばっかり書いてるし読んでるし。 私はこのブログに洋書の読書感想などを書いていますが、はっきり言って読んだ本と同じくらい、いやもしかしてそれ以上に完読できなかった本があります。在米生活の長さに対しびっくりするくらい英語ができません。そこ…

  • スティーブン・キングの最新長編、超能力を持つ子供たちの戦いを描いたサスペンス・スリラー『The Institute』(by Stephen King)

    スティーヴン・キング『The Institute』米国版表紙 「なあ、ジェイミソン、自分が生きてると思ってる人生ってのは現実じゃないんだ。影絵の劇でしかないんだよ。俺ってやつは、そこでライトが消えると喜ぶやつさ。暗闇じゃ、影は全部消えるからな。」 “You know, Jamieson, this life we think we’re living isn’t real. It’s just a shadow play, and I for one will be glad when the lights go out on it. In the dark, all the shadows …

  • 『New Kid』がグラフィック・ノベルで初のニューベリー賞の大賞を受賞!おめでとう!!

    先週、2020年のニューベリー賞とコルデコット賞の発表がありました。2020年のニューベリー賞とコルデコット賞大賞受賞作 2005年のニューベリー賞大賞受賞作『きらきら』を取り上げた記事の中でもニューベリー賞に関しては簡単に触れましたが、もう一度さらっと書くと、アメリカの児童文学の文学賞で最高峰の賞です。 hyakunennokodoku.hatenablog.com ニューベリー賞は、全米図書館協会主催の1922年から続いている権威ある賞で、多分芥川賞とか直木賞とかとは比べ物にならないくらい金が動く賞とも言えます。受賞作は、大賞受賞を示す金色のメダル型シールが貼られて大量増版されて本屋に平積…

  • 冬に読みたい良作ミステリ、謎解きより主人公の人生の行く末が気になる『The Life We Bury(邦題:償いの雪が降る)』(by Allen Eskens)

    『The Life We Bury』米国版のカバー なんじゃこの日本語版の題名はー!! 『償いの雪が降る』・・・、演歌かい!! ほんと、よくこんなポエムなタイトル思いつくもんだなあと半ば苦笑しつつ感心してしまいました。じゃあもっといい邦題あるのかと言われたら、原題をそのままにする以外考えつかないんですもの。Bury=埋める、葬る。「I」じゃなくて「We」になっているのもポイントです。登場人物のそれぞれが心の奥深くに埋めた人には言えない過去や秘密と向き合うという、小説の内容がよく表れた良いタイトルだと思うのですが、確かに日本語に訳しにくいですね。The Life We Bury作者:Allen …

  • スティーブン・キングの自伝+小説教本 クドい!でもそこがいい『書くことについて』(スティーヴン・キング)

    英語版『On Writing』より 本書のなかで、私はいかにして「書くことについて」の技と術に通じるようになったか、いま何を知っているのか、どうやって知ったのかを、できるだけ簡潔に語ろうと思っている。 (『書くことについて』前書きより) What follows is an attempt to put down, briefly and simply, how I came to the craft, what I know about it now, and how it’s done. (『 On Writing: A Memoir on the Craft』) 簡潔・・・こ、これで!?…

  • オバマさんもおすすめ、現代の若い世代の恋愛を丁寧に見つめた小説『Normal People』(by Sally Rooney)

    I don’t know what’s wrong with me, says Marianne. I don’t know why I can’t be like normal people. (snip) I don’t know why I can’t make people love me. I think there was something wrong with me when I was born. (from Normal People by Sally Rooney) 自分の何がおかしいのかわからない、マリアンは言う。どうして普通の人たちみたいになれないのか。(中略) どう…

  • アメリカの小説家/元出版エージェントによる小説の書き方ガイド『How to Write a Novel』(by Nathan Bransford) 第三回

    『How to Write a Novel』の電子版より 前回に続き、小説の書き方ガイド『How to Write a Novel』に関するエントリ第三回目です。How to Write a Novel: 49 Rules for Writing a Stupendously Awesome Novel That You Will Love Forever作者:Nathan Bransford出版社/メーカー: Nathan Bransford発売日: 2019/10/09メディア: ペーパーバック

  • アメリカの小説家/元出版エージェントによる小説の書き方ガイド『How to Write a Novel』(by Nathan Bransford) 第二回

    『How to Write a Novel』の電子版より 前回に続き、小説の書き方ガイド『How to Write a Novel』に関するエントリ第二回目です。How to Write a Novel: 49 Rules for Writing a Stupendously Awesome Novel That You Will Love Forever作者:Nathan Bransford出版社/メーカー: Nathan Bransford発売日: 2019/10/09メディア: ペーパーバック

  • アメリカの小説家/元出版エージェントによる小説の書き方ガイド『How to Write a Novel』(by Nathan Bransford) 第一回

    一月も気が付けばもうすぐ半ば。あちらこちらのブログで皆さんの実にいろんな新年の抱負を見かけました。しかしどれも意外なほどまともで、「鼻からうどんを食べてギネスに載ります」とかぶっとんだものは皆無。世間の皆さんの良識に安堵すると同時に、「匿名ブログなんだから、もっとここでしか言えない秘められた抱負とか書く人はいないわけ?」と思ったりもしました。 というわけで私の抱負を書きます。

  • あの時、別の選択をしていたらもっと良い人生があったのだろうか?『Dark Matter (日本語版題名:ダーク・マター)』(by Blake Crouch)

    愛され、待たれながら、毎日家に帰ってくる人たちがいるのはなんという奇跡だろう。 私はいつでもそのありがたさをわかっていると思っていた。しかし、ここで寒さの中で座っていると、それを当たり前と思っていたのが分かる。そういうものだろう? 自分が手にしているもの、それらすべてがどれだけ危うくかつ完璧な状態にあるかなど、覆されるまでは知る由もないのだ。 (ブレイク・クラウチ著『ダーク・マター』より) What a miracle it is to have people to come home to every day. To be loved. To be expected. I thought I…

  • バラク・オバマ元大統領の2019年お気に入り本リスト

    毎年末恒例、オバマさんによるその年のお気に入りの本のリストが発表されました。 全17冊+スポーツファン向けにおまけ2冊。結構私が読んでる本が多くて嬉しかった・・・わけはなく、まったくもって一冊も知りません! タイトルと著者名を見てもなんのこっちゃなので、一挙19冊、簡単に調査して解説を載せました。

  • 2019年にバズって大ベストセラーになったサイコサスペンスは、愛と復讐の美しい物語『The Silent Patient(日本語版題名:サイコセラピスト)』(by Alex Michaelides)

    Her silence was like a mirror—reflecting yourself back at you. And it was often an ugly sight. 彼女の沈黙は、あなた自身をあなたに向けて映し返す鏡のようだった。そしてそれは、しばしば醜い姿だった。 『The Silent Patient』アメリカ版の表紙、英国版と少し違う 2019年の英語圏のサイコスリラー/サイコサスペンスの「この一冊」と言ったら、この本で決まりでしょう。実に売れました。

  • 読むこと、書くこと、言葉の力を真剣に訴える大ヒット小説『The Book Thief(日本語版題名:本泥棒)』(by Markus Zusak)

    2005年刊行のオーストラリアのYA作家マーカス・ズザックによる小説。63か国で出版されて累計1600万部のベストセラーとなり、2013年にはジェフリー・ラッシュ、エミリー・ワトソンなどで映画化されています。英語圏の小説は読者人口が多いので、当たるとデカいですね。The Book Thief (Definitions Young Adult)作者:Markus Zusak出版社/メーカー: Definitions (Young Adult)発売日: 2016/09/08メディア: ペーパーバック ドイツが舞台のドイツ人の物語をオーストラリア人が英語で書き、それをアメリカの映画会社が、カナダ人の…

  • 25歳のタフな美人女性探偵ジェシカ・ショウ登場『Thin Air (Jessica Shaw Book 1)』(by Lisa Gray)

    2019年6月刊行、これがデビュー小説となるスコットランドのサッカー記者、リサ・グレイによるミステリー小説。2019年12月前半、私が読んでいた時点ではアメリカのアマゾンの私立探偵ミステリ小説部門売り上げ第一位でした。ジェシカ・ショウシリーズ第一作『Thin Air』

  • 隣の街の図書館が、頑張っている

    The only thing that you absolutely have to know, is the location of the library. –Albert Einstein たったひとつ絶対に知るべきこと、それは図書館の場所である。 ーアルバート・アインシュタイン Image by ElasticComputeFarm from Pixabay ものすごく気分が落ち込んでしまった時、私は図書館に行きます。 整然と並ぶ本、本、本・・・まだこんなにも知らないこと、知らない物語がある。まだ、死ねない! と、生きる力が自然と湧いてきます。苦しい時に図書館に助けられてきた人生ですし…

  • 日本のお父さんお母さんたち、もうプレゼントを子供の枕元に置かなくていいんだよ?『さむがりやのサンタ』『サンタクロースっているんですか?』『The Polar Express』

    今週のお題「クリスマス」 ============================ アメリカで暮らすようになってから、やはりアメリカにおける「クリスマス」という行事の存在のデカさ、金のかかり方、そして日本との祝い方の違いに少なからずショックを受けました。 恋人同士がラブラブするというのが論外なのはもちろんのこと、イチゴの乗ったあのホールケーキとか、ケンタッキーフライドチキンとか、靴下型の入れ物にに入ったお菓子とか、私にとっての「クリスマス」がアメリカには存在しない。 「寝ている子供の枕元にサンタさんからのプレゼントを置く」という習慣もそうです。私が子供の頃はそれが当たり前だったのですが、日本で…

  • 死刑制度を考えるきっかけにぴったりなサスペンス・ミステリ小説『13階段』(高野 和明)

    「殺すのが二人までなら死刑にならないから、二人までにしておこうと思った」 この事件の犯人の上記発言のせいで、現行死刑制度への疑問や批判がまた高まっていますね。 www.sankei.com

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