毬のごとふっくら膨らんだ芍薬の「わたしをみてよ」とつい立ち留まる誘われて友とのドライブ三輪の町ハナミズキ咲くを眺めて通るささやかな食事会なるもそれぞれにお洒落を楽しむピアスが光る「そう言えばあの方この頃見えないね」施設らしいと鶯の啼くハナミズキ早いもので
垣沿いに理由などなくすがやかにシロヤマブキは風とたわむる友くるる筍ご飯に蕗そえて旬を楽しむ一人の夕餉そろそろと端午の節句の近づけば待合をかざる五月人形春の風やさしそうでもすさまじくベランダの植木ころがして去る速いものでもう4月も半ばを過ぎました。春の花〃
かたくなな心をほぐすかに紫の十二単はほのぼのと咲く街路樹に添いて咲きたるアイリスのみんな見てよと色冴えて咲く春寒の夜更けに聴き入る「なごり雪」昭和のうたを懐かしくきく朝なさな腹式呼吸十回と決めて始まるわたしの一日(ひとひ)十二単アイリス四月になりました。
遠目には意外と目だたぬさくらそう愛らしき小花かた寄せて咲くリハビリの窓越しに見る黄水仙わが目と合いてニコッと笑ううっかりと食前薬のみわすれそれはそれよとケセラセラ歌う頂きし「おでん」を夕餉の膳にのせ友の心に痛みも忘る入選歌屑籠に入れたるレシート搔き出して
心地よい風に揺らぎて菜の花の遊歩道かざる黄金のまぶし雛人形かざれば楽し独り居の老いてもひと時子供にかえる誘われて断る勇気もひつようと余生はのんびりウクレレをひく凍て空に鶴啼きわたる北の地の釧路湿原 飽きずにながむ釧路湿原2月は逃げると言いますが、本当に逃
心地よく陽は周り来て紅梅の甘き香りのほほをなでゆくバレンタインに義理チョコ止めて吾がために生チョコ買う時代となりてこ娘とふたりランチ楽しむレストラン デザート運ぶはロボットなりて朝なさな花開きたるカトレアの愛らしき姿に元気をもらううちのミニカトレア漸く、
寒のあさ耐えてほほえむ水仙の春はそこまで庭先に見る友逝きて浮かぶ面影しのびつつ仏前に参る水仙さくとき散歩みち出会いし犬は尾を振りて寒さは平気とはしゃぎていたり とも寒のあめ山もかすみて見えぬ午後 級友との電話元気たしかむだい
気が付けば花開きたる蠟梅のレンガの家の門前にみる息子(こ)ら夫婦お赤飯をと届け来て年の初めの夕餉の膳に独り居の暮らしに馴れて二十余年気ままになるを少しゆるして「いらっしゃい」と友を招きてお汁粉を外は寒々北風のふく通学の行きも帰りも眺めてた松本城のそ
明けましておめでとうございます。昨年は色々と楽しませて頂き有難うございました。今年も又宜しくお願い致します。さりげなく万両赤く色づきて淑気の庭に小雀(こがら)があそぶ持ち寄りのお菓子にお節の新年会久々に会い久々にわらう出ぬ名前頭かすめるあの人の顔はうかべ
さりげなく今年も終わりとエリカ咲き風もひんやり紅の濃き独りでもツリーを飾れば寂しさを忘れて歌うジングルベルをこの頃の新しき歌にはなじめずにひたすら歌う昭和のエレジー 「その話もう、聞いたよ」と娘に言われいよよわれも と老いをみとめるエリカ紅エリカ白二子玉川
秋の日のネリネ花咲く公園に子等のはしゃぎてサッカーに興ずる行き着けの本屋の前のガーデンマム ピンク色濃く晴れやかに咲く うた こ 何気なく短歌止めようかとつぶやけば「止めたらボケる」と娘に励まされいつしらに
息子(こ)の家の柊木犀咲きほこり秋の陽あびて甘き香(か)放ち秋なれば友より届く甘き柿夕餉のデザートに郷をあじわう君逝きて四年経てども知らぬ気に庭の梢に椋鳥あそぶ節電と物の値上がり聞く度に戦後の暮らしよみがえりくる表参道の銀杏です。今日テレビで放映していま
誘われてダリア園へと秋の日に華やぎて咲くを楽しみて見る柿の実がたわわに実るバス通り空の青さを通して眺む秋日和今が盛りとコキア咲く一人散歩のさくら公園オカリナのコンサート終わりて帰る道 星空ながめ余韻にひたる入選歌心電図の波の流れのとうとうと「ご立派」の声
道端の植木にまじりてひっそりと淡きむらさきのホトトギス咲く心地よい疲れに沁みるレモネード甘く酸っぱいリハビリのあとこの夏の蝉の亡骸いくつみたか覚えていない秋のはじめに入選歌高齢者の多き団地の昼しずかとうがらしの実の赤く色づく
墓参にときざはし昇れば萩の花 君が呼ぶがにはらりと触れる母さんと呼びて彼岸の空見上げ「そちらも萩が咲いていますか」駅前の並木を通れば焼き芋の秋の匂にススキ穂たれるしんみりと秋の夜長に「行かないで」 玉置浩二の歌声によう娘の大事な猫の「こむぎ」です萩は秋の
今か今かと待つ日暮れ時一夜花の月下美人 妖艶に咲く荒草に混じりて咲きぬつゆ草の青のすがしく秋天に映え こ 隔日に「元気ですか」と電話くるる娘はそれなりに吾を気遣う こらご無
むらさきの桔梗の花の咲くころは日暮れも早く鱗雲うかぶジージーと窓を通して蝉のこえ中ではわたしがキーボード打つ絵手紙の残暑見舞いはもう来ないチーちゃん天(そら)へ旅にでたから茜映ゆ空はたちまち暮れゆくを「がくえん橋」からしばし見ている観賞用とうがらし早いも
はやばやと百日紅さく君の庭思い出だけが脳(なずき)を駆ける地下鉄の片倉町のアナウンスさるすべり咲く君のいた街旅好きな娘は一人で厳島元気でいますとラインのくるる台風の残したものはガラス拭き陽ざしさえぎる雨のあしあとさるすべりは百日紅と書きますが、百日間咲く
くれないほうせんか咲いたと聞いて夏日さけ紅さえざえ朝(あした)に見入る休日は関係ないと独り身は何時もの時間に朝餉のしたく夏日さけゴーヤのネット張られたる続く猛暑にあちこちで見る入選歌夏蝶のたわむれ追えば石段の足ままならず立葵
駅前の白きむくげの並木道 飽きずに眺む行きも帰りも予報通り雷鳴とどろく昼つかた屋上の鳩がにわかに飛び立つ抜歯後の痛みのこりてストローで飲むコーヒーにしばし安らぐ明日の事は分からぬと思うその時に友のメールの元気でいてねこの頃は又蒸し暑い日が続いています。雨
廃屋の庭に咲きたる向日葵の夏草にまじりてひと際目立つ空青く夏日のつづくバス通りUVカットの日傘が行き交うニュース観て吐息つきつつこの朝もいつもと同じサラダを作る入選歌同郷の友よりもらう丸茄子は 信濃の郷の朝霧(きり)の味する
風わたる裏の垣根に沿いて咲く冴えて彩るあじさいの花夕暮れに家路につけば門前の花あかりする八重の十薬ふる郷の友へ電話をとスマホ開け気づけばチーちゃんこの世にいないほどほどに幸せそうに生きているチクリと痛む胸の野いばら八重の十薬(どくだみ)梅雨と言えば紫陽花
雨の後ピンク鮮やかブラシの木露の光て初夏をいろどるくれないの「ぐみの実」食べて遊びたる思い出遠く安曇野のさと夏の日の梅シロップと思いても長引くコロナに飲む人のなく入選歌公園のベンチに座して気晴らしに老鶯のこえ聴く「木漏れ日の森」
雨のあと垣根を覆うティカカヅラ ビーズのような玉露おとすつばめの巣久々なりてなつかしく雛の声聞く小机の駅愛らしきムギナデシコを摘む友の指先かろやか花とからめり臥す君を見舞えば指差し「見てごらん」庭の小雀(こがら)が春草つつく
待ちかねたサボテンの花開きたり皐月の風にゆさゆさ揺れる門前に誰をか待つがにしとやかにシャガの花咲く春のおわりに段ボール二つ届きぬ母の日に開ければそれぞれ匂い来る花久々に娘の家を訪のえば手料理で迎えお喋りはずむ ジャスミン ソー
久々に遊歩道行けば垣沿いのモッコウバラに黄蝶たわむる耳の遠い友に書きたる便箋は思い伝えんと花柄えらぶ折り紙の鶴を折りつつ親睦会 久々なりて笑顔のならぶ十七年 家族の猫も年老いて娘(こ)は懸命に介護に当たる荒草に混じりて咲きぬ踊子草 春野に踊るみじかきいの
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毬のごとふっくら膨らんだ芍薬の「わたしをみてよ」とつい立ち留まる誘われて友とのドライブ三輪の町ハナミズキ咲くを眺めて通るささやかな食事会なるもそれぞれにお洒落を楽しむピアスが光る「そう言えばあの方この頃見えないね」施設らしいと鶯の啼くハナミズキ早いもので
春の雨まだまだ降ると言う庭先にピンクのラベンダー愛らしく咲く「花が見たい」と友の便りの施設から乱れた文字も元気なあかし「訳あり」と書かれたリンゴの袋入りアップルパイかジャムにしようか久々にちらし寿司作りて来た娘二人でお喋り元気をもらう入選歌平凡な肉じゃが
頂いたミモザアカシアに顔うずめおとぎ話しをフムフムときく春寒の夜更けに聴き入る「なごり雪」昭和の歌をしみじみときく冴え返る朝の空気の冷たくて熱きスープの食卓かざる入選歌日本橋から埼玉が見えし敗戦後能登の地震のいまにかさなる
鎌倉へ日帰り旅をせし娘 行かれぬ吾に写真のみやげ長きこと帰らぬ信濃の春景色 菜の花咲いたと友のたよりの大喜利の笑点観ては笑いたる籠る休日の楽しみとなる え棚の上の縄文土器を壊しましたごめんなさいと位牌に向かう NHK短歌掲
久々に病む友見舞えば玄関にストック甘く匂ていたり夜八時電話が鳴れば浮かぶかお 又かと思いつつお喋りはずむ冬陽あび密やかに咲くかんざくら樹木葬の丘にしばし佇ずむ此の頃は記憶のスイッチ錆びついて思い出せない昨日の夕餉ストックの花5日の関東の大雪です。早春賦の
紅梅のほのかに香りつ咲きはじめ「春がきたよ」と叫んでみたいときめきの手紙の類はもう来ないポストを見ない日、三日もつづく腰傷め伝い歩きで家事こなす「なんとかなるさ」と鼻歌うたう宙を駆けあまたの電波かきわけてLINEで済ます友との会話寄りかかる人などいない独り居
赤き実の千両二本(ふたもと)卓上に善き年願う元日のあさ雪のない正月もまた善きかなと娘と二人すき焼きかこむ昼間からホットワインを飲みながら友と観ている箱根駅伝あたらしき季節の花のカレンダー予定書きこむ年の初めに明けましておめでとうございます。今年も善い年を
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垣沿いに理由などなくすがやかにシロヤマブキは風とたわむる友くるる筍ご飯に蕗そえて旬を楽しむ一人の夕餉そろそろと端午の節句の近づけば待合をかざる五月人形春の風やさしそうでもすさまじくベランダの植木ころがして去る速いものでもう4月も半ばを過ぎました。春の花〃
かたくなな心をほぐすかに紫の十二単はほのぼのと咲く街路樹に添いて咲きたるアイリスのみんな見てよと色冴えて咲く春寒の夜更けに聴き入る「なごり雪」昭和のうたを懐かしくきく朝なさな腹式呼吸十回と決めて始まるわたしの一日(ひとひ)十二単アイリス四月になりました。
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秋の日のネリネ花咲く公園に子等のはしゃぎてサッカーに興ずる行き着けの本屋の前のガーデンマム ピンク色濃く晴れやかに咲く うた こ 何気なく短歌止めようかとつぶやけば「止めたらボケる」と娘に励まされいつしらに
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