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耳納連山と紅茶と日本酒をこよなく愛してます。

ブログタイトル
Nikki Drop
ブログURL
http://nikkidrops.blog.fc2.com/
ブログ紹介文
八朔みかんのBL小説サイト。 医師×看護師、薬剤師×薬剤師、調理師×専門学校生、介護士×看護師、リーマン×リーマン 別サイトにも小説多数あり。
更新頻度(1年)

75回 / 205日(平均2.6回/週)

ブログ村参加:2019/08/07

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ハンドル名
八朔みかんさん
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Nikki Drop
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八朔みかんさんの新着記事

1件〜30件

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 最終話

     過去に何度も交わした口づけは、時を経たのち真新しいものに変わっていた。何の技巧も駆け引きもない初恋の様なシンプルさで、僅か数秒で離れた互いの顔には はにかんだ表情が浮かんでいた。しかし、松岡が受け入れてもらえた喜びで満ちているのに対し、成瀬の方は若干戸惑い気味であった為、心配になった松岡は俯いた顔を覗き込みながら尋ねた。「ごめん、嫌だった?」「……」「君がここにいると分かって嬉しさの余り調子に乗っ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 28

     その言葉を聞くや否や、松岡は目の前が真っ白になり思わずテーブルに片手をついていた。――― やはり、彼はここを辞めるつもりなんだ 復帰後はそんな素振りを見せなかったし情報も入って来なかったのでショックは大きく、その後電話で何を話したのか覚えていない松岡は、気づいた時には食卓の椅子に腰を下ろして真っ暗になったスマホの画面を眺めていた。 ぜったい手放しはしない――― そう決意した時には体が動いていた。津原が...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 27

     そう決心してから松岡の行動は早かった。 もし成瀬が村を出るつもりなら、最初にするのは後任探しだろう。なので、村の総務課に連絡して、彼が密かに辞職を申し出て次の看護師を探すよう頼んでいないか尋ねた。幸い、そのようなことはなかったが、電話口の職員は【寝耳に水】とばかりに驚いていた。「成瀬さん、辞めるつもりなんですか!?」「そういうわけではないんですけど、気になることがあって」「他所から来られて すっ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 26

     池田の葬儀後より、二人のLINEが再開した。しかし、これまでと違うのは松岡の方から送っているということ。それまでは、成瀬からほぼ毎日、その日の体調などの報告があったけれど、今は成瀬のメンタルを気にかける内容になっている。 成瀬は思いのほか元気だった。それは無理をしている風でもなく、むしろ吹っ切れている感じで、その真意を確かめたくて電話した時も「意外と大丈夫なんです」と声に張りがあった。そして、翌日診...

  • ご挨拶 & 目次

    オリジナルBL小説ブログ Nikki Drop へようこそあなた好みの作品が見つかりますように……※当ブログの小説はフィクションであり実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません※18禁 / 無断転載禁◆ 感想・御用のある方は → お問い合わせ ◆ 全てのお返事(拍手コメントも)は → コメントのお返事 ◆ 近況やお知らせをつぶやき中 → Twiter パパだって恋をする シリーズ介護士 × 看護師 / 年下健気攻 / どこにでもいるおっさん受❖ ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 25

     しかし、この静寂を打ち破ったのは成瀬の溜息だった。彼は肺の底から絞り出すように息を吐き出すとシニカルな笑みを浮かべる。「いま、僕は先生の目にどう映っているんでしょうか」「どう映ってるって……」「死んだ恋人の妹に理不尽なことをされた哀れな男ってところかな」 そんな皮肉めいた言葉がこのシチュエーションと不似合いで松岡は動揺したのだが「哀しみに暮れている人を突き落とすようなことを言う無情な女性だと呆れて...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 24

     池田の家へ向かう道は、いつもと趣を異にしていた。夜になればすっかり静まり返る道路に車が行き交い、喪服姿の村人とすれ違う。そして、自宅付近になるとそれが顕著となった。 誘導係の案内に従って駐車させた松岡は助手席の成瀬に「着いたよ」と声を掛けた。すると、それまで無言だった成瀬が「ありがとうございました」と礼を言い外に出た。続いて車から降りてきた松岡は頬にポツリと雫が落ちたのを感じて空を見上げる。それ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 23

     しかし、彼女のせいで成瀬が後悔することになるのが許せない松岡は行動を起こした。 翌日、仕事を終えると喪服に着替えて車に乗り込む。行先は成瀬の自宅。恐らく、彼は彼女に遠慮して通夜はおろか告別式にも参列しないつもりだろう。ならば、自分が盾となり故人との最後の別れをさせようと考えたのである。 成瀬は診療所から程近いところに住んでいた。なので、歩いて通勤し『それも、道草を食いながら』と話してくれたことが...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 22

    「なら、僕も一緒に手伝うよ。だって、二人でした方が早いだろう?」 が、この提案に成瀬の形相が変わった。「それを家族に見られたら先生に迷惑が……。大丈夫、一人で出来ます!」「『先生に迷惑』って、君らに一体何があったの?」「あなたと別れたあと、色んなことがあったんです。そう、先生と野々村さんみたいに」 成瀬から直接事情を聞きたかったのに、皮肉めいた拒絶を受けた松岡は思わず気色ばむ。「そんな言い方ってない...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 21

     池田の死去で午後の診察開始が遅れた松岡は、いつもより1時間ずれ込んで診療を終えた。ふと、窓から外に目を移すと太陽が山際に隠れて空をオレンジ色に染めている。 今日、この村で一人の老人が旅立った。そして、彼の死を嘆き悲しむ人間がいた。なのに、この空も山も何事もなかったように一日の終わりを告げることに、松岡は人の一生の哀れや儚さを感じずにはいられなかった。――― 今頃、彼は…… と、成瀬に想いを馳せた松岡...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 20

     その晩、成瀬からのLINEが来なかった。いつも決まった時刻に鳴る着信音がないことを気にした松岡は夜更かしをした。そして、枕元にスマホを置いて横になると、薄ら浮かび上がる天井を見つめながらこう呟いた。「昨日の俺の態度が決定打になったんだろうな……」 自分が仕向けたことなのに、いざそうなると寂しさと虚しさが身に染みてくる。そして、何度も寝返りを打ちながら自分に言い聞かせていた。――― 彼の病状は快方へ向い、...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 19

     退院して村に戻ってからも、成瀬からのLINEは毎日松岡のスマホに送られてきた。これを始めた きっかけは病状を心配する松岡の不安解消のためだったが、毎日やり取りを続けることで過去のわだかまりが幾分溶けて気心が知れる様になった。がしかし、最近の松岡の文面がそっけない。理由は池田への嫉妬。彼の元で療養している成瀬に『元気か?』とか『体の調子は?』とか気遣うのが癪で馬鹿らしくなってきたのである。 あの爺さん...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 18

     池田の家をあとにすると、車中は彼らの話題で持ちきりになった。というか、町田が一人でまくし立て、それに松岡が気のない返事をしている。今、松岡の心は曇天に覆われていた。なぜなら、池田が村の再開発に異議を唱えたこともだが、成瀬の反撃にあえなく撃沈し、彼には頭が上がらないことが判明したから。つまり、池田は成瀬を信頼し頼っているのだ。「あの成瀬さんが池田の爺さんを言い負かすなんて意外でしたね」「そうだね……...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 17

     自分が中心となって推し進めている計画を池田から否定された松岡が息を呑んでいると、隣りで話しを聞いていた成瀬が割り込んできた。「何を言ってるんです! 放置された遺産を生かして村の再生をするという素晴らしいプロジェクトなのに」「プロジェクトかなんか知らんけど、わしゃ反対だ」 その理由を知りたい松岡は「どうしてなんですか?」と食い下がる。村長をはじめ、周りにいる村民達はこの案に賛同し、なにより屋敷の持...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 16

     訪問診療とは、通院が困難な患者の家へ計画に基づいて定期的に訪問。治療や経過観察を行う医療行為で、緊急時には往診し入院の手配をする。現在、村の診療所では週二回の訪問診療を行っていて、今日も午後から四件回る予定だ。 松岡の申し出に断る理由が見つからない成瀬は「じゃあ、お願いします」と頭を下げ、昼食後に松岡が運転する車で元恋人の実家へ向かった。 車は集落を抜けると西へひた走る。左右に連なる山の狭間、そ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 15

     成瀬が縁もゆかりもなかったこの村にやって来た理由――― それは『恋人を亡くして生きる目的を見失いかけた時、過疎地の医療に携わることで心の空白を埋めようとした』と聞いている。で、それに『年老いた恋人の父親を心配する気持ち』というのも加味されているんだろうが、彼との関わりが思った以上に密接であることを知った松岡は面白くなかった。 彼の情の深さや思いやりは素晴らしい。まさに尊敬するレベルなのだが、それが...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 14

     痩せた体を存分に抱きしめた後、成瀬を支える様にして歩き出す。診療所の出入り口で看護師の町田が『おかえりなさい』と出迎え、成瀬が「ご迷惑をおかけしました」と答える。すると、町田は「役不足だったけれど先生にフォローしてもらって何とか乗り切りましたよ」と笑いながら中へ導いた。 成瀬は待合室を懐かしそうに見渡すと一言。「やっと帰って来れた ……」 そして、テーブルと受付と窓辺に活けてある花束を指差して「す...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 13

     成瀬の退院の日。 松岡は朝から落ち着きがなかった。うっかりミスをしでかして町田からお小言を言われても気にとめず、元恋人が帰って来るのを首を長くして待った。 成瀬が術後初めて連絡を寄こしてから、毎日電話で話しをした。LINEでも構わないのに肉声を聞きたかった松岡は「短い時間でいいから」と催促したのだ。 手術後3日目。成瀬から「リンパ節に転移はなかった」と告げられると、松岡は電話口で泣いた。「そうか、そ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 12

     気心が知れたもの同士の和やかな食事のなか、話題はやはり村の印象だった。まず、料理長が心の籠ったもてなしの料理に感謝し、食材の質の高さに感心した。「畑を見学した時、肥沃な土壌だなと感じましたが、やはり実際に食べると野菜本来の旨みが凝縮されて味が濃いです。まるで挑戦するように訴えてくるから『受けて立ってやろうじゃないか!』って気になりますね」 すると、章介がそれに応える様に「ここの棚田で採れた白米は...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 11

     夕方、視察を終えた松岡は章介と料理長を伴って帰宅した。玄関で夕食の支度を終えた津原が出迎えたが、その表情はかなり強張っている。「遠方までお越しくださりありがとうございます」と彼女が頭を下げると、章介は「一晩お世話になります」と、手土産を彼女に差し出した。いかにも高級そうな和菓子の包みを目にした津原は嬉しそうにそれを受け取り、彼らを奥へと案内した。 客間には座卓と座布団が置かれ既に食事の準備が整っ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 10

     二つの棟と三つの蔵を巡った視察団の反応は悪くなかった。特に、同行した建築士は「これほど見事な古民家がこんな場所に眠っていたなんて」と驚きを隠せない様子で何度もシャッターを切っている。一方、決定権を持つ甥の章介は各部屋を回るたびに頬に手を当て「う~ん」と言い、旅館としての姿を想像している風であった。そんな彼に向かって松岡が「印象はどう? 使えそうな感じ?」「まあね…… っていうか、結構いいかも。でも...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 9

     朝十時。 約束の時間ちょうどに彼らはやって来た。なんと、運転手は甥っ子の章介自身。その助手席に料理長、後部座先に見知らぬ男の三人だけ。 車から降りて来た章介はまず村長に挨拶し、連れの二人を紹介した。面識がなかった人物は章介の知り合いの一級建築士で伝統再建士の資格も有するという。そんな少人数だが各方面のプロフェッショナルを迎えると視察が始まった。 まず、役場の村長室で村の概要や歴史、産業、交通、名...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 8

     成瀬が入院した晩、さっそく連絡があり松岡は舞い上がった。成瀬は病室の様子、主治医からの病状説明、明日の手術の話をしたあと「手術が終わって落ち着いたら電話します」と言った。「今日は津原さんと鎮守様にお参りして来たよ。だから、明日は上手くいく。癌も絶対完治する」そう松岡が励ますと、「心強いです」と嬉しそうに言って成瀬は電話を切った。 そして、手術当日。 松岡は仕事の合間に何度も窓の外に目をやった。空...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 7

     成瀬と二人、夜道を歩く。町で唯一の繁華街(といってもスナックと居酒屋とカラオケ店が数件ほどだが)を抜け、足音を懐中電灯で灯さないといけない程の暗闇の中、最初に口を開いたのは松岡だった。「なかなか盛大な壮行会だったな」「ありがたいことです」「朝、何時に出発?」「7時前。明日は胃カメラをして腫瘍部にマーキングをするそうです」「今まで何回飲んだ?」「さあ、どのくらいだろう。主治医は僕の顔より胃の中の方...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 6

     入院当日――― 布団の中で目を覚ました松岡は、枕元の卓上時計を見て『彼はもう行ってしまった』と心細さを感じた。そして、昨晩行われた成瀬の激励会を思い出して感慨に耽った。 彼は病名を隠しはしなかった。診療所を長期間休むので その理由を村人たちが詮索するのを防ぐためと完治する自信があったからだと思われた。 乾杯の音頭をとる際、成瀬はこんなことを言っていた。「病気なんてものは早期発見が大事なんだから、みな...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 5

     その名を聞いて松岡は言葉を詰まらせてしまった。もうずいぶん昔になるが、赴任先の病院で看護師だった彼女と知り合い 付き合っていた。が、松岡が見合い・婚約を余儀なくされて別れた経歴があったのだ。「お姉さん、病気のことを知って何て?」 すると、もう わだかまりが残っていないのか、成瀬がある事実を告白し始める。「彼女自身、子宮がんを患った経験があったので「まさかあなたも……」と最初は嘆いてましたが、病状を話...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 4

     こうして、松岡の携帯に毎晩成瀬からLINEが届くようになった。 だいたい夜の10時頃。食事も風呂も終わって、あともう少ししたら寝ようか――― という くつろぎの時間に愛する人から連絡がくると安堵と幸福感に包まれる。 LINEの内容はどうしても仕事の申し送り的なことが主になるが、それが済むと日常の些細な出来事の報告もあるので、彼の私生活を垣間見られて つい笑みを零してしまう。ただ、それが自分への好意ではなく不安...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 3

     翌日――― 成瀬は普通通りに出勤し、普段通りの笑顔で「おはようございます」と挨拶をした。それに、不眠で眼の下に隈を作った顔で「おはよう」と返事する松岡。成瀬の前では平静を装い、どんと構えていないといけないと思っているのに、耄碌したのか、はたまた彼への依存が大きかったのか落ち込み具合が半端ない。なのに、声を掛けずにいられなかった彼は成瀬の顔を覗き込むと「大丈夫?」とネガティブな言葉を口にした。「はい...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 2

    「胃がん……」と言ったまま絶句する松岡。これまで、患者やその家族に何百回、何千回と診断名や病状説明をしてきたが、この時ばかりは言葉が出てこない。まさか、成瀬の体が病に侵されていただなんて…… その後成瀬から、病変の部位や程度、生検をしたこと、その結果を一週間後に聞きに行く等の説明を受けても全て鼓膜を素通りし、「先生?」と呼ばれるまで ぼんやりしていた。「なので、また休みをもらわなくちゃいけません」「そ...

  • プレシャスデイズ ~ 美しき日々 1

     その時――― 松岡は成瀬が申し出た休暇願を気にも留めなかった。「Y町まで人に会いに行く」と言われた時は『誰だろう?』と思ったが一日だけだし、近々実兄の長男――― すなわち実家の旅館の跡継ぎが古民家の視察に訪れる準備に追われていた為、深く追求せずに快諾した。「その日は町田さんに来ていただくよう頼んでおきます」そう言われた時には『また、あのおばさんと仕事をするのか』とガックリきたが、その時見せた成瀬の顔―――...

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