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ramuramu's diary https://ogamihoramuramu.hatenablog.com/

おすすめの小説を書評していきます。よろしくお願いします。

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ラム子
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2019/08/04

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  • 凍りのくじら

    凍りのくじら (講談社文庫) 作者:辻村深月 講談社 Amazon あらまし:写真家となった主人公、理帆子が高校生の頃を思い返す場面から始まる。高校生の理帆子は誰とでも仲良くできるほど器用だった。しかし人を見下して分析する癖があり、どこにも居場所を感じられないでいた。元カレの若尾と連絡を取らないよう周りから勧められていたが、若尾が緩やかに人として腐敗していく様子を見ていたく思い、関係を切れずにいた。それが物語を良くない方向へ導いていく。 感想:理帆子がしていたような人間観察はしようと思えば誰にでもできることだと思う。でも本気で人を思いやる気持ちとか、この子にとっての特別がこの子の中にはないから…

  • 弟の戦争

    弟の戦争 作者:ロバート ウェストール 徳間書店 Amazon あらすじ:主人公のトムは心優しい弟のフィギスのことが大好き。トムの家族は仲が良く、平和な国であるイギリスに住んでいた。しかし小さな頃から不思議な力があった12歳の弟フィギスは、湾岸戦争の真っ只中であるイラクの男の子と魂が入れ替わってしまう。 イラクの男の子と(入れ替わるというより)心を共有したフィギスが精神病院に入り、力強くてスポーツマンであり建築家の父と、やさしくて有能で州議会議員として地域の人びとに助力をおしまない母が精神を病んでいく様は読んでいて本当に辛かったです。 あらすじを見たり、中盤まで読んでこう思ってました。悪いこと…

  • かかし

    かかし 作者:ロバート ウェストール 徳間書店 Amazon カーネギー賞受賞作です😊作者のウェストールはカーネギー賞を『"機関銃要塞"の少年たち』『海辺の王国』『弟の戦争』でも受賞しています🙄🏅すごい あらすじ:13歳のサイモンは全寮制の学校で、戦争で亡くなった軍人の父親を誇りに思って生きていた。母親のこともとても慕っていたが、ある日再婚を告げにやってきて、裏切られた気分を味わう。夏休みに再婚相手の画家ジョーが購入した家で家族と過ごす。しかし家族にジョーが加わったことから、父親の存在が薄れていくのがサイモンには耐えられない。さらに母親はジョーの前では女を出し、サイモンの気持ちを無下にしてしま…

  • 海辺の王国

    海辺の王国 作者:ロバート ウェストール 徳間書店 Amazon ガーディアン賞、カーネギー賞受賞作品です! あらまし:第二次世界大戦のイギリスが舞台。12歳のハリーはドイツ軍の空爆を受け、家族と離れ離れになってしまう。他の家族の養子になりたくなかったため、ひとりでサバイバルをして生きる覚悟をする。相棒の犬であるドンの存在が、傷ついた子どもの心に慰めを与える。ハリーのような浮浪者に厳しい農家の人間や、海辺で自給自足する男、優しい軍人やハリーに悪さをしようとする軍人、輝かしい青春を送った老婆、戦争で家族を失った人など。危険な目に合いながらも、様々な人と出会い、ひとつひとつの成功が、かけがえのない…

  • Winnie-the-Pooh

    Winnie-the-Pooh (Puffin Modern Classics) 作者:Milne, A.A. Puffin Books Amazon ゼミで洋書を読んだので、私が書いたレポートを参考に紹介させて頂きます笑古典文学なのでとっても読みにくかったです😣児童書なのにわかりにくい言い回しが多く感じたのですが、当時の子どもは読めたのでしょうか……今の子どもと20世紀前半の子どもとで感性が違うか、大人が必ずついて読まれるものだったのかもしれませんね。ストーリーは、子どもが読んでも大人が読んでも面白く解釈できる富んだ構成をしていました😃例えばプーとピグレットが足跡を頼りに獰猛な動物を捕まえよ…

  • 屍者の帝国

    「好き」って言葉も大切だったよ でも「君には魂がある」が、ワトソンなりのより的確な告白だったんじゃないかな そんな人間にしか理解できない感情を持つワトソンはもういないのかもしれない… そう思ったけれど、主人公の名前がジョン・ワトソンなように、シャーロック作品をオマージュしていてシャーロックの将来の助手なんだよね 正直余計な設定じゃねって思ってたんだけど、最後を見るとなんて愛に包まれた設定なんだろうって思った 伊藤計劃作品はいつも「意識」がテーマなんだよね 主人公が医学的にそれは「意識」とは言えないのではないだろうかと思われる状態になった時は、今までの伊藤計劃作品では「死」とされて地の文が途切れ…

  • 騎士団長殺し

    画家である主人公は妻に離婚を言い渡され、傷心を癒すため郊外の屋敷で、絵画教室の教師の仕事をしながらのどかに暮らしていた 主人公の住む屋敷には、その屋敷を貸してくれた友人の有名な画家である父親、雨田具彦がかつて住んでいた屋敷だった そして屋敷の屋根裏部屋で『騎士団長殺し』という雨田具彦が描いた日本画を見つけてから、奇妙な出来事に巻き込まれていく 同時に、谷を隔てた向かいの丘に住む非の打ち所のない男、免色。免色の娘であると予想される少女、まりえ 多額の報酬を渡されるかわりに彼らの肖像画を描く依頼を受けた主人公は、魅力的な人物たちによって様々な情緒的で新しい感性に触れていく この作品の特徴として、感…

  • バーティミアス

    魔法使いが実権を握り、市民は畏れ肩身の狭い生活を送る日々 そんな中善良な市民である主人公が魔法使いに対抗するため立ち上がる話……ではなく、不幸な生い立ちの天才少年ナサニエルが魔法使いとして自身の地位を築き上げようと奮闘するお話 序盤、その主人公の救いのない幼少時代が描かれるのだが、幼いながらに容赦なく主人公の少年心が傷つけられる様子には心が痛む この作品の特徴は、惹き込まれる世界なのに、羨ましくない世界であることだ 例えばそれは、魔法の設定にも言える 魔法といえば無限の可能性に溢れていたものだと私たちは想像しがちだ しかしバーティミアスの世界では魔法を使うのは結局のところ魔法使いではなく召喚し…

  • 虐殺器官

    主人公であるクラヴィス・シェパードは繊細な感性を持ちながらも暗殺を業とする米軍大佐であり、無実の人々の虐殺と植物状態になった母を死なせる選択を取ってしまった自分の行動への、赦し又は罰を求めていた 言葉と思考、どちらが先行するのか進化は個体のために行われるのか、次世代のために行われるのか時代遅れの器官について 虐殺器官とはなんなのかその答えまでの過程は、同時にクラヴィスが赦しと罰を求める様子でもあったクラヴィスの繊細な感性を彼の知能が上回ってしまうがために、クラヴィスは苦しんでいるように思えた

  • ダレン・シャン

    送料無料 ハードカバー版 ダレンシャン 全12巻 ダレン・シャン(デモナータ著者) 中古小説 全巻セット 児童書 【中古】価格:5980円(税込、送料無料) (2019/12/3時点) 楽天で購入 バンパイアの熱き生き様を描いた、元人間の半バンパイアが主人公の成長物語 善と悪の間で揺れる葛藤、共に歳を取れない人間の女の子との禁断の恋、手に汗握る戦闘シーン 誰もが心を打たれるような展開をいくつも合わせ持つダークファンタジー 展開はさることながら、正義感に溢れていた主人公ダレンが相次ぐ酷い悲しみにより心が悪に染まっていく様子は、あまりにもリアルで恐怖さえ感じた そしてダレンを幼少期の頃から見守って…

  • ベルリンは晴れているか

    ベルリンは晴れているか (単行本) [ 深緑 野分 ]価格:2090円(税込、送料無料) (2019/11/9時点) 楽天で購入 『このミステリーがすごい!2019年版』で第2位 作者:深緑野分 結末はまるで戦争の悲しさそのものだった。 舞台は第二次世界大戦後のドイツ。 第二次世界大戦後のドイツはユダヤ人迫害に焦点が集まりがちだが、これは当時のドイツの社会背景により苦しんでいたドイツ人たちのお話。 17歳の主人公アウグステはアメリカ統治下の飲食店で働くことでなんとか生計を立てている。 ある日政府から戦中のアウグステを匿った恩人クリストフが歯磨き粉に入っていた青酸カリで殺されたとの訃報が届く。ア…

  • 星の王子さま

    サン=テグジュペリ著 概要 主人公は何もない砂漠に一人不時着してしまったパイロット、「僕」 子供時代の感性への憧憬が伺える 子供の頃、6歳までは画家を目指していたが、ゾウを消化している大蛇ボアという恐ろしい絵を描いて大人に見せても帽子と勘違いされてしまい、それから画家になることを諦めてしまった 僕の描いたゾウを消化している大蛇ボアは、茶色い蛇が飲み込んだゾウの形を象っている絵 そんな主人公の所に人間の子供の感性を具現化したような男の子、王子さまが現れる 王子さまは他の星から地球にやってきたのだという 王子さまは僕が描いたゾウを消化している大蛇ボアを見て、一目で理解したのだった そんな王子さまが…

  • 痴人の愛

    概要 谷崎潤一郎著 28歳サラリーマンの男性が15歳の少女を引き取り、品のある女性を思い描き育てていくが、失敗して男癖の悪い女性に育て上げてしまうお話 大正時代の日本の純文学ではあるが、一貫した風俗的雰囲気のため読み進めやすい エリートサラリーマンである譲治があるカフェでウェイトレスとして働いている少女、ナオミから知性的でいて西洋人らしい雰囲気を感じ、教養のある女性に仕立てようと引き取る 譲治に引き取られたことで当時は顔色の悪かったナオミも、よく譲治に懐き、覇気のある女の子になっていった そしてナオミが16歳になった頃、二人はそれが自然な流れであったかのように結ばれる 晴れて譲治とナオミは夫婦…

  • ノルウェイの森

    死んだ男キヅキの親友ワタナベと、キヅキの彼女直子の不思議な関係を描く 二人の関係に言葉に言い表せない何かがあり、それを時間をかけて説明していくような小説 冒頭から描かれる文法に囚われない表現に、村上春樹の世界に惹き込まれる キヅキが自身の全てであった直子は、キヅキの死によって精神を病んでしまう どんなに時を経ようとキヅキの死を受け入れられない直子の様子から、今までの人生がキヅキで満たされていた直子の人生が想像させられ、切なさと温かみで胸がいっぱいになる キヅキを想う直子の心情に思いを馳せることで、この作品はどこまでも奥ゆかしくなるだろう 自身の全てであったキヅキを失った直子の苦しみは、直子にし…

  • ハーモニー

    伊藤計劃著 「ぜんぶわたし自身のものなんだって、世界に向けて静かに怒鳴りつけてやるの」 政府によって幸せであることと健康であることを強制された世界で死を決意したミァハの言葉が、ミァハの理想の世界に住む私たちの心に重くのしかかる 〇トァン 主人公は政府に強制された幸せを憎むミァハに魅了された女の子、トァン ミァハは自分の信念を突き通し自殺を全うすることができたのだが、トァンはミァハと共に死ぬことを約束したにもかかわらず失敗してしまい、そのことを大人になった今でも後悔している やがてトァンはWHOの斡旋監査官となり、ミァハと共に死を全うできなかったことを日々後悔しながら、外国との裏取引で反社会的な…

  • わたしを離さないで

    わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/08/22 メディア: 文庫 購入: 32人 クリック: 197回 この商品を含むブログ (341件) を見る こんな青春が、あってもいいと思った 舞台は人里離れた土地に建つ施設、ヘールシャムで描かれる 同じくらいの年頃の子どもたちが集まるその施設では、私たちが住む世界と少し違う人間関係が育まれていた 私たちが住む世界での子どもの人間関係とは普通、気の強い命令口調な女の子がリーダーになったり、できないことが多い男の子が仲間外れにされたりだ ヘールシャムでもまた似たよ…

  • 私はヒトラーの秘書だった

    私はヒトラーの秘書だった 作者: トラウデル・ユンゲ,足立ラーべ加代,高島市子 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2004/01/25 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (35件) を見る なぜ自叙伝は人を惹きつけるのだろう ましてや、それがヒトラーの秘書であるならば尚更である 私たちはヒトラーに対して様々な印象を持つ 大量殺戮者、差別主義者、神経質、ベジタリアン、ゲイ、芸術家、愛犬家、マザコン等々 中でも知られているのは彼が大量殺戮者と言うことである 彼の政治は一貫して彼の過去や性癖による私的な因果によるものだった しかし国民の誰もがヒトラーの政治…

  • ほかならぬ人へ

    ほかならぬ人へ (祥伝社文庫) 作者: 白石一文 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2013/01/10 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (16件) を見る 白石一文著 第142回直木賞受賞 恋愛の真髄を探求した小説 端的に言えば、主人公明生にとっての愛とは、一緒にいて気持ちが安らぐことと、お互いを尊敬する気持ちがあることだった 大実業家の息子である明生は美人な妻、なずなに昔から好きだったという男と浮気されことになるのだが、胸を焦がすような恋愛をするなずなと、お互いを尊敬し合う信頼関係を育むことを愛とする明生の恋愛観は対比されていたように思う 〇なずなの恋愛観 周…

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