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アラウンド・チャイナ https://www.morientes.jp/

中国在住歴11年の筆者が、ガイドブックにはあまり載っていない中国旅行情報を紹介。中国の史跡やグルメなどの情報はもちろんのこと、B級およびC級スポットも登場。観光情報はもちろん、ミニ中国語講座も収録。

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2019/07/16

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  • 太湖に行くなら西山へ②〜洞天福地・林屋洞で仙人と出会う!〜

    十大洞天のひとつ林屋洞 日本人の多くは無神論者であり、かつ世界的には仏教国のひとつと見られているが、その思想の根底には、儒教の影響が大きいように思う。年長者に敬語を使うこと、学校の先輩・後輩関係、電車でお年寄りに席を譲ること、これら全て儒教の影響だ。実際、学校で教えられる「道徳」の内容は、まんま「論語」の世界といっても過言ではない。 では、中国はといえばどうだろう。中国は儒教発祥の地であるが、実際、儒教的精神は文化大革命時に徹底的に破壊された(中国では子供や赤子連れの親には席を譲るが、老人に譲る光景はあまり目にしない)。仏教信仰も盛んだが、中国人の思想には、僕から見ると道教の影響が多いように思…

  • 太湖に行くなら西山へ①〜漁洋山から西山大橋&太湖を望む!〜

    漁洋風景区から見た太湖大橋 江蘇省の地図を見ると、その南部に巨大な湖が広がっているのがわかる。どれくらい巨大かといえば、その広さ2420㎢! なんと日本一の広さを誇る湖、琵琶湖の3.4倍にもなる。 上の地図を見ればわかるように、東は蘇州、北は無錫、西は宜興にまたがり、南は浙江省の湖州であるから省境の役割をも果たしていることになる。この太湖、面積はでかいが、水深は平均2mとかなり浅い。したがって太「湖」と称しているが、分類上は沼であり、日本で言えば霞ヶ浦や印旛沼と同じ扱いになる。 chigai.soudesune.net この太湖の光景は市街地からの距離の近さもあって、無錫が有名である。かの尾形…

  • 孫子は蘇州で兵法書を書いた?孫子テーマパーク・穹窿山に行こう!

    復元された孫武苑に置かれた孫武像 突然だが、中国における春秋戦国時代というのは、進化の過程におけるカンブリア紀に似ている。 matome.naver.jp カンブリア紀の海は壮大な進化の実験場で様々なボディデザインを持つ生物が登場したと言われているが、中国においてもこの時代、儒家・法家・墨家・道家など様々な思想家が誕生し、東洋哲学の礎が出揃った時期であった。これらの思想は、中国のみならずアジア諸国に多大な影響を与えている。我々も電車の中ではお年寄りに席を譲るべしと考えているし、また自然災害の前に怒りよりも達観を覚える節があるが、こうした思想の源流は全てこの頃に形成された。そう考えると、春秋戦国…

  • 蘭州が世界に誇る蘭州ラーメンを本場&神保町で食べよう!

    馬子禄牛肉麺の蘭州ラーメン 蘭州には見るべきものが特にないという話を前回書いたが、食べるものは別だ。そう、ここ蘭州には中国中にその名を轟かせる蘭州ラーメン(中国では蘭州牛肉麺と呼ぶ)があるのだ。なぜ蘭州ラーメンが有名かといえば、理由は単純で、どの街にも必ずといっていいほどあるからだ(筆者は中国中、いろいろ訪ね歩いたつもりだが、蘭州ラーメン屋がない街を見たことがない)。蘭州ラーメン屋といえば、大抵回教徒が家族で店を営んでいて、厨房をのぞくと、およそ理解不可能な言葉が飛び交い、その横を子供が走り回ったり、赤子をおんぶした女性が料理をしていたりする。 そんな蘭州ラーメン屋の看板メニューは牛肉麺か刀削…

  • 黄河に架かった初の鉄橋!中山鉄橋が重要な観光地になった秘密を探る!

    蘭州の象徴・中山鉄橋 西安からシルクロードを進み、最初に通る大きな街が蘭州(lán zhōu:ランジョウ)であるが、正直、シルクロードから想起するようなエキゾチックな雰囲気はこの街にはない。日本でも話題の蘭州ラーメンは中国では「蘭州牛肉麺(lán zhōu niú ròu miàn:ランジョウニュウロウミェン)」といって、イスラーム文化の代表のような料理であるが、蘭州のイスラーム文化は中華に完全に取り込まれていて、街の作りは至って中華テイスト。正直、他の地方都市と代わり映えがしない。これは蘭州だけが例外なのではなく、正直、嘉峪関まではどこもこんな感じ。シルクロードっぽい異国情緒を感じることがで…

  • 【閑話休題】台風接近中の今だから振り返りたい四川大震災の爪痕

    2008年10月、都江堰にて 今、部屋中に響き渡る大きな雨音を聞きながら、この原稿を書いている。ご存知のように巨大な台風19号が日本列島に接近。今夜には関東を直撃するということで、戦々恐々としている。昨日は本来、ブログの更新日であったが、それよりも水や食料の備蓄に奔走してしまい、ついつい更新を怠ってしまった。ブログを楽しみにしてくれている読者には申し訳なく思う。 さて、こうした巨大災害を前にすると、必ず思い出すのが2008年5月12日に発生した四川大震災だ。震源は四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川県で、地震の大きさを示すマグニチュードはなんと8.0。中国当局の発表によると死者6万9197…

  • 近すぎちゃってどうしよう!魅惑のB級水族館「無錫海底世界」へ行く!

    無錫海底世界のメインイベンターであるゴマアザラシのみなさん 日本だと、八景島シーパラダイスしかり、江ノ島水族館しかり、はたまた鴨川シーワールドしかりと水族館は海のそばにあることが多いが、海のそばに街のない中国の場合(というか圧倒的に海に接している地域が少ない)、どうやら水のあるところに作るらしい。ということで無錫も太湖の近くにあった! その名も「海底世界(hǎi dǐ shì jie:ハイディシージエ)」。淡水の太湖湖畔に「海底」とは妙なネーミングだが、太湖の生物に限定しちゃうとカニとかナマズとかしかいないので、それこそ誰も興味を示さないためだろう。ということで、巨大な人魚とカジキがお出迎え。…

  • 老子に仏像、孔子像!神々がカオスの島・仙島へわたる!

    仙島のランドマーク・黄金の老子像 琵琶湖の3.4倍の面積を誇る太湖にはいくつか島がある。最も大きい島は西山で、ここは蘇州の銘茶・碧螺春の産地として有名。続いて有名なのが西山の南に位置する三山島で、約1万年前のほ乳類の化石が大量に発掘されたことで知られている。ちなみに西山とセットで語られることの多い東山は半島だが、もともとはここも島。砂州の成長により陸地化した陸繋島のようだ。 ↓潟湖〜、砂嘴〜、砂州〜、陸繋島〜!(0:28あたり) youtu.be このように太湖の島といえば、蘇州に集中しているのであるが、実は無錫にも島がある。それが鼈頭渚のすぐ西にある仙島(xiān dǎo:シェンダオ)。鼈頭…

  • 君の知らない異国の街へ!無錫旅情の歌碑を訪ねる!

    鼈頭渚公園に設置された「無錫旅情」の歌碑 中国は広く、多くの都市があるが、それでも世界的に知られているのは北京と上海くらいなものだろう。ほか、歴史好きの人ならば西安、洛陽。場合によっては敦煌なんて名前も出てくるかもしれない。 しかしながら、世代によっては、ある一地方都市の名が心に刻まれている。 無錫である。 無錫と聞いてピンと来ないのは、おそらくアラフォー以下の世代の方々。アラフィフ以上の世代は、無錫と聞くと、「あぁ、尾形大作ね!」となるのである。 しかし、「尾形大作って誰?」ってなるのも、ある種、当然。なんせ、すっかりテレビで見なくなったからだ。試しにオリコンで出演情報を見てみると、最新の登…

  • 日本のチャーハンの源泉は揚州にあり!本格揚州炒飯を作ろう!

    揚州炒飯 さて、これまで当ブログでは四川料理に山東料理、安徽料理、福建料理と様々な地方の中華料理を紹介してきた。 www.morientes.jp www.morientes.jp www.morientes.jp 中華と一口に言っても、実に様々なことがわかるが、しかしながら日本人にとって中華といえば、やっぱりラーメン、ギョウザ、チャーハンが御三家だろう。 まずラーメンだが、もはや完全に日本料理にジャンル分けされる存在に。なんせ本場・中国でも日本のラーメンは日式拉面(rì shì lā miàn:リーシーラーミェン)と呼ぶほどなのだ。そもそも中国に麺(中国語では面と書く)と呼ばれるものは数あれ…

  • 先人たちの日中友好の努力を知る!鑑真ゆかりの大明寺を参拝!

    揚州・大明寺 前回、紹介した痩西湖の北隣に、とある仏教寺院が立つ。大明寺(dà míng sì:ダーミンスー)といって隋代に建てられた古刹だ。隋の文帝(楊堅)の誕生日を祝し、仏舎利を納める塔を全国に30座建てたうちのひとつで、当時は塔の名前をとって栖霊寺と呼ばれた。 牌楼に書かれた栖霊遺址の四字は清末の書家・姚煜によるもの この寺が日本にとって特別な意味を持つのは、唐代、この寺の住職を鑑真(jiàn zhēn:ジエンジェン)が務めていたことだ。鑑真といえば、律宗の日本総本山である唐招提寺を開いた人であり、日本仏教に授戒制度を持ち込んだ人物。当時、日本の仏教界といえば、自分で僧を勝手に名乗って僧…

  • かつての栄華の象徴!揚州・痩西湖は湖ではなく巨大庭園だ!

    痩西湖から五亭橋を望む 南京の東に中国全土に酢の産地として知られる鎮江という街があるが、その鎮江の北、長江の対岸に揚州(yáng zhōu:ヤンジョウ)という街がある。人口は453.1万人で、日本で言えば福岡県の人口より少なく、静岡県よりも多いことになるが(全国9〜10位の間)、そこは総人口13億の国。その人口は江蘇省の中でも下から数えた方が早い。参考までに、江蘇省の市の人口ランキングを作成してみた(2018年度調べ)。 蘇州 1072.17万人 徐州 880.2万人 南京 843.62万人 塩城 824.7万人 南通 731万人 無錫 657.45万人 宿遷 492.59万人 淮安 492.…

  • 知ってるようで知らない福建料理の世界を探る!

    By Photo taken by SunSuke (さんすけ) - http://gold.ap.teacup.com/tabemakuri/550.html, CC 表示-継承 2.5, Link 日本において、福建料理という名称はそこそこ普及している。おそらく広東料理と四川料理に匹敵するのではあるまいか。しかしながら、では「福建料理って、一体どんな料理?」と聞かれると、思わず答えに詰まってしまう。チャーハン?餃子?残念ながらどちらも異なる(チャーハンは揚州炒飯の影響を受けているし、焼餃子は洛陽の鍋貼にルーツがありそう)。そう、名前はよく聞くけど、実態がよくわからないというのが福建料理なの…

  • 脱中華色を求めて厦門へ!欧米の景色を求め、いざコロンス島へ!

    コロンス島・日光岩からの眺め 長らく中国にいると、突然、中華っぽくない所に行きたくなる。外国に行くのが手っ取り早いが、時間もお金も足りない時にはそうはいかない(もっとも外国に行っても、例えばマレーシアのペナンなど、ほとんど中国と一緒の場所もある)。そんな時は、中華色が薄そうな場所を探す。となると内陸の都市はほぼ全滅で、狙いは沿岸部の都市。キーワードはかつて租界が形成されていたか否かだ。上海近郊で言えば、そもそも上海が租界だったし、その近くだと寧波もそうであった。 www.morientes.jp そして、いつかは行ってみたい場所があった。厦門(アモイ)である。厦門の疎開はコロンス島(中国名は鼓…

  • 昔の中国の街づくりを知るには福州へ!三坊七巷で夜の街を徘徊する!

    ライトアップされた三坊七巷 京都や札幌の住所に「条」を使うのは、条坊制(左右対称で碁盤目に設計された都市)のなごりだが、その発祥は当然、中国にあるとされる。しかしながら、現在の中国に条坊制という言葉は残っていない(昔は使っていたが今はなくなってしまったのか、或いはそもそもなかったのかは定かではない)。代わりに里坊制(lǐ fāng zhì:リーファンジー)という制度はあるが、碁盤状という特徴は一緒ながらも、調べてみると日本の条坊制とは随分、意味合いが異なっている。 古来、中国の都市というのは敵の来襲に備えて、街自体が城壁で囲まれていた(したがって日本でいう「市」のことを中国語では「城市(ché…

  • 【閑話休題】中国の超有名説話「白蛇伝」のスポットを回ろう!

    nannziさんによる写真ACからの写真 日本最初のカラー長編アニメーション映画が作られたのは1954年のこと。記念すべきその作品は、僕はすっかり手塚治虫作品だと思っていたのだが、意外や意外、東映が手がけた「白蛇伝」だったらしい。 www.youtube.com もちろん本場・中国においても知らぬ人がいないほど。繰り返しドラマ化やアニメ化されており、老若男女を問わず知られている作品だ(ちなみにCCTVで放送されたドラマが、なぜか日本からでも見られる)。 tv.cntv.cn そこで今回は「白蛇伝」のストーリーを簡単に追いながら、そこに登場するスポットを紹介しよう。 ●峨眉山(é méi shā…

  • 八大菜系のひとつ安徽料理はとってもワイルドだぜぇ〜!

    霊壁の鶏料理 以前、当ブログで中華料理の四大菜系の話を書いた。www.morientes.jp 復習がてら、四大菜の名前をあげると、粤菜(広東料理)、川菜(四川料理)、苏菜(江蘇料理)、鲁菜(山東料理)の4つになるが、この他に八大菜系という分け方もある。上記の4種類の料理のほか、以下の4種が追加される。 ・闽菜(mǐn cài)ミンツァイ:福建料理 ・湘菜(xiāng cài)シャンツァイ:湖南料理 ・浙菜(zhè cài)ジェーツァイ:浙江料理 ・徽菜(huī cài)フイツァイ:安徽料理 日本人にとって、福建料理は広東料理と並んで馴染みのある料理だろう。海が近いため、中華では珍しく海鮮食材…

  • 明治の日本人が選んだ世界の偉人・李鴻章の生家を合肥に訪ねる!

    李鴻章故居 昨日は宿州は霊壁なんていうスーパーマイナーなスポットを紹介したが、そもそも安徽省自体がマイナーではないかと思い至った。www.morientes.jp 安徽省の主要観光地といえば黄山くらいで、さしたる観光地もなければ、日本企業の進出もさして多くない(この辺は江蘇省と湖北省に進出が集中して、いわばブラインドスポットになっている感がある)。中国に住んでいた経験があれば、さすがに知らない人は少ないだろうが、それでも行ったことがあるという人はそれほど多くないのではあるまいか。知っている理由も出稼ぎ労働者が多いからで(あと、なぜか上海の美容師は安徽省出身者が多い)、やはり少し貧しいイメージが…

  • 陸の孤島に美女の墓。安徽省霊壁へ虞美人に会いに行く!

    安徽省宿州市霊壁にある虞姫墓 まずは訂正記事から。先週、公開した「好き者たちの夢の跡。夫差が美女を囲った霊岩山で浮世を想う」にて、中国四大美女の中に覇王・項羽の妻である虞姫(虞美人)を誤って入れてしまった(正確には呂布の妻・貂蝉と虞美人を勘違いしてしまった記述をした)。心よりお詫び申し上げます。 www.morientes.jp なぜ、そんな間違いをしたかといえば、ひとつに大して三国志に興味がないということと、もうひとつに『覇王別姫』の主役である虞姫が中国四大美女に入っていないわけがないという思い込みにある。その後、調べてみたが、虞姫は四大美女どころか十大美女にもエントリーされていないという衝…

  • ようこそ呉服の故郷へ!蘇州でシルク&刺繍の歴史を知る!

    呉服として知られる蘇州のシルク 台風襲来に父親の手術といろいろなことが重なり、更新がしばらく途絶えてしまった。申し訳ないです! 気を取り直して、続けたいと思います。 tenki.jp さて、蘇州はかつて「呉」と言ったが、この呉と日本はなにかと縁がある。例えば、漢字の読み方のひとつに「呉音」がある。 脱線を覚悟して話を続けるが、漢字の読み方には、「呉音」「漢音」「唐音」の3種があるのは昔、学校で習った通り。例えば、「行」という時はそれぞれ、次のように読む。 ・呉音「ギョウ」※行列(ギョウレツ)、行商(ギョウショウ)など ・漢音「コウ」※行動(コウドウ)、銀行(ギンコウ)など ・唐音「アン」※行灯…

  • 好き者たちの夢の跡。夫差が美女を囲った霊岩山で浮世を想う

    蘇州木瀆・霊岩山山頂 世界三大美人は?と聞かれ、クレオパトラに楊貴妃、小野小町と答えるのは世界広しといえど日本人だけだろうが、なんと楊貴妃については洋の東西を問わず認められているらしい。 matome.naver.jp では、本場・中国は?といえば、楊貴妃だけが突出して美人だと認識されているわけではなく、「中国四大美人の一人」として挙げられることが多い。ちなみに中国四大美人というのは大変メジャーで以下の四人が挙げられる。 ・西施(xī shī)シーシー By Identified as He Dazi (赫達資) - Selections. The Art and Aesthetics of …

  • 街道をゆくでも取り上げられた川と並行に架かる橋・蘇州宝帯橋を訪ねる!

    蘇州・宝帯橋 蘇州駐在者のバイブルと言われる一冊の本がある。司馬遼太郎の<街道をゆく>19巻「中国・江南のみち」だ。 単に蘇州と杭州が舞台というだけの話だが、上海や北京ではなく、蘇州というマイナースポットに駐在する人にとって、本で取り上げられるというのは溜飲が下がる思いなのだろう(蘇州は日本人駐在員が中国で三番目に多い)。もっとも観光地が紹介されているわけではなく、司馬遼太郎はひたすら旧市街の家の造りばかりに注目し、書いているのであるが、その本に登場する観光地が、蘇州に関していえば2つだけある。ひとつは盤門、そしてもうひとつが、今回紹介する宝帯橋(bǎo dài qiáo:バオダイチャオ)であ…

  • 中華料理の源泉を求めて!四大菜系の首・山東料理を味わおう!

    孔府菜の代表料理・一品豆腐 中華料理と一口に言っても地方ごとに特色があり、それこそ星の数ほど存在するが、大雑把に括ってしまうと、四大菜系(菜:cài=ツァイは料理のこと)に分かれるらしい。 ・粤菜(yuè cài)ユエツァイ:広東料理 ・川菜(chuān cài)チョアンツァイ:四川料理 ・苏菜(sū cài)スーツァイ:江蘇料理 ・鲁菜(lǔ cài)ルーツァイ:山東料理 最初の2つは納得だろう。広東料理といえば、フカヒレ、ナマコ、ツバメの巣など、いわゆる高級料理の代名詞だし(多分に香港の影響が強い)、四川も辛いイメージはあるが、以前、当ブログでも紹介したように麻婆豆腐、ホイコーロー、担々麺…

  • 廃船に浮かぶ濼口浮橋から中華文明の源泉・黄河を眺望する!

    濼口浮橋から見る黄河 山東省の都市と聞いて、最初に思い浮かぶのはおそらく青島(qīng dǎo:チンダオ)だろう。日本で中国ビールの定番といえばチンタオだが、それは中国でも同じ。また、青島は国内有数の観光地であるほか、有数の商業都市でもあるから、中国人のほとんどの人が青島のことを知っている。 では、青島が山東省の省都であるかといえば、実はそうではない。済南(jǐ nán:ジーナン)である。もっとも知らなかったと言って恥ずかしがる必要はない。なぜなら中国人ですら勘違いしがちなのだ(日本人の僕が中国人に訂正したこともある)。 そんな済南に旅行で立ち寄ったことがあり、言っても省都だから名所の一つや二…

  • これぞ最強の受験祈願?孔子の故郷・曲阜孔廟へ詣る!

    曲阜・孔廟 山東省に曲阜(qū fù:チューフー)という街がある。ちょうど北京と上海の中間地点にある街で、近くには霊山として知られる泰山がある(49日に転生先の性別や寿命を決める泰山王は、この地の冥界信仰の王様のことで、山自体が地獄のモチーフにもなったと言われる)。 なんせ田舎なので日本人には縁遠い街ではあるが、実はこの曲阜、ひとつの観光スポットだけで持っている街だと言っても過言ではない。世界遺産にも登録された三孔(sān kǒng:サンコン)がある街なのだ。三孔とは孔廟(kǒng miào:コンミャオ)、孔府(kǒng fǔ:コンフー)、孔林(kǒng lín:コンリン)の3つのことで、全て…

  • 【閑話休題】中国に行ったら見たい!京劇や雑技などの伝統演劇の基礎をおさえよう!

    Photo by (c)Tomo.Yun(http://www.yunphoto.net) 僕が中国に興味を持ったきっかけのひとつに京劇がある。正月の深夜、たまたまテレビをつけたところ放映していたのが陈凯歌(chén kǎi gē:チェンカイグー)監督の映画「霸王别姬(bà wáng bié jī:バーワンビエジー)」。何気なくつけたのだが、多指症の少年の指を母親が包丁で切り落とすシーンに衝撃を受け、そのまま目が離せなくなった。172分もの超大作だが、まさに釘付けになって見た覚えがある。 2001年に北京に旅行に行ったのも本場・中国で京劇の「覇王別姫」の舞台が観たいということであったし、立ち寄…

  • 車から下車できるサファリパーク・常州淹城野生動物世界で動物と触れ合おう!

    常州淹城野生動物世界 前回の「テーマパークと侮るなかれ!中華恐竜園で本物の恐竜の化石を見よう!」にて、常州恐竜園はその絶叫マシンのラインアップといい、上海からの距離感といい、まさに中国の「富士急ハイランド」という話を書いたが、富士といえばもうひとつ欠かせないスポットがある。 ふじぃ!サ・ファ・リ・パァァァク である。 www.fujisafari.co.jp そして偶然とは恐ろしいもので、常州にもサファリパークが存在する。それが常州淹城野生動物世界(cháng zhōu yān chéng yě shēng dòng wù shì jie:チャンジョウヤンチェンイェシェンドンウーシージエ)。ち…

  • テーマパークと侮るなかれ!中華恐竜園で本物の恐竜の化石を見よう!

    常州・中華恐竜園 上海ディズニーランドができる前、上海人にとってのテーマパークといえば、身近なところで「錦江楽園(ハッピーバレー)」、足を伸ばして蘇州の「蘇州楽園」に常州の「中華恐竜園」と相場が決まっていた。特に人気があったのが「中華恐竜園」で、最新の絶叫マシンが集まることで有名。上海から高速で飛ばしても2時間ほどかかることから、中国の富士急ハイランドのような存在だと言っていい。 www.fujiq.jp 上海ディズニーのオープン以来、話題はすっかり奪われてしまったが、錦江楽園が閑古鳥が鳴くのに対し(ハッピーバレーは度重なる故障で悪評がつきすぎた)、中華恐竜園は未だに人気が衰えることはないと聞…

  • 四川のメインイベントはやっぱりパンダ!パンダ基地でパンダ三昧だ!

    成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地 なるべくニッチな観光地を紹介してきた当ブログであるが、今回だけは許してください。なんせ、パンダが大好きなもんだから…。 成都特集第三弾は、やっぱりパンダ。四川料理も川劇も所詮は前座であって、メインイベントはどうしてもパンダでなければならない。とはいえ、「アラウンンド・チャイナ」的には意表をついて成都動物園の紹介でもしようと思ったのだが、困ったことに成都動物園からパンダファンの聖地・成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(パンダ基地と呼ぶ)まではパスで一本。目と鼻の先まで来て聖地に寄らずににいられるか、ということで、とぼとぼとやって来てしまった次第だ。 パンダ基地…

  • エンタメ要素満点の伝統芸能・川劇「変臉ショー」を楽しもう!

    変臉ショー 成都特集第二弾は伝統芸能「川剧(chuān jù:チョアンジュー)」を取り上げたい。中国に地方劇は星の数ほどあれど、この川剧がー京劇を除いてー突出して有名なのは、ひとえに「变脸(biàn liǎn:ビェンリェン)」のためだと思われる。日本語ではたまに「変顔」と紹介され、なにか「にらめっこ」のような印象を与えがちであるが、変臉とはさながらメキシコのマスクマンのような人が登場し、瞬時にマスクの図柄を変えるというショーのことだ。大抵はマントのようなもので顔を隠し、マントを取り去ると顔が変わっているという演出が多い。その間、1秒もないほどの早業。この仕掛けについては、なんと第一級国家機密と…

  • 日本の中華とこんなに違う!本場・成都で四川料理を食べ比べ

    陳麻婆豆腐の金牌麻婆豆腐 中国に興味を持つ外国人は多いが、特にニッポン人の場合、三国志が入り口というパターンが少なくない。三国志にたいして興味のない当ブログにおいても、赤壁に近い武漢のフェリーに無錫の三国城と、三国志ゆかりの地を避けては通れなかったわけだが(ゆかりといえるかわからないが)、やっぱり三国志の聖地といえば蜀の都・成都(chéng dū:チェンドゥ)だよねということで、今回から3回に分けて成都の観光スポットを紹介することにする。 www.morientes.jp www.morientes.jp といっても、ストレートに武侯祠の紹介をするはずもなく、独善的に成都に行ったら外せないもの…

  • 中国で海の魚に出会うのは至難の技!そうだ臨海へ行こう!

    蒜蓉粉絲生蠔 中国にいて「やっぱり日本人だなぁ」と思うのは、無性に魚が食べたくなることがあることだ。無論、中国にだって魚はあるのだが、市場をのぞいても、どうも触手が動かない。日系のスーパーに行かない限り、アジやサバなど馴染みのある魚がそもそも売っていないのだ。 ちなみに中国の四大名魚と言われている、代表的な魚が以下の4つ。 ・鲈鱼(lú yú:ルーユー)スズキ・鲥鱼(shí yú:シーユー)ジギョ・鲤鱼(lǐ yú:リーユー)コイ・银鱼(yín yú:インユー)シラウオ …日本語訳をみても、やっぱりピンとこない。かろうじてスズキはフレンチにも使う食材だから日本の魚市場でもたまに見かけるが、コイ…

  • 本家長城の1/1000。臨海・江南長城の建造目的を考える

    江南長城 人類最大の建造物にて、唯一宇宙から肉眼で見える建造物でもある万里の長城。ニッチな観光スポットを取り上げる当ブログでも、やはり避けては通れなかった観光地だ(もっとも取り上げたのは、一番端っこだったが)。 www.morientes.jp ただ、上海周辺を旅行中だったり、住んでいたりする場合、正直、北の方まで行くのが面倒臭い。「あーぁ、身近な場所で長城はないかな?」と思ったら、なんと江南にも長城が存在するのである! その名も「江南長城(jiāng nán cháng chéng:ジャンナンチャンチェン)」という。場所は浙江省の臨海(lín hǎi:リンハイ)という街で、上海から中国版新幹…

  • 【閑話休題】真夏の夜の夢。上海周辺の夏限定イベントをチェック!

    提供:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) さて、8月も残すところわずか! 今年の夏は暑すぎて、昼間に旅行なんてしてらんない!ということで、今回の閑話休題は夜に楽しめる夏季限定イベントについて取り上げたいと思う(もっと早くやるべきだったんだけど)。今回は無錫、蘇州、上海から一つずつピックアップ。この機会にぜひ参加してほしい。 無錫・蠡園 ド派手なライトアップが施された蠡園の入口 無錫の太湖沿岸にある庭園「蠡園(lǐ yuán:リーユェン)」。随分、難しい漢字を書くなと思うだろうが、この「蠡」は春秋時代・越王勾践(臥薪嘗胆で有名な人)の宰相である范蠡(fàn lǐ:ファンリー)…

  • やっぱり夏は海だよね!連島ビーチリゾートで海水浴&海鮮料理を満喫

    大沙湾遊楽園 夏といえば海!というのが我々ニッポン人の発想。日本は島国なので海は身近な存在。車でちょっと走らせればビーチにたどり着く。 対して中国はといえば、沿岸部を除けば、ほぼ海なし県ならぬ海なし省。沿岸部といっても遼寧、河北、山東、江蘇、浙江、福建、広東、海南、広西の9省と天津と上海の2直轄市しかない。したがって大半の中国人にとって、海は無縁の存在だ。しかも、例えば上海の場合、市街地は海に面しているわけではなく、海はといえば浦東空港のさらに先とかなり遠い。さらにビーチはといえば、金山という、浙江省との省境の方まで行かねばならない。 goo.gl 全くもって身近ではないのだ。しかも、中国では…

  • 猴子王に俺はなる!花果山水簾洞で悟空のように滝潜りに挑戦

    花果山水簾洞 先日の「孫悟空の故郷・連雲港へ。花果山には悟空の子孫がいっぱいいた!」では、孫悟空の生誕地だといいつつ、単に野生の猿がいっぱいいる、という紹介しかできなかったわけであるが、花果山の見所は決して猿だけではない! 玉女峰と並ぶ必見スポットを紹介しよう。 「水簾洞(Shuǐ lián dòng:シュイリェンドン)」だ。水簾とは滝のことで、洞は洞窟のこと。ふむふむ、滝にある洞穴というと、やはり思い浮かぶのが「西遊記」。孫悟空は仙石から生まれ、当初は普通の猿として暮らしていたが、ある日、滝に飛び込んで洞窟を見つけ、それをきっかけに猿の王となったという一節である。 <PR>この機会に西遊記を…

  • 孫悟空の故郷・連雲港へ。花果山には悟空の子孫がいっぱいいた!

    花果山 このブログの趣旨は「ニッチな観光スポット紹介」ということで、あえて触れなかったのであるが、昨日まで紹介していたトルファンの有名な観光スポットとして「火焔山」がある。夏には50度を越えることもある恐ろしい場所だが、ここは「西遊記」の舞台として有名。孫悟空が涼しさをもたらす芭蕉扇を巡り、牛魔王と戦った場所とされている。 www.morientes.jp 同じく「西遊記」ゆかりのスポットが、トルファンから遥か東にもある。連雲港(lián yún gǎng:リェンユンガン)という、日本人にはあまり馴染みのない名前の街であるが、くしくもシルクロードからカザフスタン、ロシアを経て、ベルリンに至るア…

  • これぞ砂漠のオアシス!トルファンのスレイマン拌麺王で饃饃菜をいただく

    スレイマン拌麺王の看板料理・ラグメン 店がなくなっていたら、ごめんなさい! 実際に現地に出かけたのは、このブログを書いている時点で、相当昔の話になっているため、スポットや店を紹介する場合にはそれなりに気をつかう。公式サイトがあれば完璧。公式がない場合は、スポットならCtrip、食事なら大衆点評などのサイトで最新情報を確認し、交通手段も百度地図を使って検索する。自信のない店については、百度地図のストリートビュー機能を使って、昔の記憶を頼りに巡行し、店の位置を確認する。それでも大きな店や老舗ならまだしも、小さな店の場合は、リスクを考え紹介を諦めることが多々あったりする。 今回、紹介する店についても…

  • 干しぶどうを食べながら、吐峪溝&葡萄溝でウイグル族の暮らしに触れよう!

    吐峪溝マザール村 トルファンには過去二度訪れたが、やはりウイグルに来て思うのは、明らかに中国とは異なる文化圏であるということだ。 そもそもウイグル族は、漢民族とは明らかに顔立ちが異なるし、使う言葉も違う。そして最大の特徴は、ウイグルがイスラム文化圏に属すということだ。街には必ずモスクがあり、朝はアザーンの音で目覚める。ホテルにはサラートを行うための礼拝堂が必ずあるし、食事は羊を好み、豚を忌避する。また、街を歩く姿は圧倒的に男性が多い(イスラムでは女性はあまり外出しない=させない)し、一様にイスラムワッチを被っている。 中国というより、中東と言ったほうがピンとくるくらいだ。 帽子 イスラムワッチ…

  • 地球は広い!何もない酷暑のトルファン・クムタグ砂漠で我思う

    クムタグ砂漠 残暑お見舞い申し上げます。 嫌な暑さが続き、すっかり何もやる気の起きない今日この頃(ブログ更新だけで精一杯)。日本の暑さはヨーロッパに比べ、ジメジメしていて過ごしずらいと言うが、中国の場合はといえば、日本同様にジメジメしている上に、後を引く(夜になっても暑さが続く)。特に内陸に行くに従って、その傾向は強くなる。 そんな中国の中でも特に暑いことで有名な場所を「中国四大かまど」と呼ぶ。そのうちの3つ、南京、武漢、重慶はいずれも長江沿いにあり、周りを山が囲んでいる、いわゆる盆地。さぞ暑かろうと思い、iPhoneの「天気」で調べてみた。 南京のお天気。ん、東京とさして変わらない? 武漢は…

  • 【閑話休題】小腹が減ったら!チープに食べられる中国のお手軽麺5選

    提供:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) 中華といえば円卓に次々と料理が運ばれてくるイメージだが、美味しくないのも混じってるし、毎日、そんな料理ばかりだと飽きるよね。ということで、今回は閑話休題として中国の街角にはどこにでもあるお手軽ファーストヌードルを集めてみた(ちなみに筆者が住んでいたのは主に上海を中心とした江南エリアだったため、ひょっとすると北京や広州なんかにはない料理もあるかもしれない)。 牛肉刀削麺 牛肉刀削麺 今、日本でも話題の蘭州ラーメンのお店で提供。蘭州ラーメン屋といえば、看板メニューは蘭州ラーメンなのだが、正直、麺がもちっとした刀削麺の方が日本人には合う気…

  • 北京ダックの源は南京にあり!南京湖南路の鴨料理で食いだおれる

    金陵烤鴨(南京ダック) 北京ダックは有名だけど、南京ダックなんて知ってた? 前回、南京原人を取り上げた際、その施設の展示方法もあってB級スポットのような紹介の仕方をしてしまったが、今回はそんなつもりはございません! なぜなら、南京の鴨料理は伝統があるばかりか、北京ダックに影響を与えたことがハッキリと判っているからである(鴨とアヒルは厳密には別物だが、中国で料理の鴨は通常、アヒルを指すので、乱暴だが鴨とアヒルを同じものとして話を進める。ややこしい)。 南京の鴨料理といえば、古くは南北朝時代のグルメ書「食珍録」に炙鴨として掲載されているが、広く普及したのは明の時代だと言われる。かの明の初代皇帝・朱…

  • 60万年前の女性とご対面!湯山・南京古猿人洞を探検する

    南京古猿人洞 北京原人は有名だけど、南京原人なんて知ってた? 前回、紹介した南京湯山には温泉のほか、もうひとつ目玉の観光地がある。それが南京古猿人洞(nán jīng gǔ yuán rén dòng:ナンジングーユエンレンドン)だ。この洞窟で古代の男女の骨が発見されたのが1984年のこと。調査の結果、58-62万年前の骨だということがわかり、南京原人(中国語では南京猿人。中国では原人を猿人という。ややこしっ!)と名付けられた。中国では北京原人、元謀原人、藍田原人に次ぐ重大発見だとされる(北京原人以外、知らないけど)。 <PR>海外格安航空券が24時間Web予約可能! この洞窟、実は雷公洞とい…

  • あの南京で日本を発見!中国随一の温泉リゾート湯山で温泉に浸かる

    蒋介石湯山温泉別墅 南京は、日本人には行くのに躊躇する場所だ。実際、タクシーに乗った際、当時の通訳くん曰く「とても通訳できる内容ではない」と言うほど罵詈雑言を浴びされたこともあったし、地下鉄の駅で身分証の提示を求められたのでパスポートを出したところ、慌てて「しまえ!」と注意されたこともあった。無論、そんな人はごく一部だろうが、少なくとも親日的な場所ではないことは確かだ。 では、南京は避けるべきかと聞かれれば、立ち寄らないのはもったいないと答えてしまう。なぜなら、南京には中国随一の温泉があるからだ。 湯山(tāng shān:タンシャン)という。 南京は山に囲まれた盆地だが、市街東部、ちょうど中…

  • とっても甘〜い小籠包・無錫小籠包を老舗「王興記」でいただく!

    王興記の無錫小籠包 湖南料理は辣(là:ラー=辛い)、四川料理は麻(má:マー=痺れる)とよく言うが、それに当てはめれば無錫料理は甜(tián:ティエン)である。とにかく甘い。別にデザートを食べているわけではなく、普通のおかずが甘いのだ。 その代表例が無錫小籠包(wú xī xiǎo lóng bāo:ウーシシャオロンバオ)だろう。小籠包というのは、本来、肉汁の旨味を味わう料理だと思うのだが、無錫の小籠包は旨味の前に甘さがくる。そう書くと、なんだか不味そうと思えるが(実際、書いてる本人も不味そうに思ってしまうから仕方ない)、慣れてくると不思議なもので、甘くないと物足りなくなってしまう。ともかく…

  • 無錫の太秦映画村!「無錫三国影視城」で三国志の世界に迷い込む

    無錫三国影視城 中国に興味を持つ人のうち、三国志から入ったという人は想像以上に多いと思われる。それほど日本人の三国志好きは有名だ。一昔前まで、三国志といえば横山光輝の漫画かNHKの人形劇だったが、今やアニメやゲームのモチーフになり、日本のメディアとなって世界中に広がっている。無論、中国も例外ではなく、ある三国志を日本のゲームで知った少年は、「三国志は日本の話だと思ってた」と発言し、大きな注目を集めた(もちろん悪い意味で)。おそらく一般の中国人より、日本人の方が遥かに三国志のことを知っていると思う。 さて三国志といえば、成都や赤壁など聖地的な場所が存在するが、実は無錫にもファン垂涎の観光スポット…

  • 中国人憧れの地?仏教テーマパーク「霊山大仏」に行こう!

    霊山大仏 中国は儒教の国で、日本は仏教の国、だなんて言われるが、全然違うと思う。中国の電車で立っているお年寄りの姿を見ると、よっぽど日本の方が儒教精神があるなと思うし、反対にお寺で熱心にお祈りしている姿を見ると、日本人に比べて全然信心深いと感じる。やはりアナログ的な見方をしていては、世界は見えてこない。 特に江南地方については、圧倒的に仏教徒の方が多い。若い人でも膝を立ててお祈りし、三度叩頭する姿を見ると、素直にすごいなと思うのだ。 そんな仏教信仰が篤いお土地柄だからか、無錫には仏教のテーマパークまで存在する。「霊山大仏(líng shān dà fó:リンシャンダーフォー)」といって、太湖沿…

  • シルクロードといえば羊だね!嘉峪関で絶品「烤羊腿」を食す!

    嘉峪関名物の烤羊腿 シルクロード旅の楽しみは食にあると言っていい。さらに西に進み、ウイグル(新疆)に行くと、料理も中華とは全然異なってくる(ウイグル族はもともとトルコ系)が、嘉峪関あたりは中華とウイグルのハイブリッドといった感がある。考えてみれば、中華料理もトルコ料理(厳密にはウイグル料理とは違うのだが)も世界三大料理のひとつだから、オイシイとこどりといったところだろう。 さて中国西域の代表的な素材といえば、コレ。 メェ〜〜〜〜 羊である。羊は日本ではジンギスカンかラムチョップくらいしか食べないが、中国では牛・豚・鶏と並ぶ定番食材。日本で人気となりつつある火鍋も中国では羊肉がメインだし、どこの…

  • はるばる来たぜ、嘉峪関!長城の最西端で万里に思いを馳せる

    嘉峪関 中国版新幹線は、以前「2つの仕掛けを知ってれば楽しさ倍増!蘇州庭園を見に行こう!」を書いた時に紹介したように、高铁(gāo tiě:ガオティエ)と呼ぶ。高速鉄道の略だ。高鉄の車両番号は「G」から始まるが、新幹線でも「D」から始まるものがある。动车组(dòng chē zǔ:ドンチャージュ)だ(正式には中国標準動車組というらしいが、みんな動車組とか動車としか呼んでいない)。この「G」と「D」の違いは、走るレールにある。専用に作られたレールを走るのが高鉄、既存のレールを走るのが動車組だ。例えば上海・南京間は高鉄の直通だと1時間で結ぶが、動車の場合、直通でも2時間かかってしまう(普通の電車は…

  • 武漢は小吃天国!定番の熱乾麺としいたけ入り小籠包は外せない!

    武漢人の朝の定番「熱乾麺」 中国人に、「武漢で最も有名な料理といえば何?」と問えば、おそらくほとんどの人が热干面(rè gàn miàn:ルーガンミェン。日本語だと熱乾麺)と答えるだろう。熱乾麺は、中国五大麺料理のひとつで(ほかは山西省の刀削麺、広東省の伊府麺、四川省の担担麺、北京の炸醤麺)、中国ではカップ麺として販売しているほど有名だ。 武漢の典型的な朝食として知られているというが、よく朝からこんな料理を食べれるな、と思う。熱乾麺は湯がいた麺に、ネギや胡椒の入った胡麻ダレをかけ、混ぜてから食べるのだが、タレは味が濃く、こってりした風味。僕としては朝食は、もっとあっさりしたものを食べたいと思う…

  • 中国版維新の息吹を感じに行く!辛亥革命武昌起義記念館を訪ねよう

    辛亥革命武昌起義記念館 黄鶴楼を起点に北西に進めば、武昌と漢口を結ぶ中華路碼頭に着くが、それとは真逆の南東に進むと孫文の石像とその背後に赤茶色のレトロな建物が見えてくる。この建物、通称「紅楼」は、かつて清政府の湖北諮議局が置かれ、その後、中華民国の湖北軍司令部(正式には鄂軍都督府。鄂とは湖北省のこと)となった場所だ。今では「辛亥革命武昌起義記念館(xīn hài gé mìng wǔ chāng qǐ yì jì niàn guǎn:シンハイガゥミンウーチャンチーイージーニエングアン)」として、一般に開放されている。 1911年10月10日、この地で武昌起義が起こり、武昌と漢陽を占領(当時の漢…

  • 1.5元で楽しむ長江クルーズ!武漢に行ったら中華路から渡し船に乗ろう

    武漢・中華路碼頭 中国旅行といえば、万里の長城や桂林の漓江下りなど、いくつかハイライトがあると思うが(そういった観光地はまったく紹介しないわけだが)、その中のひとつにあげられるのが長江三峡下りだろう。重慶を出発し、三峡ダムを経て、宜昌までというのが一般的。赤壁など三国志ゆかりの地を巡るなら、さらに武漢まで進むことになる。 優雅な旅だが、時間はかかるし、お金もかかる(中国でチケットを買うと、一等で1500元、四等で300元くらいが相場らしい。ちなみに日本人は四等で過ごすなど、とてもじゃないけど無理だと思う)。もっと手軽に長江クルーズを楽しむ方法がないものか、といえば、実はあるのだ。武漢の漢口(h…

  • 寧波に行ったらアレを食わなきゃ!本場・寧波湯圓を缸鴨狗で食す!

    寧波湯圓 前回、「中国なのに中国色が薄い街・寧波は老外灘で欧米気分を満喫する!」で紹介したように、寧波は海が近い。当然、数こそ少ないが海鮮料理店があり、海の幸を堪能できるが、青島ほど店がたくさんあるわけでもなく、かつ値段も高い(海鮮は中国では他の料理に比べて割高)。特に日本からわざわざ旅行に来て、海鮮料理を食べる必要もないかと思われる(海鮮といっても、シャコがメインだし)。 では、寧波で何を食すべきか? 実は寧波、中国全土にその名を知られる超有名な料理がある。そう、スーパーの冷凍食品コーナーを占拠しているコレ↓だ。 湯圓(tāng yuán:タンユエン)である。 日本ではあまり馴染みのない料理…

  • 中国なのに中国色が薄い街・寧波は老外灘で欧米気分を満喫する!

    寧波老外灘 仕事で何度か寧波に行ったが、この街はなんとなく落ち着く。なんと形容すればいいのか、他の街に比べ、中国っぽさが少し薄い気がするのだ(単に薄いのであって、決して中国っぽくないわけではない)。なぜかと思い、はたと気がついた。 寧波は海が近いのだ。 中国はユーラシアという巨大な大陸にある国だから、ほとんど海というものを見る機会がない。ひたすら地面は平坦で、田舎に行けば地平線もごく一般的。それはそれで雄大なのだが、いくら進めど景色が変わらず、どこか落ち着かないところがある。一方、寧波は海が近いだけで、海が見えるわけではないのだが、開放感を感じるのだ。 もっとも駅周辺は中国色が色濃く、ここから…

  • 杭州からバスで2時間!最澄修行の地「天台山」は今も秘境にあった!

    天台山国清寺 早いもので、このブログも連載10回目。どこを紹介しようか悩んだが、せっかくなら連載1回目と関連がある場所がいいのではないかと思い、ここに決めた。場所は浙江省天台県だ。 県というと日本の都道府県のような大きな行政区を想像しがちだが、中国の県は日本で言えば郡に相当する。つまり、中国で県がつく地名といえば、相当な田舎であると考えたほうがいい。 僕が天台県を訪れたのは、かれこれ10年以上も前だが、当時はバスターミナルとは名ばかりのバス停の標識がひとつあるだけで、まわりに店どころか人家もまばらであった。今は少しましになったようだが(百度地図のストリートビューを見ると、近代的なターミナルビル…

  • チェーン店だと侮るなかれ!杭州に行ったら外婆家でジューシーな茶香鶏を食すべし!

    茶香鶏 杭州料理に上海料理、それに蘇州料理といった江南料理はたいして味に違いがないと思っている。例えば、杭州料理の代表格といえば「東坡肉」(dōng pō ròu:トンポーロウ)で、これは日本でも有名だが、限りなく見た目が同じ(というより同じものとしか思えない)「紅焼肉」(hóng shāo ròu:ホンシャオロウ)はどこのレストランでも大抵食べられる。これは逆も然りで、「小籠包」(xiǎo lóng bāo:シャオロンバオ)は上海料理として有名だが、「湯包」(tāng bāo:タンバオ)ならやはりどこでも食べられる。小籠包に至っては、蒸籠(セイロ)を強調した名前が小籠包で、料理そのものを強調…

  • 一元札片手に西湖に浮かぶ島へ!中国人の西湖への偏愛の秘密も考察する

    三潭印月 杭州がいかに風光明媚であるかを表現する言葉として「上有天堂,下有苏杭」がある。「上には天国があり、下には蘇州と杭州がある」、つまり蘇州と杭州は天国と並び称されるほど美しいという意味だ。正直、蘇州の場合、どこが天国のような場所か思い悩む(というか思いつかない)が、杭州の場合はすぐにピンとくる。もちろん、西湖 (xī hú:シーフー)であろう。 中国人の、この西湖に対する偏愛ぶりは凄まじいものがある。外国人には単なるちっぽけな湖(6.5㎡だから、中国のサイズ感としては小さい部類に入る)にしか見えないが、中国人は「美しい!」を連呼するのである。 中国人がどれほど西湖が好きなのかは、名前の由…

  • 中国で最も飲まれているお茶の故郷へ。高級茶を求めて龍井村に行こう!

    龍井村 中国茶と聞くと、ウーロン茶やプーアル茶のような、いわゆる茶色いお茶を想像しがちだ(本来のウーロン茶は茶色くないけど)。しかしながら、中国で生産するお茶のうち、実に6割以上が日本と同じ緑茶。ウーロンやプーアールは、それぞれ雲南省と福建省の特産物といった立ち位置で、それほど消費されるわけではない。日本で有名になったのは、台湾や香港の影響だと思う(凍頂烏龍茶は台湾のお茶だし、プーアールは香港飲茶で飲むお茶として有名)。 とはいえ、中国の緑茶は日本の緑茶とはずいぶん印象が違う。日本の緑茶は茶葉を漉して抽出するが、中国の緑茶は茶葉をそのままぶちこむ。さらにナツメやクコの実、菊の花なども一緒に入れ…

  • 上海蟹は上海では食うべからず!ブランド蟹を求めて陽澄湖へ行こう

    陽澄湖大閘蟹 中国・秋の名物として「上海蟹」が有名だ。しかし、中国に行って「上海蟹有吗?」(有吗 yǒu ma:ありますか?の意味)とそれっぽく言っても絶対に通じない。なぜなら「上海蟹」という中国語は存在しないからだ。 「上海蟹」は、中国語で「大闸蟹 dà zhá xiè:ダージャーシエ」という。なぜ、日本で「上海蟹」と呼ばれるようになったかといえば、上海港から輸入されたカニだったからだ。天津甘栗も天津港から運ばれて来たからであり(天津は都会だから栗林など存在しない)、中国から買い入れた汽船に乗って運ばれて来たトコジラミが南京虫と呼ばれたのも全て同じ理由だ。 天津で甘栗が採れないように、上海で…

  • あの孫権が盗掘していた?池の形から虎丘・剣池の正体を推測する!

    虎丘・剣池 蘇州の北に「虎丘」という蘇州屈指の観光地がある。高さ36mという小山で、山頂に中国版ピサの斜塔と称される雲岩寺塔が建っていることで有名だが、ほかにも様々な故事にちなんだ観光スポットが集まっていることで知られる。さながら、伝説のテーマパークのような場所だ。主だった見所を列挙してみよう。 盲目の老僧が井戸を発見し、目が治ったことで知られる「憨憨泉」 干将・莫邪夫婦が作った伝説の剣を呉王・闔閭が試し切りした「試剣石」 蘇州を代表する芸術家・唐伯虎と秋香が石投げで遊んだ「枕石」 唐代の名妓で操に守るために自殺した絶世の美女・真娘の墓「真娘墓」 茶道の創始者・陸羽が名水と定めた「天下第三泉」…

  • 2つの仕掛けを知ってれば楽しさ倍増!蘇州庭園を見に行こう!

    藝圃 長らく上海に住んでいたが、誰か知り合いが来るたびに思う。 どこに連れて行ったらいいのやら? 悠久の歴史を誇る中国にあって上海は例外。長らく鄙びた漁村に過ぎず、発展したのは19世紀に南京条約により開港され、外国による租界が形成されてからだ(成り立ちでいえば横浜や神戸と似ている)。そんな具合だから観光地がない。しかも、みんな中華街みたいな所に行きたがるから、結局、豫園に連れて行くことになる。 中華料理店と中国茶屋、そして中華グッズ店が所狭しと並ぶことで有名な豫園だが、正式名称は「豫園商城」。単に豫園といえば庭園を指す。ここに来れば、自然と庭園にも入るのだが、来るたびに「庭園を見るなら、蘇州に…

  • 西安に行ったら必ず食べたい!中国版ケバブ「臘汁肉夾饃」

    肉夾饃 中国は北は麺食、南は米食とよく言われる。とはいえ、今や美味い米といえば東北米(東北地方で採れる米。日本ブランドの米も作っていて、あきたこまちなどが中国でも人気)で、その線引きも曖昧になった感があるが、「あー、そういや、この辺は麺しか出なかったな」と思い出させるのが、西安以降のシルクロード地方だ。今や日本でも人気となった蘭州ラーメンをはじめ(未だに10元未満で食べていた記憶が忘れられず、日本ではお店に入れない)、西安の涼皮(リャンピー、酸っぱ辛いつゆにまぜて食べる日平太の麺。ところてんに似てる)、羊肉泡饃(ヤンロウパオモウ。羊肉のスープにパンをちぎって入れてあるもの。食感はほぼすいとん)…

  • 兵馬俑と並んで記念写真が撮れる?西安が誇るC級スポット「世界八大奇迹館」

    世界八大奇迹館 世界七不思議について知っているだろうか? ギザの大ピラミッド バビロンの空中庭園 エフェソスのアルテミス神殿 オリンピアのゼウス像 ハリカルナッソスのマウソロス霊廟 ロドス島の巨像 アレクサンドリアの大灯台 紀元前2世紀にギリシアの数学者・旅行家であったフィロンという人が提唱したものだというから意外と昔からあるものらしい。 もちろん、そんな時代に制定されたものだから、中国の建造物は含まれていないわけだが(ちなみに、新世界七不思議の方には万里の長城が入っている)、これが人類最古の歴史を誇ると豪語する中国人には、どうも釈然としないらしい。そこで、中国人はこの世界七不思議に兵馬俑を加…

  • 四国一周しても実は制覇してない?八十八ヶ所の「0番」札所が西安に存在した!

    青龍寺 「水曜どうでしょう」で、大泉氏率いるどうでしょう軍団が3度にわたって四国八十八ヶ所を周ったが、見るたびに「残念ながら完全制覇じゃないんだよな」と思ってしまう。実は、四国から遠く離れた中国は西安の地に、幻の0番札所が存在するからだ。 その名を「青龍寺」という(四国の三十六番札所にも同名の寺がある)。 実は、この青龍寺、空海が入唐し、修行をしたお寺なのである。 しかし、0番札所とは何とも胡散臭い名称だが、そもそもお遍路は空海ゆかりの寺を巡るのだから、中国のお寺とはいえ、青龍寺が入っていてもおかしくない(そもそも四国じゃないけど)。実際、青龍寺には熱心な日本人仏教徒が多く訪れ、記念碑を建てた…

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