「今日は、いちおう飲み放題コースで予約してるんだけど、もし、何は苦手な食べ物とかあれば、別でも注文できるので言ってください」 男性側の主催の田中さんが言った。 飲み放題ってことは、みんなお酒好きなんだろうか。 それとも女性を酔わせようって感じ
「こんばんは。田中です」 「あ、こんばんは。今日はよろしく」 「こちらこそ、来ていただいてありがとうございます」 「そんなに丁寧に話さなくてもいいですよ」 飲み屋街から少し離れた所にある古風な建物の前で、田中と名乗る男性が待っていた。
金曜日の夜。 「さわこ先生、いつもと服装違うじゃん」 「そう言う、ゆうり先生こそ」 「ハハハ。期待したらいけないってわかってるけど、どこかでいい男がくるかもって期待しちゃってるんだよね」 「たしかに、それ。チャンスはいつ来るかわからないか
「お疲れ様です。お先に失礼します」 「あ、さわこ先生、待って。一緒に帰ろう」 保育園を出ようとした時、ゆうり先生が声を掛けてきた。 「いいですよ。ゆうり先生も終わりですか」 「うん、そう。今日はもう残業しない。さ、帰ろう」 2人で保育
私とちか先生が休憩から戻るとき、園長も一緒に保育室に付いてきた。 「ちょっと部屋の手洗い場を見たいのよ。カタログで可愛いマット見つけたから買おうかと思って」 「あ、そうなんですね。可愛いマットだと子どもも喜ぶと思います」 「そうでしょ」
「ちょっと、手で食べないよ。スプーン使う!」 「あぁ!もう、食べ方が汚い!」 「もう、食べなくていい。はい、おしまい!」 マイナス発言の連発だ。 ちか先生と私は何度も顔を見合わせながらも、何も言えず、自分のテーブルの子どもだけは楽しく
「たーだいまー」 「はーい、おかえり。楽しかった?」 園長が笑顔で出迎えてくれた。どうやら、ご機嫌なようだ。 不機嫌の時は、ケガは無かったかとか、服がすごく汚れてるとか、何かしら嫌味っぽいことを言われる。 「いっぱい遊べたよねー。お腹すい
「公園ですよー。まだ手はつないだままね」 「さわこ先生、周りを確認してきてくれる?」 「はい。わかりました」 すぐに、周りの遊具に破損は無いか、濡れたり汚れたりしていないか、危険なものが落ちていないかなどを確認しに行く。 1歳児だから、口
園の携帯と、救急セットと、水、雑巾、オムツに着替え、、、OK! 散歩バッグの中身をチェックする。 「さわこ先生OK?」 「はい、大丈夫です、ちか先生」 「じゃあ、お散歩いくよー」 「お友達と手をつないでね」 歩くのが上手な子は保育士と
「さぁ、オムツ替えますよ~」 「かなめちゃん、オムツに出ていないね。トイレに座ってみようか」 「うん!」 「じゃあ、ここにお座りトン。ここで座っててね」 そう言って、次の子どもをトイレに誘いにいく。 「こころちゃんもトイレ座ってみる?
「他に何か報告はありますか」 「はい。運動会の係からです。各クラス、演目に必要な用具があれば、今週中に準備して、購入が必要な物は園長に言ってください」 「他には無いですか。なければ、園長先生お願いします」 主任が園長の方を見る。 ちょっと
“うちの虎太郎は、引っ込み思案でうまく自己主張できないので、他のお友達によく叩かれたりしている気がします。先生の方でもよく見て頂けると助かります” 「はぁ~、またか」 こたろう君は3月生まれのクラスで1番小さい子だ。 「ちか先生、これ見てもらっ
「ねぇ、さわこ先生聞いた?」 仲良しのゆうり先生が話かけてきた。 「何?」 「あやか先生、来月で辞めるらしいよ」 「えっ、ほんとに!?あやか先生が辞めたらキツくない!?」 「うん。昨日、園長にその話をしたらしいわ。それで、すぐに園長が
「なぜ、給食を全部配膳してあげないの。子どもたちが三角食べができないじゃない。それは虐待よ!」 「…三角食べより、まずはスプーンを使ってきれいに食べる方が大事と思ったので」 「あなたの考えは関係ないの!スプーンを使うのは当たり前!子どもが食べたい
「手取りはだいたい18万かぁ。う~ん、まぁ無いよりはいいか」 今日はボーナスの日だ。 明細書をもらって金額を見る。 ボーナスは給料の1.1ヶ月分と言われた。 2年目だが、ボーナスの額は少しも上がっていない。 夏が1.1ヶ月、冬が1.2ヶ月で年では2
「なんで、ここに絵本を置いてるの?危ないとおもわないの」 「・・・はい。すみません」 「見学に来た人が見たらどうするの!」 「・・・はい」 「監査でも私が怒られるのよ、本当に。なぜ、きちんとできないの!」 言いたいことだけ言って園長は去って行った。 じゃ
「としや君、おはよう」 としや君はぺこっと頭をさげた。 これがとしや君のおはようの挨拶だ。 1歳児の仕草はとても可愛い。 4月は、母親と別れると大泣きして、泣き止むまでが大変だったとしや君も今では泣かずに母と別れて、すぐに私のところにや
「ともこ先生は、25歳の彼氏と同棲してるらしいわよ」 「えー、そうなの?あの人彼氏いるんだ」 「あの性格で、よく彼氏できたよね」 「ほんと。すっごい上から目線でなんでも言ってくるし、人によってすごい態度かえるよね」 「彼氏もきっと騙されてる
「本当に申し訳ありませんでした。お家の方で何かありましたら、また教えてください」 はぁ。 今日も謝ってばっかり。 子どもが自分で転んで少し擦りむいただけなのに、なんでここまで謝らなければならないの。 転んでケガせずに育った子どもなんて世の
「ブログリーダー」を活用して、二年目の保育士さんさんをフォローしませんか?