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自分史を書いて人生振り返り https://ohid.hatenablog.com/

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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2019/06/30

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  • 蕗の香を一間に広げ誕生日 道春

    ふきは菊科の多年草です。 春の風物詩で有名なふきのとうは、このふきの花芽で、茎が伸びる前に花が土から顔を出します。 俳句の世界でふきは、夏の季語で、初夏を表すそうです。 蕗はえぐみ、苦みがあるので下ごしらえが必要です。 塩を振って、まな板の上で板ずりをしたり 10分くらい茹で、10分くらい水に浸して、筋をとります。 私はやったことありまへん。 お惣菜の蕗の匂いが部屋中に広がるというより おばあちゃんが採ってきた新鮮なふきを 手際よく料理する光景が目にうかびました。 日常をそつなく送ることに感謝している句だと思います。 おばあちゃんは、入院生活がとても長くなりましたが無事に98歳になりました。

  • あまんきみこ作「車のいろは空のいろ」を読んで

    「車のいろは空のいろ」は、あまんさんのはじめての本です。 ここでいう車は、みずいろのタクシーのことで「おきゃくさん、どちらまで?」と聞かれて、物語は走り出していきます。 初版は1968年、ロングセラーの本書 タクシーに乗るときは、自宅に帰るか、目的地へ移動するかですが、、 時をさかのぼってダムに沈んだ村の祭りに遭遇する話も。 人間じゃない人もよく乗せますし、用途が多彩すぎます。 (タクシー運転手の)松井さんはよく道に迷いますがあまんさんも負けていません。会合がある場所にまっすぐつくことはめったにありません。何回もきたことのある場所にもなかなかたどりつけず「またまよっちゃった」と少女のようにあど…

  • サラリーマン

    第一生命の主催する「サラリーマン川柳コンクール」の話題を目にしました。 社内報の一つのコーナーからはじまったそうです。 1987年から公募を募り、35周年。 父も参加したことがあり、まだ覚えてるぞ!と 上司来て 話途切れて ネタが知れ豊之 と一句。 目線が泳いでいる部下と 疑いの目をした上役、 空気がフリーズした光景が思い浮かびます。 立場の低い者の生きづらさを表しているように思います。 こっけい、おかしみ、たわむれ ときに涙のでることも 自分を励ます何かをつかみ、 読む人のこころも軽くする 日本人の生活の知恵のような強さを感じました。 今回のサラリーマン川柳は、リモートワーク 、テレワークな…

  • 鎌を持つ農婦と立てる案山子かな

    鎌を持つ農婦と立てる案山子かな かまをもつ のうふとたてる かかしかな 道春 案山子が秋の季語です。 案山子はありませんが、 秋に、実家の稲刈りをした写真があります。 お手伝い じつは‥ 田んぼの端を数メートル進んでギブアップ。 全部父と母がやりました。 写真の手前にはイノシシ除けの電線が見えています。 イノシシが入ると、稲が泥だらけになります。 人間もぬかるんだ土に足を捕られるのも大変。 稲刈り前の乾燥して固まった土竹の支柱を立てるのも大変で 稲作たいへんだと、側で見てかんじます。 藁がいっぱいだぁ。 稲から籾をとり、 籾殻をとり 玄米にすると 160キロ弱。 二人で食べるのかと思いきや、方…

  • 読書「名医からのメッセージ10」”ぼけ”は宿命ではない 金子仁郎著 ごま書房発行

    約40年前にこの本は出されています。 知識を得るには認知症の最新の本を読めばいいわけですが 今後30年たてば お年寄りを悩ます動脈硬化と、脳の老化の原因を突き止め 治療できる未来がくるのではと 著者の並々ならぬ期待は、こちら側をわくわくさせ 認知症を患う人とその家族に寄り添う言葉には、ほっこりしました。 題名は昭和59年(1984年)、出版された当時の使われていた言葉を使っています。 ここからは認知症ということばに置き換えたいとはおもいますが 「自分がボケる前に、この病気を解明したい。」 というのが講演会での十八番で笑いをとっていましたが、これはマジなんだとせんせい。 町役場の戸籍課で、60歳…

  • 吟行句 まつかぜ句会 平成14年5月

    旅行の楽しい季節となりました。 今からご紹介するのは、旅先で詠んだ吟行句です。 5月の下関、唐戸で 俳人仲間と集うなごやかな雰囲気が漂う俳句。 祖父が所属していました〈まつかぜ句会〉の在りし日を想います。 唐戸吟行句 クレーン船夏潮曳いて通りけり 恵美子 クレーンの海をつかみし大西日 零三 クレーン船と撮る海峡の薄暮かな 道春(祖父) ひとりでは迷う買物街薄暮 まつ子 ふぐ皿の名所の絵柄に薄暮来る 節子(祖母) 絵皿にも物語あり義経忌 良江 もてなしは皿より重い柏餅 北星 五月尽馬関を盛し大絵皿 零三 夏祭ギネスをねらふ大絵皿 恵美子 幽界の雷の落し子目玉石 零三 先を行く少年のまづ夏に入る …

  • 感想 「ナースのための話し方教室」 著者 小六英介 日本看護協会出版社

    わたしは、ナースではありません。 最初にことわっておく必要は特段ないのですが 話し言葉の研究をしていた著者の小六英介(ころくえいすけ)さんも ナースの立場ではなく患者の立場から書かれているので とても読み易い本でした。 「医療の根幹には3つの要素がある。剣、草、ことばだ。」という古代ギリシャの医師の言葉を引用し、メスやくすり、そして人のことばが患者の治療に大切だといいます。 時に、ドクターの言葉をかみ砕いて患者や家族へ説明したり、 注意して見てもらいたい事象を別のナースへ伝えたり、他部門とのカンファレンス(会議)の進め方についてなどいろんな場面を想定して書かれています。 飛び抜けてうまくなくと…

  • 感想 「話し上手」著者 本明寛 発行元 日本生産性本部

    けっこう癖のある文章だと思いませんか? 心で話せ 人間の人間たるゆえんは、自己以外の人に対して、やさしい眼差をもつことである。 相手を思い、相手を察して話さねばならない。 コトバは道具であり、絵の具である。コトバをいえば話が通じるというわけにはいかない。 コトバは使い手の心のあらわれであって、どうとも感じられる素材なのである。(中略) うまい絵にはならないが、この調和の具体的なやり方をこの小著はとりあげたつもりである。 〜作中より引用〜 図書館でたまたま目につき、この裏表紙の言葉に惹かれました。むかしの人の正義感のような、祖父のようなまなざしをかんじます。 筆者は、心理学を教える早稲田大学の名…

  • 感想その②鑑賞歳時記第三巻秋 飯田龍太著

    著者の飯田龍太さんがこの本で紹介される俳句の数は600句ほどにものぼり、それぞれの四季四冊では2000句を越えるでしょう。 全部読んだのと聞かれれば、へへっとごまかしたくなる量なんです。 飯田さんは俳人との交流も深く、知り合いの作品も多いようです。祖父の句も100句以紹介しましたが、ここまでまとめる熱量にはかないません。 さて、筆者曰く、 人間に対する関心なくして(すくなくとも文芸の上では)俳句づくりはあり得ないそうです。 また、俳句は生命をいとおしむもので、 根底には自然をいとおしむ気持ちがあるのが良いようです。 秋冷えて膝に童女の在るごとし 久保寺正三 この句のうしろにある作者の年輪と、俳…

  • 鑑賞歳時記 第三巻 秋 著者飯田龍太

    どこからも秋の声する旧軍港 藤井 幸 かつての軍港といえば、横須賀•佐世保•大湊•呉その他たくさん思い浮かぶが、(中略)「旧」の一字を忠実に印象させるのは呉あたりのように思われるかどんなものか。そのせんさくはともかく、この「旧」の一字には当然懐古の秋声を含み、併せて眼前ただいまの風景を二重映しにする。 〜抜粋〜 「私は呉だと思いますがどうですか?」 「そうともとれますね!」 俳人と解説者の会話が聴こえてきそうです。 今回は、鑑賞をしながら俳句の季語の使い方が学べる書、鑑賞歳時記の秋バージョンです。 旧軍港とは、調べてみますと、明治時代、日本の海を五つにわけ海軍の拠点として発展した港だそうです。…

  • 名人の座を守り得し扇子かな

    めいじんの ざをまもりえし せんすかな 道春 父曰く、祖父は将棋が強く、一度も勝つことができなかったそうです。扇子が夏の季語。扇ぎ方一つとっても貫禄がありそうな人を想像しました。 私たち孫相手には、はさみ将棋で負けてくれました。

  • 南風吹く山懐の奇兵墓地

    みなみふく やまふところの きへいぼち 道春 南風(みなみ・なんぷう・はえ)と様々な読み方があり、南風吹くが三夏、5月6月7月使われる季語です。暑く湿っぽい風です。 奇兵隊というと、武士のみならず、町人、農民などで組織され、小倉城を攻めたり、長州征伐や、戊辰戦争などで活躍しました。 歴史に名を残す者もいれば、山懐でひっそりと眠る者もいることを祖父は詠んだのかもしれません。 創設者の高杉晋作の墓は、奇兵隊の墓地とともにあるそうです。 暑い時期にお参りした祖父は、延々と連なる墓の前を歩いたのでしょう。

  • 羽音は密かだけれど飛んでみる

    はねおとは ひそかだけれど とんでみる 節子 これは、年賀状に添えてあった句です。 羽の動きは若い時程ままならないが 下をみないで上へ上へと 祖母自身が鳥になったような印象をうけました。 新しい年への挑戦、 祖父母のタフな精神が表れているように思います!

  • 書に倦て郭公の庭手入れせり

    しょにあきて カッコウのにわ ていれせり 道春 本日はおじいちゃんの俳句をご紹介します。 郭公(かっこう)が夏の季語です。 初夏にユーラシア大陸から渡ってきて夏の終わりに帰っていく鳥だそうです。 別名閑古鳥とも言われますが、のどかな鳴き声の割に、忙しいのではないかと思いました。 庭仕事など甲斐甲斐しく家のことをしていた祖父を思い出します。 この句を読んで、手入れの入った庭をみるすがすがしさを感じました。そんな庭に郭公が来た日もあったでしょう。

  • 秋になりました。

    俳句とは〇〇と、ひと言では言い表せませんが、華やかというより、寂しい感じを詠むことが多いように思います。 いつの世も、その時代を生き抜くのはとても大変かと思います。 出水(でみず)という季語があります。 河川の氾濫によって、洪水がおこる事を指し、夏出水、秋出水といった使い方をします。 出水あと諦めて虫ききゐしか 金鈴 秋の出水のために家が浸水した。(中略)いまはようやく水も退き、そこらが片付きはじめたけれど、ふたたび立ちあがる気力がおこるのはいつの日のことであろうか。そう思いつつ、ふと気がつくと、夜もだいぶふけて、窓の下の草では虫が鳴きつづけている。(水原秋桜子著俳句作法辞典より引用) 俳句を…

  • 鷲舞に引きつぐ子供神楽かな

    鷲舞に引きつぐ子供神楽かな たかまいに ひきつぐこども かぐらかな 節子 鷲は冬の季語ですし、神楽も冬の季語でした。 夏神楽といって、夏の祓いに披露されることもあるようです。 大山車や数が足りない宿の下駄 おおだしや かずがたりない やどのげた 節子 山車が目の前を通ると聞いて、外に出たいのは誰も同じようです。 数珠たすき解く老祢宜に祭終ゆ じゅずたすき とくろうねぎに まつりおゆ 道春 祭りへの熱を感じる句を紹介しました。 ここまでお読みいただきありがとうございます♪

  • 検針の喉に振舞ふ麦茶かな (三夏)

    けんしんの のどにふるまう むぎちゃかな 道春 麦茶が季語になっています。 三夏(さんか)初夏、仲夏、晩夏にわたって使われる季語です。 汗をながしながら一軒ずつ検針して回る水道局の方の体調を気にかけた日があったようです。優しい祖父を思い出しました。

  • 藩米も渡せし川の夕蛍

    「蛍がおったぞ。」と実家から一報がありました。 祖父も蛍の句をいくつかつくっています。 何処の川で詠んだのか クイズを出された訳でもないのですが 辿ってみたいと思います。 藩米も渡せし川の夕蛍 はんまいも わたせしかわの ゆうぼたる 道春 藩米というワードで一気にタイムスリップした感覚を覚えました。 下関市を流れる壇具川(だんぐがわ)には、かつて藩米を貯蔵する蔵がならび、今でもゲンジボタルがいるそうです。 また、下関市にはホタルの里ミュージアムがあります。 そのサイトによると、日本に50種類いる中、9種類の蛍が市内に生息しているそうです。 県境の宿に一会のほたる来る けんきょうの やどにいちえ…

  • 外燈の昼を灯して送り梅雨

    外燈の昼を灯して送り梅雨 がいとうの ひるをともして おくりつゆ 道春 送り梅雨が、晩夏の季語です。 梅雨(ばいう)は、かびをはっせいさせるあめ意味の黴雨(ばいう)の当て字など諸説あります。 花菜雨(はななさめ)や芥子の雨(けしのあめ)のように、季節の植物で表現して、実梅(みうめ)に降る雨という意味にとる方がカビより良い気がします。 祖父の句には、日中ぼんやりと外灯がともる人けのない風景を思い浮かべました。 そんな日々もおわりはくる。あと少し! 梅雨明けへの期待も感じました。

  • 墓道に(はかみちに)沿ふ家増えて夏燕

    墓道に沿ふ家増えて夏燕 はかみちに そういえふえて なつつばめ 道春 夏燕は、三夏をあらわす季語です。 ヒナのために忙しくエサを探すつばめを詠むことが多いようです。 祖父は、妻と息子が眠るお寺さんに月に1度、お墓参りにいっておりました。 40年近く通っていたらその道中の風景も変わったでしょうね。 お寺までは2キロ弱でした。 祖父の家は山の方ですから、坂道をテコテコくだります。 山を下ると、郵便局や、銀行、商店街、病院があります。 和菓子のお店が幼稚園の先生のご実家でした。 妹と先生に手を振りに行くのが楽しかったことを思い出します。 夏祭りなど、商店街がにぎわうとき、先生は実家をてつだっていまし…

  • 足裏より書斎の冷へて芥子の雨

    足裏より書斎の冷へて芥子の雨 あうらより しょさいのひえて けしのあめ 道春 けしは、罌粟とも書く初夏の季語です。 梅雨の寒さの中では、本よりも外の景色をみてしまう。昨日の日中はむしむし暑かったのに、朝は冷んやりしており、庭に勝手に生えてきたケシは花びらを落として耐えているのでした。 原産地のイギリスではポピーというそうです。小学生時、同名の通信教育のプリントを思い出します。 話はかわりますが、 うちの庭に植えた猫の草、もう5番刈りくらいになって、穂がつきました。一番刈りよりも硬くなった茎も全部食べました!暑かったり、寒かったりです。からだを大切にしてください。 ここまでお読み頂きありがとうご…

  • 植え終へし便りも梅雨を潜り来し

    植え終へし便りも梅雨を潜り来し うえおえし たよりもつゆを もぐりきし 道春 植えた植物は言わずもがな、稲の苗の事でしょう。 愛媛の実家は農家だったそうです。 梅雨に入る前に田植えが無事に終わった安堵の声が聞こえてきそうです。 てがみは、下関の祖父の家まで、橋を渡って陸路で運んでくださるはずです。梅雨の季節の紙は、空気中の湿気を吸い、何処かを潜ってきたように柔らかったことでしょう。 おまけにもう一つ。 祖父の2冊目の作品集から落選したもの 走り根につまずく梅雨の箒かな はしりねに つまずくつゆの ほうきかな 道春 雨の止み間にいそいで掃除をしていると、おっと、根っこにつまづいたようです。箒をも…

  • 独りとは耐ゆる事のみ実梅もぐ

    独りとは耐ゆる事のみ実梅もぐ ひとりとは たゆることのみ みうめもぐ 道春 「実梅もぐ」が仲夏6月7月の季語です。 実梅は、黄色く熟した状態をあらわし、青梅に対する言葉となっているようです。 大量に梅をもいで、さて、どうしよう。 梅酒か梅ジュース、梅干し、色々手間がかかります。手伝う人がいれば、楽しい作業になるコトでしょうし、分かち合う人がいて、助かったと祖母に感謝しているように思います。 独りの心境は、選者の心にも響いたようです。 嬉しかったんですね。 のしをとっているおじいちゃんでした。 ここまでお読み頂きありがとうございます♪

  • 感想 竹山道雄著「ビルマの竪琴」をよんで

    ネタばれになって、面白さが半減してしまうおそれがあります。 ご注意ください。 著者の竹山道雄さんは1903年(明治36年)7月17日生まれ、大阪出身で、東京大学の教授でした。 ビルマ(現ミャンマー)に行った経験はありませんでしたが、自分の教え子や日本の若者が異国の地で戦死し、遺骨や遺品のないお葬式に出たことは1度ではないようです。 竪琴は、見た目は小さなハープのようなもので、それを手作りしてしまうほどこの本の主人公水島は器用でした。 もくじ 第1話 うたう部隊①~④ 第2話 青いインコ①~⑩ 第3話 僧の手紙①~⑧ 1話 水島さんは、戦争中、元音楽の先生だった隊長率いる部隊におりました。 音楽…

  • 紫陽花の風の運べる童声

    紫陽花の風の運べる童声 あじさいの かぜのはこべる わらべこえ 道春 梅雨入りが聞こえてくる頃、雨の止んでいる間も、空はなんとなく薄暗い。 気分も憂うつであるが、あじさいのそばであそぶ子供の声は、からっと明るい。 笑い声まで聞こえる、そのような風の中で、祖父はすこし元気をもらえたという句でしょう。 ohid.hatenablog.com ブログを書き始めたころも、ちょうど梅雨のころでした。 今年は、早いなぁと思います。 ここまで、お読みいただきありがとうございます。

  • 感想 DVD エスパー伊東「昭和の遊び方」

    エスパー伊東さんは、2018年12月に芸能活動を 一時休業すると記者会見で発表されています。 本当に体調がわるそうで心配してご覧になった方も多いのではないでしょうか。 その後、股関節の手術をして療養しておられるようです。 (ものまね芸人のビトタケシさんが動画YouTubeで語られています。) その休業会見の6年前、2012年発売されたのが、本作品。 昭和の遊びを知り尽くしたエスパー伊東さんが、小学生に「昭和の遊び方」をレクチャーするまじめな内容です。 本編42分間では、ビー玉ころがし、ハンカチおとし、だるまさんがころんだ、缶蹴り、おにごっこ、ゴム飛びを小学生を相手に本気で楽しんでいる伊東さんを…

  • 紫陽花の風の運べる童声

    紫陽花の風の運べる童声 あじさいの かぜのはこべる わらべこえ 道春 梅雨入りが聞こえてくる頃、雨の止んでいる間も、空はなんとなく薄暗い。 気分も憂うつであるが、あじさいのそばであそぶ子供の声は、からっと明るい。 笑い声まで聞こえる、そのような風の中で、祖父はすこし元気をもらえたという句でしょう。 ohid.hatenablog.com ブログを書き始めたころも、ちょうど梅雨のころでした。 今年は、早いなぁと思います。 ここまで、お読みいただきありがとうございます。

  • 塀越しに話のはずむ百日紅(さるすべり)

    塀越しに話のはずむ百日紅 へいごしに はなしのはずむ さるすべり 道春 サルスベリが、夏の季語、中国原産、百日紅(ひゃくにちこう)とも言われ、花期が長く、人気の庭木でもあります。 紅色だけでなく 白色も。 ひと皮剥けたすべすべした幹が特徴です。 しかし猿が登れないほどではないでしょう? 下関長府の町並みは、城下町の風情を残した土塀があります。 分家の長府毛利家が治めた土地でした。 毛利氏は、関ヶ原の戦いで敗れてこちらにきたんですね。 歴史の散策をした気分を味わって頂きたいのですが、今日はここまで。 夏のある日に、お隣りさんと塀越しに話に花が咲いたようです。 お読み頂きありがとうございます♪

  • 裏庭にささやかな幸子と花火

    裏庭にささやかな幸子と花火 うらにわに ささやかなさち ことはなび 道春 蚊取り線香の出番があったことでしょう。 夜の風景を切りとった句です。 祖父の句の子育てに関する句は他にもあるんですよ。 祖父は川柳のつもりでつくったと思いますが、 季節が背景になっているところに俳句の趣がありました。 初期の作品は、 春や夏の季語が多いようです。 苦しい生活を描くと、そこに暗さや影をおとしますが そこを真面目に突き抜けた時に どのような景色になるのでしょうか? 通り越したときにみえる輝きがあるように思います。 ohid.hatenablog.com おすすめです!!

  • 青蛙三段跳びに仏みち

    青蛙三段跳びに仏みち あおがえる さんだんとびに ほとけみち 道春 ホップ!ステップ!ジャンプ! このかけ声をお聞きになったことはありますか❓ 三段跳びのとび方を指すことばですが、検索すると、西城秀樹や、橋幸夫の出した曲の中に歌われるほど、ポピュラーです。 なんでも、三段跳びは、日本人が初めてオリンピックで金メダルをとった競技だそうです。 ホップ、ステップは、同じ足で着地し、ジャンプはもう一方の足で踏み切り、この三歩の飛距離を競います。 カエルはこんな跳び方はしないでしょうね。 体の大きさの何十倍も跳ぶので、カエルに軍配があがりそうです。 45種類のカエルが日本で発見されているとのこと。上は、…

  • 風揺する草にも縋る(すがる)梅雨の蝶

    風揺する草にも縋る梅雨の蝶 かぜゆする くさにもすがる つゆのちょう 道春 この句の蝶には、軟らかい草にすがる危うさ、弱々しい印象をはじめは持ちましたが、そうした日も経て、生き物は生きているんだなぁと、生命の逞しさも感じました。 最近、天候が荒れ模様で、中々鯉のぼりも出せませんでしたが、子どもの日に食べたものを紹介させてください。 子どもの為というより、親の趣味ですな。 ドラクエウォークというアプリにはまっております。 人間が歩けば、主人公が地図の中を冒険してくれます。本当の地図です。 ご当地クエストというものをクリアすると、おみやげがもらえ、地域の特色を生かしたアプリでもあります。^_^ 神…

  • つくばいに実梅落して豪雨去る

    つくばいに実梅落して豪雨去る つくばいに みうめのこして ごううさる 道春 つくばいとはなんだろうと検索しました。 日本庭園でよく見る石です。 茶室に入る際、神社のように、浄めて中に入ると良いようです。 手を洗う際、しゃがんで洗うことから、つくばい。 単体では、手水鉢とも書かれています。 この手水鉢を中心に、前に配す前石、お湯桶を置く石、夜の茶会に火を灯す石など、色々役がある石をまとめて、つくばいというみたいです。奥が深いです。 より道しました。 実梅が夏の季語です。 少し黄色く熟したものが、雨に揺すられて落ちたさまを祖父は詠んだのでしょう。 ここまでお読みいただきありがとうございます。

  • 駅よりの道真っすぐに夏に入る

    ゴールデンウィークがおわると、次は夏休みが視野に入ってくる方もいるのではないでしょうか。 5月5日から夏に入りました。 太陽の動きで一年を二十四に分けた暦、二四節気では、この日を立夏と呼び、夏の気配が立つという意味合いがあります。 更に、それをおぎなう暦、七二侯では「蛙始めて泣く」とあります。 朝晩の冷え込みがうすれてくると、こうした変温動物も元気になりますね。 俳句の季語には、夏の三ヶ月をあらわす季語と、初夏、仲夏、晩夏を意味する季語があります。 初夏は、 立夏(りっか) 小満(しょうまん) 仲夏(ちょうか)は、 芒種(ぼうしゅ) 夏至(げし) 晩夏(ばんか)は、 小暑(しょうしょ) 大暑(…

  • わがはいは金魚である

    3年いっしょに暮らしているのに 名前はまだありません。 本日は、夏の風物詩、夏の季語にもなっていることにちなんで、うちの金魚を紹介させてください。 赤い和金 一番大きく、体調15センチありますが、一番臆病もので、水替えのあとは落ち込んでいます。エサの1/2はこの子が食べます。 白い和金 褪色(たいしょく)しまして、白くなってしまいました。ヒレには色が残っています。 琉金(りゅうきん) 和金と混泳すると、エサの争奪戦に負けるそうですが、たくましく生きています。古くは中国から琉球経由で日本に入ってきたので、琉金と名付けられたそうです。この左の尾が長いやつです。 出目金(でめきん) 一番人懐っこい性…

  • 感想その3 水原秋櫻子著「例解俳句作法辞典」

    初出は1950年(昭和25年)の本書は、その時代の雰囲気そのままに1990年(平成2年)に再び出版されました。 著者は、お医者さんで、病(やまい)に関する俳句のつくり方をまとめられています。 これを読むと、病院と一口に言っても色々な種類のものがあったことが分かります。 一部抜粋してみますと、 病院 (略)当事者があたたかい心をもっていても、(どこか冷たい)そうした感じを与える。 しかし、塵ひとつないまでに清潔に整頓された病院の感じはまことによいものである。(略)明るい光線を十分とり入れた窓、そこに垂れたカーテン、そうして、ベランダに置かれた一鉢の花----こういう感じが出れば、病院の句は成功す…

  • 夏蝶や明治の貌(かたち)の円ポスト

    夏蝶や明治の貌の円ポスト なつちょうや めいじのかたちの えんぽすと 道春 円柱状のポストを見たことはありますか? 現在の主流、街でよく見る回収袋の入るタイプの四角いポストは、1970年から製造されました。 それ以前に使われていた円柱状のポスト(丸ポスト)は、中の手紙をかき出す必要があります。 効率は悪くとも、この歴史のある丸ポストを保存していこうという動きがあるそうですよ。 郵便事業の歴史を今に残すところ。 日本の郵便事業は、イギリスを見習って明治にはじまります。 postという白い文字にはその名残りを感じますね。 明治政府は、交通と通信のシステムを作ることで、外国と肩を並べたいという願いが…

  • 教えにも一命かけて虎の檻

    教えにも一命かけて虎の檻 一票の権利を生かす投票紙 一服の煙がうまい労働着 道春 3つの句に共通することばは何でしょう? 1つ目の句にわたしは、祖父母とサーカスを見に行ったことを思い出しました。 トラが出てくる内容だったかは余り覚えていませんが、帰りにゾウのキャラクターのおもちゃを買ってもらって、嬉しかったことを覚えています。 先日、投票がありました。投票紙に名前を書いて、投票箱に入れるわけなんですけど、鉛筆は使い捨てになっていて、勿体ないから持って帰りました。鞄の中にまだ入っていますわ。 一票の権利生かしました。 今は、街頭演説も動画で見られる時代ですね。息子らは、YouTubeで楽しそうに…

  • 七十二侯 (春)

    5日ごとの季節の移ろいを感じることができる暦、七十二侯(しちじゅうにこう)の十八番目、牡丹華(ぼたんはなさく)と呼ばれる期間に入りました。 4月30日から5月4日までの5日間です。 春さいごの期間ということで 今回は、春の暦について書きたいと思います。 24節気の表です。 初春、仲春、晩春という言葉とリンクしています。 初春は 立春と雨水(うすい)です。 仲春は 啓蟄(けいちつ)と春分です。 晩春は 清明(せいめい)と穀雨(こくう)です。 4月30日は晩春 穀雨の 牡丹華の期間のはじまりということになります。 この説明ですね、すごくきれいにされているアプリがありました。 くらしのこよみ で検索…

  • 時計きょう時の記念日見直され

    時計きょう時の記念日見直され とけいきょう ときのきねんび みなおされ 道春 この句は、6月10日の時の記念日を題材にした川柳です。 この記念日は、671年(天智10年)6月10日、日本ではじめて水時計により時を鐘で知らしたという日本書紀の故事に由来します。 もっとも、時の記念日とつけたのは、ずっとあと、1920年(大正9年)博物館で「時の展覧会」が開催されてからで、当時の日本人は時間にルーズで、時間を守らせる啓蒙活動だったんですね。 2020年は制定して100周年という節目でした。 今は時間にシビアすぎて生きつらいかもしれませんね。 最近は、電波時計を使ったり、ケータイを時計代わりに使ったり…

  • 茶どころの宿が聞かせる茶摘み唄

    茶どころの宿が聞かせる茶摘み唄 ちゃどころの やどがきかせる ちゃつみうた 道春 茶摘みは、春の季語です。 「夏も近づく八十八や♪」と こちらのお父さんも歌ったりするのでしょうか。 この句に丁度よい写真はないか探しましたが、写真acさんで実際のところを見せて頂いた気がします。名前も存じませんが、おつかれさまですと背中をトントンしたくなる写真でした。 さて、立春から八十八日目を八十八やといいます。 霜が降りる危険が少なくなる頃として、種を蒔く目安とされてきました。田植えをされている農家は、とても忙しい時期。田んぼに水をはり、茶色だったところが一面ミドリへ変わり、植えおわる達成感は、また、違った喜…

  • 一願の鐘ならび撞く彼岸寺 道春

    一願の鐘ならび撞く彼岸寺 いちがんの かねならびつく ひがんてら 道春 彼岸寺は仲春の季語です。 しかし、秋彼岸と付くと、秋の季語です。 彼岸とは、2回あるんですね。 春分の日と、秋分の日を中心に前後3日、トータル7日間を彼岸というそうです。月でいうと、3月と9月、お墓参りをする風習があります。 なぜかというと、日本独自の風習で、私たちのいる現世である此岸(しがん)に、先祖は彼岸という悟りの世界から、少し会いに来てくれるそうなんです。 そうして、先祖に感謝して、6日間で、六波羅蜜(ろくはらみつ)という、6つの徳をつむと、悟りの世界に近づくそうです。 かなり寄り道に付き合って頂きました。 彼岸会…

  • 箒目の沈丁匂ふ茶会かな 節子

    箒目の沈丁匂ふ茶会かな ほうきめの じんちょうにおう ちゃかいかな 節子 沈丁花は春の季語です。 ほうき目のついた庭が見えて、沈丁花が香るステキな席だったようです。 もう一つ。 春告げる匂いしずかに沈丁花 はるつげる においしずかに じんちょうげ 道春 祖父母の句を紹介しました。

  • 追悼 橋田壽賀子さん

    橋田壽賀子さんを追悼して おしん総集編が放送されるそうです。 25日に総合テレビで、放送時間は午後1時50分から6時までの 4時間40分だそうです。 総集編は、おしんの成長にあわせて進んでいくそうですが 全297回の本編では、冒頭 「ここから私の人生が始まった」という場所を探しにいく老年期の主人公 乙羽信子さん演じるおしんが、上等そうな毛皮を着て登場します。 一言で、女性のサクセスストーリーとは言い難く 幼いおしんが貧しい小作の娘として苦労しているシーンは視聴者の胸をえぐるでしょう。 だからこそ、おしんのすさんだ心を救ってくれた 「あんちゃん」や「松じい」 読み書きそろばんを教えてくれた奉公先…

  • 永雨やひと日暮れゆく桜桃忌 節子

    永雨やひと日暮れゆく桜桃忌 ながあめや ひとひくれゆく おうとうき 節子 桜桃忌とは太宰治の忌日。夏の季語です。 さくらんぼが登場する小説から名前をとったようです。 ohid.hatenablog.com

  • 山神の棲む参道の柿若葉

    山神の棲む参道の柿若葉 やまがみの すむさんどうの かきわかば 若葉の美しさは、参道を通る祖父の目を引いたようです。黄緑色をした新しい葉っぱに、神々しいものを感じたのかもしれません。 わたしは、ちょっと衣をつけて、天ぷらにして塩で食べたら美味そうだなぁと思いました。 また、奈良に住んでいた妹を訪ねた時に食べた柿の葉寿司を思い出しました。

  • 感想その2 水原秋櫻子著「例解俳句作法辞典」

    しゅうおうしさんの本を紹介しております。 俳人でもあり、皇族に仕えるお医者さんでした。 その編集能力は、息子の春郎さんも認めるところだそうです。 そして初出は昭和25年の戦後間もない作品であり 現代にそぐわない題材の俳句もあるが 敢えて省かなかった。 面白いからとにかく読んでほしいという春郎さんのメッセージを読んだところでした。 俳句といえば、季語をいれなきゃですが、 詠みたいことをいかに季語と織り交ぜて詠むかといった 難しさ、その面白さに、秋櫻子さんは真摯に向き合っています。 もくじは、 人間の喜怒哀楽もった「こころ」を詠むにはどうするか からはじまって、 家族、老いや若さにフォーカスを当て…

  • 感想「例解俳句作法辞典」水原秋桜子著

    水原秋桜子は、しゅうおうしと読むんですね。 1892年に生まれ、1981年7月17日に亡くなられた俳人です。 本名は水原豊(ゆたか)さん、男性でした。 この本は、著者の死後、1990年創拓社から出ています。 原本は戦後間もない昭和二十五年九月だと、著者の長男にあたる水原春郎さんがあとがきにかえて書かれています。 とにかくよんでみてください。と。 題名通り、辞典として使うもよし、 また、戦後の苦しい生活を詠んだものには、高齢者は共鳴する部分があるでしょうし、 若者にとっては、戦後のモノがない時代があって今日があることに思いを馳せることが出来るでしょうと春郎さんは解説されていました。 490ページ…

  • うぐいすや村の社の竹鳥居 道春

    うぐいすや村の社の竹鳥居 うぐいすや むらのやしろの たけとりい 道春 ブログ閉じたくないですが、このままでもいけない気がしています。 コメントありがとうございました!

  • 小倉智昭さんお疲れ様でした。

    春休みは休むといいつつ、ちょくちょく書いています。 本日月曜日は、フジテレビ、朝の情報番組『とくダネ!』終了後、後続の『めざまし8』という番組がはじまりました。 谷原さん司会で、春風のように爽やかな番組でしたね。 小倉さんのアクのある司会は聞けないのかと、もう戻れない時の流れに、涙ナミダでした。 22年間お疲れさまでしたと、その時の厚みはここでは書ききれませんね。小倉さんの妻さゆりさんの、手紙の言葉を借りれば、政治、経済、医療、音楽、スポーツ、芸能全てに通じるための努力はそばから見ていても並大抵ではなかったそうです。 オープニングトークをブログにアップしたものを拝見したことがあります。経験され…

  • 冬の句

    療養の窓へ月置く冬木かな とり囲む冬木病舎を静めゆく 此々からは一の滝へと落葉ふむ 枯萩に立てば遥かに海のあり 修業堂よりの木魚や冬の雨 庭に来し鳥も寄り添ひ今朝の冬 絵師一と人冬の土塀に向かひをり 冬空へ吊る鉄骨や河工事 滝音のお堂を包む冬木立 鳥立ちて枯れ蓮に黙戻りけり 風花を残して棺行きにけり 冬めくや狭に(谷に牙)す大工音 昼灯す狭を走れる冬の雷 弥陀の眼の届く参道冬日和 山深き和紙の里なる神楽かな 酛唄のこもる高窓寒造り 天窓に星の張り付く寒造り 托鉢の声一列に冬の梅 寒梅や護摩木の筆の墨匂ふ(石鎚神社) 寒晴や護摩火の豆の煎り上がり 日脚伸ぶ棚の医学書増えにけり 寒造り灯す一と間の…

  • 秋の句

    ひぐらしや木の根石抱く行者径 補修して秋蝉遠き行者堂 かなかなの本山遠き鎖かな 秋蝶や一族寄れる公卿の墓 つくつくし亡き継ぐままに無法涛 平家田や風あやつりて島威し 平家村見えて秋の蚊つきまとふ 冬めくや駅前ビルの貌替えて 堂裏の雑巾乾く木(僅のきへん)垣 駅前の秋空奪ひビル建てり 釣鐘の矢せし鐘(木に委)島渡る 鎌を持つ農婦と立てる案山子かな 秋空に旗無くひそと両替所 レース亡き路地のキジ猫抱抱く 紅葉の山に抱かれて住み古れり この道を行けば毘沙門草紅葉

  • 夏の句

    つくばいに実梅落して豪雨去る 植え終へし便りも梅雨を潜り来し 風揺する草にも糸追(の漢字)梅雨の蝶 卯の花や三尺牢に責めの声 (萩津和野乙女峠にて) 給食の匂ひ届けり罌粟の雨(けしの雨) 夏蝶のゆらりと出でし蚕種の碑 卯の花やことりと水車孤を守る 降る鈴の音も乾きて稲荷灼く 塀越しに話のはずむ百日紅(さるすべり) 紫陽花の風の運べる童声ゆ 誘はれて騎士新緑の観世音 SLの和紙の里麦熟るる 青蛙三段跳びに仏みち 駅よりの道真っすぐに夏に入る 足裏(あうら)より書斎の冷へて芥子の雨 なづな粥匂ふ家計簿つぎにけり (草冠に路)の香を一間にひろげ誕生日 南風吹く山懐の奇兵墓地 三尊の(さんそんの)一本…

  • あついなぁぼうしもっててよかったなぁ

    僕はよしえの息子です。 その前書いたお兄ちゃんの弟です。 僕も川柳を発表します。 あついなぁぼうしもっててよかったなぁ。 ケータイから入力しました。 少し手伝いましたが息子の書いた96文字です。 上の句は、熱中症予防の意識を高めるため、帽子というお題が学校から出て、当時一年生の息子がつくりました。 先生に「帽子もっててよかったよ」に勝手に変更されたとブーブー言っていましたが、そのおかげで、入選し賞状をもらうとコロッと満足していました。 主人が賞状は額縁に入れないといけないと買ったのを覚えています。 うさぴょんの為に草のある河川敷に通っています。最近日差しが強いと感じます。 苦労して草を採っても…

  • 春雪(三春)

    新婚の旅の写真の一枚は春雪白き阿蘇を背にして 〜妹 旅先より写真を送ってくる 道春 五七五七七なので、短歌です。 俳句は、江戸時代に生きた松尾芭蕉が生みの親だと言われていますが、短歌は古くから読まれていたようで、古い歌をもとにして作られた句を本歌取りといい、古い歌をまず知らないとできませんね。 また、古い歌に詠まれた名所や史跡を歌枕と呼び、何処にあるかというよりも、どう詠まれた土地なのかというイメージが大事にされたんだとか。 祖父の作品に似た歌を探しましたが、見つかりませんでした。こけましたか?すみません。 春の雪の白さと、新婚の初々しい夫婦を連想させる良い歌だと思いました。幸せなハネムーンの…

  • 風光る七盛塚に巫女の笛(三春)道春

    祖父の平家に関する句を集めました。 風光る七盛塚に巫女の笛 かぜひかる ななもりつかに みこのふえ 道春 赤間神宮の境内奥に、七盛塚と呼ばれる墓所があります。平氏の盛がつく方七人が眠っているそうです。墓所にも明るい春の光や音が響いたようです。 源氏から追い詰められ、落人となった平家が潜伏した村は、全国にあるそうですが 源平合戦最後壇ノ浦の戦いがあった下関に住む祖父にとっても思い入れのある句がつくられました。 安徳天皇を水天大神として祀った赤間神宮はパワースポットになっています。 安徳天皇とは、清盛が最盛期の頃、娘の徳子を高倉天皇に嫁がせ、徳子と高倉天皇の間に授かった子供のことです。 数え年の八…

  • 建立の歌碑の一首や豆の花(春)道春

    建立の歌碑の一首や豆の花 こんりゅうの かひのいっしゅや まめのはな 道春 歌碑の一首に豆の花がうたわれていたというだけかもしれませんが、 歳月を越えてそこにある趣きを感じます。 何処かに今もあるのでしょう。 祖父に何処か聞きたくなります。意外と一緒に出掛けて、遊んでいる隣りでつくっていたかもしれません。祖父は胸ポケットに紙と鉛筆を入れて出掛けていました。 「川もきれいだなぁ〜山もきれいだなぁ〜」 むかしドライブ中、運転席の父や助手席の母から、「一句詠みますは?」とふられて、妹がそうやってよくうたっていたことを思い出します。 面白がって何回もやらせたら、やらなくなりました。ごめんなさい。 祖父…

  • 初蝶や武蔵運びし潮寄せ来(春)道春

    初蝶や武蔵運びし潮寄せ来 はつちょうや むさしはこびし しおよせき 道春 武蔵国(むさしのくに)という地名は、現在の東京都、一部の埼玉、一部の神奈川を含む領域に相当するそうですが、潮が運ぶというのは合点いきません。もしかしたら、武蔵国から名前をとった軍艦「武蔵」のことかもしれません。軍艦の名前には、旧国名をつけることが多く、戦艦「長門」以外は、終戦時、航行できる戦艦はなかったといいます。終戦後も、祖父は海にしずんだ船のことを考えていたんですね。 荒壁に張り付く蝶の深眠る あらかべに はりつくちょうの ふかねむる 道春 張り付くというと蛾(が)のような不気味な雰囲気が漂っていますが、深く眠って起…

  • 息子が書いた日常

    こんにちは、よしえの息子です。 お母さんにブログ書いてみてと言われて書いていますw 僕は、俳句のことを書くことができないのでいつもの日常を書きたいと思います。僕視点で書きます。 平日はまず朝、僕は学校めんどくさいなと思いながらも学校に行き、帰ったら、ゲームをする為、宿題をします! そして、ゲームをしている間お母さんは、料理をしています。まあ、僕は好き嫌いが激しいので食べる物と食べない物もありますけどw (絶対、投稿したらちゃんと食べなさいって言われるな) そのあともお母さんは、皿洗いとか色々やってるけど、僕はお風呂に入り、歯磨きをして寝ます😴 休日は、弟の世話をしたりするけど、お出かけをします…

  • 正解さがしからの卒業

    今週のお題「〇〇からの卒業」 私の国語の自信は 読書感想文で賞をとった経験からです。 「河野、このままだったら佳作はとれる。でも、先生と一緒にもっと上を目指さないか?」と言われ、一生懸命書き直して、参加賞でした。 今となってはよい思い出ですが、自信はないですね。 このブログのタイトル「自分史を書いて運命振り返り」は、祖父のよんだ川柳の一つです。その言葉の通り祖父は、自分の歴史を題材に川柳や俳句を書き残し、平成31年11月に亡くなりました。 私は生前の祖父の作品集「狭の朝」を形見になってからはじめて真剣に読みました。 漢字や俳句と川柳の違いがいまいちわからない素人の孫ですけれども、春夏秋冬を感じ…

  • 藤房の奥に覗ける石ほとけ 節子

    藤房の奥に覗ける石ほとけ ふじふさの おくにのぞける いしぼとけ 節子 祖母は、おくの細道ではありませんが、物ごとの奥に何があるかを見ようとしている気がします。 ここからは祖母の日記です。 お父さんは近頃少々具合が進んだようだ。 くすりも2年間位で効力が無くなると何かに出ていた。 近頃だんだん悪くなるようだ。 大事にしてあげようと思う。 節子も頭が近頃重くだる〜い。 なんとしてもお父さんを守り、家族も守りたい。 節子もう少し頑張ろう。 すぐ忘れるお父さん。 節子も忘れることでしょう。仕方ないが淋しい、悲しい。 皆でしっかりお父さんを守りましょう。 平成28年1月30日 とても不思議なことです。…

  • 境内の倭船にあそぶ木の芽風(三春)道春

    境内の倭船にあそぶ木の芽風 けいだいの わせんにあそぶ このめかぜ 道春 木の芽風が三春の季語です。 七福神の乗った舟が穏やかな春の香りを運んでくるようなよい風景を思い浮かべました。 また、タケノコに、山椒の芽を和えたものなど、春の香りがする料理を食べたくなります。 先日筍を収穫する様子を紹介したので、 竹に関する写真を並べます。 竹を切り出し、そうめんを流したり いかだや 水鉄砲をつくりました。作ったのは父です。 しめっぽい話をさせてください。 父と母は、2012年に亡くなった妹のことを思い出し悲しみに暮れる日もありました。 たまたまサイクリングで訪れた地が気に入り、ここに住みたいという母の…

  • 伐採の斧ゆきわたり山笑う(三春)道春

    伐採の斧ゆきわたり山笑う ばっさいの おのゆきわたり やまわらう 道春 クワでタケノコをとる写真です。 ここまでお読み頂きありがとうございます♪

  • 桃咲いて木立の奥に人住めり 節子

    桃咲いて木立の奥に人住めり ももさいて こだちのおくに ひとすめり 節子 この俳句を読み、桃源郷という言葉が思い浮びました。 桃源郷とは、陶淵明(とう えんめい)の「桃花源記」が出どころで、魂の奥に存在する場所、探すとかえって見つからない境地を、詩によって表現しているそうです。漁師さんが、桃の林の奥、川の水源の奥地で、不思議な処を見つけたお話しです。 また、陶淵明の讀山海經(山海経を読む)には次のような詩があります。 かんたんに紹介させて下さい。 草木が家の周りに生え茂った頃、 鳥もせっせと巣をつくり それが楽しそう。 鳥のように自分もわが家が好き。 畑を耕し、家に帰ってからの読書も楽しい。 …

  • 写真ギャラリーその3

    1番目と2番目の写真は2018年のもの。 3番目2011年 4番目2010年 段々と若くなっています。 1番上は、おじいちゃんと一緒に撮った最後の写真です。亡くなる3ヶ月、その時はお別れになるとは少しも思ってもいませんでした。 ここまでご覧頂きありがとうございます♪

  • 枸杞の芽や干し物移す谿住居(仲春)道春

    枸杞の芽や干し物移す谿住居 くこのめや ほしものうつす たにじゅうきょ 道春 枸杞の芽が仲春の季語です。 谿は、たにと読み、祖父の家も山の谷間にあります。 また、増改築をして母屋と別棟の屋根が交わり、窪んだ場所がある家を、谿住居とあらわしたのかもしれません。 洗濯物を光のさす時間に合わせて移動させる、勤勉な家主を想像しました。ここまでお読み頂きありがとうございます♪

  • 打診待つ人へ燕の巣作れる(仲春)道春

    つばめは、家の玄関やお店の軒下など人通りの多いところに巣をつくり天敵のカラスから身を守っています。 逆にいうと、つばめの巣をかける場所は、人通りが多いので、商売繁盛や、家の繁栄の印とされていました。 燕に関する言い伝えは様々あります。 巣つくれる家は、無病息災、燕の巣は縁起もの。 怖いもの代表、火事、オヤジですが、燕は野生の勘でそのような災いがない家を選ぶといいます。 「燕が低く飛ぶと雨が降る」 ということわざもあり これは餌となる昆虫が湿気をおびて低く飛ぶからと、もっともらしく感じます。 打診待つ人へ燕の巣作れる だしんまつ ひとへつばめの すつくれる 道春 ごはんまだかな〜て待ってるの♪お…

  • 桑摘みしことも遠き日蚕種(さんしゅ)の碑 (晩春)道春

    日本の暦では、3月のことを弥生(やよい)という和風月名があります。 草木がますます生い茂ってゆくといういみです。 また3月は、蚕月(さんげつ)ともいわれ、養蚕がはじまる時期だそうです。 餌である桑の葉がよく採れ、暖かいころ春蚕、夏蚕、秋蚕と、晩秋蚕と年4回飼育します。5月から10月が最盛期のようです。ここから虫の嫌いな人はご注意ください。蚕種とは、蚕のたまごです。 桑摘みしことも遠き日蚕種の碑 くわつみし こともとおきひ さんしゅのひ 道春 下関市長府の忌宮神社(いみのみやじんじゃ)の境内に、蚕種渡来乃地という記念碑があります。 昭和8年養蚕業者により建立された石碑には、14代仲哀(ちゅうあい…

  • つばめ来て宿場に残る牢屋塀(仲春)道春

    つばめ来て宿場に残る牢屋塀 つばめきて しゅくばにのこる ろうやべい 道春 牢残る踏み絵の島に怒涛寄す ろうのこる ふみえのしまに どとうよす 道春 豊臣秀吉は、バテレン追放令を出しましたし、江戸時代、鎖国とともにキリスト教を禁止し、正月の行事として、イエス・キリストや聖母マリアの絵踏みをし、拒んだものは、牢に入れられ改宗を迫られました。 明治6年1873年までの長い間キリスト教の禁止が続きました。 そうした歴史を秘めて、つばめや波が打ち寄せる日常が流れている風景が浮かびます。 島はおそらく、長崎の五島列島ではないかと思います。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、ユネスコ世界文化遺産に登…

  • 蛇穴を出て発祥の維新の碑

    蛇穴を出て発祥の維新の碑 へびあなを でてはっしょうの いしんのひ 道春 蛇穴を出るは、啓蟄のひとつです。この時ばかりは、嫌われがちな蛇も春を象徴する喜びごとに詠まれるそうです。 啓蟄、拝啓によく似た字ですね。間違えやすいので、解説しましょう。 拝啓と手紙の冒頭に書く意味は、「謹んで申し上げます」というあいさつの意です。 拝は おじぎ、 啓は 戸を開放する、 その道に明るい人が、知識を教える、申し上げるという意味もあるそうです。 より道しました。もどりましょう。 蟄は、土の中にすごもる虫の意なので、 あわせて すごもりむし、戸を開くとなります。 祖父の句は、明治の新しい時代が開かれたように、啓…

  • とりあえず手土産と也し目刺かな(三春)道春

    とりあえず手土産と也し目刺かな とりあえず みやげとなりし めざしかな 道春 玄海の潮の残れる焼き目刺 げんかいの しおの のこれる やきめざし 道春 目刺しという名の魚はおらず、塩味をつけたイワシの目を棒や紐で刺し、日中7時間くらい吊して水分をとばし旨みを凝縮させた干物のことをさします。ちょっとこわいネーミング。一番上の写真は、頬刺し(ほほざし)でした。 誰へのおみやげになったのでしょう。 とりあえずという言葉によって、高価なものではないと前置きしつつ、美味しいものを自分だけではなく、だれかに食べさせたい、だれかの喜ぶ顔を思い浮かべながら買い物をする祖父の姿を想像しました。 目刺しは、自分で…

  • 近道の札所につづく杉の花 (初春)節子

    近道の札所につづく杉の花 ちかみちの ふだしょにつづく すぎのはな 節子 杉の花、これも春の季語なんですね。 上の写真は、スギのなかまメタセコイヤの木なんだそうです。巨木にパワーをもらいたいところ。 上の句には、ある春の日、たとえ急でもいい、近い方がいいと、参道をてくてくのぼる若き日の祖母を想像しました。 昭和60年代の句です。 令和3年うちのおばあちゃん、おかげさまで96歳を迎えられました。 電話をかけると、妹の名前ばかり言うので、違う違うと大きな声で言ったところ、今度は母と間違えられました。いいんだ。 1日1日、施設の方に支えられてこの日を迎えられました。ありがとうございます。歳女、牛の歩…

  • さくら(晩春)

    さくらは梅ほどは詠まれていませんが、祖父母それぞれつくっておりました。 山桜窓一っぱいにミシン踏む やまざくら まどいっぱいに ミシンふむ 節子 窓枠が額縁になった良い景色に、創作意欲もかき立てられたようです。 祖母は、働きながら、洋裁の学校に通い、その道を極めたそうです。 義民碑に花弁当を囲みけり ぎみんひに はなべんとうを かこみけり 道春 義民とは、私財を賭する(とする)ことも厭わず、いのちをかけ一揆を首謀した人をさします。江戸時代、直接お上に訴えることは、死罪にあたりました。 年貢の取り立てによる生活の苦しさを訴えるその勇姿を義民碑として後世に伝える。 様々な人の心意気と、桜を愛でる祖…

  • 訪ね来し塚に届けり花菜風(晩春) 道春

    菜の花の子季語として、花菜(はなな)とあります。 訪ね来し塚に届けり花菜風 たずねきし つかにとどけり はななかぜ 道春 塚は、人の手により周辺より小高くした場所。史跡を訪ね、春の風を感じたようです。 菜の花や訪ふ出雲路の一と日旅 なのはなや とふいずもじの ひとひたび 道春 縁結びの神さまで有名な出雲大社にお参りしたのではないかと思います。古事記には因幡の白うさぎの物語があります。因幡も出雲も明治初期まで使われた地理的区分です。 山の駅小さく包み花菜雨 やまのえき ちいさくつつみ はななさめ 道春 菜の花、花菜、読む順番を変えただけですが、風や雨をつけるだけで、ガラッと印象がかわりますね。上…

  • おてがみ

    おばあちゃんへの手紙を書いたら 満足してしまいました。 ちょっとお休みします。

  • 54神鶏の語尾にふくらむ松の花

    54神鶏の語尾にふくらむ松の花 (松の花・晩春) 神鶏は、しんけいと読み 神社に飼われているトリくらいに思っていたらいけないようです。 古くは神話に登場、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩の戸の中に閉じこもった際、他の神々に夜明けを告げるように集められ、鳴いたのが神の使いになったはじまりだそうです。それだけでは出てきてくれなかったみたいですね。 祖父の句は、松の花に似ていて美しい尾の様子を詠んだのではないかと思います。 55網小屋に涛声こもる日永かな 道春 (日永・三春) 涛声(とうせい)とは、本来波の音をいう言葉ですが、ここでは、けたたましい鳥の鳴き声のように思います。 鶏にも様々な性格…

  • 49耕運機朽ちし島畑蝶飛べり(三春)道春

    今回は、はたけをテーマに紹介します。 登場するのは 耕運機 鎌(かま)に 鍬(くわ)です。 スコップも写ってます。 49耕運機朽ちし島畑蝶飛べり こううんき くちししまはた ちょうとべり 道春(蝶・三春) こちらは、以前紹介した句です。 おじいちゃんの好きな作品だったようで、 2冊目の句集にも載せていました。 ohid.hatenablog.com 51山神に奉仕の鎌や豆の花 やまがみに ほうしのかまや まめのはな 道春(豆の花・晩春) 鎌を見ると、お母さんの思い出すようで 蛍火や納屋に遺れる母の鎌(道春)夏季 といった句もつくっています。 52卒業や素直に育つ畑のもの 道春(卒業・仲春) こ…

  • 48木仏の片肌脱げる春の雪 (三春)道春

    48木仏の片肌脱げる春の雪 きほとけの かたはだぬげる はるのゆき 道春 山口県は、本州の西のはし、瀬戸内海、日本海に面しています。 暖流の黒潮の影響が有りますが今日は寒いです。 祖父の句は、本来なら動くはずのない仏様の着物まで脱げてしまいそうなほど吹雪いている情景が浮かんできました。 偏袒右肩(へんたんうけん)という仏教用語があります。 四角形の布を右肩をだして左肩をかくす着方です。 不浄な左手を隠し、 利き手の右手を露にして、敵意がないことを表し、相手に敬意を示すそうです。 左ききの人にはしつれいしました。 和尚さんの袈裟にもそんな意味があったのですね。 インドのサリーも同じだそうです。そ…

  • 44春禽の来ている朝の葱刻む(三春)道春

    44春禽の来ている朝の葱刻む しゅんきんの きているあさの ねぎきざむ 道春 タカやワシを猛禽類といいますよね。禽とは、鳥のこと。春禽は春の鳥です。 海を渡り、 繁殖時期をむかえたり、羽が抜けかわり 様々な声色で鳴く活気のある春の鳥をさしています。 祖父の句は、 朝食の味噌汁か、納豆に少し入れる薬味か トントンと包丁の音が聞こえてきそうです。 朝のだしておくれ。 45合掌にはじまる一と日春耕す がっしょうに はじまるひとひ はるたがやす 道春 耕(たがやし)という季語を親として、春耕(しゅんこう)、耕人(こうじん)、耕馬(こうば)といった子季語があります。農作業というより、春を触りにいったとい…

  • 41山寺の手押しポンプや梅白し 道春

    41山寺の手押しポンプや梅白し やまでらの ておしぽんぷや うめしろし 道春 42梅に来し小鳥のこぼす花三片 うめにきし ことりのこぼす はなさんぺん 節子 初期の作品集から祖父母の作品を並べてみました。春めく風景を切りとり、愛おしんでいるようです。花びらが落ちても絵になります。 山桜にきたメジロです^_^ 父が先週撮影しました。 手押しポンプの技術が日本に来たのは江戸時代とも、一般的に使われ始めたのは大正時代とも書かれていました。 紀元前3世紀、エジプトのアレキサンドリアに住む床屋さんが発明したのがはじまりだそうです。 アレキサンドリアといえば、地球1周の数値、月の大きさ、月と地球までの距離…

  • はな疲れっていいな。飯田龍太著「鑑賞歳時記」春を読んで

    わらび餅、草餅、桜餅 季語の索引を眺めているだけでも面白いものです。 この本は、俳句の季語について、名句の鑑賞を楽しみながらまなべる歳時記。 気が早いですが、春を代表する季語は、花見でしょう。 つぎの次には、花疲れという 聴き慣れない言葉もありました。 花疲れ 遠い記憶に 父の背な 武田 貞一さん 陽春のひと日。花に遊び花に暮れたこころよい疲れを我が家に癒す。 ふと、父に連れられて行った遠いむかしの思い出が、蘇る。 もう疲れてしまって足のはこびももどかしく、先に行く父の背だけが 逞しく見える。振り返った父が、足を止めて、ひょっと抱き上げてくれた。その背のぬくみのなんと逞しかったことか。 その父…

  • 38 春風がハンドル軽く握らせる(春)道春

    今週のお題「チョコレート」 39冒険をしたい十代車間縫う 道春 10代未満です。 昨日、義理の父にチョコレートを渡しましたら、自分で買われていました。 父「このクルマが、欲しかったんだよ。小さい時、憧れてね。」 私「お父さんの為に作られたようなものですね。」 父「だからここで遊ぶのはいいけど、あげられないからね。」 とミニカーを息子に貸してくれました。 車の屋根にフォルクスワーゲンのマークが入っているビートル、新色限定デザインだそうです。 息子は、ちゃんと返したかな。。 41いい年をして叱られに行く免許 道春 昭和62年初期の作品集から。たぶん川柳です。車の免許をとったのは、大分大人だったんで…

  • ふりかえり♫

    祖父の春の俳句を数えていたらあと30句ありました。 余裕をもって、過去のブログを紹介します。 きのうは、まだ、3分咲きの梅を紹介しました。 去年は、3月に紹介したことを思い出します。 ohid.hatenablog.com ↓こちらの記事は、はてなのお題で書いたものです。 高杉晋作の辞世の句だと一言で紹介しましたが、 本当は、下の句は看病された女性がつくられた、 亡くなる前年につくられたとか、色々もれがありました。 そして祖父のは、川柳じゃなくて、季語のある俳句でした。 ohid.hatenablog.com ↓ 何にかけて、といって、回収していない記事です。 子を想う愛情にかけてと付け加えた…

  • 33小路を出て曲る武家町梅三分(春)道春

    今回も梅の俳句です。 33小路を出て曲る武家町梅三分 こじをでて まがるぶけまち うめさんぶ 道春梅の木の三割くらい花が咲き、七割はつぼみ。 まだ開ききっていない梅を詠んでいます。 なぜ割咲きではなくて、分咲きなのかNIKKEIの記事を読むと面白く、江戸時代の算術書「塵劫記じんこうき」などを引用しつつ、説明されています。 ○分咲きは、状態表現で、慣用的表現として残ったようです。分は、元々は様々な単位の10分の1を表すものでした。他にも腹八分目とか、七分袖を例にされていました。 ついでに、割は元々律令制の単位で、稲1束を10把として、利息に5把の意味で5把利(5はり)、江戸時代に割になったとあり…

  • 31百度石踏む人のゐて梅冷ゆる(春)道春

    今回は梅を詠んだ句を紹介します。 31百度石踏む人のゐて梅冷ゆる 道春 おじいちゃんの字です。今回は下から2番目。 下五が分からず、想像で冷ゆると書いています。 踏むとは、足で上から押しつける意味もありますが、 ここでは、お百度参りを経験することでしょう。 場数を踏むと言った使い方をします。 祖父は、神様に顔馴染みになっていただいて、 願い事をかなえるために100回お参りすることをうたいました。 100日毎日参拝しても 1日100回でもいいそうです。 2日にわけて、50回ならどうかと私なら思ってしまいます。 神社の入り口に百度石が設置されて、 本堂までを100回まわってお詣りするのです。たいへ…

  • 30 手のひらのいりこの匂ふ西行忌(仲春)道春

    手のひらのいりこの匂ふ西行忌 てのひらの いりこのにおう さいぎょうき 道春 西行忌が春の季語です。 西行さんについては、 以前、目崎さんの著書 「芭蕉のうちなる西行」 で紹介しましたが、 見事な往生と伝説になっています。 亡くなったとされる場所は弘川寺(ひろかわでら)、平安時代、弘法大師、空海が開いたとされる大阪の寺院です。西行桜山という名所もあります。 祖父の俳句は、いりこだしのラーメンが食べられる? 大阪で眠る西行さんを思ったのかもしれません。。 こじつけかな! ここから日記です。 庭で採れたスティックブロッコリーをお弁当に入れました。 上部は花が咲いています。ここまでお読みいただきあり…

  • 29、啓蟄やときめき少し投函す(仲春)道春

    29啓蟄やときめき少し投函す けいちつや ときめきすこし とうかんす 道春 啓蟄は、1年を24分割した暦の三番目の節目、期間です。 1立春(りっしゅん)は春の気配が立つころという意。 2月4日ごろから2月17日です。 2雨水(うすい)雪が融け、空から雨が降るころで、 2月18日ごろから3月5日です。 3啓蟄(けいちつ)は、冬眠していた虫たちが土から出てくるころで 3月6日ごろから3月19日です。 むかしの暦だからというより、日本より季節が早い 風土の中国で生まれたものなので、1ヶ月くらい気が早いんです。紛らわしくてすみません。 一足飛びで24等分したわけではなく、日時計を使い、夏至と冬至の観測…

  • 27寒明けも間近き門の御霊燈(初春)道春

    寒明けは、春の季語です。 寒とは、一年で最も寒いとされる期間です。それが明ける喜びはひとしおのはず、、今回の句は、それだけにさみしい句でした。 27寒明けも間近き門の御霊燈 かんあけも まじかきもんの ごりょうとう 道春 御霊燈とは、お葬式が行われる家の門につるす提灯のことでした。 提灯には、御霊燈以外にも、 忌中(きちゅう)や、 還浄(げんじょう) という言葉が入り、 近所の人へ自分の家に 不幸があったと知らせる役割を もっていたのですが、 近年はあまり使われないとあります。 一年を24に分けた暦では、 小寒(1月5日頃から20日まで) 大寒(1月21日頃から2月3日頃の節分まで) が一年の…

  • 25春落葉掃きて一途に宮仕へ(晩春)道春

    今回は、春のおちばに関する句を紹介します。 25春落葉掃きて一途に宮仕へ(晩春) はるおちばはきていちずにみやつかえ道春 常緑樹は、春、葉をおとします。 そして新芽と入れ替わります。 御神木? 杉でしょうか? 掃き清められ場所を歩くと 気持ちが良いものです。 祖父は、春の風に木々が揺れる中 一生懸命作業される方を詠んだのでしょう。 その人に伝わることはないかもれませんが、 こうして縁ある方に読んでいただけて幸いです。 26竹秋や庫裡より聞こゆ法事客(晩春)ちくしゅうや くりよりきこゆ ほうじきゃく道春 寺院の奥のほう、台所や食堂を庫裡というそうです。 竹秋は陰暦3月の呼び名でした。 竹の葉が落…

  • 24蛸壺にこもる春風船溜り(三春)道春

    24蛸壺にこもる春風船溜り たこつぼに こもるはるかぜ ふなだまり 道春 冷たい北風とは違い、こもっていたような温かい陽気を感じます。 25東風に乗る防火サイレン演習日 (三春) こちにのる ぼうかさいれん えんしゅうび 道春 東風の他にも、 春一番、春二番、春三番・・・立春から春分までの南寄りの風を詠んだり 涅槃西風(ねはんにし)・・・お釈迦様の入滅、亡くなったころに吹く風や、 春の嵐といった季語もありました。 これは春の風向きが変わりやすいことを物語っています。 祖父はこんな俳句も作っています。 26強東風や単車倒れて申告日 つよごちや たんしゃたおれて しんこくび 道春 とても強い風が吹…

  • 22 霾るや献吟澄める蚕種祭

    22霾るや献吟澄める蚕種祭 つちふるや こんぎんすめる さんしゅさい 道春 私思うんですよね。 俳句には漢字辞典が必要だって… 吟じます♪と言われますように、 吟という字は、詩に関する熟語につかわれ、気を含めて、詩歌を声に出すこととあります。 献立ての献は、料理のメニュー、料理を出す順序という意味が一般的ですが、物事も指すんですね。 また、奉献(ほうけん)という字もありまして、いみは、社寺、貴人に貢物(みつぎもの)をすること。 お金だけではなく 芸能も納めていて、 調べ方が足りず定かではありませんが、 祖父の句に出てくる献吟(こんぎん?)は、 詩歌をおさめた声♪という意味でしょう。 蚕種祭は、…

  • 13開山の八十八体つばめ来る(仲春)道春

    祖父の吟行先は、どこでしょう。。 新しくお寺を建てることを開山(かいさん)といいます。 四国八十八箇所の霊場をまわらずとも いっぺんに仏様を八十八体おがめるお寺は北海道から九州まで有りました。 お寺は、修行の場として 山に建てることが多かったそうですが このお題の寺は、体の不自由な人に優しいし、何より楽ちんですね。作るときは村総出で何年もかかったようです。 日本では、 燕尾服(えんびふく)と言って 裾が割れて、ツバメの尾に似た上着が、 結婚式などで礼服として着られますね。 元はイギリスの乗馬服で、 鞍にまたがる為の機能的な側面もあったようです。 今回のツバメは縁起が良い季語で、祖父好みでした。…

  • 12春愁(しゅんしゅう)や藻の彩残し潮退けり(春)道春

    彩にいろとルビがありました。 藻のいろを残して 潮の引いた様を詠んだ句。 清少納言は春はあけぼの、 山ぎわが段々と白く、紫色の雲の細いさまが良いと詠まれました。 祖父の句のいろは、 ことさら潮が引きあらわれた 緑色のじゅうたんですね。 この潮のように 沖までうれいが引いていって欲しい というメッセージがあるように思います。 また、満ちる時もありますが、 思い悩む春もまた美しく感じました。 この海の写真は頂きもので春かどうかわかりません。 春愁は、三春の季語でした。 家のなかでは、 うさぴょんまたアザミを食べています。 昼寝を邪魔されても、がまんする健気なやつです。 ここまでお読み頂きありがとう…

  • 11蒲公英(たんぽぽ)やいただきさんの賑やかに(春)節子

    山の一番高いところを、 頂きといいますが、 いただきさんとは、 頭に品物を乗せた行商人を指す方言で、 地域に根付いた職業なんですね。 古くは讃岐に流れついた 平家の落人の姫が、 家来の採った魚をタライに 売り歩いたという伝説も。 祖母は、 たんぽぽが咲く姿を いただきさんの姿に重ね、 賑やかで活気に満ちた春を 表しているように思います。 たんぽぽの語源は諸説ありますが、 花の部分を太鼓に見立て、 タン、ポポと鳴る その音を模したとする説が有りました。 また、漢名は、蒲公英(ほこうえい)といい、葉は食用に、地下茎は乾燥させ、薬にも使われています。 春を象徴する花 たんぽぽのような人と言われたいも…

  • ⑩ひとときを蝶と過ごして野菜畑(春)道春

    虫はおすきですか? 嫌いな方は、不快になるかもしれません。。 閲覧注意です。 これからの時期、アブラナ科の植物 キャベツ、ブロッコリーに必ずと言っていいほど あおむしくんがつきます。 100均のゲージに5、6匹入れて 飼っておりましたら、 他の幼虫がさなぎになるころ 一匹だけ、卵?いや繭を抱いて、 弱って黒くなってしまいました。 なんとあおむしくんは コマユバチに寄生されていたんです。 昆虫の世界も中々厳しいと感じました。 蝶々、野菜にとってはやっかいに思いますが それもまた、俳句の題材に、 楽しみながら歩きたいところです。 本日は、父と母の畑を紹介します。 写真奥に見えるのは、日本海です。麦…

  • ⑨初日満つ志士一門の塾畳(新年)道春

    塾というのは、松下村塾(しょうかそんじゅく)のことでしょう。 山口県萩市の松陰神社の敷地内に、 ほぼ当時の姿のまま保存されています。 平屋建て八畳と十畳の部屋に、 一月一日の朝日が差し込んだという風景を 詠んだのではないかと思います。 吉田松蔭を師とする門下生は、 のちに明治政権の中枢を担いますが、 時代を動かすことに命を賭けられた方々もおられます。 この塾で、 一つ屋根の下 近代化という日本の夜明けを 自らの手で作り上げていこうとする 志ざしに満ちた 若者を想う 祖父の姿がありました。 今日で新年の紹介をおわります。 ここまでお読みいただきありがとうございます。 あしたからは、 はーるよ来い…

  • ⑧初空へ平家の像は撥翳す(新年)道春

    耳なし芳一(ほういち)という男の話をご存知でしょうか。 祖父の俳句にでてくる平家像とは、 定かではありませんが、 平家の墓前にいる芳一、その光景を詠んだのかと思います。。 今に残る、下関市赤間神社を舞台にするお話で、 鎌倉時代、 「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声〜」の冒頭で有名な 平家物語を 琵琶の音色に合わせて語る盲目の僧、芳一がおりました。 とくだん、壇ノ浦の戦いの語りは、聴くものの涙を誘いました。 ある日、夜な夜な目の見えない芳一が一人で出かけるのを 不審に思った和尚さんが後をつけてみると 芳一は、平家の墓地の中で、火の玉に囲まれ、雨の中一人弾き語っておりました。 このままでは、芳…

  • ⑦由緒ある寺の一食かゆ御膳(新年)道春

    えんぎものを振り返りつつ、 今回のかゆについて紹介します。 ohid.hatenablog.com こちらの俳句は、屠蘇の香がひとまとまりの季語です。 香りが強い屠蘇散(とそさん)という生薬を 日本酒とみりんに浸して作るそうです。 元旦に、一家の健康と長寿を願って飲む 縁起もの。 「未成年は飲む真似だけよ。」と、一応書き添えます。 つぎに、としざけ、ねんしゅといって、年始、お客さんに振る舞うお酒を用意したという俳句です。 お客さんに、自家製のお屠蘇を振る舞うこともあるでしょう。 ohid.hatenablog.com そして、今回ご紹介する7番目の俳句は、七草かゆの句でした。 由緒ある寺の一食…

  • ⑦由緒ある寺の一食かゆ御膳(新年)道春

    えんぎものを振り返りつつ、 今回のかゆについて紹介します。 ohid.hatenablog.com こちらの俳句は、屠蘇の香がひとまとまりの季語です。 香りが強い屠蘇散(とそさん)という生薬を 日本酒とみりんに浸して作るそうです。 元旦に、一家の健康と長寿を願って飲む 縁起もの。 「未成年は飲む真似だけよ。」と、一応書き添えます。 つぎに、としざけ、ねんしゅといって、年始、お客さんに振る舞うお酒を用意したという俳句です。 お客さんに、自家製のお屠蘇を振る舞うこともあるでしょう。 ohid.hatenablog.com そして、今回ご紹介する7番目の俳句は、七草かゆの句でした。 由緒ある寺の一食…

  • ⑥川舟を降りて筑後の年酒買ふ(新年)道春

    祖父は、奉公先であった酒屋の写真を 大事にとっていました。 何十人もの職人さんと お揃いの前掛けをして 記念写真に収まる祖父の若いこと。 お酒の俳句をつくるとき 思い出したに違いありません。 筑後とは、福岡県を四つ(ほかに福岡、北九州、筑豊)に分割したひとつで、 久留米市(くるめし) 大牟田市(おおむたし) 柳川市(やながわし) を核とする南部地方を指すそうです。 柳川は、川下りで有名で、 どんこという魚の名前に由来した どんこ舟に1時間弱ゆられ、 色々立ち寄るも いい買い物をしたと 満足する祖父を想像しました。 ここまで、お読み頂きありがとうございます。 新年続きます。

  • ⑤屠蘇の香のほのと福耳うつくしき(新年)道春

    福耳という言葉が、正月に相応しい俳句です。 新年の俳句は、一年に一つつくると決めていたようで。 毎日投稿するのは、 ちょっと贅沢なんですが、 さすがに一月も下旬となると、 相応しくないと感じてきました。すみません。 お屠蘇は グビグビ飲むものではないですよね。 同行者は お酒の弱い人だったのでしょう。 正月に飲む薬酒の香りだけで酔ってしまったという意かもしれません。 ここまでお読み頂きありがとうございます。 まだ、新年続けさせてください。

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