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マメチュー先生の調剤薬局 https://www.mamechu.com/

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の豆知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

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2019/06/30

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  • 猫は写真を撮られるの、好き?嫌い?

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら みなさんは写真、好きですか? 両親というのは基本、子どもの写真を撮りたがるものですよね。 やはり成長していく姿を収めておきたいのでしょう。 ポいもも物心つく前から出かけるたびに写真を撮られていたため、幼い頃の写真を見返しても私自身、撮られることを嫌がっている様子はありませんでした。 当時は撮られることが当たり前だったのです。 気になることがあるとすれば”兄弟あるある”で、妹である私の写真の方が、ポあねよりも少ないことくらいですかね。 しかし幼い頃はいつも撮っていた写真も、小学校高学年くらいになるとその数は激…

  • 負の感情の化け物 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 今日はマメチュー先生、トビーくん、クラゲさん、ヤマオというメンバーでポ村の鉱物を採取しに来ました。 この鉱物は加工により薬になったり、ライトになったりするという、優れものなのだそうです。 そんな時、ポ村にカゲが現れる。 カゲとは、負の感情のカタマリの化け物。 その存在をまともに目撃すると、心にマイナスの影響を及ぼすと言われています。 御神木のそばにある大きな十字架を使って、マメチュー先生はヤマオと協力し、カゲを倒そうと思ったのですが… 「ヤマオさん?」 ヤマオはすでにカゲにやられたのか、ショボン…

  • 負の感情の化け物 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 今日はマメチュー先生、トビーくん、クラゲさん、ヤマオというメンバーでポ村の鉱物を採取しに来ました。 この鉱物は加工により薬になったり、ライトになったりするという、優れものなのだそうです。 「トビーさん、危ない遊びはだめですよ」クラゲクッションが代わりとして待機中 「マメー、ガムでふうせん出来たー。上手ー?」 「すごいすごい!一番上手です」 「あのね、お友だちのペンネ君はふうせん作れないんだってー」 「じゃあトビーさん、今度教えてあげて下さいね」 「うん」 「ふうせん割れちゃった」 そのとき、突然…

  • 負の感情の化け物 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 子どものころ”白線から落ちたらワニに食べられるごっこ”なる遊びをやったことがある、なんて人もいるかと思います。 ポ村に住む子どもさんのトビーくんもそれと似たような遊びを、ポ村の出入り口にある鳥居の前で行っています。 邪悪なものからポ村を守ってくれるお地蔵さまと鳥居 「ほらほら。トビーくんはここだよ」 トビーくんがからかっているのは、ポ村の外をウロつくワニ、ではなく”悪しきもの” 小さきモノ? 鳥居から出たらワニ(悪しきもの)に喰われるごっこ、ポ村バージョンのお遊びをしているようです。 腐ったものから発生した…

  • 猫のキャリーバッグ

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ※ポにゃちゃんと暮らしていた頃のお話 「ポにゃちゃんやー?」 ポにゃちゃん、行方不明。 どこで行方不明になったかというと、もちろん家の中。 ねこさんとは目を離すとすぐ、行方不明になるものなのです。 いつもポにゃちゃんがいるベッド、トイレ、お食事処を確認したのですが見当たりません。 「なぜいない…」 家にはいるだろうとは思うのですが、長い間見かけないと心配になってきます。 というかしばらく顔を見ていないと無性に会いたくなってくる。 そんなポにゃちゃん、というかねこさんが好んで行きそうなところ… 所詮、高い所か…

  • 冬支度

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ポ村、初冬。 この村では冬、外出が出来なくなるくらい雪が降ることもあるので、年末は冬眠する人が多い。冬眠といっても本当に寝ている人もいれば、食料を備蓄して家の中にずっとこもっている人もいるようです。 早めに冬の準備を始めておかないと、雪が積もってからではそれなりに大変。 ポ村の村人たちは大丈夫でしょうか? 「やっば!」 「しょうがないにゃわ。まゆちゃんも一緒に、にゃこのご飯食べるのにゃ」 「えー、いいの?にゃこ。じゃあカリカリじゃなくて、ウェッティーの方を貰ってもいい?」 「いいにゃよ。まゆちゃんとにゃこは…

  • アホウドリ

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら てんまさんは、マメチュー先生にこんな風に言われたことがありました。 「マメチュー先生?」 「患者さんの言うことを、信じてはいけないのです」 「信じては…いけない?」 「そうです。決して信じないでください」 「マンマー、ママママー。まだかなぁ?マンマー♪」 「てんまちゃん?ぼくねー。美容院に行ってるママを待ってるんだー。大人しく待ってるのー」 「そうなんだ、いい子だね」 「ねーえっ。なにか、お話して。おはなしー」 「お話?」 「うん」 「ええと、じゃあね。アホウドリって知ってる?」 「うん」 「英語でアルバト…

  • 妖精の恋 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 妖精の少女であるシルプさんは、絶賛片思い中。そんな彼女の思い人は美容師のハイエさん。 シルプさんはまるでストーカーのように、美容室の窓からハイエさんのことを見つめています。 なんか疲れてるみたい… お仕事大変なんだろうなぁ 私が癒してあげられたらなぁ。 必要として貰えたらなぁ。 だいたい、あの女の髪の毛なんて雑草を切るみたいに、鎌でぶった切ってやればいいのに。ちょっと待って、近づいて欲しくないから高枝切りバサミの方がいいかな。 「ひっ出た村長」 「まゆさん?」 突然何かに驚くまゆさんの声。 「絵…

  • 妖精の恋 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「よし!」 もじもじしたり、真っ赤になったり、気合を入れたり、先ほどから百面相をしている彼女は人見知りの妖精シルプさん。 関連記事:花占い 人間に対し警戒心があるからか、マメチュー先生に対してさえ、心に壁があるようです。 妖精の少女、シルプさんにはどうやら好きな人がいるみたい。 「ああああーやっぱりだめー」 何かを覚悟したような仕草の後、今度は枯葉にまみれゴロゴロしながら悶えているようです。 好きな人を思い、悩ましい日々が続いている様子。 そんな彼女が好きな人はどんな人なのでしょう。 ドコッ 「ひゃっ!」 …

  • 平和な光景 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 少々治安が悪い街に異動になったポいも。それでも可愛らしいハトを見て癒されていました。しかし自宅マンションへ戻ると…1階の掲示板にこんな張り紙が張られていました。⚫︎騒音注意 ⚫︎タバコのポイ捨て禁止 本当はこういうマンションの悪い部分って、引っ越し前の内見時に確認しとかないとなんですよね。 我が家のマンション、未だに治安悪め。でもまぁ、この程度はどこのマンションでもあるのかな? 他にも ⚫︎これポいもの住むフロア ⚫︎ポいもは見たことありません そんなことがあったとは!見た人びっくりしたでしょうね…

  • 平和な光景 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 少々治安が悪い街に異動になったポいも。ここは治安悪げな街ではありますが、出勤時も帰宅時も人通りは多いし、道も広いので怖い感じはしません。特に帰宅時には、警察の方がよくパトロールをしてくれているため、もめ事を見かけたことも今のところはなし。 ただ、帰宅する時間帯に 「〇〇警察署です。客引き行為は条例で禁止されています!ただちにやめなさいっ!!」 という客引きたちに向けた放送が男性の命令口調で、ずっと流れているのは気になる。通行人に向けては 「客引きによる甘い言葉は全て嘘です。騙されないでください」 …

  • 平和な光景 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前にポいもは、ちょっぴり治安が良くない町に住んでいるという記事を書きました。 記事:町の治安実は最近、勤務地が少々変わって、歩いて行ける近所の職場から、ちょっと都会にある本社へと部署ごと異動になったのです。 異動になった場所は、ポいもが住んでいるところより、プラス2、3くらい治安が悪いところ。そこはとても大きな駅なのですが、勤務地がある場所は華やかなメインの方ではなく、イメージとしては駅の裏側みたいな方向にあります。裏側方面の駅前は夜の雰囲気が漂い、実際にその手のお店がいくつか点在している。 有名な居酒屋のチ…

  • 猫の好きな匂い

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら みなさん、好きな匂いはありますか? 私は常に何かが匂っているのは、あまり好きではありません。 香水とかスタイリング剤等、ずっと周囲で匂いっぱなしだと気持ち悪くなってしまうのです。 でもたまに嗅ぐ、虫刺され薬であるキンカンの匂いは好き。 実家にいた時、キンカンを使っては、なんかちょっとだけスーハーしちゃってました。 そして食材の中では甘い香りがする、メープルの匂いが好きです。 もちろん味も大好き。 カナダのメープルクッキー、あるじゃないですか? 楓の葉の形をしたクッキーの間に、クリームが挟まっているやつ。 知…

  • ベストポジション

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 我が家のねこさんが、相当高齢になったころ。 うちにはポあねが買った猫タワーがありました。 おねにゃんが爪研ぎを買ってくれたにゃ おじいちゃんだからなのかな、ポにゃちゃんはあまり高いところが好きではない様子。 せっかくポあねが猫タワーを買ってあげても、遊ぼうとはしません。 『ポにゃちゃん、そんな高い所に登っちゃったの?ねこさんってほんと高所好きだよね』 みたいなのを言ってみたかったんですけれど、世の中そう上手くはいかないものです。 無理に乗っけると嫌がりますしね。 ねこさんだけでなく、無理強いはだれでもいやな…

  • 心臓がドキドキする話 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 心臓に違和感があるというまゆさんの伯母さん、ペリコ。 でもお医者様に診て貰った結果、問題はなかったそうです。 「絶対心臓おかしいと思うのよ」 絶対、おかしい 「お医者さんの誤診の可能性だってあるでしょう?」 確かに医師の誤診である可能性はないとは言い切れません。 「そうだろうけど…何?セカンドオピニオンでもしたいの?」 「セカンド?一応もう他の病院には行ったわ」 「ああ、行ったんだ。そしたらなんだって?」 「都会の大学病院に行ったのね。そしたらやっぱり何でもないって」 「へぇ、そう」 「近所のお…

  • 心臓がドキドキする話 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ねぇ、いつ死ぬの?」 「何よぉ、いきなり。相変わらずひどいわねー。死ぬってなんなの?」 ペラペラとよくしゃべる独身のペリコ伯母さんが、まゆさん宅に遊びに来ていました。 「だって、何年も前から自分の身体の違和感について言ってくるじゃん」 「あたしの心臓の話?」 「そう。あの会うたび会うたび、しつこく言うやつ」 「しつこくなんて言ってるかしら?心臓が変だって、ちょっと言っただけじゃない。せっかくおいしいチョコレート持ってきてあげたのに」 「それはどうも」 「これねぇー。デパ地下で2500円もしたんだから」 心…

  • ぐうたらポイ活 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら前回のお話 ポイ活を始めたポいも。色々な案件を見ていた中、一番目を引いたのがゲームをしてポイントをもらえるというもの。実はポいもさん、ゲームは好きでしたが二十歳くらいの頃からかな?ほとんどしなくなっていたのです。「ゲームなんて久しぶり!」 ゲームや漫画が好きだった実家にいたころはね、親の庇護のもと、お小遣いはあるだけ使っていました。しかし家を出て自分で稼ぐようになってからは、あるだけお金を使うなんてわけにはいきません。 「生活するために稼いだお金をつぎ込むほど価値がある遊びって、この世にあるのかな」 そう思っ…

  • ぐうたらポイ活 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちらみなさまこんにちは、お久しぶりです。 ポいもです。2023年12月以降、すでに書き溜めたリライト記事の予約投稿ばかりしていたのでなんかね、私自身は久々感があるんです。 “リライトり始めた”2023年12月、ポいもは町外れの片隅でひっそりとポイ活を始めました。 最初「ポイ活」という言葉を聞いたときは、お買い物した時や携帯料金の支払い、そのほか公共料金を支払うときに付与されるポイントのことだけをいうのだと思っていたポいも。あとは、歩いたり乗り物に乗って移動するだけで、ポイントが付与されるアプリを入れるとか… 始め…

  • 薬師如来さま その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 お仕事前、ポ村を見守る薬師如来さまに手を合わせに来た、マメチュー先生とてんまさん。 ”薬剤師としてミスは許されない”そう思っているてんまさんは、ヒューマンエラーが起きないよう薬師如来さまに祈りを捧げます。 「最後は神頼みだなんて子どもっぽいかな。もう大人なのにな…」 「あっ、マメ先生見て下さい」 真っ白な蛾の子どもさん。無毒。 「こんな季節に、シロヒトリの赤ちゃんですよ」 夢中で見つめるてんまさん。 「一生懸命歩いちゃって、可愛い」 「ふわふわしていますね」 「そんなに全速力でどこいくの、ばぶち…

  • 薬師如来さま その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら マメチュー先生には毎朝、通っているところがあります。 ふと、目的地にどなたかが先に来ていることに気が付きました。 「朝は気持ちがいいだす」 「うん、ね」 てんまさんは嬉しそうに、カラスケくんとおしゃべりしています。 そこへ人間に警戒心を持つ妖精の少女、シルプさんが割り込みました。 「カラスケ、ちょっとそっち行ってて」 「なんだす?」 「あのね、てんま。こないだ、あの人がね」 「…じゃあ、そっちいっとくだすね」 カラスケくんを押しのけ、てんまさんとおしゃべりしたくてたまらない様子の妖精の少女。 人見知り同士、…

  • 木じじい その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 薬局の片隅に住んでいる超長寿の木じじい。 なんだか昨晩から具合が悪いようです。 心配したマメチュー先生は木じじい用の薬草を取りに行くため、早朝5時からお出掛け。 無事、薬草を手に入れたので、今は帰宅中です。 時刻はまだ午前7時前のため、午前9時の開店には十分間に合う時間なのですが、やはり猛スピードで移動中。 木じじいにはなるべく早く、お薬を飲んでもらいたいですから。 ガラガラガラ 前方から荷車を引いた行商の方がやってきました。 「あ、今日はおうどんですか?」 「ええ、おいしいですよ」 「では、3…

  • 木じじい その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 薬局の片隅に住んでいる超長寿の木じじい。なんだか昨晩から具合が悪いようです。 心配したマメチュー先生は木じじい用の薬草を取りに行くため、早朝5時からお出掛け。 マメチュー先生は相変わらずの猛スピードです。 記事:ガールズセラピー 薬局の開店時間は朝9時。 朝食の時間、開店準備の時間を考えても、午前8時頃には戻っておきたいところです。 夜は遅い時間になっても特に変化を感じないのに、早朝は独特の空気が辺りを漂っています。 これから一日が始まるのだという、ソワソワっとした空気。 人間が活動していないた…

  • 木じじい その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 彼が誕生してから幾年が過ぎたのでしょう。 樹齢数千年。 樹木というのは動物たちよりも長生きであることが多く、樹齢千年越えの長寿の木は珍しくありません。 私たちが生まれる前からそこに存在し、私たちが死してこの世から消え去った後もそこに存在している。 周囲を這うありんこたちを見つめ、枝でくつろぐ鳥たちを見つめ、頭上を行き交う白い雲を見つめ、平和な時もそうでない時も、ただただ見つめてきた日々。 人間からしたら気が遠くなるほどの長い歳月、彼らは何を思って過ごしているのでしょう。 そんな植物たちも他の生物同様、時には…

  • 花占い その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 誰かに恋をしているらしく”惚れ薬”を欲しがる妖精の少女、シルプさん。彼女は最近顔色が悪く、あまり食事をしていない様子。心配するマメチュー先生ですが、森の動物たち同様、人間に警戒をしているようで、近寄ると逃げられてしまいます。 どうしたらシルプさんは、警戒心を解いてくれるのでしょう。しっかり食事をして元気になったもらいたいのですが、なかなか心を開いてくれない妖精の少女。 彼女が求める”惚れ薬”になにかヒントがあるのでしょうか? 子どもというのは親や先生に言われたことは素直に聞かないのに、好きな人に…

  • 花占い その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ……。 あら?どなたかと目が合いました。 この方は、ポ村に住む人見知りの妖精、シルプさん。 彼女は”惚れ薬”とやらが欲しいそうでこうやって時折、様子を伺いに来ます。 妖精さんといえども、不思議な薬を作ることは出来ないみたい。 しかし残念ながらマメチュー先生の薬局では、惚れ薬の入荷の予定はありません。 「シルプさん、おはようございます」 マメチュー先生は、柔らかい声で朝のご挨拶。 一方、挨拶をされたシルプさんは、樹木の後ろにササッと隠れてしまいました。 妖精の少女であるシルプさんは森の動物たち同様、人間に対し…

  • 湿潤療法 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 信号待ちでイライラしてしまうような、そんなせっかちな性格が原因で、指をケガしたというまゆさん。 USAさんはまゆさんに消毒薬を渡そうとしますが、なぜかマメチュー先生に取り上げられてしまいました。 「今は消毒薬を使う必要はないんですよ。水で雑菌を洗い流すだけでいいんです」 「ええー、嘘ですよぉ。昔からケガをしたら、消毒はするものと決まっていますもの。毛を剃ったら濃くなると言われてますもの」 「毛を剃っても濃くならないよ。年寄りはそうやって考え方が凝り固まる」 「まゆちゃん、今の誰の事?」 「USA…

  • 湿潤療法 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 せっかちが原因で指をケガしたというまゆさん。 信号待ち等でも、いちいちイライラ。 なぜそんなにせっかちと思われる行動を、とってしまうのでしょう。 「別にあたしさぁ、時間に追われた生活してないわけよ」 「うん、あたしにもそう見えてる」 「でしょ?せっかちな人の中には、分単位で予定を入れてる人とかいるじゃない?つねに何かやってなきゃ気が済まない人」 「そうね。人の人生だけど、あたしなんかから見ると、毎日大変そうだなって思うわよ」 「あたしもUSAとおんなじこと、思っているわけ。んで、彼らみたいなタイ…

  • 湿潤療法 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら マメチュー先生の調剤薬局 USAさんは嬉しそうにまゆさんに絆創膏を持ってきました。 「まゆちゃんバンソコこれでいい?見て見て!こんなに可愛いのー」 「可愛さよりも、傷口をしっかり保護するやつをくれ」 「…女の子っぽくないんだからって思うのは、あたしが古いのよね。で、なんでそんな傷をこさえたの?」 「ん?」 まゆさんは左手の親指付近に、けっこう深めの切り傷を作っていました。 「まゆちゃんって、しょっちゅうケガしてるわよねー、なんで?女の子なんだから…じゃなくて生き物というのはね、ケガには注意しないといけないも…

  • ガールズセラピー その3

    前回のお話 マメチュー先生が夕方までお出掛けしているため、忙しく働く薬局スタッフ。てんまさんは便秘薬を購入しに来た、ダイエットを行っている患者さんとお話し中。ダイエットにより毛細血管がもろくなってしまったため、あざが出来やすくなったことをこの患者さんは悩んでいるようです。 ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら あざ 「美しく健康的にダイエットしたい場合は、やはりお食事の内容が大切になってくると思います」 「そうですよね。このところ、便秘だったんですけど、これってやっぱりダイエットの影響なんだろうなって。肌も荒れてきているみたいだし」 「私も若松…

  • ガールズセラピー その2

    前回のお話 マメチュー先生が夕方までお出掛けしているため、忙しく働く薬局スタッフ。そんな中、USAさんはハーブティーを購入しに来た、糖尿病患者の方とお話し中のようです。そろそろ帰ろうとする患者さんに対し、USAさんはぼそりとつぶやく。 ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「私は食べること大好きだから、食事制限されたりしたらほんとつらいだろうなぁ」 「ああ…でも気を付けた方がいいよ。病気になっちゃうから」 気持ちを分かってくれる彼女に、注意を促す患者さん。 「ですよね。こないだなんて”チートデイだー”なんて言って、ケーキとどら焼き、あとはチョコ…

  • ガールズセラピーその1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 秋冬は薬局の繁忙期なのですが、本日マメチュー先生は夕方までおでかけ。 管理薬剤師のマメチュー先生ですが、村長とともに都会の薬局を視察に行っているのです。 しかも今日は休み明けの月曜日なので、さらに忙しい。 クラゲさんは丘の下から、高齢で歩くのが困難な患者さん用タクシーを繰り返し行っています。 ということでパゴロウさん以外は、非常勤のパートスタッフばかり。 朝からてんやわんやのてんてこまいです。 ただでさえ繁忙期なのに加え、優しいてんまさん・お話上手なUSAさん等、女性スタッフは患者さんに人気。 そのため彼女…

  • 背後にいるのは誰? その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話休日の夕方、ポ村には霧が立ち込めていました。非日常の状況に、ちょっとそわそわしているまゆさんとUSAさんは、宅飲みの買い出し中。 しかしUSAさんは先程から、何かの気配を感じるという。 USAさんは声を潜めます。 「ねぇ。今度は絶対!何かいる。嫌な気配を感じる」「怖い事いわないでよ。あれじゃない?飛蚊症とかじゃないの?」 「ええええ?飛蚊症!ってなんだっけ?」「なんか、目の端に蚊みたいなものが飛んでいるような気がしない?」「え?蚊?蚊っていうよりは、このマスコットみたいなものが…」 「何?マスコッ…

  • 背後にいるのは誰? その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 村を愛し、村を守る ポ村の村長、お掃除中。 その時、村中を霧が覆う。 「もう、夕方でしたね。早く片付けて帰らねば」 夕方になるとポ村では霧が出ることが多いです。 夕暮れ時。 それは昼から夜に変わりゆくとき。 そんなときには”魔物が現れる”などと言われています。 もちろん、このポ村でもそう。 人影の正体… それが人間なのか、それとも魔物が化けたものなのか、分からなくなってしまうのです。 それに加え、辺りは霧に包まれているのですから… 「背後に何かが見える気がする」 突然、変なことをつぶやくUSAさん。 「まだ…

  • 絆創膏の呼び方

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「あらクラゲさん、こんにちは。今日もお願いしますね」 穏やかでいつもにこにこしている、患者のきのこさん。駄菓子屋さんの店主で、よく薬局に顔を出してくれています。 「きのこさん、こんにちは」「まぁ、マメチュー先生」 「温かい梅湯はどうですか?」「うふ、ありがとう。美味しそうだわ。いただきます」 梅湯とは、村の特産品である梅干しと梅干し・赤紫蘇が浸かっていた汁、それにすりおろし生姜をお湯を入れたドリンクです。身体が温まり、この時期は風邪予防にもなります。 「ポ村に住んでいると長生きできそうね。あたしはこちらにお…

  • 寒い日に飲む甘酒 その3

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬の寒さが苦手なまゆさん。マメチュー先生の甘酒で温まっていました。そんな中、甘酒が大好きらしいUSAさん。一人、甘酒のおかわりをしまくっていました。すると… ゴロゴロゴロゴロー 甘酒は身体にいいと言っているのにこの有り様… 「ああああぁ、トイレー!」 「まったく、何してるんだか。やっぱうんこはいらないよね。うん。」 「そういえば、食べ過ぎ・飲みすぎるとデブになるという身体のシステムもいらないなぁ」 身体にいいと言われる食べ物、飲み物でも摂取しすぎるとやはり身体に悪影響を及ぼすようです。 「やばー…

  • 寒い日に飲む甘酒 その2

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬の寒さが苦手なまゆさん。途中で行き倒れて、クラゲさんに薬局まで運んでもらったようです。 「あったまったー。おかわり欲しいー」 「まゆさん、いつも薬草をありがとうございます。もしよければ、あたたかい甘酒もいかがですか?夏の飲み物ですが、あたたまりますよ」 寒いのが苦手なまゆさんは、薬局ではいつも温かい飲み物をいただいています。 「ありがとうございます。マメチュー先生の甘酒…おいしい…気がする。寒かったし」 ”甘酒、好きになりたいな。もう少しでなれる気がする。大人として甘酒を飲めるようになりたい。…

  • 寒い日に飲む甘酒 その1

    ⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 【本日のまゆさんの防寒具】 裏起毛タイツ、ヒートテックのインナー、使い捨てカイロ、イヤーマフ、マフラー、手袋、厚手の靴下等 「ここまでしても寒さを防げない人間の体ってなんなの?よく絶滅しなかったよね。いくらなんでも弱すぎない?」 体中に体毛がなくたって、こんなに寒い思いをしなくて済むように、進化してくれればいいのに。 そもそもこれ以上、体毛いらない。 髪の毛、まつげ、眉毛以外のムダ毛はいらない。 ほんとは眉毛も最初からある程度整っていてほしい。 あとは病とかに簡単に負けない身体になって欲しいし、還暦くらいま…

  • 先生は魔法使い その2

    ⚫︎物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ”薬草”を見るたびに薬剤師になりたかった理由を思い出すというまゆさん。 薬草代わりだという”マメチュー先生スープ”をいただき、元気をもらっていました。 午前中は冷たい北風が吹いていたけど、午後になると風もやみ、気温も上がってきた。 「よかったじゃん」 つい小声で呟いてしまう。 あたしのこんな性格が、あまり服薬指導をしない理由。 でも薬自体にはとても興味があった。 訳の分からない薬の商品名も一般名も、スラスラ覚えられた。 子どものころから憧れていたマメチュー先生。 なぜかうちの母親は、わざわざあたし…

  • 先生は魔法使い その1

    ⚫︎物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回の記事:残り物でデトックススープ ここはポ村唯一の調剤薬局。 あたし、まゆが採取した薬草は、いつもここに届けている。 なんか… 薬草って眺めるたんびに、薬剤師になりたかった理由を思い出しちゃうんだよね。 採取した薬草 「生薬っていうよりも薬草っていう響きの方が、なんか好き」 子どもの頃によくやっていた、ロールプレイングゲームの影響かもしれない。 「錬金術で”特やくそう”をいっぱい作って、いっぱい持ち歩いてたなぁ」 なのにもったいなくって、全然使えなかった。 あの、口にすればすぐ元気になる薬草。 何気にピン…

  • 残り物でデトックススープ

    物語を最初からご覧になりたい方はこちら 物語の概要をご覧になりたい方はこちら 改めまして、ここはポ村にある唯一の調剤薬局マメクスリカフェです。 薬局長のマメチュー先生、助手のクラゲさんが暮らしている場所でもあります。 医療用医薬品、漢方、マメチュー先生オリジナル医薬品などを取りそろえています。 ずずー、ごくごく 「はぁ落ち着いた。ごちそうさま。美味しかったぁ」 まゆさんが一気にかきこんでいたのは、マメチュー先生特製デトックススープ。 便秘を改善し、腸内環境を整える野菜たっぷりスープです。 1回食べただけでで満足しないで、1週間は続けましょう。 「あと、この間は薬草をたくさん届けていただいて、あ…

  • 秋のごちそう

    これは少し寒くなってきた、秋のポ村のお話。 なにやらまゆさん眠れないっぽい 眠る前につい、考え事をしてしまう人は多いのではないのでしょうか。 まゆさんも同じく布団の中で考え事をしてしまいます。 通常眠りに落ちるまでは、10分~15分かかるのだそう。 でもその眠るまでの時間って、ちょっと暇なのですよね。 まゆさんはもっぱら、明日食べるご飯のことを考えるタイプです。 横になりながらすでに眠っているにゃこさんに、独り言のように話しかけています。 「おなかいーぱい、ご飯食べてやろっと」 まゆさんはたまにポ村に生えている薬草を、マメチュー先生の薬局にお届けする仕事をしています。 彼女は漢方薬に詳しく「漢…

  • アロマセラピー

    ※これはポあねがポにゃちゃんと暮らしていた頃のお話です🐱”くしゃんっ” 「かゆい。そんで、くしゃみ出る」 ハウスダストや猫アレルギー持ちであるポいも。ねこさんと暮らすポあね宅に行くと、必ずアレルギー症状が出てしまいます。 「ちょっと待ってて」ポあねはそういうと、何かをとりだしました。 「これなに?」 そして何かを作り始める。 謎の小瓶いい匂い「これはね、ペパーミントとユーカリ、レモンを調合した、アレルギー症状を抑えるアロマなの」 ポあねは民間の資格・メディカルアロマインストラクターを取得しております。 部屋をいい香りが漂っている。 ねこさん何か言うてますねこさんにはアロマオイルは危険なので、調…

  • ねこのお留守番 その4

    前回のお話まゆさんが実家へ帰省中の為、ひとりお留守番をするにゃこさん。そうこうするうちに、まゆさんが帰ると言っていた夕方に。 そこへ人影が…“にゃ、まゆちゃん?” まゆさんからにゃこさんのことを頼まれていたてんまさんは、用事がすんでから様子を見に来たようです。 「遅くなっちゃった。にゃこちゃん、大丈夫?」 「にゃんだぁ。まゆちゃんじゃなくて、てんまちゃんにゃわ」 「この子ったら、まゆちゃん以外には冷たいんだから。まゆちゃんまだ?」 「まゆちゃんはまだにゃわ。てんまちゃん、まゆちゃんに会えなくて、寂しくなったのにゃか?」「え?」 てんまさんは、にゃこさんの方が寂しくて泣いていると思っていたのです…

  • ねこのお留守番 その3

    前回のお話まゆさんから夕方まで”お留守番しててね”と言われているにゃこさん。 でも長い間ひとりぼっちで、寂しくて仕方がないようです。 「おい、ねこ。なにしてんだ」 彼は、都会の方で勤めていますが、マメチュー先生に用事があるときにポ村を訪れます。「うっうっ」 「なんだよ、泣いてんのか?よし!泣いている原因くらいは聞いてやろう」 「まっまゆちゃんがっ。にゃこをっ。マメでっ」にゃこさんは、一緒に住むまゆさんに留守番を頼まれたこと。 でも本当は、にゃこさんを置いていってしまって寂しい事。 ケガしても心配してくれるのはまゆさんではなく、マメチュー先生だけであることをつっかえつっかえ時間をかけながら説明し…

  • ねこのお留守番 その2

    前回のお話まゆさんから夕方まで”お留守番しててね”と言われているにゃこさんですが、寂しくて仕方がないようです。再びひとりぼっちでポ村を歩いています。 もう帰っているかなと思い家に様子を見に行ったら、まゆさんの姿が見当たらなかったのです。 仕方ない。今はまだ、まゆさんが帰ると言っていた夕方ではありませんから。 「にゃこー!」「…」声をかけてきたのは農家を営むケイヒさん。 「なんだよ、元気ないじゃん」 声をかけてくれたケイヒさんには反応せず、にゃこさんは目についた木の上に、またもやよじ登ろうとします。そこからマリオのジュゲムみたいに雲の上に乗っかって、まゆさんの元に行こうと思っているのです。 「な…

  • ねこのお留守番 その1

    にゃこさんはポ村をひとり、とぼとぼと歩いています。 「まゆちゃん、まだかにゃ?」 まゆさんは朝から実家にお出かけ。”夕方には帰ってくるからね。大人のねこさんだからお留守番出来るよね?”にゃこさんはそう言われていました。 でもいつもいるはずのお休みの日に、まゆさんがいない。 なんだかいつも以上にさみしい。 「もうそろそろ帰ってくるかにゃ?」 まだです。 だってまゆさんがお出かけしたのは、ついさっきですから。 でもにゃこさんには夕方があとどれくらいなのか、よく分かりません。 まゆさんが帰って来るまで、どうやって過ごしていたら良いのでしょう。「ふぅ、ちょっと座って待つにゃ」 しばらく手の上で丸まって…

  • お出かけ前の準備中、まとわりつく猫さん

    小料理屋 三すくみ今日は、にゃこさんとイチャイチャ遊んでいたナメ江さん。 しかし、ナメ江さんには午後からお店の準備があります。「ゴメンナサイ、にゃこちゃんソロソロ」 「わかった!ナメ、またにゃっ」 「にゃこちゃん、バイバイ」ナメ江さん、にゃこさんが帰ったあとは、お出かけの支度に大忙し。 「早ク、オ店ノ、買イ出シニ、行カナイト」 ”アラアラ、アララ?” お出かけの準備中、全身にねこ毛がついていることに気付きました。 「小ッチャイにゃこちゃん、付イテ、来チャッテルワ」 ”フフフ、でも可愛いにゃこちゃんに包まれているみたい” だけど外出するのに、全身ねこの毛をまみれは少し恥ずかしい。「ヘバリツイテ、…

  • 調剤薬局のPOP その4

    前回のお話 ポ村産・梅のど飴を多くの人に買ってもらうため、POPづくりをすることにした薬局スタッフ。 消費者の購買意欲をそそるようなフレーズを、わちゃわちゃしながら考えているようです。「パゴちゃんは、なんかいいの思いついた?」 「はい、ええとですね」 「なにそれ?説明書?」 「だっだめでしたか?」「真面目が出すぎ」 「もっと単純にさ。ポ村産ののど飴おいしいよーとかは?のどの痛みもすぐ治ってぇ」「誇大広告はだめですよ」 「今一番売れてる!ポ村住民大注目!」 「売れてないし注目されてない」「話題独占!のど飴ランキング第一位!これぞ本物ののど飴」 「次から次へと適当なことを…」「だって文章力ないし、…

  • 調剤薬局のPOP その3

    前回のお話 ポ村産・梅のど飴を多くの人に買ってもらうため、POPづくりをすることにした薬局スタッフ。マメチュー先生の調剤薬局には、ドラッグストアほど多くは置いてありませんが、のど飴以外にも商品を販売しています。 薬の待ち時間を利用して、患者さんたちは商品を眺めていたりする。「そんな時に、目を引くフレーズのPOPがあればさ、興味もってもらえるんじゃない?」 「本屋さんとか、ディスカウントストアとか、POPを工夫しているって聞いたことある。そんでPOP次第で売れるようになるとかって」「のど飴以外にもPOPってあると、患者さんには親切かもね」 患者さんがどの市販薬を買い求めたらいいか、自分の症状に合…

  • 調剤薬局のPOP その2

    前回のお話 ポ村産・梅のど飴を多くの人に買ってもらうため、上手に宣伝することにした薬局スタッフ。 「これって医薬部外品ののど飴だよね。処方箋が必要な医療用医薬品でもないから、アピールしても大丈夫なはず」 【医薬品医療機器法】 処方箋に基づいて使用される医薬品については、宣伝広告の対象が医療関係者に限ります。 理由の一つとしては病を告知されていなくても、薬品名から自分の病を知ってしまうことを防ぐためです。 重大な病でも告知されることが増えていますが、やはり精神的なダメージも大きいのでケアが必要なのです。 他、医薬品の服用の仕方を誤ったりすることで、重大な副作用の被害に遭わないようにするためでもあ…

  • 調剤薬局のPOP その1

    関連記事:のど飴大好き 朝の開店前。 薬局のスタッフは、いつも通り朝の看板、幟を出し、そして清掃をしています。 マメチュー先生の薬局の店頭には現在、ポ村産・梅味のど飴がたくさん並んでいます。 そこをふらふらと横切るUSAさん。 朝から頭が働いていないようで、だらだらと掃除をやっています。 すると、その直後に村長にぶつかりそうになる。 「ひっ、村長!」 ”怒られる!?”ぼんやりしながら仕事をしていたことを村長に注意されると思ったら、なにやら一人、にやにやしています。 「村長?」 どうやら村長は、ポ村印の梅のど飴を嬉しそうに眺めていたみたい。 怖いくらいにやにやがとまらない村長。マメチュー先生は穏…

  • 薬局で錠剤を粉砕する その5

    前回のお話 イチイさんが外出中、てんやわんやだったオウギさんたち。 閉店後にも粉薬を調剤室にぶちまけ、大パニック。 イチイさんが外出先から戻ってくる前に、大慌てで清掃です。 「すごいクマ作ってんじゃん。忙しかったのか?」 「ええ、まあ」勘がいいイチイさんは何かを感じ取ったのか、薬局内を見回しています。「その割にはなんだか薬局内がきれいだな。掃除する暇があったみたいじゃん」ぎくりとする薬剤師たち。「いや、閉店後の店内清掃ですよ。」 「今日はずい分、熱心にやったんだな。新築みたいだぞ。んで、俺が置いていった心を癒すグッズはやけに、握りつぶれてるな。お前はきれいにしてもらえなかったのか?」 「そのグ…

  • 薬局で錠剤を粉砕する その4

    前回のお話 イチイさんが外出中、てんやわんやだったオウギさんたち。 ようやく閉店時間が訪れました。 「やっと仕事のピーク過ぎましたね」 「焦ったぁ。そういえば、イチイさんまだ来てないじゃん」 「よかったですよ。さっき来てたらやばかった」薬剤師たち皆、だいぶホッとしています。 医療従事者の立場として、ミスは許されません。 よほど肝を冷やしたのでしょう。「イチイさんも別にキレたりはしないだろうけど、いるだけでこっちが焦るからな」 「そういえばロクジョウさん、さっき乳鉢で錠剤をすりつぶしてたよね」 「粉砕用のミルないんだっけ?」 「あったと思うんですけれど、焦っていたからか見つからなくて」 「えー。…

  • 薬局で錠剤を粉砕する その3

    前回のお話 患者さんから錠剤を粉薬にするよう頼まれたオウギさんたち。 さらに他の処方箋には、医師から間違った指示が記載されていました。 「たまにですけど、お医者さんによっては患者さんに希望されたことを、そのまま処方箋に書いてしまう人、いますよねー」 医師は病気についてはもちろん専門家なので詳しいですが、薬剤についてはあまり知識がない方も中にはいるようです。 「俺が疑義照会すんの?川原先生に?」 「早く錠剤潰さないと。患者さんお待ちですから。監査は新人にはできませんもの」 「俺と大してキャリア変わらないじゃんか。あ、ロクジョウさん」 「えっは、はいいぃ」 「じゃ、みんな手を出して!」 「じゃーん…

  • 薬局で錠剤を粉砕する その2

    前回のお話 医師に無駄に薬の在庫を用意するように言われ、ご立腹だったイチイさん。 今は外出中ですが、もう少しで戻ってくるようです。 「イチイさん、イライラしてたなぁ。うちの調剤薬局グループの息子だしね。今はまだエリマネだから、経営には直接関わってないかもしれないけど」 「たまにいますよね。癒着じゃないかなって思わせる医師からの注文。確認のしようがないから決めつけるわけにもいきませんけど」 「でも今回は癒着だろうなぁ。新薬が出来たタイミングでさ。処方するよう言ってきたくせにさ。結局いつまでたっても使わねぇんだもん、新薬。だけどさー、勉強会とかで出る弁当レベルでも製薬会社のってめっちゃ豪華じゃん?…

  • 薬局で錠剤を粉砕する その1

    イチイさんの調剤薬局 イチイさんは、前に注文していた新薬を眺めながらむすっとしています。 「これ、この新薬ってさぁ、篠井先生に頼まれて注文したやつだよな?使うからっつってさぁ」 篠井先生「あ、そうですね。そうでしたね」 チョウジさんがびくびくしながら答えます。 一方オウギさんとロクジョウさんは、仕事で忙しいふりをしているようです。 「頼まれてからだいぶ経つなー。篠井先生のところの患者、けっこう来てるよな?」 「で、ですねー」 「なのに誰にも処方されていないなぁ。いったいいつ使用するんだろうなぁ!?」 新薬を使用すると言われていたのに、篠井医師からはちっともその新薬の処方箋がこないようです。 「…

  • のど飴大好き その8

    前回のお話ポ村住民や村長と、やけに仲良く話すペモリンさんに対して、不信感を抱いている様子のUSAさん。 しかし…「USA、ペモリンさんさ。実はポ村産の梅味ののど飴についてリサーチしてたんだって。あ、マメチュー先生お帰りなさい」 「ただいま帰りました」 マメチュー先生は製薬会社の勉強会に参加していました。 「これ製薬会社に選んでいいって言われたお弁当ですよね。2500円の」 製薬会社が行う説明会では豪華なお弁当が出がちです。「お土産にって余計に頂いたんです。こんな高額なお弁当、いいんですかね」 「いいんですよ、マメチュー先生。うちの薬局だって、そこ製薬会社の薬、いっぱい買ってんですから」 「で、…

  • のど飴大好き その7

    前回のお話ポ村住民や村長と、やけに仲良く話すペモリンさんに対して、不信感を抱いている様子のUSAさん。 「は?なんの話?」 「この間のペモリンさんの話」「え?まだ言ってんの?だいたいやろうとして、簡単に出来るもんじゃないと思うんだけど」 「だって前に見たのよ。あの人がポ村梅のパンフレットを持っている所」 「ふうん」 「さっきは、もっとお偉方っぽい人も来ていたの。村長が一緒に出掛けていくのも見たわよ」 「どこに?」 「分かんないけど。お土産屋さんのほうだった」 「お土産?でも多分ペモリンさんって、ただのおしゃべり好きだよ」「ばかね。単におしゃべり好きなんて、そんなことないわよ」 「そんな怪しい行…

  • のど飴大好き その6

    前回のお話ポ村住民や村長と、やけに仲良く話すペモリンさんに対して、不信感を抱いている様子のUSAさん。 「あの人行動がいちいち疑わしいのよ。あたしが警察官だったら職務質問してるわよ」まゆさんは実際に警察官にからまれたエピソードをUSAさんに話していました。「ガマの親分みたいな警察の人をイライラさせるようなこと言ったんじゃない?」 「だからそうやって疑うのはよくない。言ってないよ、なんにも。一緒にいた新人っぽい若い警察官は何も言ってなかったし。ってか困ったようにガマの親分の後ろをうろうろしてたから、彼に対しては悪かったなと思ったけど」なぜそうなる?「上司をイライラさせちゃったからさー。そのあと若…

  • のど飴大好き その5

    前回のお話 ポ村住民や村長と、やけに仲良く話すペモリンさんに対して、不信感を抱いている様子のUSAさん。「あの人行動がいちいち疑わしいのよ。あたしが警察官だったら職務質問してるわよ」 そんな噂の村長とペモリンさんは、村役場でお話をしています。村役場「ほあぁぁぁぁ」村長は何やら興奮をしているみたい。 「ポ村の梅味シリーズの商品、ついにのど飴まで出来たのですねぇ」 「ちょっと時間かかってしまいましたけれどね。弊社のものたちが頑張ったようです」 「とても美味しかったですよ。甘酸っぱくて、それでいて爽やかで、すっきりした味わいで…感動いたしました」 「ポ村のみなさんにお話を伺った所、のど飴を好きな方が…

  • のど飴大好き その4

    前回のお話ポ村住民の方たちとポ村産の青梅の話をするMRのペモリンさん。村長とも仲良く話すペモリンさんに対して、USAさんは不信感を抱いているようです。「最近しょっちゅうポ村にいるでしょ?ペモリンさん。村長とも密会というか密談してるっぽいしさ、なんか変じゃない?」密会?「そうだっけ?ペモリンさんのこと、久しぶりに見た気がするけど」 「もうっ、近頃いつもポ村に来てるじゃないのよ。っていうかあれよ、ペモリンさんは村長に会いに来てると思うのよ」 「はぁ?USAはミスリード要因だからな。勘違いフラグが立ったのが見える気がする」 「失礼ねー。どういう意味よー」 「だいたい何が言いたいわけ?ふたりが付き合っ…

  • のど飴大好き その3

    前回のお話ポ村住民の方たちとポ村産の青梅の話をするMRのペモリンさん。 村長とも話をしているペモリンさんの様子を、USAさんは訝し気にみつめていました。そんな彼女は、まゆさんと梅について語っています。「梅って健康にいい部分もあるんでしょ?」 「確かに日本最古の医学書に梅干しが載ってたって話は聞いたことあるけど」「昔は薬だったってこと?」 「中国でも梅の実は黒焼きにして漢方薬に使ってたんだって」「ほら!健康にいいんじゃない。梅干し婆さんの由来、説が二つになっちゃったわね」 「なってないし、長尺でどうでもいいこと話すな!仕事中だ!!」 「あー、それにしても今日もよくしゃべった。のど飴舐めようー。そ…

  • のど飴大好き その2

    前回のお話ポ村住民の方たちとポ村産の青梅の話をするMRのペモリンさん。 村長とも話をしているペモリンさんの様子を、USAさんは訝し気にみつめていました。「USA、仕事中に何を窓の外ばっかり見てるわけ?」 「梅干し婆さん」 「は?」 「あたしね、思うのよ。あれはさ、シワだらけの顔をさしていうんじゃないんだって」 「何の話?」「だっていくらなんでも失礼過ぎない?しわしわのおばあさんを梅干しだなんて」 「まぁ、今そう言われたと思ったら、むっとはしたけど」「最近張りのある梅干しもあるじゃない?蜂蜜で漬けた甘いやつ。あたしポ村のはちみつ漬けの梅干し好きー。んで、あれはいわゆる梅干し婆さんとはちょっと違う…

  • のど飴大好き その1

    のど飴おいしっ調剤事務員のUSAさん、朝からごきげん。ポ村を散歩するのが大好きなUSAさんにとって、薬局への通勤もとても楽しいものなのです。 美味しい朝食を食べて、通勤中に朝の太陽の光を浴びながら、食後の運動をするみたいにお散歩をする。「空気もいいし、歩いていても苦じゃないし。みんながポ村散歩を楽しむ理由が分かるわぁ」 その途中、彼女はMR(医薬情報担当者)のペモリンさんを見かけます。 「んん?」 ペモリンさんはいつも通り、みなさんと楽し気にお話ししています。 「ポ村の名産品のこの青梅、ほんとに美味しいですわよね」実は梅干しは苦手だという人でも、ポ村の梅なら食べれるという人が多いくらい、評判が…

  • 医薬情報担当者 その3

    前回のお話マメチュー先生の薬局に、おしゃべりなMR(医薬情報担当者)ペモリンさんがやってきました。 このあとは、内科医くまじろ先生の所にいくのだそうです。 一方マメチュー先生は朝一で薬を取りに来ると言っていたきのこさんが、お昼になっても姿を現さないため、心配になりご自宅に電話をしてみることに…「マメチュー先生、どうでした?」マメチュー先生は静かに首を振っています。 おうちに連絡したところ、誰も出なかったようです。携帯電話は持っていないきのこさん。 一体どうしたのでしょう。電話に出られないくらい、具合が悪くなっている?鳥居の結界を破って、ポ村に入り込んできた悪しきものに何かされた? それとも? …

  • 医薬情報担当者 その2

    前回のお話 朝…。 ポ村に住むカラスケくんや、スネ文さんはおしゃべりな女性の方に絡まれていました。 午前9時前、マメチュー先生の薬局では開店準備中。 高齢の患者さんたちは、開店時間の9時前から薬局内に入ってきてしまうのですが、今日は誰も入ってくる様子はなく、代わりに外から楽しそうな話声が聞こえてきました。 気になってマメチュー先生が様子を見てみると、ペモリンさんがご高齢の患者さんとお話をしていました。 「まぁマメチュー先生、おはようございます」 「ペモリンさん、おはようございます」 彼女は、製薬会社で働く営業さん。 いわゆるMR(医薬情報担当者)さんです。 営業とはいえ、直接薬を販売するわけで…

  • 医薬情報担当者 その1

    「カラスって早起きよね。みんな何時に起きているの?」 「早朝の渋谷とかでご飯食べてるわよね。4時起きとか?そうでしょ?あたしの直感、よくあたるの。ついでにあたしは6時起きよ」 「そうだすか。わたすの仲間には、0時過ぎには起きているカラスもいるだすよ」 「うそよー。午前0時?寝る時間じゃないのよ」カラスは夢を見ることはほとんどなく、一度の眠りは深く短いそうです。「そうなんだぁ。いいわね。昼寝はするの?しないの?」 「ええと…」「ちょっと眠ればいいってことは、一日が長いってことでしょ。羨ましいわね。あたしも一時間ぐらいで疲れがリセットされる身体になりたいわ。そうなったら浮いた時間になにしましょう。…

  • 集団心理 その6

    前回のお話まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。 彼女たちは、インタビューを受けてテレビでピリピリしたコメントをしているてんまさんを、心配していました。 「はやくポ村に帰ってくればいいのに…都会でイライラしてるのよ」 「集団の鳥ねぇ。駅前にムクドリが大量に飛んでいるのは、あたしも実際に見たことあるんだ。お互いの身を守るために集団行動をするらしいけど、ほんとにものすごい数でそれはもう圧巻だった。近所に住んでないからそう思えるんだろうけど」「その子たち…駆除されちゃうの?」 「鳥獣保護法があるから、個人で駆除はできないはずだけど」 「ああ、役所とかに相談するにね」 「てんまは”その鳥の駆除”…

  • 集団心理 その5

    前回のお話まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。 その時テレビをひとりで見ていたにゃこさんが、テレビに向かって反応をしていました。「どしたの?にゃこちゃん」 「てんまちゃんにゃ」 「てんま?」まゆさんたちもテレビを見てみると”鳥が集団で駅前に集まっているから迷惑している”という内容のニュースに、なんとてんまさんがうつっていました。 「てんまちゃんがテレビに?なぁに?鳩やカラスに餌をあげる人がいて、周辺住民が迷惑しているって話?」「どっちかって言ったら、大量のムクドリとか繁殖したインコとかが、集団でどうのって話っぽいけど、でもなんか一匹カラスがバタバタしてる…」 駅構内困ってるカラスさん、…

  • 集団心理 その4

    前回のお話まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。 最近USAさんは、ポ村の雰囲気につかり過ぎて、都会のある部分に怯えるようになったそうです。「昔、実家に住んでいた時にさ、帰りが終電になったことがあったのね」深夜の踏切。終電が終わったから電車は通らないはずなのに、いつまでも踏切の遮断機はおりている。 完全に壊れているようだった。深夜なのに、人も車もだいぶ踏切前に集まってきていた。 「うちの町って夜でもあんなに人が外にいるのねって、思ったわよ」 深夜0時過ぎ「そんでどうしたわけ?駅前ってことはさ、駅員さんが何とかしてくれたりしないの?」 「駅員さんは来なかったし、交番も踏切横にあるけど、誰も…

  • 集団心理 その3

    前回のお話まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。 最近USAさんは、ポ村の雰囲気につかり過ぎて、都会のある部分に怯えるようになったそうです。 お話し中、まゆさんは突然ー。 都会にいる人々も同じように、駅構内で喧嘩中の人間を見ても”邪魔だな”くらいに、感じているのだろう。「あっ、なんでこんなの出すのにゃ!」 「にゃこちゃん?」お掃除中のまゆさん、ついでにキャリーバッグを出しています。 にゃこさんは、そのキャリバをジッと見つめている。大抵病院に連れていかれるときは、にゃこさんもキャリーバックに入れられます。 そのため、危険を感じたらしい。「にゃこ、お医者はいやにゃて!」 「今日じゃないよ。明…

  • 集団心理 その2

    前回のお話まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。 最近USAさんは、ポ村の雰囲気につかり過ぎて、都会のある部分に怯えるようになったそうです。 彼女たちがお話し中ー。 「ただいまにゃー」 「あら、おかえり。にゃこちゃんはいつでも元気ね」「そんなことないにゃ。セラピーキャットのお仕事帰りで疲れているのにゃ」 「今楽しそうだったよ」 「おうちに帰れてうれしいのにゃ」 ねこさんはご飯を食べられる、気持ちよく眠れる、楽しく遊ぶ、そんなことだけでたっくさんの幸せを感じることが出来るのです。 すぐ嬉しくなっちゃう「まゆちゃん、お水ー」 「はいはい」「亭主関白ねぇ」 「にゃむにゃむ、おいしいにゃわぁ」「…

  • 集団心理 その1

    「そういえば最近、ポ村にカゲが現れないねー」 「いないと心が平和だ」 まゆさんとUSAさんは、休日をポ村でのんびり過ごしていました。 ポ村住民もおのおの、のんびりほのぼのと過ごしているようです。 シフォンとお散歩金銭はお気持ちだけ頂きます「村長の巡回も、ピリピリムードじゃないし」 ポ村を愛し、ポ村を守るぼんやり見ていたらまゆさん、USAさん、巡回中の村長と目があってしまいました。 まだ何もしてません「村長ったら失礼しちゃうわよね。あたしたちのことばっかり、見張るんだもの」 二人は、まゆさん宅に避難することにしました。 まゆさん宅いつも平和なイメージのポ村ですが、実は気味の悪い化け物が現れること…

  • どろちゃんとトウキさんと悪しきもの その2

    前回のお話画家のトウキさんは、ポ村の御神木の元で涼んでいました。 その近くでは、ポ村特有の“モノ”土壌を悪い状態にする“悪しきもの”が、生まれ出てこないよう、ひとり奮闘しているどろちゃんが… しかしどろちゃんの抵抗むなしく、悪しきものが土の中から出てきてしまいました。 悪しきものは生まれ出てすぐに、素早くどろちゃんに向けて強烈な匂いの泥団子を投げつけます。 ばぶぅ泥団子ぶつけられてしまったどろちゃんは、びっくりして思わず退散。「にゃぶぅ」それでも追いかけてくる悪しきもの。 まんまるでも、そこはねこさん。 悪しきものを引き離し、うまく巻きました。 木の下でひとり。 どろちゃんは先ほど、泥団子をぶ…

  • どろちゃんとトウキさんと悪しきもの その1

    ポ村を、そしてポ村の住民を守るのがお仕事の村長。 いつも通りにポ村の隅々をパトロール。 ポ村を愛し、ポ村を守る!さらにポ村の密かな有名人、画家であるトウキさんのお世話もしています。 トウキさんが使用している画材を、いつでも使えるようにしているのは、実は村長なのです。 画材を新品に取り換えたりもしています。 村長がお世話をしているトウキさんは今、ポ村の御神木の下でぼんやりと涼んでいます。 村長は無口なトウキさんからは、本人の情報をうまく聞き出すことが出来ていません。 でも、彼を見ていれば分かることもあります。 ”トウキさんは御神木が好きなのかも”そう判断した村長。絵筆を洗うときに使用するお水は汲…

  • リフィル処方箋導入 その2

    前回のお話2022年4月から導入されたリフィル処方箋。 そのことについてマメチュー先生とイチイさんが会話をしていたところ、ねこ森町のねこさんたちが集まってきました。 「それにゃんのお話にゃ?むずかしい話にゃか?」 「聞きたいのか?」 「にゃ」【リフィル処方箋】一定期間内、回数内であれば、医師の診察無しでも医師及び薬剤師の適切な連携により、繰り返し利用できる処方箋のことです。 高血圧などの慢性疾患で、症状が安定している患者さん等に利用してもらう制度。 新薬、麻薬、向精神薬等の投薬量に限度が定められている薬は対象外です。メリットとしては医療機関への受診回数が減る分、患者さんの負担が少なくなります。…

  • リフィル処方箋導入 その1

    2022年4月から導入されたリフィル処方箋 さて、リフィル処方箋とはどのようなものなのでしょうか。 「リフィル制度なんて日本にはいらないよな。これ以上、こっちの仕事増やされてもさぁ」何やら文句を言っていた彼。 その背後に気配が。 背後に睨む男「そうか。俺もお前にこれ以上仕事を任せたくないから即座にやめてくれや」 「だ、誰ですか?あなた」 自分に無関係の薬局に突然現れたイチイさん。 彼は仕事をなめている医療従事者を討伐するのが趣味なのです。 だめ薬剤師撃破のち、改心「おっと、今はこんなことしている場合じゃなかった」 今日、イチイさんはマメチュー先生と会う約束をしていました。 健康第一主義のポ村の…

  • 自宅に訪れる勧誘の人 その2

    前回のお話19歳くらいの頃、縁側の窓から対応していた新聞の勧誘屋に「まだ結婚してないの?」と嫌味をいわれたポいも。 沸点の低いポいもさんは ちゃんとキレちゃいましたそうそう、道路に面した窓の付近に干してあると前回の記事で書いた、母ちゃんのデカパンツ。 これかつてグーグルマップに、しっかりと載っていました。ブロ友の皆さまの中にもご本人を始め、愛猫がグーグルマップに載ったことがあるとのこと。これって案外あるあるなのですかね? ……。とはいえ母にはいわなかったけれど、なんと恥ずかしいことなのか。それを見て母ちゃんのデカパンを盗みに来た人…いなかったなぁ。 昔、お隣に住む祖母が娘(伯母)のパンツだけ盗…

  • 自宅に訪れる勧誘の人 その1

    “勧誘お断り”のステッカーをポストや、ドア付近に貼っているお宅を見かけます。 勧誘の方にしつこくされて、困っている人も多いのでしょうね。”チラシの投函お断り“のステッカーもよく見ます。ポストに入れられる広告のチラシもけっこう迷惑。 いらないチラシのせいで、必要な書類が埋もれてしまいます。 広告の中からその手の書類が混ざっていないか、チェックする手間って人生で一番不要な時間。 目くそと鼻くそ、どちらが勝者か悩むくらい時間の無駄。 そんでもって美味しそうな宅配のチラシに対しては、思わず目が行っちゃう… それも嫌。ポいもマンションには、ポスト付近に広告のチラシを捨てられるゴミ箱があるのですが、いつも…

  • 夢森町 2ねこ目 その3

    前回のお話一緒に住んでいた彼女に出ていかれた俺は、淋しい部屋に帰るのを遅らせようとあてもなく歩いていた。 そして見知らぬ場所に辿り着き、見知らぬ飲食店を目にする。 そこは店員がねこだらけの店だった。「ほら、チキン。出来たにゃよ。おいしそうにゃしょ?」出てきたのはホントに美味そうな、チキンソテーだった。 付け合わせに、インゲンとニンジンとポテトが添えてあった。 独特味のヤギミルクの後だっただけに少し身構えてたけど、皮はぱりぱりしているし肉はジューシーでなかなか旨かった。 食べ始めて腹がすいていたことに気付いたので、一気に食べ終えてしまった。 「ごちそうさま。すっごく旨かった」 「……」そういうと…

  • 夢森町 2ねこ目 その2

    前回のお話 一緒に住んでいた彼女に出ていかれた俺は、淋しい部屋に帰るのを遅らせようとあてもなく歩いていた。 そして見知らぬ場所に辿り着き、見知らぬ飲食店を目にする。 なんとなくその店に入るのはためらっていたのだが… 「いらっしゃいませにゃ」 なんで俺はこの店に入ってんだろう。 入る気はなかったのに、この店を眺めていたら無性に入りたくなってしまった。 やはり飲食店のようだった。 それよりも気になるのは、店の店員も客も全員ねこだということ。 ねこがちょこちょこと働いている。 店内は”にゃんにゃん”という賑やかな声で満たされていた。 喋って働く…ねこ?頭の中にいろいろと疑問が浮かぶのに、なぜだかその…

  • 夢森町 2ねこ目 その1

    今朝あいつは出て行った。 今日は早く帰りたくない… そう思いながら1日仕事をしていた。 一人ぼっちの夜は久しぶりだから、早く帰りたくないのだ。なのにこんな日に限って、仕事というものは早く片付いてしまう。嫌なことを忘れたくて、仕事に没頭していたせいかもしれない。 会社を出て、もやもやした感情を抱え、もやもやとした足取りで歩く。 もやもやしつつも、なんかだいぶ歩いた気はする。それでもまだ、温もりもなければより殺風景になってしまったあの部屋を、見る覚悟はできていない。だからと言って別れたことをまだ友人には話したくないし、一人でふらっと寄れるような行きつけの店もない。 「ん?」 のんびりというか、とぼ…

  • ネット回線の営業 その3

    前回のお話”月千円安くなるのでうちの会社に変更しませんか”というネット回線の営業の男性アーロン。 ポいもは今の回線の会社に断りの連絡をするのが面倒臭いので、変更しないとお断りをしたのですが、月千円節約できるありがたみをトクトクと語られてしまう。 ポいもの耳は最早、アーロンの会話のスピードについていっていませんでした。 おそらく彼の話に、何の興味もないからなのでしょう。 月千円安くなったらどんな恩恵を受けられるかこの私に説明をしている、それだけは雰囲気的に分かる。”うるさいなぁ”私が節約を始めてしまうとご飯すら買わなくなり、30キロ台まで体重を落としてしまうくらい突き詰めてしまうという… そんな…

  • ネット回線の営業 その2

    前回のお話家にやって来たネット回線の営業の男性に帰ってもらうため「火を使っていて忙しい」そう伝えました。「お料理中なんですか?何作ってるんですか?」 「は?」にこにこしながら、彼はそんなことを尋ねてきました。 アーロンの質問に反応せずにいると… 「じゃあ、他を回ってから午後8時半にまた来ますね」”くんなよ”いやいや、夜の8時半になんてまた来られても困ります。 金曜の夜なんです。 お休みの前日なんです。この後はもう、ごはんを食べながらゆっくりしたいのです。 「…火は止めておくので、続きがあるのなら今話してください」 「分かりました。では早速回線を変更したいので、空いている日を教えてください」 お…

  • ネット回線の営業 その1

    以前の記事でも書きましたが、ポいもは普段チャイムを鳴らされても居留守を使います。 記事:自宅に訪れる勧誘の人点検系は事前に管理会社の方から連絡が来るため、それ以外は居留守です。 ある日の夕方6時過ぎ、料理中に玄関チャイムが鳴りました。「珍しく料理をしている時になんだ!?」 覗き穴から確認すると、なぜだか点検の人っぽいという印象を受ける。「あれ?点検の人くるんだっけ」 最近、何かしらの連絡のチラシが入っていたのですが、それについての日にちを忘れていたのでついドアを開けてしまったのです。 「ネット回線を他社に変更しませんか?」”ネット回線の営業の人?” ”何度も来ていて、お前は性懲りもなくまた来て…

  • 町の治安 その3

    前回のお話 マンションのポストしか置いていない所で、ずっとスマホを見ている小さくて細身、そして長い髪の毛で顔を隠している男性。 なんだかちょっと気味が悪いので、スーパーによってその人がいなくなってから帰ることにしたのに、買い物が終わってからもまだいる。彼はただスマホを見ながら立っているだけなのですが、部屋に戻らない理由が分からずちょっと怖い。 無料で使用できるWi-Fiがあるとかでもないと思うのですけれど… ある日の、仕事帰り。ポスト前の彼は、やはり同じ場所でジッと俯いてスマホを見ておりました。 本当はそこにあるポスト内を確認したかったのですが、なんとなくその場を早く立ち去りたかったので、階段…

  • 町の治安 その2

    前回のお話 宅配などを頼んでいないのに、呼び鈴をしつこくならしてくる人が家の前にいる。 何やら異常な感じがしたので、どんな人間なのか興味がわき、ドアスコープから覗いて見ることにしました。 何者?!!その人はドアスコープから顔が見えないよう頭を下げており、そのせいでつむじだけが見えていました。 「こわっ」 と思いつつも。 顔見たい。 お前何者だ?と思っていたので、しばらくドアスコープから覗いてみる。 こいつも十分不気味野郎その人はいつまでたっても、顔を上げることはありませんでした。 (なんなの?) 結局こちらが先に根負けし”もういいや”とその場を立ち去ることにしました。 …が、気になる!少しして…

  • 町の治安 その1

    今回は実家の近所に住んでいたねこのバーバラさんに、代役をおねがいしています現在ポいもは一人暮らし。 右を見ても左を見ても、住宅しかない場所に住んでいます。 そんな街で深夜、ふと目を覚ます。外で一人、騒いでいるっぽい男の人の大声が聞こえてきました。しつこく一生言ってるしつこく一生言ってる大声男性はいつも一方的に、何かを言っている。 1階や2階に住んでいるわけではないのに、はっきりと聞こえる町中に響き渡る男性の声。 引っ越してから、幾度となく聞いています。 それが毎回同一人物なのか、そうでは無いのかはわかりません。 ポあね、ポにゃちゃんと住んでいた町に比べ、なんだか治安の悪さを感じる場所です。 実…

  • 軟膏調剤 その2

    前回のお話 軟膏調剤が苦手なまゆさん。 あちこち軟膏を付けまくり、ベタベタにしています。 どうやらぶきっちょさんみたいです。 「今まで器用さを必要とする作業はどうしてたの?」「そんなことは気にされなくて結構。ちゃんとできます。折り紙と、軟膏を詰めるのだけが苦手なだけです。あと、洋服作りとかが苦手です」 「洋服?」 「家庭科の授業の」 「で、ちゃんと作れたの?」「大丈夫。中学校の時も高校の時も、なぜか代わりに作ってくれる人が周りにいてね。ありがたいことにね」 「まゆちゃんたら…甘やかされて育ったんだね。甘やかすってだめなんだね」「その人たちのせいでまゆちゃんがこうなっちゃったんだから、あたしたち…

  • 軟膏調剤 その1

    マメチュー先生の薬局では、最近皮膚科の処方が増えてきました。軟膏ねりねりポ村から比較的近いところに、皮膚科の病院が出来たらしい。いつもはマメチュー先生が、素早くチューブから薬を出して、皮膚科の処方箋によくある混合処方を作り上げてくれます。 外用塗布剤の混合処方は時間がかかるため、患者さんを待たせないよう素早く行う必要があるのです。 でも今は。マメチュー先生は話が長い先生に、疑義照会(お薬に関する問合せ)をしています。 「あー、あの先生かぁ。まだ時間かかるだろうなぁ」皮膚科のお薬づくりはまゆさん、てんまさん、パゴロウさんが急ピッチで進めます。薬剤師のお仕事の中に軟膏を混合して、軟膏壺に詰めるとい…

  • フィトンチッド その2

    前回のお話 仕事の休憩中、パゴロウさんとUSAさんは、ポ村の占い師・ソヨウさんの話をしていました。 「憎い人がいて悩んでいる人に、丑の刻参りをすすめたんだって」 「なぜ丑の刻参りを?」 「ソヨウ君が勧めた丑の刻参りは、ポ村の御神木限定」 「ポ村の御神木?」 「もしかしてフィトンチッドの話ですか?」 「あっ。マメチュー先生、知ってます?」 樹木が発散する化学物質”フィトンチッド” 癒しの効果があるそうです。 フィトンチッドは植物が傷ついた時に自ら発生させるのですが、この化学物質が人間にも健康効果があるといわれているのです。 「詳しくは知りませんでしたけど、多分それ」 「釘を打ち付けられたポ村の御…

  • フィトンチッド その1

    憎くて憎くて仕方がない人がいる。 目の前から消えていなくなって欲しい。 そういう時って、一体どうしたらいいんだろう。 マメチュー先生の薬局の、鉢の中で暮らす木じじい。 木のじじいであるため、鉢の中から出て移動するのは一苦労。 そのため、ほとんどの時間を同じ場所でジッとして過ごしています。 まゆさんには、ハンガーラック扱いをされることもありますが、それでも静かに佇み患者さんを見守っています。 動くことも出来ます。あんよは泥だらけです。自ら動くことが少ない木じじいですが、たまに日向ぼっこをしていたりすると、木じじいの元に虫や動物たちが癒されに来ます。 お花からは甘くて美味しい蜜がとれます そして、…

  • 夏のお野菜 その5

    前回のお話 三すくみでお料理の提供を待っていたケイヒさん、マメチュー先生。そしてパカじいさん。 するとなぜか、ナメ江さんの金切り声が聞こえてきました。 「キャー!」 「ナメ江さん、大丈夫か?」 昭和の男気をみせるパカじい、いち早く駆け付けます。 ナメ江さんが促す方向を見ると、なんとピーマンの肉詰めになるはずのものに、泥が詰められていました。 悪しきものグルメどうやらポ村の外から侵入したらしき、悪しきものがいたずらをしているようです。 「イヤァ」 「うわ、悪しきものだ。気持ち悪っ」 「なんじゃ、お前は。男のくせに情けない」 収穫中は勢いが良かったケイヒさんですが、仕事中ではない今は、その勢いがど…

  • 夏のお野菜 その4

    前回のお話 農家のケイヒさんは三すくみでお料理を待つ間、マメチュー先生に相談をしていました。 相談内容は耳鼻科の先生が、自分の話をほとんど聞いてくれていなかったということ。 その先生の診断は… 診断:外耳炎 「…先生絶対話聞いてなかったよな。ほんとに俺、外耳炎ってやつなのかな?」 診断後、心配になったケイヒさんは、他の耳鼻科に再度診察して貰うことにしました。 心配性な人ほどこういう時に、相手の仕草や表情をよく観察しているものです。 そこでの診断は… 診断:急性中耳炎 やはり誤診だったそうです。 「でさ、先生。外耳炎の時に使ってた薬って、中耳炎に使っても問題ないんですかね」 彼はそのことがとって…

  • 夏のお野菜 その3

    前回のお話 農家のケイヒさんは収穫したお野菜を、いつもお世話になっているポ村の住民に配りにきました。 小料理屋 三すくみにやってきたケイヒさんは、今から野菜料理を食べさせてくれると聞き、食べたいメニューを考えています。 まずはトマトはサラダね。 ピーマンは肉詰め!さっぱりと大根おろしとポン酢で食べたい。あ、ソースでもいいな。 みそ炒めも食べたい。ナスよりはピーマンのみそ炒めがいい。 ナスは絶対焼きナス。おかかたっぷりでお願いします。 ゴーヤとズッキーニはフリットにしない? お野菜大好きなケイヒさんは、どんな料理でも大賛成です。 近頃、食欲が無かったケイヒさんですが、これなら少しは食べられそうで…

  • 夏のお野菜 その2

    前回のお話 農家のケイヒさんは収穫したお野菜を、いつもお世話になっているポ村の住民に配りにきました。 大量のお野菜を抱えているので、ちょっとよろつきながらの登場。 「よっと。わわ、あ!三すくみのみなさん、こんにちはー」 「アラ、ケイヒさん、コンニチハ」 「お久しぶりです」 「何をヨロヨロしとるんじゃ。男のくせに!服もだらしなく着るんじゃない」 「パカじいさん!?」 大きな声で大量の野菜を担いでいるケイヒさんにわめいているのは、パカじいさん。 小料理屋 三すくみの常連のおじいさんで、昭和タイプの男性です。 「だいたいお前、痩せたんじゃないのか?食べてるのか?暑いからってちゃんと食べなきゃダメじゃ…

  • 夏のお野菜 その1

    土壌を腐らせる、そんなポ村に巣くう悪しきものにも負けず、ようやく実ったポ村産の可愛い野菜たち。 「可愛いなぁ。抱きしめたくなるよなぁ」 農家のケイヒさんは、自分が育てて収穫した野菜たちを愛おしそうに見ています。 名残惜しいですが、商売なのでいつまでも眺めている場合ではありません。 ポ村一でかい男ヤマオと出荷作業段ボールに詰められたお野菜を、またもケイヒさんは見つめています。 「きれいだなぁ。宝石箱みたいやなぁ。なぁ!ヤマオ!聞いてる?」 「…」 ケイヒさん、黙って仕事に戻ります。 「ん?なぁヤマオ」 「…」 「なんか嫌な匂いしねぇ?」 そう、ケイヒさんに尋ねられたヤマオ。 たっぱのある彼が辺り…

  • 高齢の患者さん その2

    前回のお話 イチイさんの調剤薬局 よく薬のことを聞いてくるのに“用法用量を守って下さい”というアドバイスを聞いてくれないチョウジさん宅のご近所の青木さん。 なぜなのでしょう。 「近所の高齢なご婦人、青木さんなんですけどね。いつも用法用量を守っていないみたいで。前にも同じことをその人に言ったんですけど」 「認知機能に問題があるわけではない?」 「一応会うたびよくしゃべってますし、活動的な人ではあります」 「なにか他に理由があるんですかね」 「お前とコミュニケーション取りたいだけかもしんないなぁ。でも用法用量を守ってくれないのは問題だよ」 注) 用法用量を守らなかったせいで、効果が出なかった場合。…

  • 高齢の患者さん その1

    イチイさんの調剤薬局で薬剤師として働くチョウジさん宅の近くで、井戸端会議をしている近所の高齢なご婦人たち。 ”足元は暖かくしたいんだけど、顔は冷たい方が好きなのよね” 時間を持て余している彼女たちは、会えばいつも長い間立ち話しているようです。 「あら、チョウジくん。大きくなったわね」 「おはようございます」 “大きくなったわね” 会うたびに言われるセリフ。 「薬剤師さんなのよね。ご実家の薬局を継ぐの?そうだ、ちょっと相談してもいい?」 仕事柄、高齢な方たちがいると始まってしまう薬相談。 「今飲んでる薬がね。私には合わないみたいで」 「青木さん。処方箋に記載されている用法用量はきちんと守っていま…

  • やけど その2

    前回のお話まゆさんは、原因不明のやけどを腕に負っていました。 しかしてんまさんと話していて、鍋の近くに置いてあったザルに腕が触れたのが原因だと思い当たったようです。「ザルに腕が触れた時、チクッとはしたけど熱いとか、痛いとか、思わなかったんだよね」 全力料理中「そっかぁ。すぐ気づいていれば、冷やすなり何なり早く治療出来たのにね」 「ほんと。気づいたのスパゲティ食べ終わったあとだもん」 気づいた時には既にやけどした部分は腫れて、水ぶくれになっていました。 ぷっくり“水ぶくれ“人によってはつい、潰したくなってしまうもの。「まゆちゃん、ちゃんと潰すのがまんした?」 「したさ。そりゃ」 まゆさんがやけど…

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