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認知症診療あれこれ見聞録 https://kotobukireha.hatenablog.com/

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

きた みちを
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2019/06/25

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  • 「リーキーガット」を予防・改善するには?①

    前回は、特に小麦に多く含まれる「グルテン」が「ゾヌリン」という物質を多く分泌させることで腸粘膜や脳の「血液脳関門」の「タイトジャンクション」を緩めて「異物」を侵入させやすくし、体内の至る所で「異常な免疫反応」による「炎症」が起こると「自己免疫疾患」や「アレルギー」さらには「認知症」までもが引き起こされるため、健康のためには「タイトジャンクション」をいかに良い状態に保てるかが大切だというお話をしました。 「リーキーガット」があると、そこから「未消化の食べ物」や「有害物質」「細菌」などが血管内に入り込み、脳を含めた全身に「炎症」を起こして「万病のもと」になるので、健康のためにはまず「リーキーガット…

  • 「リーキーガット」があると認知症になりやすくなる!?②

    前回は、腸の細胞をしっかり密着させている「タイトジャンクション」は本来、良い栄養は入れて有害な物質を入れないように必要に応じて開いたり閉じたりしているが、小麦に多く含まれる「グルテン」(を構成する「グリアジン」)が「タイトジャンクション」を緩める「ゾヌリン」の分泌を増加させるため、小麦を食べ続けると「ゾヌリン」が分必され続けてしまって腸の「タイトジャクション」が常に緩んでいる「リーキーガット(=腸漏れ)」の状態になるのだというお話をしました。 今回はその続きです。 「リーキーガット症候群」になると「未消化の食べ物」をはじめとする「有害物質」「バクテリア」などの「異物」が「体内」に入り込みやすく…

  • 「リーキーガット」があると認知症になりやすくなる!?①

    前回は未消化の食物は「万病のもと」なので、健康のためにはしっかり胃腸をケアしながら消化力を高める食事習慣を持つことが大切だというお話をしました。 また人間が一番消化しにくいのは「タンパク質」であり、未消化の「タンパク質」が「リーキーガット症候群」を引き起こす一番の原因になると同時に、認知症発症の原因にもなると考えられているため、今回はもう少し詳しく「リーキーガット(=腸もれ)症候群」についてお話ししたいと思います。 口からに入った食べ物は胃から腸へと移動していきますが、口~腸~肛門までは1本の管になっています。 消化された食べ物の栄養分は腸の粘膜から「体内」に吸収され、吸収されなかった分が便と…

  • 食事で効率良く栄養を摂るためには③

    前回は日本人はもともと胃酸の分泌が不足気味で「タンパク質」の消化吸収が苦手な方が多い傾向があり、肉や魚などの「タンパク質」を効率良く消化吸収するための食事対策をいくつかご紹介しました。 そして「タンパク質」を分解して得られる「アミノ酸」は消化酵素の原料にもなるので、胃腸で消化吸収をスムースに行うためにも「タンパク質」をこまめにしっかり摂ることが大事だということをお話ししました。 今回はその続きです。 「タンパク質」は「アミノ酸」まで分解されて小腸から吸収された後、血液によって肝臓まで運ばれます。 すると肝臓では約2000種の酵素によって速やかかに500種もの化学反応が起こり、何と1分間で肝細胞…

  • 食事で効率良く栄養を摂るためには②

    前回は、食べた物が自分の身になるためには、 ①消化できているか? ②腸で吸収できているか? ③吸収した栄養素を運べているか? ④届けられた栄養素を使えているか? 少なくともこれらをクリアしなければならないので、単純に身体に必要な栄養素を含む食品を食べれば、すぐにその栄養素を補うことができる訳ではないというお話をしました。 身体を作る原料になる大事な栄養素で特に高齢者に不足しやすいのが「タンパク質」になりますが、この「タンパク質」を補うために肉や魚をたくさん食べたとします。 「タンパク質」はまず胃で分泌される「胃酸」と「ペプシン」の酵素作用によって消化・分解が始まります。 そもそも「タンパク質」…

  • 食事で効率良く栄養を摂るためには①

    前回は「低栄養状態」が認知症をはじめ様々な疾病を発症・進行させてしまう要因になりうるため、「低栄養状態」がある場合には速やかに栄養状態を改善させる必要があるが、本人に適した効率の良い栄養摂取の方法がなかなか見つからずに苦労することが多く、それが大きな課題になっているというお話をしました。 特に高齢者では、食が細かったり、「食べても食べても身にならない」といった方も少なくないため、「食事で効率良く栄養を摂るためには」どうしたら良いのかということがとても大事になります。 また「低栄養状態」の方が必要な栄養素を含む食品をたくさん摂れば、それで栄養状態が改善するのかといえば、そうとも限りません。 いく…

  • 「低栄養状態」が認知症を発症・進行させる!?

    最近、「低栄養状態」の高齢者が増えているということが報告されています。 これは高齢者の方に「メタボリック症候群を避けたいという意識が強く働いていること」が大きな原因になっていると考えられています。 実際、当院に通院する高齢患者さんの中にも来院するたびに「しぼんで生気がなくなっていく」印象の方が何人かいたので、普段の食事内容を確認したところ、ほとんどの方が「小食で野菜中心。肉類、油ものは食べません」と答えていました。 まだ元気な頃から炭水化物や脂肪などを極端に控えた料理を好んで摂ることで、気付かないうちに「低栄養状態」が進んでしまうというケースが実際に多いそうです。 「低栄養状態」が持続すると筋…

  • 「糖質制限」は「意識の変容」の改善に効果的!?②

    前回は「糖質制限」を続けて体内の「ブドウ糖」が不足してくると、「ブドウ糖」の代わりに「ケトン体」が主なエネルギー源として利用されるようになり、「ケトン体」が体内に増えると「てんかん」発作が起こりにくくなるので、「糖質制限」が食事療法として用いらているということをお話ししました。 しかしなぜ「ケトン体」が体内に増えると「てんかん」発作が起こりにくくなるのかについてはまだ不明なことが多く、現在も研究が進められているそうですが、「てんかん」発作だけでなく認知機能も改善した症例も報告されているようです。 ただ前回最後にお話しした通り「意識の変容」が「てんかん」の一種だとすれば、体内の「ケトン体」を増や…

  • 「糖質制限」は「意識の変容」の改善に効果的!?①

    前回は「糖質制限」は認知症治療にとって有効なものではありますが、決して万能なものではなく人によっては悪化する場合もあること、効果を見極めながら一定期間はどっしり腰を据えて取り組む必要があることについてお話ししました。 今回は認知症の主要な症状の1つである「意識の変容」の改善に「糖質制限」が効果的であることについてお話しいたします。 以前も触れましたが認知症の症状の中に「意識の変容」というものがあります。 「意識の変容」とは「意識がはっきりしている時とそうでない時が入れ替わる症状」のことで、日本で2番目に多いとされる認知症疾患の「レビー小体型認知症」では幻覚・妄想やパーキンソン症状などと共に主要…

  • 認知症改善のために「糖質制限」を導入する際の留意点

    前回まで4回に渡って認知症になると甘いものを好んで食べるようになる理由についてお話しし、特に砂糖を使った甘いものを控えることが認知症の症状の改善はもちろん、あらゆる方の健康づくりにも役立つということをお伝えしました。 本日受診された前頭側頭葉変性症の患者さんもコーラが大好きで、甘いお菓子も自分でたくさん買い込んで飲み食いしていたのですが、投薬治療と並行して家族にも、本人の目にできるだけ甘いものが触れないよう工夫してもらったり、飲み物も麦茶などに切り替えてもらったところ、困っていた易怒性が明らかに減るとともに、デイサービスで拒否していたお風呂にも毎日のように入るようになったということで家族が大変…

  • 認知症になると甘いものが大好きになる!?④

    前回までに認知症になると甘いものが大好きになる理由を4つお話ししました。 簡単に整理すると、 ①前頭葉機能の低下によるもの ②アルツハイマー型認知症で脳の神経細胞に見られる糖の代謝異常によるもの ③糖質の過食で引き起こされるインスリン過剰分泌による低血糖によるもの ④腸内にいるカンジタ菌の増殖によるもの となります。 今回は5つ目の理由をお話しいたします。 5つ目の理由は③と④と同様に必ずしも認知症の方に限ったものではなく、すべての方にも当てはまるものだと思います。 それは⑤「糖質が持つ依存性によるもの」です。 糖質が持つ依存性の強さは麻薬が「ハードドラッグ」と言われるのに対し、糖質は「マイル…

  • 認知症になると甘いものが大好きになる!?③

    前回までに認知症になると甘いものを好んで食べるようになってしまう理由を3つご紹介しました。 特に前回は甘いものを食べて血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌されるけれども、インスリンは少し遅れて分泌される特徴があるため、今度は急激に血糖値が下がって(=低血糖)急な「空腹感」を感じることになり、手っ取り早く血糖値を上げられる「甘いもの」がさらに欲しくなるというお話をしました。 このような血糖値の急激な乱高下は「グルコーススパイク」と呼ばれ、血管を傷つけて動脈硬化を進行させるのでとても危険だというお話もしましたが、実は「グルコーススパイク」は血管だけでなくいわば「精神」も傷つけて不安定にしてしまう…

  • 認知症になると甘いものが大好きになる!?②

    前回、認知症になると甘いものを好んで食べるようになってしまう理由として、1つ目は前頭葉機能が落ちて甘いものを「我慢」するのが難しくなるため、2つ目はアルツハイマー型認知症では脳の神経細胞が血液中のブドウ糖をうまく取り込んで使えなくなるので、脳がエネルギー不足になってしまってすぐブドウ糖になるような「甘いものが欲しい」という指令を出すけれども、結局甘いものを摂っても摂ってもブドウ糖を取り込めないのでさらに「甘いものが欲しい」という指令を出し続けてしまうためだというお話をしました。 今回は3つ目の理由についてお話しいたしますが、血糖値の急激な変動が関係しているので、まずは糖尿病の病態のお話しから始…

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