オモイカネの自伝 26 ニニギさまは、地上の日本から昇って来た神の正体を確かめるよう、ウズメにお命じになりました。 そうこうしているうちにも、その神はどんどん昇ってきて、われわれの前に姿を現しました。 ・・・その姿・・・!! 鼻の長さは七咫(あた)はあるでしょうか・・・背の高さは七尋(ひろ)、座っても七尺(しゃく)はあるでしょう。 そんな巨大な姿で、口や尻からは明るい光を放っています。目も鏡のように光っていて、その様はあたかも真っ赤なほおずきのようです。 われわれはその姿に圧倒されていました。 そう、ニニギさまも・・・その恐ろしい姿に真っ青になって、ガタガタ震えています。 わたくしは、ニニギさ…
オモイカネの自伝 25 ニニギさまが、わたくしたち多くの神々を従えて日本に降臨しようとしていた、その時でした。 地上の日本から、上は高天原を、下は日本を照らしながら、昇ってくる神が見えたのです。 われわれの中に、一気に緊張が広がりました。 ニニギさまは、わたくしに仰せになりました 「オモイカネ、これはいったい、何が起こっているのだろう?・・・」 そのニニギさまのお顔、明らかに不安な様子が浮き出ています。突然起こったこの事態に、どう対処すればいいのかわからない、といった感じで、ひどく動揺されていました。 わたくしはニニギさまに申し上げました 「ニニギさま、どうぞ気をお静め下さいませ。一国の統治者…
オモイカネの自伝 24 日本の国はオオクニヌシからアマテラス大御神に譲渡されました。 アマテラス大御神は早速、長男のオシホミミさまを呼び出し、日本の統治者として降臨するようお命じになりました。 するとオシホミミさまは、 「そのお役目、息子のニニギにやらせていただけませんか」 と、辞退されました。 以前、何もせずに戻ってきたことの後ろめたさがあったのでしょうか。あるいはオオクニヌシを中心によくまとまっていた日本の国に、何の準備もなく『日本に降りていけ』などと、無茶なご命令をお出しになっていたアマテラス大御神への反発もあったのかもしれません。 ニニギさまは、オシホミミさまとトヨアキシツヒメの子であ…
オモイカネの自伝 23 こうしてタケミカヅチをアマテラスの特使とし、オオクニヌシのもとに派遣することになりました。 副官としてアメノトリフネを添えることも決まりました。 こうしてアマテラス大御神の期待を背負って、タケミカヅチはアメノトリフネを従えて日本に降りていったのでございます。 結果はというと、これがうまくいったのでございます。 タケミカヅチは交渉の場に出てきたオオクニヌシとその二人の息子に対し、脅迫ともとられかねない、強い態度で臨んだのでございました。 すると、オオクニヌシの息子の一人はあっさりこちらの要求を認め、もう一人も一度は反対するもののタケミカヅチの強い態度に降参しました。この様…
オモイカネの自伝 22 アマテラス大御神がオオクニヌシのもとに派遣したホヒもワカヒコもその使命を果たさず、オオクニヌシに寝返ってしまいました。キジのナキメはワカヒコに射殺されました。そのワカヒコはわたくしの言霊がこもった矢によって誅殺されました。 アマテラス大御神はとても焦っていました。無理もありません。アマテラス大御神のもとに日本の支配を取り戻す企ては、ことごとく失敗してるのですから。 アマテラス大御神は、再度、天安河原に神々をお集めになり、仰せになりました。 「ホヒもワカヒコも、その使命を果たせませんでした。キジのナキメも殺されました。しかし、このままオオクニヌシに日本の支配を任せておくわ…
オモイカネの自伝 21 日本に降りて帰ってこないワカヒコの事情を探らせるため、キジのナキメを降ろすことになりました。 ナキメはケーン、ケーンと甲高く泣きながら、日本に向かって飛んでいきました。 それから数日。 アマテラス大御神とわたくしは、神殿を出て天安河原を歩いておりました。 「ナキメはあの後、どうしたでしょう・・また帰ってこない、なんてことにならねば良いのですが・・」 アマテラス大御神は不安そうに仰せになります。 「ナキメはアマテラスさまにとても忠実な鳥の神ですから、よもやそんなことはあるまいと思われますが・・」 と、わたくしがお答えした、その時でした・・・ びゅう~~ん! 足元から矢が飛…
オモイカネの自伝 20 ホヒ様に続き、ワカヒコがアマテラス大御神の特使としてオオクニヌシとの交渉のため、日本に降りていくことになりました。 ワカヒコは日本に降りていきました。しかし・・・ ワカヒコもなかなか戻ってきません・・・。1年、2年、3年・・・ついに8年もの年月が経ちましたが、ワカヒコからは何の音さたもありません。 ついにしびれを切らしたアマテラス大御神は、またもや八百万の神々を天安河原に集めました。 「ホヒに続き、ワカヒコも8年もの間、戻ってきません。まさかオオクニヌシのもとに遣わした神が二人続けて帰ってこないとは、思いもしませんでした。この事態、どうすればいいのでしょうか」 と、仰せ…
オモイカネの自伝 19 アマテラス大御神の次男、ホヒさまがオオクニヌシとの交渉のため、日本に降りていくことになりました。日本の国をアマテラス大御神に譲渡してもらうために。 ホヒ様は天の浮橋を渡って日本の国に降りていきました。 しかし、ホヒさまが日本に降りて1年、2年・・・そして3年がたっても、戻ってきません。いや、復命しないどころか、なんの便りもありません。 ホヒ様の交渉は、上手くいかなかったのでしょうか・・・ そしてアマテラス大御神は、再び八百万の神々を天の安河原に集め、仰せになりました。 「日本に遣わしたホヒが3年もの間、戻ってきません。どうしたらいいでしょうか」 集められた八百万の神々か…
オモイカネの自伝 18 アマテラス大御神の御子オシホミミさまは結局、日本の統治者になることはできませんでした。 アマテラス大御神は、天安河原に高天原の八百万の神々を集めました。 そして神々の前で仰せになったのです。 「日本の国は、本来日の神である、わたしの子孫が治めるべき国であります。しかしこのままでは、オオクニヌシのものになってしまいます。日本の国はわたしの手に取り戻さなければなりません。 そのためにはどうすればよいだろうか」 アマテラス大御神はこう仰せになりましたが、いきなり言われてもなにをどうすばいいのやら・・・なかなかまとまりません。 そこで、わたくしは申し上げました。 「とにかくまず…
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